JPH11181141A - 発泡性スチレン系樹脂粒子及びこれを用いた発泡成形品 - Google Patents
発泡性スチレン系樹脂粒子及びこれを用いた発泡成形品Info
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- JPH11181141A JPH11181141A JP35592497A JP35592497A JPH11181141A JP H11181141 A JPH11181141 A JP H11181141A JP 35592497 A JP35592497 A JP 35592497A JP 35592497 A JP35592497 A JP 35592497A JP H11181141 A JPH11181141 A JP H11181141A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 容器等に使用した場合に収容される内容物が
容器外壁または成形品内部へ浸透することが少なく、か
つ短時間で成形可能な発泡性スチレン系樹脂粒子及び発
泡成形品を提供する。 【解決手段】 下記式(1)で表される含フッ素ビニル
系単量体および下記式(2)で表されるビニル系単量体
(第1の単量体)を重合させて得られた含フッ素ビニル
系共重合体と、ポリビニルアルコール系樹脂とを含む被
覆物を、発泡性スチレン系樹脂粒子本体の表面に被覆す
る。 【化1】 (式中、RfはCnF2n+1 で表されるフッ化アルキル基
(nは1〜16の整数)、R1は水素または炭素数1〜
18のアルキル基、R2は炭素数1〜10のアルキレン
基、R3は水素又はメチル基をそれぞれ示す。) 【化2】 (式中、R4は水素又はメチル基、R5は炭素数1〜4の
アルキレン基、R6は炭素数1〜4のアルキル基をそれ
ぞれ示す。)
容器外壁または成形品内部へ浸透することが少なく、か
つ短時間で成形可能な発泡性スチレン系樹脂粒子及び発
泡成形品を提供する。 【解決手段】 下記式(1)で表される含フッ素ビニル
系単量体および下記式(2)で表されるビニル系単量体
(第1の単量体)を重合させて得られた含フッ素ビニル
系共重合体と、ポリビニルアルコール系樹脂とを含む被
覆物を、発泡性スチレン系樹脂粒子本体の表面に被覆す
る。 【化1】 (式中、RfはCnF2n+1 で表されるフッ化アルキル基
(nは1〜16の整数)、R1は水素または炭素数1〜
18のアルキル基、R2は炭素数1〜10のアルキレン
基、R3は水素又はメチル基をそれぞれ示す。) 【化2】 (式中、R4は水素又はメチル基、R5は炭素数1〜4の
アルキレン基、R6は炭素数1〜4のアルキル基をそれ
ぞれ示す。)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は発泡性スチレン系樹
脂粒子及びそれを用いた発泡成形品に関する。さらに詳
しくは、浸透性の高い内容物、例えば乳化剤成分と油脂
成分が混在する内容物の容器として使用するのに適した
発泡性スチレン系樹脂粒子及びそれを用いた発泡成形品
に関する。
脂粒子及びそれを用いた発泡成形品に関する。さらに詳
しくは、浸透性の高い内容物、例えば乳化剤成分と油脂
成分が混在する内容物の容器として使用するのに適した
発泡性スチレン系樹脂粒子及びそれを用いた発泡成形品
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に発泡性スチレン系樹脂粒子(単
に、樹脂粒子と称する場合もある。)は、スチーム等に
よって予め予備発泡させて予備発泡粒子となし、この予
備発泡粒子を、小孔を有する金型に充填後、再度加熱す
ることにより所定形状に成形することができる。こうし
て得られた成形品は経済性、軽量性、衛生性などに優れ
た特性を示し、包装材料、断熱材料、容器等として多く
の分野で使用されている。
に、樹脂粒子と称する場合もある。)は、スチーム等に
よって予め予備発泡させて予備発泡粒子となし、この予
備発泡粒子を、小孔を有する金型に充填後、再度加熱す
ることにより所定形状に成形することができる。こうし
て得られた成形品は経済性、軽量性、衛生性などに優れ
た特性を示し、包装材料、断熱材料、容器等として多く
の分野で使用されている。
【0003】ここで、発泡性スチレン系樹脂粒子は、発
泡剤(一般に常温で液体または気体の脂肪族炭化水素、
例えばプロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン等)をス
チレン系樹脂粒子と共に水性媒体中に分散させて、粒子
に発泡剤を含浸させる方法、またはスチレン系樹脂粒子
に対して溶解性を有するトルエン、シクロヘキサン等の
溶剤を少量含有する水性懸濁液中で発泡剤を含浸させる
方法等により製造される。そして、こうして得られた発
泡性スチレン系樹脂粒子は前述の工程を経て成形され
る。
泡剤(一般に常温で液体または気体の脂肪族炭化水素、
例えばプロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン等)をス
チレン系樹脂粒子と共に水性媒体中に分散させて、粒子
に発泡剤を含浸させる方法、またはスチレン系樹脂粒子
に対して溶解性を有するトルエン、シクロヘキサン等の
溶剤を少量含有する水性懸濁液中で発泡剤を含浸させる
方法等により製造される。そして、こうして得られた発
泡性スチレン系樹脂粒子は前述の工程を経て成形され
る。
【0004】しかしながら、得られた成形品は発泡性ス
チレン系樹脂粒子を石垣上に積み重ね、これを発泡圧と
熱によって融着させたものであるため、樹脂粒子同士が
一体化されていない場合がある。その結果、容器として
使用した場合に、収容される内容物の種類によっては、
当該内容物が容器外壁または成形品内部に浸透してくる
おそれがある。このような内容物の浸透性を防止するた
めには、当該内容物が容器内部を浸透する際、道となる
成形品内部の空隙を最小限とする方法、およびこの粒子
表面の表面エネルギー小さくすることにより、浸透する
内容物に対し成形品表面の接触角を大きくする方法を一
般に採ることができる。
チレン系樹脂粒子を石垣上に積み重ね、これを発泡圧と
熱によって融着させたものであるため、樹脂粒子同士が
一体化されていない場合がある。その結果、容器として
使用した場合に、収容される内容物の種類によっては、
当該内容物が容器外壁または成形品内部に浸透してくる
おそれがある。このような内容物の浸透性を防止するた
めには、当該内容物が容器内部を浸透する際、道となる
成形品内部の空隙を最小限とする方法、およびこの粒子
表面の表面エネルギー小さくすることにより、浸透する
内容物に対し成形品表面の接触角を大きくする方法を一
般に採ることができる。
【0005】前者の方法として一般に行なわれているの
は成形時の加熱条件を強化することであり、より欠陥の
少ない成形品とするためには成形温度を低めに設定し、
発泡性スチレン系樹脂粒子を長時間加熱する方法がとら
れている。しかしながら、この方法は発泡性スチレン系
樹脂粒子の成形加熱に長時間を要し、成形工業的には生
産性を著しく低下させるため有用な方法とは言い難い。
は成形時の加熱条件を強化することであり、より欠陥の
少ない成形品とするためには成形温度を低めに設定し、
発泡性スチレン系樹脂粒子を長時間加熱する方法がとら
れている。しかしながら、この方法は発泡性スチレン系
樹脂粒子の成形加熱に長時間を要し、成形工業的には生
産性を著しく低下させるため有用な方法とは言い難い。
【0006】一方、後者の方法としては、予備発泡にお
いて発泡性スチレン系樹脂粒子の集塊化防止のために一
般的に使用されている金属石鹸(カルボン酸塩)の量
を、より多くすることが行なわれている。しかしなが
ら、この方法においても金属石鹸に起因した発泡性スチ
レン系樹脂粒子の融着阻害の性質を発現させないため
に、成形加熱時間を長くする必要があり、やはり工業的
に有用な方法とはいい難い。
いて発泡性スチレン系樹脂粒子の集塊化防止のために一
般的に使用されている金属石鹸(カルボン酸塩)の量
を、より多くすることが行なわれている。しかしなが
ら、この方法においても金属石鹸に起因した発泡性スチ
レン系樹脂粒子の融着阻害の性質を発現させないため
に、成形加熱時間を長くする必要があり、やはり工業的
に有用な方法とはいい難い。
【0007】そこで、より短い成形加熱時間で以て、内
容物の浸透性の少ない発泡性スチレン系樹脂粒子が種々
提案されている。例えば特公昭56−34172号公報
では、表面を蔗糖エステルまたはその誘導体で被覆した
発泡性スチレン系樹脂粒子が、特開平2−88652号
公報では特定のパーフルオロアルキル基含有共重合体等
を被覆層として用いた発泡性熱可塑性樹脂粒子組成物
が、特開平2−115242号公報ではリシノール酸の
金属塩等を含む被覆層を有する発泡性スチレン系樹脂粒
子が、および特開平3−190941号公報では特定の
含フッ素ビニル系単量体と親油性単量体との共重合体で
被覆した発泡性スチレン系樹脂粒子がそれぞれ開示され
ている。また、特開昭62−158730号公報には、
含フッ素ビニル型重合体部分と親水性ビニル型重合体部
分とからなる共重合体が被覆または含有されている発泡
性熱可塑性樹脂粒子が開示されている。
容物の浸透性の少ない発泡性スチレン系樹脂粒子が種々
提案されている。例えば特公昭56−34172号公報
では、表面を蔗糖エステルまたはその誘導体で被覆した
発泡性スチレン系樹脂粒子が、特開平2−88652号
公報では特定のパーフルオロアルキル基含有共重合体等
を被覆層として用いた発泡性熱可塑性樹脂粒子組成物
が、特開平2−115242号公報ではリシノール酸の
金属塩等を含む被覆層を有する発泡性スチレン系樹脂粒
子が、および特開平3−190941号公報では特定の
含フッ素ビニル系単量体と親油性単量体との共重合体で
被覆した発泡性スチレン系樹脂粒子がそれぞれ開示され
ている。また、特開昭62−158730号公報には、
含フッ素ビニル型重合体部分と親水性ビニル型重合体部
分とからなる共重合体が被覆または含有されている発泡
性熱可塑性樹脂粒子が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公昭
56−34172号公報、特開平2−88652号公
報、特開平2−115242号公報および特開平3−1
90941号公報に開示された発泡性スチレン系樹脂粒
子あるいは発泡性熱可塑性樹脂粒子組成物は、一般の水
性(乳化系を含む。)あるいは油性の内容物については
優れた遮蔽性(浸透防止性)を示すことができるもの
の、成形品に加工した際の当該成形品に収容する内容物
の種類によっては浸透防止性能が不十分となるおそれが
あった。すなわち、上述した発泡性スチレン系樹脂粒子
によって成形された容器はその経済性、保温性等によ
り、幅広い用途を持つが、一部の浸透性が高い内容物の
容器等として長期間使用した場合に、当該内容物が浸透
してくるおそれがあった。
56−34172号公報、特開平2−88652号公
報、特開平2−115242号公報および特開平3−1
90941号公報に開示された発泡性スチレン系樹脂粒
子あるいは発泡性熱可塑性樹脂粒子組成物は、一般の水
性(乳化系を含む。)あるいは油性の内容物については
優れた遮蔽性(浸透防止性)を示すことができるもの
の、成形品に加工した際の当該成形品に収容する内容物
の種類によっては浸透防止性能が不十分となるおそれが
あった。すなわち、上述した発泡性スチレン系樹脂粒子
によって成形された容器はその経済性、保温性等によ
り、幅広い用途を持つが、一部の浸透性が高い内容物の
容器等として長期間使用した場合に、当該内容物が浸透
してくるおそれがあった。
【0009】もちろん、特公昭56−34172号公報
等に開示された発泡性スチレン系樹脂粒子は、一部の浸
透性が高い油性の内容物(例えば、乳化剤成分と油脂成
分が混在するカレールウ、機械油等)についても、比較
的長時間加熱成形することにより、優れた遮蔽性(浸透
防止性)を示すことができる。しかしながら、長時間加
熱成形することによる生産性の低下については否めな
い。
等に開示された発泡性スチレン系樹脂粒子は、一部の浸
透性が高い油性の内容物(例えば、乳化剤成分と油脂成
分が混在するカレールウ、機械油等)についても、比較
的長時間加熱成形することにより、優れた遮蔽性(浸透
防止性)を示すことができる。しかしながら、長時間加
熱成形することによる生産性の低下については否めな
い。
【0010】また、特開昭62−158730号公報に
開示された発泡性熱可塑性樹脂粒子は、含フッ素ビニル
型重合体部分と親水性ビニル型重合体部分とからなる共
重合体を用いているが、当該共重合体の原料である含フ
ッ素ビニル型単量体および親水性ビニル系単量体の相溶
性に乏しく、当該共重合体の特性がばらつきやすいとい
う問題が見られた。
開示された発泡性熱可塑性樹脂粒子は、含フッ素ビニル
型重合体部分と親水性ビニル型重合体部分とからなる共
重合体を用いているが、当該共重合体の原料である含フ
ッ素ビニル型単量体および親水性ビニル系単量体の相溶
性に乏しく、当該共重合体の特性がばらつきやすいとい
う問題が見られた。
【0011】したがって、特開昭62−158730号
公報に開示された発泡性熱可塑性樹脂粒子を即席ラーメ
ン等の容器(カップ)に加熱成形した場合には、流通在
庫中に乳化剤成分と油脂成分が混在する油脂分、カレー
成分あるいはスープ成分等の内容物が温度や湿度の影響
をうけて、容器(カップ)の外壁へにじみ出てくるおそ
れがあった。また、機械部品の通い箱として加熱成形し
た場合には、当該通い箱に機械部品を機械油につけた状
態で用いるため、当該通い箱を何度も繰り返して使用す
るうちに、機械油が通い箱の外壁へ浸透してくる場合が
あった。
公報に開示された発泡性熱可塑性樹脂粒子を即席ラーメ
ン等の容器(カップ)に加熱成形した場合には、流通在
庫中に乳化剤成分と油脂成分が混在する油脂分、カレー
成分あるいはスープ成分等の内容物が温度や湿度の影響
をうけて、容器(カップ)の外壁へにじみ出てくるおそ
れがあった。また、機械部品の通い箱として加熱成形し
た場合には、当該通い箱に機械部品を機械油につけた状
態で用いるため、当該通い箱を何度も繰り返して使用す
るうちに、機械油が通い箱の外壁へ浸透してくる場合が
あった。
【0012】すなわち、前述したいずれの特許公報に開
示された発泡性スチレン系樹脂粒子等においても、浸透
性が高い内容物に対する遮蔽性(浸透防止性)と、成形
加熱時間に代表される生産性との兼ね合い(バランス)
において必ずしも満足のいくものではなかった。本発明
は上述の問題に鑑みなされたのであり、特定の一部の浸
透性が高い内容物における容器等に使用した場合であっ
ても、収容される内容物が容器外壁または成形品内部へ
浸透することが少なく、かつ短時間で成形可能なこれら
の特性のバランスに優れた発泡性スチレン系樹脂粒子及
び発泡成形品を提供することを目的とする。
示された発泡性スチレン系樹脂粒子等においても、浸透
性が高い内容物に対する遮蔽性(浸透防止性)と、成形
加熱時間に代表される生産性との兼ね合い(バランス)
において必ずしも満足のいくものではなかった。本発明
は上述の問題に鑑みなされたのであり、特定の一部の浸
透性が高い内容物における容器等に使用した場合であっ
ても、収容される内容物が容器外壁または成形品内部へ
浸透することが少なく、かつ短時間で成形可能なこれら
の特性のバランスに優れた発泡性スチレン系樹脂粒子及
び発泡成形品を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記式(1)
で表される含フッ素ビニル系単量体および下記式(2)
で表されるビニル系単量体(第1のビニル系単量体)を
重合させて得られた含フッ素ビニル系共重合体と、ポリ
ビニルアルコール系樹脂とをそれぞれ含む被覆物を、発
泡性スチレン系樹脂粒子本体の表面に被覆した発泡性ス
チレン系樹脂粒子に関する。
で表される含フッ素ビニル系単量体および下記式(2)
で表されるビニル系単量体(第1のビニル系単量体)を
重合させて得られた含フッ素ビニル系共重合体と、ポリ
ビニルアルコール系樹脂とをそれぞれ含む被覆物を、発
泡性スチレン系樹脂粒子本体の表面に被覆した発泡性ス
チレン系樹脂粒子に関する。
【0014】
【化4】
【0015】(式中、RfはCnF2n+1 で表されるフッ
化アルキル基(nは1〜16の整数)、R1は水素また
は炭素数1〜18のアルキル基、R2は炭素数1〜10
のアルキレン基、R3は水素又はメチル基をそれぞれ示
す。)
化アルキル基(nは1〜16の整数)、R1は水素また
は炭素数1〜18のアルキル基、R2は炭素数1〜10
のアルキレン基、R3は水素又はメチル基をそれぞれ示
す。)
【0016】
【化5】
【0017】(式中、R4は水素又はメチル基、R5は炭
素数1〜4のアルキレン基、R6は炭素数1〜4のアル
キル基をそれぞれ示す。)
素数1〜4のアルキレン基、R6は炭素数1〜4のアル
キル基をそれぞれ示す。)
【0018】このように一部に親水性高分子を含んで発
泡性スチレン系樹脂粒子を構成することにより、親水性
高分子であるポリビニルアルコール系樹脂が接着剤の役
目を果たしているためと推定されるが、優れた内容物の
遮蔽性を保持したまま、浸透性が高い油性の内容物にお
ける容器等に使用した場合であっても、収容される内容
物が容器外壁または成形品内部へ浸透するおそれが著し
く少なくなる。
泡性スチレン系樹脂粒子を構成することにより、親水性
高分子であるポリビニルアルコール系樹脂が接着剤の役
目を果たしているためと推定されるが、優れた内容物の
遮蔽性を保持したまま、浸透性が高い油性の内容物にお
ける容器等に使用した場合であっても、収容される内容
物が容器外壁または成形品内部へ浸透するおそれが著し
く少なくなる。
【0019】また、発泡性スチレン系樹脂粒子を構成す
るにあたり、被覆物中において、含フッ素ビニル系共重
合体100重量部に対して、ポリビニルアルコール系樹
脂を5〜100重量部の割合で含むことが好ましい。こ
のような範囲でポリビニルアルコール系樹脂を被覆物中
に含むことにより、親水性成分や油成分の浸透をより効
率的に防止することができる。したがって、発泡性スチ
レン系樹脂粒子を、浸透性が高い油性の内容物あるいは
乳化剤成分と油脂成分が混在する油性の内容物に対する
容器等に使用した場合であっても、収容される内容物が
容器外壁または成形品内部へ浸透するおそれが少ない。
また、このようなポリビニルアルコール系樹脂の使用量
であれば、予備加熱時には、発泡性スチレン系樹脂粒子
同士が凝集して集塊化するおそれが少ない一方、成形加
熱時には、ポリビニルアルコール系樹脂が接着剤として
の役目を果たし、優れた融着性を示すことが可能とな
る。したがって、内容物の遮蔽性および生産性の効率と
のバランスに優れている観点から、被覆物中におけるポ
リビニルアルコール系樹脂の使用量を、含フッ素ビニル
系共重合体100重量部に対して、10〜90重量部の
範囲内の値とするのが好ましく、25〜75重量部の範
囲内の値とすることがより好ましい。
るにあたり、被覆物中において、含フッ素ビニル系共重
合体100重量部に対して、ポリビニルアルコール系樹
脂を5〜100重量部の割合で含むことが好ましい。こ
のような範囲でポリビニルアルコール系樹脂を被覆物中
に含むことにより、親水性成分や油成分の浸透をより効
率的に防止することができる。したがって、発泡性スチ
レン系樹脂粒子を、浸透性が高い油性の内容物あるいは
乳化剤成分と油脂成分が混在する油性の内容物に対する
容器等に使用した場合であっても、収容される内容物が
容器外壁または成形品内部へ浸透するおそれが少ない。
また、このようなポリビニルアルコール系樹脂の使用量
であれば、予備加熱時には、発泡性スチレン系樹脂粒子
同士が凝集して集塊化するおそれが少ない一方、成形加
熱時には、ポリビニルアルコール系樹脂が接着剤として
の役目を果たし、優れた融着性を示すことが可能とな
る。したがって、内容物の遮蔽性および生産性の効率と
のバランスに優れている観点から、被覆物中におけるポ
リビニルアルコール系樹脂の使用量を、含フッ素ビニル
系共重合体100重量部に対して、10〜90重量部の
範囲内の値とするのが好ましく、25〜75重量部の範
囲内の値とすることがより好ましい。
【0020】また、発泡性スチレン系樹脂粒子を構成す
るにあたり、使用するポリビニルアルコール系樹脂の鹸
化度(JIS K 6726に準拠)を、70〜99.
9mol%の範囲内の値とするのが好ましい。ポリビニ
ルアルコール系樹脂の鹸化度がこのような範囲内の値で
あれば、より効率的に油成分等の浸透を防止して、浸透
性が高い油性の内容物における容器等に使用した場合で
あっても、収容される内容物が容器外壁または成形品内
部へ浸透するおそれがより少なくなる。また、このよう
な範囲の鹸化度であれば、優れた内容物の遮蔽性を保持
したまま、短時間で成形可能な発泡性スチレン系樹脂粒
子及び発泡成形品を提供することが可能となる。さら
に、ポリビニルアルコール系樹脂の鹸化度がこのような
範囲内の値であれば、発泡性スチレン系樹脂粒子本体と
の密着力をより向上させることもできる。したがって、
内容物の遮蔽性および生産性の効率とのバランスにより
優れている観点から、ポリビニルアルコール系樹脂の鹸
化度を、75〜95mol%の範囲内の値とするのがよ
り好ましく、最適には80〜90mol%の範囲内の値
とすることである。
るにあたり、使用するポリビニルアルコール系樹脂の鹸
化度(JIS K 6726に準拠)を、70〜99.
9mol%の範囲内の値とするのが好ましい。ポリビニ
ルアルコール系樹脂の鹸化度がこのような範囲内の値で
あれば、より効率的に油成分等の浸透を防止して、浸透
性が高い油性の内容物における容器等に使用した場合で
あっても、収容される内容物が容器外壁または成形品内
部へ浸透するおそれがより少なくなる。また、このよう
な範囲の鹸化度であれば、優れた内容物の遮蔽性を保持
したまま、短時間で成形可能な発泡性スチレン系樹脂粒
子及び発泡成形品を提供することが可能となる。さら
に、ポリビニルアルコール系樹脂の鹸化度がこのような
範囲内の値であれば、発泡性スチレン系樹脂粒子本体と
の密着力をより向上させることもできる。したがって、
内容物の遮蔽性および生産性の効率とのバランスにより
優れている観点から、ポリビニルアルコール系樹脂の鹸
化度を、75〜95mol%の範囲内の値とするのがよ
り好ましく、最適には80〜90mol%の範囲内の値
とすることである。
【0021】また、発泡性スチレン系樹脂粒子を構成す
るにあたり、使用するポリビニルアルコール系樹脂の重
合度(JIS K 6726に準拠)を、300〜60
000の範囲内の値とするのが好ましい。ポリビニルア
ルコール系樹脂の重合度がこのような範囲内の値であれ
ば、当該樹脂自身の耐熱性が高くなり、また、発泡性ス
チレン系樹脂粒子本体との密着力もより向上するためで
ある。したがって、浸透性が高い、比較的高温の油性の
内容物における容器等に使用した場合であっても、収容
される内容物が容器外壁または成形品内部へ浸透するこ
とがより少なくなる。さらには、ポリビニルアルコール
系樹脂の重合度がこのような範囲内の値であれば、成形
加熱時に、発泡性スチレン系樹脂粒子の融着を阻害する
おそれもより少ないためである。したがって、内容物の
遮蔽性および生産性の効率とのバランスがより優れてい
る観点から、ポリビニルアルコール系樹脂の重合度を、
400〜1000の範囲内の値とするのがより好まし
く、最適には500〜800の範囲内の値とすることで
ある。
るにあたり、使用するポリビニルアルコール系樹脂の重
合度(JIS K 6726に準拠)を、300〜60
000の範囲内の値とするのが好ましい。ポリビニルア
ルコール系樹脂の重合度がこのような範囲内の値であれ
ば、当該樹脂自身の耐熱性が高くなり、また、発泡性ス
チレン系樹脂粒子本体との密着力もより向上するためで
ある。したがって、浸透性が高い、比較的高温の油性の
内容物における容器等に使用した場合であっても、収容
される内容物が容器外壁または成形品内部へ浸透するこ
とがより少なくなる。さらには、ポリビニルアルコール
系樹脂の重合度がこのような範囲内の値であれば、成形
加熱時に、発泡性スチレン系樹脂粒子の融着を阻害する
おそれもより少ないためである。したがって、内容物の
遮蔽性および生産性の効率とのバランスがより優れてい
る観点から、ポリビニルアルコール系樹脂の重合度を、
400〜1000の範囲内の値とするのがより好まし
く、最適には500〜800の範囲内の値とすることで
ある。
【0022】また、発泡性スチレン系樹脂粒子を構成す
るにあたり、ポリビニルアルコール系樹脂が、ポリビニ
ルアルコール、ポリビニルホルマールおよびポリビニル
ブチラールからなる群から選択された少なくとも一つの
樹脂であるのが好ましい。かかるポリビニルアルコール
系樹脂は、一定量の水酸基やビニル基を有しており、浸
透性が高い油性の内容物における容器等に使用した場合
であっても、収容される内容物が容器外壁または成形品
内部へ浸透することが少なく、かつ短時間で成形可能な
発泡性スチレン系樹脂粒子及び発泡成形品を提供するこ
とが可能となる。
るにあたり、ポリビニルアルコール系樹脂が、ポリビニ
ルアルコール、ポリビニルホルマールおよびポリビニル
ブチラールからなる群から選択された少なくとも一つの
樹脂であるのが好ましい。かかるポリビニルアルコール
系樹脂は、一定量の水酸基やビニル基を有しており、浸
透性が高い油性の内容物における容器等に使用した場合
であっても、収容される内容物が容器外壁または成形品
内部へ浸透することが少なく、かつ短時間で成形可能な
発泡性スチレン系樹脂粒子及び発泡成形品を提供するこ
とが可能となる。
【0023】また、発泡性スチレン系樹脂粒子を構成す
るにあたり、使用する含フッ素ビニル系共重合体が、水
系エマルション(水系エマルジョンと称する場合もあ
る。)であることが好ましい。また、発泡性スチレン系
樹脂粒子を構成するにあたり、使用するポリビニルアル
コール系樹脂が、水溶液であることが好ましい。それぞ
れ被覆物を構成する含フッ素ビニル系共重合体は、油性
であり、親水性のポリビニルアルコール系樹脂とは一般
に相溶性に乏しい。したがって、それぞれをそのまま混
合しても時間が経過すると分離してしまうおそれがあ
る。しかるに、使用する含フッ素ビニル系共重合体およ
びポリビニルアルコール系樹脂あるいはいずれか一方
が、水系エマルションあるいは水溶液であれば、かかる
混合分離の問題が生じず、任意の量で以て、含フッ素ビ
ニル系共重合体とポリビニルアルコール系樹脂とを均一
に混合することができる。
るにあたり、使用する含フッ素ビニル系共重合体が、水
系エマルション(水系エマルジョンと称する場合もあ
る。)であることが好ましい。また、発泡性スチレン系
樹脂粒子を構成するにあたり、使用するポリビニルアル
コール系樹脂が、水溶液であることが好ましい。それぞ
れ被覆物を構成する含フッ素ビニル系共重合体は、油性
であり、親水性のポリビニルアルコール系樹脂とは一般
に相溶性に乏しい。したがって、それぞれをそのまま混
合しても時間が経過すると分離してしまうおそれがあ
る。しかるに、使用する含フッ素ビニル系共重合体およ
びポリビニルアルコール系樹脂あるいはいずれか一方
が、水系エマルションあるいは水溶液であれば、かかる
混合分離の問題が生じず、任意の量で以て、含フッ素ビ
ニル系共重合体とポリビニルアルコール系樹脂とを均一
に混合することができる。
【0024】また、発泡性スチレン系樹脂粒子を構成す
るにあたり、含フッ素ビニル系共重合体が、下記式
(3)で表されるビニル系単量体(第2のビニル系単量
体)をさらに含んで重合させて得られたものであること
が好ましい。
るにあたり、含フッ素ビニル系共重合体が、下記式
(3)で表されるビニル系単量体(第2のビニル系単量
体)をさらに含んで重合させて得られたものであること
が好ましい。
【0025】
【化6】
【0026】(式中、R7は水素又はメチル基、R8は炭
素数1〜4のアルキレン基、R9およびR10は炭素数1
〜4のアルキル基をそれぞれ示す。)
素数1〜4のアルキレン基、R9およびR10は炭素数1
〜4のアルキル基をそれぞれ示す。)
【0027】このように第2のビニル系単量体を含むこ
とにより、含フッ素ビニル系共重合体の分子量や極性の
制御が容易となり、発泡性スチレン系樹脂粒子本体への
密着性や加熱成形時の発泡性スチレン系樹脂粒子同士の
融着性を調製することができる。
とにより、含フッ素ビニル系共重合体の分子量や極性の
制御が容易となり、発泡性スチレン系樹脂粒子本体への
密着性や加熱成形時の発泡性スチレン系樹脂粒子同士の
融着性を調製することができる。
【0028】また、発泡性スチレン系樹脂粒子を構成す
るにあたり、被覆物(含フッ素ビニル系共重合体および
ポリビニルアルコール系樹脂を含む)の被覆量を、発泡
性スチレン系樹脂粒子本体100重量部に対して、0.
006〜0.5重量部の範囲内の値とするのが好まし
い。被覆物の被覆量がこのような範囲内の値であれば、
油成分等の浸透をより効率的に防止して、浸透性が高い
油性の内容物用の容器等に使用した場合であっても、収
容される内容物が容器外壁または成形品内部へ浸透する
おそれがより少なくなる。また、このような範囲の被覆
量であれば、より短時間で成形可能な発泡性スチレン系
樹脂粒子及び発泡成形品を提供することが可能となる。
したがって、内容物の遮蔽性および生産性の効率とのバ
ランスにより優れている観点から、被覆物の被覆量を、
発泡性スチレン系樹脂粒子本体100重量部に対して、
0.015〜0.25重量部の範囲内の値とするのがよ
り好ましい。
るにあたり、被覆物(含フッ素ビニル系共重合体および
ポリビニルアルコール系樹脂を含む)の被覆量を、発泡
性スチレン系樹脂粒子本体100重量部に対して、0.
006〜0.5重量部の範囲内の値とするのが好まし
い。被覆物の被覆量がこのような範囲内の値であれば、
油成分等の浸透をより効率的に防止して、浸透性が高い
油性の内容物用の容器等に使用した場合であっても、収
容される内容物が容器外壁または成形品内部へ浸透する
おそれがより少なくなる。また、このような範囲の被覆
量であれば、より短時間で成形可能な発泡性スチレン系
樹脂粒子及び発泡成形品を提供することが可能となる。
したがって、内容物の遮蔽性および生産性の効率とのバ
ランスにより優れている観点から、被覆物の被覆量を、
発泡性スチレン系樹脂粒子本体100重量部に対して、
0.015〜0.25重量部の範囲内の値とするのがよ
り好ましい。
【0029】また、発泡性スチレン系樹脂粒子を構成す
るにあたり、被覆物ポリビニルアルコール系樹脂の被覆
量を、発泡性スチレン系樹脂粒子本体100重量部に対
して、0.001〜0.1重量部の範囲内の値とするの
が好ましい。ポリビニルアルコール系樹脂の被覆量がこ
のような範囲内の値であれば、より効率的に油成分等の
浸透を防止して、浸透性が高い油性の内容物における容
器等に使用した場合であっても、収容される内容物が容
器外壁または成形品内部へ浸透するおそれがより少なく
なる。また、このような範囲の被覆量であれば、より短
時間で成形可能な発泡性スチレン系樹脂粒子及び発泡成
形品を提供することが可能となる。したがって、内容物
の遮蔽性および生産性の効率とのバランスにより優れて
いる観点から、ポリビニルアルコール系樹脂の被覆量
を、発泡性スチレン系樹脂粒子本体100重量部に対し
て、0.005〜0.05重量部の範囲内の値とするの
がより好ましい。
るにあたり、被覆物ポリビニルアルコール系樹脂の被覆
量を、発泡性スチレン系樹脂粒子本体100重量部に対
して、0.001〜0.1重量部の範囲内の値とするの
が好ましい。ポリビニルアルコール系樹脂の被覆量がこ
のような範囲内の値であれば、より効率的に油成分等の
浸透を防止して、浸透性が高い油性の内容物における容
器等に使用した場合であっても、収容される内容物が容
器外壁または成形品内部へ浸透するおそれがより少なく
なる。また、このような範囲の被覆量であれば、より短
時間で成形可能な発泡性スチレン系樹脂粒子及び発泡成
形品を提供することが可能となる。したがって、内容物
の遮蔽性および生産性の効率とのバランスにより優れて
いる観点から、ポリビニルアルコール系樹脂の被覆量
を、発泡性スチレン系樹脂粒子本体100重量部に対し
て、0.005〜0.05重量部の範囲内の値とするの
がより好ましい。
【0030】また、発泡性スチレン系樹脂粒子を構成す
るにあたり、含フッ素ビニル系共重合体の被覆量を、前
記発泡性スチレン系樹脂粒子本体100重量部に対し
て、0.005〜0.3重量部の範囲内の値とするのが
好ましい。含フッ素ビニル系共重合体の被覆量がこのよ
うな範囲内の値であれば、より効率的に撥油性を発揮し
て油成分等の浸透を防止して、浸透性が高い油性の内容
物における容器等に使用した場合であっても、収容され
る内容物が容器外壁または成形品内部へ浸透するおそれ
がより少なくなる。また、このような範囲の被覆量であ
れば、成形時の発泡性スチレン系樹脂粒子同士の融着を
阻害するおそれがより少なくなる。したがって、内容物
の遮蔽性および生産性の効率とのバランスにより優れて
いる観点から、含フッ素ビニル系共重合体の被覆量を、
発泡性スチレン系樹脂粒子本体100重量部に対して、
0.01〜0.2重量部の範囲内の値とするのがより好
ましい。
るにあたり、含フッ素ビニル系共重合体の被覆量を、前
記発泡性スチレン系樹脂粒子本体100重量部に対し
て、0.005〜0.3重量部の範囲内の値とするのが
好ましい。含フッ素ビニル系共重合体の被覆量がこのよ
うな範囲内の値であれば、より効率的に撥油性を発揮し
て油成分等の浸透を防止して、浸透性が高い油性の内容
物における容器等に使用した場合であっても、収容され
る内容物が容器外壁または成形品内部へ浸透するおそれ
がより少なくなる。また、このような範囲の被覆量であ
れば、成形時の発泡性スチレン系樹脂粒子同士の融着を
阻害するおそれがより少なくなる。したがって、内容物
の遮蔽性および生産性の効率とのバランスにより優れて
いる観点から、含フッ素ビニル系共重合体の被覆量を、
発泡性スチレン系樹脂粒子本体100重量部に対して、
0.01〜0.2重量部の範囲内の値とするのがより好
ましい。
【0031】また、本発明の別な態様は、上記発泡性ス
チレン系樹脂粒子を発泡成形して得られる発泡成形品で
ある。
チレン系樹脂粒子を発泡成形して得られる発泡成形品で
ある。
【0032】また、本発明の発泡成形品を加熱成形する
にあたり、発泡性スチレン系樹脂粒子を、加熱温度が9
0〜150℃および加熱時間が1〜60秒の条件で以て
発泡成形するのが好ましい。このような加熱成形条件で
あれば、内容物の遮蔽性と生産性の効率とのバランスに
優れた発泡成形品を製造することができる。したがっ
て、内容物の遮蔽性と生産性の効率とのバランスにより
優れた発泡成形品を製造することができる観点から、加
熱温度を100〜140℃とし、加熱時間を2〜10秒
の範囲内の値とするのがより好ましく、最適には、加熱
温度を120〜140℃とし、加熱時間を3〜5秒の範
囲内の値とすることである。
にあたり、発泡性スチレン系樹脂粒子を、加熱温度が9
0〜150℃および加熱時間が1〜60秒の条件で以て
発泡成形するのが好ましい。このような加熱成形条件で
あれば、内容物の遮蔽性と生産性の効率とのバランスに
優れた発泡成形品を製造することができる。したがっ
て、内容物の遮蔽性と生産性の効率とのバランスにより
優れた発泡成形品を製造することができる観点から、加
熱温度を100〜140℃とし、加熱時間を2〜10秒
の範囲内の値とするのがより好ましく、最適には、加熱
温度を120〜140℃とし、加熱時間を3〜5秒の範
囲内の値とすることである。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を具体
的に説明する。すなわち、含フッ素ビニル系単量体とビ
ニル系単量体とを重合させて得られる含フッ素ビニル系
共重合体及びポリビニルアルコール系樹脂を含んでなる
被覆物を、発泡性スチレン系樹脂粒子本体の表面に被覆
してなる本発明の発泡性スチレン系樹脂粒子において、
以下のような、発泡性スチレン系樹脂粒子、含フッ素ビ
ニル系共重合体、ポリビニルアルコール系樹脂等を使用
して、発泡成形品を加熱成形することができる。
的に説明する。すなわち、含フッ素ビニル系単量体とビ
ニル系単量体とを重合させて得られる含フッ素ビニル系
共重合体及びポリビニルアルコール系樹脂を含んでなる
被覆物を、発泡性スチレン系樹脂粒子本体の表面に被覆
してなる本発明の発泡性スチレン系樹脂粒子において、
以下のような、発泡性スチレン系樹脂粒子、含フッ素ビ
ニル系共重合体、ポリビニルアルコール系樹脂等を使用
して、発泡成形品を加熱成形することができる。
【0034】1.発泡性スチレン系樹脂粒子 本発明の発泡性スチレン系樹脂粒子は、発泡性樹脂粒子
本体の表面に対して、所定の含フッ素ビニル系重合体を
被覆材(被覆層と称する場合もある。)として被覆する
ことにより得られるものである。
本体の表面に対して、所定の含フッ素ビニル系重合体を
被覆材(被覆層と称する場合もある。)として被覆する
ことにより得られるものである。
【0035】(1)発泡性スチレン系樹脂粒子本体 発泡性スチレン系樹脂粒子本体は、上述のようにスチレ
ン系樹脂粒子に、発泡剤を含浸させることにより調製す
ることができる。
ン系樹脂粒子に、発泡剤を含浸させることにより調製す
ることができる。
【0036】1)スチレン系樹脂粒子 スチレン系樹脂粒子としては、特に制限はないが、例え
ばスチレンホモポリマー、またはスチレンモノマーと共
重合可能な成分、例えばアクリロニトリル、メタクリル
酸メチル、メタクリル酸ブチル等のメタクリル酸エステ
ル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル
酸ブチル等のアクリル酸エステル類、α−メチルスチレ
ン、クロルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン誘導
体のモノマーなどとスチレンモノマーとの一種または二
種以上の共重合体を挙げることができる。また、当該ス
チレン系樹脂粒子の粒子径についても特に制限されるも
のではないが、例えば、平均粒子径が0.8〜0.25
mmの範囲内の値であるスチレン系樹脂粒子を使用する
のが好ましい。このような範囲内のスチレン系樹脂粒子
であれば、適度に発泡して緻密な成形品とすることがで
きる。
ばスチレンホモポリマー、またはスチレンモノマーと共
重合可能な成分、例えばアクリロニトリル、メタクリル
酸メチル、メタクリル酸ブチル等のメタクリル酸エステ
ル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル
酸ブチル等のアクリル酸エステル類、α−メチルスチレ
ン、クロルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン誘導
体のモノマーなどとスチレンモノマーとの一種または二
種以上の共重合体を挙げることができる。また、当該ス
チレン系樹脂粒子の粒子径についても特に制限されるも
のではないが、例えば、平均粒子径が0.8〜0.25
mmの範囲内の値であるスチレン系樹脂粒子を使用する
のが好ましい。このような範囲内のスチレン系樹脂粒子
であれば、適度に発泡して緻密な成形品とすることがで
きる。
【0037】2)発泡剤の種類 発泡剤の種類としては、特に制限はないが、例えばプロ
パン、ブタン、ペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水
素、またはフレオン11、フレオン12等のフロン系化
合物などの常温で液体または気体状の化合物を挙げるこ
とができる。 3)発泡剤の含浸方法および含浸量 発泡剤の含浸方法としては、特に制限はなく、従来一般
的に使用されてきた方法を採用することができる。ま
た、スチレン系樹脂粒子への発泡剤の含浸量を1〜10
重量%の範囲内の値とすることが好ましい。このような
範囲で以て発泡剤を含浸すれば、発泡性スチレン系樹脂
粒子(スチレン系樹脂粒子)を適度に発泡させて緻密な
成形品とすることができる。
パン、ブタン、ペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水
素、またはフレオン11、フレオン12等のフロン系化
合物などの常温で液体または気体状の化合物を挙げるこ
とができる。 3)発泡剤の含浸方法および含浸量 発泡剤の含浸方法としては、特に制限はなく、従来一般
的に使用されてきた方法を採用することができる。ま
た、スチレン系樹脂粒子への発泡剤の含浸量を1〜10
重量%の範囲内の値とすることが好ましい。このような
範囲で以て発泡剤を含浸すれば、発泡性スチレン系樹脂
粒子(スチレン系樹脂粒子)を適度に発泡させて緻密な
成形品とすることができる。
【0038】2.含フッ素ビニル系共重合体 含フッ素ビニル系共重合体として、下記式(1)で示さ
れる含フッ素ビニル系単量体と、下記式(2)で示され
るビニル系単量体(第1のビニル系単量体と称する。)
とを重合して得られる共重合体(二成分系)を用いても
良く、あるいは、式(1)で示される含フッ素ビニル系
単量体と、式(2)で示されるビニル系単量体(第1の
ビニル系単量体)と、下記式(3)で示されるビニル系
単量体(第2のビニル系単量体と称する。)とを重合し
て得られる共重合体(三成分系)を用いても良い。
れる含フッ素ビニル系単量体と、下記式(2)で示され
るビニル系単量体(第1のビニル系単量体と称する。)
とを重合して得られる共重合体(二成分系)を用いても
良く、あるいは、式(1)で示される含フッ素ビニル系
単量体と、式(2)で示されるビニル系単量体(第1の
ビニル系単量体)と、下記式(3)で示されるビニル系
単量体(第2のビニル系単量体と称する。)とを重合し
て得られる共重合体(三成分系)を用いても良い。
【0039】(1)含フッ素ビニル系単量体 含フッ素ビニル系単量体は、下記式(1)で示される化
合物が用いられる。
合物が用いられる。
【0040】
【化7】
【0041】(式中、RfはCnF2n+1 で表されるフッ
化アルキル基(nは1〜16の整数)、R1は水素また
は炭素数1〜18のアルキル基、R2は炭素数1〜10
のアルキレン基、R3は水素又はメチル基をそれぞれ示
す。)
化アルキル基(nは1〜16の整数)、R1は水素また
は炭素数1〜18のアルキル基、R2は炭素数1〜10
のアルキレン基、R3は水素又はメチル基をそれぞれ示
す。)
【0042】このような含フッ素ビニル系単量体として
は、具体的に以下のものが挙げられる。 C8F17SO2-N(CH3)−CH2CH2OCOCH=C
H2 C8F17SO2-N(CH3)−CH2CH2OCOC(C
H3)=CH2 C8F17SO2-N(C2H5)−CH2CH2OCOCH=C
H2 C8F17SO2-N(C2H5)−CH2CH2OCOC(CH
3)=CH2
は、具体的に以下のものが挙げられる。 C8F17SO2-N(CH3)−CH2CH2OCOCH=C
H2 C8F17SO2-N(CH3)−CH2CH2OCOC(C
H3)=CH2 C8F17SO2-N(C2H5)−CH2CH2OCOCH=C
H2 C8F17SO2-N(C2H5)−CH2CH2OCOC(CH
3)=CH2
【0043】(2)ビニル系単量体(第1のビニル系単
量体) 第1のビニル系単量体としては、下記式(2)で示され
る化合物が用いられる。
量体) 第1のビニル系単量体としては、下記式(2)で示され
る化合物が用いられる。
【0044】
【化8】
【0045】(式中、R4は水素又はメチル基、R5は炭
素数1〜4のアルキレン基、R6は炭素数1〜4のアル
キル基をそれぞれ示す。)
素数1〜4のアルキレン基、R6は炭素数1〜4のアル
キル基をそれぞれ示す。)
【0046】このような第1のビニル系単量体として
は、具体的に以下のものを挙げることができる。 CH2=CH−COOC2H4OCH3 CH2=C(CH3)−COOC2H4OCH3 CH2=CH−COOC2H4OC2H5 CH2=C(CH3)−COOC2H4OC2H5
は、具体的に以下のものを挙げることができる。 CH2=CH−COOC2H4OCH3 CH2=C(CH3)−COOC2H4OCH3 CH2=CH−COOC2H4OC2H5 CH2=C(CH3)−COOC2H4OC2H5
【0047】(3)ビニル系単量体(第2のビニル系単
量体) 第2のビニル系単量体としては、下記式(3)で示され
る化合物が用いられる。
量体) 第2のビニル系単量体としては、下記式(3)で示され
る化合物が用いられる。
【0048】
【化9】
【0049】(式中、R7は水素又はメチル基、R8は炭
素数1〜4のアルキレン基、R9およびR10は炭素数1
〜4のアルキル基をそれぞれ示す。)
素数1〜4のアルキレン基、R9およびR10は炭素数1
〜4のアルキル基をそれぞれ示す。)
【0050】このような第2のビニル系単量体として
は、具体的に以下に示すものを挙げることができる。 CH2=CH−COOC2H4N(CH3)2 CH2=C(CH3)−COOC2H4N(CH3)2
は、具体的に以下に示すものを挙げることができる。 CH2=CH−COOC2H4N(CH3)2 CH2=C(CH3)−COOC2H4N(CH3)2
【0051】(4)重合割合 式(1)で示される含フッ素ビニル系単量体と、式
(2)で示されるビニル系単量体(第1のビニル系単量
体)とを重合して得られる含フッ素ビニル系共重合体
(二成分系)の場合、全体量を100重量%としたとき
に、含フッ素ビニル系単量体の重合割合を40〜95重
量%の範囲内の値、および第1のビニル系単量体の重合
割合を5〜50重量%の範囲内の値とするのが好まし
い。含フッ素ビニル系単量体の重合割合が95重量%を
越えると、加熱成形時における発泡性スチレン系樹脂粒
子の熱融着を阻害する傾向があり、一方、40重量%未
満となると、発泡成形品としたときに、十分な撥水、撥
油性を付与することが困難となる傾向がある。したがっ
て、かかる成形性と撥水、撥油性とのバランスがより良
好な観点から、全体量を100重量%としたときに、含
フッ素ビニル系単量体の重合割合を50〜80重量%の
範囲内の値、および第1のビニル系単量体の重合割合を
20〜50重量%の範囲内の値とするのがより好まし
い。
(2)で示されるビニル系単量体(第1のビニル系単量
体)とを重合して得られる含フッ素ビニル系共重合体
(二成分系)の場合、全体量を100重量%としたとき
に、含フッ素ビニル系単量体の重合割合を40〜95重
量%の範囲内の値、および第1のビニル系単量体の重合
割合を5〜50重量%の範囲内の値とするのが好まし
い。含フッ素ビニル系単量体の重合割合が95重量%を
越えると、加熱成形時における発泡性スチレン系樹脂粒
子の熱融着を阻害する傾向があり、一方、40重量%未
満となると、発泡成形品としたときに、十分な撥水、撥
油性を付与することが困難となる傾向がある。したがっ
て、かかる成形性と撥水、撥油性とのバランスがより良
好な観点から、全体量を100重量%としたときに、含
フッ素ビニル系単量体の重合割合を50〜80重量%の
範囲内の値、および第1のビニル系単量体の重合割合を
20〜50重量%の範囲内の値とするのがより好まし
い。
【0052】また、式(1)で示される含フッ素ビニル
系単量体と、式(2)で示されるビニル系単量体(第1
のビニル系単量体)と、式(3)で示されるビニル系単
量体(第2のビニル系単量体)を重合して得られる含フ
ッ素ビニル系共重合体(三成分系)の場合、全体量を1
00重量%としたときに、含フッ素ビニル系単量体の重
合割合を50〜85重量%の範囲内の値、第1のビニル
系単量体の重合割合を5〜40重量%の範囲内の値、第
2のビニル系単量体の重合割合を1〜10重量%の範囲
内の値とするのが好ましい。第2のビニル系単量体の重
合割合が10重量%を越えると、発泡性スチレン系樹脂
粒子への付着性が低下する傾向があり、一方、1重量%
未満となると、撥水性等の発現が不十分となる傾向があ
る。したがって、かかる成形性と撥水、撥油性とのバラ
ンスがより良好な観点から、含フッ素ビニル系単量体の
重合割合を50〜80重量%の範囲内の値、第1のビニ
ル系単量体の重合割合を5〜40重量%の範囲内の値、
第2のビニル系単量体の重合割合を1〜10重量%の範
囲内の値とするのがより好ましい。
系単量体と、式(2)で示されるビニル系単量体(第1
のビニル系単量体)と、式(3)で示されるビニル系単
量体(第2のビニル系単量体)を重合して得られる含フ
ッ素ビニル系共重合体(三成分系)の場合、全体量を1
00重量%としたときに、含フッ素ビニル系単量体の重
合割合を50〜85重量%の範囲内の値、第1のビニル
系単量体の重合割合を5〜40重量%の範囲内の値、第
2のビニル系単量体の重合割合を1〜10重量%の範囲
内の値とするのが好ましい。第2のビニル系単量体の重
合割合が10重量%を越えると、発泡性スチレン系樹脂
粒子への付着性が低下する傾向があり、一方、1重量%
未満となると、撥水性等の発現が不十分となる傾向があ
る。したがって、かかる成形性と撥水、撥油性とのバラ
ンスがより良好な観点から、含フッ素ビニル系単量体の
重合割合を50〜80重量%の範囲内の値、第1のビニ
ル系単量体の重合割合を5〜40重量%の範囲内の値、
第2のビニル系単量体の重合割合を1〜10重量%の範
囲内の値とするのがより好ましい。
【0053】(5)重合方法 本発明における含フッ素ビニル系共重合体の重合方法と
しては、特に制限はないが、例えば溶液重合、乳化重合
等を挙げることができる。また、重合に用いられる重合
開始剤としては、溶液重合においては過酸化ラウロイ
ル、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオキシイソブチ
レート、t−ブチルパ−オキシピバレート等を挙げるこ
とができる。また、乳化重合に於いては、過硫酸カリウ
ム、過硫酸アンモニウム等を挙げることができる。 (6)含フッ素ビニル系共重合体の性状 前述したとおり、含フッ素ビニル系共重合体が、使用す
る際に水系エマルション(水系エマルジョンと称する場
合もある。)であることが好ましい。水系エマルション
であれば、ポリビニルアルコール系樹脂との混合分離の
問題が生じず、含フッ素ビニル系共重合体とポリビニル
アルコール系樹脂とを均一に混合することができるため
である。
しては、特に制限はないが、例えば溶液重合、乳化重合
等を挙げることができる。また、重合に用いられる重合
開始剤としては、溶液重合においては過酸化ラウロイ
ル、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオキシイソブチ
レート、t−ブチルパ−オキシピバレート等を挙げるこ
とができる。また、乳化重合に於いては、過硫酸カリウ
ム、過硫酸アンモニウム等を挙げることができる。 (6)含フッ素ビニル系共重合体の性状 前述したとおり、含フッ素ビニル系共重合体が、使用す
る際に水系エマルション(水系エマルジョンと称する場
合もある。)であることが好ましい。水系エマルション
であれば、ポリビニルアルコール系樹脂との混合分離の
問題が生じず、含フッ素ビニル系共重合体とポリビニル
アルコール系樹脂とを均一に混合することができるため
である。
【0054】3.ポリビニルアルコール系樹脂 (1)ポリビニルアルコール系樹脂の種類 本発明に使用できるポリビニルアルコール系樹脂は、商
業的に入手できるものをそのまま使用することができる
が、上述したとおり当該ポリビニルアルコール系樹脂の
鹸化度(JIS K 6726(ポリビニルアルコール
試験方法)に準拠)を、70〜99.9mol%の範囲
内の値としたものが好ましい。また、上述したように、
当該ポリビニルアルコール系樹脂の重合度(JISK
6726に準拠)を、300〜60000の範囲内の値
としたものが好ましい。また、同じく上述したように、
当該ポリビニルアルコール系樹脂が、ポリビニルアルコ
ール、ポリビニルホルマールおよびポリビニルブチラー
ルからなる群から選択された少なくとも一つの樹脂であ
るのが好ましい。また、同じく上述したように、ポリビ
ニルアルコール系樹脂が水溶液であるのが好ましい。ま
た、同じく上述したように、当該ポリビニルアルコール
系樹脂の重合度(JIS K 6726に準拠)を、3
00〜60000の範囲内の値としたものが好ましい。
業的に入手できるものをそのまま使用することができる
が、上述したとおり当該ポリビニルアルコール系樹脂の
鹸化度(JIS K 6726(ポリビニルアルコール
試験方法)に準拠)を、70〜99.9mol%の範囲
内の値としたものが好ましい。また、上述したように、
当該ポリビニルアルコール系樹脂の重合度(JISK
6726に準拠)を、300〜60000の範囲内の値
としたものが好ましい。また、同じく上述したように、
当該ポリビニルアルコール系樹脂が、ポリビニルアルコ
ール、ポリビニルホルマールおよびポリビニルブチラー
ルからなる群から選択された少なくとも一つの樹脂であ
るのが好ましい。また、同じく上述したように、ポリビ
ニルアルコール系樹脂が水溶液であるのが好ましい。ま
た、同じく上述したように、当該ポリビニルアルコール
系樹脂の重合度(JIS K 6726に準拠)を、3
00〜60000の範囲内の値としたものが好ましい。
【0055】また、作業性が良好な観点から、ポリビニ
ルアルコール系樹脂として、当該ポリビニルアルコール
系樹脂の4重量%水溶液粘度が1〜100センチホ゜イス゛(c
p)の範囲内の値を有するもの、10〜80センチホ゜イス゛
(cp)の範囲内の値がより好ましい。また、加熱成形
時の発泡性スチレン系樹脂粒子同士の融着性がより良好
な観点から、ポリビニルアルコール系樹脂のガラス転移
点を、30〜100℃の範囲内の値とするのが好まし
く、40〜80℃の範囲内の値がより好ましい。
ルアルコール系樹脂として、当該ポリビニルアルコール
系樹脂の4重量%水溶液粘度が1〜100センチホ゜イス゛(c
p)の範囲内の値を有するもの、10〜80センチホ゜イス゛
(cp)の範囲内の値がより好ましい。また、加熱成形
時の発泡性スチレン系樹脂粒子同士の融着性がより良好
な観点から、ポリビニルアルコール系樹脂のガラス転移
点を、30〜100℃の範囲内の値とするのが好まし
く、40〜80℃の範囲内の値がより好ましい。
【0056】なお、ポリビニルアルコール系樹脂のガラ
ス転移点を調整したり、柔軟性を改良したり、あるいは
含フッ素ビニル系単量体との混合性をより良好とするた
めに、添加剤として、グリセリン、エチレングリコー
ル、DBP(ジブチルフタレート)、DOP(ジオクチ
ルフタレート)、アルギン酸アミド、アクリルアミド、
澱粉、CMC、メチルセルロース、グリオキサゾール、
ジメチロール尿素等の一つまたは二つ以上を添加するこ
とができる。さらに、ポリビニルアルコール系樹脂の耐
熱性を向上させたり、発泡性スチレン系樹脂粒子本体と
の密着性を向上させるために、イソシアネート等の架橋
剤を添加することも好ましい。
ス転移点を調整したり、柔軟性を改良したり、あるいは
含フッ素ビニル系単量体との混合性をより良好とするた
めに、添加剤として、グリセリン、エチレングリコー
ル、DBP(ジブチルフタレート)、DOP(ジオクチ
ルフタレート)、アルギン酸アミド、アクリルアミド、
澱粉、CMC、メチルセルロース、グリオキサゾール、
ジメチロール尿素等の一つまたは二つ以上を添加するこ
とができる。さらに、ポリビニルアルコール系樹脂の耐
熱性を向上させたり、発泡性スチレン系樹脂粒子本体と
の密着性を向上させるために、イソシアネート等の架橋
剤を添加することも好ましい。
【0057】(2)ポリビニルアルコール系樹脂の使用
方法 ポリビニルアルコール系樹脂は、含フッ素ビニル系単量
体と混合後に発泡性スチレン系樹脂粒子本体に対して被
覆処理することも可能であるし、また、含フッ素ビニル
系単量体とは別に、単独で発泡性スチレン系樹脂粒子本
体に対して被覆処理することも好ましい。含フッ素ビニ
ル系単量体と混合後に被覆処理することにより、一度の
操作で発泡性スチレン系樹脂粒子本体に対して被覆処理
することができる点で好ましく、一方、単独で発泡性ス
チレン系樹脂粒子本体に対して被覆処理することによ
り、含フッ素ビニル系単量体との分離による濃度むらが
生じるおそれが少なくなる点で好ましい。
方法 ポリビニルアルコール系樹脂は、含フッ素ビニル系単量
体と混合後に発泡性スチレン系樹脂粒子本体に対して被
覆処理することも可能であるし、また、含フッ素ビニル
系単量体とは別に、単独で発泡性スチレン系樹脂粒子本
体に対して被覆処理することも好ましい。含フッ素ビニ
ル系単量体と混合後に被覆処理することにより、一度の
操作で発泡性スチレン系樹脂粒子本体に対して被覆処理
することができる点で好ましく、一方、単独で発泡性ス
チレン系樹脂粒子本体に対して被覆処理することによ
り、含フッ素ビニル系単量体との分離による濃度むらが
生じるおそれが少なくなる点で好ましい。
【0058】4.その他の被覆剤 発泡性スチレン系樹脂粒子本体の被覆においては、前述
の共重合体のほかに従来公知の被覆剤を併用することが
できる。例えば、一次発泡における集塊化防止のため使
用されるステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムな
どの金属石鹸、エチレンビスアミド、ステアリン酸アミ
ドのような高級脂肪酸アミドを挙げることができる。こ
れらの集塊化防止剤は発泡性スチレン系樹脂粒子本体1
00重量部に対し0.05〜0.5重量部の範囲内で使
用することが好ましい。中でも集塊化防止効果に特に優
れており、また安価で経済的観点からステアリン酸亜鉛
が好ましい。
の共重合体のほかに従来公知の被覆剤を併用することが
できる。例えば、一次発泡における集塊化防止のため使
用されるステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムな
どの金属石鹸、エチレンビスアミド、ステアリン酸アミ
ドのような高級脂肪酸アミドを挙げることができる。こ
れらの集塊化防止剤は発泡性スチレン系樹脂粒子本体1
00重量部に対し0.05〜0.5重量部の範囲内で使
用することが好ましい。中でも集塊化防止効果に特に優
れており、また安価で経済的観点からステアリン酸亜鉛
が好ましい。
【0059】また成形工程においてこの発泡性スチレン
系樹脂粒子本体の融着促進効果のある添加剤も使用可能
である。かかる物質としては従来公知のものが使用でき
る。例えばステアリン酸グリセライド、オレイン酸グリ
セライドなどの高級脂肪酸のトリエステル、ジエステ
ル、モノエステル類、蔗糖エステル類等の1種または2
種以上が使用できる。
系樹脂粒子本体の融着促進効果のある添加剤も使用可能
である。かかる物質としては従来公知のものが使用でき
る。例えばステアリン酸グリセライド、オレイン酸グリ
セライドなどの高級脂肪酸のトリエステル、ジエステ
ル、モノエステル類、蔗糖エステル類等の1種または2
種以上が使用できる。
【0060】さらに、一次発泡性スチレン系樹脂粒子本
体の静電防止剤として使用されるグリセリン、ソルビト
ール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコ
ール等の多価アルコール類、ソルビタンエステル、高級
脂肪酸のエチレングリコール付加物等のノニオン系界面
活性剤の、1種または2種以上の併用も可能である。こ
れら静電防止剤は発泡性スチレン系樹脂粒子本体100
重量部に対し0.005〜0.2重量部の範囲内で使用
することが好ましい。
体の静電防止剤として使用されるグリセリン、ソルビト
ール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコ
ール等の多価アルコール類、ソルビタンエステル、高級
脂肪酸のエチレングリコール付加物等のノニオン系界面
活性剤の、1種または2種以上の併用も可能である。こ
れら静電防止剤は発泡性スチレン系樹脂粒子本体100
重量部に対し0.005〜0.2重量部の範囲内で使用
することが好ましい。
【0061】5.被覆物(被覆層)の形成 本発明における発泡性スチレン系樹脂粒子本体の表面へ
の含フッ素ビニル系共重合体およびポリビニルアルコー
ル系樹脂の被覆物の形成方法は、特に制限はなく従来既
知の手段で行なうことができる。例えば、リボンブレン
ダー、V形ブレンダー、ヘンシェルミキサー、レディゲ
ミキサー等の混合機を用い、室温、100〜10、00
0rpmの回転数、および10秒〜1時間の撹拌時間の
条件で、発泡性スチレン系樹脂粒子本体、含フッ素ビニ
ル系共重合体、ポリビニルアルコール系樹脂及び前述の
被覆剤各成分等をそれぞれ混合することによって被覆形
成することができる。但し、発泡性スチレン系樹脂粒子
本体、含フッ素ビニル系共重合体、ポリビニルアルコー
ル系樹脂及び前述の被覆剤各成分等をそれぞれ個別に層
状に被覆形成することもできる。
の含フッ素ビニル系共重合体およびポリビニルアルコー
ル系樹脂の被覆物の形成方法は、特に制限はなく従来既
知の手段で行なうことができる。例えば、リボンブレン
ダー、V形ブレンダー、ヘンシェルミキサー、レディゲ
ミキサー等の混合機を用い、室温、100〜10、00
0rpmの回転数、および10秒〜1時間の撹拌時間の
条件で、発泡性スチレン系樹脂粒子本体、含フッ素ビニ
ル系共重合体、ポリビニルアルコール系樹脂及び前述の
被覆剤各成分等をそれぞれ混合することによって被覆形
成することができる。但し、発泡性スチレン系樹脂粒子
本体、含フッ素ビニル系共重合体、ポリビニルアルコー
ル系樹脂及び前述の被覆剤各成分等をそれぞれ個別に層
状に被覆形成することもできる。
【0062】6.発泡成形品 本発明の発泡成形品は、前述の発泡性スチレン系樹脂粒
子を成形することによって得ることができる。すなわ
ち、上述した発泡性スチレン系樹脂粒子を使用すること
により、短い成形加熱時間で以て、発泡粒子同士が強固
に融着しかつその粒子界面が優れた撥油性を有する発泡
成形品を得ることができる。ここで、具体的な成形加熱
条件は特に制限されるものではないが、前述したとお
り、金型等を用いて、加熱温度が90〜150℃、加熱
時間が1〜60秒の条件で発泡成形するのが好ましい。
従って、このように本発明の発泡成形品を製造すれば、
例えば発泡成形品(容器)内に、ラ−ド、即席ラ−メン
類、カレ−ルウ、マヨネ−ズ、マ−ガリン等の浸透性の
高い油性及び脂肪性の食品あるいは機械油等を直接包装
あるいは収容しても、当該発泡成形品を構成する発泡性
スチレン系樹脂粒子間から容器外へ油脂等が浸透するの
を有効に防止することができ、発泡成形品の製品寿命を
長くすることも可能となる。
子を成形することによって得ることができる。すなわ
ち、上述した発泡性スチレン系樹脂粒子を使用すること
により、短い成形加熱時間で以て、発泡粒子同士が強固
に融着しかつその粒子界面が優れた撥油性を有する発泡
成形品を得ることができる。ここで、具体的な成形加熱
条件は特に制限されるものではないが、前述したとお
り、金型等を用いて、加熱温度が90〜150℃、加熱
時間が1〜60秒の条件で発泡成形するのが好ましい。
従って、このように本発明の発泡成形品を製造すれば、
例えば発泡成形品(容器)内に、ラ−ド、即席ラ−メン
類、カレ−ルウ、マヨネ−ズ、マ−ガリン等の浸透性の
高い油性及び脂肪性の食品あるいは機械油等を直接包装
あるいは収容しても、当該発泡成形品を構成する発泡性
スチレン系樹脂粒子間から容器外へ油脂等が浸透するの
を有効に防止することができ、発泡成形品の製品寿命を
長くすることも可能となる。
【0063】
【実施例】以下実施例によって本発明をさらに詳細に説
明するが、当該実施例は本発明の一例を示すのみであ
り、本発明は、これらの記載に制限されるものではな
い。
明するが、当該実施例は本発明の一例を示すのみであ
り、本発明は、これらの記載に制限されるものではな
い。
【0064】[実施例1] (1)試料の作製 発泡剤として5.5重量%のペンタン(iso―ペンタ
ン/n―ペンタンの重量比=30/70)を含む平均粒
子径(直径)0.35〜0.60mmの発泡性ポリスチ
レン粒子(日立化成工業社製ハイビーズ5SG)200
0gをヘンシェルミキサーに入れた。次いで、500〜
1000rpmの回転数で攪拌しながらステアリン酸亜
鉛(表1中、成分3)6g、シュガーエステル(第一工
業製薬社製A−10E)(表1中、成分4)0.4g、
グリセリン(表1中、成分5)0.4g、鹸化度が80
mol%であって、4重量%溶液粘度が5cpであるポ
リビニルアルコール(PVA)(表1中、成分2)0.
2gの水溶液、および含フッ素ビニル系共重合体(表1
中、成分1)の20重量%水性エマルション2.2g
(含フッ素ビニル系共重合体の固形分0.4g)を順次
加えた。
ン/n―ペンタンの重量比=30/70)を含む平均粒
子径(直径)0.35〜0.60mmの発泡性ポリスチ
レン粒子(日立化成工業社製ハイビーズ5SG)200
0gをヘンシェルミキサーに入れた。次いで、500〜
1000rpmの回転数で攪拌しながらステアリン酸亜
鉛(表1中、成分3)6g、シュガーエステル(第一工
業製薬社製A−10E)(表1中、成分4)0.4g、
グリセリン(表1中、成分5)0.4g、鹸化度が80
mol%であって、4重量%溶液粘度が5cpであるポ
リビニルアルコール(PVA)(表1中、成分2)0.
2gの水溶液、および含フッ素ビニル系共重合体(表1
中、成分1)の20重量%水性エマルション2.2g
(含フッ素ビニル系共重合体の固形分0.4g)を順次
加えた。
【0065】なお、含フッ素ビニル系共重合体(表1
中、成分1)を構成する単量体の種類および割合は以下
のとおりである。 C8F17SO2-N(CH3)−CH2CH2OCOCH=CH2 65重量% CH2=C(CH3)−COOC2H4OC2H5 30重量% CH2=CH−COOC2H4N(CH3)2 5重量%
中、成分1)を構成する単量体の種類および割合は以下
のとおりである。 C8F17SO2-N(CH3)−CH2CH2OCOCH=CH2 65重量% CH2=C(CH3)−COOC2H4OC2H5 30重量% CH2=CH−COOC2H4N(CH3)2 5重量%
【0066】それから、約90秒間撹拌を続けた後、撹
拌を止めて、原料溶液とした。次いで、バッチ式一次発
泡装置を用い、当該固形分を熱風とスチームの混合気を
熱媒として嵩密度10ml/gになるよう発泡させ、一
次発泡樹脂粒子を得た。その後、この一次発泡樹脂粒子
を常温、常圧下で16時間熟成したのち、内容積500
cc、肉厚2.0mmの成形品を得るための金型に充填
した。それから、加熱温度140℃、加熱時間4秒の条
件で以て発泡成形品(カップ)を加熱成形した。なお、
このとき加熱時間以外に、原料充填時間、金型を室温か
ら加熱温度(140℃)に到達するまでの予備加熱時
間、および、発泡成形品を取り出すために金型を所定温
度以下まで冷却する必要があるが、そのための時間を別
途、約8秒要した。
拌を止めて、原料溶液とした。次いで、バッチ式一次発
泡装置を用い、当該固形分を熱風とスチームの混合気を
熱媒として嵩密度10ml/gになるよう発泡させ、一
次発泡樹脂粒子を得た。その後、この一次発泡樹脂粒子
を常温、常圧下で16時間熟成したのち、内容積500
cc、肉厚2.0mmの成形品を得るための金型に充填
した。それから、加熱温度140℃、加熱時間4秒の条
件で以て発泡成形品(カップ)を加熱成形した。なお、
このとき加熱時間以外に、原料充填時間、金型を室温か
ら加熱温度(140℃)に到達するまでの予備加熱時
間、および、発泡成形品を取り出すために金型を所定温
度以下まで冷却する必要があるが、そのための時間を別
途、約8秒要した。
【0067】(2)性能評価 1)融着度の測定 発泡成形品(カップ)を手で以て割り、破断面を露出さ
せた。それから、当該破断面を光学顕微鏡で観察し、単
位面積当たりの凝集破壊している部分の面積割合を融着
度(%)として測定した。なお、発泡性スチレン系樹脂
粒子同士が良好に融着している場合には、破断面におい
て凝集破壊している部分が多くなり、逆に発泡性スチレ
ン系樹脂粒子同士の融着が不十分な場合には、粒子界面
で破壊されることとなる。
せた。それから、当該破断面を光学顕微鏡で観察し、単
位面積当たりの凝集破壊している部分の面積割合を融着
度(%)として測定した。なお、発泡性スチレン系樹脂
粒子同士が良好に融着している場合には、破断面におい
て凝集破壊している部分が多くなり、逆に発泡性スチレ
ン系樹脂粒子同士の融着が不十分な場合には、粒子界面
で破壊されることとなる。
【0068】2)界面活性剤の遮蔽性テスト 加速試験として界面活性剤に対する遮蔽性テストを行っ
た。すなわち、界面活性剤水溶液(花王社製スコアロー
ル700、濃度0.1重量%)を約300g入れたの
ち、当該カップをサラン樹脂製ラッッピングフィルムで
包装した。そして、このように包装したカップを、60
℃雰囲気下のオーブンに放置し、カップの外壁に界面活
性剤水溶液が浸透してくるまでの時間(表1中、浸透時
間1で表す。以下同様である。)を測定した。
た。すなわち、界面活性剤水溶液(花王社製スコアロー
ル700、濃度0.1重量%)を約300g入れたの
ち、当該カップをサラン樹脂製ラッッピングフィルムで
包装した。そして、このように包装したカップを、60
℃雰囲気下のオーブンに放置し、カップの外壁に界面活
性剤水溶液が浸透してくるまでの時間(表1中、浸透時
間1で表す。以下同様である。)を測定した。
【0069】3)油脂成分の遮蔽性テスト 油脂成分に対する遮蔽性の確認として、得られた発泡成
形品(カップ)にカレールウ200gを入れたのち、当
該カップをサラン樹脂製ラッッピングフィルムで包装し
た。そして、このように包装したカップを、60℃雰囲
気下のオーブン中に放置し、カップの外壁にカレールウ
が浸透してくるまでの時間(表1中、浸透時間2で表
す。以下同様である。)を測定した結果を表1に示す。
形品(カップ)にカレールウ200gを入れたのち、当
該カップをサラン樹脂製ラッッピングフィルムで包装し
た。そして、このように包装したカップを、60℃雰囲
気下のオーブン中に放置し、カップの外壁にカレールウ
が浸透してくるまでの時間(表1中、浸透時間2で表
す。以下同様である。)を測定した結果を表1に示す。
【0070】この結果から明らかなように、加熱時間が
4秒と極端に短いにもかかわらず、融着度は70%とい
う良好な値を示した。また、界面活性剤の浸透時間1は
50分、油脂成分としてのカレールウの浸透時間2は7
2時間と、実用的に全く問題がないレベルであった。し
たがって、本発明の発泡性スチレン系樹脂粒子は、発泡
成形品(カップ)に成形した場合に、浸透性の高い内容
物であっても、当該内容物が発泡成形品の外壁まで浸透
する時間(浸透時間)を著しく長くして、水性成分の内
容物に対する浸透時間と同等かそれ以上の浸透時間を得
ることができ、また、本発明の発泡性スチレン系樹脂粒
子は短時間で以て発泡成形品を加熱成形することが可能
であることが確認された。
4秒と極端に短いにもかかわらず、融着度は70%とい
う良好な値を示した。また、界面活性剤の浸透時間1は
50分、油脂成分としてのカレールウの浸透時間2は7
2時間と、実用的に全く問題がないレベルであった。し
たがって、本発明の発泡性スチレン系樹脂粒子は、発泡
成形品(カップ)に成形した場合に、浸透性の高い内容
物であっても、当該内容物が発泡成形品の外壁まで浸透
する時間(浸透時間)を著しく長くして、水性成分の内
容物に対する浸透時間と同等かそれ以上の浸透時間を得
ることができ、また、本発明の発泡性スチレン系樹脂粒
子は短時間で以て発泡成形品を加熱成形することが可能
であることが確認された。
【0071】[実施例2および3]実施例1において、
加熱成形時間を、5秒(実施例2)および6秒(実施例
3)にした以外は、実施例1と同様の条件で発泡成形品
(カップ)を得た。そして、実施例1と同様に性能評価
を行った。
加熱成形時間を、5秒(実施例2)および6秒(実施例
3)にした以外は、実施例1と同様の条件で発泡成形品
(カップ)を得た。そして、実施例1と同様に性能評価
を行った。
【0072】それぞれの測定結果を表1に示す。この結
果から明らかなように、加熱時間が5秒および6秒と若
干長くなったため、融着度は100%と最高値を示し
た。また、界面活性剤の浸透時間1は60分以上(5お
よび6秒加熱)、油脂成分としてのカレールウの浸透時
間2は120時間(5秒加熱)あるいは120時間以上
(6秒加熱)と、極めて優れた内容物に対する遮蔽性を
示した。したがって、本発明の発泡性スチレン系樹脂粒
子は、実施例1で示したように、加熱時間が4秒でも発
泡成形品(カップ)として、実用的に十分な内容物の遮
蔽性と発泡成形品の加熱成形性とを得ることができる
が、より長い加熱時間(5または6秒加熱)を採ること
により、さらに優れた内容物の遮蔽性と、発泡成形品の
加熱成形性とが得られることが確認された。
果から明らかなように、加熱時間が5秒および6秒と若
干長くなったため、融着度は100%と最高値を示し
た。また、界面活性剤の浸透時間1は60分以上(5お
よび6秒加熱)、油脂成分としてのカレールウの浸透時
間2は120時間(5秒加熱)あるいは120時間以上
(6秒加熱)と、極めて優れた内容物に対する遮蔽性を
示した。したがって、本発明の発泡性スチレン系樹脂粒
子は、実施例1で示したように、加熱時間が4秒でも発
泡成形品(カップ)として、実用的に十分な内容物の遮
蔽性と発泡成形品の加熱成形性とを得ることができる
が、より長い加熱時間(5または6秒加熱)を採ること
により、さらに優れた内容物の遮蔽性と、発泡成形品の
加熱成形性とが得られることが確認された。
【0073】[実施例4および5]実施例1におけるポ
リビニルアルコール(PVA)(表1中、成分2)の使
用量を0.01重量部から、0.005重量部に変更
し、0.02重量部添加したグリセリンの代わりにポリ
エチレングリコールを成分5(表1中)として0.01
重量部添加した以外は、実施例1〜2と同様の条件で以
てそれぞれ発泡成形品(カップ)を得た。そして、実施
例1と同様に性能評価を行った。
リビニルアルコール(PVA)(表1中、成分2)の使
用量を0.01重量部から、0.005重量部に変更
し、0.02重量部添加したグリセリンの代わりにポリ
エチレングリコールを成分5(表1中)として0.01
重量部添加した以外は、実施例1〜2と同様の条件で以
てそれぞれ発泡成形品(カップ)を得た。そして、実施
例1と同様に性能評価を行った。
【0074】それぞれの測定結果を表1に示す。この結
果から明らかなように、PVAの使用量を減少させる
と、加熱時間が4秒の場合の融着度は85%であり、加
熱時間が5秒の場合の融着度は100%であった。すな
わち、融着度に関しては、PVAの使用量が少ないほう
が、より良好な結果が得られる傾向が見られた。それに
対して、界面活性剤の浸透時間1は、加熱時間が4秒の
場合に40分であり、加熱時間が5秒の場合には60分
であった。また、油脂成分としてのカレールウの浸透時
間2はそれぞれ48時間(4秒加熱)あるいは72時間
(5秒加熱)であり、実施例4および5は、優れた内容
物に対する遮蔽性を示すものの、実施例1および2と比
較するとそれぞれ若干劣る内容物の遮蔽性を示した。し
たがって、内容物の遮蔽性に関しては、PVAの使用量
が大きく寄与しており、PVAの使用量が少なくなる
と、当該遮蔽性は低下する傾向が見られた。
果から明らかなように、PVAの使用量を減少させる
と、加熱時間が4秒の場合の融着度は85%であり、加
熱時間が5秒の場合の融着度は100%であった。すな
わち、融着度に関しては、PVAの使用量が少ないほう
が、より良好な結果が得られる傾向が見られた。それに
対して、界面活性剤の浸透時間1は、加熱時間が4秒の
場合に40分であり、加熱時間が5秒の場合には60分
であった。また、油脂成分としてのカレールウの浸透時
間2はそれぞれ48時間(4秒加熱)あるいは72時間
(5秒加熱)であり、実施例4および5は、優れた内容
物に対する遮蔽性を示すものの、実施例1および2と比
較するとそれぞれ若干劣る内容物の遮蔽性を示した。し
たがって、内容物の遮蔽性に関しては、PVAの使用量
が大きく寄与しており、PVAの使用量が少なくなる
と、当該遮蔽性は低下する傾向が見られた。
【0075】[実施例6および7]実施例1における含
フッ素ビニル系共重合体(表1中、成分1)の使用量を
0.02重量部から、0.03重量部に変更し、また、
グリセリンの代わりにポリエチレングリコール(三洋化
成(株)製、PEG−400)を成分5(表1中)とし
て添加した以外は、実施例1〜2と同様の条件で以てそ
れぞれ発泡成形品(カップ)を得た。そして、実施例1
〜2と同様に性能評価を行った結果を表1に示した。
フッ素ビニル系共重合体(表1中、成分1)の使用量を
0.02重量部から、0.03重量部に変更し、また、
グリセリンの代わりにポリエチレングリコール(三洋化
成(株)製、PEG−400)を成分5(表1中)とし
て添加した以外は、実施例1〜2と同様の条件で以てそ
れぞれ発泡成形品(カップ)を得た。そして、実施例1
〜2と同様に性能評価を行った結果を表1に示した。
【0076】この結果から明らかなように、グリセリン
の代わりにポリエチレングリコールを用いた場合にも、
グリセリンを用いた場合と同様に、優れた内容物の遮蔽
性と、発泡成形品の加熱成形性とが得られることが確認
された。
の代わりにポリエチレングリコールを用いた場合にも、
グリセリンを用いた場合と同様に、優れた内容物の遮蔽
性と、発泡成形品の加熱成形性とが得られることが確認
された。
【0077】[実施例8〜9]実施例1の含フッ素ビニ
ル系共重合体に代わりに、市販の含フッ素ビニル系共重
合体(米国スリーエム(株)製、スコッチバンFX−8
45)を成分1(表1中)として用いた以外は、実施例
1〜3と同様の条件で以てそれぞれ発泡成形品(カッ
プ)を得た。そして、実施例1〜3と同様に性能評価を
行った。測定結果を表1に示した。なお、スコッチバン
FX−845は、実施例1〜7で使用した含フッ素ビニ
ル系共重合体に相当するものであることが、FT−I
R、NMR、GC−MSの測定から判明している。
ル系共重合体に代わりに、市販の含フッ素ビニル系共重
合体(米国スリーエム(株)製、スコッチバンFX−8
45)を成分1(表1中)として用いた以外は、実施例
1〜3と同様の条件で以てそれぞれ発泡成形品(カッ
プ)を得た。そして、実施例1〜3と同様に性能評価を
行った。測定結果を表1に示した。なお、スコッチバン
FX−845は、実施例1〜7で使用した含フッ素ビニ
ル系共重合体に相当するものであることが、FT−I
R、NMR、GC−MSの測定から判明している。
【0078】この結果から明らかなように、市販の含フ
ッ素ビニル系共重合体を用いた場合にも、優れた内容物
の遮蔽性と、発泡成形品の加熱成形性とが得られること
が確認された。
ッ素ビニル系共重合体を用いた場合にも、優れた内容物
の遮蔽性と、発泡成形品の加熱成形性とが得られること
が確認された。
【0079】[比較例1〜3]実施例1〜3において、
それぞれポリビニルアルコールのみを除いて発泡性スチ
レン系樹脂粒子としたこと以外は実施例1〜3と同様の
条件で以て発泡成形品(カップ)を得た。そして、実施
例1〜3と同様に性能評価を行った結果を表1に示し
た。
それぞれポリビニルアルコールのみを除いて発泡性スチ
レン系樹脂粒子としたこと以外は実施例1〜3と同様の
条件で以て発泡成形品(カップ)を得た。そして、実施
例1〜3と同様に性能評価を行った結果を表1に示し
た。
【0080】この結果から明らかなように、PVAを全
く使用しないと、加熱時間が4秒の場合の融着度は80
%であり、加熱時間が5秒および6秒の場合の融着度は
それぞれ100%であった。すなわち、融着度に関して
は、PVAを使用しない場合であっても、使用した場合
と大差ない結果が得られる傾向が見られた。それに対し
て、界面活性剤の浸透時間1は、加熱時間が4秒の場合
に20分であり、加熱時間が5秒の場合には45分であ
り、加熱時間が6秒の場合に60分であった。また、油
性成分としてのカレールウの浸透時間2は、加熱時間が
4秒の場合に4時間未満であり、加熱時間が5秒の場合
には8時間であり、加熱時間が6秒の場合であっても2
4時間であった。したがって、内容物の遮蔽性に関して
は、PVAが大きく寄与しており、PVAを使用しない
と、当該遮蔽性は著しく低下する傾向が見られた。
く使用しないと、加熱時間が4秒の場合の融着度は80
%であり、加熱時間が5秒および6秒の場合の融着度は
それぞれ100%であった。すなわち、融着度に関して
は、PVAを使用しない場合であっても、使用した場合
と大差ない結果が得られる傾向が見られた。それに対し
て、界面活性剤の浸透時間1は、加熱時間が4秒の場合
に20分であり、加熱時間が5秒の場合には45分であ
り、加熱時間が6秒の場合に60分であった。また、油
性成分としてのカレールウの浸透時間2は、加熱時間が
4秒の場合に4時間未満であり、加熱時間が5秒の場合
には8時間であり、加熱時間が6秒の場合であっても2
4時間であった。したがって、内容物の遮蔽性に関して
は、PVAが大きく寄与しており、PVAを使用しない
と、当該遮蔽性は著しく低下する傾向が見られた。
【0081】[比較例4〜6]実施例1〜3において、
それぞれ含フッ素共重合体のみを除いて発泡性スチレン
系樹脂粒子としたこと以外は実施例1〜3と同様の条件
で以て発泡成形品(カップ)を得た。そして、実施例1
〜3と同様に性能評価を行った結果を表1に示した。
それぞれ含フッ素共重合体のみを除いて発泡性スチレン
系樹脂粒子としたこと以外は実施例1〜3と同様の条件
で以て発泡成形品(カップ)を得た。そして、実施例1
〜3と同様に性能評価を行った結果を表1に示した。
【0082】この結果から明らかなように、特定の含フ
ッ素共重合体を使用しない場合、加熱時間が4秒におい
て、融着度は70%であり、加熱時間が5秒および6秒
の場合の融着度はそれぞれ100%であった。 すなわ
ち、融着度に関しては、特定の含フッ素共重合体を使用
しない場合であっても、使用した場合と大差ない結果が
得られる傾向が見られた。それに対して、界面活性剤の
浸透時間1は、加熱時間が4秒および5秒の場合に20
分であり、加熱時間が6秒の場合であっても30分であ
った。また、油性成分としてのカレールウの浸透時間2
は、加熱時間が4秒および5秒の場合に4時間未満であ
り、加熱時間が6秒の場合であっても4時間であった。
したがって、内容物の遮蔽性に関しては、特定の含フッ
素共重合体の存在が大きく寄与しており、当該特定の含
フッ素共重合体を使用しないと、内容物の遮蔽性は著し
く低下する傾向が見られた。
ッ素共重合体を使用しない場合、加熱時間が4秒におい
て、融着度は70%であり、加熱時間が5秒および6秒
の場合の融着度はそれぞれ100%であった。 すなわ
ち、融着度に関しては、特定の含フッ素共重合体を使用
しない場合であっても、使用した場合と大差ない結果が
得られる傾向が見られた。それに対して、界面活性剤の
浸透時間1は、加熱時間が4秒および5秒の場合に20
分であり、加熱時間が6秒の場合であっても30分であ
った。また、油性成分としてのカレールウの浸透時間2
は、加熱時間が4秒および5秒の場合に4時間未満であ
り、加熱時間が6秒の場合であっても4時間であった。
したがって、内容物の遮蔽性に関しては、特定の含フッ
素共重合体の存在が大きく寄与しており、当該特定の含
フッ素共重合体を使用しないと、内容物の遮蔽性は著し
く低下する傾向が見られた。
【0083】[比較例7〜9]実施例1〜3において、
それぞれ含フッ素共重合体およびポリビニルアルコール
を除いて発泡性スチレン系樹脂粒子としたこと以外は実
施例1〜3と同様の条件で以て発泡成形品(カップ)を
得た。そして、実施例1〜3と同様に性能評価を行った
結果を表1に示した。
それぞれ含フッ素共重合体およびポリビニルアルコール
を除いて発泡性スチレン系樹脂粒子としたこと以外は実
施例1〜3と同様の条件で以て発泡成形品(カップ)を
得た。そして、実施例1〜3と同様に性能評価を行った
結果を表1に示した。
【0084】この結果から明らかなように、特定の含フ
ッ素共重合体およびポリビニルアルコールを使用しない
場合でも、加熱時間が4秒において、融着度は80%で
あり、加熱時間が5秒および6秒の場合の融着度はそれ
ぞれ100%であった。すなわち、融着度に関しては、
特定の含フッ素共重合体およびポリビニルアルコールを
使用しない場合であっても、使用した場合と大差ない結
果が得られる傾向が見られた。それに対して、界面活性
剤の浸透時間1は、加熱時間が4秒の場合に10分であ
り、加熱時間が5秒の場合に15分であり、加熱時間が
6秒の場合であっても30分であった。また、油性成分
としてのカレールウの浸透時間2は、加熱時間が4秒お
よび5秒の場合に4時間未満であり、加熱時間が6秒の
場合であっても4時間であった。したがって、内容物の
遮蔽性に関しては、特定の含フッ素共重合体およびポリ
ビニルアルコールの存在が大きく寄与しており、当該特
定の含フッ素共重合体およびポリビニルアルコールをそ
れぞれ使用しないと、内容物の遮蔽性は著しく低下する
傾向が見られた。
ッ素共重合体およびポリビニルアルコールを使用しない
場合でも、加熱時間が4秒において、融着度は80%で
あり、加熱時間が5秒および6秒の場合の融着度はそれ
ぞれ100%であった。すなわち、融着度に関しては、
特定の含フッ素共重合体およびポリビニルアルコールを
使用しない場合であっても、使用した場合と大差ない結
果が得られる傾向が見られた。それに対して、界面活性
剤の浸透時間1は、加熱時間が4秒の場合に10分であ
り、加熱時間が5秒の場合に15分であり、加熱時間が
6秒の場合であっても30分であった。また、油性成分
としてのカレールウの浸透時間2は、加熱時間が4秒お
よび5秒の場合に4時間未満であり、加熱時間が6秒の
場合であっても4時間であった。したがって、内容物の
遮蔽性に関しては、特定の含フッ素共重合体およびポリ
ビニルアルコールの存在が大きく寄与しており、当該特
定の含フッ素共重合体およびポリビニルアルコールをそ
れぞれ使用しないと、内容物の遮蔽性は著しく低下する
傾向が見られた。
【0085】
【表1】
【0086】
【発明の効果】本発明により、発泡成形品(カップ)を
成形した場合に、浸透性の高い内容物であっても、当該
内容物が発泡成形品の外壁まで浸透する時間(浸透時
間)を著しく長くすることができるようになった。そし
て、特にカレールウのような浸透性の高い内容物に対し
ても優れた遮蔽性を示し、当該内容物を著しく長い間保
持することができるようになった。また、このように発
泡性スチレン系樹脂粒子を構成することにより、上記の
優れた遮蔽性を有しながら、当該発泡性スチレン系樹脂
粒子の生産性を損なうことがない。よって、本発明によ
り、浸透性の高い内容物の遮蔽性と加熱成形性とのバラ
ンスに優れた発泡性スチレン系樹脂粒子及び発泡成形品
を提供することが出来るようになった。
成形した場合に、浸透性の高い内容物であっても、当該
内容物が発泡成形品の外壁まで浸透する時間(浸透時
間)を著しく長くすることができるようになった。そし
て、特にカレールウのような浸透性の高い内容物に対し
ても優れた遮蔽性を示し、当該内容物を著しく長い間保
持することができるようになった。また、このように発
泡性スチレン系樹脂粒子を構成することにより、上記の
優れた遮蔽性を有しながら、当該発泡性スチレン系樹脂
粒子の生産性を損なうことがない。よって、本発明によ
り、浸透性の高い内容物の遮蔽性と加熱成形性とのバラ
ンスに優れた発泡性スチレン系樹脂粒子及び発泡成形品
を提供することが出来るようになった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 29/04 C08L 29/04 C 29/14 29/14 33/14 33/14 // C08L 25:00 (72)発明者 時田 英明 千葉県市原市五井南海岸14番地 日立化成 工業株式会社五井工場内
Claims (7)
- 【請求項1】 下記式(1)で表される含フッ素ビニル
系単量体および下記式(2)で表されるビニル系単量体
を重合させて得られた含フッ素ビニル系共重合体と、ポ
リビニルアルコール系樹脂とを含む被覆物を、発泡性ス
チレン系樹脂粒子本体の表面に被覆した発泡性スチレン
系樹脂粒子。 【化1】 (式中、RfはCnF2n+1 で表されるフッ化アルキル基
(nは1〜16の整数)、R1は水素または炭素数1〜
18のアルキル基、R2は炭素数1〜10のアルキレン
基、R3は水素又はメチル基をそれぞれ示す。) 【化2】 (式中、R4は水素又はメチル基、R5は炭素数1〜4の
アルキレン基、R6は炭素数1〜4のアルキル基をそれ
ぞれ示す。) - 【請求項2】 請求項1に記載の発泡性スチレン系樹脂
粒子において、前記被覆物は、前記含フッ素ビニル系共
重合体100重量部に対して、前記ポリビニルアルコー
ル系樹脂を5〜100重量部の割合で含むものである発
泡性スチレン系樹脂粒子。 - 【請求項3】 請求項1または2に記載の発泡性スチレ
ン系樹脂粒子において、前記ポリビニルアルコール系樹
脂は、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマールお
よびポリビニルブチラールからなる群から選択された少
なくとも一つの樹脂である発泡性スチレン系樹脂粒子。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の発
泡性スチレン系樹脂粒子において、前記含フッ素ビニル
系共重合体を水系エマルションとした発泡性スチレン系
樹脂粒子。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の発
泡性スチレン系樹脂粒子において、前記含フッ素ビニル
系共重合体は、第2のビニル系単量体として、下記式
(3)で表されるビニル系単量体をさらに重合させたも
のである発泡性スチレン系樹脂粒子。 【化3】 (式中、R7は水素又はメチル基、R8は炭素数1〜4の
アルキレン基、R9およびR10は炭素数1〜4のアルキ
ル基をそれぞれ示す。) - 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の発
泡性スチレン系樹脂粒子において、前記被覆物の被覆量
を、前記発泡性スチレン系樹脂粒子本体100重量部に
対して、0.006〜0.5重量部の範囲内の値とした
発泡性スチレン系樹脂粒子。 - 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の発
泡性スチレン系樹脂粒子を発泡成形して得られる発泡成
形品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35592497A JPH11181141A (ja) | 1997-12-25 | 1997-12-25 | 発泡性スチレン系樹脂粒子及びこれを用いた発泡成形品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35592497A JPH11181141A (ja) | 1997-12-25 | 1997-12-25 | 発泡性スチレン系樹脂粒子及びこれを用いた発泡成形品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11181141A true JPH11181141A (ja) | 1999-07-06 |
Family
ID=18446439
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35592497A Pending JPH11181141A (ja) | 1997-12-25 | 1997-12-25 | 発泡性スチレン系樹脂粒子及びこれを用いた発泡成形品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11181141A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
ITRM20130410A1 (it) * | 2013-07-12 | 2015-01-13 | Maio Ernesto Di | Metodo per la preparazione di particelle micrometriche o nanometriche cave |
-
1997
- 1997-12-25 JP JP35592497A patent/JPH11181141A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
ITRM20130410A1 (it) * | 2013-07-12 | 2015-01-13 | Maio Ernesto Di | Metodo per la preparazione di particelle micrometriche o nanometriche cave |
WO2015004641A1 (en) * | 2013-07-12 | 2015-01-15 | Orsi Silvia | Method for the preparation of micrometric or nanometric hollow particles |
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