JPH11185253A - 磁気記録媒体用基板の製造方法及び装置 - Google Patents

磁気記録媒体用基板の製造方法及び装置

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JPH11185253A
JPH11185253A JP34945597A JP34945597A JPH11185253A JP H11185253 A JPH11185253 A JP H11185253A JP 34945597 A JP34945597 A JP 34945597A JP 34945597 A JP34945597 A JP 34945597A JP H11185253 A JPH11185253 A JP H11185253A
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JP
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substrate
polishing
surface plate
metal
carrier
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JP34945597A
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Yuzo Yamamoto
裕三 山本
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造工程が簡略化された磁気記録媒体用基
板、特にカーボンのような脆性材料からなる磁気記録媒
体用基板の製造方法及び装置を提供すること。 【解決手段】 表面加工装置を用いて基板の表面を機械
的表面加工した後、同一の装置において陽極酸化処理を
行い該基板の表面に存在する加工変質層を除去すること
を特徴とする磁気記録媒体用基板の製造方法及びその装
置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気ディスク等の磁
気記録媒体における基板の製造方法及び装置に関し、更
に詳しくは、製造工程が簡略化された磁気記録媒体用基
板の製造方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
コンピュータの殆どには磁気ディスク装置等の記録装置
が内臓されており、これらの記録装置には記録情報の増
大化に伴い年々高記録密度化が要求されてきている。磁
気ディスク装置は磁気ヘッドと磁気ディスクより構成さ
れており、高密度記録化を進める上での手段の一つとし
て磁気ヘッドの浮上量低減が要求されている。このため
に磁気ディスクの表面粗さを出来る限り小さくすること
が必要となる。
【0003】ところで、磁気ディスク用基板として、従
来から用いられていたアルミニウム基板に代えてカーボ
ン基板やガラス基板が用いられつつある。しかしなが
ら、ガラスやカーボンは脆性材料であるため、これらの
材料からなる基板を磁気ディスク用基板に要求される表
面粗さに機械的な表面加工(研磨・研削)をしようとす
ると、その表面に加工変質層(即ち、マイクロクラック
やチッピングの層)が発生し、磁気ディスクの磁気特性
低下の一因となっていた。そこで、一般には機械的表面
加工装置とは別の装置を用いて機械的表面加工後の基板
を陽極酸化処理し、上記加工変質層を化学的に除去する
作業が行われていた。
【0004】しかしながら、基板の機械的表面加工と加
工変質層の化学的な除去とを別個の装置で行うと、処理
時間が長くなり、また設備も大掛かりなものとなるた
め、製造コストの増加の一因となっていた。
【0005】従って、本発明の目的は、製造工程が簡略
化された磁気記録媒体用基板の製造方法及び装置を提供
することにある。また、本発明の目的は、特にカーボン
のような脆性材料からなる基板の製造に適した磁気記録
媒体用基板の製造方法及び装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討し
た結果、基板の機械的な表面加工と加工変質層の化学的
な除去とを同一の装置を用いることにより上記目的が達
成されることを知見した。
【0007】本発明は上記知見に基づき成されたもの
で、表面加工装置を用いて基板の表面を機械的表面加工
した後、同一の装置において陽極酸化処理を行い該基板
の表面に存在する加工変質層を除去することを特徴とす
る磁気記録媒体用基板の製造方法を提供することにより
上記目的を達成したものである。
【0008】また、本発明は、基板の収容が可能な一又
は二以上の収容部を有する導電性材料からなる一又は二
以上のキャリアと、機械的表面加工が可能な表面加工部
を有する少なくとも一つの金属定盤と;機械的表面加工
時に上記基板と上記金属定盤との間に研磨液を供給する
手段と;陽極酸化処理時に上記基板と上記金属定盤との
間に電解液を供給する手段と;上記キャリアと上記金属
定盤との間に電圧を印加する手段とを具備することを特
徴とする磁気記録媒体用基板の製造装置を提供するもの
である。
【0009】
【発明の実施の形態】まず、本発明の磁気記録媒体用基
板製造装置を、その好ましい実施形態に基づき図面を参
照しながら説明する。ここで、図1は、本発明の磁気記
録媒体用基板製造装置の一実施形態を示す概略正面図で
あり、図2は、図1におけるX−X線矢視図である。
【0010】図1に示す装置1はカーボン基板の両面を
仕上げ研磨(ポリッシング)する場合に用いられる両面
加工機であり、一対の金属定盤、即ち下定盤2と該下定
盤2の上方に配設される上定盤3とを具備してる。該上
定盤3は、定盤支持部4に接しており、該定盤支持部4
によって支持されている。
【0011】図1に示すように、上定盤3は、エアシリ
ンダ11の出力ロッド11aの先端部にブラケット12
を介して回転可能に取り付けられている。該上定盤3は
該エアシリンダ11により昇降可能になされていると共
に、下降時にはベース5側で図2に示す矢印D方向に回
転するロータ13の溝に係合して同方向に回転するよう
になされている。また、上記上定盤3の下面は、機械的
表面加工が可能な平面状の表面加工部となっている。該
表面加工部には所定のショア硬度〔JIS A(JIS
K−6301)に準拠〕を有する研磨パッドが装着さ
れている。また、該上定盤3は、上記定盤支持体4にボ
ルト(図示せず)によって緊結固定されており、該定盤
支持体4と共に回転自在に設けられている。
【0012】上記上定盤3の表面加工部には、電解液の
供給源(図示せず)に接続している電解液の供給孔15
が複数穿設されている。また、該表面加工部に装着され
た上記研磨パッドにも、上記供給孔に対応する位置に電
解液の通過孔(図示せず)が穿設されている。そして、
陽極酸化処理時においては、上記供給源から上記供給孔
及び上記通過孔を通じて、上記上下定盤と上記カーボン
基板との間に電解液が所定の量で供給されるようになさ
れている。
【0013】図2に示すように、下定盤2は、上記ベー
ス5上に矢印A方向に回転自在に設けられていて、その
上面は、機械的表面加工が可能な平面状の表面加工部と
なっている。該表面加工部には、上記上定盤3に装着さ
れている研磨パッドと同種の研磨パッドが装着されてい
る。該研磨パッドには、図2に示すように複数の貫通孔
14が穿設されており、該貫通孔を通じて上記下定盤2
の表面が露出して電流が流れるようになされている。ま
た、該下定盤2には、中央の矢印B方向に回転する太陽
歯車7と外周側の矢印C方向に回転する内歯歯車8とに
噛み合って、公転しつつ自転する遊星歯車状のキャリア
9が4機配設されていている。
【0014】上記キャリア9は、基板の収容が可能な収
容部としての穴を8個有しており、各穴内にそれぞれ被
加工物であるカーボン基板10がセットされるようにな
されている。該キャリア9は導電性材料、例えばステン
レス鋼、金属繊維複合樹脂等から形成されている。
【0015】また、上記両面加工機1には、研磨液の供
給源(図示せず)に接続している研磨液の供給パイプ1
6,17が備えられている。そして、機械的表面加工時
においては、上記供給源から上記供給パイプ16,17
を通じて上記上下定盤と上記カーボン基板10との間に
研磨液が所定の量で供給されるようになされている。
【0016】そして、上記エアシリンダ11によって上
記上定盤3を下降させることにより、上記キャリア9と
一体に動く上記ガラス状カーボン基板10は、上記下定
盤2と上記上定盤3とに挟持されて仕上げ研磨が行われ
る。
【0017】また、上記両面加工機1における上記キャ
リア9には、プラスの電圧が印加されるようになされて
いる。例えば、内歯歯車8及び/又は太陽歯車7に電圧
を印加した状態で、キャリア9の歯車と、内歯歯車8の
歯車および/又は太陽歯車7の歯車とが噛み合うことに
よって、導電性材料から形成されているキャリア9へ電
圧が印加され、その結果、上記キャリア9内に収容され
ているカーボン基板10(該カーボン基板も導電性を有
している)に、上記キャリア9を介してプラスの電圧が
印加される。一方、上記下定盤2及び上記上定盤3に
は、マイナスの電圧が印加されるようになされている。
そして、上記カーボン基板10と上記下定盤2及び上記
上定盤3との間を電解液で満たした状態で、上記キャリ
ア9並びに上記下定盤2及び上記上定盤3にそれぞれプ
ラス及びマイナスの電圧を印加することにより、上記カ
ーボン基板10の両面が陽極酸化されるようになされて
いる。
【0018】次に、図1及び図2に示す両面加工機を用
いた本発明の磁気記録媒体用基板の好ましい実施形態
を、磁気ディスク用カーボン基板の仕上げ研磨(ポリッ
シング)及びそれに引き続く陽極酸化に適用した場合に
ついて説明する。
【0019】まず、上記両面加工機1のキャリア9の収
容部にカーボン基板を収容する。該カーボン基板はディ
スク状であり、中心部にディスク外周と同心の穴が設け
られている。該カーボン基板としては、カーボン材料か
らなるものであればその種類に特に制限はなく、例えば
ガラス状カーボン基板やアモルファスカーボン基板等を
用いることができる。該カーボン基板はその製造方法に
も特に制限はなく、例えばフルフリルアルコール/フェ
ノール樹脂等の炭素質原料を二枚のガラス板間に挟んで
硬化させた後、ディスク状に打ち抜き、更に焼成して製
造されたものや、ピッチ等の炭素質原料を熱間静水圧プ
レス(HIP)により炭素化した円柱状炭素材料を所定
の厚さにスライスして製造されたもの等を用いることが
できる。
【0020】特に、上記カーボン基板として、下記
(イ)及び(ロ)の何れかの条件を満たすカーボン、特
にガラス状カーボンを用いると表面粗さを極めて小さく
することができる。 (イ)密度が1.4〜1.6g/cm3 である。 (ロ)X線回折により2θ=20〜30°付近に現れる
(002)面の回折ピークの半値幅が3°以上、特に4
°以上である。
【0021】上記カーボン基板は、上記両面加工機1を
用いた仕上げ研磨に先立ち、粗研削、面取り、粗研磨の
各工程に付されたものである。上記粗研削は、固定砥石
を用いて行われるものであり、これにより基板表面の欠
陥、うねり、そり等が除去ないし低減され、中心線平均
粗さRaが0.05〜2μm程度となる。上記固定砥石
は、ダイヤモンド、CBN(Cubic Bron Nitride)、ア
ルミナ、SiC、ZrO2 、MgO又はコロイダルシリ
カ等の研磨砥粒をFe(鋳鉄など)、Cu若しくはNi
等の金属単体又はこれらの一種以上を含む合金からなる
メタルボンド剤に分散・保持させてなるものである。上
記面取り(チャンファー)は、基板の内径及び外径を所
定の寸法にすると共に、基板の内周及び外周の端面を面
取り加工して所定の量の面取りを行うものである。磁気
ディスクにおいては端面の表面状態が膜密着性に大きな
影響を及ぼすことから、端面の表面加工は極めて重要で
ある。更に詳細には、後述する陽極酸化は、表面欠陥部
分から選択的に進行するので、端面に欠陥部分が存在し
たまま陽極酸化を行うと該端面が粗面化され、膜密着性
が極めて低下してしまう。そこで、本実施形態において
は、面取り加工後の端面の中心線平均粗さRaを0.0
1〜0.5μm、特に0.01〜0.1μmとすること
により端面に存在する欠陥を除去して、陽極酸化の際に
該端面が粗面化されることを防止し、膜密着性を向上さ
せている。上記粗研磨(ラッピング)には、図1及び図
2に示す両面加工機と同種の装置が用いられ、研磨砥粒
を含まない鋳鉄製の一対の金属定盤間に上記カーボン基
板を介在させ、研磨砥粒と水とを含む研磨液を供給しつ
つ該定盤及び該カーボン基板を所定方向に回転させるこ
とにより研磨が行われる。粗研磨は、研磨取り代が50
〜1000μm程度であり、研磨後の中心線平均粗さR
aは0.01〜2μm程度となる。上記研磨液における
研磨砥粒は、アルミナ、SiC、ダイヤモンド等の粒子
からなり、その一次粒子の平均粒径は3〜30μm程度
である。また、研磨砥粒の濃度は1〜30重量%程度、
特に2〜20重量%程度である。
【0022】上記カーボン基板の仕上げ研磨は、上下定
盤とカーボン基板との間に研磨液を供給しつつ行う。上
記研磨液としては、研磨砥粒と水とを含んでなるものが
用いられる。研磨液中における研磨砥粒の濃度は、上記
粗研磨の場合よりも低く、0.01〜5重量%程度、特
に0.02〜2重量%程度である。また、研磨砥粒の一
次粒子の平均粒径は、上記粗研磨の場合よりも小さく、
0.002〜1μm程度、特に0.01〜0.5μm程
度である。
【0023】上記研磨砥粒の材質は、粗研磨に用いられ
る研磨砥粒の材質とほぼ同様であり、アルミナ、Si
C、ダイヤモンド、ZrO2 、MgO及びコロイダルシ
リカ等が挙げられる。これらの材質からなる研磨砥粒の
うち、アルミナ又はSiCを使用すると研磨速度が特に
向上し、とりわけ、アルミナとして中間アルミナを使用
するとカーボン基板の表面粗さを極めて小さくできるの
で好適である。尚、本明細書において、中間アルミナと
は、α−アルミナ以外のアルミナの総称であり、具体的
にはγ−アルミナ、δ−アルミナ、θ−アルミナ、η−
アルミナ、及び無定型アルミナ等が挙げられる。中間ア
ルミナのうち、特にγ−アルミナが好適である。これら
の研磨砥粒は一種又は二種以上を組み合わせて用いるこ
とができる。
【0024】上記研磨液には、従来公知の研磨助剤、例
えば特開平6−339853号公報に記載の硝酸アルミ
ニウムや、特開平2−84485号公報に記載のグルコ
ン酸や乳酸を所定量配合することもできる。
【0025】仕上げ研磨は、研磨取り代が0.1〜50
μm程度である。そして、仕上げ研磨により上記カーボ
ン基板の中心線平均粗さRaを2〜20Å、特に2〜1
0Åとする。これにより、カーボン基板の表面は極めて
平滑になり、磁気ディスク用基板として好適なものとな
る。また、平滑であるために、有機汚れや研磨屑等の汚
染物質が基板表面(特に、凹部)に残留することが防止
される。従って、後述する陽極酸化が選択的に進行する
部分が存在せず、その結果、陽極酸化により表面が粗面
化されるおそれもない。
【0026】上記両面加工機1を用いた仕上げ研磨の条
件は一般に下記の通りである。即ち、加工圧力は、10
〜2000gf/cm2 程度、特に50〜500gf/
cm2 程度である。加工時間は、2〜120分程度、特
に2〜30分程度である。上記両面加工機の上下定盤に
それぞれ装着される上記研磨パッドのショア硬度〔JI
S A(JIS K−6301)に準拠〕は、88〜9
8程度、特に88〜95程度である。上記両面加工機の
下定盤回転数は加工機サイズに依存するが、例えばSP
EED FAM社製 9B型両面加工機であれば、5〜
100rpm程度、特に10〜60rpm程度である。
研磨液の供給流量は、加工機サイズに依存するが、例え
ばSPEEDFAM社製9B型両面加工機であれば、5
〜300cc/min程度、特に10〜150cc/m
in程度である。
【0027】仕上げ研磨が終了した後、陽極酸化処理を
行う前に、上記カーボン基板を水系洗浄し、基板表面に
存在する有機汚れや研磨屑(研磨により発生した微粉
末)等の汚染物質を除去する。洗浄には、例えば超純水
或いは界面活性剤を所定量含有する水を用いる。
【0028】上記水系洗浄後、上記カーボン基板を陽極
酸化処理する。陽極酸化により、上記仕上げ研磨によっ
て基板表面に生じた加工変質層及び基板表面に存在する
研磨屑や有機汚れ等の汚染物質を酸化して除去する。し
かも酸化された物質は、ガス(CO、CO2 、NaCO
3 等)となって気散し基板表面には残留しないので、非
常に清浄な面が得られる。この場合、陽極酸化後のカー
ボン基板の中心線平均粗さRaが、陽極酸化前のカーボ
ン基板の中心線平均粗さRaに比して実質的に変化しな
い条件下で陽極酸化を行うことが好適である。陽極酸化
を進行させ過ぎると、基板表面が粗面化されてしまい平
滑な基板が得られないことがある。
【0029】本明細書において「変化しない条件下」と
は、陽極酸化後のカーボン基板の中心線平均粗さRa
が、測定精度内において陽極酸化前に比して全く変化し
ない場合の条件と、中心線平均粗さRaの変化率が10
%以内である場合の条件との双方を包含する。ここで、
中心線平均粗さRaの変化率とは次式で定義されるもの
である。
【0030】変化率(%) =(陽極酸化後のRa−陽極酸化
前のRa)/陽極酸化後のRa×100
【0031】次に、陽極酸化後のカーボン基板の中心線
平均粗さRaが、陽極酸化前に比して実質的に変化しな
い陽極酸化の条件について説明する。
【0032】陽極酸化に用いられる電解液は、酸或いは
アルカリの水溶液であればよく、その濃度は0.1〜1
00重量%程度、特に1〜50重量%程度である。特
に、陽極酸化の効率及び電解槽等の腐食を考慮すると、
アルカリを用いることが好ましい。電解液が酸の場合、
用い得る酸としては硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、フッ
酸、過塩素酸等の無機酸、及びシュウ酸、蟻酸等の有機
酸等が挙げられる。これらの酸は一種又は二種以上を組
み合わせて用いることができる。一方、電解液がアルカ
リの場合、用い得るアルカリとしては水酸化ナトリウム
や水酸化カリウム等が挙げられる。これらのアルカリは
一種又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの酸或いはアルカリはイオン交換水に溶解させて
電解液となすことが好ましい。
【0033】また、電解液には、消泡剤、濡れ剤、防錆
剤、エッチングコントロール剤等の公知の添加剤を配合
し得る。これらの添加剤は0.01〜5重量%配合され
る。
【0034】印加する電流の波形は、例えば直流、単相
交流や三相交流などの交流、矩形波、三角波などのパル
ス波、単相半波、二相半波、三相半波、六相半波、単相
全波、三相全波などの特殊波形が用いられる。また、こ
れらの波形を組み合わせて用いてもよい。
【0035】陽極酸化における電流密度は、カーボン基
板の中心線平均粗さRaを実質的に変化させず、且つ該
基板表面に存在する加工変質層を均一に溶解させる点か
ら、1〜100mA/cm2 とし、特に1〜40mA/
cm2 とする。また、陽極酸化における電解電圧は、カ
ーボン基板の中心線平均粗さRaを実質的に変化させ
ず、且つ電圧分布の偏りを少なくする点から、2〜10
0Vとし、特に2〜50V、とりわけ2〜10Vとす
る。電流密度及び電解電圧は、陽極酸化の間常に一定の
値に保持してもよく、或いは第1段階では低い電圧に設
定し、第2段階では高い電圧に設定するというように変
化させてもよい。
【0036】陽極酸化の処理時間は、カーボン基板の中
心線平均粗さRaを実質的に変化させずに、カーボン基
板表面に生じた加工変質層及び基板表面に存在する研磨
屑や有機汚れ等の汚染物質を除去するために、1〜30
0秒とし、特に1〜30秒とする。
【0037】上記の条件でカーボン基板を陽極酸化する
ことにより、その中心線平均粗さRaを実質的に変化さ
せずに、基板表面生じた加工変質層及び基板表面に存在
する研磨屑や有機汚れ等の汚染物質が除去された清浄な
表面が得られる。
【0038】以上、本発明をその好ましい実施形態に基
づき説明したが、本発明は上記実施形態に制限されず、
本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可
能である。例えば、図1及び図2に示す両面加工機に代
えて、片面加工機を用いてもよい。また、上記機械的表
面加工は、仕上げ研磨(ポリッシング)に限られず、粗
研磨(ラッピング)や粗研削であってもよい。この場
合、粗研磨には上述の遊離砥粒が用いられ、粗研削には
上述の固定砥石が用いられる。また、基板の材質はカー
ボンに限られず、導電性を有するものであればその種類
に制限はなく、例えばアルミニウム等の金属であっても
よい。また、上記陽極酸化処理後、極性を反転させて更
に電解を行い、基板表面の洗浄度を更に高めてもよい。
また、上記陽極酸化処理後、基板の所定の領域にテクス
チャ処理を施してもよい。
【0039】
【実施例】以下、実施例により本発明の有効性を例証す
る。しかしながら、本発明の範囲はかかる実施例に制限
されるものではない。
【0040】〔実施例1〕予め面取り加工により端面の
中心線平均粗さRaを0.05μmとし、且つ粗研磨に
より中心線平均粗さRaを約8Åとした直径1.8イン
チのガラス状カーボン基板〔密度1.5g/cm3 、2
θ=20〜30°付近に現れる(002)面の回折ピー
クの半値幅3.9°〕を両面加工機のキャリアにセット
し、研磨液を供給しつつ、下記の条件下にて上下定盤に
より仕上げ研磨加工した。上記研磨液は、一次粒子の平
均粒径20nmのγ−アルミナ1重量%を、研磨助材と
しての硝酸アルミニウム1重量%及び残部水と混合・攪
拌して得られたスラリー状のものであった。得られた基
板の中心線平均粗さRaは6Åであった。 <両面加工機の設定条件> 使用両面加工機 :SPEED FAM社製 9B型両面研磨機 加工圧力 :150gf/cm2 加工時間 :30分 研磨パッドの硬度:90(ショアー硬度) 下定盤回転数 :40rpm 研磨液流量 :50cc/min
【0041】上記仕上げ研磨加工したガラス状カーボン
基板に超純水を散布し、有機汚れや研磨屑等を除去し
た。引き続き上記両面加工機にて、水酸化ナトリウムの
5重量%水溶液(電解液)を用い、電流密度15mA/
cm2 ・電解電圧2〜3Vの条件下にて上記ガラス状カ
ーボン基板を120秒間陽極酸化させて、上記仕上げ研
磨により基板の表面に発生した加工変質層を除去した。
尚、陽極酸化に際しては、キャリアにプラスの電圧を印
加し、上下定盤にマイナスの電圧を印加した。陽極酸化
後のガラス状カーボン基板の中心線平均粗さRaは7.
5Åでり、陽極酸化前と殆どかわらなかった。また、顕
微鏡観察の結果、基板の表面に加工変質層は観察されな
かった。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、製造工程が簡略化され
た磁気記録媒体用基板の製造方法及び装置が提供され
る。本発明に用いられる陽極酸化により、基板表面に残
存する加工変質層が溶解除去されるので、該表面に形成
される磁性膜等の各種薄膜と基板との密着性が大幅に向
上し、密着耐久性に優れた薄膜形成が可能となる。本発
明は、特にカーボンのような脆性材料からなる基板の製
造に適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録媒体用基板製造装置の一実施
形態を示す概略正面図である。
【図2】図1におけるX−X線矢視図である。
【符号の説明】
1 両面加工機 2 下定盤 3 上定盤 4 基板支持部 5 ベース 6 研磨パッド 9 キャリア 10 基板

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面加工装置を用いて基板の表面を機械
    的表面加工した後、同一の装置において陽極酸化処理を
    行い該基板の表面に存在する加工変質層を除去すること
    を特徴とする磁気記録媒体用基板の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記機械的表面加工が遊離砥粒を用いた
    研磨又は固定砥石を用いた研削である、請求項1記載の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 上記基板がカーボン基板である、請求項
    1又は2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 基板の収容が可能な一又は二以上の収容
    部を有する導電性材料からなる一又は二以上のキャリア
    に基板を収容し、 機械的表面加工が可能な表面加工部を有する少なくとも
    一つの金属定盤を上記基板に当接させると共に、該金属
    定盤と該基板との間に研磨液を供給しつつ、該基板を機
    械的表面加工し、 上記基板と上記金属定盤との間に電解液を供給しつつ、
    上記キャリアと上記金属定盤との間に電圧を印加して、
    上記基板の陽極酸化処理を行い、該基板の表面に存在す
    る加工変質層を除去する、請求項1〜3の何れかに記載
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 基板の収容が可能な一又は二以上の収容
    部を有する導電性材料からなる一又は二以上のキャリア
    と、 機械的表面加工が可能な表面加工部を有する少なくとも
    一つの金属定盤と;機械的表面加工時に上記基板と上記
    金属定盤との間に研磨液を供給する手段と;陽極酸化処
    理時に上記基板と上記金属定盤との間に電解液を供給す
    る手段と;上記キャリアと上記金属定盤との間に電圧を
    印加する手段とを具備することを特徴とする磁気記録媒
    体用基板の製造装置。
  6. 【請求項6】 上記金属定盤の表面加工部に研磨パッド
    が装着されている、請求項5記載の製造装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011035023A (ja) * 2009-07-30 2011-02-17 Nippon Steel Corp 半導体基板の研磨方法及び研磨装置
WO2023238608A1 (ja) * 2022-06-08 2023-12-14 株式会社デンソー 表面加工方法

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