JPH11177236A - 多層配線基板 - Google Patents

多層配線基板

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JPH11177236A
JPH11177236A JP34043097A JP34043097A JPH11177236A JP H11177236 A JPH11177236 A JP H11177236A JP 34043097 A JP34043097 A JP 34043097A JP 34043097 A JP34043097 A JP 34043097A JP H11177236 A JPH11177236 A JP H11177236A
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JP
Japan
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organic resin
hole
insulating layer
resin insulating
multilayer wiring
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JP34043097A
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Katsuyuki Takeuchi
勝幸 竹内
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Original Assignee
Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】有機樹脂絶縁層を間に挟んで上下に位置する薄
膜配線導体層間の電気的接続の信頼性が低い。 【解決手段】基板上1に、有機樹脂絶縁層2と薄膜配線
導体層3とを交互に多層に積層するとともに上下に位置
する薄膜配線導体層3を各有機樹脂絶縁層2に設けたス
ルーホール8内に充填されているスルーホール導体9を
介して接続してなる多層配線基板であって、前記スルー
ホール導体9はスルーホール8の内壁にめっき法により
被着されている第1部材9aと、該第1部材9aの内側
に配されているビッカース硬度が50以下の第2部材9
bとからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多層配線基板に関
し、より詳細には混成集積回路装置や半導体素子を収容
する半導体素子収納用パッケージ等に使用される多層配
線基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、混成集積回路装置や半導体素子収
納用パッケージ等に使用される多層配線基板はその配線
導体がMoーMn法等の厚膜形成技術によって形成され
ている。
【0003】このMoーMn法は通常、タングステン、
モリブデン、マンガン等の高融点金属粉末に有機溶剤、
溶媒を添加混合し、ペースト状となした金属ペーストを
生セラミック体の外表面にスクリーン印刷法により所定
パターンに印刷塗布し、次にこれを複数枚積層するとと
もに還元雰囲気中で焼成し、高融点金属粉末と生セラミ
ック体とを焼結一体化させる方法である。
【0004】なお、前記配線導体が形成されるセラミッ
ク体としては、通常、酸化アルミニウム質焼結体やムラ
イト質焼結体等の酸化物系セラミックス、或いは表面に
酸化物膜を被着させた窒化アルミニウム質焼結体や炭化
珪素質焼結体等の非酸化物系セラミックスが使用され
る。
【0005】しかしながら、このMoーMn法を用いて
配線導体を形成した場合、配線導体は金属ペーストをス
クリーン印刷することにより形成されることから微細化
が困難で配線導体を高密度に形成することができないと
いう欠点を有していた。
【0006】そこで上記欠点を解消するために配線導体
を従来の厚膜形成技術で形成するのに変えて微細化が可
能な薄膜形成技術を用いて高密度に形成した多層配線基
板が採用されるようになってきた。かかる配線導体を薄
膜形成技術により形成した多層配線基板は、例えば、酸
化アルミニウム質焼結体等から成るセラミックスやガラ
ス繊維を織り込んだ布にエポキシ樹脂を含浸させて形成
されるガラスエポキシ樹脂等から成る絶縁基板の上面に
スピンコート法及び熱硬化処理等によって形成されるエ
ポキシ樹脂から成る有機樹脂絶縁層と、銅やアルミニウ
ム等の金属をめっき法や蒸着法等の薄膜形成技術及びフ
ォトリソグラフィー技術を採用することによって形成さ
れる薄膜配線導体層とを交互に多層に積層させた構造を
有している。
【0007】またこの多層配線基板においては、積層さ
れた各有機樹脂絶縁層間に配設されている薄膜配線導体
層が有機樹脂絶縁層に形成したスルーホールの内壁に無
電解めっき法等のめっき法により被着されているスルー
ホール導体を介して電気的に接続されており、各有機樹
脂絶縁層へのスルーホールの形成は、例えば、各有機樹
脂絶縁層上にレジスト材を塗布するとともにこれに露
光、現像を施すことによって所定位置に所定形状の窓部
を形成し、次に前記レジスト材の窓部にエッチング液を
配し、レジスト材の窓部に位置する有機樹脂絶縁層を除
去して、有機樹脂絶縁層に穴(スルーホール)を形成
し、最後に前記レジスト材を有機樹脂絶縁層上より剥離
させ除去することによって行われる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来の多層配線基板においては、有機樹脂絶縁層と薄膜配
線導体層とを交互に積層して多層配線基板となす際、上
部に配される有機樹脂絶縁層の表面に下部に配される有
機樹脂絶縁層に設けたスルーホールに起因して段差が形
成され、該段差によって各有機樹脂絶縁層上に薄膜形成
技術及びフォトリソグラフィー技術を採用することによ
り形成される薄膜配線導体層の厚みにバラツキや断線が
生じ、多層配線基板として所望する特性を充分に発揮さ
せることができないという欠点を有していた。
【0009】またこの多層配線基板においては、各有機
樹脂絶縁層に形成するスルーホールの位置を同一とし、
上部の有機樹脂絶縁層のスルーホールに被着させたスル
ーホール導体と下部の有機樹脂絶縁層のスルーホールに
被着させたスルーホール導体とを電気的に接続する場
合、上部に位置する有機樹脂絶縁層へのスルーホールの
形成が下部の有機樹脂絶縁層のスルーホール内に充填さ
れている有機樹脂絶縁層を同時に除去して行わなければ
ならず、スルーホールの形成に長時間を要し、量産性が
劣り、製品としての多層配線基板を高価となすとともに
スルーホールの径が上部に向かう程、大きくなり、所定
寸法のスルーホールを正確に形成することができないと
いう欠点も有していた。
【0010】そこで上記欠点を解消するために各有機樹
脂絶縁層に形成したスルーホールの内壁面に被着されて
いるスルーホール導体の厚みを厚くし、該スルーホール
導体でスルーホールを完全に埋めてしまうことが考えら
れる。
【0011】しかしながら、スルーホール導体の厚みを
スルーホールを完全に埋めてしまう程度に厚くするとス
ルーホール導体の内部に大きな応力が生じてスルーホー
ル導体自体にクラックが発生し、その結果、スルーホー
ル導体で有機樹脂絶縁層の上下に位置する薄膜配線導体
層を確実に電気的接続することができないという欠点を
誘発してしまう。
【0012】本発明は上記欠点に鑑み案出されたもの
で、その目的は薄膜配線導体層の厚みバラツキ及び断線
を有効に防止するとともにスルーホール導体を介して有
機樹脂絶縁層の上下に位置する薄膜配線導体層を確実に
電気的接続することができる多層配線基板を提供するこ
とにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、基板上に、有
機樹脂絶縁層と薄膜配線導体層とを交互に多層に積層す
るとともに上下に位置する薄膜配線導体層を各有機樹脂
絶縁層に設けたスルーホール内に充填されているスルー
ホール導体を介して接続してなる多層配線基板であっ
て、前記スルーホール導体はスルーホールの内壁にめっ
き法により被着されている第1部材と、該第1部材の内
側に配されているビッカーズ硬度が50以下の第2部材
とからなることを特徴とするものである。
【0014】また本発明は、前記第1部材が銅から成
り、厚みが40μm以下であることを特徴とするもので
ある。
【0015】更に本発明は、前記第2部材がインジウ
ム、錫、ビスマス、パラジウム、アンチモン、アルミニ
ウム、金、銀、鉛、白金の少なくとも1種から成ること
を特徴とするものである。
【0016】本発明の多層配線基板によれば、各有機樹
脂絶縁層に設けたスルーホール内に第1部材と第2部材
とから成るスルーホール導体を充填させ、スルーホール
を完全に埋めたことから各有機樹脂絶縁層の上面はほぼ
平坦となり、その結果、各有機樹脂絶縁層の上面に薄膜
形成技術及びフォトリソグラフィー技術を採用すること
によって形成される薄膜配線導体層はその厚みにバラツ
キが発生したり、断線を生じたりすることはなく、多層
配線基板としての特性を充分に発揮させることが可能と
なる。
【0017】また本発明の多層配線基板によれば、スル
ーホール導体をめっき法により形成される第1部材とビ
ッカース硬度が50以下の第2部材とで形成したことか
ら第1部材を形成する際に第1部材の内部に発生した応
力は軟質な第2部材で吸収されてスルーホール導体にク
ラック等が発生することはなく、その結果、スルーホー
ル導体を介して有機樹脂絶縁層の上下に位置する薄膜配
線導体層を確実に電気的接続することが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】次に、本発明を添付図面に基づき
詳細に説明する。図1は本発明の多層配線基板の一実施
例を示し、1は基板、2は有機樹脂絶縁層、3は薄膜配
線導体層である。
【0019】前記基板1はその上面に有機樹脂絶縁層2
と薄膜配線導体層3とから成る多層配線部4が配設され
ており、該多層配線部4を支持する支持部材として作用
する。
【0020】前記基板1は酸化アルミニウム質焼結体や
ムライト質焼結体等の酸化物系セラミックス、或いは表
面に酸化物膜を有する窒化アルミニウム質焼結体や炭化
珪素質焼結体等の非酸化物系セラミックス、更にはガラ
ス繊維を織り込んだ布にエポキシ樹脂を含浸させたガラ
スエポキシ樹脂等の電気絶縁材料で形成されており、例
えば、酸化アルミニウム質焼結体で形成されている場合
には、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウ
ム、酸化カルシウム等の原料粉末に適当な有機溶剤、溶
媒を添加混合して泥漿状となすとともにこれを従来周知
のドクターブレード法やカレンダロール法を採用するこ
とによってセラミックグリーンシート(セラミツク生シ
ート)を形成し、しかる後、前記セラミックグリーンシ
ートに適当な打ち抜き加工を施し、所定形状となすとと
もに高温(約1600℃)で焼成することによって、あ
るいは酸化アルミニウム等の原料粉末に適当な有機溶
剤、溶媒を添加混合して原料粉末を調製するとともに該
原料粉末をプレス成形機によって所定形状に成形し、最
後に前記成形体を約1600℃の温度で焼成することに
よって製作され、またガラスエポキシ樹脂から成る場合
には、例えば、ガラス繊維を織り込んだ布にエポキシ樹
脂の前駆体を含浸させるとともに該エポキシ樹脂前駆体
を所定の温度で熱硬化させることによって製作される。
【0021】また、前記基板1には上下両面に貫通する
孔径が例えば、直径0.2mm〜1.0mmの貫通孔5
が形成されており、該貫通孔5の内壁には両端が基板1
の上下両面に導出する導電層6が被着されている。
【0022】前記貫通孔5は後述する基板1の上面に形
成される多層配線部4の薄膜配線導体層3と外部電気回
路とを電気的に接続する、或いは基板1の上下両面に多
層配線部4を配設した場合には両面の多層配線部4の薄
膜配線導体層3同士を電気的に接続する導電層6を形成
するための形成孔として作用し、例えば、基板1にドリ
ル孔あけ加工法等を施すことによって基板1の所定位置
に所定形状に形成される。
【0023】更に、前記貫通孔5の内壁及び基板1の上
下両面には導電層6が被着形成されており、該導電層6
はニッケルや銅等の金属材料よりなり、例えば、ニッケ
ルより形成されている場合には、貫通孔5を有する基板
1を硫酸ニッケル40グラム/リットル、クエン酸ナト
リウム24グラム/リットル、酢酸ナトリウム14グラ
ム/リットル、次亜リン酸ナトリウム20グラム/リッ
トル、塩化アンモニウム5グラム/リットルから成る無
電解めっき浴を用いて厚さ1μm乃至40μmのニッケ
ル層を被着させ、しかる後、前記ニッケル層をエッチン
グ加工法により所定パターンに加工することによって貫
通孔5の内壁に両端を基板1の上下両面に導出させた状
態で被着形成される。
【0024】前記導電層6は基板1の主面に配設される
多層配線部4の薄膜配線導体層3を外部電気回路に電気
的に接続したり、基板1の上下両面に配設される各々の
多層配線部4の薄膜配線導体層3同士を電気的に接続す
る作用をなす。
【0025】また、前記基板1に形成した貫通孔5はそ
の内部にエポキシ樹脂等から成る有機樹脂充填体7が充
填されており、該有機樹脂充填体7によって貫通孔5は
完全に埋められ、同時に有機樹脂充填体7の両端面が基
板1の上下両主面に被着させた導電層6の面と同一平面
となっている。
【0026】前記有機樹脂充填体7は基板1の上面及び
/又は下面に後述する有機樹脂絶縁層2と薄膜配線導体
層3とから成る多層配線部4を形成する際、多層配線部
4の有機樹脂絶縁層2と薄膜配線導体層3の平坦化を維
持させる作用をなす。
【0027】なお、前記有機樹脂充填体7は基板1の貫
通孔5内にエポキシ樹脂等の前駆体を充填し、しかる
後、これに80〜200℃の温度を0.5〜3時間印加
し、完全に熱硬化させることによって基板1の貫通孔5
内に充填される。
【0028】更に、前記基板1はその上面に有機樹脂絶
縁層2と薄膜配線導体層3とが交互に多層に積層されて
多層配線部4が形成されており、且つ薄膜配線導体層3
の一部は導電層6に電気的に接続している。
【0029】前記多層配線部4を構成する有機樹脂絶縁
層2は上下に位置する薄膜配線導体層3の電気的絶縁を
図る作用をなすとともに薄膜配線導体層3は電気信号を
伝達するための伝達路として作用する。
【0030】前記多層配線部4の有機樹脂絶縁層2は、
感光性、或いは熱硬化性のエポキシ樹脂やビスマレイミ
ドトリアジン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ふっ
素樹脂等から成り、例えば、酸触媒型の感光性エポキシ
樹脂からなる場合には、フェノールノボラック樹脂、メ
チロールメラミン、ジアリルジアゾニウム塩にプロプレ
ングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加混合
してペースト状の酸触媒型感光性エポキシ樹脂前駆体を
得るとともに、該酸触媒型の感光性エポキシ樹脂前駆体
を基板1の上部にスピンコート法やドクターブレード法
により所定厚みに被着させ、次に、これを高圧水銀ラン
プ等を用いた露光機により1〜3J/cm3 のエネルギ
ーで所定の露光を行い、所定領域を光硬化させるととも
にスプレー現像機等で現像して後述するスルーホール8
となる穴を形成し、しかる後、これを180℃の温度で
30〜60分間加熱し、完全に硬化させることによって
形成される。
【0031】また、前記多層配線部4の有機樹脂絶縁層
2にはその各々にスルーホール8が形成されており、該
スルーホール8は基板1に形成した導電層6と薄膜配線
導体層3とを電気的に接続するとともに間に有機樹脂絶
縁層2を挟んで上下に位置する薄膜配線導体層3の各々
を電気的に接続する接続路として作用する。
【0032】前記スルーホール8は、例えば、有機樹脂
絶縁層2に窓部を有するレジスト材を塗布するとともに
該レジスト材の窓部に位置する有機樹脂絶縁層2をエッ
チングすることによって、あるいは有機樹脂絶縁層2が
感光性の有機樹脂で形成されている場合には感光性有機
樹脂前駆体に露光処理を施して光硬化させる際、一部に
露光しない領域を設けておくことによって形成され、特
に有機樹脂絶縁層2を感光性エポキシ樹脂等の感光性有
機樹脂で形成しておくと、前述したとおり有機樹脂絶縁
層2を形成する際に、基板1の上部に塗布された例え
ば、酸触媒型感光性エポキシ樹脂前駆体の所定領域に露
光を施すことによって有機樹脂絶縁層2に直接、形成さ
れ、有機樹脂絶縁層2にスルーホール8を形成するため
のレジスト材を別途、準備する必要は全くなく、これに
よって有機樹脂絶縁層2に簡単にスルーホール8を形成
することが可能となるとともに製品としての多層配線基
板を安価となすことができる。従って、前記有機樹脂絶
縁層2は光硬化性の有機樹脂で形成しておくことが好ま
しい。
【0033】なお、前記スルーホール8を有する有機樹
脂絶縁層2はその各々の厚みが100μmを超えると感
光性エポキシ樹脂前駆体に露光、現像処理を施すことに
よってスルーホール8となる穴を形成する際、或いは有
機樹脂絶縁層2にフォトリソグラフィー技術を採用する
ことによってスルーホール8を形成する際、光の広がり
やエッチングの加工時間が長くなってスルーホール8を
所望する鮮明な形状に形成するのが困難となり、また5
μm未満となると有機樹脂絶縁層2の上面に上下に位置
する有機樹脂絶縁層2の接合強度を上げるための粗面加
工を施す際、有機樹脂絶縁層2に不要な穴が形成され、
上下に位置する薄膜配線導体層3に不要な電気的短絡を
招来してしまう危険性がある。従って、前記有機樹脂絶
縁層2はその各々の厚みを5μm乃至100μmの範囲
としておくことが好ましい。
【0034】また前記各有機樹脂絶縁層2はその上面に
所定パターンの薄膜配線導体層3が、スルーホール8の
内部に第1部材9aと第2部材9bとから成るスルーホ
ール導体9が各々配設されており、スルーホール導体9
によって基板1に形成した導電層6と薄膜配線導体層3
とが、また間に有機樹脂絶縁層2を挟んで上下に位置す
る各薄膜配線導体層3の各々が電気的に接続されるよう
になっている。
【0035】前記各有機樹脂絶縁層2の上面に形成され
ている薄膜配線導体層3は銅、ニッケル、金、アルミニ
ウム等の金属材料を無電解めっき法や電解めっき法、蒸
着法、スパッタリング法等の薄膜形成技術及びエッチン
グ加工技術を採用することによって形成されており、例
えば、銅で形成されている場合には、有機樹脂絶縁層2
の上面に硫酸銅0.06モル/リットル、ホルマリン
0.3モル/リットル、水酸化ナトリウム0.35モル
/リットル、エチレンジアミン四酢酸0.35モル/リ
ットルからなる無電解銅めっき浴を用いて厚さ1μm〜
40μmの銅層を被着させ、しかる後、前記銅層をエッ
チング加工技術を採用することにより所定パターンに加
工することによって各有機樹脂絶縁層2間に配設され
る。この場合、薄膜配線導体層3は薄膜形成技術により
形成されることから配線の微細化が可能であり、これに
よって薄膜配線導体層3を極めて高密度に形成すること
が可能となる。
【0036】前記薄膜配線導体層3はその厚みが1μm
未満となると薄膜配線導体層3の電気抵抗が大きなもの
となって薄膜配線導体層3に所定の電気信号を伝達させ
ることが困難なものとなり、また40μmを超えると薄
膜配線導体層3を有機樹脂絶縁層2に被着させる際、薄
膜配線導体層3内に大きな応力が発生内在し、該内在応
力によって薄膜配線導体層3が有機樹脂絶縁層2より剥
離し易いものとなってしまう。従って、前記薄膜配線導
体層3の厚みは1μm乃至40μmの範囲としておくこ
とが好ましい。
【0037】また前記有機樹脂絶縁層2に設けたスルー
ホール8の内部には第1部材9aと第2部材9bとから
成るスルーホール導体9が充填されており、該スルーホ
ール導体9によって有機樹脂絶縁層2を間に挟んで上下
に位置する薄膜配線導体層3が電気的に接続されるよう
になっている。
【0038】前記スルーホール導体9の第1部材9aは
主として有機樹脂絶縁層2の上下に位置する薄膜配線導
体層3の電気的接続を図る作用をなし、また第2部材9
bは第1部材9aを形成する際に第1部材9aの内部に
発生した応力を吸収し、スルーホール導体9にクラック
等が発生するのを有効に防止するとともにスルーホール
導体9の上面を各有機樹脂絶縁層2の上面とほぼ同一の
平面とする作用をなす。
【0039】前記スルーホール導体9は有機樹脂絶縁層
2に形成したスルーホール8の内部を完全に埋めるとと
にスルーホール導体9の上面を有機樹脂絶縁層2の上面
とほぼ同一の平面となしており、そのため有機樹脂絶縁
層2と薄膜配線導体層3とを交互に積層して多層配線部
4となす際、上部に配される有機樹脂絶縁層2の表面に
下部に配される有機樹脂絶縁層2に設けたスルーホール
8に起因する段差が形成されることはなく、該段差によ
って各有機樹脂絶縁層2上に形成される薄膜配線導体層
3の厚みにバラツキや断線等が生じることもない。
【0040】また同時に前記スルーホール導体9は有機
樹脂絶縁層2に形成したスルーホール8の内部を完全に
埋めているため、上部に位置する有機樹脂絶縁層2にス
ルーホール8を形成する場合、スルーホール8は各有機
樹脂絶縁層2の厚み分だけ除去すればよく、スルーホー
ル8の形成が短時間で、製品としての多層配線基板の量
産性が向上するとともにスルーホール8の径を所定の寸
法に正確に形成することも可能となる。
【0041】前記スルーホール導体9の第1部材9aは
銅等の金属材料から成り、無電解めっき法や電解めっき
法等を採用することによって有機樹脂絶縁層2に設けた
スルーホール8の内壁に被着され、第1部材9aを銅の
無電解めっき法を採用することによって形成する場合に
は、例えば、スルーホール8の内壁面に硫酸銅0.06
モル/リットル、ホルマリン0.3モル/リットル、水
酸化ナトリウム0.35モル/リットル、エチレンジア
ミン四酢酸0.35モル/リットルからなる無電解銅め
っき浴を用いて銅を析出させることによって形成され
る。
【0042】また前記スルーホール導体9の第1部材9
aはその材質を薄膜配線導体層3の材質と同じにしてお
くと有機樹脂絶縁層2の上面に薄膜配線導体層3を形成
する際に同時にスルーホール8の内壁面に第1部材9a
を形成させることができ、製造工程を少なくすることが
できる。従って、前記スルーホール導体9の第1部材9
aはその材質を薄膜配線導体層3の材質と同じにしてお
くことが好ましい。
【0043】なお、前記めっき法により形成される第1
部材9aはその厚みが40μmを超えると第1部材9a
の内部に発生した応力を第2部材9bで完全に吸収する
ことができなくなってスルーホール導体9にクラック等
が発生してしまう危険性がある。従って、前記スルーホ
ール導体9の第1部材9aはその厚みを40μm以下と
しておくことが好ましい。
【0044】また前記第1部材9aの内側には更に第2
部材9bが配されており、該第2部材9bは第1部材9
aを形成する際に第1部材9aの内部に発生した応力を
吸収するためにビッカース硬度が50以下の軟質な金属
材料、具体的にはインジウム、錫、ビスマス、パラジウ
ム、アンチモン、アルミニウム、金、銀、鉛、白金の少
なくとも1種で形成されている。
【0045】前記インジウム、錫、ビスマス、パラジウ
ム、アンチモン、アルミニウム、金、銀、鉛、白金等か
らなる第2部材9bはスパッタリング法や蒸着法、金属
塊圧入法、溶融金属のインクジェット法等によって第1
部材9aの内側でスルーホール8を完全に埋めるように
形成される。
【0046】前記第2部材9bはスルーホール8を完全
に埋めるため上部に位置する有機樹脂絶縁層2にスルー
ホール8を形成する場合、スルーホール8は各有機樹脂
絶縁層2の厚み分だけ除去すればよく、スルーホール8
の形成が短時間で、製品としての多層配線基板の量産性
が向上するとともにスルーホール8の径を所定の寸法に
正確に形成することができる。同時に第2部材9bがス
ルーホール8を完全に埋めスルーホール導体9の上面を
有機樹脂絶縁層2の上面とほぼ同一の平面となしている
ため有機樹脂絶縁層2と薄膜配線導体層3とを交互に積
層して多層配線部4となす際、上部に配される有機樹脂
絶縁層2の表面に下部に配される有機樹脂絶縁層2に設
けたスルーホール8に起因する段差が形成されることは
なく、該段差によって各有機樹脂絶縁層2上に形成され
る薄膜配線導体層3の厚みにバラツキや断線等が生じる
こともない。
【0047】なお、前記第2部材9bはそのビッカース
硬度が50を超えると第1部材9aを形成する際に第1
部材9aの内部に発生した応力を良好に吸収することが
できず、スルーホール導体9にクラック等が発生して有
機樹脂絶縁層2の上下に位置する薄膜配線導体層3を確
実に電気的接続することができなくなる。従って、前記
スルーホール導体9の第2部材9bはそのビッカース硬
度が50以下に特定される。
【0048】かくして、本発明の多層配線基板によれ
ば、基板1の上面に被着させた多層配線部4上に半導体
素子や容量素子、抵抗器等の電子部品を搭載実装させ、
電子部品の各電極を薄膜配線導体層3に電気的に接続さ
せることによって半導体装置や混成集積回路装置とな
り、基板1に形成されている導電層6を外部電気回路に
接続すれば半導体装置や混成集積回路装置は外部電気回
路に電気的に接続されることとなる。
【0049】なお、本発明は上述した実施例に限定され
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれ
ば種々の変更は可能であり、例えば、上述の実施例にお
いては基板1の上面のみに有機樹脂絶縁層2と薄膜配線
導体層3とから成る多層配線部4を設けたが、多層配線
部4を基板1の下面側のみに設けても、上下の両面に設
けてもよい。
【0050】
【発明の効果】本発明の多層配線基板によれば、各有機
樹脂絶縁層に設けたスルーホール内に第1部材と第2部
材とから成るスルーホール導体を充填させ、スルーホー
ルを完全に埋めたことから各有機樹脂絶縁層の上面はほ
ぼ平坦となり、その結果、各有機樹脂絶縁層の上面に薄
膜形成技術及びフォトリソグラフィー技術を採用するこ
とによって形成される薄膜配線導体層はその厚みにバラ
ツキが発生したり、断線を生じたりすることはなく、多
層配線基板としての特性を充分に発揮させることが可能
となる。
【0051】また本発明の多層配線基板によれば、スル
ーホール導体をめっき法により形成される第1部材とビ
ッカース硬度が50以下の第2部材とで形成したことか
ら第1部材を形成する際に第1部材の内部に発生した応
力は軟質な第2部材で吸収されてスルーホール導体にク
ラック等が発生することはなく、その結果、スルーホー
ル導体を介して有機樹脂絶縁層の上下に位置する薄膜配
線導体層を確実に電気的接続することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多層配線基板の一実施例を示す部分拡
大断面図である。
【符号の説明】
1・・・・基板 2・・・・有機樹脂絶縁層 3・・・・薄膜配線導体層 4・・・・多層配線部 6・・・・導電層 8・・・・スルーホール 9・・・・スルーホール導体 9a・・・スルーホール導体の第1部材 9b・・・スルーホール導体の第2部材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に、有機樹脂絶縁層と薄膜配線導体
    層とを交互に多層に積層するとともに上下に位置する薄
    膜配線導体層を各有機樹脂絶縁層に設けたスルーホール
    内に充填されているスルーホール導体を介して接続して
    なる多層配線基板であって、前記スルーホール導体はス
    ルーホールの内壁にめっき法により被着されている第1
    部材と、該第1部材の内側に配されているビッカース硬
    度が50以下の第2部材とからなることを特徴とする多
    層配線基板。
  2. 【請求項2】前記第1部材が銅から成り、厚みが40μ
    m以下であることを特徴とする請求項1に記載の多層配
    線基板。
  3. 【請求項3】前記第2部材がインジウム、錫、ビスマ
    ス、パラジウム、アンチモン、アルミニウム、金、銀、
    鉛、白金の少なくとも1種から成ることを特徴とする請
    求項1に記載の多層配線基板。
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