JPH11181000A - ピラジン誘導体認識抗体及びそれを用いた1,2−ジカルボニル誘導体の測定方法 - Google Patents

ピラジン誘導体認識抗体及びそれを用いた1,2−ジカルボニル誘導体の測定方法

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JPH11181000A
JPH11181000A JP10249122A JP24912298A JPH11181000A JP H11181000 A JPH11181000 A JP H11181000A JP 10249122 A JP10249122 A JP 10249122A JP 24912298 A JP24912298 A JP 24912298A JP H11181000 A JPH11181000 A JP H11181000A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡便で多検体測定が可能な1,2−ジカルボ
ニル誘導体の測定方法を提供すること。 【解決手段】 1,2−ジカルボニル誘導体をジアミノ
誘導体と反応させて一般式(I) 【化1】 (ただし、式中、R1 、R2 は、互いに独立に、水素、
メチル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、
ジヒドロキシエチル基、ジヒドロキシプロピル基、トリ
ヒドロキシプロピル基又はトリヒドロキシブチル基であ
り、Aはピラジン環と結合して5員又は6員の芳香族炭
化水素基、芳香族複素環基又は脂環式炭化水素基を形成
する基であり、R3 は架橋性残基であり、Aにより形成
される環は、上記R3 の他に、5員環の場合には1又は
2個、6員環の場合には1〜3個のさらなる置換基によ
って置換されていてもよい)で示されるピラジン誘導体
とし、該ピラジン誘導体を認識する抗体を用いた免疫測
定方法により該ピラジン誘導体を測定し、それによって
1,2−ジカルボニル誘導体を測定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生体内におけるタ
ンパク質の糖化反応の中間体である1,2−ジカルボニ
ル誘導体の反応物であるピラジン誘導体を認識する抗
体、該抗体を誘起するための免疫原及び該抗体を用いた
1,2−ジカルボニル誘導体の免疫測定方法に関する。
【0002】糖尿病はインスリンに起因する代謝異常の
疾患であり、慢性化しやすいため、種々の合併症を引き
起こす。この合併症は、例えば、眼疾患、腎疾患、神経
症、心血管系合併症、壊疽等があげられ、合併症の有無
や程度によって患者の予後は大きく左右される。
【0003】一方、糖尿病における蛋白質の糖化反応の
有力な原因とされる中間体に、デオキシグルコゾンがあ
る。デオキシグルコゾンは、蛋白質間のクロスリンカー
として作用し、糖化反応の最終反応物の形成を促進する
機能を持つ物質である。このデオキシグルコゾンが、高
血糖状態の持続しやすい糖尿病患者、特に腎症を合併し
ている患者の血中において増加していること(Biochem.
Biophys. Res. Commun., Vol196, p837-843, 1993)
や、糖尿病性動脈硬化を引き起こしている患者の血中に
おいて増加していること(DIABETES, Vol.45, SP3, S81
-83, 1996 )が示されてから、糖尿病合併症の病状を把
握する指標として注目された。また、メチルグルオキザ
ールも糖尿病性動脈硬化を引き起こしている患者の血中
において増加していること(DIABETES, Vol.45, SP3, S
81-83, 1996 )が示唆され、糖尿病における1,2−ジ
カルボニル誘導体の動向が注目されている。
【0004】しかしながら、デオキシキグルコゾンを初
めとする1,2−ジカルボニル誘導体は、非常に不安定
な物質であるため、これまでは1,2−ジカルボニル誘
導体を誘導体、あるいは、安定な代謝物に変換した後抽
出し、GS/MSやHPLC等を用いたクロマトグラフ
ィー分析にて測定していた。これらの方法は、1,2−
ジカルボニル誘導体の抽出操作及びクロマトグラフィー
分析操作が煩雑で時間を要するため、更に簡便で多検体
測定が可能な測定手法が待ち望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、簡便で多検体測定が可能な1,2−ジカルボニル誘
導体の測定方法を提供することである。さらに、本発明
の目的は、該測定方法に用いられる抗体、及び該抗体の
産生を誘起するための免疫原を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、鋭意研
究の結果、1,2−ジカルボニル誘導体をジアミノ誘導
体と反応させて安定なピラジン誘導体に変え、このピラ
ジン誘導体を認識する抗体を用いた免疫測定で該ピラジ
ン誘導体を測定することにより、検体中の1,2−ジカ
ルボニル誘導体を測定することができることを見出し、
かつ、上記の抗体を現実に提供し、本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明は、下記一般式(I)で
示されるピラジン誘導体の少なくともR1 又はR2 を包
含する領域を認識する抗体を提供する。
【0008】
【化1】
【0009】(ただし、式中、R1 、R2 は、互いに独
立に、水素、メチル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキ
シエチル基、ジヒドロキシエチル基、ジヒドロキシプロ
ピル基、トリヒドロキシプロピル基又はトリヒドロキシ
ブチル基であり、Aはピラジン環と結合して5員又は6
員の芳香族炭化水素基、芳香族複素環基又は脂環式炭化
水素基を形成する基であり、R3 は架橋性残基であり、
Aにより形成される環は、上記R3 の他に、5員環の場
合には1又は2個、6員環の場合には1〜3個のさらな
る置換基によって置換されていてもよい)。
【0010】また、本発明は、上記一般式(I)で示さ
れるピラジン誘導体又は該ピラジン誘導体のR3 に免疫
原性担体が結合したものから成る免疫原を提供する。
【0011】さらに、本発明は、生体内におけるタンパ
ク質の糖化反応の中間体である1,2−ジカルボニル誘
導体を免疫測定する方法であって、検体中の1,2−ジ
カルボニル誘導体を、一般式(II)
【化2】 (R3 及びAは、上記一般式(I)の場合と同義)で示
されるジアミノ誘導体と反応させて上記一般式(I)で
示されるピラジン誘導体を生成させ、該ピラジン誘導体
と上記本発明の抗体との抗原抗体反応を利用した免疫測
定により該ピラジン誘導体を測定し、それによって検体
中の1,2−ジカルボニル誘導体を測定することから成
る、1,2−ジカルボニル誘導体の免疫測定方法を提供
する。
【0012】
【発明の実施の形態】上述のように、本発明の抗体は、
上記一般式(I)で示されるピラジン誘導体を認識する
ものである。
【0013】一般式(I)中のR1 、R2 の定義は上記
の通りであり、R1 が水素でR2 がトリヒドロキシブチ
ル基、R1 がメチル基でR2 がトリヒドロキシプロピル
基、又はR1 がヒドロキシメチル基でR2 がジヒドロキ
シプロピル基であることが好ましい。
【0014】一般式(I)中、Aの定義は上記の通りで
あり、Aにより形成される環がピリジン、ベンゼン、フ
ラン又はチオフェンであることが好ましい。また、Aに
より形成される環は、R3 の他に、5員環の場合には1
又は2個、6員環の場合には1〜3個のさらなる任意の
置換基によって置換されていてもよい。該置換基として
は、カルボキシ基、スルホニル基、アルコキシカルボニ
ル基、カルバモイル基、シアノ基、ホルミル基、ヒドロ
キシ基、メルカプト基、ニトロ基、ハロゲン原子;、カ
ルボキシ基、スルホニル基、アルコキシカルボニル基、
カルバモイル基、シアノ基、ホルミル基、ヒドロキシ
基、メルカプト基、ニトロ基、ハロゲン原子で置換され
ていてもよい芳香族炭化水素基、芳香族複素環基、また
は脂肪族炭化水素基(該脂肪族炭化水素基は炭素鎖が酸
素またはイオウ原子によって置換されていてもよい)等
を挙げることができる。
【0015】一般式(I)中、R3 は架橋性残基であ
る。本明細書において架橋性残基とは、ピラジン誘導体
と他の物質とを結合することのできる化学構造を意味す
る。R3 は、ピラジン部分を免疫原性担体や標識のよう
な他の化合物と結合することを目的とするのであるか
ら、この目的が達成されるならばその具体的な構造は如
何なるものでもよい。従って、架橋性残基による結合手
段としては、共有結合及び非共有結合のどちらをも包含
する。非共有結合としては、疎水結合、水素結合、イオ
ン結合、配位結合等を挙げることができ、具体的には、
長鎖の脂肪族炭化水素(炭素数は好ましくは8〜1
8)、カルボキシレートイオン、アンモニウムイオン等
を挙げることがきる。共有結合の場合は、R3 はスペー
サー部分と反応部分とから成ることが好ましい。反応部
分とは他の化合物と反応して共有結合を形成することの
できる官能基を意味し、例えば、カルボキシル基、水酸
基、スルフヒドリル基、アミノ基、マレイミド基、アル
デヒド基、ハロゲン原子等、及び他の化合物と結合する
ために活性化されたこれら官能基の誘導体を挙げること
ができる。スペーサー部分とは、ピラジン部分と反応部
分とを適当な距離に置くことのできる化学構造を意味
し、例えば、脂肪族炭化水素(炭素数は好ましくは2〜
6)、芳香族炭化水素、またはこれらが互いにエステル
結合、アミド結合、エーテル結合、チオエーテル結合、
ジスルフィド結合、シッフ塩基結合等により連結された
構造等を挙げることができるが、R3 は反応部分だけで
スペーサー部分を含まない構造も取り得る。
【0016】R3 で示される架橋性残基は、ピラジン誘
導体と他の物質とを直接結合させることも、2価性の反
応性架橋剤を介して間接的に結合させることもできる。
ここで、2価性の反応性架橋剤の具体例として、スクシ
ンイミジル3−(2−ピリジルチオ)プロピオネ−ト
(SPDP)、N−スクシンイミジル4−マレイミド酪
酸(GMBS)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミ
ノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)、N,
N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、3
−(2−ピリジルジチオ)プロピオニルヒドラジド(P
DPH)、4−(4−マレイミドメチル)ブタン酸ヒド
ラジド塩酸塩(MPBH)等を挙げることができる。
【0017】一般式(I)で示される化合物としての好
ましい構造は、R1 及びR2 のどちらか一方が水素、他
方が2,3,4−トリヒドロキシブチル基、Aがベンゼ
ン、R3 が4−カルボキサミドブタノイル−(2−メル
カプト)エチルアミド基である化合物N−(4−(3−
(2,3,4−トリヒドロキシブチル)キノキサリン−
6−カルボキサミド)ブタノイル)−2−メルカプトエ
チルアミンまたはN−(4−(2−(2,3,4−トリ
ヒドロキシブチル)キノキサリン−6−カルボキサミ
ド)ブタノイル)−2−メルカプトエチルアミンが好ま
しい。N−(4−(3−(2,3,4−トリヒドロキシ
ブチル)キノキサリン−6−カルボキサミド)ブタノイ
ル)−2−メルカプトエチルアミン及びN−(4−(2
−(2,3,4−トリヒドロキシブチル)キノキサリン
−6−カルボキサミド)ブタノイル)−2−メルカプト
エチルアミンの化学式を以下に示す。
【0018】
【化3】
【0019】
【化4】
【0020】本発明の抗体は、上記したピラジン誘導体
を認識するものであるが、特に、該ピラジン誘導体の少
なくともR1 又はR2 を包含する領域を認識するもので
ある。すなわち、より詳細に後述するように、本発明の
抗体は検体中の1,2−ジカルボニル誘導体を測定する
ために用いられるものである。この1,2−ジカルボニ
ル誘導体が後述するジアミノ誘導体と反応して上記一般
式(I)で示されるピラジン誘導体を形成し、形成され
たピラジン誘導体を本発明の抗体を用いて測定するので
ある。そして、1,2−ジカルボニル誘導体は、ピラジ
ン誘導体中のR1 及びR2 並びにこれらの置換基が結合
しているピラジン環の部分を構成する。従って、本発明
の抗体は、ピラジン誘導体の少なくともR1 又はR2
包含する領域を認識するものである必要があり、例え
ば、R3 のみを認識するような抗体は本発明の抗体では
ない。もっとも、R3 を含む、ピラジン誘導体全体を認
識するような抗体は、当然、本発明の抗体である。
【0021】本発明の抗体は、ポリクローナル抗体でも
モノクローナル抗体でもよいが、均一な反応特異性を有
する抗体を再現性良く得るという観点からモノクローナ
ル抗体が好ましい。なお、ポリクローナル抗体の場合に
は、ピラジン誘導体の少なくともR1 又はR2 を包含す
る領域以外の領域を認識する抗体が含まれていても構わ
ない。
【0022】本発明の抗体は、一般式(I)で示される
ピラジン誘導体又は該ピラジン誘導体のR3 に免疫原性
担体が結合したものから成る免疫原を用いて常法により
調製することができ、後者の免疫原を用いることがより
好ましい。免疫原性担体としては、BSAやKLHのよ
うなタンパク質が好ましい。
【0023】ポリクローナル抗体の場合には、上記の免
疫原を動物に免疫し、抗血清から常法により抗体を生成
することにより本発明の抗体を得ることができる。ま
た、モノクローナル抗体の場合には、上記免疫原を免疫
した動物の脾臓細胞等のような抗体産生細胞と、ミエロ
ーマ細胞のような腫瘍細胞とを、ポリエチレングリコー
ル等のような融合剤で融合してハイブリドーマを作製す
る。次いでハイブリドーマをHAT培地のような選択培
地を用いて選択し、限界希釈法等の適当な方法でモノク
ロン化して培養する。この培養上清を酵素免疫測定法の
ような適当な免疫測定法で分析し、目的とする抗ピラジ
ン誘導体抗体を産生しているクローンを選択する。これ
らのモノクローナル抗体作製の手法は、公知の方法、例
えば、ケーラーとミルシュタイン(Nature 256 495 197
5 )、シェーラー(Nature 285 4461980 )等の方法に
より行うことができる。また上述の手法により作製した
モノクローナル抗体は、培養上清から、塩折、イオン交
換クロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラフィー等
の分析・精製手段により回収することができる。さら
に、ピラジン誘導体の少なくともR1 又はR2 を包含す
る領域以外の領域を認識する抗体は、下記実施例に詳述
するように、1,2−ジカルボニル誘導体の濃度を変え
て後述する本発明の方法により1,2−ジカルボニル誘
導体の測定を行って検量線を書き、該検量線が1,2−
ジカルボニル誘導体の濃度に依存して変化するものを選
択することにより得ることができる。
【0024】次に、本発明の抗体を用いた1,2−ジカ
ルボニル誘導体の測定方法について説明する。
【0025】本発明の免疫測定方法の測定対象である
1,2−ジカルボニル誘導体は、デオキシグルコゾン、
グリオキサール等の、生体内におけるタンパク質の糖化
反応の中間体である1,2−ジカルボニル誘導体であ
り、例えば、2−デオキシグルコゾン、3−デオキシグ
ルコゾン、4−デオキシグルコゾン、メチルグリオキサ
ール等を挙げることができる。
【0026】また、1,2−ジカルボニル誘導体を含む
検体としては、特に限定されないが、通常、血清、血
漿、血液、尿等の体液や生体組織である。
【0027】本発明の免疫測定方法では、先ず、検体中
の1,2−ジカルボニル誘導体を、上記一般式(II)で
示されるジアミノ誘導体と反応させて上記一般式(I)
で示されるピラジン誘導体を生成させる。この反応は、
好ましくは、4℃〜37℃、さらに好ましくは室温で、
好ましくは12〜20時間程度、単に混合するだけで行
うことができる。また、反応させるジアミノ誘導体の濃
度は、通常、1〜50μg/ml程度、好ましくは5〜
20μg/ml程度である。なお、1,2−ジカルボニ
ル誘導体とジアミノ誘導体との反応は、免疫反応の前に
行うことも、同時に行うこともできる。以下に、例とし
て、1,2−ジカルボニル誘導体の一種である3−デオ
キシグルコゾンとジアミノ誘導体の一種であるジアミノ
ベンゼン誘導体との反応式を示す。
【0028】
【化5】
【0029】次に、本発明の抗体を用いた免疫測定方法
により、上記の反応により形成された、一般式(I)で
示されるピラジン誘導体を測定する。免疫測定方法自体
は、この分野において周知であり、免疫組織染色法、免
疫比濁法、ラジオイムノアッセイ、エンザイムイムノア
ッセイ等の該抗体とピラジン誘導体との免疫反応を応用
するいずれの測定方法をも採用することができる。
【0030】好ましい免疫測定方法の一例として、上記
ジアミノ誘導体のR3 が検出可能な標識により標識され
ており、免疫測定は、本発明の抗体を固相に結合させ、
該固相結合抗体と前記ピラジン誘導体とを反応させ、洗
浄後、固相に結合された標識量を測定することにより前
記ピラジン誘導体を測定することから成る方法を挙げる
ことができる。この場合の標識としては、ビオチン、酵
素、放射性同位体等のこの分野において常用されるいず
れの標識をも用いることができる。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づきさらに具体的
に説明する。もっとも、本発明は、下記実施例に限定さ
れるものではない。
【0032】参考例1 N−t−ブトキシカルボニル−
4−アミノ酪酸(化合物(1) )の合成
【0033】4−アミノ酪酸5.16gを水20mlに
溶解し、N−メチルモルホリン8.4mlと、アセトン
50mlに溶解した2−t−ブトキシカルボニルオキシ
イミノ−2−フェニルアセトニトリル11.08gを加
え、室温で一夜撹拌した。溶媒を約半分溜去し、水及び
酢酸エチルを加えてよく振り混ぜ、分液した。水層を酢
酸エチルで洗い、有機相を合わせて、5%炭酸水素ナト
リウム水溶液で抽出した。水層を合わせて酢酸エチルを
加え、6N塩酸でpHを約3とし、分液した。水層を更
に2回酢酸エチルで抽出し、抽出液を合わせて水洗いし
た。これを無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を
濾去した後、N,N−ジシクロヘキシルアミンを加え結
晶化した。結晶を濾取し、エーテルで洗って乾燥した。
N,N−ジシクロヘキシルアミン塩の収量は15.07
gで、収率は79%であった。
【0034】N,N−ジシクロヘキシルアミン塩全量を
酢酸エチルと5%クエン酸水溶液に溶解し、分液した。
水層を酢酸エチルで抽出し、有機相を合わせて、5%ク
エン酸水溶液及び水で洗って、無水硫酸マグネシウムで
乾燥した。溶媒を溜去し、N−t−ブトキシカルボニル
−4−アミノ酪酸(以下、本明細書中では化合物(1)と
記載する)として7.57gの油状物を得た。化合物
(1) の化学式を以下に示す。式中Bocはt−ブトキシ
カルボニル基を示す。
【0035】
【化6】
【0036】化合物〔1〕のNMR測定結果は以下の通
りであった。 1H−NMR(400MHz,CDCl3 ,ppm)δ
1.44(9H,s),1.82(2H,m,J=7.
0,7.0Hz),2.40(2H,t,J=7.0H
z),3.18(2H,m),4.72(1H,s).
【0037】参考例2 S−(2−ピリジルチオ)−2
−メルカプトエチルアミン塩酸塩(化合物(2) )の合成 2,2’−ジピリジルジスルフィド13.2gをメタノ
ール100mlに溶解し、激しく撹拌しながら、メタノ
ール30mlに溶解した2−メルカプトエチルアミン塩
酸塩3.4gを滴下した。反応液を1時間40分撹拌し
た後、溶媒を溜去した。残渣に酢酸エチルを加えて結晶
化し、濾取した。得られた粗結晶をメタノール−エーテ
ルから再結晶した。母液を濃縮し、エーテルを加えてさ
らに結晶化し、S−(2−ピリジルチオ)−2−メルカ
プトエチルアミン塩酸塩(以下、本明細書中では化合物
(2) と記載する)を得た。化合物(2) の収量は5.62
gで、収率は84%であった。化合物(2) の化学式を以
下に示す。
【0038】
【化7】
【0039】化合物(2) のNMR測定結果は以下の通り
であった。 1H−NMR(400MHz,DMSO−D6 ,pp
m)δ3.09(4H,m),7.30(1H,m,J
=1.1,4.8,7.4Hz),7.75(1H,
m,J=0.9,1.1,8.0Hz),7.84(1
H,m,J=1.8,7.4,8.0Hz),8.10
(3H,s),8.52(1H,m,J=0.9,1.
8,4.8Hz).
【0040】参考例3 N−(4−t−ブトキシカルボ
キサミドブタノイル)−S−(2−ピリジルチオ)−2
−メルカプトエチルアミン(化合物(3) )の合成 参考例1で合成した化合物(1) を0. 98g、参考例2
で合成した化合物(2)を1. 07g及び1−ヒドロキシ
ベンゾトリアゾール0. 65gをDMF20mlに懸濁
し、氷/食塩浴で冷却下、水溶性カルボジイミド0. 8
8mlを加え、室温で6時間撹拌した。次いで、水溶性
カルボジイミド塩酸塩0. 28gを追加し、一夜撹拌し
た。溶媒を溜去し、残渣を水と酢酸エチルに溶解し分液
した。酢酸エチル相を水、5%炭酸水素ナトリウム水溶
液、水で洗って、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶
媒を溜去し、油状の残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(100ml、酢酸エチル)で精製した。N−
(4−t−ブトキシカルボキサミドブタノイル)−S−
(2−ピリジルチオ)−2−メルカプトエチルアミン
(以下、本明細書中では化合物(3) と記載する)の収量
は1. 10gで、収率は56%であった。化合物(3) の
化学式を以下に示す。
【0041】
【化8】
【0042】化合物(3) のNMR測定結果は以下の通り
であった。 1H−NMR(400MHz,CDCl3 ,ppm)δ
1.44(9H,s),1.82(2H,m,J=7.
0Hz),2.27(2H,t,J=7.0Hz),
2.94(2H,t,J=6.0Hz),3.18(2
H,m),3.57(2H,m,J=6.0,6.0H
z),4.86(1H,s),7.15(1H,m,J
=1.8,4.9,6.7Hz),7.39(1H,
s),7.54(1H,m,J=0.5,0.9,8.
1Hz),7.63(1H,m,J=1.8,4.9,
6.7Hz),8.50(1H,m,J=0.9,1.
8,4.9Hz).
【0043】参考例4 3,4−ジ−t−ブトキシカル
ボキサミド安息香酸(化合物(4) )の合成 3,4−ジアミノ安息香酸3.04gを1N水酸化ナト
リウム水溶液25mlに溶解し、ジ−t−ブチルジカー
ボネート9.6gをアセトン30mlに溶解して加え、
一夜撹拌した。次いで、ジ−t−ブチルジカーボネート
2.0gと1N水酸化ナトリウム水溶液5mlを追加
し、さらに3日間撹拌を続けた。アセトンを溜去し、残
渣に水と酢酸エチルを加えてよく振り混ぜた後、分液し
た。水層を酢酸エチルで抽出し、酢酸エチル相を合わせ
て、5%炭酸水素ナトリウム水溶液で2回抽出した。水
層をすべて合わせて、酢酸エチルを加え、6N塩酸でp
Hを約3とした後、分液した。水層を酢酸エチルで2回
抽出し、酢酸エチル相を合わせて水洗した。抽出液を濃
縮し、析出した結晶を濾取した。酢酸エチルで結晶を洗
い、五酸化二燐上で乾燥した。3,4−ジ−t−ブトキ
シカルボキサミド安息香酸(以下、本明細書中では化合
物(4) と記載する)の収量は5. 55gで、収率は79
%であった。化合物(4) の化学式を以下に示す。
【0044】
【化9】
【0045】化合物(4) のNMR測定結果は以下の通り
であった。 1H−NMR(400MHz,DMSO−D6 ,pp
m)δ1.48(9H,s),1.49(9H,s),
7.63(1H,d,J=8.6Hz),7.71(1
H,d,J=8.6Hz),8.09(1H,s),
8.68(1H,s),8.73(1H,s),12.
6−13.0(1H,broad s).
【0046】参考例5 3,4−ジ−t−ブトキシカル
ボキサミド安息香酸N−コハク酸イミドエステル(化合
物(5) )の合成 参考例4で合成した化合物(4) 5. 50gとN−ヒドロ
キシコハク酸イミド2. 70gをDMF50mlに溶解
し、氷冷下、水溶性カルボジイミド塩酸塩4.50gを
加え、撹拌した。2時間後、室温に戻し一夜撹拌した。
溶媒を溜去し、残渣を水と酢酸エチルを加えて溶解し、
分液した。酢酸エチル相を水、5%炭酸水素ナトリウム
水溶液、5%クエン酸水溶液、水で洗って、無水硫酸マ
グネシウムで乾燥した。溶媒を溜去し、ヘキサンを加え
て結晶化し、濾取した。3,4−ジ−t−ブトキシカル
ボキサミド安息香酸N−コハク酸イミドエステル(以
下、本明細書中では化合物(5) と記載する)の収量は
6. 63gで、収率は95%であった。化合物(5) の化
学式を以下に示す。化合物(5) の化学式中、NSuはコ
ハク酸イミド基を示す。
【0047】
【化10】
【0048】化合物(5) のNMR測定結果は以下の通り
であった。 1H−NMR(400MHz,DMSO−D6 ,pp
m)δ1.49(9H,s),1.50(9H,s),
2.88(4H,s),7.78(1H,d,J=8.
6Hz),7.95(1H,d,J=8.6Hz),
8.28(1H,s),8.89(1H,s),8.9
9(1H,s).
【0049】参考例6 N−(4−(3,4−ジアミノ
ベンズアミド)ブタノイル)−S−(2−ピリジルチ
オ)−2−メルカプトエチルアミン(化合物(7) )の合
成 参考例3に記載の方法で合成した化合物(3) 1. 54g
をクロロホルム5mlに溶解し、トリフルオロ酢酸5m
lを加え、室温で30分撹拌後、溶媒を溜去した。残渣
にクロロホルムを加えて溜去を3回繰り返した後、DM
F20mlに溶解した。これを氷冷しトリエチルアミン
で中和し、化合物(5) 1. 86gを加え、トリエチルア
ミンでpHを7〜8位に調節しながら一夜反応させた。
溶媒を溜去し、残渣を水と酢酸エチルに溶解し、分液し
た。酢酸エチル相を5%クエン酸水溶液、5%炭酸水素
ナトリウム水溶液、水で洗って、無水硫酸マグネシウム
で乾燥した。溶媒を溜去し、N−(4−(3,4−ジ−
t−ブトキシカルボキサミドベンズアミド)ブタノイ
ル)−S−(2−ピリジルチオ)−2−メルカプトエチ
ルアミン(以下、本明細書中では化合物(6) と記載す
る)を油状物として得た。化合物(6) の化学式を以下に
示す。
【0050】
【化11】
【0051】化合物(6) のNMR測定結果は以下の通り
であった。 1H−NMR(300MHz,CDCl3 ,ppm)δ
1.51(9H,s),1.52(9H,s),1.9
7(2H,m),2.34(2H,t,J=6.9H
z),2.90(2H,t,J=5.5Hz),3.4
6−3.57(4H,m),6.7−6.9(1H,b
road s),7.10−7.17(2H,m),
7.52−7.70(4H,m),7.82(1H,
s),8.47(1H,d,J=4.9Hz).
【0052】化合物(6) 全量をトリフルオロ酢酸10m
lに溶解し、室温で1時間撹拌した。トリフルオロ酢酸
を溜去し、水を加えてもう一度溜去した。残渣を水に溶
解し、ダイアイオン HP−20カラム45mlに吸着
させ、水250mlで洗った後、40%アセトニトリル
水溶液300mlで溶出した。溶出液を集めて濃縮し、
分離してきた油状物を少量のアセトニトリルを加えて溶
解し、凍結乾燥して、N−(4−(3,4−ジアミノベ
ンズアミド)ブタノイル)−S−(2−ピリジルチオ)
−2−メルカプトエチルアミン(以下、本明細書中では
化合物(7) と記載する)を得た。化合物(7) の収量は
1. 30gであった。化合物(7) の化学式を以下に示
す。
【0053】
【化12】
【0054】化合物(7) のNMR測定結果は以下の通り
であった。 1H−NMR(400MHz,DMSO−D6 ,pp
m)δ1.70(2H,m),2.10(2H,t,J
=7.3Hz),2.89(2H,t,J=6.8H
z),3.18(2H,m),3.33(2H,m),
5.42(4H,broad s),6.53(1H,
d,J=8.1Hz)7.05(1H,dd,J=1.
9,8.1Hz),7.15(1H,d,J=1.9H
z),7.23(1H,m,J=1.1,4.8,7.
3Hz),7.76(1H,m,J=0.9,1.1,
8.4Hz),7.82(1H,m,J=1.8,7.
3,8.4Hz),7.94(1H,broad
t),8.06(1H,broadt),8.45(1
H,m,J=0.9,1.8,4.8Hz).
【0055】実施例1 N−(4−(3−(2,3,4
−トリヒドロキシブチル)キノキサリン−6−カルボキ
サミド)ブタノイル)−S−(2−ピリジルチオ)−2
−メルカプトエチルアミン(化合物(8−1))及びN
−(4−(2−(2,3,4−トリヒドロキシブチル)
キノキサリン−6−カルボキサミド)ブタノイル)−S
−(2−ピリジルチオ)−2−メルカプトエチルアミン
(化合物(8−2))の合成 参考例6で合成した化合物(7) 28. 95mgをメタノ
ール1mlに溶解し、文献(Carbohyd. Res., 17, p183
-192, 1971)に記載の方法に従って合成した3−デオキ
シ−D−エリスロヘキソース−2−ウロース(3−デオ
キシグルコゾン)(以下、本明細書中では3−DGと記
載する)36. 92mgを1mlのPBSに溶解して混
合した。アルゴン雰囲気下、室温で一夜撹拌した。反応
液を水で希釈しダイアイオンHP−20カラム5mlに
吸着させ、水洗し、40%アセトニトリル水溶液で溶出
した。溶出液を濃縮し、別のダイアイオンHP−20カ
ラム7mlに吸着させ、5%、10%、20%アセトニ
トリル水溶液で順に溶出し、20%アセトニトリル水溶
液で溶出された画分を集めて濃縮し、これを凍結乾燥し
て化合物(8) を得た。化合物(8) は、N−(4−(3−
(2,3,4−トリヒドロキシブチル)キノキサリン−
6−カルボキサミド)ブタノイル)−S−(2−ピリジ
ルチオ)−2−メルカプトエチルアミン(以下、本明細
書中では化合物(8−1)と記載する)とN−(4−
(2−(2,3,4−トリヒドロキシブチル)キノキサ
リン−6−カルボキサミド)ブタノイル)−S−(2−
ピリジルチオ)−2−メルカプトエチルアミン(以下、
本明細書中では化合物(8−2)と記載する)との混合
物である。化合物(8) の収量は、異性体の混合物として
26. 70mgであった。化合物(8−1)及び(8−
2)の化学式を以下に示す。
【0056】
【化13】
【0057】
【化14】
【0058】化合物(8) のNMR測定結果は以下の通り
であった。 1H−NMR(400MHz,DMSO−D6 ,pp
m)δ1.81(2H,m),2.18(2H,t,J
=7.3Hz),2.90(2H,t,J=6.8H
z),3.02(2H,m),3.34(4H,m),
3.45(2H,m),3.61(1H,m),3.9
3(1H,m),4.45(1H,broads),
4.78(2H,m),7.22(1H,m),7.7
6(1H,d,J=8.1Hz),7.81(1H,d
d,J=7.2,8.1Hz),8.08(2H,
m),8.17(0.4H,d,J=8.8Hz),
8.21(0.6H,d,J=8.8Hz),8.45
(1H,d,J=4.6Hz),8.54(0.4H,
s),8.56(0.6H,s),8.82(1H,b
roadd,J=5.1Hz),8.90(0.4H,
s),8.91(0.6H,s).
【0059】実施例2 KLH結合ピラジン誘導体の合
成 免疫原として、化合物(8) と貝ヘモシアニン(以下、本
明細書ではKLHと記載する)(カルビオケム社製)と
の結合物を合成した。すなわち、KLH11.16mg
を0. 1Mリン酸緩衝液(pH7.5)893μlに溶
解し、DMF(ジメチルホルムアミド)223μlに溶
解したGMBS(4−マレイミド酢酸N−コハク酸イミ
ドエステル、同人化学研究所製)2. 23mgを加え、
室温で1時間撹拌した。1mMのEDTAを含む0. 1
Mリン酸緩衝液(pH7. 0)で平衡化したPD−10
カラム(ファルマシア社製)二本に、反応液を500μ
lずつ分注し、同緩衝液で溶出した。それぞれ、最初の
2. 5mlを棄て、続く2. 0mlを集めた。
【0060】一方、実施例1で合成した化合物〔8〕
3. 46mgを20%アセトニトリル水溶液300μl
に溶解し、ジチオスレイトール11. 56mgを加えて
室温で30分放置した。この還元溶液150μlを、逆
相HPLC(YMC−PackAP−322、内径10
mmx長さ150mm)を用いて、1mMのEDTAを
含む0. 1Mリン酸緩衝液(pH7. 0)とアセトニト
リル10−20%の濃度勾配で溶出分離し、保持時間1
0分のピーク分画(A)および10. 8分のピーク分画
(B)を分取した。分画(A)及び(B)を、上記のマ
レイミド化KLH溶液にそれぞれ加え、室温で撹拌し
た。40分後に残りの還元溶液150μlを分取しそれ
ぞれの反応液に追加した。通算で3時間反応させ、透析
チューブに移し、PBSに対し一夜透析し、KLH結合
ピラジン誘導体を得た。収量は、分画(A)由来のKL
H結合ピラジン誘導体が約7ml(346mg/m
l)、分画(B)由来のKLH結合ピラジン誘導体が約
6ml(375mg/ml)であった。
【0061】実施例3 BSA結合ピラジン誘導体の合
成 実施例2と同様の方法で、牛血清アルブミン(以下、本
明細書ではBSAと記載する)12. 88mgと実施例
1で合成した化合物(8) 3. 3mgとを用い、免疫測定
用の抗原として化合物(8) とBSAとの結合物を合成し
た。収量は、逆相HPLCで分取した分画(A)由来の
BSA結合ピラジン誘導体が約8ml(590mg/m
l)、分画(B)由来のBSA結合ピラジン誘導体が約
7ml(665mg/ml)であった。
【0062】実施例4 ビオチン結合ピラジン誘導体
(化合物(9) )の合成 免疫測定用の抗原として、化合物(8) とビオチンとの結
合物(以下、本明細書では化合物(9) と記載する)を合
成した。すなわち、実施例1に記載の方法で合成した化
合物(8) 21. 35mgを1mMのEDTAを含む0.
1Mリン酸緩衝液(pH7. 0)2mlとメタノール
0. 2mlに溶解し、ジチオスレイトール40. 53m
gを加えて、アルゴン雰囲気下室温で撹拌した。この溶
液を逆相HPLC(アサヒパックODP−90、20m
mI.D.x300mmL.昭和電工社製)を用い、1
mMのEDTAを含む0. 1Mリン酸緩衝液(pH7.
0)とアセトニトリル10−20%の濃度勾配で溶出分
離し、保持時間約26分のピーク分画(A)と27分の
ピーク分画(B)を分取した。ビオチン−PE−マレイ
ミド(同人化学研究所製)を、分画(A)には14. 0
mg、分画(B)には11. 3mg加え、アルゴン雰囲
気下、室温で撹拌した。分画(A)の反応液をダイアイ
オンHP−20カラム7mlに、分画(B)の反応液を
ダイアイオンHP−20カラム5mlに吸着させ、それ
ぞれ10%アセトニトリル水溶液で洗った後、40%ア
セトニトリル水溶液で溶出し、凍結乾燥した。収量は、
分画(A)由来のビオチン結合ピラジン誘導体が11.
35mg、分画(B)由来のビオチン結合ピラジン誘導
体が4.15mgであった。化合物(9−1)及び(9
−2)の化学式を以下に示す。
【0063】
【化15】
【0064】
【化16】
【0065】実施例5 ビオチン結合ジアミノベンゼン
誘導体(化合物(10))の合成 参考例6に記載の方法で合成した化合物(7) 100mg
を1mMのEDTAを含む0. 1Mリン酸緩衝液(pH
7. 0)4mlとアセトニトリル1mlに溶解し、ジチ
オスレイトール115mgを加えて1時間撹拌した。ダ
イヤイオンHP−20カラム10mlに吸着させ、水5
0mlで洗った後、20%アセトニトリル水溶液50m
lで溶出した。溶出液にビオチン−PE−マレイミド4
2.6mgを加え5時間攪拌した。ダイヤイオンHP−
20カラム20mlに吸着させ、水50mlで洗った
後、40%アセトニトリル水溶液50mlで溶出した。
溶出液を凍結乾燥し、粗生成物53.8mgを得た。逆
相HPLCを用いて精製し、化合物(10)8.05mgを
得た。化合物(10)の化学式を以下に示す。
【0066】
【化17】
【0067】参考例7 Nα−(9−フルオレニルメト
キシカルボニル)−Nε−(3,4−ジ−t−ブトキシ
カルボキサミドベンゾイル)−L−リジン(化合物(1
1))の合成 Nα−(9−フルオレニルメトキシカルボニル)−Nε
−t−ブトキシカルボニル−L−リジン0.54gをク
ロロフォルム5mlに溶解し、トリフルオロ酢酸5ml
を加えて、室温で1時間撹拌した。溶媒を溜去し、エー
テルを加えて沈殿させ、上澄みを除いて、DMF5ml
に溶解した。氷冷下、トリエチルアミン322μlと
3,4−ジ−t−ブトキシカルボキサミド安息香酸N−
コハク酸イミドエステル0.67gを加え、室温で一夜
撹拌した。溶媒を溜去し、残渣を酢酸エチル、希塩酸に
溶解し、分液した。酢酸エチル相を水洗し、無水硫酸マ
グネシウムで乾燥した。溶媒を溜去し、残渣にn−ヘキ
サンを加え、結晶を濾取した。化合物(11)の収量は0.
60gであった。化合物(11)の化学式を以下に示す。化
合物(11)の化学式中、Fmocは9−フルオレニルメト
キシカルボニル基を示す。
【0068】
【化18】
【0069】参考例8 Nε−(3,4−ジ−t−ブト
キシカルボキサミドベンゾイル)−L−リジン(化合物
(12))の合成 参考例7で合成した化合物(11)0.60gをDMF7m
lに溶解し、ピぺリジン3mlを加え、室温で10分間
撹拌した。反応液を1.5%トリフルオロ酢酸水溶液1
50ml中に注ぎ、不溶物を濾去した。水相をダイアイ
オンHP−20カラム10mlに通して目的物を吸着さ
せ、水50mlで洗った後、40%アセトニトリル水溶
液100mlで溶出した。溶出液を濃縮し、凍結乾燥し
た。化合物(12)の収量は101mgであった。化合物(1
2)の化学式を以下に示す。
【0070】
【化19】
【0071】実施例6 Nα−(5−(ビオチニルアミ
ノ)−ペンタノイル)−Nε−(3,4−ジアミノベン
ゾイル)−L−リジン(化合物(13))の合成 参考例8で合成した化合物〔12〕30.29mgを
0.1Mリン酸緩衝液(pH7.5)3mlに懸濁し、
激しく撹拌しながらビオチン−AC5−OSu(同人化
学社製)のDMF溶液(10mg/ml)4mlを4回
に分けて加え、室温で一夜撹拌した。溶媒を溜去し、残
渣を酢酸エチルと水に溶解し、6N塩酸で酸性にした。
析出した沈殿を濾取し、水洗し、五酸化二燐上で乾燥し
た。得られた固体を、トリフルオロ酢酸1mlに溶解し
室温で1時間撹拌した。溶媒を溜去し、残渣を水に溶解
し凍結乾燥した。化合物(13)の収量は21.14mgで
あった。化合物(13)の化学式を以下に示す。
【0072】
【化20】
【0073】化合物〔13〕のNMR測定結果は以下の
通りであった。 1H−NMR(400MHz,DMSO−D6 ,pp
m)δ1.2−1.8(16H,m),2.05(2
H,t,J=7.4Hz),2.10(2H,t,J=
7.3Hz),2.58(1H,d,J=12.4H
z),2.82(1H,dd,J=5.1,12.4H
z),3.00(2H,m),3.09(1H,m),
3.19(2H,m),3.2−4.0(4H,bro
ad s),4.14(2H,m),4.31(1H,
m),6.36(1H,broad s),6.42
(1H,broad s),6.71(1H,d,J=
8.4Hz),7.34(1H,dd,J=0.7,
8.4Hz),7.44(1H,s),7.72(1
H,m),8.00(1H,m),8.10(1H,
m).
【0074】参考例9 Nα−ビオチニル−Nε−
(3,4−ジアミノベンゾイル)−L−リジン(化合物
(14))の合成 参考例8で合成した化合物(12)41.07mgを0.1
Mリン酸緩衝液(pH7.5)4mlに懸濁し、激しく
撹拌しながらビオチン−OSu(同人化学社製)のDM
F溶液(10mg/ml)3mlを加え、室温で一夜撹
拌した。溶媒を溜去し、残渣を酢酸エチルと水に溶解
し、6N塩酸で酸性にした。分液し、酢酸エチル相を水
洗した。溶媒を溜去し、残渣をトリフルオロ酢酸1ml
に溶解して室温で1時間撹拌した。溶媒を溜去し、残渣
を水、アセトニトリルに溶解し凍結乾燥した。化合物(1
4)の収量は47mgであった。化合物(14)の化学式を以
下に示す。
【0075】
【化21】
【0076】実施例7 抗ピラジン誘導体モノクローナ
ル抗体の作製 抗ピラジン誘導体モノクローナル抗体は、実施例2で合
成した分画(A)由来のKLH結合ピラジン誘導体をB
ALB/Cマウスに免疫し、その脾臓リンパ球とミエロ
ーマ細胞を融合することにより作製した。すなわち、B
ALB/Cマウスにフロイント完全アジュバントでエマ
ルジョン化したKLH結合ピラジン誘導体の25〜10
0μgを用いて初回免疫を行い、2〜3週間後、フロイ
ント不完全アジュバントでエマルジョン化した同抗原2
5〜100μgで追加免疫を行った。抗体価の上昇は、
後述のスクリーニング法と同様の手法で、実施例3で合
成した分画(A)由来のBSA結合ピラジン誘導体を固
相抗原としたELISAで確認した。抗体価の上昇を確
認後、KLH結合ピラジン誘導体25〜100μgを静
脈内に投与し、その3〜4日後、マウスから脾臓を取り
出し脾細胞を調製した。前もってRPMI−1640培
地で培養していたマウスミエローマ細胞(P3U1)と
脾細胞を1:2〜1:5の比率で混合し、ポリエチレン
グリコール(ベーリンガー社製)を用い細胞融合を行っ
た。融合した細胞はHAT培地に浮遊した後、96ウエ
ル培養プレートに分注し37℃二酸化炭素インキュベー
ターで培養した。
【0077】スクリーニングは抗原固相ELISAで行
った。すなわち、実施例3で合成した分画(A)由来の
BSA結合ピラジン誘導体を96ウエルELISAプレ
ート(ファルマシア社製)に1μg/mlの濃度で50
μl/ウエルづつ注し、4℃一晩放置することにより吸
着させた。プレートを1%スキムミルクでブロッキング
した後、0.05%ツィーン20を含むリン酸緩衝液
(以下本明細書中では、洗浄緩衝液と記載する)で3回
洗浄し、細胞融合を行ったプレートの培養上清50μl
を加え、37℃1時間反応させた。同様に洗浄緩衝液で
3回洗後、パーオキシダーゼ(以下本明細書中では、P
ODと記載する)標識抗マウスイムノグロブリン抗体
(ダコ社製)を加え、さらに37℃1時間反応させた。
洗浄緩衝液で4回洗浄後、基質ABTSを加え発色の見
られるウエルを選択した。BSA結合ピラジン誘導体に
反応性を示したウエルは、さらにフリーのピラジン誘導
体による抑制試験を行い特異性を確認した。すなわち、
固相抗原と培養上清との反応時に、一定濃度(約10μ
M)のピラジン誘導体を共存させ、抑制の有無で特異性
を確認した。この場合、抑制を示すウエルが特異的なウ
エルである。特異性を確認したウエルの細胞は限界希釈
法によりクローニングを行いモノクローン化した。抗ピ
ラジン誘導体モノクローナル抗体を産生する細胞は、大
量に培養後、マウス腹腔に投与し、抗ピラジン誘導体モ
ノクローナル抗体を含む腹水を回収した。さらにプロテ
インA−セファロースを用い、腹水から抗体を精製しモ
ノクローナル抗体を得た。この抗ピラジン誘導体モノク
ローナル抗体を3DG−451抗体と命名し、3DG−
451抗体を産生するハイブリドーマは工業技術院生命
工学工業技術研究所微生物寄託センターに寄託され、そ
の受託番号はFERM P−16179である。
【0078】実施例8 抗ピラジン誘導体モノクローナ
ル抗体の特異性の確認 抗ピラジン誘導体モノクローナル抗体の特異性は、BS
A結合ピラジン誘導体を固相抗原としたELISAの抑
制試験で確認した。すなわち、ヌンク社製ELISAプ
レート(マキシソーブ)に実施例3で合成した分画
(A)由来または分画(B)由来のBSA結合ピラジン
誘導体をそれぞれ1μg/mlの濃度で75μl/ウエ
ル分注し、4℃一夜放置し吸着させ、分画(A)由来B
SA結合ピラジン誘導体吸着プレートをプレート
(A)、分画(B)由来BSA結合ピラジン誘導体吸着
プレートをプレート(B)とした。プレート(A)及び
プレート(B)を1%スキムミルクで37℃、3時間放
置してブロッキングした後、インヒビターとして、1m
Mから5n希釈した実施例1で合成したピラジン誘導体
(化合物(8) )、10mMから5n希釈した参考例6で
合成したジアミノベンゼン誘導体(化合物(7) )、10
mMから5n希釈したキノキサリン(東京化成工業社
製)の溶液をそれぞれ40μlづつ各ウエルに入れた。
次に、1μg/mlの3DG−451抗体を40μl加
え、37℃で1時間反応させた。洗浄緩衝液で充分洗浄
した後、POD標識抗マウスイムノグロブリン抗体(ダ
コ社製)を加え、37℃で1時間反応させた。同様に洗
浄緩衝液で充分洗浄した後、基質ABTSを加え、室温
で20〜30分放置した後、分光光度計にて405nm
の吸収を測定した。図1及び図2に示すように、BSA
結合ピラジン誘導体と3DG−451抗体との反応は、
ピラジン誘導体(化合物(8) )では抑制されたが、ジア
ミノベンゼン誘導体(化合物(7) )及びキノキサリンで
は全く抑制されなかった。3DG−451抗体のジアミ
ノベンゼン誘導体(化合物(7) )及びキノキサリンに対
する交差反応性は0.1%以下であり、ピラジン誘導体
(化合物(8) )特異的であることが確認できた。
【0079】実施例9 ビオチン結合ピラジン誘導体
(化合物(9) )の測定 実施例4で合成した化合物(9) をサンドイッチELIS
A法にて測定した。ヌンク社製ELISAプレート(マ
キシソーブ)に3DG−451抗体を10μg/mlの
濃度で75μl/ウェルづつ分注し、4℃一晩放置して
吸着させた。プレートを1%スキムミルクで37℃、3
時間放置してブロッキングした後、実施例4で合成した
ビオチン結合ピラジン誘導体(化合物(9) )を1%BS
A含有トリス緩衝液で40ng/mlから5n希釈し、
各希釈液を抗体吸着プレートに75μl/ウェルづつ入
れ、37℃、1時間反応させた。同様に、1000ng
/mlより5n希釈した実施例5で合成したビオチン結
合ジアミノベンゼン誘導体(化合物(10))も測定した。
反応後、洗浄緩衝液で充分洗浄し、アルカリフォスファ
ターゼ(以下本明細書中では、ALPと記載する)標識
アビジン(ダコ社製)を各ウェルに75μl入れ、さら
に37℃、1時間反応させた。洗浄緩衝液で充分洗浄
し、基質pNPPを75μl/ウェル入れ室温で30分
放置後、405nmの波長を測定した。結果を図3に示
す。図3に示すように固相として用いた抗体3DG−4
51はジアミノベンゼン誘導体(化合物(10))には全く
反応しないが、ピラジン誘導体(化合物(9) )はおよそ
10pg/mlまで測定可能であった。
【0080】実施例10 3−デオキシグルコゾン(3
−DG)の測定−1 3−DGと実施例5で合成したビオチン結合ジアミノベ
ンゼン誘導体(化合物(10))とをPBS中室温で一晩反
応させ、その反応物を3DG−451固相ELISAで
測定した。すなわち、5μg/mlから5n希釈した3
−DGにビオチン結合ジアミノベンゼン誘導体溶液(化
合物(10))を終濃度10μg/mlになるように加え、
室温、一晩反応させた。ヌンク社製ELISAプレート
(マキシソーブ)に3DG−451抗体を10μg/m
lの濃度で75μl/ウェル入れ、4℃一晩放置して吸
着させた後、1%スキムミルクでブロッキングし、EL
ISAプレートを作製した。対照として、ピラジン誘導
体には特異性を持たないモノクローナル抗体PCX22
A4を吸着させたELISAプレートも作製した。EL
ISAの測定手法は実施例9で示した方法に従い、作製
した2種類のプレートを用いて、3−DGとビオチン結
合ジアミノベンゼン誘導体(化合物(10))との反応物で
あるビオチン結合ピラジン誘導体を測定した。結果を図
4に示す。図4に示すように、本測定法で3−DGが測
定できることを確認した。
【0081】実施例11 3−DGの測定−2 3−DGと実施例6で合成したビオチン化ジアミノベン
ゼン誘導体(化合物(13))または参考例9で合成したビ
オチン化ジアミノベンゼン誘導体(化合物(14))とをそ
れぞれPBS中室温で一晩反応させ、その反応物を3D
G−451固相ELISAで測定した。すなわち実施例
10と同様に、200ng/mlから3n希釈した3−
DGに化合物(13)または化合物(14)を終濃度10μg/
mlになるように加え、室温で一晩反応させた。ELI
SA測定方法は実施例10と同様に行った。結果を図5
に示す。図5に示すように、化合物(14)のビオチン化ジ
アミノベンゼン誘導体は反応を示さなかったが、化合物
(13)のビオチン化ジアミノベンゼン誘導体を用いた場
合、3−DGが100pg/ml程度より測定可能であ
った。
【0082】
【発明の効果】本発明により、合併症を伴う糖尿病の指
標となり得る1,2−ジカルボニル誘導体を測定し得る
抗体を提供し、該抗体を用いた測定法によって1,2−
ジカルボニル誘導体を簡便に測定できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】分画(A)由来BSA結合ピラジン誘導体を用
いた抗ピラジン誘導体モノクローナル抗体の特異性を示
す図である。
【図2】分画(B)由来BSA結合ピラジン誘導体を用
いた抗ピラジン誘導体モノクローナル抗体の特異性を示
す図である。
【図3】抗ピラジン誘導体モノクローナル抗体によるビ
オチン結合ピラジン誘導体の測定結果を示す図である。
【図4】化合物(10)を用いた抗ピラジン誘導体モノクロ
ーナル抗体による3−デオキシグルコゾンの測定結果を
示す図である。
【図5】化合物(13)及び化合物(14)を用いた抗ピラジン
誘導体モノクローナル抗体による3−デオキシグルコゾ
ンの測定結果を示す図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【書類名】 受託番号変更届
【提出日】 平成10年9月14日
【あて先】 特許庁長官殿
【事件の表示】
【出願番号】 特願平10−249122号
【手続をした者】
【事件との関係】 特許出願人
【識別番号】 000237204
【氏名又は名称】 富士レビオ株式会社
【代理人】
【識別番号】 100088546
【弁理士】
【氏名又は名称】 谷川 英次郎
【旧寄託機関の名称】 通商産業省工業技術院生命工
学工業技術研究所
【旧受託番号】 FERM P−16179
【新寄託機関の名称】 通商産業省工業技術院生命工
学工業技術研究所
【新受託番号】 FERM BP−6346
【提出物件の目録】
【物件名】 新受託番号を証明する書面
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12N 15/02 C12P 21/08 C12P 21/08 C12N 15/00 C

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で示されるピラジン誘
    導体の少なくともR1 又はR2 を包含する領域を認識す
    る抗体。 【化1】 (ただし、式中、R1 、R2 は、互いに独立に、水素、
    メチル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、
    ジヒドロキシエチル基、ジヒドロキシプロピル基、トリ
    ヒドロキシプロピル基又はトリヒドロキシブチル基であ
    り、Aはピラジン環と結合して5員又は6員の芳香族炭
    化水素基、芳香族複素環基又は脂環式炭化水素基を形成
    する基であり、R3 は架橋性残基であり、Aにより形成
    される環は、上記R3 の他に、5員環の場合には1又は
    2個、6員環の場合には1〜3個のさらなる置換基によ
    って置換されていてもよい)。
  2. 【請求項2】 R1 が水素でR2 がトリヒドロキシブチ
    ル基、R1 がメチル基でR2 がトリヒドロキシプロピル
    基、又はR1 がヒドロキシメチル基でR2 がジヒドロキ
    シプロピル基である請求項1記載の抗体。
  3. 【請求項3】 R1 が水素、R2 がメチル基である請求
    項1記載の抗体。
  4. 【請求項4】 Aにより形成される環はピリジン、ベン
    ゼン、フラン又はチオフェンである請求項1ないし3の
    いずれか1項に記載の抗体。
  5. 【請求項5】 R3 は反応部分とスペーサー部分を有す
    る請求項1ないし4のいずれか1項に記載の抗体。
  6. 【請求項6】 前記反応部分はカルボキシル基、水酸
    基、スルフヒドリル基、アミノ基、マレイミド基、アル
    デヒド基若しくはハロゲン原子又はこれらの誘導体であ
    って他の化合物と反応して共有結合を形成できるもので
    ある請求項5記載の抗体。
  7. 【請求項7】 前記スペーサー部分は、脂肪族炭化水素
    基若しくは芳香族炭化水素基又はこれらが互いにエステ
    ル結合、アミド結合、エーテル結合、チオエーテル結
    合、ジスルフィド結合若しくはシッフ塩基結合により結
    合されたものである請求項5又は6記載の抗体。
  8. 【請求項8】 R1 及びR2 のいずれか一方が水素、他
    方が2,3,4−トリヒドロキシブチル基、Aが形成す
    る環がベンゼンであり、R3 が4−カルボキサミドブタ
    ノイル−(2−メルカプト)エチルアミド基である請求
    項1記載の抗体。
  9. 【請求項9】 モノクローナル抗体である請求項1ない
    し8のいずれか1項に記載の抗体。
  10. 【請求項10】 FERM P−16179の受託番号
    で寄託されたハイブリドーマが産生するモノクローナル
    抗体3DG−451である請求項8記載の抗体。
  11. 【請求項11】 下記一般式(I)で示されるピラジン
    誘導体又は該ピラジン誘導体のR3 に免疫原性担体が結
    合したものから成る免疫原。 【化1】 (ただし、式中、R1 、R2 は、互いに独立に、水素、
    メチル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、
    ジヒドロキシエチル基、ジヒドロキシプロピル基、トリ
    ヒドロキシプロピル基又はトリヒドロキシブチル基であ
    り、Aはピラジン環と結合して5員又は6員の芳香族炭
    化水素基、芳香族複素環基又は脂環式炭化水素基を形成
    する基であり、R3 は架橋性残基であり、Aにより形成
    される環は、上記R3 の他に、5員環の場合には1又は
    2個、6員環の場合には1〜3個のさらなる置換基によ
    って置換されていてもよい)。
  12. 【請求項12】 前記免疫原性担体がタンパク質である
    請求項11記載の免疫原。
  13. 【請求項13】 生体内におけるタンパク質の糖化反応
    の中間体である1,2−ジカルボニル誘導体を免疫測定
    する方法であって、検体中の1,2−ジカルボニル誘導
    体を、一般式(II) 【化2】 (R3 及びAは、請求項1に記載される一般式(I)の
    場合と同義)で示されるジアミノ誘導体と反応させて請
    求項1に記載される一般式(I)で示されるピラジン誘
    導体を生成させ、該ピラジン誘導体と請求項1ないし1
    0のいずれか1項に記載の抗体との抗原抗体反応を利用
    した免疫測定により該ピラジン誘導体を測定し、それに
    よって検体中の1,2−ジカルボニル誘導体を測定する
    ことから成る、1,2−ジカルボニル誘導体の免疫測定
    方法。
  14. 【請求項14】 上記ジアミノ誘導体のR3 が検出可能
    な標識により標識されており、前記免疫測定は、前記抗
    体を固相に結合させ、該固相結合抗体と前記ピラジン誘
    導体とを反応させ、洗浄後、固相に結合された標識量を
    測定することにより前記ピラジン誘導体を測定すること
    から成る、請求項13記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記標識はビオチンである請求項14
    記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記1,2−ジカルボニル誘導体は、
    デオキシグルコゾンである、請求項13ないし15のい
    ずれか1項に記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記1,2−ジカルボニル誘導体は、
    メチルグリオキサールである、請求項13ないし15の
    いずれか1項に記載の方法。
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