JPH11184105A - 電子写真用感光体 - Google Patents

電子写真用感光体

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JPH11184105A
JPH11184105A JP5101298A JP5101298A JPH11184105A JP H11184105 A JPH11184105 A JP H11184105A JP 5101298 A JP5101298 A JP 5101298A JP 5101298 A JP5101298 A JP 5101298A JP H11184105 A JPH11184105 A JP H11184105A
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phosphoric acid
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JP5101298A
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Yoshimasa Tomiuchi
芳昌 富内
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高感度で、実際の画像形成装置に搭載した際
に、長時間の連続使用に耐え得るような繰り返し安定性
に優れた電子写真感光体を提供する。 【解決手段】 導電性基体上に形成された感光層が特定
のリン酸の金属錯体または金属塩のうち少なくとも一種
を含む電子写真用感光体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真用感光体に
関し、詳しくは有機材料を含む電荷発生層、電荷輸送層
からなり、電子写真方式のプリンタ−、複写機などに用
いられる積層型電子写真用感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より電子写真方式のプリンター、フ
ァクシミリ、デジタル複写機、アナログ複写機に用いら
れる電子写真用感光体(以下感光体とも称する)の感光
材料としてはセレンまたはセレン合金などの無機光導電
性物質を真空蒸着させたもの、酸化亜鉛あるいは硫化カ
ドミウムなどの無機光導電性物質を樹脂結着剤中に分散
させたもの、ポリ−N−ビニールカルバゾールまたはポ
リビニールアントラセンなどの有機光導電性物質、フタ
ロシアニン化合物あるいはビスアゾ化合物などの有機光
導電性物質を樹脂結着剤中に分散させたものや真空蒸着
させたものなどが利用されている。
【0003】また、感光体には暗所で表面電荷を保持す
る機能、光を受容して電荷を発生する機能、同じく光を
受容して電荷を輸送する機能とが必要であるが、一つの
層でこれらの機能をあわせもったいわゆる単層型感光体
と、主として電荷発生に寄与する層と暗所での表面電荷
の保持と光を受容時の電荷輸送に寄与する層とに機能分
離した層とを積層したいわゆる積層型感光体がある。こ
れらの感光体を用いた電子写真法による画像形成には、
例えば、カールソンプロセスが適用される。この方式で
の画像形成は、暗所での感光体へのコロナ放電による帯
電、帯電された感光体表面上への原稿の文字や絵などの
静電潜像の形成、形成された静電潜像のトナーによる現
像、現像されたトナー像の紙などの支持体への定着によ
り行なわれ、トナー像転写後の感光体は除電、残留トナ
ーの除去、光除電などを行なった後、再使用に供され
る。
【0004】かかるカールソンプロセスを用いた電子写
真装置には各種の画像形成プロセスが採用されている。
帯電プロセスには金属ワイヤーを用いたコロトロン方式
やスコロトロン方式、帯電ブラシや帯電ローラーを用い
た接触帯電方式が、現像プロセスには、2成分現像方
式、非磁性1成分現像方式、磁性1成分現像方式等が適
用されている。
【0005】近年、可とう性、熱安定性、膜形成性など
の利点により、有機材料を用いた電子写真用感光体が実
用化されてきている。例えば、ポリ−N−ビニルカルバ
ゾールと2,4,7−トリニトロフルオレン−9−オン
とからなる感光体(米国特許第3484237号明細書
に記載)、有機顔料を主成分とする感光体(特開昭47
−37543号公報に記載)、染料と樹脂とからなる共
晶錯体を主成分とする感光体(特開昭47−10785
号公報に記載)などである。現在、かかる有機材料を用
いた電子写真用感光体としては無金属フタロシアニン、
チタニルフタロシアニン等の金属フタロシアニン、アゾ
化合物等と樹脂バインダからなる電荷発生層、およびヒ
ドラゾン化合物、スチリル化合物、ジアミン化合物、ブ
タジエン化合物等と樹脂バインダからなる電荷輸送層を
積層してなる機能分離型積層構造のものが主流となって
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、有機材
料は無機材料にない多くの長所を持つが、また同時に電
子写真用感光体に要求されるすべての特性を充分に満足
するものが得られていないのが現状であり、高感度でか
つ、電子写真装置に搭載して、実使用に供する際に、長
時間の連続使用に伴う特性変動の少ない感光体の製品化
が強く望まれている。特に、上記した各種画像形成プロ
セスを具備した各種の電子写真装置に対して、長時間の
連続使用に充分に耐えうるだけの裕度をもった感光体へ
の市場要求が強まっている。これまで実用化されてきた
積層型有機感光体は、電気特性的に光感度が不十分であ
ったり、実用条件で長時間使用すると、帯電電位の低下
や残留電位の上昇、感度の低下等の問題が発生する等、
様々の解決すべき問題点を抱えており、未だ全ての要求
性能を満足しうる技術は確立されていないというのが現
状である。
【0007】そこで本発明の目的は、高感度で、実際の
画像形成装置に搭載した際に、長時間の連続使用に耐え
得るような繰り返し安定性に優れた感光体、特に、前述
した、コロトロン方式、スコロトロン方式ならびに、帯
電ブラシや帯電ローラー等を用いた接触帯電方式等の各
種帯電プロセス、さらには2成分現像方式、非磁性1成
分現像方式、磁性1成分現像方式等の各種現像プロセス
を有する種々の電子写真装置に対応可能な裕度をもった
感光体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、電子写真用感光体の感光
層に特定のリン酸の金属錯体または金属塩のうち少なく
とも一種を含めることによって上記目的を達成すること
ができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明の電子写真用感光体は、
導電性基体上に形成された感光層が下記一般式(I)、 (式(I)中、R〜Rは夫々水素原子、ハロゲン原
子、置換もしくは無置換のアルキル基、アルコキシ基、
アルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、置換もしくは
無置換の複素環基、置換もしくは無置換の芳香族基、M
はZn、Mg、Ca、Ba、Co、Ni、SnおよびA
lからなる群から選ばれる金属原子、nはMの酸化数で
ある)で示されるリン酸の金属錯体または金属塩のうち
少なくとも1種を含有することを特徴とするものであ
る。
【0010】また、本発明の他の電子写真用感光体は、
導電性基体上に形成された感光層が下記一般式(II)、 (式(II)中、R10〜R18は夫々水素原子、ハロゲ
ン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、アルコキシ
基、アルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、置換もし
くは無置換の複素環基、置換もしくは無置換の芳香族
基、MはZn、Mg、Ca、Ba、Co、Ni、Snお
よびAlからなる群から選ばれる金属原子、nはMの酸
化数である)で示されるリン酸の金属錯体または金属塩
のうち少なくとも1種を含有することを特徴とするもの
である。
【0011】上記(I)式中のR〜Rにおけるアル
キル基、アルコキシ基は、好ましくは炭素数1〜8のも
のである。
【0012】また、上記式(II)中のR10〜R18
おけるアルキル基、アルコキシ基も、好ましくは炭素数
1〜8のものである。
【0013】感光体の連続使用による帯電電位の低下
や、残留電位の上昇、感度の低下などの主な原因は、コ
ロトロン方式、スコロトロン方式による帯電時のコロナ
放電、帯電ブラシや帯電ローラー等を用いた接触帯電プ
ロセス、像露光、除電光などの光曝露、2成分現像方
式、非磁性1成分現像方式、磁性1成分現像方式等の各
種現像プロセス等によるストレスを繰り返し与えられる
うちに、感光層中にトラップと呼ばれる、キャリアの補
足部位が生成することが原因であると考えられる。従っ
て、このトラップの発生を少なくすれば、前述のような
感光体の連続使用による帯電電位の低下、残留電位の上
昇、感度の低下などの解決すべき問題点はかなり改善さ
れることになる。
【0014】発生する前記のトラップは、積層型感光体
においては、電荷発生層、電荷発生層/電荷輸送層界
面、電荷輸送層中のそれぞれに生じる。また、単層型感
光体においては、感光層内の電荷発生物質でのキャリア
発生過程、電荷発生物質と電荷輸送物質との界面での注
入過程、電荷輸送物質間のキャリア移動過程の各過程
に、すなわち感光層中に生じる。
【0015】そこで、本発明者らは、分子内において、
カチオン性の中心金属とアニオン性の配位子との間で分
極した前記一般式(I)または(II)で示されるリン酸
の金属錯体または金属塩体のうち、少なくとも一種類以
上を感光層中に含有せしめることで、連続使用時に発生
する前記トラップを相殺せしめると考えられる効果があ
ることを見出した。
【0016】即ち、本発明者らは、前記目的を達成する
ために各種有機材料について鋭意検討し、これらリン酸
の金属錯体または金属塩について数多くの実験を行った
結果、前述した各種画像形成プロセスを具備した各種電
子写真装置で繰り返し使用するにあたり、高感度でかつ
長期の使用を経ても電位特性あるいは感度特性の経時変
化のない感光体特性を示すことを確認し、卓越した感光
体特性の安定化を実現することができた。なお、従来、
前記一般式(I)または(II)で示されるリン酸の金属
錯体または金属塩を感光層に用いた電子写真用感光体の
例は知られていない。
【0017】
【発明の実施の形態】前記一般式(I)及び(II)で示
されるリン酸の金属錯体または金属塩は、いずれも既知
の合成法によって製造することができる。構造式の例示
化合物として前記一般式(I)のリン酸の金属錯体また
は金属塩について(I−1)〜(I−24)に、前記一
般式(II)の例示化合物として(II−1)〜(II−1
2)に示すが、これらに限定されるものではない。
【0018】
【0019】
【0020】本発明において使用し得る電荷発生物質と
しては、具体例(III−1)〜(III−6)として以下に
示す各種フタロシアニン化合物、(III−7)〜(III−
24)として以下に示すアゾ化合物およびこれらの誘導
体を挙げることができる。また、本発明においては電荷
輸送物質として、具体例(IV−1)〜(IV−12)とし
て以下に示す各種化合物を単独で、または組み合わせて
用いることができる。さらに、電荷輸送層用の樹脂バイ
ンダーとしては、具体例(V−1)〜(V−7)として
以下に示す各種ポリカーボネートなどを用いることがで
きる。さらにまた、前記感光体を使用する際に使用上障
害となるオゾン劣化などを防止する目的で感光層にアミ
ン系、フェノール系、硫黄系、亜リン酸エステル系、リ
ン系、ベンゾピナコール系などの各種酸化防止剤を使用
することができる。かかる酸化防止剤の具体例(VI−
1)〜(VI−45)を以下に示す。
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】本発明の感光体は、前述の化合物を感光層
中に含有させたものであり、以下にこの発明を図1〜3
に示す概念的断面図に基づいて説明する。図1はこの発
明の一例に係る単層型感光体を示す断面図、図2はこの
発明の他の一例に係る負帯電の積層型感光体を示す断面
図、図3はこの発明のさらに他の一例に係る正帯電の積
層型感光体を示す断面図である。1は導電性基体、2は
感光層、3電荷発生層、4電荷輸送層、5は被覆層であ
る。
【0035】図1は、導電性基体1上に電荷発生物質
と、電荷輸送物質であるブタジエン誘導体を樹脂バイン
ダー(結着剤)中に分散した感光層2が設けられ、また
必要に応じてさらに被覆層5が設けられた感光体を示し
ており、通常、単層型感光体と称せられる構成である。
【0036】図2は、導電性基体1上に電荷発生物質を
主体とする電荷発生層3と、電荷輸送物質であるブタジ
エン誘導体を含有する電荷輸送層4との積層からなる感
光層2が設けられた感光体を示しており、通常、積層型
感光体と称せられる構成である。
【0037】図3は、図2に示す層構成と逆の層構成と
なっている感光体を示している。この場合には、電荷発
生層3を保護するため、さらに被覆層5を設けるのが一
般的である。
【0038】図1に示す感光体は、電荷発生物質を電荷
輸送物質及び樹脂バインダーを溶解した溶液中に分散せ
しめ、この分散液を導電性基体上に塗布することによっ
て作製することができる。さらに必要な場合は被覆層を
塗布形成することができる。
【0039】図2に示す感光体は、導電性基体上に電荷
発生物質を真空蒸着するか、あるいは電荷発生物質の粒
子を溶剤または樹脂バインダー中に分散して得た分散液
を塗布、乾燥し、その上に電荷輸送物質及び樹脂バイン
ダーを溶解した溶液を塗布、乾燥することにより作製す
ることができる。
【0040】図3に示す感光体は、電荷輸送物質および
樹脂結着剤を溶解した溶液を導電性基体1上に塗布、乾
燥し、その上に電荷発生物質を真空蒸着するか、あるい
は電荷発生物質の粒子を溶剤および結着剤樹脂バインダ
ー中に分散させて得た分散液を塗布、乾燥し、さらに被
覆層5を形成することにより作製することができる。な
お、本発明に係る前記一般式(I)または(II)で表さ
れるリン酸の金属錯体または金属塩は、前記単層型感光
体の感光層または積層型感光体の電荷発生層および/ま
たは電荷輸送層に含有される。
【0041】導電性基体1は、感光体の電極としての役
目と同時に他の各層の支持体となっており、円筒状、板
状、フィルム状のいずれでもよく、材質的にはアルミニ
ウム、ステンレス鋼、ニッケルなどの金属、あるいはガ
ラス、樹脂などの上に導電処理を施したものを用いるこ
とができる。かかる導電処理をした基体の表面修飾に用
いられる高分子分散皮膜の材料としてはカゼイン、ポリ
ビニルアルコール、ナイロン、ポリアミド、メラミン、
セルロースなどの絶縁性高分子あるいはポリチオフェ
ン、ポリピロール、ポリアニリンなどの導電性高分子、
あるいはこれら高分子に金属酸化物粉末、低分子化合物
を含有せしめたものを挙げることができる。
【0042】電荷発生層3は、前記したように電荷発生
物質の粒子を樹脂バインダー中に分散させた材料を塗布
するか、あるいは、真空蒸着などの方法により形成さ
れ、光を受容して電荷を発生する。また、その電荷発生
効率が高いことと同時に発生した電荷の電荷輸送層4へ
の注入性が重要で、電場依存性が少なく、低電場でも注
入の良いことが望ましい。電荷発生物質としては、具体
例(III−1)〜(III−6)に示す各種フタロシアニ
ン、(III−7)〜(III−24)に示す各種アゾ化合物
およびこれらの誘導体の他、チタニルフタロシアニンな
どのフタロシアニン化合物、キノン、インジゴ、シアニ
ン、スクアリリウム、アズレニウム、ピリリウム化合物
などの顔料あるは染料や、セレンまたはセレン化合物な
どが用いられ、画像形成に使用される露光光源の光波長
領域に応じ好適な物質を選ぶことができる。電荷発生層
は、所要の電荷発生機能をもつ必要がある。この電荷発
生機能はその層中の電荷発生物質の光吸収係数とその量
により決まる。一般的には電荷発生層の膜厚は5μm以
下が多く用いられ、好適には2μm以下である。電荷発
生層は電荷発生物質を主体としてこれに電荷輸送物質な
どを添加して使用することも可能である。電荷発生層用
の樹脂バインダーとしては、ポリカーボネート、ポリエ
ステル、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポ
リビニルブチラール、ポリビニルアセタール、フェノキ
シ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹
脂、塩化ビニリデン樹脂、酢酸ビニル樹脂、ホルール樹
脂、セルロース樹脂、またはこれらの共重合体、および
これらのハロゲン化物、シアノエチル化合物が単独及び
混合して用いられる。
【0043】電荷輸送層4は、樹脂バインダー中に電荷
輸送物質と前記一般式(I)または(II)で表されるリ
ン酸の金属錯体または金属塩を分散させた塗膜であり、
暗所では絶縁体層として感光層の電荷を保持し、光受容
時には電荷発生層から注入される電荷を輸送する機能を
発揮する。電荷輸送材としては、具体例(IV−1)〜
(IV−12)に示す各種化合物を用いることができる。
電荷輸送層への前記リン酸の金属錯体または金属塩の濃
度は、好ましくは0.001〜1重量%、より好ましく
は0.01〜0.5重量%である。かかる電荷輸送層の
膜厚は、好ましくは10〜40μmである。電荷輸送用
の樹脂バインダーとしては、具体例(V−1)〜(V−
7)に示す各種ポリカーボネートをはじめ、ポリスチレ
ン、ポリアクリレート、ポリフェニレンエーテルアクリ
ル、ポリエステル、メタクリル酸エステルの重合体およ
び共重合体などを用いることができる。
【0044】なお、得られた感光体を使用する際に使用
上障害となるオゾン劣化などを防止する目的で、前記具
体例(VI−1)〜(VI−45)に示すようなアミン系、
フェノール系、硫黄系、亜リン酸エステル系、リン系な
どの酸化防止剤を電荷輸送層4に含有させることも可能
である。
【0045】被複層5は、暗所ではコロナ放電の電荷を
受容して保持する機能を有しており、かつ感光層が感応
する光を透過する性能を有する。また、被複層5には、
露光時に光を透過して感光層に到達させ、発生した電荷
の注入を受けて、表面電荷を中和消滅させることが必要
である。被覆材料としては、ポリエステル、ポリアミド
などの有機絶縁性皮膜形成材料を適用することができ
る。また、これら有機材料と、ガラス樹脂、SiO
どの無機材料、さらには金属、金属酸化物などの電気抵
抗を低減せしめる材料とを混合して用いることができ
る。被覆材料は前述のとおり電荷発生物質の光の吸収極
大の波長領域において、できるだけ透明であることが望
ましい。
【0046】被覆層自体の膜厚は被覆層の配合組成にも
依存するが、繰り返し連続使用したとき残留電位が増大
するなど悪影響が出ない範囲で任意に設定することがで
きる。
【0047】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づきより具体的に
説明する。以下の実施例および比較例においては、負帯
電の積層型感光体を各種作製した。なお、以下の実施例
および比較例では導電性基体としてアルミニウム製の肉
厚1mm、長さ310mm、外径60mmの円筒基体を
洗浄、乾燥したものを用いた。 実施例1 アルコール可溶性共重合ポリアミド樹脂(東レ株式会社
製CM8000)10重量部を、メタノール45重量部
と塩化メチレン45重量部を混合した溶剤に溶解し、調
製した樹脂皮膜塗布液を用いて上述のアルミニウム円筒
基体表面上にディッピング塗布し、その後、90℃で3
0分間乾燥して、樹脂皮膜0.1μmの中間層を形成し
た。
【0048】次にポリビニルアセタール樹脂(積水化学
工業株式会社製エスレックKS−1)1重量部と電荷発
生物質として具体例III−17に示したビスアゾ化合物
1重量部とを、メチルエチルケトン150重量部と混合
し、ボールミルで48時間分散処理を行った。得られた
塗布液を前述の中間層上にディッピング塗布し、その後
90℃で30分間乾燥して、樹脂皮膜0.2μmの電荷
発生層を形成した。
【0049】具体例IV−1に示したヒドラゾン化合物
50重量部、具体例IV−2に示したヒドラゾン化合物
50重量部、具体例V−4に示したビスフェノールA型
−ビフェニル共重合ポリカーボネート(出光興産株式会
社製商品名:タフゼット)100重量部、具体例VI−
2に示したヒンダードフェノール系化合物5重量部、お
よび具体例I−2に示したリン酸の金属錯体0.1重量
部とをジクロロメタン700重量部に溶解し電荷輸送塗
布液を調製した。これを前述と同様の方法で電荷発生層
上に塗布後、90℃で30分間乾燥して、膜厚20μm
の電荷輸送層を作製した。
【0050】実施例2 実施例1のリン酸の金属錯体を前記化合物I−4で示さ
れる金属錯体に代えて、実施例1と同様に感光体を作製
した。
【0051】実施例3 実施例1のリン酸の金属錯体を前記化合物I−6で示さ
れる金属錯体に代えて、実施例1と同様に感光体を作製
した。
【0052】実施例4 実施例1のリン酸の金属錯体を前記化合物I−8で示さ
れる金属錯体に代えて、実施例1と同様に感光体を作製
した。
【0053】実施例5 実施例1のリン酸の金属錯体を前記化合物II−2で示さ
れる金属錯体に代えて、実施例1と同様に感光体を作製
した。
【0054】実施例6 実施例1のリン酸の金属錯体を前記化合物II−4で示さ
れる金属錯体に代えて、実施例1と同様に感光体を作製
した。
【0055】実施例7 実施例1のリン酸の金属錯体を前記化合物II−6で示さ
れる金属錯体に代えて、実施例1と同様に感光体を作製
した。
【0056】実施例8 実施例1のリン酸の金属錯体を前記化合物II−8で示さ
れる金属錯体に代えて、実施例1と同様に感光体を作製
した。
【0057】実施例9 実施例1の電荷発生物質を前記化合物III−7で示され
るビスアゾ化合物に代えて、実施例1と同様に感光体を
作製した。
【0058】実施例10 実施例1の電荷発生物質を前記化合物III−24で示さ
れるビスアゾ化合物に代えて、実施例1と同様に感光体
を作製した。
【0059】実施例11 実施例1の電荷輸送物質を前記化合物IV−3で示される
ヒドラゾン化合物50重量部と前記化合物IV−4で示さ
れるブタジエン化合物50重量部に代えて、実施例1と
同様に感光体を作製した。
【0060】実施例12 実施例1の電荷輸送物質を前記化合物IV−10で示され
るジアミン化合物50重量部と、前記化合物IV−11で
示されるジスチリル化合物50重量部に代えて、実施例
1と同様に感光体を作製した。
【0061】実施例13 実施例1の電荷輸送層の樹脂を前記化合物V−2で示さ
れるポリカーボネート樹脂に代えて、実施例1と同様に
感光体を作製した。
【0062】実施例14 実施例1の電荷輸送層の樹脂を前記化合物V−6で示さ
れるポリカーボネート樹脂に代えて、実施例1と同様に
感光体を作製した。
【0063】実施例15 実施例1の電荷輸送層への添加剤を前記化合物VI−30
で示される化合物に代えて、実施例1と同様に感光体を
作製した。
【0064】実施例16 実施例1の電荷輸送層への添加剤を前記化合物VI−37
で示される化合物に代えて、実施例1と同様に感光体を
作製した。
【0065】比較例1 実施例1のリン酸の金属錯体を電荷輸送層に含有せしめ
ない他は実施例1と同様にして感光体を作製した。
【0066】比較例2 実施例9のリン酸の金属錯体を電荷輸送層に含有せしめ
ない他は実施例9と同様にして感光体を作製した。
【0067】比較例3 実施例11のリン酸の金属錯体を電荷輸送層に含有せし
めない他は実施例11と同様にして感光体を作製した。
【0068】比較例4 実施例13のリン酸の金属錯体を電荷輸送層に含有せし
めない他は実施例13と同様にして感光体を作製した。
【0069】比較例5 実施例15のリン酸の金属錯体を電荷輸送層に含有せし
めない他は実施例15と同様にして感光体を作製した。
【0070】感光体の評価 上述の実施例と比較例で作製した感光体の電子写真特性
を下記の方法で評価した。感光体に暗所で−6.0kV
のコロナ放電を10秒間行って感光体表面を負帯電せし
め、続いてコロナ放電を中止した状態で5秒間暗所保持
したときの表面電位を測定し、5秒後の表面電位の保持
率を求めた。さらに続いて感光体表面に照度が2ルック
ス(lux)の白色光を照射して表面電位が半分になる
までの時間(s)を求め、半減衰露光量E1/2(lu
x・s)として上述実施例と比較例で作製した感光体の
電子写真特性を評価した。
【0071】また、連続使用時における電位変動を評価
する目的で、スコロトロン方式の帯電プロセス、および
2成分現像方式を有するアナログ複写機にて、帯電機構
・露光機構・除電機構の出力を固定した。そして、各種
感光体を搭載し、常温常湿(20℃、60%RH)の雰
囲気でA4用紙10万枚のランニング試験を行い、ラン
ニング開始時および終了時の残留電位(Vr)と黒紙電
位(Vb)を測定することにより、ランニングに伴う各
電位変化量(△Vr、△Vb)を得た。これらの結果を
以下の表1に示す。
【0072】
【表1】
【0073】実施例1〜16と比較例1〜5の結果から
明らかなように、一般式(I)あるいは一般式(II)で
示されるリン酸の金属錯体を加えないで作製した感光体
は、実機でのランニング試験による電位変動が大きく、
耐久性に乏しい。
【0074】さらに、実施例1と実施例9、10の比較
から、電荷発生物質を代えても安定した感光体特性を示
すこと、また、実施例11、12から電荷輸送物質を、
また実施例13、14と、実施例15、16とから夫々
電荷輸送層の結着樹脂や酸化防止剤を代えたときにも、
その効果が得られることから、種々の材料系で広く使用
が可能なことがわかる。
【0075】また、上記の実施例に示した、アゾ化合物
を用いたアナログ複写機感光体の場合のみならず、前記
(III−1)〜(III−6)に示した無金属フタロシアニ
ンやチタニルフタロシアニンを用いた、プリンタ用、デ
ジタル複写機用、ファクシミリ用の感光体においても、
本発明に係るリン酸の金属錯体または金属塩を電荷輸送
層含有させることにより、実際のプリンタ、デジタル複
写機、ファクシミリに搭載した場合にも、同様な効果が
得られた。
【0076】さらには、上記の実施例では、スコロトロ
ン方式ならびに2成分現像方式を有する複写機を代表例
として取り上げたが、前述したように、コロトロン方
式、帯電ブラシ方式、帯電ローラー方式の各種帯電プロ
セス、および1成分現像方式を具備した各種アナログ複
写機、デジタル複写機、プリンタ、ファクシミリ装置へ
適用した結果、同様に本発明におけるリン酸の金属錯体
または金属塩を電荷輸送層に含有した感光体において、
すぐれた繰り返し安定性を示した。
【0077】
【発明の効果】本発明の感光体においては、導電性基体
上の感光層が前記一般式(I)または(II)で示される
リン酸の金属錯体または金属塩を含有することにより、
電子写真用プロセス内で繰り返し使用するにあたり、高
感度でかつ長期に亘連続使用での特性安定性に優れた効
果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例としての単層型感光体を示す概念
的断面図である。
【図2】本発明の他の例としての正帯電の積層型感光体
を示す概念的断面図である。
【図3】本発明の他の例としての負帯電の積層型感光体
を示す概念的断面図である。
【符号の説明】
1 導電性基体 2 感光層 3 電荷発生層 4 電荷輸送層 5 被覆層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基体上に形成された感光層が下記
    一般式(I)、 (式(I)中、R〜Rは夫々水素原子、ハロゲン原
    子、置換もしくは無置換のアルキル基、アルコキシ基、
    アルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、置換もしくは
    無置換の複素環基、置換もしくは無置換の芳香族基、M
    はZn、Mg、Ca、Ba、Co、Ni、SnおよびA
    lからなる群から選ばれる金属原子、nはMの酸化数で
    ある)で示されるリン酸の金属錯体または金属塩のうち
    少なくとも1種を含有することを特徴とする電子写真用
    感光体。
  2. 【請求項2】 導電性基体上に形成された感光層が下記
    一般式(II)、 (式(II)中、R10〜R18は夫々水素原子、ハロ
    ゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、アルコキ
    シ基、アルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、置換も
    しくは無置換の複素環基、置換もしくは無置換の芳香族
    基、MはZn、Mg、Ca、Ba、Co、Ni、Snお
    よびAlからなる群から選ばれる金属原子、nはMの酸
    化数である)で示されるリン酸の金属錯体または金属塩
    のうち少なくとも1種を含有することを特徴とする電子
    写真用感光体。
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