JPH11181353A - 着色薄膜形成用塗布液 - Google Patents

着色薄膜形成用塗布液

Info

Publication number
JPH11181353A
JPH11181353A JP35673297A JP35673297A JPH11181353A JP H11181353 A JPH11181353 A JP H11181353A JP 35673297 A JP35673297 A JP 35673297A JP 35673297 A JP35673297 A JP 35673297A JP H11181353 A JPH11181353 A JP H11181353A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
thin film
metal
alkoxide
salt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP35673297A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenichi Fujita
賢一 藤田
Hiromitsu Takeda
広充 武田
Kenji Adachi
健治 足立
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Mining Co Ltd filed Critical Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Priority to JP35673297A priority Critical patent/JPH11181353A/ja
Publication of JPH11181353A publication Critical patent/JPH11181353A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Filters (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属塩を用いた熱分解法と、安価なアルコキ
シドを用いたゾルゲル法とを融合し、金属塩の酸化に伴
って発現する着色効果を損なうことなく耐摩耗性や耐薬
品性の強い着色薄膜が形成される着色薄膜形成用塗布液
を提供する。 【解決手段】 Cuの塩、Mnの塩、Fe、Ru、C
o、Ni、Alの群から選ばれる金属の塩の1種以上、
及び、Si、Ti、Al、Zrの群から選ばれる金属ア
ルコキシドの加水分解重合物の1種以上を溶媒中に含む
着色薄膜形成用塗布液であって、該金属アルコキシドの
加水分解重合物が、ポリスチレン換算の重量平均分子量
で3000以上の重合体である着色薄膜形成用塗布液。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可視光領域に吸収
特性を有する着色薄膜を形成するために用いる、着色薄
膜形成用塗布液に関し、より詳しくは、金属塩の酸化に
伴って発現する着色効果を損なうことなく耐摩耗性や耐
薬品性の強い着色薄膜が形成できる着色薄膜形成用塗布
液に関する。
【0002】
【従来の技術】可視光領域に特徴的な吸収をもつ無機材
料として遷移金属の酸化物が知られている。遷移金属の
酸化物では、遷移金属に酸素が配位して遷移金属のd軌
道がいくつかのエネルギー準位に分裂している。このと
きの軌道内の電子遷移エネルギーは1〜3eVで、これ
がちょうど可視光領域の光エネルギーと一致し、可視光
領域で特徴的な着色が生じる。また、2種類以上の遷移
金属の複合酸化物も同様の原理から可視光領域の光の吸
収が生じる。
【0003】遷移金属の酸化物や、2種類以上の遷移金
属の複合酸化物を用いた着色薄膜を透明ガラス板に被膜
して、可視光の透過率を下げることが工業的に行われて
いる。例えば、自動車や住宅の窓のプライバシー保護ガ
ラスとして利用する、太陽光線を遮断し、熱線や紫外線
遮蔽として利用する、等である。着色薄膜を被覆したガ
ラスを住宅やビル、自動車の窓として使用するために
は、膜の耐摩耗性や、耐薬品性等の高い耐久性能が必要
である。
【0004】このような膜の形成方法としては、真空蒸
着法、スパッタリング法、CVD法等の乾式法がある
が、これら乾式法は大掛かりな装置を必要とし膜形成に
コストがかかり、工業的に魅力が少ない。
【0005】一方、成膜方法が簡便で大掛かりな装置を
必要とせず、安価に薄膜を形成する方法として、金属塩
等の原料を溶液中に溶解して、これを基材に塗布後、高
温で熱処理し、金属酸化物膜を得るという、熱分解法が
知られている。この熱分解法により安価な着色薄膜の形
成は可能であるが、前述したような実用性を考えると、
膜の耐摩耗性や耐薬品性等の点で十分ではない。
【0006】また、熱分解法以外で、成膜方法が簡便で
大掛かりな装置を必要とせず、安価に薄膜を形成する方
法としては、ゾルゲル法が知られている。このゾルゲル
法は、金属アルコキシドを加水分解させ、さらにそれら
を重合させることにより金属原子と酸素原子の3次元的
なネットワークを形成する。さらに、この反応を進めて
ゲル化させ、できた多孔質のゲルを加熱して、ガラスや
酸化物多結晶体を作るという方法である。
【0007】このゾルゲル法の特徴の1つは、低温合成
が可能な点であり、特にSiのアルコキシドを用いたシ
リカガラスの低温合成は、プラスチック等の表面のハー
ドコート膜として広く実用化されている。しかし、一般
的に安価でかつ比較的取り扱いやすいSi、Ti、A
l、Zr等のアルコキシド以外の金属アルコキシドは、
高価で取り扱いにくく、遷移金属のアルコキシドを用い
て着色薄膜を形成するのは、汎用性のある一般的な方法
とはいえない。
【0008】また、熱分解法とゾルゲル法の優れた点同
士を融合して、着色力が大きく、簡便に耐摩耗性や耐薬
品性の高い着色薄膜を形成することを目的とした塗布液
が考案されている。これは、耐摩耗性や耐薬品性の高い
Siの酸化物膜をゾルゲル法で形成し、同時に、着色成
分である遷移金属酸化物を熱分解法で生成させる方法で
ある。この場合、塗布液中には、着色成分として目的に
応じて数種の遷移金属の硝酸塩や硫酸塩を溶媒に溶解さ
せた溶液に、例えばSiアルコキシドを添加し混合す
る。
【0009】この金属塩溶液とアルコキシド加水分解物
の混合溶液を塗布後加熱すると、まずSi−O−Siの
分子構造をもつ多孔質のゲルが生成する。これを更に加
熱するとゲルの細孔中に存在する金属イオン同士は、熱
により結晶化して析出し、着色成分となる。この結果、
着色したシリカガラス膜となり、耐摩耗性や耐薬品性に
優れた着色薄膜が可能となる。
【0010】しかしながら、更に耐摩耗性や耐薬品性を
向上させるために、金属アルコキシドの添加量を増加さ
せると、着色が極端に弱まり、透過率が高くなるととも
に、黄色みを帯びるなど、着色成分本来の色調が実現さ
れないという問題があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題を解決するためのもので、金属塩を用いた熱分解法
と安価なアルコキシドを用いたゾルゲル法とを融合した
着色薄膜形成に供する塗布液であって、金属塩の酸化に
伴って発現する着色効果を損なうことなく耐摩耗性や耐
薬品性の強い着色薄膜が形成される着色薄膜形成用塗布
液を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】発明者らは、上記従来の
課題を解決するため、塗布液の構成成分である金属アル
コキシドの加水分解条件や重合度に着目し、種々実験検
証の結果、アルコキシド含有量を増やしても十分な着色
力が得られ、耐摩耗性や耐薬品性が更に優れた着色膜の
得られる塗布液を完成するに至った。
【0013】即ち、本発明の着色薄膜形成用塗布液は、
Cuの塩、Mnの塩、Fe、Ru、Co、Ni、Alの
群から選ばれる金属の塩の1種以上、及び、Si、T
i、Al、Zrの群から選ばれる金属アルコキシドの加
水分解重合物の1種以上を溶媒中に含む着色薄膜形成用
塗布液であって、該金属アルコキシドの加水分解重合物
が、ポリスチレン換算の重量平均分子量で3000以上
の重合体であることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の着目点は、熱分解成分
と、ゾルゲル成分を含む塗布液を用いて、耐久性の高い
遷移金属酸化物の着色膜を得るために、ゾルゲル成分を
構成する金属アルコキシドの加水分解重合物の重合度を
制御したことにある。重合度の制御により、遷移金属酸
化物の着色力を低下させることなくアルコキシドの加水
分解重合物の添加量を増加させることが可能となり、耐
久性の向上した着色膜が得られる。
【0015】本発明の塗布液に用いるCuの塩、Mnの
塩、Fe、Ru、Co、Ni、または、Alの金属塩
は、塗布液とする溶媒成分に溶解するものであれば特に
限定されない。取り扱い易さや価格の面からは、硝酸塩
が適当である。
【0016】金属塩は予め溶媒中に溶解して金属塩溶液
とするが、このとき塩の溶解を促進させるために加熱し
てもよい。
【0017】塗布液の溶媒、または、必要によって濃度
調整に用いる希釈液は、アルコキシドの加水分解重合物
溶液や、金属塩溶解液と相溶性があり、均一に塗布可能
な物質であればいかなるものでも良い。但し、加熱時に
ムラのない膜質に仕上げるためには、低級アルコールの
ような低沸点の溶媒よりも、やや沸点の高い溶媒を用い
ることが好ましい。
【0018】具体的には、ジアセトンアルコール、N−
メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチル
フォルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド、エ
チルセロソルブ、エチレングリコール、エチレングリコ
ールオリゴマー、ポリエチレングリコール#300(平
均分子量300)、ポリエチレングリコール#400
(平均分子量400、これ以上の平均分子量をもつポリ
エチレングリコールも使用可能である)、プロピレング
リコール、プロピレングリコールエチルエーテル、プロ
ピレングリコールメチルエーテルアセテートなどが挙げ
られ、単独もしくは2種類以上混合して用いることがで
きる。
【0019】ここに示した溶剤以外の使用も可能であ
り、上記に限定されるものではない。また、エチレング
リコールオリゴマーは、平均分子量で規定したポリエチ
レングリコールが市販されており、平均分子量400以
上のオリゴマーを用いても十分効果は得られる。
【0020】膜の耐摩耗性や耐薬品性を上げるために添
加する金属アルコキシド加水分解重合物の原料となる金
属アルコキシドは、取り扱いやすさや、コスト、耐摩耗
性や耐薬品性から考えて、Si、Ti、Al、Zrの各
アルコキシドが適当である。
【0021】アルコキシドの加水分解及び縮重合方法
は、金属アルコキシドとアルコールを混合し、加水分解
に必要な水を添加し、さらに、触媒としての酸、また
は、アンモニアをアルコール溶液、または、水溶液とし
て添加混合し、加水分解および縮合反応を進める。
【0022】ここで加水分解に必要な水は、アルコキシ
ドのアルキル基と同モル以上の量が存在することが好ま
しい。また、触媒に使用する酸の添加量は、アルコキシ
ド1モルに対して0.001〜0.1モルが好ましい。
触媒をあまり多量に添加すると反応が急激に進行してゲ
ル化してしまう恐れがあり、少なすぎると反応が遅く完
全な加水分解が行われないからである。
【0023】また、一部のアルコキシドを加水分解せず
に塗布液に添加することも可能であるが、塗布したとき
に、「ハジキ」や「スジムラ」を生ずるなど一般的に塗
布状態に悪影響を及ぼすことが多く、加水分解を進めた
状態で使用することが好ましい。
【0024】このようにして得られたアルコキシドの加
水分解重合物と、金属塩溶液を混合し塗布液とする。こ
のとき、塗布液中の金属イオン(金属塩からのイオン)
量に対するアルコキシドの加水分解物(以下、「バイン
ダー」という)の量が多いほど塗膜の耐摩耗性や耐薬品
性は向上する。またバインダーの量が多いほど同量の金
属イオン濃度に対する膜厚が増加するので、膜の反射光
の干渉色制御等が容易となる。
【0025】しかしバインダーを多量に添加すると、膜
の着色力が極端に低下し、また色調も黄色みを帯びるな
ど不安定となる。多量にバインダーを添加し安定な発色
を得るためにはバインダーの重合度を増加させれば良
い。例えばシリケートをバインダーに用いた場合、発色
が安定な領域のバインダー添加量は、ポリスチレン換算
の重量平均分子量(以下、「Mw」という)=2500
のシリケート加水分解重合物に比べて、Mw=8000
0に重合度を上げたものは、金属イオンに対して1.5
倍程度の添加が可能である。
【0026】バインダーを多量に添加すると発色安定性
および吸光度が低下する原因について詳しいことは明ら
かではないが、以下のように解釈できる。塗布膜の加熱
に際しては、バインダーのアルコキシド加水分解重合物
の重合が更に進んで行くが、着色成分の金属イオンはこ
のときバインダーの加水分解重合物のネットワーク中に
部分的に取り込まれる。また、バインダーのネットワー
クに取り込まれた金属イオンは、加熱しても酸化物とし
て結晶化・析出しないので、その分、膜の吸光度は低減
する。さらに、ネットワーク中に取り込まれた金属イオ
ンは、加熱処理後もアモルファスネットワーク中で結晶
化せずに存在し、結晶化状態と異なるイオン状態をとる
ために、その発色が変化し、膜全体の発色安定性および
吸光度が低下する、と考えられる。
【0027】複数の金属からなる複合酸化物を生成しよ
うとしたとき、上記のように金属イオンが取り込まれる
と、組成ずれも生じ、さらに安定した特性が得られにく
い。
【0028】バインダーを増加させ、しかも安定した発
色成分酸化物を生成させるためには、バインダーの加水
分解重合物の重合度を上げる操作をする。この場合、ネ
ットワークの末端基数が減少するために、ネットワーク
に取り込まれる金属イオンの量が減少し、その為にバイ
ンダー量を増加しても安定な吸光度と発色性をもつ膜が
得られる。
【0029】ここで、バインダーの重合度を上げる方法
は、どのような方法でも差し支え無く、特に限定するも
のではない。例えば重合反応時の反応温度を上げる、反
応時間を延ばす、触媒の添加量を増やす、といった操作
が一般的に挙げられる。
【0030】本発明における塗布液の塗布方法は、特に
限定されるものではない。例えばスピンコート法、スプ
レーコート法、ディップコート法、スクリーン印刷法、
グラビアコート法等、塗布液を平坦にかつ薄く均一に塗
布できる方法であればいかなる方法でも良い。
【0031】基体上に塗布された塗膜は、400℃以上
の温度で加熱することにより着色成分である金属イオン
の結晶化がおこり、酸化物として生成することで着色膜
となる。バインダーについても、400℃以上の温度は
重合完結温度を超えており、十分に緻密なマトリクスを
形成して耐摩耗性や耐薬品性の高いバインダーとなる。
400℃以下の温度では、金属イオンの結晶化が不十分
であり安定した着色膜は得にくい。
【0032】加熱温度の上限は、基材の耐熱温度により
決定され、例えば、ソーダライムガラスであれば、65
0℃〜700℃まで加熱することができ、より高温で加
熱することでバインダーの緻密化も進行し、耐摩耗性や
耐薬品性も向上する。
【0033】本発明の塗布液を、基体上に塗膜し200
℃〜300℃の温度で乾燥させ、更に同種類もしくは多
種類の塗布液を塗布しこれを繰り返すことで多層膜構造
として着色薄膜を得ることも可能である。
【0034】また、本塗布液を塗布・加熱して着色膜を
形成した後で、バインダーのみの塗布液を最表面にコー
トし、バインダーの重合完了温度以上の温度で加熱する
ことで耐摩耗性や耐薬品性の更に優れた塗膜を形成する
ことも可能である。
【0035】
【実施例】以下に本発明の実施例を示し、本発明を具体
的に説明するが、本発明の範囲はこれに限定されるもの
ではない。
【0036】表1に、実施例1〜実施例13、比較例1
〜比較例4の塗布液組成と、スピン塗布時の回転数を示
す。塗布液の調合は、以下の手順により行なった。
【0037】実施例1〜実施例12、比較例1〜比較例
4では、テトラエトキシシラン(TEOS;多摩化学工
業株式会社製)50gとエタノール5gの混合溶液に、
水25gとエタノール8gと5%の硝酸水溶液12gの
混合液を添加し攪拌した。得られたシリケートの分子量
をゲル浸透クロマトグラフィーによって測定したら、ポ
リスチレン分子量換算で、Mw=2523であった。
(A液)。
【0038】次に、時効保持によってこのシリケートの
重合反応を促進させ、Mw=85264とした(B
液)。
【0039】表1の組成比になるように金属塩(硝酸
塩)を秤量し、この金属イオン濃度(着色成分の金属イ
オン濃度)が7重量%となるように、表1中の溶剤1に
溶解した。これに表1の組成比となるようにバインダー
(A液もしくはB液)を添加し、更に表1中に示した塗
布液の着色成分の金属イオン濃度となるように溶剤2で
希釈した。これを十分攪拌して塗布液とした。
【0040】この溶液15gを表1に示された回転数で
回転する150×150×3.5mmのソーダライムガ
ラス基板上にビーカーから滴下し、そのまま1分間振り
切った後回転を止めた。これを300℃で30分乾燥さ
せ、その後セラミックボード上に水平に置いて650℃
で2分間焼成し目的とする膜を得た。
【0041】実施例13では、表1の実施例1の塗布液
を用いて実施例1と同様の方法により成膜乾燥を行い、
室温まで冷却し、さらにこの乾燥塗膜上に、上記A液を
DAAで希釈してSiO2濃度1.5%とした塗布液1
5gを、1000回転で回転する乾燥塗膜上にスピンコ
ートし、300℃で30分乾燥させ、その後650℃で
2分間焼成し目的とする膜を得た。
【0042】
【表1】
【0043】表1中、1)「DMF」は、N,N−ジメ
チルフォルムアミド、2)「NMP」は、N−メチル−
2−ピロリドン、3)「PEG#400」は、ポリエチ
レングリコール(平均分子量400)、4)「DAA」
は、ジアセトンアルコール、5)「TEG」は、テトラ
エチレングリコール、6)「PG」は、プロピレングリ
コールである。
【0044】得られた各膜の評価結果を表2に示した。
以下にその評価方法の詳細を説明する。得られた試料の
可視光透過率、可視光反射率はJISのR3106に従
って算出した。試料のヘイズをヘイズメーターで測定し
た。透過色、発色の均一性(色むら、変色傾向)を目視
により観察した。膜の摩耗強度を、テーバー摩耗テスト
(摩耗輪 CS−10F、荷重500g、回転回数50
0回)により試験し、摩耗前後のヘイズ差、可視光透過
率差を測定し、±3以下を「◎」、±15以下を
「○」、±16以上を「×」とした。膜の耐薬品性につ
いては、0.1NのH2SO4、および0.1NのNaO
Hに2時間浸漬させ、前後の可視光透過率差を測定し、
±2%以下を「◎」、±3%以上を「×」とした。
【0045】
【表2】
【0046】表2の実施例1〜13の結果から、Mn、
Fe、Ru、Co、Ni、Cu、Alの群から選ばれる
1種類以上の金属の塩と、溶媒と、バインダーを混合し
た塗布液を基体に塗布することで、簡易に着色膜を形成
できることがわかる。
【0047】表2の実施例1、2、3、4の結果が示す
ように、バインダー濃度を増加させることで膜の摩耗強
度が向上する。また、比較例1のようにバインダー濃度
が低いときや、比較例4のようにバインダーが全く添加
されていないときには、膜の摩耗強度および耐薬品性は
弱い。
【0048】表2の実施例1、2、3、及び、比較例
2、3より、バインダーのシロキサン分子量を上げるこ
とで、バインダー濃度を増加させても安定した発色が得
られ、耐久性の向上に大きく役立つ。
【0049】表2の実施例13より、最上層にSiO2
膜を被膜することで膜の摩耗強度および耐薬品性は向上
する。
【0050】
【発明の効果】以上示したように、本発明による着色膜
形成用塗布液は、簡便で安価な湿式法により着色膜の形
成が可能であり、シリケートの重合度を増加させること
で耐摩耗性や耐薬品性の強い着色薄膜が形成される着色
薄膜形成用塗布液が提供できた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Cuの塩、Mnの塩、Fe、Ru、C
    o、Ni、Alの群から選ばれる金属の塩の1種以上、
    及び、Si、Ti、Al、Zrの群から選ばれる金属ア
    ルコキシドの加水分解重合物の1種以上を溶媒中に含む
    着色薄膜形成用塗布液であって、該金属アルコキシドの
    加水分解重合物が、ポリスチレン換算の重量平均分子量
    で3000以上の重合体である着色薄膜形成用塗布液。
JP35673297A 1997-12-25 1997-12-25 着色薄膜形成用塗布液 Pending JPH11181353A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35673297A JPH11181353A (ja) 1997-12-25 1997-12-25 着色薄膜形成用塗布液

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35673297A JPH11181353A (ja) 1997-12-25 1997-12-25 着色薄膜形成用塗布液

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11181353A true JPH11181353A (ja) 1999-07-06

Family

ID=18450507

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35673297A Pending JPH11181353A (ja) 1997-12-25 1997-12-25 着色薄膜形成用塗布液

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11181353A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5413865A (en) Water-repellent metal oxide film and method of forming same on glass substrate
JP2716302B2 (ja) マイクロピット状表層を有する酸化物薄膜および該薄膜を用いた多層膜、ならびにその形成法
JP3897408B2 (ja) 防曇性コーティング材料、防曇性塗膜および防曇性物品
CN103080254A (zh) 无机氧化物涂层
EP0716051B1 (en) Anti-fogging coating composition, anti-fogging coated article and method for producing same
JPH09113704A (ja) 防曇性反射防止膜、光学部品、及び防曇性反射防止膜の製造方法
EP2009073A1 (en) Non-chromate rust-preventive surface treating agent for metallic member having zinc surface, and metallic member having zinc surface coated with the rust-preventive coating film
JP3456396B2 (ja) 透光性着色膜付きガラス基板の製造方法
JPH11181353A (ja) 着色薄膜形成用塗布液
EP0992555A1 (en) Color coating compositions
WO2014073543A1 (ja) 撥水膜用塗液および撥水膜付き物品
JP3189373B2 (ja) ポリシロキサン複合重合体の製造法
JP2002179794A (ja) 無機高分子化合物の製造方法、無機高分子化合物、および無機高分子化合物膜
JP3865589B2 (ja) 着色膜の形成方法
JP3268012B2 (ja) 撥水性酸化物被膜およびその形成法
JPH03103341A (ja) 近赤外光カットガラス及びその製造方法
US8039111B2 (en) Article with organic-inorganic composite film
JP3183806B2 (ja) ゾルゲル膜およびその形成法
JPS63117074A (ja) コ−テイング用組成物およびその製造方法
TWI396722B (zh) 複合塗料的製備方法
JP2520223B2 (ja) 紫外線吸収被膜形成用塗布液および該塗布液を使用した紫外線吸収ガラス
JPH11286783A (ja) 有機・無機複合体被膜およびその製造方法
JP3988240B2 (ja) 酸化物膜形成用塗布液、酸化物膜形成方法および酸化物膜付き物品
JP2001262009A (ja) 親水性皮膜の形成方法、及び、塗装物品
WO2024049301A1 (en) Thermochromic materials with nanoparticles