JP2002353046A - 低背型高周波チョークコイルならびにこれを用いた電力変換装置 - Google Patents

低背型高周波チョークコイルならびにこれを用いた電力変換装置

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JP2002353046A
JP2002353046A JP2001158038A JP2001158038A JP2002353046A JP 2002353046 A JP2002353046 A JP 2002353046A JP 2001158038 A JP2001158038 A JP 2001158038A JP 2001158038 A JP2001158038 A JP 2001158038A JP 2002353046 A JP2002353046 A JP 2002353046A
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shaped
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Tetsuya Takiyama
哲也 瀧山
Susumu Nakajima
晋 中島
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Proterial Ltd
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Hitachi Metals Ltd
Hitachi Ferrite Electronics Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 小型、低背型のチョ−クコイル、及びこれを
用いた信頼性の高い電力変換装置を提供を目的とする。 【構成】 軟磁性合金薄帯を巻回してなるレーストラッ
ク形状の樹脂含浸の施された磁心を切断し、切断面にス
ペーサー5を挟んでギャップ付きレーストラック形状巻
磁心とし、同様にもう一組のギャップ付きレーストラッ
ク形状巻磁心を作製して、前記2個の磁心を用いて眼鏡
形状ギャップ付き巻磁心を構成した。巻線6は薄板の銅
板を略L字型に加工したものを用い。斜線部分で示す3
1は絶縁テープ、絶縁塗装、絶縁コーティングなどによ
りその表面が絶縁し、7は巻き始め端子、8は巻き終わ
り端子である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、DC−DCコンバータ
の出力平滑チョークコイルや電源高調波抑制用のアクテ
ィブ・フィルタのチョークコイル等に使用される金属軟
磁性材料薄帯を用いて構成した低背型高周波チョークコ
イルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】高周波チョークコイルの最も代表的な応
用例であるDC−DCコンバータ用の出力平滑チョーク
コイルを例にとると、その駆動周波数は多くの場合、小
型化・軽量化の観点から100kHz程度以上に選定さ
れている。また、電子交換機やノートパソコン用などの
DC−DCコンバータでは、薄型化が要求されており、
これに伴いこれに使用される出力平滑チョークコイルで
は、小型化と軽量化の要求に加えて、低背化が強く要望
されている。このような小型、軽量かつ低背型の出力平
滑チョークコイルとして、例えば、特開平11―345
721に記載されるエッジワイズコイルを用いたもの
や、特開2000−68129に記載される平板状コイ
ルを用いたものが知られている。これら従来技術による
高周波用小型・低背型の出力平滑チョークコイルでは、
一般に、その磁心としてその駆動周波数が前記のように
100kHz程度以上の高周波であることから、このよ
うな高周波数領域で比較的磁心損失が小さいMn−Zn
フェライト磁心あるいはNi−Znフェライト磁心が用
いられている。
【0003】上記出力平滑チョークコイルには直流に高
周波交流成分が重畳した電流が流れ、この電流が流れて
も同チョークコイルの磁心は飽和せずに同チョークコイ
ルは所定のインダクタンスを維持する特性、所謂所定の
直流重畳特性を満足する必要がある。
【0004】チョークコイルの巻数をN、これを構成す
る磁心の平均磁路長をle、チョークコイルに流れる電
流をIとすると、このときチョークコイルに発生する磁
界Hは次式で与えられる。 H=(N・I)/le (A/m) (1) また、磁心の比透磁率をμrとし、このμrは飽和するま
で一定とすると、その磁束密度Bは次式で与えられる。 B=μr・μ0・H (T) (2) ここで、μ0は真空の透磁率であり、4π×10-7H/
mである。(1)式と(2)式から次式が得られる。 I=(B・le)/(μr・μ0・N) (A) (3) したがって、チョークコイルの磁心の飽和磁束密度をB
sとすると、このBsに対応する飽和電流Isは次式で与
えられる。 Is=(Bs・le)/(μr・μ0・N) (A/m) (4) 一方、チョークコイルのインダクタンスLは、磁心の有
効断面積をAeとすれば次式で与えられる。 L=(μr・μ0・Ae・N2)/le (H) (5) チョークコイルに蓄積される最大エネルギーEmaxは(4)
式と(5)式から次式で与えられる。 Emax=(L・Is 2)/2=(Bs 2・Ae・le)/(μr・μ0) (6) したがって、所定のEmaxを得るために必要な磁心の実
効体積Ve=Ae・leは次式で与えられる。 Ve=(μr・μ0・Emax)/Bs 2 (m3) (7)
【0005】上記(7)式から理解されるように、チョー
クコイルを構成する磁心の実効体積はEmaxと磁心の比
透磁率μrに比例し、磁心の飽和磁束密度Bsの2乗に逆
比例する。したがって、チョークコイルを構成する磁心
の体積を小さくするには、B sが大きく、μrの小さな磁
心を選定することが好ましいが、極端にμrが小さな磁
心を使用した場合には上記(5)式からわかるように所定
のインダクタンスLを得るための巻数Nを極端に大きく
しなくてはならなくなるため実用には供し得ない。この
ため、平滑チョークコイルの磁心にはμrが100から
500程度のものが選定されており、前記Mn−Znフ
ェライト磁心あるいはNi−Zn磁心では、その磁路の
一部にギャップを設けてμrをこのような値まで低下さ
せている。
【0006】ところで、前記Mn−Znフェライト磁心
はBsが常温で0.5T程度、平滑チョークコイルで通常
想定される動作温度である100℃では0.4T程度ま
で低下してしまうため、平滑チョークコイルを構成する
磁心の小型化という観点からは難点があった。
【0007】100kHz程度以上の高周波でも磁心損
失が比較的小さく、Mn−Znフェライト磁心やNi−
Znフェライト磁心に比べて高いBsを示す磁心として
Fe−Al−Si合金ダスト磁心が知られている。Fe
−Al−Si合金ダスト磁心はFe−Al−Si合金粉
末に水ガラスなどの絶縁体バインダーを混合し、この混
合粉末に圧力を加えて固めることにより作成される。F
e−Al−Siダスト磁心で、100程度のμrを得る
ためには成形時に1961.33MPa(20t/c
2)程度の高い圧力を加えねばならない。このため、
金型の耐久性などからチョークコイルの小型化、軽量化
および低背化に好適な複雑な形状が作りにくい問題があ
った。
【0008】Fe基非晶質軟磁性合金薄帯を用いた巻磁
心は、そのBsがMn−Znフェライト磁心やNi−Z
nフェライト磁心に比べて3倍程度も高く、高周波領域
での磁心損失も比較的小さいことが知られているが、同
巻磁心の100kHzのμrは数千にも達するため、同
磁心をチョークコイルに用いるには、Mn−Znフェラ
イト磁心あるいはNi−Znフェライト磁心同様に、そ
の磁路の一部にギャップを設けてμrを低下させる必要
がある。
【0009】Fe基非晶質軟磁性合金薄帯巻磁心にギャ
ップを設けるには、熱処理後の同巻磁心にエポキシなど
の樹脂を含浸させて乾燥させた後、これを切断し、この
切断部にスペーサーを挿入する手法がある。しかし、よ
く知られているようにFe基非晶質軟磁性合金はその飽
和磁歪定数が+30×10−6程度にも達するため、上
記樹脂含浸や切断時に巻磁心を構成する軟磁性合金薄帯
に加えられる応力によって磁心損失が5倍程度以上も増
加してしまい、同磁心を用いたチョークコイルは100
kHzを超える周波数帯では温度上昇が大きくなりすぎ
て実用にならなかった。また、可聴周波数成分が重畳し
た場合には磁歪振動による騒音が大きいという問題があ
る。
【0010】これに対し、特許第2721165号に開
示されるFe基ナノ結晶軟磁性合金薄帯を用いたチョー
クコイルは、前記Fe基非晶質軟磁性合金薄帯を用いた
チョークコイルと同様にその磁路の一部にギャップを設
けてμrを低下させた磁心を用いており、Fe基ナノ結
晶軟磁性合金薄帯のBsがFe基非晶質軟磁性合金薄帯
同様Mn−Znフェライト磁心やNi−Znフェライト
磁心に比べて3倍程度も高く、その磁心損失はFe基非
晶質軟磁性合金薄帯の数分の一と小さい。さらに、その
飽和磁歪定数はFe基非晶質軟磁性合金薄帯より1ケタ
以上も小さいため、加工時に磁心に加えられる応力によ
る磁心損失の増加も非常に小さく、同チョークコイルに
流れる電流に可聴周波数成分が重畳されたときの騒音も
小さい。このためFe基ナノ結晶軟磁性合金薄帯を用い
たチョークは、高周波領域で使用するチョークコイルと
して小型化、軽量化、低損失化さらに低騒音の観点から
優れることが知られている。
【0011】前記Fe基非晶質軟磁性合金薄帯を用いた
低背型のチョークコイルとして例えば特開2000−2
69039号公報に開示されるようにFe基非晶質軟磁
性合金薄帯を所定の形状、例えばE型に打ち抜いたもの
を積層、樹脂含浸し一体化したE型磁心を2つ突き合わ
せ、その突き合わせ面にギャップを構成した磁心を用い
たものが知られている。
【0012】また、前記特開2000−269039号
公報に開示される低背型のチョークコイルにおいて、F
e基非晶質軟磁性合金薄帯のかわりに前記Fe基ナノ結
晶軟磁性合金薄帯を用いれば、より低損失さらには低騒
音のチョークコイルが得られる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかし、熱処理前のF
e基非晶質軟磁性合金薄帯あるいは熱処理によりFe基
ナノ結晶軟磁性合金薄帯を得る前のFe基非晶質軟磁性
合金薄帯は、そのビッカース硬度が900程度にも達す
るため、打ち抜きが極めて困難で、打ち抜くことが出来
ても同薄帯の打ち抜き部にバリを生ずる。このバリは、
同箔帯を積層して磁心を作製したときの占積率が低下す
る原因となり、この磁心を用いた低背型チョークコイル
の小型化、軽量化が阻害され、しいてはこれを用いた電
力変換装置の小型化、軽量化も図れないという問題があ
った。
【0014】本発明は、上記従来技術の問題点を対策し
た非晶質軟磁性合金薄帯あるいは、ナノ結晶軟磁性合金
薄帯を用いて構成した、小型、軽量の低背型チョークコ
イルを提供するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、非晶質軟磁性
合金薄帯あるいは、結晶粒50nm以下の微細なナノ結
晶粒が組織の少なくとも体積全体の50%以上を占める
ナノ結晶軟磁性合金薄帯巻磁心を切断し、この切断部に
スペーサーを挿入して構成したギャップ付き巻磁心を用
いて構成したチョークコイルにおいて、前記ギャップ付
き巻磁心はレーストラック形状あるいは楕円形状ないし
角形形状のギャップ付きユニット巻磁心を2ヶ以上組み
合わせてなる眼鏡形状ギャップ付き巻磁心であり、巻線
の巻始め端部の形状が略L字型ないし略T字型でその表
面の少なくとも一方が絶縁された構成の平板状導体を前
記眼鏡形状のギャップ付き巻磁心の中脚部に重なるよう
に複数回巻いて構成したことを特徴とする高周波チョー
クコイルである。
【0016】上記のような構造にすることにより、平板
状導体を重ねて巻いても巻き始めの端子を引き出せ、磁
心の内窓幅を有効に使用した幅広の導体が使えるので、
低抵抗のチョークコイルが実現できる。また、導体の幅
を広く取ることができるため、表皮効果の影響による高
周波抵抗の増加を防止し得るように導体の厚みを薄くし
ても直流抵抗値が大きくなりすぎることを防止し得るた
め、小型、軽量、低損失かつ信頼性の高い低背型高周波
チョークコイルが実現できる。
【0017】また、本発明は前記本発明による低背型高
周波チョークコイルを用いたことを特徴とする電力変換
装置であり、本発明の電力変換装置は、小型、軽量、高
効率及び高信頼性を有し好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0019】図1は本発明による高周波チョークコイル
の巻線前の平面図であり、図中1〜4は磁心、5はスペ
ーサーである。磁心1〜4はトロイダル形状の磁心を変
形、これを切断して、切断部にスペーサーを挿入後、再
結合させて構成したギャップ付きレーストラック形状磁
心であり、以下のように製作した。Fe基ナノ結晶軟磁
性合金薄帯となる前のFe基非晶質軟磁性合金薄帯を磁
心の内径となる樹脂またはステンレス製の巻軸に巻き付
け、磁心における磁性材料の占める割合である占積率は
前記非晶質軟磁性合金薄帯に加える張力を調整して制御
し、所定の外径に達したところで、同非晶質軟磁性合金
薄帯を切断し、同磁心の外径側と内径側の端部をスポッ
ト溶接または粘着テープ等で固定した。次に、磁心の外
径側から圧力を加えて所定の寸法まで磁心を潰しレース
トラック形状にした状態で、窒素雰囲気中でナノ結晶化
と応力緩和を兼ねた熱処理を行った。熱処理の完了した
磁心を、次工程の切断時にバラバラにならないように、
エポキシ系またはアクリル系の樹脂で真空含浸した。真
空含浸が完了した磁心を切断し、同磁心の切断面にノー
メックスなどの絶縁シートで構成されたスペーサー5を
挟み込んだ状態で、この切断面とこれに挟み込まれたス
ペーサーを接着剤で固定しギャップ付きレーストラック
形状巻磁心を構成した。同様にもう一組のギャップ付き
レーストラック形状巻磁心を作製した後、2個の磁心の
長辺同士を接着し、眼鏡形状ギャップ付き巻磁心として
構成した。接着後は少なくとも同眼鏡形状ギャップ付き
巻磁心表面における巻線が接触する部分を塗装、コーテ
ィング、テープ等で絶縁し短絡を防ぐ構成とした。
【0020】巻線6は表皮効果の影響による交流抵抗の
増加を防止するため、その一例を図2に示すような薄板
の銅板を略L字型に加工したものを用いた。図2に示す
巻線6において、斜線部分で示す31はポリエステルテ
ープなどの絶縁テープ、あるいは絶縁塗装ないし絶縁コ
ーティングなどによりその表面が絶縁されている部分、
7はその表面が絶縁されていない巻き始め端子、8はそ
の表面が絶縁されていない巻き終わり端子である。巻線
6は、これを前記眼鏡形状ギャップ付き巻磁心の中脚に
相当する部分にこの巻線6を重ねて巻き、その巻き始め
端子7および巻き終わり端子8は、同チョークコイルの
端子として利用した。なお、巻線6の構造としてはその
巻き始め部分が略T字型で、その表面のうちの少なくと
も一方において、2つの巻き始め端子7および巻き終わ
り端子8の3つの端子部以外の表面部分が絶縁されてお
り、前記2つの巻き始め端子7と巻き終わり端子8の3
つの端子を同チョークコイルの端子として用いる構造で
もよい。このように巻線6として使用する導体を略L字
型または略T字型にすることにより、巻線6を重ねて巻
いても巻線6の巻始め部分の端子7を電気的に接続可能
な端子として引き出すことができ、コアの内窓における
巻線6の占積率を高めることができ直流抵抗を小さくす
ることができる。
【0021】巻線作業終了後、図4にその構造の一例を
示す外装ケース9のコイル端子引き出し溝10と11
に、チョークコイルの巻き始め端子7と巻き終わり端子
8を合わせるようにして同チョークコイルを挿入し、接
着材を使用して接着、固定する。この時、接着材を使用
する代わりに樹脂でモールドして外装ケース9にチョー
クコイルを固定しても良い。外装ケース9にチョークコ
イルを固定したら、図4にその構造の一例を示す蓋12
のコイル端子引き出し用切欠き13、14を、外装ケー
ス9に固定したチョークコイルの端子7と8に合わせる
ようにして、蓋12を外装ケース9に取り付け、接着、
固定し、自動挿入機での吸着が可能で、リフロー半田の
可能な面実装タイプの低背型チョークコイルとして構成
した。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例にて説明する。外径φ
7.1の巻軸を使用し、幅3mmの熱処理によりFe基
ナノ結晶軟磁性合金薄帯となる前のFe基非晶質軟磁性
合金薄帯を外径φ11.1になるまで巻く。この時のF
e基非晶質軟磁性合金薄帯のテンションは、その占積率
が0.8になるよう設定する。巻き上がった磁心はステ
ンレス製の整形治具に直径方向の相対する外側から圧力
を加え、楕円の短径が6mmになるよう調整しレースト
ラック型に整形する。固定の終わった磁心は治具に取り
付けた状態で、窒素雰囲気中で熱処理を行なう。終了
後、熱処理により得られたFe基ナノ結晶軟磁性合金薄
帯巻磁心をエポキシ系の樹脂を用いた真空含浸処理する
ことにより、巻磁心における互いに接触しあう軟磁性合
金薄帯間を接着する。含浸後の磁心を切断し、切断部に
厚さ50μmのノーメックスシート5を挿入することに
よりギャップ付きレーストラック型磁心を構成する。こ
のギャップ付きレーストラック型磁心を2個組み合わせ
て図1に示すような1組の眼鏡形状ギャップ付き巻磁心
として構成した。
【0023】厚さ0.1mmの略L字型に加工した銅板
をポリエステルテープ26で絶縁した図2に示す巻線6
として使用する。巻線6の、巻き始め端子7の幅は4m
mとし、磁心の中脚部に重ねて巻かれるL字型の巻部分
に相当する箇所は8mmとした。巻き始め端子7を巻き
始めとし、8mm幅の巻き部分を磁心の中脚にのみ3タ
ーン巻いてチョークコイルとする。なお、巻線6を巻き
つける磁心の中脚部及び磁心の外脚部のうち巻線が接触
する部分には、巻線作業に先立ちポリエステルテープを
巻いておくことにより磁心と巻線が短絡することのない
ようにした。
【0024】図4に示す外装ケース9は耐熱性の高いP
PS樹脂で作製し、コイル端子引き出し溝10と11を
設けた。同様に、図4に示す蓋12もPPS樹脂で作成
し、チョークコイル端子用切り欠き13と14を設け
た。巻線作業の終了した図3に示すチョークコイルの巻
き始め端子7と巻き終わり端子8を、外装ケース9の端
子引き出し溝10と11に合わせ留用にして挿入し、同
チョークコイルと外装ケース9を、接着剤を使用して接
着、固定する。蓋12も同様にその端子引き出し用切り
欠き13と14をチョークコイルの巻き始め端子7と巻
き終わり端子8に合わせて、接着剤を使用して接着、固
定する。
【0025】回路構成が図5、仕様が表1で与えられる
1石フォワード方式DC−DCコンバータを用いて本発
明による出力平滑チョークコイル21と従来技術である
Mn−Znフェライト磁心を使用した出力平滑チョーク
コイル21の性能について検討した。
【0026】
【表1】
【0027】図5において、15は入力電源、16は帰
還ダイオード、17は主スイッチ、18はトランス、1
9は整流ダイオード、20はフライホイールダイオー
ド、21は出力平滑チョークコイル、22は出力平滑コ
ンデンサ、23および24は出力端子、25は負荷であ
る。
【0028】出力平滑チョークコイル21に使用した磁
心材質とその磁気特性を表2に示す。なお、表2に示す
ナノ結晶材は、Feを主成分とし、結晶粒径50nm以
下の微細な結晶粒がその組織の体積全体の50%以上を
占める日立金属製ナノ結晶軟磁性合金薄帯「ファインメ
ット(R)」FT−3Mを用いた巻磁心である。薄帯の
厚みは18〜20μmのものを用いた。また、表2に示
すMn−Znフェライトは、低磁心損失を主眼に開発さ
れた日立金属製ML25Dを用いた。
【0029】
【表2】
【0030】表3に本発明および比較例の出力平滑チョ
ークコイル21について磁心材質、形状および磁心定
数、出力平滑チョークコイルの外径寸法、巻数を示す。
【0031】
【表3】
【0032】表3からわかるように、本発明の出力平滑
チョークコイルは比較例の出力平滑チョークコイルと比
較して巻数を3ターンと多くしているため、所定のイン
ダクタンスを得るにも従来品と比較して磁心を小さくす
ることが出来る。また、図3の巻線構造としたため低背
型となり外径寸法が小さく、体積比で0.66と小さい
ことがわかる。
【0033】また、本発明および比較例の出力平滑チョ
ークコイル21の室温および100℃における直流重畳
特性の比較を図6に示す。図6からわかるように本発明
および比較例の出力平滑チョークコイル21は仕様を満
足することがわかる。
【0034】表4に本発明および比較例の出力平滑チョ
ークコイル21の室温および100℃におけるインダク
タンスL、室温における直流抵抗RDC、回路構成が図
5、仕様が表1の1石フォワード型DC−DCコンバー
タに実装したときの温度上昇ΔTの比較を示す。
【0035】
【表4】
【0036】表4からわかるように、本発明の出力平滑
チョークコイルは図3の巻線構造とすることにより、小
型、低背型でありながら3ターンの巻数を実現でき、0
A時は元より、定格電流である20A時、最大電流の2
2A時にも、インダクタンスLの仕様を達成している。
巻数が3ターンと比較例よりも多いためその直流抵抗R
DCは比較例よりも大きくなったが、表皮効果の影響に
よる交流抵抗の増加を抑制し得るように0.1mmと薄
い銅板を巻線6として使用したため、その銅損を十分小
さくでき、その温度上昇ΔTは比較例よりも2℃低い1
7℃にすることができた。本発明および比較例とも仕様
を満足するが、表3にも示したように本発明の方がその
外形寸法が体積比で0.66と小さく、小型化の面から
優れることがわかる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、小
型で損失による温度上昇も小さな信頼性の高い低背型高
周波チョークコイルが得られるとともに、本発明の低背
型高周波チョークコイルを用いれば小型で低背型の信頼
性の高い電力変換装置が得られ、その効果は極めて大き
い。
【0038】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の低背型高周波チョークコイルを構成す
る眼鏡型ギャップ付き磁心の平面図。
【図2】本発明の低背型高周波チョークコイルを構成す
る巻線の図
【図3】本発明の低背型高周波チョークコイルの巻線作
業終了後の平面図。
【図4】本発明の低背型高周波チョークコイルの外装ケ
ース及び蓋の斜視図。
【図5】1石フォワード型DC−DCコンバータの回路
構成ブロック図
【図6】本発明と比較例の直流重畳特性グラフ
【符号の説明】
1、2、3、4:磁心 5:スペーサー 6:巻線 7:巻き始め端子 8:巻き終わり端子 9:外装ケース 10、11:コイル端子引き出し溝 12:蓋 13、14: コイル端子引き出し用切り欠き 15:入力電源 16:帰還ダイオード 17:主スイッチ 18:トランス 19:整流ダイオード 20:フライホイールダイオード 21:出力平滑チョークコイル 22:出力平滑コンデンサ 23、24:出力端子 25:負荷 26:ポリエステルテープ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非晶質軟磁性合金薄帯巻磁心あるいは、
    結晶粒50nm以下の微細なナノ結晶粒が組織の少なく
    とも体積全体の50%以上を占めるナノ結晶軟磁性合金
    薄帯巻磁心を切断し、この切断部にスペーサーを挿入し
    て構成したギャップ付き巻磁心を用いて構成したチョー
    クコイルにおいて、前記ギャップ付き巻磁心はレースト
    ラック形状あるいは楕円形状ないし角形形状のギャップ
    付きユニット巻磁心を2ヶ以上組み合わせてなる眼鏡形
    状ギャップ付き巻磁心であり、巻線の巻始め端部の形状
    が略L字型ないし略T字型でその表面の少なくとも一方
    が絶縁された構成の平板状導体を前記眼鏡形状のギャッ
    プ付き巻磁心の中脚部に重なるように複数回巻いて構成
    したことを特徴とする低背型高周波チョークコイル。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の低背型高周波チョーク
    コイルを用いたことを特徴とする電力変換装置。
JP2001158038A 2001-05-28 2001-05-28 低背型高周波チョークコイルならびにこれを用いた電力変換装置 Pending JP2002353046A (ja)

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