JPH11188212A - ボロンレスフィルタ - Google Patents

ボロンレスフィルタ

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JPH11188212A
JPH11188212A JP35931797A JP35931797A JPH11188212A JP H11188212 A JPH11188212 A JP H11188212A JP 35931797 A JP35931797 A JP 35931797A JP 35931797 A JP35931797 A JP 35931797A JP H11188212 A JPH11188212 A JP H11188212A
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JP
Japan
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filter
fiber
boron
polyvinyl alcohol
boronless
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Application number
JP35931797A
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English (en)
Inventor
Nobuaki Sato
信昭 佐藤
Atsushi Nakagawa
淳 仲川
Shinji Hatsutori
進司 服部
Iwao Yoshizawa
巌 吉澤
Naoki Irie
直樹 入江
Yoshiyuki Yoshida
美幸 吉田
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Takuma Co Ltd
NEC Yamagata Ltd
Original Assignee
Takuma Co Ltd
NEC Yamagata Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粒子脱落等が少なく除塵が良好であり、ボロ
ンに対する選択性と除去率が良好で、しかもガラス繊維
に悪影響を及ぼさない、低コストのボロンレスフィルタ
を提供する。 【解決手段】 ホウ素含有ガラス繊維よりなるフィルタ
層に、架橋ポリビニルアルコール繊維を、混合状態又は
積層状態で配置してあるボロンレスフィルタ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子産業用クリー
ンルームなど、微粒子や化学汚染等が問題となる環境に
使用されるHEPAフィルタやULPAフィルタなどの
フィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ホウ素を含有するガラス繊維を素
材としたHEPAフィルタが長らく使用され、現在も使
用されている。最近、HEPAフィルタのガラス繊維濾
材からボロン化合物が揮散することが問題として指摘さ
れているが、これはIC集積度の向上に伴い、微細加工
がより微細化する過程の中で課題になり始めたものであ
る。
【0003】このような経過の中で、ボロンレスフィル
タとしては、下記の3種類の方法が提案されている。即
ち、 古くから知られている水処理用のキレート樹脂を微粉
加工した粉体を、接着剤によりHEPAフィルタのガラ
ス繊維に接着したものが製品化されており、かかるキレ
ート樹脂としては、ボロン吸着用の架橋ポリスチレンを
基体としN−メチルグルカミン基を交換基としたもの
(例えばダイヤイオンCRB−02,三菱化学株式会社
製)等が使用されている。 HEPAフィルタのガラス繊維にかわり、フッ素系合
成樹脂繊維、例えばPTFE等の繊維を素材として抄造
し濾材を形成したボロンレスフィルタがある。 HEPAフィルタの下流側に陰イオン交換繊維濾材、
或いは薬品添着活性炭濾材からなるケミカルフィルタを
配置し、或いはHEPAフィルタのガラス繊維濾材に積
層する方法が提案されており、特開平4−247207
もボロンに限定すれば同一の技術内容である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
〜のボロンレスフィルタについては、解決すべき種々
の問題があり、現状では実用的なフィルタとは言い難
い。即ち、上記については、通常、HEPAフィルタ
の寿命はクリーンルームの超クリーン化に伴い5年以上
或いは長いもので10年と長期間の使用が可能であるに
もかかわらず、キレート樹脂粉末を分散接着するための
接着剤の劣化により、キレート樹脂微粉が剥離飛散する
ためにHEPAフィルタ本来の除塵機能を失い、逆にク
リーンルーム内を汚染する可能性がある。
【0005】上記については、まだ製品化されて日も
浅く、使用実績も少ないが、ガラス繊維濾材に比較し微
粒子の補足量が小さいため、使用期間に対する圧力損失
の上昇が早いと言われている。そして、フッ素系合成樹
脂繊維を濾材としたボロンレスフィルタの最大の課題
は、ガラス繊維のHEPAフィルタに比較して極めて高
価な点にあり、使用期間の上記制約は更に価格を上昇さ
せる傾向にあり、このため従来のHEPAフィルタに比
較して、普及しない現状にある。
【0006】上記については、次のような問題があ
る。即ち、HEPAフィルタのガラス繊維から揮散する
ボロン系物質については、その形態が未だ明確ではない
が、ホウ酸(H3BO3 )のみではなくホウ砂(Na2
47・10H2O)などの化合物もあり、陰イオン交換
繊維濾材ではホウ酸の除去しか期待できない。またホウ
酸は解離度の極めて小さい弱酸性物質であるために、ホ
ウ酸に対する陰イオン交換繊維に対する吸着量は、交換
基が強塩基の第4級アンモニウム基としても極めて小さ
い。更に、ボロンに対する選択性が小さいために、気体
中に共存する陰イオンの影響を受けて濾材が貫流点に達
した場合、HEPAフィルタ上流側よりも陰イオン交換
繊維フィルタ下流側のボロン濃度が上昇する場合もあり
得るために、ボロン除去の目的には適用できない。ま
た、イオン交換繊維体は交換基がホウ酸除去ではアルカ
リ性であるため、ガラス繊維の強度に影響を及ぼすとい
う懸念もある。
【0007】従って、本発明の目的は、上記欠点を解消
すべく、粒子脱落等が少なく除塵が良好であり、ボロン
に対する選択性と除去率が良好で、しかもガラス繊維に
悪影響を及ぼさない、低コストのボロンレスフィルタを
提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明者らは、ボロン除去能を有するフィルタ材料
に関して鋭意研究したところ、ポリビニルアルコール繊
維がボロン除去に有効であること、即ち、ポリビニール
アルコールの水酸基によるボロン化合物とのキレート結
合に関しては古くから知られていたが、これはPVAの
塩析というパーセント単位以上のホウ酸、ホウ砂濃度に
関するもので、本発明の如く数十ng/m 3〜数百ng
/m3の極めて低濃度領域において、尚且つ接触時間が
0.02秒と高風速においてガラス繊維から揮散するボ
ロン化合物を90%以上の高除去率が得られることを見
い出し、これを一体型のフィルタに応用することで、本
発明を完成するに至った
【0009】即ち、本発明のボロンレスフィルタは、ホ
ウ素含有ガラス繊維よりなるフィルタ層に、架橋ポリビ
ニルアルコール繊維を、混合状態又は積層状態で配置し
てあることを特徴とする。
【0010】上記において、前記ポリビニルアルコール
繊維の含有量が、前記ホウ素含有ガラス繊維100重量
部に対して10〜50重量部であることが、後述の作用
効果の点で好ましい。
【0011】また、前記ポリビニルアルコール繊維の混
合状態が、前記ホウ素含有ガラス繊維中に、前記ポリビ
ニルアルコール繊維が樹脂バインダーを介して結合され
たものである ことが、後述の作用効果の点で好まし
い。その際、抄造法により製造されたものであること
が、後述の作用効果の点で好ましい。
【0012】また、前記ポリビニルアルコール繊維の積
層状態が、ポリビニルアルコール繊維を熱可塑性樹脂繊
維と混合して不織布層とし、その熱可塑性樹脂繊維の熱
融着により、前記ホウ素含有ガラス繊維よりなるフィル
タ層に積層・結合されたものであることが、後述の作用
効果の点で好ましい。
【0013】そして、本発明のボロンフィルタは、HE
PAフィルタ、又はULPAフィルタであることが、本
発明の好ましい態様となる。
【0014】〔作用効果〕そして、本発明によると、ホ
ウ素含有ガラス繊維よりなるフィルタ層に、ポリビニル
アルコール繊維を、混合状態又は積層状態で含有するた
め、後述の実施例の結果が示すように、ガラス繊維から
揮散するボロン化合物が下流側に移向する前に、混合又
は積層した樹脂繊維の水酸基とキレート結合等して、ボ
ロン成分を選択的に高い除去率で除去することができ
る。また、繊維状の材料を用いているため材料の脱落が
生じにくく、ホウ素含有ガラス繊維を用いてフィルタ層
を形成しているため、除塵性能も良好である。また、ポ
リビニルアルコール繊維が中性であるため、ガラス繊維
に悪影響を及ぼさないとういう効果を有する。更に、フ
ィルタ層が一体的に形成されるため、プリーツ等への加
工やデバイスへの組み込みが簡易になり、取扱が非常に
便利になる。その結果、粒子脱落等が少なく除塵が良好
であり、ボロンに対する選択性と除去率が良好で、しか
もガラス繊維に悪影響を及ぼさない、低コストのボロン
レスフィルタを提供することができた。
【0015】前記ポリビニルアルコール繊維の含有量
が、前記ホウ素含有ガラス繊維100重量部に対して1
0〜50重量部である場合、上記の作用効果が十分得ら
れると共に、樹脂繊維の増加に伴う、除塵性能の低下も
少なくなる。なお、上記観点から、樹脂繊維の含有量が
15〜40重量部であることが望ましい。
【0016】前記ポリビニルアルコール繊維の混合状態
が、前記ホウ素含有ガラス繊維中に、前記ポリビニルア
ルコール繊維が樹脂バインダーを介して結合されたもの
である場合、樹脂バインダーにより、繊維同士が結合さ
れるため、構造保持力が高まるので、成形性や加工性が
より良好になり、除塵性能もより良好になる。これが、
抄造法により製造されたものである場合、フィルタとし
て適度な繊維密度や間隙を有し、しかも樹脂バインダー
の脱落も生じにくくなる。
【0017】前記ポリビニルアルコール繊維の積層状態
が、ポリビニルアルコール繊維を熱可塑性樹脂繊維と混
合して不織布層とし、その熱可塑性樹脂繊維の熱融着に
より、前記ホウ素含有ガラス繊維よりなるフィルタ層に
積層・結合されたものである場合、ガラス繊維よりなる
フィルタ層の機能を損なうことなく、上記の作用効果を
得ることができ、しかも熱可塑性樹脂繊維がガラス繊維
に熱融着することで、フィルタ層への積層・結合を強固
にすることができる。
【0018】本発明のフィルタが、特にHEPAフィル
タ、又はULPAフィルタである場合、除塵性能を良好
に維持しながら、上記の作用効果を得ることができ、本
発明の好適な実施形態となる。また、HEPAフィル
タ、又はULPAの用途との関係からも、本発明が有用
なものとなる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0020】用いられるホウ素含有ガラス繊維として
は、HEPAフィルタ、又はULPAフィルタなどに通
常用いられるホウ素含有ガラス繊維を使用することがで
きる。混合型のHEPAフィルタを構成する場合を例に
とると、例えばホウケイ酸塩ガラス繊維の繊維径1.0
μm以下のサブミクロン繊維を含む10μmまでの幅広
い繊維径のものが、カット長数ミリにて使用される。積
層型の場合には、HEPAフィルタ、又はULPAフィ
ルタなどをそのまま積層すればよい。
【0021】用いられるポリビニルアルコール繊維とし
ては、ポリビニルアルコールの水酸基の一部をアルデヒ
ド類やケトン類と反応させてアセタール化、ホルマール
化、ブチラール化、その他ケタール化した誘導体や一部
がアシル化された誘導体も含むものが使用でき、特にポ
リビニールアルコールをホルマール化することにより製
造されたポリビニルアルコール繊維(ビニロン繊維)
や、ポリビニルアルコールを分子内縮合させることによ
り、不溶化した架橋ポリビニルアルコールを用いる。
【0022】ビニロン繊維、或いはポリビニールアルコ
ールを分子内縮合した架橋ポリビニールの繊維では、ポ
リビニールアルコールの水酸基は100%結合消費する
ことはなく、少なくとも50%程度は残っており、この
程度でガラス繊維から揮散するボロンを5年以上阻止す
る吸着量としては十分である。また、繊維の非結晶領域
の比率ができる限り大きいものを使用するのが好まし
い。すなわち、結晶領域の水酸基は不活性であり、水酸
基とボロン化合物との間のキレート結合が起こらないた
めである。
【0023】上記繊維の繊維径は、約1〜10μm程度
が好ましく、またカット長は1〜10mm程度が好まし
い。
【0024】本発明のボロンフィルタの製造方法として
は、混合型の場合と積層型の場合があり、以下、両者に
ついて説明する。混合型の場合、例えば前記のガラス繊
維と共に、前記ポリビニールアルコール繊維を必要に応
じて樹脂バインダーとともに混合し、湿式抄造等するこ
とによりフィルタを形成すればよい。また、前記ポリビ
ニールアルコール繊維とガラス繊維のバインダーとして
熱可塑性樹脂(融点の比較的低いもの)を用いてホット
メルトにより不織布を形成してもよい。抄造に用いる樹
脂バインダーとしては、アクリル樹脂エマルジョン、ポ
リビニールアルコール等が使用可能であるが、必要に応
じてその他の処理剤を使用することもできる。
【0025】一方、積層型の場合、例えば前記ポリビニ
ールアルコール繊維を必要に応じて樹脂バインダーとと
もに混合・抄造した抄紙、或いはホットメルト、ニード
ルパンチ等の各種製法で得られた不織布、又は、ポリビ
ニールアルコール繊維で構成された織物などを、通常の
各種フィルタに積層してフィルタを形成すればよい。上
記ホットメルトには必要に応じて、ポリエステル繊維等
の熱可塑性樹脂繊維を併用してもよい。積層の方法とし
ては、熱可塑性樹脂成分によるホットメルト接着や、そ
の他の接着剤を用いて両層を接着する方法などが利用で
きる。
【0026】なお、フィルタの形状としては、混合型お
よび積層型のいずれについても、プリーツ状、ミニプリ
ーツ状等の種々の形状のものが使用可能である。
【0027】
【実施例】以下、本発明の具体的な構成と効果を示す実
施例を例示するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。
【0028】実施例1 本発明のボロンレスフィルタ濾紙を実験室的に作製し
た。ホウケイ酸塩ガラス繊維の繊維径1.0μm以下の
サブミクロン繊維を含む10μmまでの幅広い繊維径の
ホウケイ酸塩ガラス繊維200gを、0.2%になるよ
うに純水を用いて希釈し、pHを3.5に調整し、か
つ、温度を30℃として攪拌機により攪拌均一分散せし
めた試料を作製した。尚、上述のガラス繊維のカット長
は3〜5mmとした。同様に、別の容器に繊維径約2〜
4μmの架橋PVA繊維カット3〜5mmを上述と同
様、約1.0%濃度になるように、純水にて調整して叩
解して均一分散させながら、0.2%に調整した。バイ
ンダーとしてはアクリル水溶液(エマルジョン)を上述
の濾材繊維重量に対し、約1.0%程度両繊維の混合溶
液に投入した。このような調整液をホウケイ酸塩ガラス
繊維に対して、架橋PVA繊維が各々20%、30%に
なるように加えた後、更に均一混合するよう攪拌した。
これらの混合繊維溶液をフェルト上に均一に流下させて
脱水乾燥することにより90〜110g/m2厚さ約
1.0mm程度のボロンレス濾紙を作製できた。尚、乾
燥温度は100℃とし、約3分乾燥した後、更に自然乾
燥を行なった。架橋PVAについては、PVAのホルマ
ール化による架橋度は40〜50%、また非結晶領域5
0%と言われる既存の繊維材料(ニチビ製)を用いた。
【0029】実施例2 HEPA用ガラス繊維濾紙の下流側にPVAのホルマー
ル化による架橋度40〜50%また非結晶領域50%程
度と言われるビニロン不織布を用いた。まずHEPA用
ガラス繊維濾紙90〜120g/m2空隙率80%以上
の濾紙の下流側に上述の架橋PVA繊維からなる不織布
を積層した。不織布としては、架橋PVA繊維のカット
長はHEPA濾紙下流側に積層するために不織布への加
工許容最大長さを取ることが望ましく、本試験ではカッ
ト長50〜60mmとした。カット長50〜60mmの
カット長を有する架橋PVA繊維に対し20〜25%の
同一カット長を有する低融点(120〜140℃)ポリ
エステル繊維(バインダー)を均一に混合した後、ニー
ドルパンチによる目付量100g〜130g/m2の不
織布を製造した後、不織布の両面或いは、フィルタ下流
側になる片面を140℃数秒間熱ロール処理にかけ、不
織布からの発塵を完全に阻止した濾材を作製した。上述
のHEPA用ガラス繊維濾紙の下流側に架橋PVA濾材
を積層し、プリーツ状のHEPA濾紙形状にフィルタを
構成した。下流側に配置する濾材は発塵ゼロであればよ
く、HEPA用ガラス繊維濾紙が上流側に配してあるた
めに微粒子の補足量、並びに微粒子補足による圧力損失
の上昇はなく、したがって抄造、或いは織布を用いても
よい。
【0030】試験例1 実施例1で得られた2 種の混合型のフィルタを用いて、
クリーンな空気を1パスで濾過したときの、供給空気と
濾過空気中のボロン濃度を測定した。なお測定は、超純
水に空気を吸収させた後、誘導結合プラズマ質量分析装
置を用いて行った。その結果を、従来のHEPAフィル
タを用いた場合のデータと共に、表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】表1の結果が示すように、従来型のHEP
Aフィルタのみの場合には濾過気体中に12〜20ng
/m3のボロンが揮散しているが、実施例の如くPVA
繊維を混合、湿式抄紙により得られたフィルタでは、P
VA繊維混合率20%でもボロン阻止率は従来型おける
12ng/m3に対しても75〜91%に達する。ま
た、PVA繊維混合率30%では同様に91%以上と極
めて効果的であることが分かった。
【0033】試験例2 実施例2で得られた積層型のフィルタを用いて(上流側
にガラス繊維層を配置)、クリーンな空気を1パスで濾
過したときの、供給空気と濾過空気中のボロン濃度を測
定した。なお測定は、超純水に空気を吸収させた後、誘
導結合プラズマ質量分析装置を用いて行った。その結果
を、表2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】表2の結果が示すように、濾過空気のボロ
ン濃度は<1.0ng/m3であり、明らかにHEPA
フィルタのガラス繊維濾材からのPVA繊維にキレート
結合することにより阻止されていることが分かる。
【0036】試験例3 実施例1及び2で得られた2 種のフィルタを用いて、ボ
ロン濃度119〜151ng/m3のクリーンルーム内
空気を1パスで濾過したときの、供給空気と濾過空気中
のボロン濃度を測定した。なお測定は、超純水に空気を
吸収させた後、誘導結合プラズマ質量分析装置を用いて
行った。その結果を、従来のHEPAフィルタを用いた
場合のデータと共に、表3に示す。
【0037】
【表3】
【0038】表3の結果が示すように、従来型のHEP
Aフィルタのみの場合には濾過気体中でボロン濃度の上
昇が見られるが、実施例のフィルタでは、混合型および
積層型のいずれでも、ボロン阻止率が高かった。特に積
層型の場合にはほぼ100%と極めて効果的であること
が分かった。
【0039】試験例4 本発明のボロンレスフィルタの微粒子除去機能について
試験したが、実施例1のPVA繊維混合率30%のもの
ではDOP(パーティクル除去性能試験用)粒子捕集効
率が、HEPAフィルタと変わることがなかった。ま
た、実施例2のPVA繊維積層型においても、上流側に
配置するガラス繊維のDOP粒子捕集効率に影響を及ぼ
すようなことはなかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 服部 進司 兵庫県尼崎市金楽寺町2丁目2番33号 株 式会社タクマ内 (72)発明者 吉澤 巌 兵庫県尼崎市金楽寺町2丁目2番33号 株 式会社タクマ内 (72)発明者 入江 直樹 兵庫県尼崎市金楽寺町2丁目2番33号 株 式会社タクマ内 (72)発明者 吉田 美幸 兵庫県高砂市荒井町新浜1丁目2番1号 株式会社タクマ中央研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホウ素含有ガラス繊維よりなるフィルタ
    層に、架橋ポリビニルアルコール繊維を、混合状態又は
    積層状態で配置してあるボロンレスフィルタ。
  2. 【請求項2】 前記ポリビニルアルコール繊維の含有量
    が、前記ホウ素含有ガラス繊維100重量部に対して1
    0〜50重量部である請求項1記載のボロンレスフィル
    タ。
  3. 【請求項3】 前記ポリビニルアルコール繊維の混合状
    態が、前記ホウ素含有ガラス繊維中に、前記ポリビニル
    アルコール繊維が樹脂バインダーを介して結合されたも
    のである請求項1又は2記載のボロンレスフィルタ。
  4. 【請求項4】 抄造法により製造されたものである請求
    項3記載のボロンレスフィルタ。
  5. 【請求項5】 前記ポリビニルアルコール繊維の積層状
    態が、ポリビニルアルコール繊維を熱可塑性樹脂繊維と
    混合して不織布層とし、その熱可塑性樹脂繊維の熱融着
    により、前記ホウ素含有ガラス繊維よりなるフィルタ層
    に積層・結合されたものである請求項1又は2記載のボ
    ロンレスフィルタ。
  6. 【請求項6】 HEPAフィルタ、又はULPAフィル
    タである請求項1〜5いずれか記載のボロンレスフィル
    タ。
JP35931797A 1997-12-26 1997-12-26 ボロンレスフィルタ Pending JPH11188212A (ja)

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