JPH1118277A - 過電流検出回路 - Google Patents

過電流検出回路

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JPH1118277A
JPH1118277A JP9169973A JP16997397A JPH1118277A JP H1118277 A JPH1118277 A JP H1118277A JP 9169973 A JP9169973 A JP 9169973A JP 16997397 A JP16997397 A JP 16997397A JP H1118277 A JPH1118277 A JP H1118277A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電源回路等の過電流状態を高精度かつ高感度
に検出する。 【解決手段】 過電流検出対象である電流の経路の入出
力端子1,2間に接続された第1の抵抗素子4と、入力
端子1に一端が接続された第2の抵抗素子5と、抵抗素
子4の出力端子2側が一方の入力端子に接続され、か
つ、抵抗素子5の他端が他方の入力端子に接続された差
動増幅手段6と、差動増幅手段6の出力信号が加えら
れ、かつ、抵抗素子5に直列接続されて抵抗素子4を流
れる電流に比例する大きさの比例電流を出力させる比例
電流出力手段7と、比例電流出力手段7から出力される
比例電流を監視して抵抗素子4を流れる電流の過電流状
態を検出する電流監視手段8とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体集積回路等
に内蔵可能な過電流検出回路に関し、特に、電源装置の
過負荷時に電源回路を保護するために電源供給線を流れ
る電流の過電流状態を検出する過電流検出回路に関す
る。
【0002】
【従来の技術】電源供給線の過電流検出方法としては、
電源供給線に抵抗を挿入し、この抵抗を流れる電流によ
る電圧降下を監視するのが一般的である。この方法に基
づく従来の過電流検出回路の具体例を、図12、図1
3、図14に示す。
【0003】図12は一般的なシリーズレギュレータで
あり、抵抗114及びトランジスタ115により構成さ
れた部分が過電流を検出する。この過電流検出部113
は、垂下型過電流保護回路と呼ばれている。電源供給線
200を流れる電流I1が過電流となるしきい値をI
overとすると、電流I1がしきい値Ioverを超えたとき
に抵抗114の電圧降下がトランジスタ115のベース
−エミッタ間電圧Vbeより大きくなり、トランジスタ1
15が動作してコレクタ−エミッタ間電圧Vceが下が
る。これにより、電源供給用のトランジスタ116のベ
ース電圧は下がり、コレクタに流れる電流I1の変化が
少なくなってトランジスタ116のコレクタ−エミッタ
間電圧Vceが上昇する。つまり、出力電圧が低下する。
従って、過電流検出部113は、トランジスタ116の
コレクタを流れる電流I1を制限し、過電流によるトラ
ンジスタ116の破壊を保護する機能がある。なお、図
12において、111は入力端子、112は出力端子、
117,118は分圧抵抗、119は基準電圧源、12
0は演算増幅器である。
【0004】図13は図12と同様なシリーズレギュレ
ータであり、過電流検出部の回路構成が異なっている。
過電流検出部121は、トランジスタ115及び抵抗1
14,122,123によって構成されており、フの字
型過電流保護回路と呼ばれている。過電流検出動作は図
12の回路とほぼ同じであり、抵抗114の電圧降下に
よりトランジスタ115が動作し、電源供給用のトラン
ジスタ116のベース電圧が低下する。これにより出力
電圧が低下するが、更に抵抗122,123の働きで電
流I1が減少し、トランジスタ116を過電流による破
壊から保護している。
【0005】図14は、過電流を検出する機能のみを有
する回路である。軽負荷のときは抵抗114の電圧降下
が小さいので、ダイオード124と抵抗125との接続
点に接続されたコンパレータ127の正入力端子より負
入力端子の方が電圧が高いため、コンパレータ127の
出力は「Low」レベルとなる。重負荷となり、電流I1
過電流Ioverとなって抵抗114の電圧降下がダイオー
ド124の順方向電圧Vfより大きくなると、コンパレ
ータ127の負入力端子の電圧が正入力端子の電圧より
低くなり、その出力は「High」レベルとなって過電流を
検出する。コンパレータ120の出力は過電流検出信号
として検出端子126から出力され、入力側あるいは出
力側にある電源供給用のトランジスタを保護するのに利
用される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】出力側と入力側との間
で1Vまたはそれ以下の電圧降下が要求されているレギ
ュレータに内蔵された電源供給用のトランジスタを保護
する場合や、電源供給線に挿入されたオン/オフ用のス
イッチングトランジスタを保護する場合等は、図12〜
図14に示したような抵抗の電圧降下による過電流検出
は難しくなる。その理由として次の2点を挙げることが
できる。
【0007】まず1点目として、トランジスタの電圧降
下を考慮すると、このトランジスタに直列接続された抵
抗の過電流検出時の電圧降下を0.5〔V〕以下にする
必要があり、バイポーラトランジスタのベース−エミッ
タ間電圧Vbeやダイオードの順方向電圧Vfを基準の電
圧として使用できなくなることで、ある程度の精度を有
する基準電圧が得られなくなる。2点目として、抵抗の
電圧降下を低くするため、出力電流が数100〔mA〕
以上になるとき抵抗値を1〔Ω〕以下に設定するので、
出力電流の僅かな変化に対して抵抗の電圧降下がほとん
ど変化しなくなり、過電流検出の感度が悪くなる。
【0008】以上の2点の理由により、抵抗の電圧降下
による過電流検出は、一般に検出精度が悪く、バラツキ
が生じ易いという問題がある。更に、電源供給用のトラ
ンジスタやスイッチングトランジスタ自体のオン抵抗が
過電流検出用の抵抗より小さい場合、過電流検出用の抵
抗の大きさがトランジスタを含んだ全体の電圧降下に影
響し、抵抗による電圧降下のロスが大きくなるという問
題がある。
【0009】そこで本発明は、従来よりも検出精度の高
い過電流検出回路を提供しようとするものである。ま
た、本発明は、電力損失の少ない過電流検出回路を実現
しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】まず、図1は請求項1記
載の発明に対応する基本的な回路構成図である。本発明
では、入力端子1と出力端子2との間の電源供給線20
0に第1の抵抗素子4を挿入し、この抵抗素子4の入力
端子1側に第2の抵抗素子5の一端を接続する。そし
て、これらの抵抗素子4,5の他端を演算増幅器等の差
動増幅手段6の二入力端子に各々接続する。第1、第2
の抵抗素子としては、受動抵抗やMOSFET等が考え
られる。また、第2の抵抗素子5に接続された差動増幅
手段6の一方の入力端子に、第2の抵抗素子5と直列に
なるようにトランジスタ等からなる比例電流出力手段7
を接続し、その制御端子(ベースまたはゲート)に差動
増幅手段6の出力端子を接続する。比例電流出力手段7
としては、バイポーラトランジスタやMOSFET等が
考えられる。更に、比例電流出力手段7の出力側に電流
監視手段8を接続し、この手段8から過電流検出信号出
力端子3を取り出す。電流監視手段8としては、コンパ
レータや電流比較回路を有するものが考えられる。
【0011】上記構成において、第1、第2の抵抗素子
4,5、差動増幅手段6、比例電流出力手段7からなる
回路により、電源供給線200を流れる電流I1の大き
さに比例した比例電流I2を取り出す。第2の抵抗素子
5の抵抗値(r2とする)を第1の抵抗素子4の抵抗値
(r1とする)のn倍にすると、取り出される比例電流
2の大きさは電源供給線200に流れる電流I1のn分
の1である。従って、電流監視手段8により比例電流I
2を電圧に変換して基準電圧と比較するか、または比例
電流I2を基準電流と比較することで、電源供給線20
0を流れる電流I1の大きさを監視して、過電流状態を
検出する。
【0012】以下、本発明の作用をより詳細に説明す
る。図1の基本回路において、電源供給線200の電流
1に対する比例電流I2を取り出す回路について説明す
る。電流I1による抵抗素子4の電圧降下は、I1×r1
であるから、差動増幅手段6の入力電圧V1(=Vo)は
数式1によって表される。
【0013】
【数1】V1=Vi−I1・r1
【0014】差動増幅手段6及び比例電流出力手段7
が、差動増幅手段6の二入力が仮想短絡(イマジナリー
ショート)となるように動作する場合、数式2が成り立
つ。
【0015】
【数2】V1=V2
【0016】取り出す比例電流をI2とすると、抵抗素
子5による電圧降下はI2×r2となり、V2は数式3と
なる。
【0017】
【数3】V2=Vi−I2・r2
【0018】上記数式1、数式2、数式3から、数式4
が導かれる。
【0019】
【数4】 Vi−I1・r1=Vi−I2・r21・r1=I2・r22=(r1/r2)・I1
【0020】抵抗素子5の抵抗値r2を、次の数式5の
ように抵抗素子4の抵抗値r1のn倍とする。
【0021】
【数5】r2=n×r1
【0022】上記数式4、数式5から、数式6が導かれ
る。
【0023】
【数6】I2=I1/n
【0024】従って、電源供給線200の電流I1の大
きさに比例した電流I2を取り出すことができる。電源
供給線200の過電流のしきい値をIoverとすると、こ
のときの比例電流I2は数式7で表される。
【0025】
【数7】I2=Iover/n=Idct
【0026】電流監視手段8によって比例電流I2を基
準電流Irefと比較し、次の数式8が成り立つときに電
源供給線200の電流I1が過電流状態であると判断
し、過電流検出信号出力端子3から過電流検出信号を出
力する。
【0027】
【数8】I2(=Idct)>Iref
【0028】また、電流監視手段8により比例電流I2
を電圧に変換して検出電圧を得、この検出電圧を基準電
圧Vrefと比較した場合、電流を電圧に変換する時の抵
抗値をRとすると、次の数式9が成り立つときに電源供
給線200の電流I1が過電流状態であると判断し、過
電流検出信号出力端子3から過電流検出信号を出力す
る。
【0029】
【数9】I2・R(=Idct・R)>Vref
【0030】上述した請求項1記載の発明は、以下の請
求項2〜請求項10記載の発明によって更に具体化され
る。まず、請求項2記載の発明は、図1における第1、
第2の抵抗素子4,5が第1、第2の受動抵抗であり、
差動増幅手段6が演算増幅器であり、比例電流出力手段
7が、演算増幅器の出力信号が制御端子に加えられるバ
イポーラトランジスタ、MOSFET等のトランジスタ
であり、電流監視手段8が、比例電流を第3の受動抵抗
により変換して得た検出電圧と基準電圧との比較結果に
応じて過電流検出信号を出力するコンパレータを有する
ものである。
【0031】請求項3記載の発明は、請求項2記載の過
電流検出回路において、コンパレータの基準電圧を、第
3の受動抵抗と同一成分により製造された(すなわち同
一の温度特性を有する)第4の受動抵抗と基準電流とに
より発生させるものである。
【0032】請求項4記載の発明は、請求項1記載の過
電流検出回路において、第1、第2の抵抗素子4,5が
第1、第2の受動抵抗であり、差動増幅手段6が演算増
幅器であり、比例電流出力手段7が、演算増幅器の出力
信号が制御端子に加えられるバイポーラトランジスタ、
MOSFET等のトランジスタであり、電流監視手段8
が、比例電流と基準電流との比較結果に応じて過電流検
出信号を出力する電流比較回路により構成される。
【0033】請求項5記載の発明は、請求項1記載の過
電流検出回路において、第1、第2の抵抗素子4,5が
第1、第2のMOSFETスイッチであり、差動増幅手
段6が演算増幅器であり、比例電流出力手段7が、演算
増幅器の出力信号が制御端子に加えられるバイポーラト
ランジスタ、MOSFET等のトランジスタであり、電
流監視手段8が、比例電流を受動抵抗により変換して得
た検出電圧と基準電圧との比較結果に応じて過電流検出
信号を出力するコンパレータを有している。そして、コ
ンパレータから出力される過電流検出信号により、第
1、第2のMOSFETスイッチをオフさせて過電流を
遮断する機能を有するものである。
【0034】請求項6記載の発明は、請求項1記載の過
電流検出回路において、第1、第2の抵抗素子4,5が
第1、第2のMOSFETスイッチであり、差動増幅手
段6が演算増幅器であり、比例電流出力手段7が、演算
増幅器の出力信号が制御端子に加えられるバイポーラト
ランジスタ、MOSFET等のトランジスタであり、電
流監視手段8が、比例電流と基準電流との比較結果に応
じて過電流検出信号を出力する電流比較回路により構成
される。そして、電流比較回路から出力される過電流検
出信号により、第1、第2のMOSFETスイッチをオ
フさせて過電流を遮断する機能を有するものである。
【0035】請求項7記載の発明は、請求項1記載の過
電流検出回路において、第1、第2の抵抗素子4,5が
第1、第2のMOSFETスイッチであり、差動増幅手
段6が第1の演算増幅器であり、比例電流出力手段7
が、第1の演算増幅器の出力信号が制御端子に加えられ
るバイポーラトランジスタ、MOSFET等のトランジ
スタであり、電流監視手段8が、比例電流を受動抵抗に
より電圧に変換して得た検出電圧と基準電圧とを入力と
して過電流検出信号を出力すると共に、第1のMOSF
ETスイッチを流れる電流を一定値に制限するように動
作する第2の演算増幅器を有するものである。
【0036】請求項8記載の発明は、請求項5または7
記載の過電流検出回路において、基準電圧を、検出電圧
を得るための受動抵抗と同一成分により製造された(す
なわち同一の温度特性を有する)別の受動抵抗と基準電
流とにより発生させるものである。
【0037】請求項9記載の発明は、請求項1記載の過
電流検出回路において、第1、第2の抵抗素子4,5が
第1、第2のMOSFETスイッチであり、差動増幅手
段6が演算増幅器であり、比例電流出力手段7が、演算
増幅器の出力信号が制御端子に加えられるバイポーラト
ランジスタ、MOSFET等のトランジスタであり、電
流監視手段8が、比例電流と基準電流とを入力として過
電流検出信号を出力すると共に、第1のMOSFETス
イッチを流れる電流を一定値に制限するように動作する
ノートンアンプ等の電流差動増幅器を有するものであ
る。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、図に沿って本発明の実施形
態を説明する。図2は本発明の第1実施形態を示してお
り、請求項2記載の発明の実施形態に相当する。この実
施形態は、図1における第1、第2の抵抗素子4,5と
して第1、第2の受動抵抗12,13を、差動増幅手段
6として演算増幅器14を、比例電流出力手段7として
NPNトランジスタ15を、電流監視手段8としてコン
パレータ18、第3の受動抵抗16、基準電圧源17を
用いたものである。そして、抵抗12の一端を演算増幅
器14の負入力端子に接続すると共に、抵抗13の一端
を正入力端子に接続して電流I1に比例する電流I2を取
り出している。電流監視回路の部分は、NPNトランジ
スタ15のエミッタに接続された受動抵抗16により比
例電流I2を電圧に変換し、この検出電圧をコンパレー
タ18により基準電圧Vrefと比較して過電流状態を検
出する。なお、9は入力端子、10は出力端子、11は
過電流検出信号出力端子である。
【0039】この実施形態において、第3の受動抵抗1
6の抵抗値をRとすると、前述した数式9が成り立つと
きにコンパレータ18の出力が「High」レベルとなり、
電源供給線200を流れる電流I1の過電流検出信号が
出力される。
【0040】図3は本発明の第2実施形態であり、これ
も請求項2記載の発明の実施形態に相当する。この実施
形態は、図2におけるNPNトランジスタ15をNチャ
ンネルMOSFET19に置き換えたものである。その
他の構成は図2と同様であり、同一部品には同一符号を
付してある。本実施形態から明らかなように、図1の比
例電流出力手段7はバイポーラトランジスタやMOSF
ETによって構成することができる。なお、図4以降の
各実施形態において、図1の比例電流出力手段7に相当
する部分にはすべてMOSFETが用いられているが、
これらを図2のようにバイポーラトランジスタに置き換
えることも可能である。
【0041】図3の実施形態に基づいて、電源供給線2
00の電流変化に対する検出感度及び検出精度を従来技
術(図14)と比較しながら説明する。ここでは、図1
4におけるダイオード124を0.1〔V〕の電圧降下
のある電圧源に置き換えて考える。図14、図3とも、
電源供給線200の過電流検出用の抵抗114,12の
抵抗値を0.1〔Ω〕として、過電流検出のしきい値I
overを1〔A〕とする。
【0042】いま、電源供給線200の電流I1がしき
い値Ioverの10%変化したときを考察すると、Iover
の10%は100〔mA〕である。従来の図14の回路
では、100〔mA〕の変化で抵抗114の電圧降下の
変化は10〔mV〕である。一方、本実施形態の図3の
回路において、比例電流I2を電源供給線200の電流
1の10,000分の1にして抵抗16の抵抗値を1
0〔kΩ〕にした場合、I1に100〔mA〕の変化が
あるとI2は10〔μA〕変化し、抵抗16による電圧
変化は100〔mV〕になる。図14のコンパレータ1
27及び図3のコンパレータ18として同一の素子を使
用した場合、入力電圧の10〔mV〕の変化と100
〔mV〕の変化を検出するときには、コンパレータの反
応は100〔mV〕の変化の方が良い。すなわち、本実
施形態によれば、従来よりも電源供給線200の電流変
化に対する感度が良く、従って、検出精度を高めること
が可能である。なお、この効果は、図2の実施形態を始
めとして、図4以下の実施形態についても同様である。
【0043】図4は本発明の第3実施形態であり、請求
項3記載の発明の実施形態に相当する。比例電流I2
取り出し回路は図3と同じであるが、電流監視回路部分
の基準電圧Vrefを、基準電流源20と、受動抵抗16
と同一の成分で製造した第4の受動抵抗21とによって
得る点が異なっている。この実施形態では、上記基準電
圧Vrefと、比例電流I2及び抵抗16により変換した検
出電圧とをコンパレータ18で比較し、過電流を検出す
る。この実施形態のように基準電圧Vrefを基準電流I
refと抵抗21とによって発生させる場合、基準電流I
refの温度変動が僅かであれば、基準電圧発生用の抵抗
21と比例電流I2の検出用抵抗16とが同一成分で製
造されていて同一の温度特性を有すると考えられるの
で、過電流検出精度の温度変動を小さくすることができ
る。
【0044】図5は本発明の第4実施形態を示してお
り、請求項4記載の発明の実施形態に相当する。この実
施形態において、比例電流I2の取り出し回路は図3と
同じである。異なるのは、電流監視回路部分において、
比例電流I2と基準電流Irefとを電流比較回路22によ
り直接比較し、比例電流I2が基準電流Irefより大きく
なった時に過電流を検出する点である。なお、図5では
簡略化した電流比較回路22を用いており、Nチャンネ
ルMOSFET及びPチャンネルMOSFETによって
構成されている。
【0045】図6は本発明の第5実施形態を示してお
り、請求項5記載の発明の実施形態に相当する。この実
施形態では、図1の第1の抵抗素子4としてPチャンネ
ルMOSFETスイッチ23を用いると共に、比例電流
2の取り出し用に、図1の第2の抵抗素子5としてP
チャンネルMOSFETスイッチ24を用いている。そ
の他の構成は図3とほぼ同一であるが、この実施形態で
はコンパレータ18の出力端子がスイッチ23,24の
ゲートに接続されている。MOSFETをスイッチとし
て使う場合、トランジスタがオンのときには線形領域で
動作していて、ドレイン−ソース電圧が変化しても抵抗
成分の値は一定となる。すなわち、受動抵抗とほぼ同じ
特性となっている。また、その抵抗値はトランジスタの
チップサイズにほぼ比例している。
【0046】ここで、スイッチ23,24のサイズ比が
数式10で示されるとする。なお、数式10において、
(W/L)23はスイッチ23のチップの(幅/長さ)を
示すサイズ比、(W/L)24はスイッチ24のチップの
(幅/長さ)を示すサイズ比である。
【0047】
【数10】(W/L)24=1/n・(W/L)23
【0048】いま、PチャンネルMOSFETスイッチ
23のオン状態の抵抗値をrm1,PチャンネルMOSF
ETスイッチ24の抵抗値をrm2とすると、rm1,rm2
の間には数式11の関係が成り立つ。
【0049】
【数11】rm2=n×rm1
【0050】よって、図1の基本回路と同じ作用とな
り、電源供給線200の電流I1に比例した電流I2を取
り出すことができる。また、電流監視回路部分は図3と
同一であるが、過電流検出信号であるコンパレータ18
の出力端子をPチャンネルMOSFETスイッチ23,
24の各ゲートに接続することにより、過電流検出時に
スイッチ23,24をオフして過電流を遮断し、スイッ
チ23,24や他の素子の破壊を防ぐことができる。
【0051】図7は本発明の第6実施形態であり、前後
するが請求項8記載の発明の実施形態に相当する。この
実施形態は、図6と同様にPチャンネルMOSFETス
イッチ24を用いて比例電流I2を取り出しており、電
流監視回路部分では図4と同様に基準電流源20と受動
抵抗21とによって基準電圧Vrefを作り出している。
この実施形態でも、図6と同様にコンパレータ18の出
力端子をスイッチ23,24の各ゲートに接続して、過
電流検出時にこれらのスイッチ23,24をオフし、過
電流を遮断する。なお、受動抵抗16,21は同一の成
分によって製造されており、同一の温度特性を有するも
のである。
【0052】図8は本発明の第7実施形態であり、請求
項6記載の発明の実施形態に相当する。この実施形態
も、図6、図7と同様にPチャンネルMOSFETスイ
ッチ24を用いて比例電流I2を取り出しており、電流
監視回路部分では図5と同様に電流比較回路22により
比例電流I2と基準電流Irefとを直接比較している。ま
た、過電流検出信号出力端子11をスイッチ23,24
の各ゲートに接続して、過電流検出時にこれらのスイッ
チ23,24をオフし、過電流を遮断する。
【0053】図9は本発明の第8実施形態であり、請求
項7記載の発明の実施形態に相当する。この実施形態
は、図6における電流監視回路部分のコンパレータ18
を第2の演算増幅器25(差動増幅手段としての演算増
幅器14を第1の演算増幅器とする)に置き換え、過負
荷時に電源供給線200の電流I1を過電流検出のしき
い値Ioverに抑制するように電流制限動作させるもので
ある。なお、26は演算増幅器25の出力端子と過電流
検出信号出力端子11との間に接続された出力バッファ
である。
【0054】過負荷になって過電流が検出されると、演
算増幅器25のフィードバック動作によりPチャンネル
MOSFETスイッチ23,24のゲート電圧が上昇
し、これらのスイッチ23,24は線形領域動作から飽
和領域動作に移る。このため、ドレイン−ソース電圧が
上昇しても電源供給線200に一定電流Ioverを流すよ
うになる。従って、過負荷時に電流制限動作が実行され
る。この動作は、従来技術で取り上げた垂下型過電流保
護回路の動作と同様である。本実施形態における出力バ
ッファ26は、演算増幅器25の出力レベルが電源電圧
まで振れないようにするためのものである。
【0055】図10は本発明の第9実施形態であり、請
求項8記載の発明の実施形態に相当する。この実施形態
では、図7の電流監視回路部分のコンパレータ18を第
2の演算増幅器25に置き換えることにより、図9と同
様な電流制限動作をする。また、図9と同様に過電流検
出信号を出力バッファ26を介して出力させている。図
9の実施形態と異なるのは、演算増幅器25の基準電圧
refを、基準電流Irefと受動抵抗21とにより作り出
している点である。
【0056】図11は本発明の第10実施形態であり、
請求項9記載の発明の実施形態に相当する。この実施形
態では、図8における電流比較回路22を、ノートンア
ンプ27を用いた電流比較回路28に置き換えることで
図9と同様な電流制限動作をする。また、図9と同様に
過電流検出信号を出力バッファ26を介して出力させて
いる。
【0057】図6〜図11の実施形態は、電源供給線2
00に挿入したPチャンネルMOSFETスイッチ23
のオン抵抗成分に着目してこれを過電流検出に利用して
いる。また、PチャンネルMOSFETスイッチ23,
24が過電流によって破壊しないように、過電流検出回
路の出力信号により各スイッチ23,24を強制的に遮
断する保護機能を持った過電流保護回路を構成してい
る。電源の供給、遮断を行なうため、電源供給線200
に低オン抵抗のトランジスタスイッチを挿入する場合
は、図6〜図11のような回路にすることで電源の供
給、遮断のためのスイッチング機能とスイッチの保護機
能とを併せ持つことができる。電源の供給、遮断を行な
うスイッチでの電圧降下のロスは、トランジスタのオン
抵抗で決まるから、オン抵抗が極めて小さいトランジス
タを選ぶことにより、電圧降下のロスを低減することが
できる。
【0058】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、極めて小
さい抵抗値を持つ受動抵抗やMOSFETスイッチを用
いた場合にも、高精度かつ高感度に過電流を検出するこ
とができる。また、レギュレータや電源供給線の過電流
検出に用いる抵抗での電圧降下による電力損失を低減す
ることができる。更に、電源供給線に挿入されたMOS
FETスイッチを過電流検出信号を用いてオフすること
により、過電流を確実に遮断してスイッチ等の素子を保
護することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に記載した発明に対応する基本的な回
路構成図である。
【図2】本発明の第1実施形態を示す回路図である。
【図3】本発明の第2実施形態を示す回路図である。
【図4】本発明の第3実施形態を示す回路図である。
【図5】本発明の第4実施形態を示す回路図である。
【図6】本発明の第5実施形態を示す回路図である。
【図7】本発明の第6実施形態を示す回路図である。
【図8】本発明の第7実施形態を示す回路図である。
【図9】本発明の第8実施形態を示す回路図である。
【図10】本発明の第9実施形態を示す回路図である。
【図11】本発明の第10実施形態を示す回路図であ
る。
【図12】従来技術を示す回路図である。
【図13】従来技術を示す回路図である。
【図14】従来技術を示す回路図である。
【符号の説明】
1 入力端子 2 出力端子 3 過電流検出信号出力端子 4 第1の抵抗素子 5 第2の抵抗素子 6 差動増幅手段 7 比例電流出力手段 8 電流監視手段 9 入力端子 10 出力端子 11 過電流検出信号出力端子 12,13,16,21 受動抵抗 14,25 演算増幅器 15 NPNトランジスタ 17 基準電圧源 18 コンパレータ 19 NチャンネルMOSFET 20 基準電流源 22,28 電流比較回路 23,24 PチャンネルMOSFETスイッチ 26 出力バッファ 27 ノートンアンプ 200 電源供給線

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 過電流検出対象である電流の経路の入力
    端子と出力端子との間に接続された第1の抵抗素子と、 前記入力端子に一端が接続された第2の抵抗素子と、 第1の抵抗素子の前記出力端子側が一方の入力端子に接
    続され、かつ、第2の抵抗素子の他端が他方の入力端子
    に接続された差動増幅手段と、 この差動増幅手段の出力信号が加えられ、かつ、第2の
    抵抗素子に直列接続されて第1の抵抗素子を流れる電流
    に比例する大きさの比例電流を出力させる比例電流出力
    手段と、 この比例電流出力手段から出力される比例電流を監視し
    て第1の抵抗素子を流れる電流の過電流状態を検出する
    電流監視手段と、 を備えたことを特徴とする過電流検出回路。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の過電流検出回路におい
    て、 第1、第2の抵抗素子が第1、第2の受動抵抗であり、 前記差動増幅手段が演算増幅器であり、 前記比例電流出力手段が、前記演算増幅器の出力信号が
    制御端子に加えられるトランジスタであり、 前記電流監視手段が、比例電流を第3の受動抵抗により
    変換して得た検出電圧と基準電圧との比較結果に応じて
    過電流検出信号を出力するコンパレータを有することを
    特徴とする過電流検出回路。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の過電流検出回路におい
    て、 前記基準電圧を、第3の受動抵抗と同一成分により製造
    された第4の受動抵抗と基準電流とにより発生させるこ
    とを特徴とする過電流検出回路。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の過電流検出回路におい
    て、 第1、第2の抵抗素子が第1、第2の受動抵抗であり、 前記差動増幅手段が演算増幅器であり、 前記比例電流出力手段が、前記演算増幅器の出力信号が
    制御端子に加えられるトランジスタであり、 前記電流監視手段が、比例電流と基準電流との比較結果
    に応じて過電流検出信号を出力する電流比較回路である
    ことを特徴とする過電流検出回路。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の過電流検出回路におい
    て、 第1、第2の抵抗素子が第1、第2のMOSFETスイ
    ッチであり、 前記差動増幅手段が演算増幅器であり、 前記比例電流出力手段が、前記演算増幅器の出力信号が
    制御端子に加えられるトランジスタであり、 前記電流監視手段が、比例電流を受動抵抗により変換し
    て得た検出電圧と基準電圧との比較結果に応じて過電流
    検出信号を出力するコンパレータを有し、前記過電流検
    出信号により第1、第2のMOSFETスイッチをオフ
    させることを特徴とする過電流検出回路。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の過電流検出回路におい
    て、 第1、第2の抵抗素子が第1、第2のMOSFETスイ
    ッチであり、 前記差動増幅手段が演算増幅器であり、 前記比例電流出力手段が、前記演算増幅器の出力信号が
    制御端子に加えられるトランジスタであり、 前記電流監視手段が、比例電流と基準電流との比較結果
    に応じて過電流検出信号を出力する電流比較回路であ
    り、前記過電流検出信号により第1、第2のMOSFE
    Tスイッチをオフさせることを特徴とする過電流検出回
    路。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の過電流検出回路におい
    て、 第1、第2の抵抗素子が第1、第2のMOSFETスイ
    ッチであり、 前記差動増幅手段が第1の演算増幅器であり、 前記比例電流出力手段が、前記演算増幅器の出力信号が
    制御端子に加えられるトランジスタであり、 前記電流監視手段が、比例電流を受動抵抗により変換し
    て得た検出電圧と基準電圧とを入力として過電流検出信
    号を出力すると共に、第1のMOSFETスイッチを流
    れる電流を一定値に制限するように動作する第2の演算
    増幅器を有することを特徴とする過電流検出回路。
  8. 【請求項8】 請求項5または7記載の過電流検出回路
    において、 前記基準電圧を、検出電圧を得るための受動抵抗と同一
    成分により製造された別の受動抵抗と基準電流とにより
    発生させることを特徴とする過電流検出回路。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の過電流検出回路におい
    て、 第1、第2の抵抗素子が第1、第2のMOSFETスイ
    ッチであり、 前記差動増幅手段が演算増幅器であり、 前記比例電流出力手段が、前記演算増幅器の出力信号が
    制御端子に加えられるトランジスタであり、 前記電流監視手段が、比例電流と基準電流とを入力とし
    て過電流検出信号を出力すると共に、第1のMOSFE
    Tスイッチを流れる電流を一定値に制限するように動作
    する電流差動増幅器を有することを特徴とする過電流検
    出回路。
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