JPH11174477A

JPH11174477A - 液晶表示装置の製造方法

Info

Publication number: JPH11174477A
Application number: JP33621097A
Authority: JP
Inventors: Katsuki Nishinaka; 勝喜西中; Kenichi Kihara; 賢一木原
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Current assignee: Panasonic Holdings Corp
Priority date: 1997-12-08
Filing date: 1997-12-08
Publication date: 1999-07-02

Abstract

(57)【要約】【課題】滴下法による液晶表示装置の製造方法におい
て、カラーフィルタ基板と対向基板との貼り合わせ時の
真空保持時間を延長することなく、液晶を封入した後の
液晶セル内の残留気泡の発生を防止することができ、し
かもカラーフィルタ基板の脱ガス処理時間の短い液晶表
示装置の製造方法を提供する。【解決手段】滴下法による液晶表示装置を製造するに
際し、カラーフィルタ基板単体を加熱処理して脱ガス処
理する。その後にカラーフィルタ基板あるいは対向基板
の少なくとも一方に所定量の液晶を滴下して、減圧下で
カラーフィルタ基板と対向基板とを貼り合せて液晶セル
の形成と液晶注入とを同時に行う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、滴下法による液晶
表示装置の製造方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、液晶表示装置は、それを搭載する
パーソナルコンピューターやワードプロセッサなどの機
能の多様化により、カラー表示ができるもの、すなわ
ち、カラーフィルタを備えたものが主流になっている。

【０００３】図３，図４は、一般的な液晶表示装置を示
す。図３は、一般的なカラーフィルタ基板を示す。基板
５の上にカラーフィルタ６が形成され、カラーフィルタ
６の全面を覆うように保護膜７が形成されている。そし
て、この保護膜７を介して透明電極８が形成され、透明
電極８の全面と保護膜７とを覆うように絶縁膜９が形成
されてカラーフィルタ基板４が形成される。

【０００４】このカラーフィルタ基板４を用いた液晶表
示装置は、図４に示すように構成される。まず、基板１
４に透明電極８と絶縁膜９とが順次積層されて対向基板
１５が形成される。

【０００５】この対向基板１５と上記のように構成され
たカラーフィルタ基板４とのそれぞれに配向制御膜１０
を形成し、カラーフィルタ基板４と対向基板１５とをス
ペーサ１１を介して対向させ、シール材１２にて貼り合
せて液晶セルが形成される。

【０００６】そして、この液晶セルの内部に液晶１３が
注入されて液晶表示装置１６となる。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】このようなカラーフィ
ルタ基板４を有する液晶表示装置１６においては、液晶
１３を注入する時の減圧状態や、その後の配向制御膜１
０の配向安定化時の加熱処理などにより、カラーフィル
タ６および保護膜７からガスが発生しやすくなる。カラ
ーフィルタ６および保護膜７からガスが発生すると、液
晶１３を封入した後の液晶セル内に残留気泡が発生し、
液晶表示装置１６としては致命的な欠陥となるという問
題があった。

【０００８】そのため特開平４−４２１２９号公報に
は、液晶セルに液晶１３を注入する前に、液晶セルを減
圧加熱下に長時間保持してカラーフィルタ６の脱ガス処
理を行い、液晶１３を封入した後の残留気泡を防止する
方法が開示されている。

【０００９】しかしながらこの方法は、特開昭６２−８
９０２５号公報や特開昭６３−１７９３２３号公報に開
示されている滴下法には不向きである。すなわち滴下法
は、カラーフィルタ基板４と対向基板１５の少なくとも
どちらか一方に所定量の液晶１２３を滴下し、減圧下で
両基板を貼り合わせ、セル化と液晶１３の封入とを同時
に行うものである。

【００１０】従って、このような滴下法に上述のような
液晶１３を注入する前の液晶セルを減圧加熱下に長時間
保持する方法を用いると、短時間に両基板を液晶セル化
できるという滴下法の利点を損なうという問題点があっ
た。

【００１１】本発明は前記問題点を解決し、滴下法によ
る液晶表示装置の製造方法において、カラーフィルタ基
板と対向基板との貼り合わせ時の真空保持時間を延長す
ることがなく、液晶を封入した後の液晶セル内の残留気
泡の発生を防止することができる液晶表示装置の製造方
法を提供するものである。

【００１２】

【課題を解決するための手段】本発明の液晶表示装置の
製造方法は、液晶セルの作製前にカラーフィルタの脱ガ
ス処理を行うことを特徴とする。

【００１３】この本発明によると、カラーフィルタ基板
の脱ガス処理の時間を短縮することができ、また液晶セ
ルを製造する際の真空保持時間を延長することなく従来
と同条件とすることができ、しかも液晶を封入した後の
液晶セル内には残留気泡の発生を防止することができ
る。

【００１４】

【発明の実施の形態】請求項１記載の液晶表示装置の製
造方法は、滴下法による液晶表示装置の製造方法におい
て、カラーフィルタ基板単体を加熱処理して脱ガス処理
し、その後にカラーフィルタ基板あるいは対向基板の少
なくとも一方に所定量の液晶を滴下して、減圧下でカラ
ーフィルタ基板と対向基板とを貼り合せて液晶セルの形
成と液晶注入とを同時に行うことを特徴とする。

【００１５】この構成によると、カラーフィルタ基板単
体を加熱処理して脱ガス処理することにより、加熱温度
の上限をカラーフィルタ基板の耐熱温度まで設定でき、
脱ガス処理の時間を短縮することができる。また、液晶
セルを製造する際には、真空保持時間を延長することな
く従来と同条件の滴下法により液晶表示装置を得ること
ができる。また、上述のようにカラーフィルタ基板単体
に脱ガス処理を施しているため、液晶を封入した後の液
晶セル内における残留気泡の発生を防止することができ
る。

【００１６】請求項２記載の液晶表示装置の製造方法
は、請求項１において、カラーフィルタ基板の脱ガス処
理時において、加熱温度を１２０℃から２５０℃とし、
その保持時間を４時間から３６時間とすることを特徴と
する。

【００１７】この構成によると、カラーフィルタ基板の
良好な脱ガス処理が実現できる。以下、本発明の実施の
形態について、図１，図２を用いて説明する。なお、上
記従来例を示す図２，図３と同様をなすものについて
は、同一の符号を付けて説明する。

【００１８】（実施の形態）図１，図２は、本発明の
（実施の形態）における液晶表示装置の製造方法を示
す。

【００１９】図１は、液晶表示装置の製造工程を示す。
カラーフィルタ基板の側では、第１の工程Ａ１で、上記
した図２に示すようなカラーフィルタ基板４を形成す
る。

【００２０】第２の工程Ａ２では、このカラーフィルタ
基板４を単体でクリーンオーブン等の恒温槽内に設定し
て加熱し、所定時間保持して、カラーフィルタ６の脱ガ
スを行う。

【００２１】図２は、カラーフィルタ６の脱ガス処理を
行う装置を示す。カラーフィルタ基板４を、恒温槽１の
内部に設けらえた基板ホルダー３に設置する。そして、
ヒーター２で所定温度に加熱し、所定時間保持した後、
常温に開放することでカラーフィルタ６の脱ガス処理を
行う。

【００２２】なお、この脱ガス処理においては、ポリエ
ステル系樹脂のカラーフィルタ６とアクリレート系樹脂
の保護膜７を有するカラーフィルタ基板４の場合、加熱
温度を１５０℃から１８０℃とし、その保持時間を６時
間から１２時間とすることでカラーフィルタ６および保
護膜７の良好な脱ガス処理が実現でき、この温度範囲お
よび処理時間をはずれると十分な脱ガス処理が行われな
くなる。

【００２３】第３の工程Ａ３では、脱ガス処理を施した
カラーフィルタ基板４に配向制御膜１０を形成してシー
ル材１２を塗布し、そのシール材１２で囲まれたセルと
なる領域に所定量の液晶１３を滴下する。

【００２４】一方、対向基板の側では、第４の工程Ａ４
で、上記従来例を示す図３と同様に、基板１４の表面に
透明電極８と絶縁膜９とを形成し、対向基板１５を形成
する。

【００２５】そして、第５の工程Ａ５では、対向基板１
５に配向制御膜１０を形成する。上記のように形成され
たカラーフィルタ基板４と対向基板１５とを用いて、第
６の工程Ａ６では、対向基板１５にスペーサ１１を散布
し、液晶１３の滴下されたカラーフィルタ基板４と減圧
下で重ね合わせ、大気開放し、シール材１２を硬化して
液晶表示装置１６を形成する。

【００２６】この（実施の形態）の液晶表示装置の製造
方法によると、第２の工程Ａ２でカラーフィルタ基板４
をあらかじめ単体で加熱処理しているため、第２の工程
以降の工程ではカラーフィルタからの脱ガスを考慮する
必要がなくなる。したがって、第６の工程Ａ６では、液
晶セル化においても真空保持時間を延長することなく、
従来と同様の滴下法による工程にて液晶セル内の残留気
泡の発生を防止することができる。

【００２７】なお、この（実施の形態）では、カラーフ
ィルタ基板４の加熱処理を絶縁膜９の形成後に行ってい
るが、絶縁膜９の形成前に行ってもよい。あるいは、配
向制御膜１０を形成した後に行ってもよい。

【００２８】またこの（実施の形態）では、シール材１
２の塗布と液晶１３の滴下をカラーフィルタ基板４の側
に行ったが、対向基板１５の側に行っても同様の効果が
得られる。

【００２９】

【発明の効果】以上のように本発明の液晶表示装置の製
造方法によると、滴下法にて液晶表示装置を製造するに
際し、カラーフィルタ基板をあらかじめ単体で加熱処理
して脱ガス処理することにより、カラーフィルタ基板と
対向基板との貼り合せ時の真空保持時間を延長せず、従
来どうりの製造方法で残留気泡の発生しない液晶表示装
置を得ることができる。

【００３０】また、脱ガス処理時にはカラーフィルタ基
板を単体で加熱しているため、加熱温度の上限をカラー
フィルタ基板の耐熱温度まで設定でき、カラーフィルタ
基板と対向基板とを貼り合せた後に脱ガス処理する従来
の方法に較べて加熱保持時間を短縮することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（実施の形態１）における液晶表示装置の製造
工程を示すフローチャート図

【図２】（実施の形態１）におけるカラーフィルタ基板
の脱ガス処理を示す図

【図３】一般的なカラーフィルタ基板を示す図

【図４】一般的な液晶表示装置を示す図

【符号の説明】

４カラーフィルタ基板５基板６カラーフィルタ１５対向基板１６液晶表示装置

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】滴下法による液晶表示装置の製造方法にお
いて、カラーフィルタ基板単体を加熱処理して脱ガス処理し、
その後にカラーフィルタ基板あるいは対向基板の少なく
とも一方に所定量の液晶を滴下して、減圧下でカラーフ
ィルタ基板と対向基板とを貼り合せて液晶セルの形成と
液晶注入とを同時に行う液晶表示装置の製造方法。
【請求項２】カラーフィルタ基板の脱ガス処理時におい
て、加熱温度を１２０℃から２５０℃とし、その保持時
間を４時間から３６時間とする請求項１記載の液晶表示
装置の製造方法。