JPH11176643A - トランス - Google Patents

トランス

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JPH11176643A
JPH11176643A JP34538997A JP34538997A JPH11176643A JP H11176643 A JPH11176643 A JP H11176643A JP 34538997 A JP34538997 A JP 34538997A JP 34538997 A JP34538997 A JP 34538997A JP H11176643 A JPH11176643 A JP H11176643A
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JP
Japan
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magnetic
transformer
flux density
magnetic flux
powder
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Pending
Application number
JP34538997A
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English (en)
Inventor
Naomichi Hirama
直道 平間
Kiyoshi Nagasaki
潔 長崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Toshiba Development and Engineering Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Toshiba Electronic Engineering Co Ltd
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Publication date
Application filed by Toshiba Corp, Toshiba Electronic Engineering Co Ltd filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP34538997A priority Critical patent/JPH11176643A/ja
Publication of JPH11176643A publication Critical patent/JPH11176643A/ja
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  • Coils Or Transformers For Communication (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】トランス歪率に優れ、データ通信で使用するモ
デム用のトランスとして使用した場合に伝送波形の歪み
を低減できる高性能なトランスを提供する。 【解決手段】磁性材料から成り磁気回路を構成する磁性
コア1と、電気回路を構成する巻線2とから成るトラン
スにおいて、飽和磁束密度に対する残留磁束密度の比が
0.6以下である磁性材料により上記磁性コア1を形成
したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はトランスに係り、特
にトランス歪率が優れ、データ通信で使用するモデム
(変復調装置)用のトランスとして用いた場合に伝送波
形の歪みを低減できる高性能なトランスに関する。
【0002】
【従来の技術】コンピュータなどの電子機器,家電製
品,電気機器,通信機器には各種の小型トランス(変圧
器)が装備されている。例えば、通信機器分野におい
て、アナログ信号を送信する電話回線と、デジタル信号
をデータとして取扱うデータ端末機やコンピュータとを
接続するためには、上記デジタル信号とアナログ信号と
を交互に変換するモデム(変復調装置)が必要であり、
電話回線と、モデム回路との絶縁を行う小型トランスが
モデムの必須の構成部品として装備されている。
【0003】一般に、トランスは、図1に示すように磁
気回路を構成する鉄心(磁性コア)1と電気回路を構成
する巻線(コイル)2とから構成されている。上記鉄心
を構成する材料としては、トランスのインダクタンスを
高めるために、飽和磁束密度が高く、透磁率が大きく、
さらに渦電流損やヒステリシス損などの鉄損が少ないパ
ーマロイと呼ばれるNi−Fe系の軟磁性材料や4〜
4.5重量%のけい素を含有するS級けい素鋼板などが
採用されている。
【0004】上記トランスは一般に下記のような工程を
経て製造される。すなわち、厚さ0.35mm程度の薄い
磁性金属板素材をプレス加工によって打ち抜いて、平面
形状がE,I,U形等の所定形状の磁性金属薄板を磁性
コア片として製造し、得られた磁性金属薄板について磁
性焼鈍を施す。一方、図2に示すように、絶縁材にて形
成した中空筒状のボビン(巻枠)3に予め巻線2を巻回
しておき、このボビンに前記のようにプレス成形した複
数のE形磁性金属薄板4を左右から交互に組み込み、所
定厚さまで積層して磁性コア(成層鉄心)1が形成され
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来構造の小型トランスでは、近年急速に進展する電子機
器の高速化および高性能化などの技術的要請に十分に対
応できない問題点があった。例えば、コンピュータ同士
あるいはコンピュータとデータ端末装置との間を通信回
線で接続してデータ信号をアナログ−デジタル変換する
カード形モデムに用いられる小型トランスについても、
より高速化が進められているパーソナルコンピュータ等
に搭載されて使用されることから、より高速伝送に対応
可能な高性能を有するものが要求されている。
【0006】上記技術的要求に対応するために、磁性コ
アの構成材としてパーマロイなどのNi−Fe系の高透
磁率軟磁性材料を使用するとともに、各磁性コア片自体
の板厚をより薄くすることにより交流条件下での透磁率
を高めることも試行されている。
【0007】しかしながら、上記従来の軟磁性材料で形
成した磁性コアを有する小型トランスにおいては、トラ
ンス歪率が大きくなる欠点があり、この小型トランスを
内蔵したモデムを使用してデータ通信を行うと、トラン
スでの伝送波形の歪みが大きくなり、また高周波領域に
おいてノイズが発生し易くなる結果、伝送エラーの発生
割合が大きくなる問題点があった。この伝送エラーの発
生割合は、データ通信の伝送速度が高速化するのに比例
して増加する傾向があり、いずれにしてもデータ信号を
高速度で、かつ高精度に伝送する上で解決すべき大きな
技術上の課題となっていた。
【0008】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものであり、トランス歪率に優れ、データ通信で使用
するモデム用のトランスとして使用した場合に伝送波形
の歪みを低減できる高性能なトランスを提供することを
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは上記目的
を達成するため、インダクタンスなどのトランスの基本
特性を損うことなく、トランス歪率を改善できる方策を
種々検討した。その結果、直流磁気特性において飽和磁
束密度(Bs)に対する残留磁束密度(Br)の比(角
形比)が0.6以下であるような磁性材料を磁性コア
(トランスコア)の構成材として使用したときに、トラ
ンス歪率が優れた高性能な小型トランスが初めて得られ
るという知見を得た。本発明は上記知見に基づいて完成
されたものである。
【0010】すなわち本発明に係るトランスは、磁性材
料から成り磁気回路を構成する磁性コアと、電気回路を
構成する巻線とから成るトランスにおいて、飽和磁束密
度に対する残留磁束密度の比が0.6以下である磁性材
料により上記磁性コアを形成したことを特徴とする。
【0011】また、磁性コアは、厚さが0.05〜0.
4mm程度の薄い磁性金属薄板を複数枚積層した積層磁心
として形成することが好ましい。
【0012】ここで上記磁性金属薄板を構成する材料と
しては、飽和磁束密度および透磁率が大きく鉄損が少な
い材料である限り、特に限定されるものではないが、例
えば重量%で80%ニッケル(Ni),5%モリブデン
(Mo),残部鉄(Fe)の80Ni−5Mo−Fe合
金あるいは重量%で78%ニッケル(Ni),5%銅
(Cu),4%モリブデン(Mo),残部鉄(Fe)の
78Ni−5Cu−4Mo−Fe合金あるいは重量%で
Ni55〜85%,Cu2〜27%,Mn2〜27%,
Si0.1〜3%,Mo7%以下(0%を含む),Cr
7%以下(0%を含む)および残部実質的にFe(但
し、CuとMnの合量は6重量%以上)の各組成の軟磁
性合金材が好適に使用できる。
【0013】本発明に係る小型トランスは、例えば以下
のような製造工程を経て製造される。すなわち、前記の
ような所定の組成を有する磁性合金素材について熱間加
工および冷間加工を施し、厚さが0.05〜0.4mmの
磁性金属薄板を調製する。
【0014】ここで上記磁性金属薄板の厚が0.05mm
未満の場合は、取扱い時に変形を生じ易い一方、厚さが
0.4mmを超える場合は、トランスの磁性コアとしたと
きに高周波領域での透磁率の増大効果が少なくトランス
性能の改善が期待できない。
【0015】次に、上記のように調製した磁性金属薄板
の表面に、マグネシア(MgO),アルミナ(Al2
3 ),ジルコニア(ZrO2 )などの金属酸化物の懸濁
液を塗布乾燥することにより、絶縁膜を形成する。
【0016】次に絶縁膜を形成した磁性金属薄板をプレ
ス加工により打ち抜き、平面形状がE形などの所定形状
を有する磁性金属薄板とする。
【0017】次に、上記のように形成した磁性金属薄板
の表面にマグネシア(MgO)粉やアルミナ(Al2
3 )粉やジルコニア(ZrO2 )粉を付着させて溶着防
止処理を施した後に、温度950〜1100℃で0.5
〜3時間に亘り熱処理を行う。ここで、熱処理完了後に
おける磁性金属薄板の冷却速度は50〜500℃/Hr
の範囲とすることが好ましい。上記処理温度,時間,冷
却速度の範囲に熱処理条件を調整することにより、直流
磁気特性において飽和磁束密度(Bs)に対する残留磁
束密度(Br)の比(角形比)が0.6以下となる磁性
コアを構成する磁性金属薄板が得られる。
【0018】そして、巻線を施したボビン(巻枠)の中
空部に、上記のように調製した磁性金属薄板を交互に複
数枚組み込むことにより、本発明に係るトランスが製造
される。
【0019】上記構成に係るトランスによれば、直流磁
性特性において、飽和磁束密度に対する残留磁束密度の
比(角形比)が0.6以下の磁性材料により磁性コアを
形成しているため、トランス歪率が大幅に改善される。
したがって、このトランスを内蔵したモデムを使用して
データ通信を行っても、トランスでの伝送波形の歪みや
ノイズが小さく、伝送エラーの発生を効果的に低減する
ことが可能になる。
【0020】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施形態について以
下の実施例に基づいてより具体的に説明する。
【0021】実施例1〜3および比較例1〜2 重量比による組成が80%Ni−5%Mo−Feである
磁性合金に熱間加工および冷間加工を施して厚さ0.1
mmの磁性合金板を形成した。次に、得られた磁性合金板
表面にマグネシア(MgO)懸濁液を塗布して絶縁膜を
形成した。次に、この磁性合金板をプレス加工により打
ち抜くことにより、縦12mm×横10mmであり、図2に
示すようなE形コア(磁性金属薄板)4を多数調製し
た。
【0022】次に得られたE形磁性金属薄板4の表面に
アルミナ(Al2 3 )粉を付着させて溶着防止処理を
施した後に、熱処理を行うことにより角形比を調整し、
各実施例用および比較例用の磁性金属薄板を調製した。
【0023】さらに上記各実施例用および比較例用の磁
性金属薄板4を、図2に示すように巻線2を施したボビ
ン(巻枠)3の中空部に、それぞれ20枚ずつ交互に組
み込むことにより、それぞれ実施例1〜3および比較例
1〜2に係る小型トランスを製造した。
【0024】こうして製造した各実施例および比較例に
係る小型トランスについて、1KHzにおけるインダク
タンスおよび歪率を測定して下記表1に示す結果を得
た。なお、各トランスの歪率は、所定の波形を有する1
KHzのデータ信号を入力した際に、トランスから出力
される伝送波形をオーディオアナライザにより分析し、
高周波歪み率を測定した。
【0025】
【表1】
【0026】上記表1に示す結果から明らかなように、
直流磁気特性において飽和磁束密度(Bs)に対する残
留磁束密度(Br)の比(角形比)が0.6以下の磁性
材料から成る磁性金属薄板を複数枚積層して固定した積
層体を磁性コアとして使用した各実施例に係る小型トラ
ンスにおいては、トランス歪率が大幅に改善されてい
る。したがって、このトランスを内蔵したモデムを使用
してデータ通信を行った場合においても、トランスでの
伝送波形の歪みやノイズが小さく、伝送エラーの発生を
効果的に防止できる。
【0027】一方、角形比が0.6を超える磁性材料を
磁性コアの構成材として使用した比較例1〜2に係る小
型トランスにおいては、インダクタンスなどの基本的な
トランス特性は実施例のものと同等であるが、トランス
歪率が不良であり、モデム用トランスとして使用した場
合に高精度でデータ信号を伝送することが困難であるこ
とが判明した。
【0028】上記各実施例に係る小型トランスは、特に
高周波領域においてトランス歪率が優れており、伝送速
度が高速化する携帯型パーソナルコンピュータのカード
形モデムのトランスとして使用したときに、顕著な効果
を発揮することが実証された。
【0029】
【発明の効果】以上説明の通り、本発明に係るトランス
によれば、直流磁性特性において、飽和磁束密度に対す
る残留磁束密度の比(角形比)が0.6以下の磁性材料
により磁性コアを形成しているため、トランス歪率が大
幅に改善される。したがって、このトランスを内蔵した
モデムを使用してデータ通信を行っても、トランスでの
伝送波形の歪みやノイズが小さく、伝送エラーの発生を
効果的に低減することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】小型トランスの形状例を示す斜視図。
【図2】小型トランスの組立方法を例示する斜視図。
【符号の説明】
1 鉄心(磁性コア),成層鉄心 2 巻線(コイル) 3 ボビン(巻枠) 4 磁性金属薄板

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性材料から成り磁気回路を構成する磁
    性コアと、電気回路を構成する巻線とから成るトランス
    において、飽和磁束密度に対する残留磁束密度の比が
    0.6以下である磁性材料により上記磁性コアを形成し
    たことを特徴とするトランス。
JP34538997A 1997-12-15 1997-12-15 トランス Pending JPH11176643A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34538997A JPH11176643A (ja) 1997-12-15 1997-12-15 トランス

Applications Claiming Priority (1)

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JP34538997A JPH11176643A (ja) 1997-12-15 1997-12-15 トランス

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JPH11176643A true JPH11176643A (ja) 1999-07-02

Family

ID=18376273

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JP34538997A Pending JPH11176643A (ja) 1997-12-15 1997-12-15 トランス

Country Status (1)

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JP (1) JPH11176643A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6773619B2 (en) 2001-07-17 2004-08-10 Tdk Corporation Magnetic core for transformer, Mn-Zn based ferrite composition and methods of producing the same
WO2005024864A1 (en) * 2003-09-09 2005-03-17 Gallagher Group Limited Signal transfer device

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