JPH11182663A - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

自動変速機の変速制御装置

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JPH11182663A
JPH11182663A JP35041497A JP35041497A JPH11182663A JP H11182663 A JPH11182663 A JP H11182663A JP 35041497 A JP35041497 A JP 35041497A JP 35041497 A JP35041497 A JP 35041497A JP H11182663 A JPH11182663 A JP H11182663A
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slip amount
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弘淳 遠藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クラッチツウクラッチ変速において、クラッ
チ同士の同時係合による引摺り状態を低減させ、変速シ
ョックを低減させる。 【解決手段】 クラッチ油圧の制御により2つのクラッ
チの解放と係合によるクラッチツウクラッチ変速を行う
に際し、低速段側クラッチの油圧低下を高速段側クラッ
チ油圧の上昇より速い速度で実行し、クラッチのスリッ
プ現象を発生させ、そのスリップ現象が所定値に達した
ら、低速段側クラッチの油圧を急速にドレンする。その
結果、2つのクラッチ同士の同時係合による引摺り状態
を低減でき、変速ショックを緩和できるようになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動変速機の変速
を制御する装置に関し、特に低速段側クラッチの解放及
び高速段側クラッチの係合によるクラッチツウクラッチ
変速のパワーオンアップシフトを実行する自動変速機の
変速装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動変速機の特定の変速を実行する場
合、2つのクラッチ(広義のクラッチで通常のクラッチ
とブレーキを含む)の係合と解放を同時に行わなければ
ならないことがよくある(いわゆるクラッチツウクラッ
チ変速)。この場合に、低速段側クラッチと高速段側ク
ラッチの油圧の制御を的確にとらないと、出力軸トルク
が落ち込んだり、エンジンが吹き上がったりする。
【0003】特開平6−341535号の公報には、パ
ワーオン状態のときのクラッチツウクラッチのアップシ
フトを実行する場合の制御の例が示されている。この例
では、アップシフトの指令が発生した際に、変速中のエ
ンジンの吹き上がりを防止するため、エンジンの吹き上
がり状態を検出し、この結果に基づいて吹き上がり量が
予め定められた範囲内になるようにリニアソレノイドバ
ルブを用いて高速段側クラッチ又は低速段側クラッチの
油圧の制御を行っている。
【0004】しかしながら、リニアソレノイドバルブを
用いるためには、電子制御装置からのデジタル信号をア
ナログ信号に変換しなければならない等、装置構成が複
雑となり、コストもかかるため、近年では電子制御装置
からのデジタル信号でそのまま制御できるデューティソ
レノイドバルブが広く用いられるようになってきてい
る。
【0005】即ち、所定のデューティパルス周期でオン
とオフを繰り返すデューティパルスに応じた油圧を発生
するデューティソレノイドバルブを備え、各デューティ
パルス周期におけるデューティパルスのオン時間とオフ
時間の割合を制御することによって、被制御油圧をデュ
ーティ制御する油圧制御機器が開発されている。
【0006】ところで、前記特開平6−341535号
の公報で開示された装置を含め、従来の装置において
は、クラッチツウクラッチ変速を実行する際に発生する
エンジンの吹き上がり状態によって係合側クラッチと解
放側クラッチの油圧の制御を行っている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、リニア
ソレノイドバルブ又はデューティソレノイドバルブを備
えた油圧制御装置において、エンジン吹き上がり状態に
基づいて、低速段側クラッチの解放と高速段側クラッチ
の係合を行うクラッチツウクラッチのアップシフトを制
御しようとする場合には、以下のような問題がある。
【0008】第1の問題点は、2つのクラッチを制御す
るためにエンジン吹き上がり量に基づいて算出される制
御値が、正確性に欠けるということである。
【0009】即ち、自動変速機を搭載する車両は、エン
ジンと自動変速機の間には流体を内蔵しているトルクコ
ンバータを介在してあるので、その流体を介して回転を
伝達することにより、クラッチの係合あるいは解放の状
態が必ずしもエンジンの回転速度の変化に反映しない。
このことにより、正確な制御値を算出することが難しく
なり、2つのクラッチの双方が所定の容量を持ち得ない
状態や、双方が所定の容量以上に容量を持った引摺り状
態(いわゆるタイアップ状態)が発生してしまう可能性
が高くなる。
【0010】第2の問題点は、変速時間が長くかかって
しまうことである。
【0011】従来の技術では、2つのクラッチの油圧を
同時に操作している状態になっているが多く、そのため
各油圧が不安定になり易くなり、又、油圧の応答の遅れ
や、細かな脈動等により実際の制御量が指令した制御量
と異なることもある。これらの事情と、前述したエンジ
ン吹き量を指標としていることが重なって、その制御量
を修正するために時間が多くかかってしまっていた。
【0012】第3の問題点は、例えば気温・気圧等の異
なる場所での使用や、ドライバのアクセル操作(加速・
減速)により要求の変更等による環境や状況の変化があ
った場合に、常に同様の制御を行うと、大きな変速ショ
ックを伴うことがあるということである。
【0013】即ち、自動変速機を搭載している車両は、
いつも同じ環境の下で使用(制御)されていることは少
なく、前記エンジンの吹き上がり方は変速毎に異なる。
そのため、該エンジン吹き上がり量をある一定の範囲内
に制御するというやり方では当該変速に最適な制御がで
きなくなり、変速ショックが発生してしまうという問題
があった。
【0014】本発明は、このような従来の問題に鑑みて
なされたものであって、クラッチツウクラッチにおける
係合側クラッチと解放側クラッチの油圧の制御を変速毎
に適正化することによって、変速時間を短くしながら特
に2つのクラッチの同時係合による引摺り状態(タイア
ップ状態)を少なくし、変速ショックの低減を実現し
て、スムーズな変速を常に可能にする自動変速機の変速
制御装置を提供することをその課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、低速段側クラッチの解放及び高速段側クラッチの係
合によるクラッチツウクラッチのパワーオンアップシフ
トを実行する自動変速機の変速制御装置において、前記
パワーオンアップシフトを実行すべき判断があったこと
を検出する手段と、該判断があったときに、前記低速段
側クラッチを解放させるための油圧低下を、前記高速段
側クラッチを係合させるための油圧上昇より相対的に速
い速度で実行することにより、自動変速機の入力軸回転
速度が低速段同期回転速度より高くなるスリップ現象を
発生させる第1変速制御手段と、該スリップ現象におけ
るスリップ量が、第1所定値S1(S1>0)以上にな
ったことを検出する第1検出手段と、該第1検出手段に
よりスリップ量が第1所定値S1以上になったことが検
出されたときに、低速段側クラッチの油圧を、スリップ
量が該第1所定値S1に維持されるようにフィードバッ
ク制御する第2変速制御手段と、該第2変速制御手段に
よるフィードバック制御実行中に、前記スリップ量が第
2所定値S2(S1>S2>0)以下になったことを検
出する第2検出手段と、該第2検出手段によりスリップ
量が第2所定値S2以下になったことが検出されたら、
低速段側クラッチの油圧を急速ドレンする第3変速制御
手段と、を備えたことにより、変速時間を短縮すると共
に、2つのクラッチの同時係合による引摺り状態から発
生する変速ショックを低減するようにしたものである。
【0016】請求項2に記載の発明は、第2変速制御手
段によるフィードバック制御を実行している間、高速段
側クラッチの油圧を、該高速段側クラッチが容量を持ち
得るぎりぎりの値に維持することにより、更なる変速シ
ョックの低減を実現したものである。即ち、低速段側ク
ラッチの油圧は、高速段側クラッチの油圧が動いていな
い状態でフィードバック制御されるため、該制御がそれ
だけ安定して実行される。又、高速段側クラッチも少し
ずつ容量を増大できる。その結果クラッチの掴み換えが
非常に円滑に行われ、変速ショックを低減することがで
きる。
【0017】請求項3に記載の発明は、第2変速制御手
段によるフィードバック制御を開始するときの初期油圧
指示値を、前記第2検出手段による検出が行われたとき
に現に出力されていた油圧指示値より高く設定すること
により、油圧の応答の遅れによる変速ショックを低減で
きる。
【0018】請求項4に記載の発明は、第2変速制御手
段によるフィードバック制御を実行する際の指標となる
スリップ量として、実際に検出されたスリップ量をなま
した値を用いることにより、脈動の影響のないより適正
な制御値を得ることができる。
【0019】請求項5に記載の発明は、第2変速制御手
段によるフィードバック制御におけるフィードバックゲ
インを、スリップ量が前記第1所定値S1より小さいと
きには、大きいときより大きく設定することにより、更
なる変速時間の短縮と2つのクラッチの同時係合による
引摺り状態発生による変速ショックを低減できる。
【0020】請求項6に記載の発明は、当該クラッチツ
ウクラッチ変速が実行されている途中にアクセルペダル
踏込量の変更があったときは、これに伴って前記第1所
定値S1及び第2所定値S2のうち、少なくとも一方の
値を変更することにより、ドライバのアクセル操作の変
更があっても、出力軸トルクの急激な変化を効果的に抑
えることができる。
【0021】請求項7に記載の発明は、第3変速制御手
段による低速段側クラッチの完全ドレンを行った後、入
力軸回転速度のスリップ量が再び前記第1所定値S1以
上になったことが前記第1検出手段によって検出された
ときは、以降第2検出手段、第2、第3変速制御手段に
よる同一作業を繰り返すことにより、油圧の脈動等によ
る誤動作やノイズ等により誤って急速ドレンを開始して
しまった場合でも、エンジンが吹き上がってしまうのを
効果的に防止することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を詳細に説明する。
【0023】以下に説明する実施形態は、クラッチ係合
圧をデューティソレノイドバルブにより制御することに
よって、クラッチ・ツウ・クラッチ制御を行う自動変速
機の変速制御装置に関する。
【0024】図1は、本発明の一実施形態に係る自動変
速機の変速制御装置の概略構成図である。
【0025】この自動変速機は、トルクコンバータ2及
び変速部4を備える。トルクコンバータ2は、図示せぬ
エンジン出力軸10と連結されたポンプ12と、一方向
クラッチ14により変速機のケース15に連結されたス
テータ16及びタービン18を含む。タービン18は変
速機の入力軸20と連結され、変速機の入力軸20は、
ハイギヤクラッチCH(高速段側クラッチ)を介してハ
イギヤ対22に連結されると共に、ローギヤクラッチC
L(低速段側クラッチ)を介してローギヤ対24に連結
されている。ハイギヤ対22は駆動側ギヤ22aと従動
側ギヤ22bとからなり、ローギヤ対24は駆動側ギヤ
24aと従動側ギヤ24bとからなる。
【0026】各ギヤ対22、24の従動側ギヤ22b、
24bは変速機の出力軸26に連結され、常時同一回転
をしている。
【0027】各クラッチCH、CLの解放あるいは係合
は、油圧制御装置30内のデューティソレノイドバルブ
(後述)がコンピュータ40からの指令に基づいて駆動
されることによって実行される。コンピュータ40に
は、各種センサ群50からの信号、例えば車速センサ5
1からの車速信号(出力軸26の回転速度の信号)、ス
ロットルセンサ52からのスロットル開度信号(アクセ
ル開度信号:エンジン負荷信号)、シフトポジションス
イッチ53からのシフトポジション信号、ブレーキスイ
ッチ54からのフットブレーキ信号等の基本的な信号の
他に、入力軸速度センサ55からの変速機入力軸20の
回転速度(タービン回転速度)NTの信号や油温センサ
56からの油温検出信号等が入力されている。
【0028】図2に、ハイギヤクラッチCHの油圧制御
回路を示す。なお、ローギヤクラッチCLの構造も基本
的にはこれと同一である。この実施形態では、パワーオ
ンアップシフト(運転者がアクセルペダルを踏んで加速
している際に行われるアップシフト)のクラッチ・ツウ
・クラッチ制御に本発明を適用している。この場合ハイ
ギヤクラッチCHが係合側クラッチ、ローギヤクラッチ
CLが解放側クラッチとなる。
【0029】コンピュータ40によって制御されるデュ
ーティソレノイドバルブ60(60h、60l)には、
油路L1よりライン圧PLが導入される。デューティソ
レノイドバルブ60は、そのデューティパルス周期にお
けるオン信号、オフ信号の割合に応じて、油路L2から
ローギヤクラッチCLの油圧室62へライン圧PLを導
入すると共に、油路L3からドレンする。
【0030】ハイギヤクラッチCHあるいはローギヤク
ラッチCLは、多板式クラッチであり、油圧室62に油
圧PhiあるいはPloが導入されるとピストン63が
移動し、クラッチ板66が押圧された結果、該クラッチ
板66と相手側のクラッチ板68が係合する構成とされ
ている。なお、油路L2にはアキュムレータ70が設け
られている。
【0031】ここで、ピストン63が移動してクラッチ
板66が相手側のクラッチ板68に接触するまでの空走
期間は、いわば無駄時間に相当するものであるため、こ
の期間をできるだけ短くするために変速初期にデューテ
ィソレノイドバルブ60にデューティ比100%の信号
(完全油圧供給指令)を所定時間T0 だけ出力する。こ
れがいわゆる「ファーストクイックフィル」と呼ばれる
操作である。
【0032】本発明は、ハイギヤクラッチCHとローギ
ヤクラッチCLの油圧の制御を適正に行うことによって
クラッチツウクラッチ変速をよりスムーズに行うように
する。
【0033】本発明の油圧の制御において、ローギヤク
ラッチCLを解放させるための油圧低下を、ハイギヤク
ラッチCHを係合させるための油圧上昇より相対的に若
干速い速度で実行させるように制御を行う。そのことに
より、自動変速機の入力軸20の回転速度(タービン回
転速度)NTが、低速段同期回転速度より高くなる状態
になる。この状態のことを、本実施形態では「クラッチ
スリップ状態」や「クラッチスリップ現象」又は単に
「クラッチスリップ」と言い、その「クラッチスリッ
プ」の度合いを表わす「クラッチスリップ量」を制御す
ることによって変速時の過度のエンジンの吹き上がりを
防止し、又、急激な出力軸トルクの変化を抑え、更には
2つのクラッチの引摺り状態の発生時間を低減し、スム
ーズで速い変速を達成する。
【0034】なお、本実施形態の「クラッチスリップ
量」は従来の発明での「エンジン吹き量」とは異なる。
前述したように、「エンジン吹き量」とは、図1におい
てエンジン出力軸10に設置されたセンサにより検出さ
れた値(いわゆるエンジン回転速度)に基づいて規定さ
れる概念の「量」である。一方、本実施形態の「クラッ
チスリップ量」とは、自動変速機の入力軸20の回転速
度が低速段同期回転速度よりどれだけ大きくなったかと
いう概念の「量」をいう。即ち、自動変速機の入力軸2
0にセンサを設け、その検出された値と、自動変速機の
出力軸回転速度及びギヤ比から求まる低速段同期回転速
度との差として求められる量である。
【0035】本発明に係る「クラッチスリップ量」は従
来の「エンジン吹き量」と異なり、エンジンと自動変速
機の間のトルクコンバータ2の影響を受けていないの
で、それだけ係合クラッチ及び解放クラッチを制御する
制御値の正確性が高い。
【0036】以下、本発明の実施形態の作用を説明す
る。
【0037】図3は、アップシフトの変速タイムチャー
トである。このタイムチャートは高速段側デューティ比
(ハイギヤクラッチCHの油圧制御のためのデューティ
ソレノイドバルブ60(60h)へ出力するデューティ
比)と、低速段側デューティ比(ローギヤクラッチCL
の油圧制御のためのデューティソレノイドバルブ60
(60l)へ出力するデューティ比)と、タービン回転
速度NT(=変速機入力回転速度)とクラッチスリップ
量との相互の関係を示している。
【0038】図のAで示す部分がファーストクイックフ
ィルに相当しており、デューティ比が100%とされる
ことによりハイギヤクラッチCHにライン圧が100%
供給される。なお、デューティ比が0%のときは各クラ
ッチCH、CLの油圧はドレンされる。
【0039】但し、回路構成によっては、デューティ比
が100%のときに完全ドレン、0%のときに完全供給
とされることもある。これはオン(100%)、オフ
(0%)に対するドレンポートと供給ポートとの対応が
逆になっているときに生じるもので、この場合はデュー
ティ比を0%とすることによってファーストクイックフ
ィルが実現される。
【0040】このクラッチツウクラッチアップシフト
は、ハイギヤクラッチCHが解放、ローギヤクラッチC
Lが係合の状態から、ハイギヤクラッチCHが係合、ロ
ーギヤクラッCLが解放の状態に切換えることにより実
現される。
【0041】時刻t0 において、このアップシフトを実
行すべき走行状態であると判断されると、公知の多重変
速に対処するためのタイマT1 が経過した後、時刻t1
においてローギヤ側デューティ比を50%程度の値に低
下させる指令を出す(変速制御開始指令)。
【0042】ローギヤクラッチCLの油圧はしばらくこ
の約50%の値を維持する。一方、ハイギヤクラッチC
Hは、時刻t2 までデューティ比0%を維持し、時刻t
2 からファーストクイックフィルを開始するべくデュー
ティ比100%の状態にする。時刻t1 からt2 まで時
間Ts だけデューティ比0%を維持するのは、次の理由
による。クラッチツウクラッチに関わる2つのクラッチ
圧を独立に制御するタイプの自動変速機においては、ハ
イギヤクラッチCHとローギヤクラッチCLの同時係合
によるダブルロック状態(調圧ソレノイドのフェイル等
で発生する)を回避するために、通常ダブルロック防止
用のフェイルセーフバルブが設けられている。このフェ
イルセーフバルブは、一方のクラッチ圧が所定値以下に
ならない限り、他方(もう一方)のクラッチへのアプラ
イ(油圧供給)を禁止する構成となっている。従って、
変速開始時点で先ずローギヤクラッチCLのクラッチ圧
が所定値以下になるのを待ってからハイギヤクラッチC
Hのクラッチ圧のファーストクイックフィルを開始する
必要があり、この待ち時間のためにt1 からt2 の間は
ハイギヤクラッチCH側のデューティ比を0%としてい
る。
【0043】ファーストクイックフィルは、ここではタ
イマセットした所定時間T0 だけ作動させる。ファース
トクイックフィルが終了したらハイギヤクラッチCHの
デューティ比は、該ハイギヤクラッチCHが容量をもた
ない程度のレベルPhi 1に一旦落としておき、時刻t
3 から高速段側デューティ比を漸次上昇させる。ローギ
ヤクラッチCLは、これを解放させるためのデューティ
比の低下を時刻t4 から開始する。
【0044】ここで、図3におけるIV部の拡大及び各ク
ラッチCL、CHの油圧を図4に示す。
【0045】高速段側デューティ比は、時刻t3 から上
昇させる。ローギヤクラッチCLは油圧の応答の速度の
違い等を考慮して、時刻t4 より油圧を低下させる。こ
のときに、コンピュータ40は、ハイギヤクラッチCH
を係合させるための油圧上昇をローギヤクラッチCLの
油圧低下より相対的に速い速度で実行させるようにする
ことにより、結果として時刻t7 で前述した「クラッチ
スリップ」を発生させる(第1の変速制御手段)。
【0046】クラッチスリップ量Scが増大し始める
と、コンピュータ40は前述した計算を実行することに
より、該クラッチスリップ量Scが所定値S1 (第1所
定値S1 >0)以上になったことを時刻t8 で検出する
(第1の検出手段)。その後、ローギヤクラッチCL
は、該スリップ量Scを所定値S1 に維持するようにフ
ィードバック制御される(第2変速制御手段)。ローギ
ヤクラッチCLがフィードバック制御実行中は、ハイギ
ヤクラッチCHは容量を持ち得るぎりぎりの値を維持す
るように制御される。このことによって、ハイギヤクラ
ッチCHは少しずつその容量を増大でき、変速ショック
が低減できる。又、クラッチスリップ量Scが前記所定
値S2 以下になって低速段側を急速にドレンした場合
に、素早く安定容量になるまで立ち上がることができる
ようになり、エンジンの吹き上がりを防止できると共
に、変速時間の短縮につながる。
【0047】更に、ローギヤクラッチCLがフィードバ
ック制御(時間T6 )をしている間に、ハイギヤクラッ
チCHは大きな動作をしないため、油圧の変動(脈動
等)も最小限に抑制でき、ローギヤクラッチCLの油圧
をフィードバック制御を安定して実行することが可能と
なる。
【0048】やがて、ハイギヤクラッチCHが相応の容
量を持ってくると、スリップ量Scを所定値S1 に維持
するフィードバック制御ができなくなり、その結果、時
刻t9 においてクラッチスリップ量Scが所定値S2
(第2所定値S2 :S1 >S2>0)以下になったこと
が検出される(第2検出手段)。
【0049】なお、このフィードバック制御が実行され
てもクラッチスリップ量Scは、現実には図の破線のよ
うにはならず、図の実線で示すように、所定値S1 を過
ぎてからもなお増大を続け、やがてフィードバック制御
とハイギヤクラッチCHの容量増大に伴って所定値S1
を横切るようにして、そのまま所定値S2 以下にまで下
降して行く特性となることが多い。
【0050】こうして、クラッチスリップ量が所定値S
2 以下になった場合には、フィードバック制御(時間T
6 )を終了し、低速段側デューティ比は0%にし、ロー
ギヤクラッチCLの油圧を急速ドレン(完全ドレン)す
る。
【0051】この場合において(時刻t9 のとき)、ス
リップ量Scが零より大きい所定値S2 (即ちクラッチ
スリップが未だ発生している状態)でローギヤクラッチ
CLの油圧を(ハイギヤクラッチCH側とは無関係に)
急速ドレンを行っているところが従来とは大きく異なる
ところである。これは、発明者等の試験・研究により、
この段階ではハイギヤクラッチCHは既に相当量の容量
を持っており、従って、ここで急速ドレンを行っても2
つのクラッチの合計容量が必要容量に満たない状態にな
って、エンジン吹きが再度発生するということはほとん
どないという知見が得られたためである。
【0052】なお、所定値S2 はS1 と零との間であれ
ば、設計思想に応じて適宜に設定されてよい。所定値S
2 がS1 に近ければ近いほど変速時間は短縮できるよう
になるが、一方、それだけ再度エンジン吹きが発生する
確率も高くなることになる。
【0053】図4において、時刻t9 にてローギヤクラ
ッチCLの油圧を急速ドレンを行った場合の特性を太
線、行わなかった場合の特性を細線で示す。
【0054】急速ドレンを行った場合(太線)には、時
刻t9 にて低速段側デューティ比を0%(完全ドレン)
状態にする。それに伴い、ローギヤクラッチCLの油圧
は、(ドレンなので)若干のみの遅れをもって時刻t10
でほぼ完全ドレン状態であるPlo2となる。時刻t9
から時刻t10までが引摺り状態(弱いタイアップ状態)
に相当し、その時間はT7 である。
【0055】一方、急速ドレンを行わず、例えば従来の
ように、エンジン吹き量(本実施形態ではクラッチスリ
ップ量Sc)が収まる(零になる)まではフィードバッ
ク制御をし、エンジン吹き量が零になってから時刻t11
にて低速段側デューティ比を0%(完全ドレン)とした
場合(細線)は、時刻t12でローギヤクラッチCLの油
圧がドレン状態のPlo2となる。この場合タイアップ
状態(時刻t11から時刻t12)の時間はT8 となる。
【0056】結局、時刻t9 において、急速ドレンを行
った場合と行わなかった場合とでは、引摺り区間がT7
<T8 となり、急速ドレンを行うことにより、引摺り区
間(時間)が減少され、クラッチ引摺り状態の発生に伴
う変速ショックを低減でき、又、全体の変速時間の短縮
も達成できる。ここまでクラッチツウクラッチの実質的
な掴み替えが終了する。
【0057】図3に戻る。ハイギヤクラッチCHは、時
刻t17でタービン回転速度NTが低速段側同期回転速度
より所定値α以上小さくなったことにより、イナーシャ
相の開始が検出されると、該タービン回転速度NTが、
高速段同期回転速度付近になるまで所定の速度で低下す
るようにフィードバック制御し(期間T3)、高速段側
デューティ比を上昇させていく。
【0058】最終的には、タービン回転速度NTが高速
段同期回転速度と略同一になり(時刻t18)、それから
回転同期判定タイマT4が経過する時刻t19までフィー
ドバック制御を続け、更に所定時間T5(ドレン完了タ
イマ)が経過した時刻t20をもって変速完全終了時と判
断する。以後は高速段側デューティ比を100%、低速
段側デューティ比を0%に固定する。
【0059】この実施形態に係わる速度制御では、この
他、幾つかの工夫が施されている。
【0060】図5の(A)は、フィードバック制御開始
付近の従来の特性を定性的に示したものである。前述し
たように、時刻t4 にて低速段側デューティ比が減少を
始めるが、ローギヤ側クラッチCLの油圧は油圧の応答
の遅れにより、時間T6 を経過した時刻t5 から減圧を
開始する。一方、ローギヤクラッチCLのデューティ比
は、クラッチスリップ量Scが所定値S1 を超えたこと
が検出されてから、クラッチスリップ量ScをS1 に維
持するように時刻t8 よりフィードバック制御される。
このフィードバック制御は、減圧し過ぎたためにクラッ
チスリップ量Scが所定値S1 を超えたことをトリガと
して開始されるものであるため、開始直後は減圧を中止
(多くの場合増圧に転換)する制御となる。
【0061】しかし、実際には図5の(A)で示すよう
に、油圧の応答の遅れにより、ローギヤクラッチCLの
油圧はフィードバック開始時期である時刻t8 を過ぎて
も、しばらくは減圧が続き、油圧がアンダーシュートし
てしまう(D部)。そのことにより、スリップ量Scの
増大を引き起こし、低速段側デューティ比のフィードバ
ック制御に悪影響を与えてしまう。又、ローギヤクラッ
チCLの油圧のアンダーシュートが大きくなるため、こ
れから回復する際に、減圧方向からそれだけ急に増圧方
向へと変化するので、大きな変速ショックを引き起こす
可能性がある。そこで、油圧の応答の遅れによる油圧の
アンダーシュートを防止するために、クラッチスリップ
量が所定値S1を超えたことが検出された時点である時
刻t8 において、フィードバック制御を開始する初期油
圧指示値(時刻t8 の直後における低速段側クラッチの
デューティ比)を、そのとき現に出力されていた油圧指
示値(時刻t8 における低速段側クラッチのデューティ
比)より油圧の応答遅れT6に相当する分の所定値βだ
け高く設定するようにする。このようにすることで、図
5(B)に示すように、ローギヤクラッチCLの油圧の
アンダーシュートの発生を効果的に抑えることができる
(図5(B)のE部)。又、そのアンダーシュートを抑
えることによって、クラッチスリップ量Scの増大を抑
えることができ、変速ショックの低減を低減できると共
に、多くの場合、変速時間の短縮も同時に達成できる。
【0062】なお、前記所定値βは、ローギヤクラッチ
CL油圧がアンダーシュートしないように実験データ等
で値を予め設定しておいてもよい。又、車両の走行状況
の変化等により、仮に油圧のバランスが崩れアンダーシ
ュートが発生してしまった場合には、より適正な所定値
βを決めるべく、学習機能を持たせてもよい。
【0063】図6は、フィードバック制御中における特
性を別の観点で定性的に示した図である。クラッチスリ
ップ量ScのFで表わされるグラフ線は、実際に検出さ
れているクラッチスリップ量Scの検出値(即値)であ
る。このクラッチスリップScにおける初期の振動が大
きいのは、それまで大きくスリップしていたローギヤク
ラッチCLがフィードバック制御の開始によって再係合
方向に変換されるため、ローギヤクラッチCLあるいは
それに接続されている軸等がねじれと解放を繰り返すた
めである。
【0064】そのため、第2変速制御手段によるフィー
ドバック制御を実行する際の指標となるスリップ量Sc
として、検出値をそのまま用いると適正なフィードバッ
ク制御を行うことができない恐れがある。そこで、フィ
ードバック制御の指標となるスリップ量Scとして実際
の検出値(グラフF)をなました値(グラフf)を用い
ることにする。そのようにすることによって低速段側デ
ューティ比は、クラッチスリップ量のなました値から偏
差量を算出することで、gで示すように滑らかなグラフ
(なまし無しはG)となることで、フィードバック制御
の安定化が図れる。
【0065】なお、なました値とは、例えば前何回かの
検出値の加重平均を取ってもよいし、振動の一次遅れか
ら求めた値でもよく、要するに図6で示すように振動す
るグラフを滑らかにした値であればよい。
【0066】図7は、第2変速制御手段によるフィード
バック制御におけるスリップ量Scが、所定値S1 を下
回ったときにおけるフィードバックゲイン(偏差量)を
大きくとった場合の制御例を示した図である。前述した
ように、スリップ量Scは時刻t8 で所定量S1 に達
し、ハイギヤクラッチCHが容量を持ち始める時刻t9
までは所定値S1 に維持されるようになっている。「フ
ィードバックゲインを、スリップ量Scが所定値S1 よ
り小さいときは、大きいときよりも大きく設定する」と
いうのは、スリップ量Scが所定値S1 より大きいとき
はゆっくり(小さく)と増圧し、所定値S1 より小さい
ときは速く(大きく)減圧するということである。その
結果、例えば時刻t8 からt9 までの間に、即ちハイギ
ヤクラッチCHが未だ十分容量を持っていないときに、
破線で示すように何等かの原因でスリップ量ScがS1
を下回ったときは、若干の下廻りに対して大きく減圧さ
れるので、該減圧によりスリップ量Scを所定値S1 に
直ぐに戻す(維持する)ことができる。
【0067】一方、ハイギヤクラッチCHが容量を持ち
始めた時刻t9 ′以降では、クラッチスリップ量Scは
所定値S1 に維持されることができなくなって降下を始
めるが、この場合は、ハイギヤクラッチCHは十分に容
量を持ってきているので、減圧してもスリップ量Scは
所定値S1 には戻れない。従って、所定値S1 に維持し
ようとする第2変速制御手段によるフィードバック制御
の機能により、ローギヤクラッチCLの油圧はどんどん
減圧されるが、そのときのフィードバックゲインが大き
く設定されていることから、ローギヤクラッチCLの油
圧は急速ドレンされる所定値S2 に向かって一層速い速
度で降下できるようになる。
【0068】ここで、スリップ量Sc、低速段側デュー
ティ比、ハイギヤ、ローギヤクラッチCH、CLの油圧
において、所定値S1 より小側のフィードバックゲイン
を大きくしたときを太線で示し、フィードバックゲイン
を一定のままのときを細線で示す。
【0069】フィードバックゲインを一定の状態で行っ
た場合(細線)、スリップ量Scが時刻t9 ′で所定値
S1 を下回った後、時刻t11で実質ドレンに達するまで
に時間T11を要し、引摺り区間T12もそれだけ長くなっ
ている。
【0070】一方、所定値S1 を下回ったときのフィー
ドバックゲインを大きくとった場合(太線)、スリップ
量Scが時刻t9 ′で所定値S1 を下回った後、時刻t
13で実質ドレンに達するまで時間T13しかかかっておら
ず、引摺り区間T14も短く済んでいる。
【0071】即ち、スリップ量Scが所定値S1 を下回
ったときのフィードバックゲインを大きくとることによ
り、それだけ引摺り区間を短縮でき(T12>T14)、変
速ショックの低減と変速時間の短縮を達成できる。
【0072】なお、ここでいう「フィードバックゲイン
を大きくする」という概念には、文字通り「偏差に対す
る(狭義の)ゲインを大きくする」ことの他、「狭義の
ゲイン自体は同一とし、検出された偏差の方に対し、こ
れに所定値を掛けたり、加えたりする操作を行う」もの
も含まれるものとする。
【0073】図8はクラッチツウクラッチ変速が実行さ
れている途中に、アクセルペダルを踏み込んだ場合の制
御を表わした図である。図に示すように、時刻t21にお
いてアクセルが踏み込まれる(スロットル開度が更に開
けられる)と、スリップ量Scは一時的に大きくなる
が、所定値S1に維持しようとする(スリップ量Scを
抑える)ため、ローギヤクラッチCLの油圧は図のHで
示すように増圧を急速に行い、出力軸トルクを急激に盛
り上がらせてしまう。
【0074】この出力軸トルクの急激な盛り上がりを解
消するために、アクセルペダルの踏み込み量(本実施形
態ではスロットルを更に開の方向)の変更があった場合
には、これに伴って所定値S1 及び所定値S2 のうち、
少なくとも一方の値(本実施形態ではS1 のみ)を変更
することにする。このように、所定値S1 を適正に変更
した所定値をN1 とし、その変更に伴って変更されるも
のを図9に太線で示す。又、所定値を一定としたまま、
アクセル操作があった場合を細線で示す。
【0075】このように所定値S1 を適正な所定値N1
に変更することにより、スリップ量Scを制御すること
によって出力軸トルクの急激な盛り上がりを、図9のJ
で示すように抑えることができる。この結果、わずかに
変速時間が長くなるが、大きく変速ショックを抑えるこ
とができ、又、各クラッチや部品等に苛酷なトルクを掛
けることなく、スムーズな変速が可能になる。
【0076】ところで、前述したように、フィードバッ
ク制御実行中にハイギヤクラッチCHは容量を持ち得る
ぎりぎりの値(直ぐに係合を始められる状態)にあるの
で、スリップが未だ発生している状態(なぜならばS2
>0)で急速ドレンを実行してもスリップ量Scが再び
上昇を開始する可能性が極めて低い。しかし、スリップ
量Scが再び第1の所定値S1 以上になったことが検出
される場合もあると考えられ、そのような場合には、以
降第2変速制御手段と第2検出手段と、第3変速制御手
段による同一作業を繰り返すように設定しておくとよ
い。このことにより、クラッチのつかみ替えタイミング
が予定より大きくずれた場合でも、スリップ量Scが異
常に増大してエンジンが大きく吹き上がることはない。
【0077】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、低速段側クラッチを解放させるための油圧低下を、
高速段側クラッチを係合させるための油圧上昇より相対
的に速い速度で実行することにより、スリップ現象を発
生させ、そのスリップ現象を零ではない所定量(所定
値)以下になった場合に、低速段側クラッチの油圧を急
速ドレンすることにより、低速段側クラッチと高速段側
クラッチの同時係合による引摺り状態を防止することが
でき、変速制御にかかる時間が短縮され、且つ変速ショ
ックを緩和することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された自動変速機を表わす概略構
成図
【図2】上記自動変速機における係合側クラッチの周辺
を示す油圧制御回路
【図3】上記自動変速機におけるアップシフトの変速タ
イムチャート
【図4】図3における主要部の詳細図
【図5】図3における油圧の応答の遅れを明確に表わす
【図6】図3における主要部の制御値をなました図
【図7】フィードバック制御におけるフィードバックゲ
インを大きくとった場合の制御例を表わす図
【図8】アクセルを踏み込んだ場合の制御を表わす図
【図9】第2検出手段が再度検出した場合の制御を表わ
す図
【符号の説明】
2…トルクコンバータ 4…変速部 10…エンジン出力軸 12…ポンプ 14…一方向クラッチ 15…ケース 16…ステータ 18…タービン 20…変速機入力軸 22…ハイギヤ対 24…ローギヤ対 26…変速機出力軸 30…油圧制御装置 40…コンピュータ 50…各種センサ群 60…デューティソレノイドバルブ CH…ハイギヤクラッチ CL…ローギヤクラッチ 62…油圧室 63…ピストン 66…クラッチ板 68…相手側クラッチ板 Phi…ハイギヤクラッチの油圧 Plo…ローギヤクラッチの油圧 PL…ライン圧

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】低速段側クラッチの解放及び高速段側クラ
    ッチの係合によるクラッチツウクラッチのパワーオンア
    ップシフトを実行する自動変速機の変速制御装置におい
    て、 前記パワーオンアップシフトを実行すべき判断があった
    ことを検出する手段と、 該判断があったときに、 前記低速段側クラッチを解放させるための油圧低下を、
    前記高速段側クラッチを係合させるための油圧上昇より
    相対的に速い速度で実行することにより、自動変速機の
    入力軸回転速度が低速段同期回転速度より高くなるスリ
    ップ現象を発生させる第1変速制御手段と、 該スリップ現象におけるスリップ量が、第1所定値S1
    (S1>0)以上になったことを検出する第1検出手段
    と、 該第1検出手段によりスリップ量が第1所定値S1以上
    になったことが検出されたときに、低速段側クラッチの
    油圧を、スリップ量が該第1所定値S1に維持されるよ
    うにフィードバック制御する第2変速制御手段と、 該第2変速制御手段によるフィードバック制御実行中
    に、前記スリップ量が第2所定値S2(S1>S2>
    0)以下になったことを検出する第2検出手段と、 該第2検出手段によりスリップ量が第2所定値S2以下
    になったことが検出されたら、低速段側クラッチの油圧
    を急速ドレンする第3変速制御手段と、 を備えたことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記第2変速制御手段によるフィードバック制御を実行
    している間、高速段側クラッチの油圧を、該高速段側ク
    ラッチが容量を持ち得るぎりぎりの値に維持することを
    特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  3. 【請求項3】請求項1において、 前記第2変速制御手段によるフィードバック制御を開始
    するときの初期油圧指示値を、前記第2検出手段による
    検出が行われたときに現に出力されていた油圧指示値よ
    り高く設定することを特徴とする自動変速機の変速制御
    装置。
  4. 【請求項4】請求項1において、 前記第2変速制御手段によるフィードバック制御を実行
    する際の指標となるスリップ量として、実際に検出され
    たスリップ量をなました値を用いることを特徴とする自
    動変速機の変速制御装置。
  5. 【請求項5】請求項1において、 前記第2変速制御手段によるフィードバック制御におけ
    るフィードバックゲインを、スリップ量が前記第1所定
    値S1より小さいときには、大きいときより大きく設定
    することを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  6. 【請求項6】請求項1において、 当該クラッチツウクラッチ変速が実行されている途中に
    アクセルペダル踏込量の変更があったときは、これに伴
    って前記第1所定値S1及び第2所定値S2のうち、少
    なくとも一方の値を変更することを特徴とする自動変速
    機の変速制御装置。
  7. 【請求項7】請求項1において、 前記第3変速制御手段による低速段側クラッチの完全ド
    レンを行った後、入力軸回転速度のスリップ量が再び前
    記第1所定値S1以上になったことが前記第1検出手段
    によって検出されたときは、以降第2検出手段、第2、
    第3変速制御手段による同一作業を繰り返すことを特徴
    とする自動変速機の変速制御装置。
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