JPH11185652A - 陰極線管 - Google Patents

陰極線管

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JPH11185652A
JPH11185652A JP9357435A JP35743597A JPH11185652A JP H11185652 A JPH11185652 A JP H11185652A JP 9357435 A JP9357435 A JP 9357435A JP 35743597 A JP35743597 A JP 35743597A JP H11185652 A JPH11185652 A JP H11185652A
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Japan
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cracks
phosphor layer
film
metal reflection
reflection film
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JP9357435A
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Toshimasa Ishigaki
利昌 石垣
Shoko Nishizawa
昌紘 西澤
Fumio Takahashi
文雄 高橋
Tetsuo Suzuki
哲雄 鈴木
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Hitachi Ltd
Hitachi Consumer Electronics Co Ltd
Japan Display Inc
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Hitachi Device Engineering Co Ltd
Hitachi Ltd
Hitachi Consumer Electronics Co Ltd
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Publication date
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J29/00Details of cathode-ray tubes or of electron-beam tubes of the types covered by group H01J31/00
    • H01J29/02Electrodes; Screens; Mounting, supporting, spacing or insulating thereof
    • H01J29/10Screens on or from which an image or pattern is formed, picked up, converted or stored
    • H01J29/18Luminescent screens
    • H01J29/30Luminescent screens with luminescent material discontinuously arranged, e.g. in dots, in lines
    • H01J29/32Luminescent screens with luminescent material discontinuously arranged, e.g. in dots, in lines with adjacent dots or lines of different luminescent material, e.g. for colour television
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    • HELECTRICITY
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    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
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    • H01J29/18Luminescent screens
    • H01J29/28Luminescent screens with protective, conductive or reflective layers

Landscapes

  • Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)
  • Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 火ぶくれ現象と明るさの低下をそれぞれ防止
できる金属反射膜を備える陰極線管を得る。 【解決手段】 外囲器のパネル部の内壁に、蛍光体層を
被って被着された金属反射膜を備え、この金属反射膜
は、蛍光体層を被って塗布した有機フィルム樹脂の上に
形成し、該有機フィルム樹脂を焼成除去することによっ
て、蛍光体層を被うようにして形成された陰極線管にお
いて、前記金属反射膜に形成された亀裂が蛍光体層の上
面部分よりも側面部分に多く存在している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は陰極線管に係り、特
に、その蛍光体層を被って形成される金属反射膜の改良
に関する。
【0002】
【従来の技術】陰極線管は、その表示面となる蛍光面に
電子銃からの電子ビームを偏向させて照射することによ
って、その偏向過程における電子ビームの強弱に応じた
画像を前記蛍光面に形成させるように構成されている。
【0003】真空容器からなる陰極線の外囲器は、多数
の蛍光体層からなる前記蛍光面が形成されるパネル部
と、電子銃を内蔵するネック部と、該パネル部とネック
部とを滑らかにつなぐファンネル部とから構成され、電
子ビームを偏向させるための偏向コイルは前記ネック部
の周辺に配置されている。
【0004】そして、該パネル部に形成されている蛍光
面には、その蛍光面を被うようにして金属反射膜が形成
され、この金属反射膜によって表示の明るさを向上させ
るとともに、電子ビームを吸引させるための電圧を印加
するようになっている。
【0005】ここで、前記金属反射膜は、蛍光面の全域
に塗布した有機フィルム樹脂の上に蒸着等により形成
し、その後、該有機フィルム樹脂を焼成除去することに
よって、上述したように該蛍光面を被うようにして形成
されるようになっている。
【0006】蛍光面に直接金属反射膜を形成した場合、
その形成時に該金属反射膜の分子が蛍光体面内に拡散す
るのを前記有機フィルム樹脂によって防止せんとするた
めである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな陰極線管において、該金属反射膜が破れていたり、
蛍光面に対して持ち上げられた状態で形成されていた
り、あるいは、該金属反射膜が蛍光面を充分に覆って形
成されていないために表示の明るさの低下を招来させて
いることが指摘されるに到った。
【0008】この原因を究明した結果、蛍光面上に形成
する有機フィルム樹脂の量を多くした場合、亀裂やピン
ホールのない平坦な金属反射膜が形成されるが、該有機
フィルム樹脂の焼成工程で分解ガスが多量に発生し、該
金属反射膜が持ち上げられたり、破れたりする(以下、
必要に応じて「火ぶくれ現象」と称する)ことが判明し
た。
【0009】また、該有機フィルム樹脂の量を少なくし
た場合、蛍光体面を充分に覆いつくせないため、火ぶく
れ現象は防止できるものの金属反射膜の形成状態が悪く
なり明るさの低下を招くことが判明した。
【0010】本発明はこのような事情に基づいてなされ
たものであり、その目的は、火ぶくれ現象と明るさの低
下をそれぞれ防止できた金属反射膜を備える陰極線管を
提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
以下のとおりである。
【0012】すなわち、外囲器のパネル部の内壁に、蛍
光体層を被って被着された金属反射膜を備え、この金属
反射膜は、蛍光体層を被って塗布した有機フィルム樹脂
の上に形成し、該有機フィルム樹脂を焼成除去すること
によって、蛍光体層を被うようにして形成された陰極線
管において、前記金属反射膜に形成された亀裂が蛍光体
層の上部よりも側面部分に多く存在していることを特徴
とするものである。
【0013】このように構成された陰極線管は、金属反
射膜のうち蛍光体層の側面部分に多く形成された亀裂か
ら、有機フィルム樹脂の焼成工程で発生する分解ガスを
放出させることができることから、金属反射膜の形成状
態を悪化させることなく、火ぶくれ現象の発生を防止す
ることができるようになる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明による陰極線管の実
施例を図面を用いて説明をする。
【0015】図2は、本発明による陰極線管の一実施例
を示す全体概略図である。
【0016】同図において、まず、陰極線管の外囲器1
があり、この外囲器1はガラスによって構成されてい
る。
【0017】そして、この外囲器1は、陰極線管の表示
部となるパネル部1Aと、電子銃構体を内蔵するネック
部1Bと、該パネル部1Aとネック部1Bとを滑らかに
つなぐファンネル部1Cとから構成されている。
【0018】ネック部1Bの内部には電子銃構体2が配
置されている。この電子銃構体2は3つの電子銃が図中
x方向に一体化されて配列されて構成され、各電子銃か
らはそれぞれ赤(R)発光用、緑(G)発光用、および
青(B)発光用の電子ビーム3がパネル部1A側に照射
されるようになっている。
【0019】また、パネル部1Aの内壁面には、その全
域にわたって蛍光体層4が形成され、このうちカラー用
の一画素に相当する領域には、互いに隣接されて赤
(R)発光用、緑(G)発光用、および青(B)発光用
の各蛍光体層が形成されている。
【0020】前記電子銃構体2からの3つの電子ビーム
3は、それぞれカラー用の一画素に相当する赤(R)発
光用、緑(G)発光用、および青(B)発光用の蛍光体
層に照射できるようになっている。
【0021】この場合、パネル部1Aの蛍光体層4が形
成された内壁面に対向するようにしてシャドウマスク5
が配置され、このシャドウマスク5はカラー用の一画素
に対向してそれぞれ電子透過孔が形成されている。
【0022】電子銃構体2からの各電子ビーム3は、そ
れぞれシャドウマスク5上の同一の電子透過孔を透過で
きるようになっており、これによりシャドウマスク5の
背面側に位置づけられ、かつ前記電子透過孔に対応して
配置される一画素用の各色発光用の蛍光体層4に照射で
きるようになっている。
【0023】一方、外囲器1の外側であってファンネル
部1Cのうちネック部1B側の部分には偏向ヨーク6が
設けられ、この偏向ヨーク6の作用によって、前記電子
銃構体2からの各電子ビーム3は、水平方向あるいは垂
直方向に振られ、蛍光体層4における各画素の全てをた
とえば左上から右下まで照射できるように走査されるよ
うになっている。
【0024】図3は、外囲器1のパネル部1Aの内壁面
に形成された各蛍光体層4の詳細を示す断面図である。
【0025】同図において、パネル部1Aの内壁面に
は、まず、たとえば黒鉛からなるブラックマトリックス
層8が形成されている。このブラックマトリックス層8
は、各画素領域の周囲を縁取るように形成され、したが
って各画素領域に相当する部分にはパネル部1Aを露出
させる開口が設けられるようにして形成されている。
【0026】そして、このブラックマトリックス層8の
各開口におけるパネル部1A面にはそれぞれ蛍光体層4
が形成され、この蛍光体層4の周辺は前記ブラックマト
リックス層8上に重畳するようにして形成されている。
【0027】さらに、蛍光体層4およびこの蛍光体層4
から露出されているブラックマトリックス層8の上面に
はたとえばアルミニュウムからなる金属反射膜9が形成
されている。
【0028】ここで、前記金属反射膜9は、図3をさら
に拡大して示す図1に示すように構成されている。な
お、図1(a)は、ドット配置された一つの蛍光体層4
をシャドウマスク5から観た平面図であり、図1(b)
は、図1(a)のb−b線における断面図を示してい
る。
【0029】各図において、蛍光体層4は、それがパネ
ル部1Aに(一部ブラックマトリックス層8に)層状に
形成されているため、上面部4aと側面部4bとを有し
ている。
【0030】金属反射膜9はこの蛍光体層4の上面部4
aはもちろんのこと側面部4bにも形成されている。
【0031】そして、この金属膜9には有機フィルム樹
脂の焼成過程での分解ガスをぬくため亀裂12が形成さ
れ、この場合、蛍光体層の上面部4aに形成された亀裂
12よりも側面部4bに形成された亀裂12の方が多く
存在している。
【0032】特に側面部4bに沿って形成された亀裂1
2は、ブラックマトリックス層8の開口81に達しない
位置に形成すると良い。つまり、ブラックマトリックス
層8の形成された範囲内に亀裂12を形成することによ
り、パネル外面の画像を観察する際に、画像の明るさを
低下させることがなく、良好な画像を表示できる。
【0033】さらに、金属膜9に形成された全ての亀裂
12を透過率として換算すると、その値は0.1%から
1.0%の範囲内になるようになっている。
【0034】なお、このような構成からなる金属層9
は、図4に示すように、蛍光体層4およびブラックマト
リックス層8の全域に塗布した有機フィルム樹脂10の
上に蒸着等により形成し、その後、該有機フィルム樹脂
10を焼成除去することによって、該蛍光体層4および
ブラックマトリックス層8を被うようにして形成される
ことは上述した通りであるが、上記構成のようにするた
めには前記有機フィルム樹脂10は次に示すように形成
される。
【0035】有機フィルム樹脂10を形成するフィルミ
ング溶液は、アクリルエマルジョンと水溶性高分子から
構成する。必要に応じて可塑剤を加えてもよい。アクリ
ルエマルジョンはメタクリル酸メチルとアクリル酸エス
テルを主成分とし、粒径が50nmから100nmの材
料が好ましい。水溶性高分子はポリビニルアルコール、
ポリアクリル酸、アクリル酸エステルとアクリル酸のコ
ポリマー、ポリアクリルアミド、メチルセルロース、カ
ルボキシルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなど、アク
リルエマルジョンとの増粘作用をもつものが好ましい。
可塑剤は、グリコール類、グリセリン、フタル酸エルテ
ルなどが好ましい。
【0036】そして、上記フィルミング溶液を用いた上
で、本目的に沿った金属反射膜9を得るためには、
(1)アクリルエマルジョンの硬さ、(2)フィルミン
グ水溶液の流動性、この2点の制御が必要になる。
【0037】アクリルエマルジョンの硬さは、亀裂の形
成に重要な点である。亀裂を形成する方法としては、過
酸化水素の添加やセルロースアクリル酸エステルの添加
が効果あると提唱されているが、比較的硬いフィルムが
得られるアクリル樹脂ならば、単体でも火ぶくれを防止
するのに充分な亀裂が得られることが確認できた。
【0038】この場合、アクリルエマルジョンのみを希
釈したフィルミング溶液は、塗布むらが非常に起きやす
く、均一な有機フィルムをパネル全面の蛍光体パターン
の上に形成することが難しく、均一な有機フィルムを得
るためにフィルム樹脂量を多くすると、容易に火ぶくれ
が起こるなど、火ぶくれと明るさの両立が非常に難しか
った。
【0039】火ぶくれと明るさの両立範囲を拡大するた
めには、アクリルエマルジョンを増粘させる水溶性高分
子の添加が有効である。しかし、アクリルエマルジョン
と水溶性高分子の相互作用が強すぎると、フィルム液を
塗布した後の乾燥工程で、濃縮されたアクリルエマルジ
ョンと水溶液高分子の凝集が起こり、蛍光体上部にも亀
裂を多く発生させてしまい、本目的に沿った金属反射膜
が得られなかった。
【0040】フィルミング溶液に水溶性高分子を添加す
れば、アクリルエマルジョンの増粘により塗布むらが防
止でき、かつ少量のフィルム樹脂量で均一な膜を得るこ
とができ、火ぶくれに対する裕度が向上する。しかし、
増粘を水溶性高分子に頼ると乾燥濃縮時の凝集を招き、
蛍光体上部にも亀裂が多く発生し品質低下を招く。この
矛盾の対策には、アクリルエマルジョン自体の増粘性を
上げておき、水溶性高分子の添加量をできるだけ少なく
することが有効な手段であることを見出した。
【0041】以下に、目的とする金属反射膜を得るため
に必要なアクリルエマルジョンの仕様について述べる。
まず、アクリルエマルジョンの硬さの制御は以下の通り
行う。アクリルエマルジョンの硬さの指標としては最低
被膜形成温度がある。図5に最低被膜形成温度と金属反
射膜の透過率との関係を示すが、目的とする透過率0.
1%から1.0%の金属反射膜を得るために必要な最低
被膜温度は、30℃から50℃の範囲であることが判っ
た。最低被膜形成温度が30℃以下の場合はフィルム膜
が柔らかいので、フィルムに亀裂が生じにくいと考えら
れるが、実際は火ぶくれによる亀裂を生じたため透過率
が1.0%を超えた。また、最低被膜形成温度が50℃
以上の場合はフィルム膜が硬くなりすぎ亀裂が増加する
ため、透過率が1.0%を超えた。
【0042】また、アクリルエマルジョンが適度な硬さ
を得るためには、メタクリル酸メチルを主成分とする必
要があることも判った。メタクリル酸メチルはガラス転
移点が80℃以上の高温域にあり、亀裂を起こすに充分
な硬さをもつ。図6にメタクリル酸メチルの配合量と金
属反射膜の透過率との関係を示すが、エマルジョン製造
時のメタクリル酸メチルの配合量を50重量%以上にす
る必要があることが判った。メタクリル酸メチルが40
重量%では火ぶくれが発生した。また、メタクリル酸メ
チルが80重量%を超えると金属反射膜の透過率が1.
0%を超えた。ここで、アクリルエマルジョンの共重合
成分は、メタクリル酸メチル80重量%のみアクリル酸
ブチルを用い、他はアクリル酸エチルを用いた。
【0043】なお、金属反射膜の透過率は、蛍光体層か
ら亀裂が入らないように慎重に剥がし取った金属反射膜
の透過率を分光光度計で測定した値である。波長は55
0nmを用いた。透過率が0.1%から1.0%という
範囲は、フィルミング溶液の仕様を色々変えて実装し、
そのときの明るさと火ぶくれの状態を調査、観察した結
果から導き出したものである。
【0044】透過率が0.1%未満となるように金属反
射膜を形成すると、パネル内面に部分的に火ぶくれが発
生し、画像を表示した際に、火ぶくれが発生した部分が
暗くなる。また、透過率が10%より大きくなるように
金属反射膜を形成すると画面全体が暗くなる。それ故、
金属反射膜は透過率が0.1%から1.0%の範囲とな
る程度に、亀裂やピンフォールがあると良い。
【0045】次に増粘作用を付与する方法を述べる。ア
クリルエマルジョンにアクリル酸および/またはメタア
クリル酸を共重合させ、カルボン酸を持たせることによ
り、水溶性高分子との増粘性が上がる。図7にメタアク
リル酸の配合量と金属反射膜の透過率との関係を示す。
特に、図7にはメタアクリル酸メチル(MMA)が55
重量%の場合と80重量%の場合とを示した。
【0046】最低被膜形成温度を30℃から50℃に制
御する場合、メタクリル酸メチルの配合量が50重量%
から60重量%と低い場合は、共重合物としてアクリル
酸エチルを用いるが、このアクリル酸エチルは、そのも
の自体がメタアクリル酸メチルよりも強い増粘作用を持
つので、メタアクリル酸の配合量が比較的低い領域で目
的を満足する効果が得られた。逆にメタクリル酸メチル
の配合量が80重量%など高い場合は、共重合物として
アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルなど
を用いることになるが、このアクリル酸エステルはアク
リル酸エチルよりも増粘作用が弱く配合量も少ないの
で、メタアクリル酸の配合量を高目に設定しないと目的
を満足する効果が得られなかった。アクリル酸及び/ま
たはメタアクリル酸の配合量は、メタクリル酸メチルと
他のアクリルモノマの配合比にもよるが、配合量として
3重量%から15重量%が適切な範囲である。
【0047】次に、金属反射膜の亀裂を蛍光体パターン
の上部よりも、蛍光体パターンの側面部分に多く存在さ
せる有効な手段について述べる。
【0048】図8にメタアクリル酸の配合量を変えたア
クリルエマルジョンに、水溶性高分子であるヒドロキシ
エチルセルロースを添加濃度を変えて混合したフィルミ
ング溶液の、流体特性と金属反射膜の状態のまとめを示
す。
【0049】アクリルエマルジョンはダイラタント流体
特性を持つが、一般にダイラタント流体は塗布しにくい
流体といわれており、実際に放射状のむらが容易に発生
する。これに水溶性高分子を添加していくと、水溶性高
分子はプラスチック流体特性を持つので、フィルミング
溶液がダイラタント流体、ニュートン流体、プラスチッ
ク流体と変化していく。フィルミング溶液の流体特性が
ニュートン流体からややプラスチック流体の範囲に入る
ように、フィルミング溶液中への水溶性高分子の添加量
を制御したときに、火ぶくれがなく、均一な有機フィル
ムがパネル全面の蛍光体パターンの上に形成でき、かつ
亀裂が蛍光体パターンの上部よりも、蛍光体パターンの
側面部分に多く存在する金属反射膜が得られた。また、
アクリルエマルジョン中のカルボン酸を増量させること
で、少量の水溶性高分子の添加で火ぶくれが防止できる
ことも確認できた。
【0050】なお、流体特性はずり速度を2点変えて粘
度を測定することで調べることができる。低いずり速度
で測定した粘度が、高いずり速度で測定した粘度よりも
低い場合がダイラタント流体であり、高い場合がプラス
チック流体である。また、粘度が同じ場合がニュートン
流体である。
【0051】以上、上述のように構成された陰極線管
は、金属反射膜のうち蛍光体層の側面部分に多く形成さ
れた亀裂から、有機フィルム樹脂の焼成工程で発生する
分解ガスを放出させることができることから、金属反射
膜の形成状態を悪化させることなく、火ぶくれ現象の発
生を防止することができるようになる。
【0052】なお、上述した陰極線管はカラー用のもの
について説明したものであるが、これに限定されること
はなく、白黒用のものについても適用できることはもち
ろんである。
【0053】また、上述した陰極線管は蛍光体層をドッ
ト配置したものについて説明したが、これに限定される
ことはなく、ストライプ配置したものについても適用で
きる。
【0054】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、
本発明による陰極線管によれば、火ぶくれ現象と明るさ
の低下をそれぞれ防止できた金属反射膜を備えるものが
得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による陰極線管の一実施例を示す要部説
明図である。
【図2】本発明による陰極線管の一実施例を示す断面図
である。
【図3】本発明による陰極線管の一実施例を示す要部断
面図である。
【図4】本発明による陰極線管の製造の一実施例を示す
断面図である。
【図5】本発明による陰極線管の製造に用いられる有機
フィルム樹脂の形成温度と金属反射膜の透過率を示すグ
ラフである。
【図6】本発明による陰極線管の製造に用いられるメタ
クリル酸メチル配合量と金属反射膜の透過率を示すグラ
フである。
【図7】本発明による陰極線管の製造に用いられるメタ
クリル酸配合量と金属反射膜の透過率を示すグラフであ
る。
【図8】本発明による陰極線管の製造に用いられるフィ
ルミング溶液の流体特性、金属反射膜の状態を示す説明
図である。
【符号の説明】
1A……パネル部、4……蛍光体層、8……ブラックマ
トリックス層、9……金属反射膜、12……亀裂。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年2月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正内容】
【0044】透過率が0.1%未満となるように金属反
射膜を形成すると、パネル内面に部分的に火ぶくれが発
生し、画像を表示した際に、火ぶくれが発生した部分が
暗くなる。また、透過率が1.0%より大きくなるよう
に金属反射膜を形成すると画面全体が暗くなる。それ
故、金属反射膜は透過率が0.1%から1.0%の範囲
となる程度に、亀裂やピンフォールがあると良い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 文雄 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日立 製作所電子デバイス事業部内 (72)発明者 鈴木 哲雄 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日立 製作所電子デバイス事業部内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外囲器のパネル部の内壁に、蛍光体層を
    被って被着された金属反射膜を備え、この金属反射膜
    は、蛍光体層を被って塗布した有機フィルム樹脂の上に
    形成し、該有機フィルム樹脂を焼成除去することによっ
    て、蛍光体層を被うようにして形成された陰極線管にお
    いて、 前記金属反射膜に形成された亀裂が蛍光体層の上面部分
    よりも側面部分に多く存在していることを特徴とする陰
    極線管。
  2. 【請求項2】 前記金属反射膜の亀裂の数や大きさが、
    金属反射膜の透過率として、0.1%から1.0%の範
    囲であることを特徴とする請求項1記載の陰極線管。
JP9357435A 1997-12-25 1997-12-25 陰極線管 Pending JPH11185652A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9357435A JPH11185652A (ja) 1997-12-25 1997-12-25 陰極線管
US09/215,455 US6274976B1 (en) 1997-12-25 1998-12-17 Cathode ray tube having metal film with holes located on upper and side portions of phosphor areas
US09/903,493 US20010040428A1 (en) 1997-12-25 2001-07-13 Cathode ray tube

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9357435A JPH11185652A (ja) 1997-12-25 1997-12-25 陰極線管

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US (2) US6274976B1 (ja)
JP (1) JPH11185652A (ja)

Cited By (1)

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