JPH11179546A - 溶接機器動作自動設定スタッド溶接方法 - Google Patents

溶接機器動作自動設定スタッド溶接方法

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JPH11179546A
JPH11179546A JP36568397A JP36568397A JPH11179546A JP H11179546 A JPH11179546 A JP H11179546A JP 36568397 A JP36568397 A JP 36568397A JP 36568397 A JP36568397 A JP 36568397A JP H11179546 A JPH11179546 A JP H11179546A
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welding
stud
value
welded
main arc
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JP36568397A
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Inventor
Hiroyuki Ishii
博幸 石井
Shinya Okamoto
真也 岡本
Shoji Harada
章二 原田
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Daihen Corp
Original Assignee
Daihen Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 豊富な経験及び試し打ちの繰り返しによる労
力を必要としないで、短時間に、適切な溶接機器設定値
の組み合わせを設定することができ、最良の溶接結果を
うること。 【解決手段】 材質、直径、形状等のスタッドの種類と
下向き姿勢、横向き姿勢等の溶接姿勢と被溶接材直接溶
接、上板貫通溶接等の被溶接材状態とを入力すれば、入
力値に対応した溶接電流値、溶接時間又は標準入熱量、
切換溶接電流値、溶接ガンの移動量(引き上げ距離及び
押し込み距離)、押し込み速度切換等を自動的に算出又
は選定して、これらの算出又は選定した溶接機器設定値
に従って溶接電源装置1及び溶接ガン2が動作してスタ
ッド溶接する溶接機器動作自動設定スタッド溶接方法で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スタッド溶接のス
タッドを引き上げてアークを発生させ、所定時間後にス
タッドを被溶接材に押しつけて短絡させて溶接するスタ
ッド溶接機器の動作設定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、スタッド溶接は、スタッドの直径
と下向き姿勢、横向き姿勢等の溶接姿勢と被溶接材直接
溶接、上板貫通溶接等の被溶接材配置とによって、溶接
電流値と溶接時間、溶接ガンの移動量(引き上げ距離と
押し込み距離)、押し込み速度切換等の設定(以下、溶
接機器動作設定という)をしてから、溶接を開始してス
タッドを引き上げてアークを発生させ、所定時間後にス
タッドを被溶接材に押しつけて短絡させて溶接してい
る。
【0004】溶接終了後に、溶接結果を、余盛り量及び
余盛り均一性の外観を目視によって全数良否判定する外
観目視検査、押し込み距離の適否を判別する仕上がり高
さの測定、ハンマーで打撃する曲げ試験等の物理的試験
によって、溶接継手の良否を判定してきた。しかし、外
観検査だけでは溶接継手の品質を正確に判定することが
できないし、またハンマーで溶接したスタッドを打撃す
る曲げ試験は、過大な労力を要するだけでなく破壊試験
であるために、これらを改良する従来技術として、近
年、入熱量(正確に表現すると、主ア−ク電流値Iaと
溶接電源装置1の出力端子電圧値Vdと溶接時間Taと
の積の溶接電源装置の供給電力量Pa)、引き上げ距離
L1、押し込み距離L2の電気測定によって、溶接継手
の良否を判定する方法が提案されている。
【0006】スタッド溶接結果に影響する第1の要因
は、入熱量である。供給入熱量が予め定めた必要入熱
(以下、所要の入熱という)Qrに達していなければな
らない。もし、入熱等の溶接条件が適正でなく、所要の
入熱Qrを得ることができない場合、例えば、主ア−ク
電流値Iaが適正値よりも低い場合、引き上げ距離L1
が短い場合又は溶接姿勢が不良の場合は、引き上げ期間
中にスタッドの溶融面が被溶接材の溶融プールに接触し
て短絡が発生する。この短絡が発生すると、適正なア−
ク電圧値Vaが十分に継続しないために入熱不足となっ
て、押し込み中に所要の押し込み距離L2だけ押し込む
ことができなくなり溶接不良となる。
【0008】スタッド溶接結果に影響する第2の要因
は、引き上げ距離L1である。この引き上げ距離L1に
よってアーク電圧値Vaが定まるので、上記の主ア−ク
電流値Ia及び溶接時間Taが同じであっても入熱量が
変化する。
【0010】スタッド溶接結果に影響する第3の要因
は、押し込み距離L2である。この押し込み距離が過小
なときは溶接強度が不足し、また押し込み距離L2が過
大なときも、溶融金属が飛散して溶接強度が不足する。
【0012】スタッド溶接結果に影響する第4の要因
は、スタッドの移動パタ−ンである。通常、押し込み速
度のパタ−ンは、スタッドが溶融プ−ルに接触する(突
っ込む)までは、比較的速い速度でスタッドを移動(ク
イックダウン)し、スタッドが溶融プ−ルに接触した後
は、比較的遅い速度でスタッドを移動(スロ−ダウン)
する2段階押し込み速度パタ−ンが採用されており、こ
の押し込み速度パタ−ンも溶接結果に大きく影響を与え
る。
【0014】したがって、スタッド溶接の品質を確保す
るためには、所要の入熱Qrが予め設定したとおりに供
給され、溶接中の実際の引き上げ距離L1、押し込み距
離L2及び押し込み速度パタ−ンが、予め設定したとお
りになっていなければならない。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】作業者は、前述したス
タッドの直径、溶接姿勢及び被溶接材配置の組み合わせ
に応じて、適切な溶接機器設定値を記載した取扱説明
書、ガイドブック等を参照して又は試し打ち、経験等を
含めて、複数の適切な溶接機器動作設定をしなければな
らない。
【0032】上記の溶接機器動作設定時には、取扱説明
書、ガイドブック等を手元に持参して参照して、スタッ
ド及び被溶接材の種類の組み合わせを見つけなければな
らない。組み合わせが見つからないときは、過去のデー
タが必要となり、過去のデータがないときは試し打ちを
して最良の溶接結果を見つけなければならない。そのた
めに、作業者は、以下のような労力を必要とし、作業効
率を低下させるだけでなく、適切な溶接機器設定値の組
み合わせを見つけることが困難なために、最良の溶接結
果をうることができない場合も生じる。
【0034】作業者が、適切な溶接機器動作設定値の組
み合わせを見つけることが困難な主な理由は次のとおり
である。 (1)主アーク期間中の短絡発生による入熱不足[従来
技術1] スタッド溶接において、スタッドを被溶接材から引き上
げ、次にスタッドを被溶接材に所定の押し込み距離L2
だけ押し込んで溶接して、その溶接の品質を確保するた
めには、前述したように、必要な入熱量Qrを得ること
が重要である。入熱等の溶接条件が適正でなく、必要な
入熱量Qrを得ることができない場合は、引き上げ期間
中にスタッドの溶融面が被溶接材の溶融プールに接触し
て短絡が発生する。この短絡が発生すると、適正なア−
ク電圧値が十分に継続しないために入熱不足となって、
押し込み中に所要の押し込み距離L2だけ押し込むこと
ができなくなり溶接不良となる。
【0036】この従来技術1は、必要な入熱量Qrを得
るために、作業者が、主アーク期間Taに短絡が発生し
て適正なア−ク電圧値Vaが十分に継続しないために入
熱不足となるときには、主ア−ク電流値Ia又は溶接時
間Taを増加させなければならない。しかし、入熱が過
大になると、溶融金属が過大になって流出するために、
押し込み後の余盛り形状が不均一になり、溶接強度が低
下する。
【0038】したがって、作業者は、主ア−ク電流値I
a又は溶接時間Taをどの程度にしなければならないか
を判断して、適正値を設定しなければならない。
【0040】(2)横向き溶接の溶融金属の垂れ下がり
による短絡の発生[従来技術2] 太径のスタッドを横向き姿勢で溶接する場合、主アーク
期間Taの後半において、図1に示したように、スタッ
ド先端部の溶融金属及び被溶接材表面の溶融金属が、重
力によってフェルール内の下部に集中して、フェル−ル
F内の溶融金属が片寄るために、後述する図4(B)に
示すように、主アーク電流期間Taの後半において、ア
−ク長が短くなり短絡が頻繁に発生する。
【0042】図1は、横向き溶接中のフェルール内の溶
融金属の状態を示す図である。同図において、被溶接材
WとスタッドSとの間に図示されていないアークが発生
して被溶接材Wが溶融するが、この被溶接材の溶融金属
はフェル−ルF内の下部に溜まって、この重力によって
フェルール内の下部に溜まった被溶接材の溶融金属31
のために、スタッド上部に溶接後のフラッシュ(以下、
余盛りという)を必要量だけ形成することができない。
【0044】この従来技術は、必要な入熱量Qrを得る
ために、作業者が、溶融金属の垂れ下がりによる短絡の
発生を少なくする主ア−ク電流値Ia又は溶接時間Ta
(以下、主アーク期間Taという)を、どの程度に設定
させなければならないかを判断して設定しなければなら
ない。
【0050】(3)上板貫通溶接の押し込み距離不足
[従来技術3] スタッド溶接の用途として、建築工事、建設工事等にお
いて、H型鋼、I型鋼等の鉄骨を組み立てた構築物に鋼
板を配設し、鉄骨上に鋼板(デッキプレート)をスタッ
ド溶接で固定する上板貫通溶接がある。
【0052】図2は、鉄骨上に鋼板を配設したときに、
鋼板が波打ち、鉄骨と鋼板との間に隙間(クリアラン
ス)が生じている状態を示す鉄骨・鋼板位置関係図であ
る。同図において、鉄骨Wa上に鋼板Wbを配設したと
きに、鋼板の板厚Dpが例えば、1.2[mm]のような
薄板のときは、鋼板Wbが波打ち、鉄骨Waと鋼板Wb
との間に隙間(クリアランス)Dcが生じる。
【0060】図3は、鉄骨と鋼板との間に隙間があると
きの鋼板とスタッド先端との位置関係を示す鋼板・スタ
ッド位置関係図である。同図(A)は、スタッド溶接開
始直後のスタッドSの先端が鋼板Wbに接触した状態を
示す溶接開始位置関係図であって、スタッドSの先端が
鋼板Wbに接触した位置を基準点Pとする。同図(B)
は、スタッド先端を引き上げてアークを発生させている
状態を示すアーク発生位置関係図であって、スタッド先
端は同図(A)の基準点Pから引き上げ距離Dupだけ引
き上げられた位置にある。
【0062】同図(C)は、溶接開始時から予め設定し
た時間が経過した後に、スタッドSを押し込む指令を出
して、スタッド先端を押し込んで短絡させた状態を示す
短絡位置関係図であって、スタッド先端は同図(A)の
基準点Pから押し込み距離Ddだけ押し込まれた位置に
ある。同図(C)のDeは、スタッド先端が鉄骨Waに
押し込まれる実際の突っ込み量を示す。
【0064】同図(D)は、溶接開始時から溶接終了時
までのスタッドSの先端位置の時間的経過を示す図であ
って、縦軸がスタッド先端の移動量Mを示し、符号は
同図(A)のスタッド先端のの位置を示し、符号は
同図(B)のスタッド先端のの位置を示し、符号は
同図(C)のスタッド先端のの位置を示し、符号Dd
は同図(A)の押し込み距離を示す。
【0065】同図(E)は、溶接開始時から溶接終了時
までの出力端子電圧Vdの時間的経過を示す図である。
同図(E)において、時刻ts0は、図3に示すような上
板貫通溶接でない通常の溶接(以下、直接溶接という)
のときの短絡時点であり、時刻ts1は、図3に示すよう
な「上板貫通溶接」のときの短絡時点であり、同図
(C)に示すように、スタッド先端が鋼板の板厚Dp及
び隙間(クリアランス)Dcだけ移動する時間であっ
て、時刻ts0よりも遅れて大となる。さらに、時刻ts2
は、このような上板貫通溶接のときにスタッド先端が鉄
骨に押し込まれる短絡時点であり、鉄骨Waと鋼板Wb
との間に隙間Dcが不定であるために時刻ts0から時刻
ts2までの遅れ時間がばらつく。
【0066】上記の隙間Dcが不定であるために、同図
(B)に示すように、アーク長Daは、Dup+(Dp+
Dc)となり、直接溶接のときよりも、(Dp+Dc)
だけ増加するとともにばらつきが生じる。さらに、上板
貫通溶接のときは、同図(C)に示すように、スタッド
先端が鉄骨Waに押し込まれる実際の突っ込み量De
は、Dd−(Dp+Dc)となり、直接溶接のときより
も、(Dp+Dc)だけ減少するだけでなく、ばらつき
も大になる。
【0068】このように、上板貫通溶接では、鋼板が波
打ち、鉄骨と鋼板との間に隙間が生じ、その隙間Dcが
不定であるために、直接溶接のときの短絡時点ts0から
上板貫通溶接のときのスタッド先端が鉄骨に押しまれる
短絡時点ts2までの遅れ時間がばらつき、直接溶接より
も多くの入熱量を必要とするので、主アーク期間Taを
長く設定するために、後述する図4(B)に示すよう
に、主アーク電流期間Taの後半において短絡が頻繁に
発生する。
【0070】図4は、従来の溶接動作において、主アー
ク電流期間Taの後半で短絡が発生したときの波形を示
す図で、同図(A)は溶接電流Ioの波形を示す溶接電
流波形図であり、同図(B)は溶接電源装置の出力端子
電圧Vdの波形を示す出力端子電圧波形図であり、同図
(C)はスタッド先端の移動量Mを示すスタッド先端移
動図である。
【0074】この状態でスタッドSを被溶接材Wに押し
込むと、同図(C)に示すように、押し込み不足のため
に実際の押し込み距離はDd0となり、設定値どおりの押
し込み距離Ddまで押し込むことができない。その結
果、余盛りの片寄りによる融合不良等の溶接欠陥が生じ
る。なお、Tmは押し込み期間である。
【0076】この従来技術3は、押し込み不足が生じな
いようにするために、作業者が、押し込み距離L2及び
溶接時間Taを、どの程度に設定しなければならないか
を判断して設定しなければならない。
【0080】(4)溶接回路の電圧降下[従来技術4] 現場作業では、通常、溶接電源装置1が重量物であるた
めに移動が困難であるので、溶接電源装置を頻繁に移動
させないで、ある位置に設置して「+」出力端子を溶接
電源装置付近の被溶接物に接続し、「−」出力端子を2
次ケーブルに接続し、その2次ケーブルを電圧降下の許
容範囲の溶接位置まで延長する。したがって、2次ケー
ブル、被溶接物等の溶接回路の抵抗値が溶接場所によっ
て変化するために、2次ケーブル、被溶接物等の抵抗に
よる電圧降下も変化する。
【0082】溶接電源装置の出力端子間で出力電圧を検
出する場合、2次ケーブル長が短いときは、検出した出
力端子電圧値Vdとアーク電圧値Vaとの誤差は少ない
が、溶接電流は、16φ、19φ等の太径のスタッド溶
接のときは1000〜2000[A]程度の大電流を通
電するので、検出した出力端子電圧値Vdとアーク電圧
値Vaとの誤差が大になる。
【0084】また、2次ケーブル長を溶接箇所まで最長
往復200[m]延長して溶接することが可能である溶
接電源装置も市販されているが、往復200[m]延長
して溶接すると、2次ケーブル、被溶接物等の電圧降下
(以下、溶接回路電圧降下という)V5は数十[V]に
なり、この溶接回路電圧降下V5は、溶接電源装置1か
ら溶接箇所までの距離に関係する2次ケーブルの長さ、
2次ケーブルの直径、被溶接材の抵抗値等の違いによっ
て大きく変化する。
【0086】この従来技術4は、作業者が、溶接回路電
圧降下V5による消費電力P5を補償して必要な入熱Q
rを得るために、主ア−ク電流値Ia又は溶接時間Ta
を、どの程度に設定しなければならないかを判断して、
適正値を設定しなければならない。
【0091】
【課題を解決するための手段】請求項1の方法は、スタ
ッドを被溶接材から引き上げてアークを発生させ、スタ
ッド及び被溶接材が溶融した後に、スタッドを被溶接材
に所定の押し込み距離だけ押し込んで溶接するスタッド
溶接方法において、作業者がスタッドの種類と溶接姿勢
と被溶接材配置とを入力すると、溶接制御装置3が上記
入力値に対応した所要の入熱Qrと溶接ガン2の移動量
とを含む溶接機器設定値を算出又は選定して、溶接電源
装置1及び溶接ガン2が上記溶接機器設定値に従って動
作してスタッド溶接する溶接機器動作自動設定スタッド
溶接方法である。
【0092】請求項2の方法は、スタッドを被溶接材か
ら引き上げてアークを発生させ、スタッド及び被溶接材
が溶融した後に、スタッドを被溶接材に所定の押し込み
距離だけ押し込んで溶接するスタッド溶接方法におい
て、作業者がスタッドの直径と溶接姿勢と被溶接材配置
とを入力すると、溶接制御装置3が上記入力値に対応し
た所要の入熱Qrを供給する溶接電流値Iaと溶接時間
Taと溶接ガン2の移動量とを含む溶接機器設定値を算
出又は選定して、溶接電源装置1及び溶接ガン2が上記
溶接機器設定値に従って動作してスタッド溶接する溶接
機器動作自動設定スタッド溶接方法である。
【0093】請求項3の方法は、スタッドを被溶接材か
ら引き上げてアークを発生させ、スタッド及び被溶接材
が溶融した後に、スタッドを被溶接材に所定の押し込み
距離だけ押し込んで溶接するスタッド溶接方法におい
て、作業者がスタッドの種類と溶接姿勢と被溶接材配置
とを入力すると、溶接制御装置3が上記入力値に対応し
た所要の入熱Qrと溶接ガン2の移動量とを含む第1の
溶接機器設定値を算出又は選定し、さらに作業者が追加
入力した溶接条件と上記第1の溶接機器設定値とから第
2の溶接機器設定値を算出し、溶接電源装置1及び溶接
ガン2が上記第1及び第2の溶接機器設定値に従って動
作してスタッド溶接する溶接機器動作自動設定スタッド
溶接方法である。
【0094】請求項4の方法は、スタッドを被溶接材か
ら引き上げてアークを発生させ、スタッド及び被溶接材
が溶融した後に、スタッドを被溶接材に所定の押し込み
距離だけ押し込んで溶接するスタッド溶接方法におい
て、作業者がスタッドの直径と溶接姿勢と被溶接材配置
とを入力すると、溶接制御装置3が上記入力値に対応し
た所要の入熱Qrを供給する溶接電流値Iaと溶接時間
Taと溶接ガン2の移動量とからなる第1の溶接機器設
定値を算出又は選定し、さらに作業者が追加入力した溶
接条件と上記第1の溶接機器設定値とから第2の溶接機
器設定値を算出し、溶接電源装置1及び溶接ガン2が上
記第1及び第2の溶接機器設定値に従って動作してスタ
ッド溶接する溶接機器動作自動設定スタッド溶接方法で
ある。
【0095】請求項5の方法は、スタッドを被溶接材か
ら引き上げてアークを発生させ、スタッド及び被溶接材
が溶融した後に、スタッドを被溶接材に所定の押し込み
距離だけ押し込んで溶接するスタッド溶接方法におい
て、作業者がスタッドの直径及び横向き姿勢を入力し、
さらに横向き姿勢を選択したことによって入力指示され
る切換後の主ア−ク電流値Ibと(切換前の)主ア−ク
電流値Iaとの比の切換溶接電流値比率α=Ib/Ia
及び切換後通電期間Tbnと溶接時間Taとの比の切換通
電期間比率γ=Tbn/Taを追加入力すると、溶接制御
装置3が上記入力値に対応した所要の入熱Qrを供給す
る切換前の主ア−ク電流値Iaと溶接時間Taと溶接ガ
ン2の移動量とからなる第1の溶接機器設定値を算出又
は選定し、さらに第1の溶接機器設定値の主ア−ク電流
値Iaと溶接時間Taとから第2の溶接機器設定値の切
換後の主ア−ク電流値Ibと切換前通電期間T3b及び切
換後通電期間Tbnとを算出し、溶接電源装置1及び溶接
ガン2が上記第1及び第2の溶接機器設定値に従って動
作して、主アーク期間Taの後半に主アーク電流値Ia
を増加させてスタッド溶接する溶接機器動作自動設定ス
タッド溶接方法である。
【0096】請求項6の方法は、スタッドを被溶接材か
ら引き上げてアークを発生させ、スタッド及び被溶接材
が溶融した後に、スタッドを被溶接材に所定の押し込み
距離だけ押し込んで溶接するスタッド溶接方法におい
て、作業者がスタッドの直径及び上板貫通溶接を入力
し、さらに上板貫通溶接を選択したことによって入力指
示される切換後の主ア−ク電流値Ibと(切換前の)主
ア−ク電流値Iaとの比の切換溶接電流値比率α=Ib
/Ia及び切換後通電期間Tbnと溶接時間Taとの比の
切換通電期間比率γ=Tbn/Taを追加入力すると、溶
接制御装置3が上記入力値に対応した所要の入熱Qrを
供給する切換前の主ア−ク電流値Iaと溶接時間Taと
溶接ガン2の移動量とからなる第1の溶接機器設定値を
算出又は選定し、さらに第1の溶接機器設定値の主ア−
ク電流値Ia及び溶接時間Taと上記追加入力値とから
第2の溶接機器設定値の切換後の主ア−ク電流値Ibと
切換前通電期間T3b及び切換後通電期間Tbnとを算出
し、溶接電源装置1及び溶接ガン2が上記第1及び第2
の溶接機器設定値に従って動作して、主アーク期間Ta
の後半に主アーク電流値Iaを増加させてスタッド溶接
する溶接機器動作自動設定スタッド溶接方法である。
【0097】請求項7の方法は、スタッドを被溶接材か
ら引き上げてアークを発生させ、スタッド及び被溶接材
が溶融した後に、スタッドを被溶接材に所定の押し込み
距離だけ押し込んで溶接するスタッド溶接方法におい
て、作業者がスタッドの直径及び上板貫通溶接を入力す
ると、溶接制御装置3が上記入力値に対応した所要の入
熱Qrを供給する溶接電流値Iaと溶接時間Taと溶接
ガン2の移動量とを含む溶接機器設定値を算出又は選定
して、溶接電源装置1及び溶接ガン2が上記溶接機器設
定値に従って動作し、主アーク期間Taの後半に主アー
ク電流値Iaを増加させると共に、スタッドの押し込み
が開始したとき、スタッドが溶融プ−ルに接触する(突
っ込む)までは、比較的速い速度でスタッドを移動し、
スタッドが溶融プ−ルに接触した後は、比較的遅い速度
でスタッドを移動してスタッド溶接する溶接機器動作自
動設定スタッド溶接方法である。
【0098】請求項8の方法は、スタッドを被溶接材か
ら引き上げてアークを発生させ、スタッド及び被溶接材
が溶融した後に、スタッドを被溶接材に所定の押し込み
距離だけ押し込んで溶接するスタッド溶接方法におい
て、作業者がスタッドの直径及び溶接電源装置1から溶
接箇所までの距離に関係する2次ケーブルの長さ及び直
径、被溶接材の抵抗値等の違いによって変化する「溶接
回路電圧降下を補償する」を選択して溶接回路電圧降下
V5を入力すると、溶接制御装置3が上記入力値に対応
した所要の入熱Qrを供給する溶接電流値Ia及び溶接
時間Taと溶接ガン2の移動量とを含む溶接機器設定値
を算出又は選定し、溶接電源装置1及び溶接ガン2が動
作して、出力端子電圧値Vdから溶接回路電圧降下V5
を減算した算出平均アーク電圧V3を算出して、算出平
均アーク電圧V3と主ア−ク電流値Iaと溶接時間Ta
との積の(溶接回路電圧降下による消費電力P5を含ま
ない)所要の入熱Qrを入力してスタッド溶接する溶接
機器動作自動設定スタッド溶接方法である。
【0099】請求項9の方法は、スタッドを被溶接材か
ら引き上げてアークを発生させ、スタッド及び被溶接材
が溶融した後に、スタッドを被溶接材に所定の押し込み
距離だけ押し込んで溶接するスタッド溶接方法におい
て、スタッド・被溶接材条件及び周囲設置条件と溶接機
器設定値との関係を、図5に示すブロック図の溶接制御
装置3の記憶回路11に記憶するスタッド溶接条件・機
器設定値記憶動作と、作業者が溶接制御装置3の表示に
従って、スタッド・被溶接材条件及び周囲設置条件を入
力するスタッド溶接条件選定動作と、作業者が溶接を開
始すると、溶接制御装置3が上記作業者の入力した値に
応じた上記溶接機器設定値を選定し、溶接電源装置1及
び溶接ガン2が上記溶接機器設定値に従って動作してス
タッド溶接する溶接機器自動動作とからなる溶接機器動
作自動設定スタッド溶接方法である。
【0100】請求項10の方法は、スタッドを被溶接材
から引き上げてアークを発生させ、スタッド及び被溶接
材が溶融した後に、スタッドを被溶接材に所定の押し込
み距離だけ押し込んで溶接するスタッド溶接方法におい
て、作業者がスタッドの直径と溶接姿勢と被溶接材配置
とを入力すると、溶接制御装置3が上記入力値に対応し
たアーク期間全体の標準入熱量Qstと溶接ガン2の移動
量とを含む溶接機器設定値を算出又は選定して、溶接電
源装置1及び溶接ガン2が上記溶接機器設定値に従って
動作し、検出間隔ごとのア−ク電圧平均値Vav(Δt)か
ら算出したアーク期間積算入熱量Qtaが、上記アーク期
間全体の標準入熱量Qstに達した時点tnで押し込み動
作を開始してスタッド溶接する溶接機器動作自動設定ス
タッド溶接方法である。
【0101】請求項11の方法は、スタッドを被溶接材
から引き上げてアークを発生させ、スタッド及び被溶接
材が溶融した後に、スタッドを被溶接材に所定の押し込
み距離だけ押し込んで溶接するスタッド溶接方法におい
て、作業者がスタッドの直径及び横向き姿勢又は上板貫
通溶接を入力し、さらに上記横向き姿勢又は上板貫通溶
接を選択したことによって入力指示される切換後の主ア
−ク電流値Ibと(切換前の)主ア−ク電流値Iaとの
比の切換溶接電流値比率α=Ib/Ia及び切換後標準
入熱量Qstb8と主アーク期間全体の標準入熱量Qst38と
の比の切換標準入熱量比率β=Qstb8/Qst38を追加入
力すると、溶接制御装置3が上記入力値に対応したアー
ク期間全体の標準入熱量Qstと溶接ガン2の移動量とを
含む第1の溶接機器設定値を算出又は選定し、さらに、
第1の溶接機器設定値の主ア−ク電流値Ia及び主アー
ク期間全体の標準入熱量Qst38と上記追加入力値とから
第2の溶接機器設定値の切換後の主ア−ク電流値Ibと
切換前標準入熱量Qst3b及び切換後標準入熱量Qstb8と
を算出し、溶接電源装置1及び溶接ガン2が上記第1及
び第2の溶接機器設定値に従って動作し、検出間隔ごと
のア−ク電圧平均値Vav(Δt)から算出した主アーク期
間積算入熱量Qtaが、上記算出した切換前標準入熱量Q
st3bに達した主アーク電流値切換時点tbで、主アーク
電流値Iaから切換後の主ア−ク電流値Ibに切換えて
通電を続け、上記主アーク期間積算入熱量Qtaが、上記
アーク期間全体の標準入熱量Qstに達した時点tnで押
し込み動作を開始してスタッド溶接する溶接機器動作自
動設定スタッド溶接方法である。
【0102】請求項12の方法は、スタッドを被溶接材
から引き上げてアークを発生させ、スタッド及び被溶接
材が溶融した後に、スタッドを被溶接材に所定の押し込
み距離だけ押し込んで溶接するスタッド溶接方法におい
て、作業者がスタッドの直径及び溶接電源装置1から溶
接箇所までの距離に関係する2次ケーブルの長さ及び直
径、被溶接材の抵抗値等の違いによって変化する「溶接
回路電圧降下を補償する」を選択して溶接回路電圧降下
V5を入力すると、溶接制御装置3が上記入力値に対応
したアーク期間全体の標準入熱量Qstと溶接ガン2の移
動量とを含む溶接機器設定値を算出又は選定すると共
に、溶接電源装置1及び溶接ガン2が上記溶接機器設定
値に従って動作し、検出間隔ごとの主ア−ク電圧平均値
Vav(Δt)から溶接回路電圧降下V5を減算した検出間
隔ごとの算出平均アーク電圧V3を基に算出した主アー
ク期間積算入熱量Qta3nが、上記主アーク期間全体の標
準入熱量Qst38に達した時点tnで押し込みを開始して
スタッド溶接する溶接機器動作自動設定スタッド溶接方
法である。
【0103】請求項13の方法は、請求項8又は請求項
12の溶接回路電圧降下V5が、作業者が入力した2次
ケーブルの断面積及び長さから算出した設定抵抗値Rs
と主ア−ク電流値Iaとの積である溶接機器動作自動設
定スタッド溶接方法である。
【0104】請求項14の方法は、請求項8又は請求項
12の溶接回路電圧降下V5が、作業者が入力した設定
電圧降下V5sである溶接機器動作自動設定スタッド溶接
方法である。
【0105】請求項15の方法は、請求項8又は請求項
12の溶接回路電圧降下V5が、押し込み短絡期間Ts
に測定した押し込み短絡電圧平均値V2aである溶接機器
動作自動設定スタッド溶接方法である。
【0106】請求項16の方法は、スタッドを被溶接材
から引き上げてアークを発生させ、スタッド及び被溶接
材が溶融した後に、スタッドを被溶接材に所定の押し込
み距離だけ押し込んで溶接するスタッド溶接方法におい
て、溶接開始前に、下向き姿勢及び横向き姿勢で、被溶
接材直接溶接及び上板貫通溶接をする場合の各スタッド
の呼び径に対応させた「主ア−ク電流値Ia、引き上げ
距離L1、押し込み距離L2」の適正値を、溶接条件・
機器設定値対応表に書き込むと共に、図6に示すよう
に、正常な溶接時の主アーク期間全体の標準入熱量Qst
を、後述する数1乃至数3によって算出して、溶接条件
・機器設定値対応表に書き込むスタッド溶接条件・機器
設定値記憶動作と、作業者が、スタッドの呼び径、溶接
姿勢(下向き姿勢、横向き姿勢)及び被溶接材配置(被
溶接材直接溶接、上板貫通溶接)を選択すると共に、上
記溶接条件・機器設定値対応表の中から読み出された溶
接機器設定値を選定してCPU内部の主記憶領域に書き
込むスタッド溶接条件選定動作と、溶接を開始すると、
CPU内部の主記憶領域に書き込まれた溶接機器設定値
に従って、スタッドSを被溶接材Wから引き上げて溶接
を開始し、後述する図8に示すように、主アーク電流・
電圧検出開始時点t3から測定した検出間隔ごとの主ア
−ク電圧平均値Vav(Δt)と検出期間中の溶接電流平均
値Iav又は検出間隔ごとの主ア−ク電流平均値Iav(Δ
t)との積の検出間隔ごとの入熱量平均値ΔQavを積算し
て主アーク期間積算入熱量Qta3nが、上記主アーク期間
全体の標準入熱量Qst38に達した時点tnで押し込みを
開始する溶接機器自動動作とを実行する溶接機器動作自
動設定スタッド溶接方法である。
【0107】請求項17の方法は、スタッドを被溶接材
から引き上げてアークを発生させ、スタッド及び被溶接
材が溶融した後に、スタッドを被溶接材に所定の押し込
み距離だけ押し込んで溶接するスタッド溶接方法におい
て、溶接開始前に、下向き姿勢及び横向き姿勢で、被溶
接材直接溶接及び上板貫通溶接をする場合の各スタッド
の呼び径に対応させた「主ア−ク電流値Ia、引き上げ
距離L1、押し込み距離L2」の適正値を、後述する溶
接条件・機器設定値対応表に書き込むステップと、図6
に示すように、正常な溶接時の主アーク期間全体の標準
入熱量Qstを、後述する数1乃至数3によって算出し
て、後述する溶接条件・機器設定値対応表に書き込むス
テップとからなるスタッド溶接条件・機器設定値記憶動
作と、作業者がスタッドの呼び径、溶接姿勢(下向き姿
勢、横向き姿勢)及び被溶接材配置(被溶接材直接溶
接、上板貫通溶接)を選択するステップと、上記溶接機
器設定値(主ア−ク電流値Ia、引き上げ距離L1、押
し込み距離L2及び標準入熱量Qst)を、上記溶接条件
・機器設定値対応表の中から読み出すステップと、読み
出された溶接機器設定値を作業者が選定して、CPU内
部の主記憶領域に書き込むステップとからなるスタッド
溶接条件選定動作と、溶接を開始すると、CPU内部の
主記憶領域に書き込まれた溶接機器設定値に従って、ス
タッドSを被溶接材Wから引き上げて補助ア−クを発生
させ、補助ア−ク期間Tpが経過した主ア−ク電流通電
開始時点t2で、補助ア−ク電流Ipから主ア−ク電流
Iaに切り換えて、後述する図8に示すように、主アー
ク電流・電圧検出開始時点t3から、検出間隔ごとの主
ア−ク電流平均値Iav(Δt)及び検出間隔ごとの主ア−
ク電圧平均値Vav(Δt)を測定するステップと、上記検
出間隔ごとの主ア−ク電圧平均値Vav(Δt)と検出期間
中の溶接電流平均値Iav又は検出間隔ごとの主ア−ク電
流平均値Iav(Δt)との積の検出間隔ごとの入熱量平均
値ΔQavを積算して主アーク期間積算入熱量Qta3nを算
出するステップと、上記主アーク期間積算入熱量Qta3n
が、上記主アーク期間全体の標準入熱量Qst38に達した
時点tnで押し込みを開始するステップとからなる溶接
機器自動動作とを実行する溶接機器動作自動設定スタッ
ド溶接方法である。
【0130】
【発明の実施の形態】本発明の溶接機器の動作を自動設
定するスタッド溶接方法は、(A)スタッド・被溶接材
条件及び周囲設置条件と溶接機器設定値との関係を、図
5に示すブロック図の溶接制御装置3の記憶回路11に
記憶するスタッド溶接条件・機器設定値記憶動作と、
(B)溶接装置に商用電源を供給すると、表示回路12
にスタッド・被溶接材条件が表示され、作業者がその表
示に従って、条件設定スイッチ27によってスタッド・
被溶接材条件及び周囲設置条件の選択をするスタッド溶
接条件選定動作と、(C)作業者が溶接開始終了スイッ
チ13を押して溶接を開始し、選定した溶接機器設定値
に従って溶接電源装置1及び溶接ガン2が動作してスタ
ッド溶接する溶接機器自動動作とからなる。
【0140】上記のスタッド溶接条件・機器設定値記憶
動作は次のステップを実行する。 (1)溶接開始前に、下向き姿勢及び横向き姿勢で、被
溶接材直接溶接及び上板貫通溶接をする場合の各スタッ
ドの呼び径に対応させた「主ア−ク電流値Ia、引き上
げ距離L1、押し込み距離L2」の適正値を、後述する
溶接条件・機器設定値対応表に書き込む。 (2)後述する図6に示すように、正常な溶接時の主ア
ーク期間全体の標準入熱量(以下、標準入熱量という)
Qstを、後述する数1乃至数3によって算出して、後述
する溶接条件・機器設定値対応表に書き込む。
【0142】上記のスタッド溶接条件選定動作は、次の
ステップを実行する。溶接装置に商用電源を供給する
と、ブロック図の表示回路12にスタッド・被溶接材条
件が表示されるので、作業者がその表示に従って、条件
設定スイッチ27によって下記の選択をする。 (1)スタッドの呼び径、溶接姿勢(下向き姿勢、横向
き姿勢)及び被溶接材配置(被溶接材直接溶接、上板貫
通溶接)が順次に表示されるので、その中から1つを選
択する。
【0144】(2)溶接制御装置のCPUは、スタッド
の呼び径、溶接姿勢及び被溶接材配置に該当する溶接機
器設定値(主ア−ク電流値Ia、引き上げ距離L1、押
し込み距離L2及び標準入熱量Qst)を、記憶回路11
に予め記憶しておいた溶接条件・機器設定値対応表(例
えば、図7に示す「下向き姿勢・被溶接材直接溶接」の
溶接条件・機器設定値対応表)の中から読み出して、表
示回路12に表示する。
【0146】(3)作業者が表示された溶接機器設定値
を選定すると、その選定した溶接機器設定値が、CPU
内部の主記憶領域に書き込まれる。
【0150】上記の溶接機器自動動作は、溶接開始終了
スイッチ13を押して溶接を開始すると、CPU内部の
主記憶領域から読み出した溶接機器設定値に従って、次
のステップを実行する。 (1)補助ア−ク電流通電開始時点t0において、補助
ア−ク電流Ipの通電を開始するとともに、スタッドS
を被溶接材Wから引き上げて補助ア−クを発生させる。
【0152】(2)補助ア−ク期間Tpが経過した主ア
−ク電流通電開始時点t2で、補助ア−ク電流Ipから
主ア−ク電流Iaに切り換える。 (3)後述する図8に示すように、主アーク電流・電圧
検出開始時点t3から、検出間隔Δtごとに、検出間隔
ごとの主ア−ク電流平均値Iav(Δt)及び検出間隔ごと
の主ア−ク電圧平均値Vav(Δt)を測定する。
【0154】(4)この検出間隔ごとの主ア−ク電圧平
均値Vav(Δt)と検出期間中の溶接電流平均値Iav又は
検出間隔ごとの主ア−ク電流平均値Iav(Δt)との積の
検出間隔ごとの入熱量平均値ΔQavを積算して主アーク
期間積算入熱量Qta3nを算出する。 (5)この主アーク期間積算入熱量Qta3nが、上記主ア
ーク期間全体の標準入熱量Qst38に達した時点tnで押
し込みを開始する。
【0160】
【実施例】[従来技術の課題を解決した溶接機器設定
値]本発明の溶接方法の実施例を説明する前に、前述し
た従来技術1乃至4の課題を解決し、本発明の溶接方法
の実施例に使用する本出願人の先願のスタッド溶接機器
設定値について説明する。
【0162】(1)主アーク期間中の短絡発生による入
熱補償 特願平 9-249384 に記載した先願技術1の「スタッド溶
接の入熱積算押し込み制御方法」は、従来技術1の課題
を解決するために、検出間隔ごとの主ア−ク電圧平均値
Vav(Δt)を基に算出した主アーク期間積算入熱量Qta3
nが、予め設定した主アーク期間全体の標準入熱量Qst3
8に達した時点tnで押し込みを開始するスタッド溶接
の入熱積算押し込み制御方法である。
【0164】この先願技術1の方法は、作業者が、必要
な入熱量Qrを得るための主ア−ク電流値Ia及び溶接
時間Taを設定する必要がなくなるが、スタッド・被溶
接材条件及び周囲設置条件に応じて溶接機器設定値(例
えば、主ア−ク電流値Ia及び主アーク期間全体の標準
入熱量Qst38)を設定しなければならない。
【0170】(2)横向き溶接の溶融金属の垂れ下がり
による短絡の発生防止 特願平 9-316180 に記載した先願技術2の「主電流切換
スタッド溶接方法」は、従来技術2の課題を解決するた
めに、主アーク期間Taの後半に、主アーク電流値Ia
を増加させる主電流切換スタッド溶接方法である。
【0172】この先願技術2の溶接方法は、作業者が、
主アーク期間Taの後半のどの時点で、どれだけの主ア
ーク電流値Iaを増加させるかを判断して設定しなけれ
ばならない。
【0180】(3)上板貫通溶接の押し込み距離不足の
防止 上板貫通溶接の押し込み距離不足を解決した先願技術
は、上記の横向き溶接の溶融金属の垂れ下がりによる短
絡の発生を解決した先願技術2と同じ技術を使用してい
る。
【0190】(4)溶接回路の電圧降下補償 また、平成9年11月28日に出願した先願技術4の
「スタッド溶接のケーブル電圧降下補償方法」は、従来
技術4の課題を解決するために、図9に示すように、検
出間隔ごとの主ア−ク電圧平均値Vav(Δt)から溶接回
路電圧降下V5を減算した検出間隔ごとの算出平均アー
ク電圧V3を基に算出した主アーク期間積算入熱量Qta
3nが、予め設定した主アーク期間全体の標準入熱量Qst
38に達した時点tnで押し込みを開始するスタッド溶接
のケーブル電圧降下補償方法である。
【0192】この先願技術4の方法は、作業者が、溶接
回路電圧降下V5を、後述する周囲設置条件の相違によ
って、どのような電圧降下補償方法をすれば最適かを判
断して設定しなければならない。
【0200】[スタッド・被溶接材条件及び周囲設置条
件]上記の本出願人の先願のスタッド溶接機器設定値を
使用した実施例において、スタッド・被溶接材条件及び
周囲設置条件は、下記ののとおりである。A.スタッド
・被溶接材条件 (1)スタッドの種類(材質、直径、形状等) (2)溶接姿勢(下向き姿勢、横向き姿勢) (3)被溶接材配置(被溶接材直接溶接、上板貫通溶
接) (4)被溶接材の種類(材質、板厚、形状等)
【0202】B.周囲設置条件 (1)溶接回路電圧降下(2次ケーブルの断面積、長
さ) (2)溶接位置の移動の有無 (3)溶接電源装置の外部特性(定電流特性、それ以
外)
【0204】本発明の溶接機器の動作を自動設定するス
タッド溶接方法は、作業者が、上記のスタッド・被溶接
材条件及び周囲設置条件を、溶接制御装置に入力するか
選択する(以下、入力するという)ことによって、自動
的に、下記の溶接電源装置1の出力及び溶接ガン2の移
動量(溶接機器設定値)の動作を開始し、スタッドを引
き上げてアークを発生させて所要の入熱Qr又は標準入
熱量Qstを供給した後に、スタッドを被溶接材に押しつ
けて短絡させて溶接する。なお、上記の所要の入熱Qr
とは溶接時間Taを設定する従来技術の入熱をいい、標
準入熱量Qstとは本出願人の先願のスタッド溶接機器設
定値を使用した実施例において、溶接時間Taを設定し
ないで、検出間隔ごとに積算した主アーク期間積算入熱
量Qta3nと比較する入熱をいう。
【0206】A.第1の溶接機器設定値 第1の溶接機器設定値とは、作業者が、スタッド・被溶
接材条件及び周囲設置条件を、溶接制御装置に入力した
条件によって、溶接条件・機器設定値対応表から読み出
された下記に例示する溶接機器設定値をいう。 (1)主ア−ク電流値Ia (2)引き上げ距離L1 (3)押し込み距離L2 (4)押し込み速度切換 (5)溶接時間Ta又は標準入熱量Qst 従来技術では、溶接時間Taを設定し、本出願人の先願
のスタッド溶接機器設定値を使用した実施例において
は、溶接時間Taを設定しないで標準入熱量Qstを設定
する。
【0208】B.第2の溶接機器設定値 第2の溶接機器設定値とは、作業者が、上記以外の追加
入力した溶接条件に従って、溶接制御装置が作業者の追
加入力した溶接条件と上記の第1の溶接機器設定値とを
使用して、自動的に算出する下記に例示する溶接機器設
定値をいう。 (1)切換後の主ア−ク電流値Ib 作業者が、追加入力した切換溶接電流値比率α=Ib/
Iaに従って、溶接制御装置が(切換前の)主ア−ク電
流値Iaを使用して、切換後の主ア−ク電流値Ibを自
動的に算出する。 (2)切換前通電期間T3b及び切換後通電期間Tbn 作業者が、追加入力した切換通電期間比率γ=Tbn/T
aに従って、溶接制御装置が(切換前の)溶接時間(主
アーク期間)Taを使用して、切換後通電期間Tbn及び
切換前通電期間T3bを自動的に算出する。 (3)切換前標準入熱量Qst3b及び切換後標準入熱量Q
stb8 作業者が、追加入力した切換標準入熱量比率β=Qstb8
/Qst38に従って、溶接制御装置が(切換前の)標準入
熱量Qst38を使用して、切換後標準入熱量Qstb8及び切
換前標準入熱量Qst3bを自動的に算出する。
【0210】[図5の説明]図5は、本発明の溶接機器
動作自動設定スタッド溶接方法を実施するスタッド溶接
装置のブロック図である。図5において、3相交流電源
Aの商用電力を入力として出力端子電圧値Vdで溶接電
流値Ioの溶接電力を出力する溶接電源装置1と溶接ガ
ン2と溶接制御装置3とからなる。溶接ガン2は、スタ
ッドSを移動させるためのサ−ボモ−タ24、スタッド
Sの移動量を検出するポテンショメ−タ等の移動量検出
回路MC、当接部材23等から形成される。
【0212】溶接電源装置1は、溶接ガン2に供給され
る溶接電流値Ioを検出して溶接電流検出信号Icを出
力する溶接電流検出回路ICと、溶接電源装置1の出力
端子電圧値Vdを検出して溶接電圧検出信号Vcを出力
する溶接電圧検出回路VCと、電流指令信号に応じて溶
接電流値Ioを制御するサイリスタ等の半導体スイッチ
ング素子からなる溶接電流調整回路15とから形成され
る。
【0214】溶接制御装置3は、演算処理回路CPU
と、演算処理回路CPUから出力された「溶接電流値I
oに対応するディジタル信号」をアナログ信号に変換す
るD/A変換回路6と、変換された「溶接電流値Ioに
対応するアナログ信号」に応じて溶接電流値Ioを制御
する電流指令出力回路5と、検出した溶接電流検出信号
Icを演算処理回路CPUに供給するA/D変換回路7
と、検出した溶接電圧検出信号Vcを演算処理回路CP
Uに供給するA/D変換回路8と、演算処理回路CPU
から出力された所定のスタッドの移動量Mに対応するデ
ィジタル信号をアナログ信号に変換するD/A変換回路
21と、変換されたスタッドの移動量Mに対応するアナ
ログ信号に応じてサ−ボモ−タ24を駆動するモ−タ駆
動回路26と、検出した移動量検出信号Mcを演算処理
回路CPUに供給するのA/D変換回路20と、プリセ
ット条件、溶接結果デ−タ等を記憶する記憶回路11
と、プリセット条件及び溶接結果を表示するディジタル
パネル等の表示回路又は作業者に異常を知らせる警報回
路からなる表示回路または警報回路12(以下、表示回
路12という)とから形成される。
【0216】以下、図5の実施例のスタッド溶接装置の
動作について説明する。溶接ガン2に保持させたスタッ
ド先端を被溶接材Wに当接する位置まで押し当て、溶接
ガン2に配設されている溶接開始終了スイッチ13を押
すと、当接位置にあったスタッドSは、予め設定された
引き上げ距離L1だけ引き上げられると同時に、パイロ
ット電流Ipを通電する。以下の動作は、スタッド・被
溶接材条件及び周囲設置条件と溶接機器設定値との関係
によって異なるので、個別の各実施例ごとに説明する。
【0220】[実施例1]作業者が、厚板の鋼板上に予
め定めた直径のスタッドを下向き姿勢で被溶接材直接溶
接をする最も簡単な場合の本発明の溶接方法について説
明する。
【0222】第1に、前述した「発明の実施の形態」に
おいて「(A)スタッド・被溶接材条件及び周囲設置条
件と溶接機器設定値との関係を溶接制御装置の記憶回路
11に記憶するスタッド溶接条件・機器設定値記憶動
作」について説明する。上記のスタッド溶接条件・機器
設定値記憶動作は次のステップを実行する。 (1)下向き姿勢で、被溶接材直接溶接をする場合、溶
接開始前に、各スタッドの呼び径に対応させた「主ア−
ク電流値Ia、引き上げ距離L1及び押し込み距離L
2」を予め設定して、図7に示す「下向き姿勢・被溶接
材直接溶接」の溶接条件・機器設定値対応表に書き込
む。 (2)図6に示すように、正常な溶接時の主アーク期間
全体の標準入熱量Qst38を、後述する数1乃至数3によ
って算出して、CPU内部の主記憶領域の図7に示す溶
接条件・機器設定値対応表に書き込む。
【0224】第2に、前述した「(B)溶接装置に商用
電源を供給すると、ブロック図の表示回路12にスタッ
ド・被溶接材条件が表示され、作業者がその表示に従っ
て、条件設定スイッチ27によってスタッド・被溶接材
条件及び周囲設置条件の選択をするスタッド溶接条件選
定動作」について説明する。
【0225】図5に示す溶接電源装置1に商用電源を供
給すると、同図の表示回路12にスタッド・被溶接材条
件が表示されるので、作業者はその表示に従って、条件
設定スイッチ27によって下記の選択をする。 (1)スタッドの直径の呼び径(M4,M5,M6,M
8,M10,M12,M16,M18,M20,M2
2,φ13,φ16,φ19,φ22)が表示されるの
で、例えば、M20を選択する。 (2)溶接姿勢(下向き姿勢、横向き姿勢)が表示され
るので、下向き姿勢を選択する。 (3)被溶接材配置(被溶接材直接溶接、上板貫通溶
接)が表示されるので、被溶接材直接溶接を選択する。
【0226】ブロック図において、CPUは、記憶回路
11に予め記憶しておいた図7に示す下向き姿勢・被溶
接材直接溶接の溶接条件・機器設定値対応表から、主ア
−ク電流値Ia=1350[A]、主アーク期間全体の標準
入熱量Qst=40.50[KJ]、引き上げ距離L1=2.5[m
m]及び押し込み距離L2=5.0[mm]を読み出して、表
示回路12に表示する。
【0228】このとき、今回以前に同じスタッド・被溶
接材条件で溶接して適正値が記憶されているときは、各
溶接機器設定値の最小値、平均値、最大値等も同時に表
示される。作業者は、これらの表示されたいずれかの値
を選択するか、これらの表示されたいずれかの値を参考
にして微調整又は作業者が希望する値を入力すると、C
PU内部の主記憶領域に書き込まれる。最も簡単な選択
は、作業者が実行キーを押せば上記の図7に示す標準値
(デフォルト)がそのまま、CPU内部の主記憶領域に
書き込まれる。
【0230】第3に、前述した「(C)作業者が溶接開
始終了スイッチ13を押して溶接を開始し、選定した値
に従って溶接電源装置1及び溶接ガン2が動作してスタ
ッド溶接する溶接機器自動動作」について説明する。上
記の溶接機器自動動作は次のステップを実行する。 (1)溶接開始終了スイッチ13を押して溶接を開始す
ると、CPU内部の主記憶領域から読み出した溶接機器
設定値に従って動作を開始する。 (2)補助ア−ク電流通電開始時点t0において、補助
ア−ク電流Ipの通電を開始するとともに、スタッドS
を被溶接材Wから引き上げて補助ア−クを発生させる。 (3)補助ア−ク期間Tpが経過した主ア−ク電流通電
開始時点t2で、補助ア−ク電流Ipから主ア−ク電流
Iaに切り換える。 (4)図8に示すように、主アーク電流・電圧検出開始
時点t3から、検出間隔Δtごとに、検出間隔ごとの主
ア−ク電流平均値Iav(Δt)及び検出間隔ごとの主ア−
ク電圧平均値Vav(Δt)を測定する。 (5)この検出間隔ごとの主ア−ク電圧平均値Vav(Δ
t)と検出期間中の溶接電流平均値Iav又は検出間隔ごと
の主ア−ク電流平均値Iav(Δt)との積の検出間隔ごと
の入熱量平均値ΔQavを積算して主アーク期間積算入熱
量Qta3nを算出する。 (6)この主アーク期間積算入熱量Qta3nが、上記主ア
ーク期間全体の標準入熱量Qst38に達した時点tnで押
し込みを開始する。
【0240】[図6の説明]図6(A)は、正常な溶接
時の検出期間中の溶接電流平均値Iavを算出する説明図
であり、同図(B)は、正常な溶接時の検出間隔Δtご
とに検出間隔ごとの主ア−ク電圧平均値Vav(Δt)を算
出する説明図であり、同図(C)は正常な溶接時のスタ
ッド引き上げ距離を示す図である。
【0242】同図(A)に示すように、補助ア−ク電流
通電開始時点t0において、溶接開始終了スイッチ13
を押して補助ア−ク電流Ipの通電を開始するととも
に、スタッドSを被溶接材Wから引き上げて補助ア−ク
を発生させる。
【0246】この補助ア−ク電流通電開始時点t0又は
主ア−ク電流通電開始時点t2から、図5に示す溶接電
流検出回路IC及び溶接電圧検出回路VCによって、各
時刻tの溶接電圧値V1(t)及び各時刻tの溶接電流値I
1(t)を予め設定した検出間隔△tで検出して、この検出
間隔Δtごとに検出間隔ごとの主ア−ク電圧平均値Vav
(△t)及び主ア−ク電流平均値Iav(△t)を算出す
る。
【0248】次に、主ア−ク電流通電開始時点t2にお
いて、補助ア−ク電流Ipから主ア−ク電流Iaに切り
換える。前述した主ア−ク電流通電開始時点t2直後の
主ア−ク電流・電圧検出開始時点t3から主ア−ク電流
・電圧検出終了時点t8までの主アーク入熱標準値設定
期間T38に、各時刻tの溶接電圧値V1(t)を検出して、
短絡が発生しないときの検出間隔ごとの主ア−ク電圧平
均値Vav(Δt)を算出する。同様に、各時刻tの溶接
電流値I1(t)を検出して、短絡が発生しないときの検出
間隔ごとの主ア−ク電流平均値Iav(Δt)を算出する。
【0250】[数1の説明]図6において、主ア−ク電
流・電圧検出開始時点t3から主ア−ク電流・電圧検出
終了時点t8までの間、検出間隔Δtごとに、検出間隔
ごとの主ア−ク電圧平均値Vav(Δt)及び検出間隔ご
との主ア−ク電流平均値Iav(Δt)を算出し、検出間隔
ごとの入熱量平均値ΔQavを数1によって算出する。
【0252】
【数1】
【0260】[数2の説明]図6(A)及び(B)に示
すように、主ア−ク電流・電圧検出開始時点t3から主
ア−ク電流・電圧検出終了時点t8までの正常な溶接時
の検出期間全体の標準入熱量Qstを算出する式について
説明する。数2の右辺の1番目の式によって、検出間隔
ごとの入熱量平均値ΔQavを主ア−ク電流・電圧検出開
始時点t3から主ア−ク電流・電圧検出終了時点t8ま
で積算して検出期間全体の標準入熱量Qstを算出する。
【0262】
【数2】
【0270】[数3の説明]図6(A)及び(B)に示
すように、上記の主ア−ク電流・電圧検出開始時点t3
の検出間隔Δtの検出開始時点はt01であり、主ア−ク
電流・電圧検出終了時点t8の検出間隔Δtの検出開始
時点はt0nである。したがって、1回目の検出間隔Δt
の検出開始時点t01から検出回数n回目の検出間隔Δt
の検出開始時点t0nまでの検出期間全体の標準入熱量Q
stを、数2の右辺の2番目の式によって算出してもよ
い。
【0272】また、検出期間全体の標準入熱量Qstを数
2によって算出する代わりに、主ア−ク電流・電圧検出
開始時点t3の1回目の検出間隔Δtから主ア−ク電流
・電圧検出終了時点t8の検出回数n回目の検出間隔Δ
tまでの検出期間全体の標準入熱量Qstを、数3によっ
て算出してもよい。
【0274】
【数3】
【0280】[図8の説明]図8(A)は、各溶接中の
検出期間中の溶接電流平均値Iav又は検出間隔ごとの主
ア−ク電流平均値Iav(Δt)を算出する説明図であり、
同図(B)は、各溶接中の検出間隔Δtごとに検出間隔
ごとの主ア−ク電圧平均値Vav(Δt)を算出する説明図
である。
【0282】図5で説明した溶接電源装置1として、サ
イリスタ等の半導体スイッチング素子を用いた略定電流
制御方式の電源装置を使用た場合、主アーク電流通電開
始時点t2から短絡電流通電終了時点t10までの間、溶
接電流値Ioが略一定に制御された定電流が流れる。
【0284】主ア−ク電流通電終了時点、即ち短絡電流
通電開始時点t9で、押し込み動作を開始して短絡させ
ると、図8(A)に示すように、正常に短絡した瞬間に
急峻な電流が流れる。この急峻な電流の増加分は、主ア
ーク電流Iaの平均値と比較して無視することができる
範囲である。そこで、主アーク期間Taの溶接電流値I
oは、アーク時も瞬時的な短絡時も略一定であるので、
下記の数6及び数7に示すように検出間隔ごとの主ア−
ク電流平均値Iav(Δt)を測定しないで、数4及び数5
に示すように検出期間中の溶接電流平均値Iavを測定し
てもよい。
【0286】次に、図8(A)及び(B)を参照して、
主ア−ク電流・電圧検出開始時点t3から、検出期間全
体の標準入熱量Qstに達した主ア−ク電流・電圧検出終
了時点tnまでの短絡が発生しない積算入熱量Qtaを算
出する式について説明する。
【0290】[数4の説明] 検出間隔ごとの主ア−ク電圧平均値Vav(Δt)及び検
出期間中の溶接電流平均値Iavを測定する。 数4の右辺の1番目の式によって、主ア−ク電流・電
圧検出開始時点t3から主ア−ク電流・電圧検出終了時
点tnまで、検出間隔ごとの入熱量平均値ΔQavを積算
して、積算入熱量Qtaを算出する。
【0292】
【数4】
【0294】上記の主ア−ク電流・電圧検出開始時点t
3の検出間隔Δtの検出開始時点はt01であり、主ア−
ク電流・電圧検出終了時点tnの検出間隔Δtの検出開
始時点はt0nである。したがって、1回目の検出間隔Δ
tの検出開始時点t01から検出回数n回目の検出間隔Δ
tの検出開始時点t0nまでの積算入熱量Qtaを、数4の
右辺の2番目の式によって算出してもよい。
【0300】[数5の説明] 検出間隔ごとの主ア−ク電圧平均値Vav(Δt)及び検
出期間中の溶接電流平均値Iavを測定する。 また、積算入熱量Qtaを上記の数4によって算出す
る代わりに、主ア−ク電流・電圧検出開始時点t3の1
回目の検出間隔Δtから主ア−ク電流・電圧検出終了時
点tnの検出回数n回目の検出間隔Δtまでの積算入熱
量Qtaを、数5によって算出してもよい。
【0302】
【数5】
【0304】[数6の説明] 検出間隔ごとの主ア−ク電圧平均値Vav(Δt)及び検
出間隔ごとの主ア−ク電流平均値Iav(Δt)を測定す
る。 積算入熱量Qtaは、検出間隔ごとの入熱量平均値ΔQ
avを、主ア−ク電流・電圧検出開始時点t3から主ア−
ク電流・電圧検出終了時点tnまで、数6の右辺の1番
目の式によって算出する。
【0306】
【数6】
【0308】上記の主ア−ク電流・電圧検出開始時点t
3の検出間隔Δtの検出開始時点はt01であり、主ア−
ク電流・電圧検出終了時点tnの検出間隔Δtの検出開
始時点はt0nである。したがって、1回目の検出間隔Δ
tの検出開始時点t01から検出回数n回目の検出間隔Δ
tの検出開始時点t0nまでの積算入熱量Qtaを、数6の
右辺の2番目の式によって算出してもよい。
【0310】[数7の説明] 検出間隔ごとの主ア−ク電圧平均値Vav(Δt)及び検
出間隔ごとの主ア−ク電流平均値Iav(Δt)を測定す
る。 また、積算入熱量Qtaを上記の数4によって算出する
代わりに、主ア−ク電流・電圧検出開始時点t3の1回
目の検出間隔Δtから主ア−ク電流・電圧検出終了時点
tnの検出回数n回目の検出間隔Δtまでの積算入熱量
Qtaを、数7によって算出してもよい。
【0312】
【数7】
【0325】通常のスタッド溶接においては、前述した
図2に示した補助ア−ク期間Tpは0.1〜0.2[秒]
であり、主アーク期間Taは0.4〜1.5[秒]であ
り、短絡期間Tsは0.2[秒]位であって、補助ア−
ク期間Tpは主アーク期間Taに比べて1/10程度の
通電時間であり、しかも補助ア−ク電流値Ipは主ア−
ク電流値Iaよりも小であるので、制御回路を簡単にす
るために、補助ア−ク期間積算入熱量Qta12の算出を省
略している。
【0330】[実施例2]作業者が、厚板の鋼板上に予
め定めた直径のスタッドを横向き姿勢で溶接する場合の
本発明の溶接方法について説明する。
【0332】第1に、前述した「(A)スタッド・被溶
接材条件及び周囲設置条件と溶接機器設定値との関係を
溶接制御装置の記憶回路11に記憶するスタッド溶接条
件・機器設定値記憶動作」について説明する。上記のス
タッド溶接条件・機器設定値記憶動作は次のステップを
実行する。 (1)横向き姿勢で、被溶接材直接溶接をする場合、溶
接開始前に、各スタッドの呼び径に対応させた「主ア−
ク電流値Ia、引き上げ距離L1及び押し込み距離L
2」を予め設定して、横向き姿勢・被溶接材直接溶接
(以下、横向き溶接という)の溶接条件・機器設定値対
応表に書き込む。 (2)図6に示すように、正常な溶接時の主アーク期間
全体の標準入熱量Qst38を、数1乃至数3によって算出
して、CPU内部の主記憶領域の横向き溶接の溶接条件
・機器設定値対応表に書き込む。 (3)切換溶接電流値比率α=Ib/Ia(例えば、α
=1.1)及び切換標準入熱量比率β=Qstb8/Qst38
(例えば、β=0.1)を予め設定して、CPU内部の
主記憶領域の横向き溶接の溶接条件・機器設定値対応表
に書き込む。 ただし、Ibは切換後の主ア−ク電流値であり、Qstb8
は切換後標準入熱量であり、Qst38は標準入熱量であ
る。
【0334】図10は、切換前の主ア−ク電流値Iaを
通電して切換前標準入熱量Qst3bに達した時点tbで、
切換後の主ア−ク電流値Ibに切り換えて通電して、切
換後標準入熱量Qstb8に達した時点tbで、押し込みを
開始する主ア−ク電流値切換説明図である。
【0336】図10に示すように、CPUは、上記の既
知の主ア−ク電流値Ia、予め設定した主アーク期間全
体の標準入熱量Qst38、切換溶接電流値比率α及び切換
標準入熱量比率βから、下記の順序で、切換前標準入熱
量Qst3b及び切換後標準入熱量Qstb8を算出して、積算
している主アーク期間積算入熱量Qta3nが、切換前標準
入熱量Qst3bに達した時点tbで、主ア−ク電流値Ia
からIbに切り換え、さらに切換後標準入熱量Qstb8に
達した時点で押し込みを開始する。
【0338】Ib=α・Ia …(式1) Qstb8=β・Qst38 …(式2) Qst3b+Qstb8=Qst38 …(式3) Qst3b=k・Ia・T3b …(式4) 式2及び式4を式3に代入すると、 k・Ia・T3b=(1−β)Qst38 …(式5) この式5から切換前通電期間T3bが定まる。この切換
前通電期間T3bが定まると、式4から切換前標準入熱量
Qst3bが定まる。この切換前標準入熱量Qst3bが定ま
ると、式3から切換後標準入熱量Qstb8が定まる。
【0340】第2に、前述した「(B)溶接装置に商用
電源を供給すると、ブロック図の表示回路12にスタッ
ド・被溶接材条件が表示され、作業者がその表示に従っ
て、条件設定スイッチ27によってスタッド・被溶接材
条件及び周囲設置条件の選択をするスタッド溶接条件選
定動作」について説明する。
【0342】作業者は表示に従って、条件設定スイッチ
27によって下記の選択をする。 (1)スタッドの直径の呼び径(M4,M5,M6,M
8,M10,M12,M16,M18,M20,M2
2,φ13,φ16,φ19,φ22)が表示されるの
で、例えば、M20を選択する。 (2)溶接姿勢(下向き姿勢、横向き姿勢)が表示され
るので、横向き姿勢を選択する。 (3)被溶接材配置(被溶接材直接溶接、上板貫通溶
接)が表示されるので、被溶接材直接溶接を選択する。
【0344】(4)ブロック図において、CPUは、記
憶回路11に予め記憶しておいた横向き溶接の溶接条件
・機器設定値対応表から、主ア−ク電流値Ia、主アー
ク期間全体の標準入熱量Qst、引き上げ距離L1及び押
し込み距離L2を読み出して、表示回路12に表示す
る。
【0346】(5)上記の(2)で、横向き姿勢を選択
したので、切換溶接電流値比率α=Ib/Ia=1.
1,1.15,1.2等が表示されるので、例えば、1.
1を選択する。続いて、切換標準入熱量比率β=Qstb8
/Qst38=0.1,0.15,0.2等が表示されるの
で、例えば、0.1を選択する。
【0348】このとき、今回以前に同じスタッド・被溶
接材条件で溶接して適正値が記憶されているときは、各
溶接機器設定値の最小値、平均値、最大値等も同時に表
示される。作業者は、これらの表示されたいずれかの値
を選択するか、これらの表示されたいずれかの値を参考
にして微調整又は作業者が希望する値を入力すると、C
PU内部の主記憶領域に書き込まれる。最も簡単な選択
は、作業者が実行キーを押せば標準の値がそのまま、C
PU内部の主記憶領域に書き込まれる。
【0350】第3に、前述した「(C)作業者が溶接開
始終了スイッチ13を押して溶接を開始し、選定した溶
接機器設定値に従って溶接電源装置1及び溶接ガン2が
動作してスタッド溶接する溶接機器自動動作」について
説明する。上記の溶接機器自動動作は次のステップを実
行する。 (1)溶接開始終了スイッチ13を押して溶接を開始す
ると、CPU内部の主記憶領域から読み出した溶接機器
設定値に従って動作を開始する。 (2)図10に示すように、補助ア−ク電流通電開始時
点t0において、補助ア−ク電流Ipの通電を開始する
とともに、スタッドSを被溶接材Wから引き上げて補助
ア−クを発生させる。
【0352】(3)補助ア−ク期間Tpが経過した主ア
−ク電流通電開始時点t2で、補助ア−ク電流Ipから
主ア−ク電流Iaに切り換える。 (4)前述した図8に示す場合と同様に、主アーク電流
・電圧検出開始時点t3から、検出期間中の溶接電流平
均値Iav又は検出間隔ごとの主ア−ク電流平均値Iav
(Δt)及び検出間隔ごとの主ア−ク電圧平均値Vav(Δt)
を測定する。 (5)この検出間隔ごとの主ア−ク電圧平均値Vav(Δ
t)と検出期間中の溶接電流平均値Iav又は検出間隔ごと
の主ア−ク電流平均値Iav(Δt)との積の検出間隔ごと
の入熱量平均値ΔQavを積算して主アーク期間積算入熱
量Qta3nを算出する。
【0354】(6)切換前の主ア−ク電流値Iaを通電
して、積算した主アーク期間積算入熱量Qta3nが、切換
前標準入熱量Qst3bに達した時点tbで、切換後の主ア
−ク電流値Ibに切り換える。 (7)切換後の主ア−ク電流値Ibを通電して、主ア−
ク電流値切換時点tbから積算した主アーク期間積算入
熱量Qta3nが、切換後標準入熱量Qstb8に達した時点t
n又は主アーク電流・電圧検出開始時点t3から積算し
た主アーク期間積算入熱量Qta3nが、上記主アーク期間
全体の標準入熱量Qst38に達した時点tnで押し込みを
開始する。
【0360】[実施例3]作業者が、厚板の鋼板上に予
め定めた直径のスタッドを上板貫通溶接する場合の本発
明の溶接方法について説明する。
【0362】第1に、前述した「(A)スタッド・被溶
接材条件及び周囲設置条件と溶接機器設定値との関係を
溶接制御装置の記憶回路11に記憶するスタッド溶接条
件・機器設定値記憶動作」について説明する。上記のス
タッド溶接条件・機器設定値記憶動作は次のステップを
実行する。 (1)下向き姿勢で、上板貫通溶接する場合、溶接開始
前に、各スタッドの呼び径に対応させた「主ア−ク電流
値Ia、引き上げ距離L1及び押し込み距離L2」を予
め設定して、下向き姿勢・上板貫通溶接(以下、上板貫
通溶接という)の溶接条件・機器設定値対応表に書き込
む。 (2)図6に示すように、正常な溶接時の主アーク期間
全体の標準入熱量Qst38を、数1乃至数3によって算出
して、CPU内部の主記憶領域の上板貫通溶接の溶接条
件・機器設定値対応表に書き込む。
【0364】(3)切換溶接電流値比率α=Ib/Ia
(例えば、α=1.1)及び切換標準入熱量比率β=Qs
tb8/Qst38(例えば、β=0.1)を予め設定して、C
PU内部の主記憶領域の上板貫通溶接の溶接条件・機器
設定値対応表に書き込む。ただし、Ibは切換後の主ア
−ク電流値であり、Qstb8は切換後標準入熱量であり、
Qst38は標準入熱量である。 (4)2段階押し込み速度パタ−ンの比較的速い速度で
スタッドを移動するクイックダウン速度及び比較的遅い
速度でスタッドを移動するスロ−ダウン速度とを設定す
る。
【0366】図10に示すように、CPUは、上記の既
知の主ア−ク電流値Ia、予め設定した主アーク期間全
体の標準入熱量Qst38、切換溶接電流値比率α及び切換
標準入熱量比率βから、実施例2で説明した順序で、切
換前標準入熱量Qst3b及び切換後標準入熱量Qstb8を算
出して押し込みを開始する。
【0370】第2に、前述した「(B)溶接装置に商用
電源を供給すると、ブロック図の表示回路12にスタッ
ド・被溶接材条件が表示され、作業者がその表示に従っ
て、条件設定スイッチ27によってスタッド・被溶接材
条件及び周囲設置条件の選択をするスタッド溶接条件選
定動作」について説明する。
【0372】作業者は表示に従って、条件設定スイッチ
27によって下記の選択をする。 (1)スタッドの直径の呼び径(M4,M5,M6,M
8,M10,M12,M16,M18,M20,M2
2,φ13,φ16,φ19,φ22)が表示されるの
で、例えば、M20を選択する。 (2)溶接姿勢(下向き姿勢、横向き姿勢)が表示され
るので、下向き姿勢を選択する。 (3)被溶接材配置(被溶接材直接溶接、上板貫通溶
接)が表示されるので、上板貫通溶接を選択する。
【0374】(4)ブロック図において、CPUは、記
憶回路11に予め記憶しておいた上板貫通溶接の溶接条
件・機器設定値対応表から、主ア−ク電流値Ia、主ア
ーク期間全体の標準入熱量Qst、引き上げ距離L1及び
押し込み距離L2を読み出して、表示回路12に表示す
る。
【0376】(5)上記の(3)で、上板貫通溶接を選
択したので、切換溶接電流値比率α=Ib/Ia=1.
1,1.15,1.2等が表示されるので、例えば、1.
1を選択する。続いて、切換標準入熱量比率β=Qstb8
/Qst38=0.1,0.15,0.2等が表示されるの
で、例えば、0.1を選択する。
【0378】(6)2段階押し込み速度パタ−ンの比較
的速い速度でスタッドを移動するクイックダウン速度及
び比較的遅い速度でスタッドを移動するスロ−ダウン速
度が表示されるので選択する。
【0379】このとき、今回以前に同じスタッド・被溶
接材条件で溶接して適正値が記憶されているときは、各
溶接機器設定値の最小値、平均値、最大値等も同時に表
示される。作業者は、これらの表示されたいずれかの値
を選択するか、これらの表示されたいずれかの値を参考
にして微調整又は作業者が希望する値を入力すると、C
PU内部の主記憶領域に書き込まれる。最も簡単な選択
は、作業者が実行キーを押せば標準値がそのまま、CP
U内部の主記憶領域に書き込まれる。
【0380】第3に、前述した「(C)作業者が溶接開
始終了スイッチ13を押して溶接を開始し、選定した溶
接機器設定値に従って溶接電源装置1及び溶接ガン2が
動作してスタッド溶接する溶接機器自動動作」について
説明する。上記の溶接機器自動動作は次のステップを実
行する。 (1)溶接開始終了スイッチ13を押して溶接を開始す
ると、CPU内部の主記憶領域から読み出した溶接機器
設定値に従って動作を開始する。 (2)補助ア−ク電流通電開始時点t0において、補助
ア−ク電流Ipの通電を開始するとともに、スタッドS
を被溶接材Wから引き上げて補助ア−クを発生させる。
【0382】(3)補助ア−ク期間Tpが経過した主ア
−ク電流通電開始時点t2で、補助ア−ク電流Ipから
主ア−ク電流Iaに切り換える。 (4)前述した図8に示す場合と同様に、主アーク電流
・電圧検出開始時点t3から、検出期間中の溶接電流平
均値Iav又は検出間隔ごとの主ア−ク電流平均値Iav
(Δt)及び検出間隔ごとの主ア−ク電圧平均値Vav(Δt)
を測定する。 (5)この検出間隔ごとの主ア−ク電圧平均値Vav(Δ
t)と検出期間中の溶接電流平均値Iav又は検出間隔ごと
の主ア−ク電流平均値Iav(Δt)との積の検出間隔ごと
の入熱量平均値ΔQavを積算して主アーク期間積算入熱
量Qta3nを算出する。
【0384】(6)切換前の主ア−ク電流値Iaを通電
して、積算した主アーク期間積算入熱量Qta3nが、切換
前標準入熱量Qst3bに達した時点tbで、切換後の主ア
−ク電流値Ibに切り換える。 (7)切換後の主ア−ク電流値Ibを通電して、主ア−
ク電流値切換時点tbから積算した主アーク期間積算入
熱量Qta3nが、切換後標準入熱量Qstb8に達した時点t
n又は主アーク電流・電圧検出開始時点t3から積算し
た主アーク期間積算入熱量Qta3nが、上記主アーク期間
全体の標準入熱量Qst38に達した時点tnで押し込みを
開始する。 (8)押し込み時において、スタッドが溶融プ−ルに接
触する(突っ込む)までは比較的速い速度でスタッドを
移動(クイックダウン)し、スタッドが溶融プ−ルに接
触した後は、比較的遅い速度でスタッドを移動(スロ−
ダウン)する。
【0390】[実施例4]作業者が、定電流特性の溶接
電源装置を使用して、2次ケーブルを溶接位置まで延長
して、溶接位置を被溶接物上で移動しないで、厚板の鋼
板上に予め定めた直径のスタッドを下向き姿勢で被溶接
材直接溶接をするときに、溶接回路の電圧降下補償をす
る場合の本発明の溶接方法について説明する。
【0392】第1に、「発明の実施の形態」において前
述した「(A)スタッド・被溶接材条件及び周囲設置条
件と溶接機器設定値との関係を溶接制御装置の記憶回路
11に記憶するスタッド溶接条件・機器設定値記憶動
作」について説明する。上記のスタッド溶接条件・機器
設定値記憶動作は次のステップを実行する。 (1)2次ケーブルを溶接位置まで延長して、下向き姿
勢で、被溶接材直接溶接をする場合、溶接開始前に、各
スタッドの呼び径に対応させた「主ア−ク電流値Ia、
引き上げ距離L1及び押し込み距離L2」を予め設定し
て、「下向き姿勢・被溶接材直接溶接・定電流特性・電
圧降下補償(以下、定電流・電圧降下補償という)」の
溶接条件・機器設定値対応表に書き込む。 (2)図6に示すように、正常な溶接時の主アーク期間
全体の標準入熱量Qst38を、数1乃至数3によって算出
して、CPU内部の主記憶領域の定電流・電圧降下補償
の溶接条件・機器設定値対応表に書き込む。
【0393】(3) 溶接回路電圧降下V5を設定し
て、CPU内部の主記憶領域の定電流・電圧降下補償の
溶接条件・機器設定値対応表に書き込む。上記の溶接回
路電圧降下V5は次の値に設定する。 溶接回路電圧降下V5を算出するための2次ケーブル
の断面積及び長さから設定抵抗値Rsを算出し、この設
定抵抗値Rsと検出期間中の溶接電流平均値Iav又は検
出間隔ごとの主ア−ク電流平均値Iav(Δt)との積が溶
接回路電圧降下V5となる。 溶接回路の電圧降下に相当する設定電圧降下V5sを予
め設定する。 (4)作業者が、「溶接電源装置が定電流特性か、それ
以外か」を設定するようにし、自動的に、溶接回路の電
圧降下補償方法及び主アーク期間積算入熱量の積算方法
を選定する。
【0394】第2に、前述した「(B)溶接装置に商用
電源を供給すると、ブロック図の表示回路12にスタッ
ド・被溶接材条件が表示され、作業者がその表示に従っ
て、条件設定スイッチ27によってスタッド・被溶接材
条件及び周囲設置条件の選択をするスタッド溶接条件選
定動作」について説明する。
【0395】作業者は表示に従って、条件設定スイッチ
27によって下記の選択をする。 (1)スタッドの直径の呼び径(M4,M5,M6,M
8,M10,M12,M16,M18,M20,M2
2,φ13,φ16,φ19,φ22)が表示されるの
で、例えば、M20を選択する。 (2)溶接姿勢(下向き姿勢、横向き姿勢)が表示され
るので、下向き姿勢を選択する。 (3)被溶接材配置(被溶接材直接溶接、上板貫通溶
接)が表示されるので、被溶接材直接溶接を選択する。
【0396】(4)溶接回路電圧降下(補償する、補償
しない)が表示されるので、補償するを選択する。補償
するを選択すると、溶接回路電圧降下の補償方法(2次
ケーブルの断面積及び長さ、設定電圧降下)が表示され
るので、2次ケーブルの断面積及び長さを選択する。 (5)溶接電源装置の特性(定電流特性か、それ以外
か)が表示されるので、定電流特性を選択する。 (6)溶接位置が被溶接物上で(移動する、移動しな
い)が表示されるので、移動しないを選択する。
【0397】CPUは、記憶回路11に予め記憶してお
いた定電流・電圧降下補償の溶接条件・機器設定値対応
表から、主ア−ク電流値Ia、主アーク期間全体の標準
入熱量Qst、引き上げ距離L1及び押し込み距離L2を
読み出して、表示回路12に表示する。
【0398】このとき、今回以前に同じスタッド・被溶
接材条件で溶接して適正値が記憶されているときは、各
溶接機器設定値の最小値、平均値、最大値等も同時に表
示される。作業者は、これらの表示されたいずれかの値
を選択するか、これらの表示されたいずれかの値を参考
にして微調整又は作業者が希望する値を入力すると、C
PU内部の主記憶領域に書き込まれる。最も簡単な選択
は、作業者が実行キーを押せば標準値がそのまま、CP
U内部の主記憶領域に書き込まれる。
【0399】(1)2次ケーブルの断面積及び長さを入
力すると、2次ケーブルの断面積及び長さから設定抵抗
値Rsを算出し、この設定抵抗値Rsと検出期間中の溶
接電流平均値Iavとの積の溶接回路電圧降下V5を算出
して、CPU内部の主記憶領域に書き込む。 (2)上記の(5)において定電流特性を選択し、また
主ア−ク電流値Iaも読み出されたので、検出間隔ごと
の主ア−ク電圧平均値Vav(Δt)から溶接回路電圧降下
V5を減算した検出間隔ごとの算出平均アーク電圧V3
を積算した「主アーク期間積算入熱電圧値Vqt3n」を算
出するための「主アーク期間全体の標準入熱量Qst38に
対応する主アーク電圧標準値Vst38」を算出して、CP
U内部の主記憶領域に書き込む。
【0400】第3に、前述した「(C)作業者が溶接開
始終了スイッチ13を押して溶接を開始し、選定した値
に従って溶接電源装置1及び溶接ガン2が動作してスタ
ッド溶接する溶接機器自動動作」について説明する。上
記の溶接機器自動動作は次のステップを実行する。 (1)溶接開始終了スイッチ13を押して溶接を開始す
ると、CPU内部の主記憶領域から読み出した溶接機器
設定値に従って動作を開始する。 (2)補助ア−ク電流通電開始時点t0において、補助
ア−ク電流Ipの通電を開始するとともに、スタッドS
を被溶接材Wから引き上げて補助ア−クを発生させる。
【0402】(3)補助ア−ク期間Tpが経過した主ア
−ク電流通電開始時点t2で、補助ア−ク電流Ipから
主ア−ク電流Iaに切り換える。 (4)後述する図11に示すように、主アーク電流・電
圧検出開始時点t3から、検出期間中の溶接電流平均値
Iav及び検出間隔ごとの主ア−ク電圧平均値Vav(Δt)
を測定する。 (5)検出間隔ごとの主ア−ク電圧平均値Vav(Δt)か
ら溶接回路電圧降下V5を減算した検出間隔ごとの算出
平均アーク電圧V3を積算した主アーク期間積算入熱電
圧値Vqt3nを算出する。 (6)上記主アーク期間全体の標準入熱量Qst38に対応
する主アーク電圧標準値Vst38に達する主ア−ク電流・
電圧検出終了時点tnで押し込みを開始する。
【0410】[図11の説明]定電流特性であって、溶
接するスタッドの直径が同じで溶接電流値を変更しない
で、溶接位置が被溶接物上で移動しない場合は、主アー
ク電流値が一定であるので、図11(B)に示すよう
に、積算した主アーク期間積算入熱電圧値Vqt3nを主ア
ーク期間全体の標準入熱量Qst38に代えることができ
る。
【0412】図11(A)は、溶接電源装置の出力特性
が定電流特性であるときは、各溶接中の溶接電流値Io
が一定値Iavであることを示す図であり、同図(B)
は、検出間隔ごとの主ア−ク電圧平均値Vav(Δt)から
溶接回路電圧降下V5を減算した検出間隔ごとの算出平
均アーク電圧V3を積算した主アーク期間積算入熱電圧
値Vqt3nを算出する説明図である。
【0414】[数8の説明]主アーク期間積算入熱電圧
値Vqt3nは、下記の手順で、主ア−ク電流・電圧検出開
始時点t3から、予め設定した主アーク期間全体の標準
入熱量Qst38に対応する主アーク電圧標準値Vst38に達
する主ア−ク電流・電圧検出終了時点tnまで、検出間
隔ごとの算出平均アーク電圧V3を積算する。
【0416】主アーク期間積算入熱電圧値Vqt3nは、
検出間隔ごとの主ア−ク電圧平均値Vav(Δt)から溶接
回路電圧降下V5を減算した検出間隔ごとの算出平均ア
ーク電圧V3を算出する。 V3=Vav(Δt)−V5 上記の検出間隔ごとの算出平均アーク電圧V3を、検
出回数1回からn回まで積算して、主アーク期間積算入
熱電圧値Vqt3nを、数8によって算出する。
【0418】
【数8】
【0420】上記の溶接回路電圧降下V5は、初回の溶
接では、2次ケーブルの断面積及び長さから設定抵抗値
Rsを算出し、この設定抵抗値Rsと検出期間中の溶接
電流平均値Iavとの積が溶接回路電圧降下V5又は溶接
回路の電圧降下に相当する予め設定した設定電圧降下V
5sであり、2回目以後の溶接では、溶接電源装置が定電
流特性であるので、溶接回路の電圧降下に相当する押し
込み短絡電圧平均値V2aを適用することができる。
【0422】したがって、検出間隔ごとの算出平均アー
ク電圧V3は、 A.初回の溶接では、検出間隔ごとの主ア−ク電圧平均
値Vav(Δt)から、 設定抵抗値Rsと検出期間中の溶接電流平均値Iavと
の積又は 溶接回路の電圧降下に相当する予め設定した設定電圧
降下V5s を減算した検出間隔ごとの設定算出平均アーク電圧V3s
となり、 B.2回目以後の溶接では、検出間隔ごとの主ア−ク電
圧平均値Vav(Δt)から溶接回路の電圧降下に相当する
押し込み短絡電圧平均値V2aを減算した検出間隔ごとの
押し込み算出平均アーク電圧V3pとなる。 上記の設定算出平均アーク電圧V3s及び押し込み算出平
均アーク電圧V3pを、検出回数1回からn回まで積算し
て、主アーク期間積算入熱電圧値Vqt3nを、数8によっ
て算出する。
【0424】上記の数8によって算出する主アーク期間
積算入熱電圧値Vqt3nを算出する式は、初回の溶接で
は、Vqt3n=ΣV3s・Δt=Σ[Vav(Δt)−V5s]・Δ
tとなり、2回目以後の溶接では、Vqt3n=ΣV3p・Δt
=Σ[Vav(Δt)−V2a]・Δtとなる。
【0426】なお、この主アーク期間積算入熱電圧値V
qt3nを、次式のように、主アーク期間積算供給電圧値V
pt3nから主アーク期間積算溶接回路電圧降下V5(tn
−t3)を減算することによって算出することもでき
る。 Vqt3n=Vpt3n−V5(tn−t3)
【0430】[実施例5]作業者が、定電流特性でない
特性の溶接電源装置を使用して、2次ケーブルを溶接位
置まで延長して、溶接位置を被溶接物上で移動して、厚
板の鋼板上に予め定めた直径のスタッドを下向き姿勢で
被溶接材直接溶接をするときに、溶接回路の電圧降下補
償をする場合の本発明の溶接方法について説明する。
【0432】第1に、「発明の実施の形態」において前
述した「(A)スタッド・被溶接材条件及び周囲設置条
件と溶接機器設定値との関係を溶接制御装置の記憶回路
11に記憶するスタッド溶接条件・機器設定値記憶動
作」のステップ(1)乃至(4)は、実施例4と同様に
なるので説明を省略する。ただし、スタッド溶接条件選
定動作において、作業者がそれ以外の特性を選択したと
きは、「定電流・電圧降下補償」の溶接条件・機器設定
値対応表を、「電圧降下補償」の溶接条件・機器設定値
対応表と呼ぶ。
【0440】第2に、前述した「(B)溶接装置に商用
電源を供給すると、ブロック図の表示回路12にスタッ
ド・被溶接材条件が表示され、作業者がその表示に従っ
て、条件設定スイッチ27によってスタッド・被溶接材
条件及び周囲設置条件の選択をするスタッド溶接条件選
定動作」について説明する。
【0442】作業者は表示に従って、条件設定スイッチ
27によって下記の選択をする。ステップ(1)乃至
(3)は、実施例4と同様になるので説明を省略する。 (4)溶接回路電圧降下(補償する、補償しない)が表
示されるので、補償するを選択する。補償するを選択す
ると、溶接回路電圧降下の補償方法(2次ケーブルの断
面積及び長さ、設定電圧降下)が表示されるので、設定
電圧降下V5sを選択する。
【0444】(5)溶接電源装置の特性(定電流特性
か、それ以外か)が表示されるので、それ以外の特性を
選択する。 (6)溶接位置が被溶接物上で(移動する、移動しな
い)が表示されるので、移動するを選択する。
【0446】CPUは、記憶回路11に予め記憶した電
圧降下補償の溶接条件・機器設定値対応表から、主ア−
ク電流値Ia、主アーク期間全体の標準入熱量Qst、引
き上げ距離L1及び押し込み距離L2を読み出して、表
示回路12に表示する。
【0448】このとき、今回以前に同じスタッド・被溶
接材条件で溶接して適正値が記憶されているときは、各
溶接機器設定値の最小値、平均値、最大値等も同時に表
示される。作業者は、これらの表示されたいずれかの値
を選択するか、これらの表示されたいずれかの値を参考
にして微調整又は作業者が希望する値を入力すると、C
PU内部の主記憶領域に書き込まれる。最も簡単な選択
は、作業者が実行キーを押せば標準値がそのまま、CP
U内部の主記憶領域に書き込まれる。
【0450】第3に、前述した「(C)作業者が溶接開
始終了スイッチ13を押して溶接を開始し、選定した値
に従って溶接電源装置1及び溶接ガン2が動作してスタ
ッド溶接する溶接機器自動動作」について説明する。上
記の溶接機器自動動作は次のステップを実行する。 (1)溶接開始終了スイッチ13を押して溶接を開始す
ると、CPU内部の主記憶領域から読み出した溶接機器
設定値に従って動作を開始する。 (2)補助ア−ク電流通電開始時点t0において、補助
ア−ク電流Ipの通電を開始するとともに、スタッドS
を被溶接材Wから引き上げて補助ア−クを発生させる。
【0452】(3)補助ア−ク期間Tpが経過した主ア
−ク電流通電開始時点t2で、補助ア−ク電流Ipから
主ア−ク電流Iaに切り換える。 (4)図9に示すように、主アーク電流・電圧検出開始
時点t3から、検出間隔ごとの主ア−ク電流平均値Iav
(Δt)及び検出間隔ごとの主ア−ク電圧平均値Vav(Δt)
を測定する。
【0454】(5)この測定した溶接の検出間隔ごとの
主ア−ク電圧平均値Vav(Δt)から溶接回路の電圧降下
に相当する予め設定した設定電圧降下V5sを減算した設
定算出平均アーク電圧V3sを算出する。 (6)この検出間隔ごとの設定算出平均アーク電圧V3s
と検出間隔ごとの主ア−ク電流平均値Iav(Δt)との積
の検出間隔ごとの入熱量平均値ΔQavを積算した主アー
ク期間積算入熱量Qta3nを算出する。
【0456】(7)この算出した主アーク期間積算入熱
量Qta3nが、上記主アーク期間全体の標準入熱量Qst38
に達した時点tnで押し込みを開始する。 (8)スタッドを被溶接材に押し込んで短絡電流通電中
に検出した押し込み短絡電圧平均値V2aを押し込み短絡
電流平均値I2aで除算した算出抵抗値Ra=V2a/I2a
を記憶して初回のスタッド溶接を終了する。
【0458】(9)その後のN回目の継続溶接の主ア−
クを発生させ、主アーク電流・電圧検出開始時点t3か
ら、検出間隔ごとの主ア−ク電流平均値Iav(Δt)及び
検出間隔ごとの主ア−ク電圧平均値Vav(Δt)を測定す
る。 (10)この測定した検出間隔ごとの主ア−ク電圧平均
値Vav(Δt)から今回の主ア−ク電流平均値Iav(Δt)と
算出抵抗値Raとの積の溶接回路電圧降下V5を減算し
た検出間隔ごとの押し込み算出平均アーク電圧V3pを算
出する。
【0460】(11)この検出間隔ごとの押し込み算出
平均アーク電圧V3pと検出間隔ごとの主ア−ク電流平均
値Iav(Δt)との積の検出間隔ごとの入熱量平均値ΔQa
vを積算して主アーク期間積算入熱量Qta3nを算出す
る。 (12)この算出した主アーク期間積算入熱量Qta3n
が、上記主アーク期間全体の標準入熱量Qst38に達した
時点tnで押し込みを開始する。
【0462】(13)スタッドを被溶接材に押し込んで
短絡電流通電中に検出した押し込み短絡電圧平均値V2a
を押し込み短絡電流平均値I2aで除算した算出抵抗値R
a=V2a/I2aを記憶して今回のスタッド溶接を終了す
る。 (14)以後、上記その後のN回目の溶接の工程を繰り
返す。
【0470】[図9の説明]図9(A)は、各溶接中の
溶接電流値Ioから検出期間中の溶接電流平均値Iav又
は検出間隔ごとの主ア−ク電流平均値Iav(Δt)を検出
する説明図であり、同図(B)は、各溶接中の出力端子
電圧Vdから、検出間隔ごとの主ア−ク電圧平均値Vav
(Δt)を検出する説明図である。
【0472】[数9の説明]数9の右辺の1番目の式に
よって、主ア−ク電流・電圧検出開始時点t3から主ア
−ク電流・電圧検出終了時点tnまで、次の順序で、検
出間隔ごとの入熱量平均値ΔQavを積算して、積算入熱
量Qtaを算出する。
【0474】検出間隔ごとの主ア−ク電圧平均値Vav
(Δt)及び検出期間中の溶接電流平均値Iavを測定す
る。 検出間隔ごとの主ア−ク電圧平均値Vav(Δt)から溶
接回路電圧降下V5を減算した検出間隔ごとの算出平均
アーク電圧V3を算出する。 V3=Vav(Δt)−V5 上記の溶接回路電圧降下V5は、初回の溶接ではV5=
V5sとなり、2回目以後の溶接ではV5=Ra×Iavと
なるので、初回の溶接ではV3=V3sとなり、2回目以
後の溶接ではV3=V3pとなる。ただし、V5sは設定電
圧降下であり、Raは算出抵抗値であり、Iavは検出期
間中の溶接電流平均値であり、V3sは検出間隔ごとの設
定算出平均アーク電圧であり、V3pは検出間隔ごとの押
し込み算出平均アーク電圧である。
【0476】検出間隔ごとの算出平均アーク電圧V3
と検出期間中の溶接電流平均値Iavとの積の検出間隔ご
との入熱量平均値ΔQavを算出する。 ΔQav=V3×Iav×Δt 検出間隔ごとの入熱量平均値ΔQavを、数9によって
積算して、積算入熱量Qtaを算出する。
【0478】
【数9】
【0480】上記の主ア−ク電流・電圧検出開始時点t
3の検出間隔Δtの検出開始時点はt01であり、主ア−
ク電流・電圧検出終了時点tnの検出間隔Δtの検出開
始時点はt0nである。したがって、1回目の検出間隔Δ
tの検出開始時点t01から検出回数n回目の検出間隔Δ
tの検出開始時点t0nまでの積算入熱量Qtaを、数9の
右辺の2番目の式によって算出してもよい。
【0482】[数10の説明]また、積算入熱量Qtaを
上記の数9によって算出する代わりに、主ア−ク電流・
電圧検出開始時点t3の1回目の検出間隔Δtから主ア
−ク電流・電圧検出終了時点tnの検出回数n回目の検
出間隔Δtまでの積算入熱量Qtaを、数10によって算
出してもよい。
【0484】
【数10】
【0486】[数11の説明]数11の右辺の1番目の
式によって、主ア−ク電流・電圧検出開始時点t3から
主ア−ク電流・電圧検出終了時点tnまで、次の順序
で、検出間隔ごとの入熱量平均値ΔQavを積算して、積
算入熱量Qtaを算出する。 検出間隔ごとの主ア−ク電圧平均値Vav(Δt)及び検
出間隔ごとの主ア−ク電流平均値Iav(Δt)を測定す
る。 検出間隔ごとの主ア−ク電圧平均値Vav(Δt)から溶
接回路電圧降下V5を減算した検出間隔ごとの算出平均
アーク電圧V3を算出する。 V3=Vav(Δt)−V5 上記の溶接回路電圧降下V5は、初回の溶接ではV5=
V5sとなり、2回目以後の溶接ではV5=Ra×Iav
(Δt)となるので、初回の溶接ではV3=V3sとなり、
2回目以後の溶接ではV3=V3pとなる。ただし、V5s
は設定電圧降下であり、Raは算出抵抗値であり、Iav
(Δt)は検出間隔ごとの主ア−ク電圧平均値であり、V
3sは検出間隔ごとの設定算出平均アーク電圧であり、V
3pは検出間隔ごとの押し込み算出平均アーク電圧であ
る。
【0488】検出間隔ごとの算出平均アーク電圧V3
と検出間隔ごとの主ア−ク電流平均値Iav(Δt)との積
の検出間隔ごとの入熱量平均値ΔQavを算出する。 ΔQav=V3×Iav(Δt)×Δt 検出間隔ごとの入熱量平均値ΔQavを、数11によっ
て積算して、積算入熱量Qtaを算出する。
【0490】
【数11】
【0492】上記の主ア−ク電流・電圧検出開始時点t
3の検出間隔Δtの検出開始時点はt01であり、主ア−
ク電流・電圧検出終了時点tnの検出間隔Δtの検出開
始時点はt0nである。したがって、1回目の検出間隔Δ
tの検出開始時点t01から検出回数n回目の検出間隔Δ
tの検出開始時点t0nまでの積算入熱量Qtaを、数11
の右辺の2番目の式によって算出してもよい。
【0494】[数12の説明]また、積算入熱量Qtaを
上記の数11によって算出する代わりに、主ア−ク電流
・電圧検出開始時点t3の1回目の検出間隔Δtから主
ア−ク電流・電圧検出終了時点tnの検出回数n回目の
検出間隔Δtまでの積算入熱量Qtaを、数12によって
算出してもよい。
【0496】
【数12】
【1000】
【発明の効果】本発明の共通の効果は、以下のとおりで
ある。スタッドの直径、溶接姿勢及び被溶接材配置の組
み合わせに応じた適切な溶接機器設定値を記載した取扱
説明書、ガイドブック等を手元に持参して参照する必要
がないので、作業効率を低下させることがない。
【1001】溶接機器動作設定時には、取扱説明書、ガ
イドブック等にスタッド及び被溶接材の種類の組み合わ
せの溶接機器設定値を見つけなければならないような場
合であっても、試し打ちを繰り返して、最良の溶接結果
を見つけ出す労力を軽減し作業効率を向上することがで
きる。
【1002】スタッドの直径、溶接姿勢及び被溶接材配
置の組み合わせに応じて複数の適切な溶接機器動作設定
をしなければならないときでも、豊富な経験熟練者でな
くても、短時間に、適切な溶接機器動作設定をすること
ができる。
【1003】豊富な経験及び試し打ちの繰り返しによる
労力を必要としないで、短時間に、適切な溶接機器設定
値の組み合わせを設定することができ、最良の溶接結果
をうることができる。
【1004】請求項3乃至請求項6及び請求項11の方
法は、本発明の共通の効果に加えて、作業者が、スタッ
ド・被溶接材条件及び周囲設置条件を溶接制御装置に入
力すると、溶接制御装置が、その入力した条件によっ
て、第1の溶接機器設定値を溶接条件・機器設定値対応
表から読み出し、さらに、作業者が、上記以外の追加入
力した溶接条件を溶接制御装置に入力すると、溶接制御
装置が、この上記以外の追加入力した溶接条件と上記の
第1の溶接機器設定値とを使用して第2の溶接機器設定
値を自動的に算出して設定するので、作業者は、第1の
溶接機器設定値を設定してその設定値に応じて第2の溶
接機器設定値を設定する必要がなく、短時間に、適正値
に溶接機器設定値を設定することができる。
【1005】請求項10乃至請求項12及び請求項16
及び請求項17の方法は、本発明の共通の効果に加え
て、作業者がスタッドの直径、溶接姿勢及び被溶接材配
置の組み合わせを選定するだけで、溶接電源装置1及び
溶接ガン2が動作して、検出間隔ごとのア−ク電圧平均
値から算出したアーク期間積算入熱量Qtaが、算出又は
選定したアーク期間全体の標準入熱量Qstに達した時点
tnで押し込み動作を開始するので、引き上げ期間中に
スタッドの溶融面が被溶接材の溶融プールに接触して短
絡が発生しても、入熱不足となって押し込み距離L2が
不足して溶接不良となることがない。
【1006】請求項5及び請求項11の方法は、本発明
の共通の効果に加えて、作業者がスタッドの直径及び横
向き姿勢の組み合わせを選定するだけで、溶接電源装置
1及び溶接ガン2が動作して、主アーク期間Taの後半
に、主アーク電流値Iaを増加させるので、主アーク期
間Taの後半において、スタッド先端部の溶融金属及び
被溶接材表面の溶融金属が、重力によってフェルール内
の下部に集中するために、短絡が頻繁に発生して入熱不
足になったり、この被溶接材の溶融金属はフェル−ルF
内の下部に溜まって、この重力によってスタッド上部の
余盛り不足になることを防止することができる。
【1007】請求項6及び請求項7及び請求項11の方
法は、本発明の共通の効果に加えて、作業者がスタッド
の直径及び上板貫通溶接の組み合わせを選定するだけ
で、溶接電源装置1及び溶接ガン2が動作して、主アー
ク期間Taの後半に、主アーク電流値Iaを増加させる
と共に、スタッドが溶融プ−ルに接触する(突っ込む)
までは、比較的速い速度でスタッドを移動(クイックダ
ウン)し、スタッドが溶融プ−ルに接触した後は、比較
的遅い速度でスタッドを移動(スロ−ダウン)するの
で、鋼板が波打ち、鉄骨と鋼板との間に隙間Dcが不定
であるために、直接溶接のときの短絡時点ts0から上板
貫通溶接のときのスタッド先端が鉄骨に押しまれる短絡
時点ts2までの遅れ時間がばらつき、直接溶接よりも多
くの入熱量を必要とするので、主アーク期間Taを長く
設定するために、引き上げ期間の後半に短絡が頻繁に発
生して入熱不足となって押し込み距離L2が不足して溶
接不良となることがない。
【1008】請求項8及び請求項12の方法は、本発明
の共通の効果に加えて、作業者がスタッドの直径及び溶
接回路電圧降下を「補償する」を選定して2次ケーブル
の断面積及び長さ、設定電圧降下を入力するだけで、溶
接電源装置1及び溶接ガン2が動作して、溶接電源装置
から溶接箇所までの距離に関係する2次ケーブルの長
さ、2次ケーブルの直径、被溶接材の抵抗値等の違いに
よって大きく変化する溶接回路電圧降下による消費電力
P5を補償して必要な入熱Qrを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、横向き溶接中のフェルール内の溶融金
属の状態を示す図である。
【図2】図2は、鉄骨上に鋼板を配設したときに、鋼板
が波打ち、鉄骨と鋼板との間に隙間が生じている状態を
示す鉄骨・鋼板位置関係図である。
【図3】図3は、鉄骨と鋼板との間に隙間があるときの
鋼板とスタッド先端との位置関係を示す鋼板・スタッド
位置関係図である。
【図4】図4は、従来の溶接動作において、主アーク電
流期間Taの後半で短絡が発生したときの波形を示す図
で、同図(A)は溶接電流Ioの波形を示す溶接電流波
形図であり、同図(B)は溶接電源装置の出力端子電圧
Vdの波形を示す出力端子電圧波形図であり、同図
(C)はスタッド先端の移動量Mを示すスタッド先端移
動図である。
【図5】図5は、本発明の溶接機器動作自動設定スタッ
ド溶接方法を実施するスタッド溶接装置のブロック図で
ある。
【図6】図6(A)は、正常な溶接時の検出期間中の溶
接電流平均値Iavを算出する説明図であり、同図(B)
は、正常な溶接時の検出間隔Δtごとに検出間隔ごとの
主ア−ク電圧平均値Vav(Δt)を算出する説明図であ
り、同図(C)は正常な溶接時のスタッド引き上げ距離
を示す図である。
【図7】下向き姿勢・被溶接材直接溶接の溶接条件・機
器設定値対応表である。
【図8】図8(A)は、各溶接中の検出期間中の溶接電
流平均値Iav又は検出間隔ごとの主ア−ク電流平均値I
av(Δt)を算出する説明図であり、同図(B)は、各溶
接中の検出間隔Δtごとに検出間隔ごとの主ア−ク電圧
平均値Vav(Δt)を算出する説明図である。
【図9】図9(A)は、各溶接中の溶接電流値Ioから
検出期間中の溶接電流平均値Iav又は検出間隔ごとの主
ア−ク電流平均値Iav(Δt)を検出する説明図であり、
同図(B)は、各溶接中の出力端子電圧Vdから、検出
間隔ごとの主ア−ク電圧平均値Vav(Δt)を検出する説
明図である。
【図10】図10は、切換前の主ア−ク電流値Iaを通
電して切換前標準入熱量Qst3bに達した時点tbで、切
換後の主ア−ク電流値Ibに切り換えて通電して、切換
後標準入熱量Qstb8に達した時点tbで、押し込みを開
始する主ア−ク電流値切換説明図である。
【図11】図11(A)は、溶接電源装置の出力特性が
定電流特性であるときは、各溶接中の溶接電流値Ioが
一定値Iavであることを示す図であり、同図(B)は、
検出間隔ごとの主ア−ク電圧平均値Vav(Δt)から溶接
回路電圧降下V5を減算した検出間隔ごとの算出平均ア
ーク電圧V3を積算した主アーク期間積算入熱電圧値V
qt3nを算出する説明図である。
【符号の説明】
1 …溶接電源装置 2 …溶接ガン 3 …溶接制御回路 5 …電流指令出力回路 6、21…D/A変換回路 7、8、20…A/D変換回路 11…記憶回路 12…表示回路または警報回路 13…溶接開始終了スイッチ 15…溶接電流調整回路 16…2次ケ−ブル 23…当接部材 24…サ−ボモ−タ 26…モ−タ駆動回路 27…条件設定スイッチ 31…溶融金属 A …3相交流電源 CPU…演算処理回路 Da…上板貫通溶接のアーク長 Dc…隙間 Dd…(上板貫通溶接の設定した)押し込み距離 Dd0…(上板貫通溶接の)実際の押し込み距離 De…スタッド先端が鉄骨Waに押し込まれる実際の突
っ込み量 Dp…板厚 Dup…上板貫通溶接の引き上げ距離 F …フェル−ル I1(t)…各時刻tの溶接電流値 I2a…押し込み短絡電流平均値 Ia…主ア−ク電流/(切換前の)主ア−ク電流値 Iav…検出期間中の溶接電流平均値 Iav(Δt)…検出間隔ごとの主ア−ク電流平均値 Ib…切換後の主ア−ク電流/切換後の主ア−ク電流値 IC…溶接電流検出回路 Ic…溶接電流検出信号 Io…溶接電流/溶接電流値 Ip…補助ア−ク電流 L1…引き上げ距離 L2…押し込み距離 M …スタッド先端の移動量 MC…移動量検出回路 Mc…移動量検出信号 P …基準点 P5…消費電力 Pa…供給電力量 Qr…所要の入熱 Qst…標準入熱量 Qst38…主アーク期間全体(時刻t3からt8まで)の
標準入熱量 Qst3b…切換前標準入熱量 Qta3n…主アーク期間積算入熱量 Qstb8…切換後標準入熱量 ΔQav…検出間隔ごとの入熱量平均値 Ra…算出抵抗値[V2a/I2a] Rs…設定抵抗値 S …スタッド t0…補助ア−ク電流通電開始時点 t2…主ア−ク電流通電開始時点 t3…主アーク電流・電圧検出開始時点 T3b…切換前通電期間 Tbn…切換後通電期間 Ta…溶接時間/主アーク期間 tb…主ア−ク電流値切換時点 Tp…補助ア−ク期間 Tm…押し込み期間 tn…予め設定した主アーク期間全体の標準入熱量Qst
38に達した時点 Ts…押し込み短絡期間 ts0…直接溶接のときの短絡時点 ts1…上板貫通溶接のときの短絡時点 ts2…上板貫通溶接のときにスタッド先端が鉄骨に押し
込まれる短絡時点 Δt…検出間隔 V1(t)…各時刻tの溶接電圧値 V2a…押し込み短絡電圧平均値 V3…算出平均アーク電圧 V3p…押し込み算出平均アーク電圧 V3s…設定算出平均アーク電圧 V5…溶接回路電圧降下 V5(tn−t3)…主アーク期間積算溶接回路電圧降
下 V5s…設定電圧降下 Va…ア−ク電圧値 Vav(Δt)…検出間隔ごとの主ア−ク電圧平均値 VC…溶接電圧検出回路 Vc…溶接電圧検出信号 Vd…出力端子電圧値 Vpt3n…主アーク期間積算供給電圧値 Vqt3n…主アーク期間積算入熱電圧値 W…被溶接材 Wa…鉄骨 Wb…鋼板 α …切換溶接電流値比率[Ib/Ia] β …切換標準入熱量比率[Qstb8/Qst38] γ …切換通電期間比率[Tbn/Ta]
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原田 章二 大阪市北区南森町2丁目1番29号 ダイヘ ンスタッド株式会社内

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スタッドを被溶接材から引き上げてアー
    クを発生させ、スタッド及び被溶接材が溶融した後に、
    スタッドを被溶接材に所定の押し込み距離だけ押し込ん
    で溶接するスタッド溶接方法において、作業者がスタッ
    ドの種類と溶接姿勢と被溶接材配置とを入力すると、溶
    接制御装置が前記入力値に対応した所要の入熱と溶接ガ
    ンの移動量とを算出又は選定して、溶接電源装置及び溶
    接ガンが前記溶接機器設定値に従って動作してスタッド
    溶接する溶接機器動作自動設定スタッド溶接方法。
  2. 【請求項2】 スタッドを被溶接材から引き上げてアー
    クを発生させ、スタッド及び被溶接材が溶融した後に、
    スタッドを被溶接材に所定の押し込み距離だけ押し込ん
    で溶接するスタッド溶接方法において、作業者がスタッ
    ドの直径と溶接姿勢と被溶接材配置とを入力すると、溶
    接制御装置が前記入力値に対応した所要の入熱を供給す
    る溶接電流値と溶接時間と溶接ガンの移動量とを算出又
    は選定して、溶接電源装置及び溶接ガンが前記溶接機器
    設定値に従って動作してスタッド溶接する溶接機器動作
    自動設定スタッド溶接方法。
  3. 【請求項3】 スタッドを被溶接材から引き上げてアー
    クを発生させ、スタッド及び被溶接材が溶融した後に、
    スタッドを被溶接材に所定の押し込み距離だけ押し込ん
    で溶接するスタッド溶接方法において、作業者がスタッ
    ドの種類と溶接姿勢と被溶接材配置とを入力すると、溶
    接制御装置が前記入力値に対応した所要の入熱と溶接ガ
    ンの移動量とを含む第1の溶接機器設定値を算出又は選
    定し、さらに作業者が追加入力した溶接条件と前記第1
    の溶接機器設定値とから第2の溶接機器設定値を算出
    し、溶接電源装置及び溶接ガンが前記第1及び第2の溶
    接機器設定値に従って動作してスタッド溶接する溶接機
    器動作自動設定スタッド溶接方法。
  4. 【請求項4】 スタッドを被溶接材から引き上げてアー
    クを発生させ、スタッド及び被溶接材が溶融した後に、
    スタッドを被溶接材に所定の押し込み距離だけ押し込ん
    で溶接するスタッド溶接方法において、作業者がスタッ
    ドの直径と溶接姿勢と被溶接材配置とを入力すると、溶
    接制御装置が前記入力値に対応した所要の入熱を供給す
    る溶接電流値と溶接時間と溶接ガンの移動量とからなる
    第1の溶接機器設定値を算出又は選定し、さらに作業者
    が追加入力した溶接条件と前記第1の溶接機器設定値と
    から第2の溶接機器設定値を算出し、溶接電源装置及び
    溶接ガンが前記第1及び第2の溶接機器設定値に従って
    動作してスタッド溶接する溶接機器動作自動設定スタッ
    ド溶接方法。
  5. 【請求項5】 スタッドを被溶接材から引き上げてアー
    クを発生させ、スタッド及び被溶接材が溶融した後に、
    スタッドを被溶接材に所定の押し込み距離だけ押し込ん
    で溶接するスタッド溶接方法において、作業者がスタッ
    ドの直径及び横向き姿勢を入力し、さらに横向き姿勢を
    選択したことによって入力指示される切換後の主ア−ク
    電流値と主ア−ク電流値との比の切換溶接電流値比率及
    び切換後通電期間と溶接時間との比の切換通電期間比率
    を追加入力すると、溶接制御装置が前記入力値に対応し
    た所要の入熱を供給する切換前の主ア−ク電流値と溶接
    時間と溶接ガンの移動量とからなる第1の溶接機器設定
    値を算出又は選定し、さらに第1の溶接機器設定値の主
    ア−ク電流値と溶接時間とから第2の溶接機器設定値の
    切換後の主ア−ク電流値と切換前通電期間及び切換後通
    電期間とを算出し、溶接電源装置及び溶接ガンが前記第
    1及び第2の溶接機器設定値に従って動作し、主アーク
    期間の後半に主アーク電流値を増加させてスタッド溶接
    する溶接機器動作自動設定スタッド溶接方法。
  6. 【請求項6】 スタッドを被溶接材から引き上げてアー
    クを発生させ、スタッド及び被溶接材が溶融した後に、
    スタッドを被溶接材に所定の押し込み距離だけ押し込ん
    で溶接するスタッド溶接方法において、作業者がスタッ
    ドの直径及び上板貫通溶接を入力し、さらに上板貫通溶
    接を選択したことによって入力指示される切換後の主ア
    −ク電流値と主ア−ク電流値との比の切換溶接電流値比
    率及び切換後通電期間と溶接時間との比の切換通電期間
    比率を追加入力すると、溶接制御装置が前記入力値に対
    応した所要の入熱を供給する切換前の主ア−ク電流値と
    溶接時間と溶接ガンの移動量とからなる第1の溶接機器
    設定値を算出又は選定し、さらに第1の溶接機器設定値
    の主ア−ク電流値及び溶接時間と上記追加入力値とから
    第2の溶接機器設定値の切換後の主ア−ク電流値と切換
    前通電期間及び切換後通電期間とを算出し、溶接電源装
    置及び溶接ガンが前記第1及び第2の溶接機器設定値に
    従って動作し、主アーク期間の後半に主アーク電流値を
    増加させてスタッド溶接する溶接機器動作自動設定スタ
    ッド溶接方法。
  7. 【請求項7】 スタッドを被溶接材から引き上げてアー
    クを発生させ、スタッド及び被溶接材が溶融した後に、
    スタッドを被溶接材に所定の押し込み距離だけ押し込ん
    で溶接するスタッド溶接方法において、作業者がスタッ
    ドの直径及び上板貫通溶接を入力すると、溶接制御装置
    が前記入力値に対応した所要の入熱を供給する溶接電流
    値と溶接時間と溶接ガンの移動量とを算出又は選定し
    て、溶接電源装置及び溶接ガンが前記溶接機器設定値に
    従って動作し、主アーク期間の後半に主アーク電流値を
    増加させると共に、スタッドの押し込みが開始したと
    き、スタッドが溶融プ−ルに接触するでは、比較的速い
    速度でスタッドを移動し、スタッドが溶融プ−ルに接触
    した後は、比較的遅い速度でスタッドを移動してスタッ
    ド溶接する溶接機器動作自動設定スタッド溶接方法。
  8. 【請求項8】 スタッドを被溶接材から引き上げてアー
    クを発生させ、スタッド及び被溶接材が溶融した後に、
    スタッドを被溶接材に所定の押し込み距離だけ押し込ん
    で溶接するスタッド溶接方法において、作業者がスタッ
    ドの直径及び溶接電源装置から溶接箇所までの距離に関
    係する2次ケーブルの長さ及び直径、被溶接材の抵抗値
    等の違いによって変化する「溶接回路電圧降下を補償す
    る」を選択して溶接回路電圧降下を入力すると、溶接制
    御装置が前記入力値に対応した所要の入熱を供給する溶
    接電流値と溶接時間と溶接ガンの移動量とを含む溶接機
    器設定値を算出又は選定して、溶接電源装置及び溶接ガ
    ンが前記溶接機器設定値に従って動作し、出力端子電圧
    値から溶接回路電圧降下を減算した算出平均アーク電圧
    を算出して、算出平均アーク電圧と主ア−ク電流値と溶
    接時間との積の所要の入熱を入力してスタッド溶接する
    溶接機器動作自動設定スタッド溶接方法。
  9. 【請求項9】 スタッドを被溶接材から引き上げてアー
    クを発生させ、スタッド及び被溶接材が溶融した後に、
    スタッドを被溶接材に所定の押し込み距離だけ押し込ん
    で溶接するスタッド溶接方法において、スタッド・被溶
    接材条件及び周囲設置条件と溶接機器設定値との関係
    を、溶接制御装置の記憶回路に記憶するスタッド溶接条
    件・機器設定値記憶動作と、作業者が溶接制御装置の表
    示に従って、スタッド・被溶接材条件及び周囲設置条件
    を入力するスタッド溶接条件選定動作と、作業者が溶接
    を開始すると、溶接制御装置が前記作業者の入力した値
    に応じた前記溶接機器設定値を選定し、溶接電源装置及
    び溶接ガンが前記選定した溶接機器設定値に従って動作
    してスタッド溶接する溶接機器自動動作とからなる溶接
    機器動作自動設定スタッド溶接方法。
  10. 【請求項10】 スタッドを被溶接材から引き上げてア
    ークを発生させ、スタッド及び被溶接材が溶融した後
    に、スタッドを被溶接材に所定の押し込み距離だけ押し
    込んで溶接するスタッド溶接方法において、作業者がス
    タッドの直径と溶接姿勢と被溶接材配置とを入力する
    と、溶接制御装置が前記入力値に対応したアーク期間全
    体の標準入熱量と溶接ガンの移動量とを算出又は選定し
    て、溶接電源装置及び溶接ガンが前記溶接機器設定値に
    従って動作し、検出間隔ごとのア−ク電圧平均値から算
    出したアーク期間積算入熱量が、前記アーク期間全体の
    標準入熱量に達した時点で押し込み動作を開始してスタ
    ッド溶接する溶接機器動作自動設定スタッド溶接方法。
  11. 【請求項11】 スタッドを被溶接材から引き上げてア
    ークを発生させ、スタッド及び被溶接材が溶融した後
    に、スタッドを被溶接材に所定の押し込み距離だけ押し
    込んで溶接するスタッド溶接方法において、作業者がス
    タッドの直径及び横向き姿勢又は上板貫通溶接を入力
    し、さらに前記横向き姿勢又は上板貫通溶接を選択した
    ことによって入力指示される切換後の主ア−ク電流値と
    主ア−ク電流値との比の切換溶接電流値比率及び切換後
    標準入熱量と主アーク期間全体の標準入熱量との比の切
    換標準入熱量比率を追加入力すると、溶接制御装置が前
    記入力値に対応したアーク期間全体の標準入熱量と溶接
    ガンの移動量とを含む第1の溶接機器設定値を算出又は
    選定し、さらに第1の溶接機器設定値の主ア−ク電流値
    と主アーク期間全体の標準入熱量とから第2の溶接機器
    設定値の切換後の主ア−ク電流値と切換前標準入熱量及
    び切換後標準入熱量とを算出し、溶接電源装置及び溶接
    ガンが前記第1及び第2の溶接機器設定値に従って動作
    し、検出間隔ごとのア−ク電圧平均値から算出した主ア
    ーク期間積算入熱量が、前記切換前標準入熱量に達した
    主アーク電流値切換時点で、主アーク電流値から切換後
    の主ア−ク電流値に切換えて通電を続け、前記主アーク
    期間積算入熱量が、前記アーク期間全体の標準入熱量に
    達した時点で押し込み動作を開始してスタッド溶接する
    溶接機器動作自動設定スタッド溶接方法。
  12. 【請求項12】 スタッドを被溶接材から引き上げてア
    ークを発生させ、スタッド及び被溶接材が溶融した後
    に、スタッドを被溶接材に所定の押し込み距離だけ押し
    込んで溶接するスタッド溶接方法において、作業者がス
    タッドの直径及び溶接電源装置から溶接箇所までの距離
    に関係する2次ケーブルの長さ及び直径、被溶接材の抵
    抗値等の違いによって変化する「溶接回路電圧降下を補
    償する」を選択して溶接回路電圧降下を入力すると、溶
    接制御装置が前記入力値に対応したアーク期間全体の標
    準入熱量と溶接ガンの移動量とを含む溶接機器設定値を
    算出又は選定すると共に、溶接電源装置及び溶接ガンが
    前記溶接機器設定値に従って動作し、検出間隔ごとの主
    ア−ク電圧平均値から溶接回路電圧降下を減算した検出
    間隔ごとの算出平均アーク電圧を基に算出した主アーク
    期間積算入熱量が、前記主アーク期間全体の標準入熱量
    に達した時点で押し込みを開始してスタッド溶接する溶
    接機器動作自動設定スタッド溶接方法。
  13. 【請求項13】 請求項8又は請求項12の溶接回路電
    圧降下が、作業者が入力した2次ケーブルの断面積及び
    長さから算出した設定抵抗値と主ア−ク電流値との積で
    ある溶接機器動作自動設定スタッド溶接方法。
  14. 【請求項14】 請求項8又は請求項12の溶接回路電
    圧降下が、作業者が入力した設定電圧降下である溶接機
    器動作自動設定スタッド溶接方法。
  15. 【請求項15】 請求項8又は請求項12の溶接回路電
    圧降下が、押し込み短絡期間に測定した押し込み短絡電
    圧平均値である溶接機器動作自動設定スタッド溶接方
    法。
  16. 【請求項16】 スタッドを被溶接材から引き上げてア
    ークを発生させ、スタッド及び被溶接材が溶融した後
    に、スタッドを被溶接材に所定の押し込み距離だけ押し
    込んで溶接するスタッド溶接方法において、溶接開始前
    に、下向き姿勢及び横向き姿勢で、被溶接材直接溶接及
    び上板貫通溶接をする場合の各スタッドの呼び径に対応
    させた「主ア−ク電流値、引き上げ距離、押し込み距
    離」の適正値を、溶接条件・機器設定値対応表に書き込
    むと共に、正常な溶接時の主アーク期間全体の標準入熱
    量を算出して、溶接条件・機器設定値対応表に書き込む
    スタッド溶接条件・機器設定値記憶動作と、 作業者が、スタッドの呼び径、溶接姿勢及び被溶接材配
    置を選択すると共に、前記溶接条件・機器設定値対応表
    の中から読み出された溶接機器設定値を選定してCPU
    内部の主記憶領域に書き込むスタッド溶接条件選定動作
    と、 溶接を開始すると、CPU内部の主記憶領域に書き込ま
    れた溶接機器設定値に従って、スタッドを被溶接材から
    引き上げて溶接を開始し、主アーク電流・電圧検出開始
    時点から測定した検出間隔ごとの主ア−ク電圧平均値と
    検出期間中の溶接電流平均値又は検出間隔ごとの主ア−
    ク電流平均値との積の検出間隔ごとの入熱量平均値を積
    算して主アーク期間積算入熱量が、上記主アーク期間全
    体の標準入熱量に達した時点で押し込みを開始する溶接
    機器自動動作とを実行する溶接機器動作自動設定スタッ
    ド溶接方法。
  17. 【請求項17】 スタッドを被溶接材から引き上げてア
    ークを発生させ、スタッド及び被溶接材が溶融した後
    に、スタッドを被溶接材に所定の押し込み距離だけ押し
    込んで溶接するスタッド溶接方法において、溶接開始前
    に、下向き姿勢及び横向き姿勢で、被溶接材直接溶接及
    び上板貫通溶接をする場合の各スタッドの呼び径に対応
    させた「主ア−ク電流値、引き上げ距離、押し込み距
    離」の適正値を、溶接条件・機器設定値対応表に書き込
    むステップと、正常な溶接時の主アーク期間全体の標準
    入熱量を算出して、溶接条件・機器設定値対応表に書き
    込むステップとからなるスタッド溶接条件・機器設定値
    記憶動作と、 作業者がスタッドの呼び径、溶接姿勢及び被溶接材配置
    を選択するステップと、前記溶接機器設定値を、前記溶
    接条件・機器設定値対応表の中から読み出すステップ
    と、読み出された溶接機器設定値を作業者が選定して、
    CPU内部の主記憶領域に書き込むステップとからなる
    スタッド溶接条件選定動作と、 溶接を開始すると、CPU内部の主記憶領域に書き込ま
    れた溶接機器設定値に従って、スタッドを被溶接材から
    引き上げて補助ア−クを発生させ、補助ア−ク期間が経
    過した主ア−ク電流通電開始時点で、補助ア−ク電流か
    ら主ア−ク電流に切り換えて、主アーク電流・電圧検出
    開始時点から、検出間隔ごとの主ア−ク電流平均値及び
    検出間隔ごとの主ア−ク電圧平均値を測定するステップ
    と、前記検出間隔ごとの主ア−ク電圧平均値と検出期間
    中の溶接電流平均値又は検出間隔ごとの主ア−ク電流平
    均値との積の検出間隔ごとの入熱量平均値を積算して主
    アーク期間積算入熱量を算出するステップと、前記主ア
    ーク期間積算入熱量が、上記主アーク期間全体の標準入
    熱量に達した時点で押し込みを開始するステップとから
    なる溶接機器自動動作とを実行する溶接機器動作自動設
    定スタッド溶接方法。
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