JPH11180031A - インクジェット記録用シートの製造方法 - Google Patents

インクジェット記録用シートの製造方法

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JPH11180031A
JPH11180031A JP9355216A JP35521697A JPH11180031A JP H11180031 A JPH11180031 A JP H11180031A JP 9355216 A JP9355216 A JP 9355216A JP 35521697 A JP35521697 A JP 35521697A JP H11180031 A JPH11180031 A JP H11180031A
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JP
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ink
water
soluble polymer
jet recording
recording sheet
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JP9355216A
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Satoshi Kaneko
智 金子
Takayuki Nakamura
隆之 中村
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高光沢及び優れた印字特性を有するインクジェ
ット記録用シートを提供する。 【解決手段】支持体上に少なくとも水溶性ポリマーを含
有するインク受容層を有するインクジェット記録シート
の製造方法において、前記水溶性ポリマーの溶液を高均
質分散装置を用いて分散混合したことを特徴とするイン
クジェット記録シートの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として色材を使
用するインクジェット記録用シートの製造方法に関し、
特に印字部の光沢が高く、画像の鮮明性、解像性と均一
性に優れ、さらに印字直後のインクの吸着性及び乾燥性
に優れたインクジェット記録用シートの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録は、騒音がなく、高
速印字が可能であり、端末プリンターなどに採用され近
年急速に普及している。また、複数個のインクノズルを
使用することにより、多色記録を行うことも容易であ
り、各種のインクジェット記録方式による多色インクジ
ェット記録が行われている。特にコンピューターにより
作成した文字や各種図形及び写真等の画像情報のハード
コピー作成装置として、複雑な画像を迅速で正確に形成
する事ができるインクジェットプリンターの利用が注目
されている。更に、これらコンピューターで作成した画
像情報をインクジェットプリンターにより透明な記録用
シートに記録し、これをOHP(オーバーヘッドプロジ
ェクター)等の原稿としても利用されている。また、近
年特に注目されているインクジェットプリンターの利用
分野としては、写真に近い画質が要求される印刷分野に
おけるカラー版下の用途やデザイン部門でのデザインイ
メージのアウトプットと大型のインクジェトプロッター
を用いて簡便に作成することができる大判のポスター、
ディスプレー、旗等である。さらに、近年デジタルカメ
ラに代表される様にデジタル写真画像が身近になりこれ
らの画像を安価なインクジェットプリンターで出力する
試みがなされており、写真専用のモードやインクを具備
したインクジェトプリンターも発売されている。
【0003】インクジェト記録用のインクとしては、安
全性、記録特性の面から、主に水と多価アルコールを主
成分とするインクが使用され、インクの目詰り防止およ
び吐き出し特性向上等が図られている。
【0004】インクジェット記録方式に使用される記録
用シートとしては、例えば特開昭55−51583号、
同56−157号、同57−107879号、同57−
107880号、同59−230787号、同62−1
60277号、同62−184879号、同62−18
3382号、及び同64−11877号公報等に開示の
ごとく、シリカ等の含珪素顔料を水系バインダーと共に
紙支持体に塗布して得られる被記録材料が提案されてい
る。このシリカ等の顔料微粒子は吸油量が高いものの、
この顔料を使用した被記録材料は、インクの吸収容量及
び吸収速度の点でインク量の多い現在の記録装置に対し
ては適当な被記録材料とは言えない。また、使用の際の
シリカ等の無機顔料は、塗布層中へ多量に添加する必要
があることから、被記録材自体の表面光沢は低い。光沢
性を改善する目的で、シリカに替えてコロイダルシリカ
を使用すると、インクの吸収性を悪くするために好まし
くない。
【0005】また、特開平3−215082号、同4−
67986号、及び同5−32037号公報記載の微細
なアルミナゾルを水溶性バインダーと共に支持体表面に
塗布し、透明性を有する受像体を形成する方法が記載さ
れているが、塗層中に於けるアルミナゾル(擬ベーマイ
ト)のバインダーに対する比率を高めないとインク吸収
性が劣る問題もある。そのため、塗布量も20g/m2
上でなければインク吸収容量が充分でなく、結果として
厚膜塗布が必要となって、透明性が悪化すると言う欠点
も出て来てしまう。
【0006】一方、光沢表面を備えたインクジェット用
被記録材料として、塗層が湿潤状態にある間にキャスト
仕上げして得られるキャスト塗工紙が、特開平6−32
0857号公報に記載されているが、その表面光沢は極
めて低く、銀塩写真の印画紙の様な質感が得られるもの
ではない。さらに、OHP用にこれら従来のインク吸収
層を用いた場合、たとえ透明な支持体を用いても、多孔
質インク吸収層が光透過性を悪化させるという問題点が
あった。また、インク吸収層の表面が非多孔質の場合に
は光透過性は改良されるが、水性インク受容性が劣るた
めに、画像記録印字後インクがシート表面に長時間残存
し、乾燥定着時間が長くなるという問題点があった。
【0007】これら従来の記録用シートを大型のインク
ジェトプロッターに用いた場合には、高い着色濃度が求
められるポスターの場合多量に打ち込まれたインクによ
り紙に波打ちが発生して見た目に醜いものになってしま
うばかりでなく、発色濃度も低いものとなってしまう。
【0008】従って、透明性や光沢性を高めたインク吸
収層を形成するためには、上記の様な種々の無機顔料は
使用量が限られてくる。そこで、インク吸収性を高める
ために、インク吸収層中のバインダーの性能を高めなけ
ればならない。従来こうした用途に使用されるバインダ
ーとしては、例えば特開昭57−38185号、同62
−184879号公報等に記載されるポリビニルピロリ
ドン、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体、特開昭
60−168651号、同60−171143号、同6
1−134290号公報に記載されるポリビニルアルコ
ールを主体とする樹脂組成物、特開昭60−23487
9号公報に記載されるビニルアルコールとオレフィンま
たはスチレンと無水マレイン酸との共重合体、特開昭6
1−74879号公報に記載されるポリエチレンオキサ
イドとイソシアネートとの架橋物、特開昭61−181
679号公報に記載されるカルボキシメチルセルロース
とポリエチレンオキサイドとの混合物、特開昭61−1
32377号公報に記載されるポリビニルアルコールに
メタクリルアミドをグラフト化したポリマー、特開昭6
2−220383号公報に記載されるカルボキシ基を有
するアクリル系ポリマー、特開平4−214382号公
報等に記載されるポリビニルアセタール系ポリマー、特
開平4−282282号、同4−285650号公報に
記載される架橋性アクリル系ポリマー等、種々のインク
吸収性ポリマーの使用が開示され、特開昭62−263
084号では特定pHのゼラチン水溶液から形成された
受容層が、また特開平1−146784号ではゼラチン
と界面活性剤の混合物の使用が提案されている。
【0009】これら特許に記載された記録用シートはそ
の光透過性に優れ、インクの受容性は改善はされている
が、まだ不十分であり、特に印字部の光沢、ドットの再
現性やインク吸収性さらにはインク乾燥性は不十分で大
型プロッターの出力にはとても使用できるシートではな
かった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、非印字部及び印字部の光沢が高く、透明性に優れ、
かつインクの受容性とドットの再現性が高く、結果とし
て解像力と色再現性に優れた高画質のインクジェット記
録を与えるインクジェット記録用シートを提供すること
である。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、支
持体対上に少なくとも水溶性ポリマーを含有するインク
受容層を有するインクジェット記録シートの製造方法に
おいて、前記水溶性ポリマーの溶液を高均質分散装置を
用いて分散混合したことを特徴とするインクジェット記
録シートの製造方法によって基本的に達成された。
【0012】インク受容層に水溶性ポリマーを含有させ
ることは従来から行われており、2種類以上の水溶性ポ
リマーを混合するとき、または他の添加剤を混合すると
きは、通常用いられる攪拌装置、例えば、プロペラ、パ
ドル型、スターラー(回転子)等の攪拌翼で回転数50
0rpm以下の攪拌装置が用いられていた。これらの通
常の攪拌装置は均一混合には十分であった。
【0013】ところが、本発明者は、水溶性ポリマー溶
液をオイルや顔料を分散するための高速せん断型攪拌装
置や高圧型均質機(ホモゲナイザー)等の高均質分散装
置を用いて分散したところ、従来にない印字部の光沢が
得られ、更にべた印字むら、にじみ及び文字描画性等が
改良されることを見いだした。特に、ゼラチンとその他
の水溶性ポリマーとの混合系において、顕著に前記性能
が向上することが分かった。光沢の上昇に関しては水溶
性ポリマーの長い分子鎖間の混ざりが高せん断をかける
ことでより密になり結果として光沢が上昇したものと推
測するものであるが、べた印字ムラ、にじみ及び文字描
画性の良化に関しては不明である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられる水溶性ポリマーとしては、ゼラチン
をはじめ各種ポリマー、例えば、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジニウムハ
ライド、各種変性ポリビニルアルコール等のビニルホル
マールおよびその誘導体(特開昭60−145879
号、同昭60−220750号、同昭61−14317
7号、同昭61ー235182号、同昭61−2351
83号、同昭61−237681号、同昭61−261
089号参照)、ポリアクリルアミド、ポリジメチルア
クリルアミド、ポリジメチルアミノアクリレート、ポリ
アクリル酸ソーダ、アクリル酸メタクリル酸共重合体
塩、ポリメタクリル酸ソーダ、アクリル酸ビニルアルコ
ール共重合体塩等のアクリル基を含むポリマー(特開昭
60−168651号、同昭62−9988号参照)、
澱粉、酸化澱粉、カルボキシル澱粉、ジアルデヒド澱
粉、カチオン化澱粉、デキストリン、アルギン酸ソー
ダ、アラビアゴム、カゼイン、プルラン、デキストラ
ン、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の
天然ポリマーまたはその誘導体(特開昭59−1743
82号、同昭60−262685号、同昭61−143
177号、同昭61−181679号、同昭61−19
3879号、同昭61−287782号参照)、ポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビ
ニルエーテル、ポリグリセリン、マレイン酸アルキルビ
ニルエーテル共重合体、マレイン酸N−ビニルピロール
共重合体、スチレン無水マレイン酸共重合体、ポリエチ
レンイミン等の合成ポリマー(特開昭61−32787
号、同昭61−237680号、同昭61−27748
3号参照)等を挙げることができる。
【0015】この中でも、インク受容性やドット再現性
を向上させる目的でバインダーとしてゼラチンとその他
の水溶性ポリマーを組み合わせて用いることが好まし
い。本発明に用いられるゼラチンとしては、動物のコラ
ーゲンを原料としたゼラチンであれば何れでも使用でき
るが、豚皮、牛皮、牛骨を原料としたコラーゲンを原料
としたゼラチンが好ましい。さらにゼラチンの種類とし
ては特に制限はないが、石灰処理ゼラチン、酸処理ゼラ
チン、ゼラチン誘導体(例えば特公昭38−4854
号、同昭39−5514号、同昭40−12237号、
同昭42−26345号、米国特許第2525753
号、同第2594293号、同第2614928号、同
第2763639号、同第3118766号、同第31
32945号、同第3186846号、同第33125
53号、英国特許第861414号、同第103318
9号等に記載のゼラチン誘導体)を単独またはそれらを
組み合わせて用いることができる。特に好ましくはゼラ
チンの分子量分布中に占めるα鎖成分の割合が40%以
上のゼラチンである。
【0016】本発明に用いられるゼラチンのゼリー強度
(PAGI法、ブルーム式ゼリー強度計による)として
は、150g以上、特に200〜300gであることが
好ましい。
【0017】本発明において、インク受容層に含まれる
ゼラチンの塗布量としては、固形分として3〜50g/
m2が好ましく、さらに好ましくは5〜30g/m2であ
る。インク受容層が3g/m2未満ではインクの受容性が
劣り、印字後インクが受容層から溢れてしまう。さら
に、50g/m2を超えて多い場合には、インクの受容性
は向上するがひび割れ、カール等で問題が発生する。
【0018】本発明において、併用される水溶性ポリマ
ーのゼラチンに対する割合(重量比)は、併用される水
溶性ポリマーの種類によって異なるが、インク受容性や
ドット再現性を向上させるには、ゼラチン/水溶性ポリ
マー比(重量比)を80/20〜5/95にするのが好
ましく、70/30〜10/90にするのがさらに好ま
しい。
【0019】本発明に用いられる高均質分散装置として
は、高速せん断型攪拌装置や高圧均質機(ホモゲナイザ
ー)がよく知られており、本発明においても好ましく用
いられる。高速せん断型攪拌装置の例としては特開昭5
5−75733号、同57−42324号、特開平8−
333520号に記載のもの、また市販品として大阪セ
ンキ開発製の商品名“ホモミキサー”、特殊機化工業製
の製品名“T.K.ホモミキサー”、“T.K.ホモデ
ィスパー”、日本精機製作所製の商品名“パワーホモジ
ナイザーPM−1型”等があり、容量、回転数、型式
(例えば、卓上型、懸垂型、固定型、パイプライン型、
加圧式、真空式)等も種々があり、生産様式等に合わせ
て適当なものが選択される。
【0020】高圧型均質機(ホモゲナイザー)の例とし
ては三和機械製の“ホモゲナイザー”等があり容量、型
式等により適当に選択される。
【0021】上記高速せん断型攪拌装置や高圧型均質機
(ホモゲナイザー)はこれら攪拌装置の高速攪拌や均質
機の高圧ポンプによって生じるせん断力や強い衝撃、乱
流等により極めて効率良く混合されることにより、短時
間で混合、分散されるものであり、当初はゼラチンと水
溶性ポリマー分子の分子鎖が破壊され低分子化したので
はないかと考えられたが、ゲルパーミエションクロマト
グラフィー(GPC)により分子量測定を行ったところ
分子量の変化は認められなかった。
【0022】上記高速せん断型攪拌装置は回転数が50
0rpm以上で通常用いられるが、1000〜1500
0rpmの高速回転が好ましい結果を与える。高圧型均
質機(ホモゲナイザー)による混合は均質圧力が50〜
1000kg/cm2の高圧がよく、好ましくは150〜
500kg/cm2の通常の使用法の範囲で用いることで
充分効果が得られる。
【0023】本発明には、他にボールミル、サンドミ
ル、コロイドミル、アトライター、超音波分散機等の高
均質分散装置を用いることができる。
【0024】本発明において、ゼラチン/ポリマー比は
前述の範囲であれば光沢の上昇は認められるが、更にイ
ンク受容層にはバインダーに加えてドット再現性を向上
させる目的で界面活性剤を添加することができる。用い
られる界面活性剤はアニオン系、カチオン系、ノニオン
系、ベタイン系のいずれのタイプでもよく、また低分子
のものでも高分子のものでもよい。1種もしくは2種以
上界面活性剤をインク受容層塗液中に添加するが、2種
以上の界面活性剤を組み合わせて使用する場合は、アニ
オン系のものとカチオン系のものとを組み合わせて用い
ることは好ましくない。界面活性剤の添加量はインク受
容層を構成するバインダー100gに対して0.001
g〜5gが好ましく、より好ましくは0.01〜3gで
ある。
【0025】本発明において、インク受容層は、耐水
性、ドット再現性を向上させる目的で適当な硬膜剤で硬
膜することができる。硬膜剤の具体的な例としては、ホ
ルムアルデヒド、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド
系化合物、ジアセチル、クロルペンタンジオンの如きケ
トン化合物、ビス(2−クロロエチル尿素)、2−ヒド
ロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5トリアジン、米
国特許第3288775号記載の如き反応性のハロゲン
を有する化合物、ジビニルスルホン、米国特許第363
5718号記載の如き反応性のオレフィンをもつ化合
物、米国特許第2732316号記載の如きN−メチロ
ール化合物、米国特許第3103437号記載の如きイ
ソシアナート類、米国特許第3017280号、同第2
983611号記載の如きアジリジン化合物類、米国特
許第3100704号記載の如きカルボジイミド系化合
物類、米国特許第3091537号記載の如きエポキシ
化合物、アジリジン誘導体、ムコクロル酸の如きハロゲ
ンカルボキシアルデヒド類、ジヒドロキシジオキサンの
如きジオキサン誘導体、クロム明ばん、カリ明ばん、硫
酸ジルコニウムの如き無機硬膜剤等があり、これらを1
種または2種以上組み合わせて用いることができる。硬
膜剤の添加量はインク受容層を構成するバインダー10
0gに対して0.01g〜10gが好ましく、より好ま
しくは0.1〜5gである。
【0026】本発明において、更に、インク受容層には
上記の界面活性剤、硬膜剤の他に無機顔料、着色染料、
着色顔料、インク染料の定着剤、紫外線吸収剤、酸化防
止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、
蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤などの公知の各種
添加剤を添加することもできる。
【0027】本発明におけるインク受容層は一旦ゲル状
態にせしめた後、低温で乾燥する所謂コールドドライ法
により乾燥されるのが好ましく、これはゼラチンのゾ
ル、ゲル化現象を利用し、均斉な膜面を形成すべく、低
温で乾燥する方法である。乾燥の過程は、原崎勇次著
「コーティング工学」(昭和46年度、朝倉書店)、2
78〜281頁に記載されているように材料予熱期間、
単位時間当りの溶媒の蒸発量、即ち溶媒の蒸発速度が一
定である乾燥プロセスの恒率乾燥期間、その後に溶媒の
蒸発速度が徐々に低下して、蒸気がほとんどなくなる
(つまり、塗膜がほぼ外気の温湿条件下における平衡含
水率となる。)までの乾燥プロセスの減率乾燥期間の3
つのプロセスに分けられ、さらに必要により調湿期間を
設けることもある。通常は約5〜8%位の平衡含水率に
達した時乾燥完了となるが、乾燥行程中の膜面の温度
(この温度を表面湿球温度と称する)を低くすれば、均
斉な塗膜となり、良質のインク受容層となる。インク受
容層塗液を塗布した後、表面湿球温度が塗液のゲル化温
度以下で塗布層を冷却セット(ゲル化)し、その後も塗
液のゲル化温度以下の温度で受容層を徐々に乾燥させ
る。溶媒が蒸発し固形分濃度が上昇した後は、セット戻
りを起こさない程度に温度を上昇させて乾燥させてもよ
い。
【0028】本発明におけるインク受容層塗液の塗布方
法としては、通常用いられている塗布方法(例えば、カ
ーテン方式、エクストルージョン方式、エアナイフ方
式、ロールコーティング方式、ロッドバーコーティング
方式等)が用いられる。
【0029】本発明において、インク受容層は単層構成
でも多層構成でもよい。多層構成の例としては、特開昭
57−89954号、同60−224578号、同61
−12388号に記載されたものが挙げられる。例え
ば、特開昭61−12388号に記載のインク透過層を
本発明のインク受容層の上に更に設けてもよい。
【0030】また、インク受容層は支持体の少なくとも
片面に設けられているが、カールを防止する目的で支持
体の両面に設けてもよい。
【0031】本発明において用いられる支持体として
は、透明な支持体も不透明な支持体も用いることができ
る。透明な支持体としては、従来公知のものがいずれも
使用でき、例えばポリエステル樹脂、ジアセテート樹
脂、トリアセテート樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリイミド樹脂、セロハ
ン、セルロイド等のフィルムもしくは板およびガラス板
等が挙げられる。
【0032】このような透明な支持体はその厚さが約1
0〜200μm程度のものであることが好ましい。
【0033】不透明な支持体としては、紙、塗工紙、合
成紙、樹脂被覆紙、顔料入り不透明フィルム、発砲フィ
ルム等の従来公知のものがいずれも使用できる。光沢、
平滑性の点から合成紙、樹脂被覆紙、各種フィルムがよ
り好ましいが、手触り感、高級感から写真用支持体に類
似の樹脂被覆紙がさらに好ましい。
【0034】本発明において好ましく用いられる、樹脂
被覆紙を構成する原紙は、特に制限はなく、一般に用い
られている紙が使用できるが、より好ましくは例えば写
真用支持体に用いられているような平滑な原紙が好まし
い。原紙を構成するパルプとしては天然パルプ、再生パ
ルプ、合成パルプ等を1種もしくは2種以上混合して用
いられる。この原紙には一般に製紙で用いられているサ
イズ剤、紙力増強剤、填料、帯電防止剤、蛍光増白剤、
染料等の添加剤が配合される。
【0035】さらに、表面サイズ剤、表面紙力剤、蛍光
増白剤、帯電防止剤、染料、アンカー剤等が表面塗布さ
れていてもよい。
【0036】また、原紙の厚味に関しては特に制限はな
いが、紙を抄造中または抄造後カレンダー等にて圧力を
印加して圧縮するなどした表面平滑性の良いものが好ま
しく、その坪量は30〜250g/m2が好ましい。
【0037】樹脂被覆紙の樹脂としては、ポリオレフィ
ン樹脂や電子線で硬化する樹脂を用いることができる。
ポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン、高
密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ
ペンテンなどのオレフィンのホモポリマーまたはエチレ
ン−プロピレン共重合体などのオレフィンの2つ以上か
らなる共重合体およびこれらの混合物であり、各種の密
度、溶融粘度指数(メルトインデックス)のものを単独
にあるいはそれらを混合して使用できる。
【0038】また、樹脂被覆紙の樹脂中には、酸化チタ
ン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの白色顔
料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂
肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウ
ム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシ
ウムなどの脂肪酸金属塩、イルガノックス1010、イ
ルガノックス1076などの酸化防止剤、コバルトブル
ー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルーな
どのブルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファ
ストバイオレット、マンガン紫などのマゼンタの顔料や
染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を
適宜組み合わせて加えるのが好ましい。
【0039】本発明において好ましく用いられる支持体
である樹脂被覆紙は、走行する原紙上にポリオレフィン
樹脂の場合は、加熱溶融した樹脂を流延する、いわゆる
押出コーティング法により製造され、その両面が樹脂に
より被覆される。また、電子線により硬化する樹脂の場
合は、グラビアコーター、ブレードコーターなど一般に
用いられるコーターにより樹脂を塗布した後、電子線を
照射し、樹脂を硬化させて被覆する。また、樹脂を原紙
に被覆する前に、原紙にコロナ放電処理、火炎処理など
の活性化処理を施すことが好ましい。支持体のインク受
容層が塗布される面(表面)は、その用途に応じて光沢
面、マット面などを有し、特に光沢面が優位に用いられ
る。裏面に樹脂を被覆する必要はないが、カール防止の
点から樹脂被覆したほうが好ましい。裏面は通常無光沢
面であり、表面あるいは必要に応じて表裏両面にもコロ
ナ放電処理、火炎処理などの活性処理を施すことができ
る。また、被覆樹脂層の厚味としては特に制限はない
が、一般に5〜50μmの厚味に表面または表裏両面に
コーティングされる。
【0040】本発明における支持体には帯電防止性、搬
送性、カール防止性などのために、各種のバックコート
層を塗設することができる。バックコート層には無機帯
電防止剤、有機帯電防止剤、親水性バインダー、ラテッ
クス、硬化剤、顔料、界面活性剤などを適宜組み合わせ
て含有せしめることができる。
【0041】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明の内容は実施例に限られるものではない。な
お、部とあるのは重量部を意味する。
【0042】実施例1 LBKP(50部)とLBSP(50部)のパルプ配合
からなる100g/m2の基紙の表面に低密度ポリエチレ
ン(70部)と高密度ポリエチレン(20部)と酸化チ
タン(10部)からなる樹脂組成物を25g/m2塗布
し、裏面に高密ポリエチレン(50部)と低密度ポリエ
チレン(50部)からなる樹脂組成物を25g/m2塗布
してなる樹脂被覆紙支持体上に、インク受容層塗液を乾
燥後の重量が8g/m2になるようにエクストルージョン
法により塗布した後、直ちに10秒間冷却セットし、そ
れから徐々に温度が高い乾燥ゾーンを通過させ、表面湿
球温度が20℃以下になるように乾燥ゾーンの温湿度を
コントロールしてインクジェット記録シートを作製し
た。インク受容層塗液組成物は、下記の通りである。
【0043】実施例1−1 10%石灰処理ゼラチン 450部 10%カルボキシメチルセルロース 450部 (CMC7A;第一工業製薬(株)製) 純水 100部 上記水溶性ポリマー溶液を高速せん断型攪拌装置(特殊
機化工業製のT.Kホモミキサー)を用いて6000rp
mで15分間分散した。
【0044】実施例1−2 10%酸処理ゼラチン 600部 10%カルボキシメチルセルロース 300部 (CMC7A;第一工業製薬(株)製) 10%アラビアゴム(和光純薬(株)製) 100部 上記水溶性ポリマー溶液を高圧型均質機(三和機械製の
ホモゲナイザー HA−4649)を用いて250kg/
cm2で3パス処理を行った。
【0045】 実施例1−3 10%石灰処理ゼラチン 600部 10%ポリビニルピロリドン(K−90;BASF製) 400部 上記水溶性ポリマーの分散は、実施例1−1と同じ条件
のホモミキサー処理を行った。
【0046】 実施例1−4 10%酸処理ゼラチン 600部 10%ポリビニルピロリドン(K−90;BASF製) 400部 上記水溶性ポリマーの分散は、実施例1−1と同じ条件
のホモミキサー処理を行った。
【0047】 実施例1−5 10%酸処理ゼラチン 690部 10%メチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体 300部 10%ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ソーダ 10部 塗液の固形分濃度5%で、塗液のpHを水酸化ナトリウ
ムを用いて7に調整後、実施例1−1と同じ条件のホモ
ミキサー処理をおこなった。
【0048】比較例1−1 実施例1−1と同一組成物を高均質分散装置を用いず
に、ヤマト科学製ラボスターラーLR−400Bを用い
て250rpmで15分混合した以外は、実施例1−1
と同様にしてインクジェット記録シートを作製した。
【0049】比較例1−2 実施例1−2と同一組成物を高均質分散装置を用いず
に、プロペラ攪拌翼を用いて250rpmで15分混合
した以外は、実施例1−2と同様にしてインクジェット
記録シートを作製した。
【0050】比較例1−3〜1−5 同様に実施例1−3〜1−5と同一組成物を高均質分散
装置を用いずに、ヤマト科学製ラボスターラーLR−4
00Bを用いて250rpmで15分混合した以外は、
同様にしてインクジェット記録シートを作製した。
【0051】上記の如くして得られた各シートについ
て、Novajet Pro(ENCAD社製)インク
ジェットプロッターを用いて評価画像を印字し、下記の
品質試験を行った。結果を表1に各色の光沢を示しベタ
印字ムラ、にじみ及び文字描画性を表2に示した。
【0052】光沢:非印字部の光沢とイエロー、マゼン
タ、シアン及びブラックを各々100%で印字した時の
各単色の光沢とイエロー、マゼンタ、シアン及びブラッ
クの各100%で印字した時の混色黒の光沢を鏡面光沢
度測定方法(JIS−Z8741)による60度鏡面光
沢を光沢計(日本電色工業(株)製VGS−1D)を用
いて測定した。
【0053】ベタ印字部ムラ:イエロー、マゼンタ、シ
アン、ブラック、赤、青、緑各色のベタ印字部を目視で
観察し、その印字部に認められるムラの有無を判定し
た。
【0054】にじみ:単色もしくは重色を連続で記録し
て、隣接する印字部が相互もしくは片方に流れ出しが生
じていないかを目視判定した。
【0055】文字描画性:記録された文字の描画性に関
して高濃度で鮮明か否かを目視判定した。
【0056】ベタ印字部ムラ、にじみ、文字描画性評価
の基準は以下の通りである。
【0057】 ◎:問題点がなく非常に優れている。 ○:優れている。 △:使用が可能である。 ×:劣る
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】上記結果からも明らかなように、本発明の
インクジェット記録用シートは比較例に比べて、非印字
部及び印字部の光沢が高く、更にベタ印字むら、にじ
み、文字描画性のいずれも優れている。
【0061】
【発明の効果】本発明により、光沢が高く、画像の鮮明
性、解像性、均一性とインクの吸着性に優れたインクジ
ェット記録用シートを提供出来る。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも水溶性ポリマーを
    含有するインク受容層を有するインクジェット記録シー
    トの製造方法において、前記水溶性ポリマーの溶液を高
    均質分散装置を用いて分散混合したことを特徴とするイ
    ンクジェット記録シートの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記水溶性ポリマー溶液が2種類以上の
    水溶性ポリマーからなる請求項1に記載のインクジェッ
    ト記録シートの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記水溶性ポリマー溶液がゼラチンとそ
    の他の水溶性ポリマーからなる請求項2に記載のインク
    ジェット記録シートの製造方法。
  4. 【請求項4】 ゼラチン/水溶性ポリマー比が重量比で
    80/20〜5/95である請求項3に記載のインクジ
    ェット記録用シートの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記高均質分散装置が高速せん断型攪拌
    装置または高圧型均質機である請求項1に記載のインク
    ジェット記録用シートの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記高速せん断型攪拌装置における回転
    数が1000rpm以上である請求項5に記載のインク
    ジェット記録用シートの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記高圧型均質機の均質圧力が50Kg
    /cm2以上である請求項5に記載のインクジェット記録
    用シートの製造方法。
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