JPH11187884A - 熱ショック転写因子結合蛋白質 - Google Patents

熱ショック転写因子結合蛋白質

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JPH11187884A
JPH11187884A JP9360640A JP36064097A JPH11187884A JP H11187884 A JPH11187884 A JP H11187884A JP 9360640 A JP9360640 A JP 9360640A JP 36064097 A JP36064097 A JP 36064097A JP H11187884 A JPH11187884 A JP H11187884A
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dna
protein
hsf2
amino acid
hsf2bp
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Tadahiko Yoshima
忠彦 吉間
Hideki Yanagi
秀樹 柳
Takashi Yura
隆 由良
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HSP KENKYUSHO KK
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    • C07K14/4705Regulators; Modulating activity stimulating, promoting or activating activity

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Abstract

(57)【要約】 【課題】精子形成に必須の役割を果たすHSP70.2
の転写制御に関与可能な熱ショック転写因子(HSF)
2結合因子、該結合因子をコードするDNA、該DNA
を含有する発現ベクター、該発現ベクターを含む形質転
換体、該形質転換体の培養工程を含む組換え蛋白質の製
造方法、該結合因子に特異的に結合する抗体又はその断
片、該DNAと相補的なアンチセンスDNA又はRNA
及び該DNAにハイブリダイズするオリゴヌクレオチド
プローブ又はプライマーを提供すること。 【解決手段】HSF2結合活性を有する蛋白質をコード
するDNA、該DNAによりコードされる蛋白質、該D
NAを含有する発現ベクター、該発現ベクターを含む形
質転換体、該形質転換体の培養工程を含む組換え蛋白質
の製造方法、該蛋白質に特異的に結合する抗体又はその
断片、該DNAと相補的なアンチセンスDNA又はRN
A及び該DNAにハイブリダイズするオリゴヌクレオチ
ドプローブ又はプライマー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱ショック転写因
子結合蛋白質に関する。さらに詳しくは、熱ショック転
写因子2結合活性を有する蛋白質をコードするDNA、
該DNAからコードされる蛋白質、該DNAを含有する
発現ベクター、該発現ベクターを含む形質転換体、該蛋
白質の製造方法、該蛋白質に対する抗体、該DNAと相
補的なアンチセンスDNAまたはアンチセンスRNAお
よび該DNAに特異的にハイブリダイズするオリゴヌク
レオチドプローブまたはプライマーに関する。
【0002】
【従来の技術】熱ショック転写因子(heat shock facto
r;HSF)は、種々のストレスに応答して熱ショック蛋
白質(HSP)遺伝子のプロモーター上流に存在する熱
ショックエレメント(heat shock element; HSE)に
結合し、かかるプロモーターからの転写を調節してい
る。
【0003】高等真核生物のHSFには、これまでにH
SF1、HSF2、HSF3およびHSF4の4種類が
存在することが知られている。このうちHSF1とHS
F3は、熱、重金属、アミノ酸アナログなどのストレス
によって活性化されるが、HSF2はこれらのストレス
には応答せず、発生分化に重要な役割を果たしていると
考えられている。また、HSF4は転写活性化ドメイン
を持たず、他のHSFのDNA結合に対して負の制御に
働いているとされている。
【0004】HSF2のDNA結合活性は、ヘミンで処
理したヒトK562赤白血病細胞ならびにマウス精巣の
精子細胞、マウスF9胚性癌腫細胞およびマウスの初期
発生過程で観察されている。しかし、HSF1によるH
SP遺伝子の転写制御機構がよく研究され理解が進んで
いるのに対し、HSF2による転写制御については不明
な点が多い。すなわち、ヘミンで処理したK562細胞
ではHSF2がHSP70遺伝子上のHSEに結合し
(Sistonen, L.ら、(1992) Mol. Cell. Biol. 12, 4104
-4144)、マウス精子形成細胞では精巣特異的なHSP7
0.2遺伝子上のHSEに構成的に結合すること(Sarg
e, K. D.ら、(1994) Biol. Reprod. 50, 1334-1343) が
報告され、それぞれHSP70およびHSP70.2の
発現にかかわっていることが予想されている。一方、F
9細胞中ではHSP70プロモーター上流のHSEへの
HSF2の結合が認められておらず(Murphy, S. P.ら、
(1994) Mol. Cell. Biol. 14, 5309-5317)、さらにマウ
ス胚においても主要なHSPとHSF2の発現パターン
に関連が見られていない(Rallu, M. ら、 (1997) Pro
c. Natl. Acad. Sci. USA 94, 2392-2397)。
【0005】K562細胞や精子形成細胞中で、HSF
2が実際にHSP70プロモーター上流のHSEに結合
できることから、これらの細胞中にはHSF2の活性化
を制御する因子が存在する可能性が考えられる。しか
し、かかる制御因子は、現在までに知られていない。
【0006】精子形成とは、未成熟な雄性生殖細胞であ
る精原細胞が有糸分裂により増殖して精母細胞となり、
これが減数分裂して精細胞を形成し、さらに複雑な形態
変化を経て精子に成熟するまでの過程をいう。この精子
形成過程の中で、HSPの発現は厳密に制御されてい
る。一般に、高温などの細胞にとって悪い環境(ストレ
ス)に曝されたとき、細胞内蛋白質の不可逆的な変性を
防ぎストレスによる障害から細胞を守るため、HSPが
速やかに誘導されるが、かかるストレスにより誘導され
るHSPのほかに、平常時にも新生蛋白質の折畳みや会
合、細胞内輸送を助けるという機能を担っているHSP
(即ち、分子シャペロン)があり、これらは細胞内に構
成的に発現している。精子形成の過程で、生殖細胞の遺
伝子発現は大きく変化し、その結果、細胞内蛋白質が激
しく変動することから、これらの蛋白質の折畳みや局在
に必要なHSPが必要な時期に正しく発現するように制
御されている(Sarge, K. D.と Cullen, K. E. (1997)
Cell. Mol. Life Sci. 53, 191-197)。
【0007】精巣においても他の組織や細胞と同様に多
くのHSPが同定されているが、マウス精巣で最も大量
に発現しているHSPは、HSP70ファミリーに属す
るHSP70.2であり、その発現は、精巣特異的かつ
構成的で熱ショックによっては誘導されない。HSP7
0.2は、精子形成過程の減数分裂期すなわち精母細胞
から精細胞において大量に発現しており(Allen,ら、(1
988) Mol. Cell. Biol. 8, 828-832; Zakeri, Z. F.
ら、 (1988) Mol. Cell. Biol. 8, 2925-2932 )、HS
P70.2遺伝子を破壊したマウスでは減数分裂が起こ
らず、その結果、精細胞が形成されず不妊になる(Dix,
D. J.ら、(1996) Proc. Natl. Acad. Sci, USA 93, 32
64-3268 )ことが報告されている。一方、HSF2は、
精子形成過程の精母細胞から精細胞にかけて発現してお
り、イン・ビトロでHSP70.2プロモーターに結合
できることから、分子シャペロンとして精子形成に必須
の役割を果たしているHSP70.2の転写制御にHS
F2が関与していることが示唆されている(Sarge, K.
D.ら、(1994) Biol. Reprod. 50, 1334-1343) 。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、精巣
特異的に発現して精子形成に必須の役割を果たすHSP
70.2の転写制御に関与すると考えられているHSF
2の活性化制御因子として、HSF2結合因子を提供す
ることにある。また、本発明の目的は、かかるHSF2
結合因子をコードするDNAを提供することにある。さ
らに本発明の目的は、前記DNAまたはその一部を含有
する発現ベクターおよび該発現ベクターを含む形質転換
体を提供することにある。さらに本発明の目的は、前記
形質転換体を培養することによる組換え蛋白質の製造方
法を提供することにある。さらに本発明の目的は、かか
る制御因子に特異的に結合する抗体またはその断片を提
供することにある。さらに本発明の目的は、前記DNA
と相補的な配列を有するアンチセンスDNAまたはアン
チセンスRNAを提供することにある。さらに本発明の
目的は、前記DNAと特異的にハイブリダイズするオリ
ゴヌクレオチドプローブまたはプライマーを提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の要旨
は、 〔1〕 (a)配列番号:1に記載のアミノ酸配列から
なるペプチドをコードするDNA、 (b)配列番号:1に記載のアミノ酸配列において、1
個以上のアミノ酸が欠失、置換、挿入または付加された
アミノ酸配列からなるペプチドをコードするDNA、 (c)配列番号:2に記載の塩基配列からなるDNA、 (d)配列番号:2に記載の塩基配列において、1個以
上の塩基が欠失、置換、挿入または付加された塩基配列
からなるDNA、および (e)前記(a)〜(d)のいずれかのDNAにストリ
ンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA、から
なる群より選択されるDNAであって、熱ショック転写
因子(HSF)2結合活性を有する蛋白質をコードする
DNA、 〔2〕 前記〔1〕記載のDNAによりコードされる蛋
白質、 〔3〕 前記〔1〕記載のDNAの全部または一部を含
有してなる発現ベクター、 〔4〕 前記〔3〕記載の発現ベクターを含む形質転換
体、 〔5〕 前記〔4〕記載の形質転換体を、前記〔3〕記
載の発現ベクターからの蛋白質の発現が可能な条件下で
培養する工程を含む、組換えHSF2結合蛋白質の製造
方法、 〔6〕 前記〔2〕記載の蛋白質に特異的に結合する抗
体またはその断片、 〔7〕 前記〔1〕記載のDNAと相補的な配列を有す
る、8塩基以上からなるアンチセンスDNAまたはアン
チセンスRNA、 〔8〕 前記〔1〕記載のDNAに特異的にハイブリダ
イズするオリゴヌクレオチドプローブまたはプライマ
ー、に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明において、熱ショック転写
因子(HSF)2とは、ヒトおよび哺乳動物を含む高等
真核生物由来のHSF2をいい、ヒト由来のHSF2が
好ましい。ヒトHSF2は、図1に示すように、DNA
結合ドメイン(DBD)、三量体形成のための疎水性の
繰り返し(HR−A/B)および負の制御のためのC末
端疎水性の繰り返し(HR−C)を含む構造を有する。
【0011】本発明のHSF2結合活性を有する蛋白質
は、HSF2のいかなる領域に結合してもよいが、HS
P70.2の転写制御に関与するHSF2の活性化を制
御するという観点から、HSF2の転写活性化領域、転
写活性化抑制領域、三量体化領域のいずれかの領域に結
合することが好ましい。
【0012】本発明のHSF2結合活性を有する蛋白質
(以下、HSF2結合蛋白質;HSF2BPと略す場合
がある)とは、後記本発明のDNAによりコードされる
蛋白質をいう。具体的には、配列番号:1に記載のアミ
ノ酸配列からなるペプチドが挙げられ、これは、334
個のアミノ酸残基を有する分子量約38kDの精巣特異
的に発現している蛋白質であり、ヒトHSF2BPと命
名されている。
【0013】本発明のHSF2BPのHSF2への結合
活性は、後述の実施例4に記載のグルタチオンS−トラ
ンスフェラーゼ(GST)プルダウンアッセイまたは実
施例5に記載のツーハイブリッドアッセイにより、それ
ぞれ、イン・ビトロまたはイン・ビボで測定することが
できる。
【0014】本発明のDNAは、 (a)配列番号:1に記載のアミノ酸配列からなるペプ
チドをコードするDNA、 (b)配列番号:1に記載のアミノ酸配列において、1
個以上のアミノ酸が欠失、置換、挿入または付加された
アミノ酸配列からなるペプチドをコードするDNA、 (c)配列番号:2に記載の塩基配列からなるDNA、 (d)配列番号:2に記載の塩基配列において、1個以
上の塩基が欠失、置換、挿入または付加された塩基配列
からなるDNA、および (e)前記(a)〜(d)のいずれかのDNAにストリ
ンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA、から
なる群より選択されるDNAであって、熱ショック転写
因子(HSF)2結合活性を有する蛋白質をコードする
DNAである。
【0015】本発明のDNAは、具体的には、配列番
号:1に記載のアミノ酸配列からなるペプチドをコード
するDNA、より具体的には、配列番号:2に記載の塩
基配列からなるDNAが挙げられ、これは、ヒトHSF
2BP遺伝子である。
【0016】配列番号:1に記載のアミノ酸配列におい
て、1個以上のアミノ酸が欠失、置換、挿入または付加
されたアミノ酸配列からなるペプチドをコードするDN
Aも、該ペプチドがHSF2結合活性を有する限り、本
発明のDNAに含まれる。本明細書における「1個以
上」とは、1個または数個またはそれ以上の個数をい
う。
【0017】また、配列番号:2に記載の塩基配列にお
いて、1個以上の塩基が欠失、置換、挿入または付加さ
れた塩基配列からなるDNAも、該DNAからコードさ
れるペプチドがHSF2結合活性を有する限り、本発明
のDNAに含まれる。ここで「1個以上」とは、前記と
同じ意味である。
【0018】前記アミノ酸および塩基の欠失、置換、挿
入または付加を行なう手法は、例えば、 Sambrook, J.
ら著、Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd
ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press, New York,
1989年発行に記載の部位特異的突然変異誘発、PCR
法等により、当業者ならば容易に行なうことができる。
【0019】さらに、本発明のDNAは、前記(a)〜
(d)のいずれかのDNAとストリンジェントな条件下
でハイブリダイズするDNAによりコードされるペプチ
ドがHSF2結合活性を有する限り、該ハイブリダイズ
するDNAも包含する。
【0020】本明細書において、「ストリンジェントな
条件下でハイブリダイズする」とは、例えば、6×SS
C(20×SSCは、333mM クエン酸ナトリウ
ム、333mM NaClを示す)、0.5%SDSおよ
び50%ホルムアミドの溶液中で42℃にて加温した
後、0.1×SSC、0.5%SDSの溶液中で68℃にて
洗浄する条件でも依然として陽性のハイブリダイズのシ
グナルが観察されることをいう。
【0021】本発明のDNAは、HSF2結合活性を有
する蛋白質をコードするDNAをスクリーニングすると
いう観点から、GAL4−BD(GAL4DNA結合ド
メイン)−HSF2融合蛋白質をベイト(bait)と
して用いた酵母ツーハイブリッドスクリーニング法によ
り、ヒト精巣cDNAライブラリーから単離されたもの
である。酵母ツーハイブリッドスクリーニング法(Fiel
ds, S. and Song, O.-K. (1989) Nature 340, 245-246;
Fields, S. and Sternglanz, R. (1994) Trends Geneti
cs 10, 286-292; Mendelsohn, A. R. and Brent, R. (1
994) Curr. Opin. Biotechnol. 5, 482-486)の詳細は、
後述の実施例1に記載されている。
【0022】前記酵母ツーハイブリッドスクリーニング
法に用いるベイトを調製する際に、以下の点を考慮する
ことが本発明のDNAのスクリーニングの成功にとって
重要である。即ち、HSF2自身が転写活性因子であ
り、HSF2自身の転写活性による妨害の可能性を除く
ために、HSF2のDNA結合ドメイン(DBD)また
はDBDと転写活性化ドメイン(HR−CよりC末端
側)を除去したHSF2欠失変異体を構築し、前記GA
L4−BDとHSF2欠失変異体との融合蛋白質を発現
するベクターを作製する。
【0023】ベイト用ベクターとしては、市販のものが
好適に利用でき、例えば、GAL4−BDとの融合蛋白
質発現のためには、pGBT9(Clontech)、Hybri
ZAPII(Stratagene)等が挙げられる。
【0024】酵母ツーハイブリッドスクリーニング法に
使用される酵母株としては、市販のものが好適に利用で
き、例えば、サッカロミセスセレビシエHF7c株(M
ATα,ura3−52,his3−200,lys2
−801,trp1−901,ade2−101,le
u2−3,112,gal4−542,gal80−5
38,LYS::GAL1−HIS3,URA3::
(GAL4 17マー)3−CYC1−lacZ)、サ
ッカロミセスセレビシエCG1945株(MATα,u
ra3−52,his3−200,lys2−801,
trp1−901,ade2−101,leu2−3,
112,gal4−542,gal80−538,LY
S::GAL1−HIS3,cyhr2,URA3::
(GAL417マー)3−CYC1−lacZ)(両方
ともClontech社より入手可能) 等が挙げられる。前記酵
母株は、染色体上でGAL4応答因子の制御下に発現可
能な2つのレポーター遺伝子(HIS3およびlac
Z)を保持している。
【0025】ベイト用ベクターとしてpGBT9、酵母
株としてHF7c株を用いて、後述の実施例1(4)に
記載のように、His+ かつβGal+ 形質転換体の数
を調べる。本発明においては、DNA結合型HSF2と
相互作用するが転写不活性型HSF2と相互作用する分
子を釣ることができると思われるHSF2N96(アミ
ノ酸残基96〜C末端を有する)欠失変異体、および活
性型HSF2と相互作用する別の分子を単離するために
適するHSF2N96C328(アミノ酸残基96〜3
28を有する)欠失変異体それぞれとGAL4−BDと
の融合蛋白質をベイトとして用いる。これらの模式図を
図1に示す。
【0026】本発明の発現ベクターは、前記DNAの全
部または一部を含有するものであり、本発明に用いられ
る発現ベクターは、例えば、pKK223、pET、p
GEX、pBacPAK、pcDL−SRα、pCAG
GS等の市販の発現ベクターや公知の発現ベクターが挙
げられるが、本発明のDNAが挿入でき発現可能なベク
ターであれば特に限定されない。
【0027】本発明のDNAをベクターに挿入する方法
としては、前述のMolecular Cloning 等に記載の方法に
より行なうことができる。
【0028】本発明の形質転換体は、前記発現ベクター
を所望の宿主細胞に導入することにより得られるもので
ある。宿主細胞としては、大腸菌等の原核生物細胞また
は酵母、動物細胞、昆虫細胞等の真核生物細胞のいずれ
でもよく、用いる発現ベクターに応じて選ばれる。
【0029】発現ベクターを導入する方法としては、例
えば、リン酸カルシウム法、リポフェクション法、DE
AEデキストラン法、エレクトロポレーション法(F.M.
Ausubel らの編纂によるCurrent Protocols in Molecul
ar Biology, John Wiley & Sons (1987))等の公知の方
法を用いればよい。
【0030】本発明は、前記形質転換体を、前記発現ベ
クターから本発明の蛋白質が発現可能な条件下で培養す
る工程を含む組換えHSF2BPの製造方法を提供す
る。以下、宿主細胞として大腸菌を選択し、発現ベクタ
ーとしてpGEX5X−1を使用した場合について説明
する。
【0031】大腸菌内でHSF2BPをGSTとの融合
蛋白質として発現させるため、HSF2BPのcDNA
を発現プラスミドpGEX5X−1に挿入し、GST−
HSF2BP発現プラスミドを作製する。次いで、該発
現プラスミドで大腸菌を形質転換し、通常の条件で培養
した後、イソプロピル−β−D−チオガラクトシド(I
PTG)を添加することにより、GST−HSF2BP
融合蛋白質の発現を誘導する。該融合蛋白質は、菌体破
砕液中において主として不溶性画分に回収することがで
き、さらにSDS−PAGEで分離することにより精製
することが可能である。
【0032】また、製造された組換えHSF2BPは、
通常のカラムクロマトグラフィーまたは本発明の抗体を
用いたアフィニティー精製等の方法により容易に精製す
ることができる。
【0033】さらに、本発明は、本発明の蛋白質に特異
的に結合する抗体またはその断片を提供する。抗体は、
ポリクローナル抗体もしくはモノクローナル抗体または
キメラ抗体であってもよい。
【0034】本発明の抗体は、例えば、Antibodies; A
Laboratory Manual, Lane,H,D.ら編,Cold Spring Harbe
r Laboratory Press出版 New York 1989年などに記載の
方法により、本発明の蛋白質の全部または一部を用いて
適宜動物を免疫することにより、本発明の蛋白質に特異
的に結合する抗体またはその活性を中和する抗体を容易
に作製することができる。また、得られた抗体をプロテ
アーゼ等により切断することにより、抗体断片を調製す
ることができる。
【0035】抗体またはその断片の用途としては、アフ
ィニティークロマトグラフィー、cDNAライブラリー
のスクリーニング、免疫学的診断法、医薬等が挙げられ
る。免疫学的診断法は、イムノブロット法、放射免疫測
定法(RIA)、酵素免疫測定法(ELISA)、蛍光
あるいは発光測定法等より適宜選択できる。
【0036】本発明は、本発明のDNAと相補的な配列
を有する、8塩基以上からなるアンチセンスDNAまた
はアンチセンスRNAを提供する。アンチセンスDNA
またはアンチセンスRNAは、合成機を用いて人工的に
合成したり、通常と逆の向き(すなわちアンチセンスの
向き)にDNAを転写させることなどによって得ること
ができる。
【0037】前記アンチセンスDNAまたはアンチセン
スRNAは、細胞内に導入されて本発明の蛋白質の発現
を抑制することが可能である。かかる観点より、アンチ
センスDNAまたはアンチセンスRNAの長さは、通常
8〜2000塩基であり、15〜1916塩基が好まし
い。通常の遺伝子の転写によって生産されるmRNAは
センス鎖であるが、アンチセンスDNAまたはアンチセ
ンスRNAは、細胞内でセンス鎖mRNAに結合し、該
mRNAからの翻訳を抑制することにより、本発明の蛋
白質であるHSF2BPの産生を制御することができ
る。このような作用を有することにより、アンチセンス
DNAまたはアンチセンスRNAは、例えばHSF2活
性の調節剤として用いられ、精子形成の調節作用をもつ
ことが期待される。また、アンチセンスDNAまたはア
ンチセンスRNAは、in situ ハイブリダイゼーション
等の研究用試薬としても利用できる。
【0038】作製したアンチセンスDNAまたはアンチ
センスRNAが、目的の抑制効果を有しているか否か
は、例えば以下の二つの方法により容易に見出すことが
できる。一つは、本発明のHSF2BPを発現する細胞
に、細胞外からアンチセンスDNAまたはアンチセンス
RNAそのものを直接導入した後、該HSF2BPの発
現量の変化を指標にする方法であり、もう一つは、該ア
ンチセンスRNAを転写によって生成することが可能な
ベクターを前記HSF2BP発現細胞に導入した後、該
HSF2BPの発現量の変化を指標にする方法である。
【0039】本発明は、本発明のDNAに特異的にハイ
ブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブまたはプラ
イマーを提供する。該オリゴヌクレオチドプローブまた
はプライマーの長さは、目的に応じて適宜選択できる
が、オリゴヌクレオチドプローブに対しては通常8〜2
000塩基、好ましくは15〜1916塩基であり、オ
リゴヌクレオチドプライマーに対しては通常8〜50塩
基、好ましくは15〜30塩基である。該オリゴヌクレ
オチドプローブまたはプライマーは、通常、合成機を用
いて化学的に合成したり、DNAポリメラーゼI(Klen
ow断片)を用いて酵素的に合成したり、PCR法により
作製することができる。
【0040】本発明のオリゴヌクレオチドプローブまた
はプライマーがハイブリダイズする条件は、例えば、 S
ambrook, J. ら著、Molecular Cloning: A Laboratory
Manual, 第2版 , Cold Spring Harbor Laboratory Pre
ss, New York, 1989年発行に記載の方法に準じて、目的
に応じて容易に設定することができる。
【0041】本発明のオリゴヌクレオチドプローブまた
はプライマーは、HSF2BPの検出および定量に用い
られ、精子形成における診断または治療に役立つことが
期待される。また、該プローブまたはプライマーは、ハ
イブリダイゼーション、PCR等に用いられる精子形成
不全の研究用試薬としても利用できる。
【0042】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明は、これらの実施例によりなんら限定
されるものではない。なお、特に明記しない限り、以下
の実施例は、 Sambrook, J. ら著、Molecular Cloning:
A Laboratory Manual, 第2版, Cold Spring Harbor L
aboratory Press, New York, 1989 年発行、Current Pr
otocols in Protein Science(ed. Coligan, J. E. et a
l.), John Wiley and Sons, Inc.等に記載の方法で行な
った。
【0043】実施例1 ツーハイブリッドスクリーニン
グ法 (1) プラスミドの構築 ヒトHSF2cDNAを含むプラスミドphHSF2−
1は、キングストン(R. E. Kingston) 博士より供与さ
れた。ヒトHSF1cDNAを、ヒト脳mRNA(Clont
ech)を鋳型として用いるRT−PCR法により得て、p
BluescriptII(Stratagene)のEcoRI部位
にサブクローニングし、phHSF1と命名した。ph
HSF1は、ヒトHSF1のcDNA配列のヌクレオチ
ド−21〜+1704までを含む。
【0044】(2) ベイトの構築 酵母ツーハイブリッドスクリーニング法によりHSF2
と相互作用する蛋白質をスクリーニングするために、前
記phHSF2−1からHSF2のDNA結合ドメイン
および/または転写活性化ドメインを除去してHSF2
自身の転写活性による妨害の可能性を除いたHSF2欠
失変異体を構築した。すなわち、phHSF2−1DN
Aを適当な制限酵素で切断し、必要ならば、Kleno
w断片またはT4DNAポリメラーゼにより平滑末端化
し、N末端欠失に対してはNcoIリンカー(8マー、
10マーまたは12マー)、C末端欠失に対してはマル
チ終止コドンを含むリンカーいずれかを用いて連結し
た。これらのDNA断片を、pAS2のマルチクローニ
ングサイトに挿入した。また、対照として、前記phH
SF1から同様にして、HSF1欠失変異体を構築し
た。
【0045】酵母ツーハイブリッドスクリーニング法の
ベイトとして、GAL4DNA結合ドメイン(GAL4
−BD)をコードする配列を含むpAS2またはpGB
T9(Clontech)と、前記HSF2またはHSF1の欠失
変異体のcDNAを両者のオープンリーディングフレー
ムが合うように融合させた。
【0046】本発明においては、後述の実施例1(4)
に記載のように、HSF2N96(アミノ酸残基96〜
C末端を有する)またはHSF2N96C328(アミ
ノ酸残基96〜328を有する)欠失変異体をベイトと
して用いた。これらの模式図を、図1に示す。
【0047】(3) ウエスタンブロッティングによる
HSF2欠失変異体の酵母における発現の確認 前記(2)で得られたpGBT9由来のGAL4−BD
と前記HSF2N96またはHSF2N96C328H
SF2欠失変異体との融合発現プラスミドで、酢酸リチ
ウム法により酵母細胞CG1945を形質転換し、グラ
スビーズを用いて常法により、形質転換細胞から蛋白質
を抽出した。得られた蛋白質の濃度をBio−Radプ
ロテインアッセイキット(Bio-Rad) を用いて決定した。
かかる細胞抽出物(20μgの蛋白質)を、8%SDS
−PAGEで分離した。電気泳動後、該蛋白質をニトロ
セルロースメンブレンフィルター(Amersham)に電気的に
ブロットした。0.1%Tween20含有PBS(P
BST)中5%スキムミルクで、室温で1時間該フィル
ターをブロックし、ニワトリHSF2に対するポリクロ
ーナルウサギ抗体(αHSF2α、中井彰博士より供
与)の2%スキムミルクを含むPBST中1:2000
希釈物と室温で1時間インキュベートした。PBSTで
洗浄後、該フィルターを、西洋ワサビペルオキシダーゼ
結合ヤギF(ab’)2 抗ラビット抗体(Biosource) の
1:2000希釈物と室温で1時間インキュベートし
た。PBSTで洗浄後、ECL試薬(Amersham)を用いて
シグナルを検出した(図2)。
【0048】図2より、これらのHSF2欠失変異体
は、GAL4−BDとの融合蛋白質として酵母細胞で発
現することがわかった。
【0049】(4) ヒト精巣cDNAライブラリーの
ツーハイブリッド法によるスクリーニング ツーハイブリッドスクリーニング法のためのサッカロミ
セスセレビシエHF7c株およびGAL4アクチベータ
(GAL4−AD)をコードする配列を含むpGAD1
0で構築したヒト精巣由来のcDNAライブラリーは、
Clontech社より購入した。HF7c株は、染色
体上でGAL4応答因子の制御下に発現可能なHIS3
およびlacZの2つのレポーター遺伝子を保持してい
る。
【0050】酢酸リチウム法により、前記ヒト精巣由来
のcDNAライブラリーのプラスミドで、前記(3)で
得られたHSF2欠失変異体を発現するHF7cを形質
転換した。該形質転換体を、10mM 3−アミノトリ
アゾールを含むLeu- 、Trp- およびHis- プレ
ート上に播種し、His+ 細胞を選択した。次いで、H
is+ 細胞形質転換体を、β−ガラクトシダーゼ(βG
al)活性に対するフィルターアッセイにより、第2の
レポーター遺伝子であるlacZの発現を調べた。βG
al陽性コロニーから、プラスミドDNAを単離し、D
NA自動シーケンサーPRISM377(Perkin Elmer)
を使用して、各cDNAの挿入物の5’末端の塩基配列
を決定した。
【0051】
【表1】
【0052】表1より、HSF2N96をベイトとして
用いた場合、6.80×107 形質転換体から786個
のHis+ かつβGal+ クローンが得られた。他方、
HSF2N96C328をベイトとして用いた場合、
4.98×107 形質転換体からわずか9個のHis+
かつβGal+ クローンしか得られなかった。このこと
により、前記786個のクローンのほとんどは、真に陽
性であると思われる。
【0053】前記786個のクローンからランダムに選
択した93個のクローンおよび前記9個のクローンの
5’末端付近の塩基配列を決定した。HSF2N96の
ベイトに対する93個中39個、HSF2N96C32
8のベイトに対する9個中2個という最も多数に見出さ
れるユニークなcDNA配列に焦点を絞って、以下のク
ローニングを行なった。
【0054】実施例2 HSF2BPの全長のcDNA
のクローニング 全長のcDNAのクローンを単離するために、実施例1
(4)で得られたcDNA断片を32P標識プローブとし
て、プラークハイブリダイゼーションによりヒト精巣c
DNAライブラリー(1×106 個の独立したクローン
を含むλgt11、Clontech) をスクリーニングした。
最長のクローンをpBluescriptII(Stratagen
e)にサブクローニングし、その塩基配列を決定した。
【0055】得られた最長のcDNAクローンは、19
16bpの長さを有し、親水性のアミノ末端領域と疎水
性のカルボシキル末端領域からなる334アミノ酸(分
子量37,644ダルトン)をコードするオープンリー
ディングフレームを含んでおり、このcDNAがコード
する蛋白質をHSF2結合蛋白質(HSF2BP)と命
名した(図3)。アミノ末端側半分は、αヘリックス構
造を形成し、2個のロイシンジッパーモチーフを含むと
予想された(図4)。
【0056】実施例3 ノーザンブロット分析 Clontech社から購入したヒト多組織のRNAブ
ロット(MTNブロットとMTNIIブロット)を、HS
F2BP、HSF2およびグリセルアルデヒド−3−ホ
スフェート デヒドロゲナーゼ(G3PDH、Clontec
h) に対する32P標識cDNAプローブと5×SSP
E、50%ホルムアミド、5×デンハルト、0.1%S
DS中で42℃にて終夜ハイブリダイズさせ、0.1%
SDS含有0.1×SSPEで42℃、30分間、2回
洗浄した後、オートラジオグラフィーを行なった(図
5)。
【0057】図5より、HSF2BPのmRNAは、約
1.7kbであり、精巣特異的に発現していることがわ
かる。HSF2も既報のように、精巣で特異的に高発現
している。HSF2のHSEへの構成的な結合がマウス
の精巣で観察され、HSP70.2の精巣特異的発現と
相関している(Sarge, K. D. ら、Biol. Reprod. 50 (19
94) 1334-1343)ので、HSF2BPは、HSF2と相互
作用することにより、HSP70.2発現の精巣特異的
制御に働いている可能性が示唆される。
【0058】実施例4 GSTプルダウンアッセイ (1) プラスミドの構築 グルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)プルダ
ウンアッセイに対しては、pGEX−5X−1ベクター
(Pharmacia)を用いて、HSF2またはHSF1の欠失
変異体のGST融合構築物を作製し、GST蛋白質、G
ST−HSF2欠失変異体融合蛋白質およびGST−H
SF1欠失変異体融合蛋白質を大腸菌で発現させた。
【0059】HSF2BPおよびその欠失変異体のイン
・ビトロ翻訳のために、実施例1(1)に記載の方法に
従って、HSF2BPcDNAの対応する領域をpcD
NA3.1HisA、pcDNA3.1HisBまたは
pcDNA3.1HisC(Invitrogen)に挿入した発現
プラスミドを作製した。
【0060】(2) HSF2BPのイン・ビトロ翻訳
およびGSTプルダウンアッセイ 前記(1)で発現させたGST蛋白質およびGST−H
SF2欠失変異体融合蛋白質を、製造者の指示に従っ
て、グルタチオン−セファロース(Pharamacia)により精
製し、グルタチオン−セファロースに固定させ、GST
セファロースおよび種々のGST−HSF2セファロー
スを作製した。対照として、GST−HSF1欠失変異
体融合蛋白質も精製し、同様に、種々のGST−HSF
1セファロースを作製した。実施例4(1)記載のHS
F2BPおよびその欠失変異体の発現プラスミドを鋳型
とし、TNT翻訳キット(Promega) を使用して製造者の
指示に従ってイン・ビトロで翻訳し、35S−メチオニン
で標識されたHSF2BPおよびその欠失変異体のイン
・ビトロ翻訳物を得た。
【0061】得られたイン・ビトロ翻訳物の5μlを、
前記GSTセファロースおよび種々のGST−HSF2
欠失変異体融合蛋白質セファロースと4℃で一晩インキ
ュベートした。かかるセファロースビーズを、NETN
緩衝液(20mM Tris−HCl、pH8.0、1
00mM NaCl、1mM EDTA、0.5%No
nidetP−40)で洗浄し、SDS−PAGEによ
り結合蛋白質を分析し、オートラジオグラフィーのため
に処理し、イメージアナライザーBAS2000(Fuji)
により定量した(図6)。
【0062】図6より、イン・ビトロで翻訳したHSF
2BPは、GST−HSF2N96(入力量の7.9
%)およびGST−HSF2N96C328(入力量の
9.3%)の両方に有意に結合するが、三量体化ドメイ
ンを欠くGST−HSF2N199C328への結合
は、GST単独と同様のレベルであった(レーン1〜
5)。かかる相互作用がHSF2の三量体化ドメインに
より仲介されることを示唆するこれらの結果は、実施例
1の酵母におけるツーハイブリッドスクリーニングの結
果と一致する。
【0063】前記3つのGST−HSF2欠失変異体と
類似のGST−HSF1欠失変異体の構築物を用いて、
前記と同様に、HSF2BPとHSF1欠失変異体との
相互作用も試験した(図6、レーン6〜8)。GST−
HSF1N101は、DNA結合ドメイン以外の全HS
F1を有し、GST−HSF1N101C318は、三
量体化ドメインと熱ショック応答ドメインを有し、GS
T−HSF1N202C318は、熱ショック応答ドメ
インのみを有する。HSF2BPは、GST−HSF1
N101(入力量の8.5%)に結合する(レーン6)
が、GST−HSF1N101C318とGST−HS
F1N202C318には結合しなかった(レーン7、
8)。これらの結果より、HSF2BPは、イン・ビト
ロでHSF1とも相互作用するが、結合のプロフィール
は、HSF2で観察されるものとは異なることが示唆さ
れる。
【0064】(3) HSF2BPの欠失変異体のイン
・ビトロ翻訳 HSF2と相互作用するHSF2BPの領域を決定する
ために、実施例1(2)に記載の方法に従って、HSF
2BPの4つの欠失変異体(BP−C150、BP−C
115、BP−C73およびBP−N115)を構築し
た(図7)。
【0065】実施例4(2)と同様の方法により、イン
・ビトロ翻訳した35S−メチオニン標識HSF2BP欠
失変異蛋白質をウエスタンブロッティング法により確認
し(図8)、GST−HSF2N96C328でのプル
ダウンアッセイに供した(図9)。
【0066】図9より、インタクトなHSF2BP(入
力量に対して12.9%結合)と比較して、より大量の
BP−C150(22.3%結合)およびより少量のB
P−C115(5.7%結合)が、GST−HSF2N
96C328に結合した(レーン1〜9)のに対して、
BP−C73およびBP−N115は結合しなかった
(レーン10〜15)。これらの結果より、HSF2B
PのN末端側半分は、HSF2との相互作用に必要十分
条件であることが示唆される。HSF2BPのN末端側
のαヘリックスドメインは、2個のロイシンジッパーモ
チーフを含み、かかる相互作用は、HSF2のHR−A
/B領域とロイシンジッパーとの間で媒介されていると
考えられる。しかし、BP−C73が2個のロイシンジ
ッパーを保持しているにもかかわらず、HSF2へ結合
できなかったことは、αヘリックスドメインのロイシン
ジッパー以外の領域も、かかる相互作用に必要であるこ
とを示唆する。
【0067】実施例5 HSF2およびHSF2BPの
哺乳類細胞におけるツーハイブリッドアッセイ HSF2BPが、イン・ビボでHSF2およびHSF1
双方と相互作用するかどうかを調べるために、ツーハイ
ブリッドアッセイを行なった。10%ウシ胎児血清を含
むRPMI−1640培地中、37℃、5%CO2 で培
養したK562細胞(ATCC CCL243)(1×
106 個)を、pM(Clontech)由来の酵母GAL4−B
Dと融合したHSF2またはHSF1欠失変異体の発現
プラスミド、pVP16(Clontech)由来のVP16転写
活性化ドメインと融合させたHSF2BPの発現プラス
ミド(pVP16BP)およびルシフェラーゼ遺伝子を
含むpGLG4E5レポータープラスミドで、Transfec
tam TM(Promega) を用いるリポフェクション法によりト
ランスフェクトした。37℃、5%CO2 で48時間イ
ンキュベートした後、形質転換したK562細胞をPB
Sで2回洗浄し、製造者の指示に従って二重ルシフェラ
ーゼレポーターアッセイシステム(Promega)を用いてル
シフェラーゼ活性を測定した(図10)。
【0068】図10より、GAL4−HSF2N96C
238とVP16−HSF2BPとの共発現は、GAL
4−HSF2N96C238と対照のVP16との共発
現よりも約11倍ルシフェラーゼレポーターを活性化し
た。このことは、哺乳類培養細胞において、HSF2が
HSF2BPと相互作用することを示唆する。他方、H
SF2N96ベイトを用いる酵母ツーハイブリッドスク
リーニングから多くのHSF2BPクローンが得られた
が、K562細胞でのツーハイブリッドアッセイではH
SF2N96とHSF2BPとの有為な相互作用は検出
されなかった。2種類のHSF1欠失変異体も、HSF
2BPと相互作用しなかった。
【0069】実施例6 組換えHSF2BPの調製 (1)プラスミドの構築 組換えHSF2BPをGSTとの融合蛋白質として大腸
菌内で発現させるため、発現ベクターpGEX−5X−
1のNotI部位にHSF2BPの全翻訳領域を含んだ
cDNA断片を挿入した。得られたGST−HSF2B
P発現プラスミドをpGEXBPとした。 (2)融合蛋白質の発現と精製 pGEXBPで形質転換された大腸菌(DH5α)を2
%グルコースを含む2×YT培地で27℃で培養し、6
00nmの吸収が約0.8になったとき、終濃度0.1
mMになるようにIPTG(イソプロピル−β−D−チ
オガラクトシド)を添加し、GST−融合蛋白質の発現
を誘導した。さらに2時間培養し、集菌した。菌体を1
%TritonX−100を含むPBSで懸濁し、超音
波破砕し、遠心分離(1.5mlチューブ用微量高速遠
心機で10000回転、15分間)により沈殿画分を回
収した。GST−HSF2BP蛋白質は、細胞内封入体
を形成し、沈殿画分に回収される。得られた画分をさら
にSDS−PAGEで分離し、目的蛋白質をゲルから切
り出して溶出することにより、ほぼ均一に精製されたG
ST−HSF2BP蛋白質を得た。
【0070】
【発明の効果】本発明の熱ショック転写因子結合蛋白質
であるHSF2BPは、精巣特異的に発現している蛋白
質であり、分子シャペロンとして精子形成に必須の役割
を果たしているHSP70.2の転写制御に関与してい
ることが示唆されているHSF2の活性化を制御するこ
とにより、精子形成不全の研究、診断および/または治
療に利用され得る。本発明のアンチセンスDNAまたは
アンチセンスRNAは、HSF2活性の調節剤として用
いられ、精子形成の調節作用をもつことが期待される。
また、アンチセンスDNAまたはアンチセンスRNA
は、in situ ハイブリダイゼーション等の研究用試薬と
しても利用できる。HSF2BPをコードするDNAに
特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプロー
ブまたはプライマーは、HSF2BPの検出および定量
に用いられる。また、HSF2BPの抗体は、HSF2
BPの検出および定量に用いられる。さらに、HSF2
BPを用いて、HSF2BPのアゴニストおよびアンタ
ゴニストをスクリーニングすることが可能であり、かか
るアゴニストおよびアンタゴニストは、HSF2活性の
調節剤として用いられ、精子形成の調節作用をもつこと
が期待される。
【0071】
【配列表】配列番号:1 配列の長さ:334 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Met Gly Glu Ala Gly Ala Ala Glu Glu Ala Cys Arg His Met Gly Thr 5 10 15 Lys Glu Glu Phe Val Lys Val Arg Lys Lys Asp Leu Glu Arg Leu Thr 20 25 30 Thr Glu Val Met Gln Ile Arg Asp Phe Leu Pro Arg Ile Leu Asn Gly 35 40 45 Glu Val Leu Glu Ser Phe Gln Lys Leu Lys Ile Val Glu Lys Asn Leu 50 55 60 Glu Arg Lys Glu Gln Glu Leu Glu Gln Leu Lys Met Asp Cys Glu His 65 70 75 80 Phe Lys Ala Arg Leu Glu Thr Val Gln Ala Asp Asn Ile Arg Glu Lys 85 90 95 Lys Glu Lys Leu Ala Leu Arg Gln Gln Leu Asn Glu Ala Lys Gln Gln 100 105 110 Leu Leu Gln Gln Ala Glu Tyr Cys Thr Glu Met Gly Ala Ala Ala Cys 115 120 125 Thr Leu Leu Trp Gly Val Ser Ser Ser Glu Glu Val Val Lys Ala Ile 130 135 140 Leu Gly Gly Asp Lys Ala Leu Lys Phe Phe Ser Ile Thr Gly Gln Thr 145 150 155 160 Met Glu Ser Phe Val Lys Ser Leu Asp Gly Asp Val Gln Glu Leu Asp 165 170 175 Ser Asp Glu Ser Gln Phe Val Phe Ala Leu Ala Gly Ile Val Thr Asn 180 185 190 Val Ala Ala Ile Ala Cys Gly Arg Glu Phe Leu Val Asn Ser Ser Arg 195 200 205 Val Leu Leu Asp Thr Ile Leu Gln Leu Leu Gly Asp Leu Lys Pro Gly 210 215 220 Gln Cys Thr Lys Leu Lys Val Leu Met Leu Met Ser Leu Tyr Asn Val 225 230 235 240 Ser Ile Asn Leu Lys Gly Leu Lys Tyr Ile Ser Glu Ser Pro Gly Phe 245 250 255 Ile Pro Leu Leu Trp Trp Leu Leu Ser Asp Pro Asp Ala Glu Val Cys 260 265 270 Leu His Val Leu Arg Leu Val Gln Ser Val Val Leu Glu Pro Glu Val 275 280 285 Phe Ser Lys Ser Ala Ser Glu Phe Arg Ser Ser Leu Pro Leu Gln Arg 290 295 300 Ile Leu Ala Met Ser Lys Ser Arg Asn Pro Arg Leu Gln Thr Ala Ala 305 310 315 320 Gln Glu Leu Leu Glu Asp Leu Arg Thr Leu Glu His Asn Val 325 330
【0072】配列番号:2 配列の長さ:1916 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:c DNA 配列 GGAGTGAGCG CGGCAGTGGC CCTGGCAGCT GGCGGAGCGG CCCAGCCCGT GTGCACGTGG 60 CGCCGGCGCT GCCTTTCGGT TGCCAAAATT CAGGCTGTAG ACGGCGAGAT AACAAGTTTA 120 AAACCCCGGC TAAGCCAGAA GAGCCAAAGA GGGACCTCGC CAAGGCCACT CCTCGCTCTC 180 TAGGCCGAGA ATACTGCGCA AATTCTGGGA GGTTTGGGCC TGGCGGCTCT CCGTTCCCGA 240 CCCCCGGCGT GGATTCGTTC CCGCGCTTTC TGGCGTGAGG GGTCAGAGGG CGCGCCGACG 300 CTCAGGCGAA CGGAGCGGAG GCGGCAGCGG CCATGGGCGA AGCGGGCGCC GCTGAGGAGG 360 CCTGCCGGCA CATGGGAACT AAAGAGGAAT TTGTTAAAGT CAGAAAGAAG GATCTGGAAC 420 GGCTGACAAC TGAAGTGATG CAAATACGGG ACTTCTTACC CAGAATACTA AATGGGGAGG 480 TGCTGGAGAG CTTCCAGAAA TTAAAGATTG TAGAAAAAAA CCTGGAAAGG AAAGAGCAAG 540 AATTAGAGCA GCTGAAAATG GATTGTGAGC ACTTTAAAGC CCGCCTGGAA ACCGTGCAGG 600 CCGACAACAT AAGAGAGAAG AAGGAGAAAC TGGCTCTTCG ACAGCAGTTG AATGAAGCGA 660 AGCAGCAACT CCTGCAGCAG GCAGAGTATT GTACAGAAAT GGGAGCAGCA GCGTGTACCC 720 TCTTGTGGGG TGTCTCCAGC AGTGAGGAAG TCGTCAAGGC CATTTTGGGA GGAGATAAAG 780 CTTTGAAGTT TTTCAGCATC ACTGGTCAAA CAATGGAGAG TTTTGTGAAG TCGTTAGACG 840 GTGATGTCCA GGAGCTGGAT TCGGATGAAA GTCAGTTTGT TTTCGCTCTG GCTGGAATTG 900 TCACGAATGT TGCTGCTATA GCATGTGGTC GTGAATTCTT GGTTAATTCA AGCCGGGTGC 960 TCTTGGACAC CATATTGCAG CTTCTGGGAG ACTTGAAGCC AGGACAGTGT ACCAAACTCA 1020 AAGTGCTAAT GCTGATGTCC CTATACAATG TAAGCATCAA TTTGAAAGGC TTGAAATACA 1080 TCAGCGAGAG TCCAGGATTC ATCCCTTTGC TGTGGTGGCT TTTGAGTGAT CCAGATGCAG 1140 AGGTGTGCCT TCATGTACTG AGGCTTGTCC AGTCTGTGGT TCTGGAACCT GAAGTCTTCT 1200 CCAAGTCGGC CTCTGAGTTC CGGAGCTCCC TGCCCCTGCA ACGCATCCTG GCAATGTCCA 1260 AGAGCCGCAA CCCCCGCCTG CAAACCGCAG CCCAGGAGCT CCTGGAAGAT CTCCGCACTC 1320 TGGAGCATAA TGTGTAGGTG TGCTCGGCCA CCAGGGTTTT GGTGAAAATG CCGGTGTCCC 1380 TTCTCCCCAG ATCCCTCATT TGATACTCCA AAACCATCAC CATGTACCAT GTGTTAGAGT 1440 TGGCAAAATG TGATTGACTA GAGATGGACA TGAATTGATA TGTATCCCAC ATAACTTTGT 1500 CTTGGAAGTG AGAGTGCTTG TAGGTGGTTG GTTAAGCTTG CCAAAGGAGA GGCCATGAAA 1560 GAACCTGTCC TTCTGGAAAA GTGGTCCATG TCTGTGCTGG CTGGAAGAGG GCTTGCTTAG 1620 GGCAGCTTCT TGCTGCTCAG CAGACCATGA CCTGTAGGTT CACCTATAAA ACAGGGAAAT 1680 TGAATAACCA TCTACCCCAT TAGTCAGCAT TTTCTTGAGA TACATTTCTT TGAAAAGCAA 1740 TTCATTCTCT CTCTAGTAAT TGTAATTAAT CCCCCCAAAA TGCAAGTTTA CTTTTATAAC 1800 CTTTTGGTGA ACCTGCTATT TCGGATGACA TTGGGCATTT TAGTTCTATA TTTTTTGTGC 1860 CTCTTTTATT TTTGAATAAA GAAAATCAGA AGAGTTGTAA AAAAAAAAAA AAAAAA 1916
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、ヒトHSF2蛋白質およびツーハイブ
リッドスクリーニングにベイトとして用いるGAL4−
BD−HSF2融合蛋白質の模式図を示す。図中、DB
DはDNA結合ドメインを示し、HR−A/Bは三量体
形成のための疎水性の繰り返しを示し、HR−Cは負の
制御のためのC末端疎水性の繰り返しを示す。
【図2】図2は、酵母で発現したGAL4−BD−HS
F2融合蛋白質のウエスタンブロット分析の電気泳動の
写真を示す。
【図3】図3は、HSF2BPのcDNA配列および対
応するアミノ酸配列を示す。星印または四角で示したア
ミノ酸は、7残基ごとに繰り返す疎水性アミノ酸を示
す。
【図4】図4は、HSF2BPのChou-Fasman 法により
予想されるα−ヘリックス、β−シートおよびβ−ター
ン領域ならびにKyte-Doolittle法により予想される親水
性のプロットを示す。
【図5】図5は、32Pで標識したHSF2BP、HSF
2およびG3PDHcDNAをプローブとして用いた、
種々の組織由来のmRNAのノーザンブロット分析の電
気泳動の写真を示す。各写真の左端の数字は、サイズマ
ーカーの位置を示す。
【図6】図6は、GST−プルダウンアッセイによるイ
ン・ビトロでのHSF2BPとHSF2またはHSF1
との相互作用を示す電気泳動の写真である。写真の下の
数字は、結合したHSF2BPの割合(インプットに対
する%)を示す。
【図7】図7は、HSF2BP蛋白質およびその欠失変
異体の模式図を示す。点を付けた部分は、α−ヘリック
ス構造をもつ領域を、黒く塗りつぶした部分は、ロイシ
ンジッパーモチーフの領域を示す。
【図8】図8は、35Sメチオニンを用いてイン・ビトロ
翻訳した図7に示したHSF2BP蛋白質およびその欠
失変異体のSDS−PAGE分析による電気泳動の写真
である。写真の右端の数字は、サイズマーカーを示す。
【図9】図9は、GST−プルダウンアッセイによるイ
ン・ビトロでの図7に示したHSF2BPおよびその欠
失変異体とHSF2N96C328との相互作用を示す
電気泳動の写真である。レーン1、4、7、10および
13はインプット量を示し、レーン2、5、8、11お
よび14はGSTへの結合を示し、レーン3、6、9、
12および15は、GST−HSF2N96C328へ
の結合を示す。写真の下の数字は、それぞれ、結合した
HSF2BPおよびその欠失変異体の割合を示す。
【図10】図10は、K562細胞におけるツーハイブ
リッドアッセイをルシフェラーゼ活性により測定し、各
HSFに対して、pVP16で得られた活性と比較した
pVPBPで得られた活性の誘導倍数を示すグラフであ
る。縦軸は、4つの独立した実験からの平均±SDとし
て表す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G01N 33/53 G01N 33/53 D //(C12N 1/21 C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:19)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)配列番号:1に記載のアミノ酸配
    列からなるペプチドをコードするDNA、 (b)配列番号:1に記載のアミノ酸配列において、1
    個以上のアミノ酸が欠失、置換、挿入または付加された
    アミノ酸配列からなるペプチドをコードするDNA、 (c)配列番号:2に記載の塩基配列からなるDNA、 (d)配列番号:2に記載の塩基配列において、1個以
    上の塩基が欠失、置換、挿入または付加された塩基配列
    からなるDNA、および (e)前記(a)〜(d)のいずれかのDNAにストリ
    ンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA、から
    なる群より選択されるDNAであって、熱ショック転写
    因子(HSF)2結合活性を有する蛋白質をコードする
    DNA。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のDNAによりコードされ
    る蛋白質。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のDNAの全部または一部
    を含有してなる発現ベクター。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の発現ベクターを含む形質
    転換体。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の形質転換体を、請求項3
    記載の発現ベクターからの蛋白質の発現が可能な条件下
    で培養する工程を含む、組換えHSF2結合蛋白質の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 請求項2記載の蛋白質に特異的に結合す
    る抗体またはその断片。
  7. 【請求項7】 請求項1記載のDNAと相補的な配列を
    有する、8塩基以上からなるアンチセンスDNAまたは
    アンチセンスRNA。
  8. 【請求項8】 請求項1記載のDNAに特異的にハイブ
    リダイズするオリゴヌクレオチドプローブまたはプライ
    マー。
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