JPH11174272A - 光ファイバコネクタ用フェルールおよび光ファイバコネクタ用フェルールと光ファイバの接着方法 - Google Patents

光ファイバコネクタ用フェルールおよび光ファイバコネクタ用フェルールと光ファイバの接着方法

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JPH11174272A
JPH11174272A JP34342397A JP34342397A JPH11174272A JP H11174272 A JPH11174272 A JP H11174272A JP 34342397 A JP34342397 A JP 34342397A JP 34342397 A JP34342397 A JP 34342397A JP H11174272 A JPH11174272 A JP H11174272A
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optical fiber
ferrule
adhesive
light
flange
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Application number
JP34342397A
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English (en)
Inventor
Kouji Tsumanuma
孝司 妻沼
Naoki Shamoto
尚樹 社本
Akira Nagase
亮 長瀬
Yoshiaki Takeuchi
善明 竹内
Nariyuki Mitachi
成幸 三田地
Makoto Sumita
真 住田
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Fujikura Ltd
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Fujikura Ltd
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光フェルールに光ファイバ心線あるいは光フ
ァイバコードなどを接着する操作が簡便で、作業効率を
向上させることができる光フェルールと、これらの接着
方法を提供する。 【解決手段】 フェルール本体22をガラスから形成
し、接着剤22d,23dとして光硬化型接着剤を用
い、フランジ23を、この光硬化型接着剤を硬化させる
波長の光を透過する材料から形成し、これらフェルール
本体22とフランジ23とが一体化されてなる光フェル
ール20の外部から前記光硬化型接着剤を硬化させる波
長の光を照射して、この光フェルール20とこの光フェ
ルール20に内装された光ファイバ心線1を、前記光硬
化型接着剤にて接着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光ファイバのコネク
タ接続に用いられる光ファイバコネクタ用フェルールお
よび、この光ファイバコネクタ用フェルールと光ファイ
バの接着方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図2は従来の光ファイバコネクタ用フェ
ルール(以下フェルールと略記する)の構造の一例を示
す側断面図であって、フェルール10は、接着時に割り
スリーブと嵌合するフェルール本体2と、これを固定す
るフランジ3とよばれる部材とが一体化されてなるもの
である。一方、光ファイバ心線1はその先端部の被覆層
1aが除去され、光ファイバ裸線1bが露出されてい
る。前記フェルール本体2は円筒状で、その先端部2a
は面とりされ、テーパ状に加工されている。このフェル
ール本体2の中心には微細孔(貫通孔)2cが設けら
れ、この微細孔2cに前記光ファイバ裸線1bが挿入さ
れ、その周囲に充填された接着剤2dにて固定されるよ
うになっている。フェルール本体2は通常ジルコニア
(酸化ジルコニウム)などのセラミックスなどから形成
されている。接着剤2dとしては、通常エポキシ樹脂な
どの2液混合型の熱硬化型接着剤が用いられる。
【0003】またフランジ3は外形が略円筒状のもの
で、その中心には貫通孔3aが設けられている。この貫
通孔3aは、後端側の小径部3bと、先端側で直径が拡
大された大径部3cとを有している。この小径部3bに
は光ファイバ心線1の先端側の被覆層1aを有する部分
(被覆層部分)が挿入され、その周囲に充填された接着
剤3dにて固定されるようになっている。前記第大径部
3cにはフェルール本体2の後端部2b側が圧入されて
固定されるようになっている。フランジ3にはフェルー
ル本体2が圧入されて固定されるため、フランジ3はこ
のフェルール本体2の圧入に耐える強度が要求される。
このため通常ステンレスなどの金属、あるいは液晶ポリ
マーなどから形成されている。接着剤3dは、通常接着
剤2dと同様のものが用いられる。
【0004】以下具体的にフェルール10に光ファイバ
心線1を接着、固定する操作について説明する。まず接
着剤2d,3dとなる2液混合型の接着剤の2種類の原
液を混合して用意する。一方、光ファイバ心線1の先端
の被覆層1aを数cm除去し、光ファイバ裸線1bを露
出させ、その表面をエチルアルコールなどを滲み込ませ
たコットン綿などで拭き取って清浄な状態とする。ま
た、フェルール本体2の後端部2bをフランジ3の大径
部3cに圧入し、これらフェルール本体2とフランジ3
とを一体化させてフェルール10を形成する。 すると
このフェルール10の内部において、微細孔2cと小径
部3bとが連結される。
【0005】ついで前記接着剤をフランジ3の後端側か
ら小径部3bに注入し、フェルール本体2の微細孔2c
と、この小径部3bとに、それぞれ接着剤2dと接着剤
3dとが充填された状態とする。さらに前記光ファイバ
裸線1bの外表面にも前記接着剤を塗布し、この光ファ
イバ裸線1bから小径部3bに挿入し、この光ファイバ
裸線1bを微細孔2c内に、またこの光ファイバ裸線1
bに隣接する被覆層1aを有する部分の先端部側が小径
部3b内に位置するように、フェルール10に光ファイ
バ心線1を内装する。このとき光ファイバ裸線1bを数
回微細孔2cから抜き差しする操作を繰り返し、微細孔
2c内面と光ファイバ裸線1bの外表面との間に隙間な
く接着剤2dが充填されるようにする。この後、数十
℃、数十分間の条件で加熱し、前記接着剤2d,3dを
硬化させる。あるいは自然乾燥させて硬化させてもよい
が、この場合は1日程度の時間を要する。
【0006】前記接着剤2d,3dが十分に硬化したこ
とを確認した後、フェルール本体2の先端部2aを、光
ファイバ裸線1bとともに研磨し、図示しないコネクタ
ハウジングの所定位置に前記フランジ3を固定する。こ
のコネクタハウジングに固定されたフェルール10は、
アダプタを介して他のフェルールと、フェルール本体2
の先端部2aにおいて当接し、両者間で光接続が行われ
る構造とすることができる。
【0007】このフェルール10においては、上述のよ
うに接着剤2d,3dとして2液混合型の熱硬化型接着
剤を用いているため、準備に手間がかかり、かつ硬化時
間が長いため、作業効率が低いという問題があった。ま
た2液混合型の熱硬化型接着剤は、混合してから使用可
能なポットライフが30分程度と短いため、組み立て作
業の直前に混合作業を行わなければならない。さらにフ
ランジ3の後端側から細い貫通孔3aに正確に接着剤を
注入するためには、ディスペンサなどの装置が必要であ
り、組立工場以外の場所、例えば屋外での作業には大き
な困難が伴った。特に今後、FTTH(Fiber To The H
ome)を実現するためには厳しい低コスト化が要求され
るとともに、柱上をはじめとする屋外での光コネクタ組
立の作業を簡易に行う技術が望まれている。また、フェ
ルール本体2としてジルコニアなどを材料としたもの
は、強靱で寸法安定性に優れるなどの利点を有するが、
製造時に焼成、研磨などの手間がかかり、コスト上昇の
一因となっている。
【0008】これに対し、最近ではフェルール本体とし
て成形性のよいホウ酸珪素ガラスや石英ガラスなどのガ
ラスを材料としたものが提案され、検討されている。こ
れらのガラスからなるものは溶融線引きによって製造す
ることができるため、低コストである。図3はこのよう
なフェルール10’の一例を示すもので、フェルール本
体12の材料が上述のガラスであること以外は図2に示
すフェルール10の構成と同様のものとなっている。
【0009】すなわちフェルール本体12は上述のガラ
スからなり、先端部12aは面とりされてテーパ状に加
工され、その中心に光ファイバ心線1の光ファイバ裸線
1bを内装する微細孔(貫通孔)12cが設けられてい
る。フランジ13はステンレスなどの金属からなり、小
径部13bと大径部13cとからなる貫通孔13aを有
するものである。
【0010】そして、フェルール本体12の後端部12
bが前記フランジ13の大径部13cに圧入されて、フ
ェルール本体12とフランジ13とが一体化されてフェ
ルール10’が形成され、これにより連結されたこのフ
ランジ13の小径部13bとフェルール本体12の微細
孔12cに光ファイバ心線1が挿入され、この微細孔1
2cに光ファイバ裸線1bが位置するように、そしてこ
の小径部13bに光ファイバ心線1の先端側の被覆層1
aを有する部分が位置するようにして内装され、それぞ
れに充填された接着剤12dおよび接着剤13dによっ
て接着、固定されている。
【0011】ところでこのフェルール10’において、
フェルール本体12はガラスからなり、光を透過するの
で、フェルール本体12に光ファイバ裸線1bを固定す
る接着剤12dとして、紫外光あるいは可視光の照射に
よって硬化する光硬化型接着剤を適用できる可能性があ
る。この場合、接着剤12dとして光硬化型接着剤をフ
ェルール本体12の微細孔12c内に注入し、同様の接
着剤をその外表面に塗布した光ファイバ裸線1bをこの
微細孔12cに挿入し、前記フェルール本体12の外部
から前記光硬化型接着剤の硬化を促す波長の光を照射
し、この接着剤12dを硬化させる。
【0012】光硬化型接着剤は一般に1液性なので、上
述の2液混合型の熱硬化型接着剤のように、2液混合の
準備操作が必要なく、また硬化時間が短いため、作業効
率を向上させることができる可能性がある。しかしなが
らフランジ13は、金属あるいは液晶ポリマーのように
光を透過しない不透明な材料からなるため、小径部13
bに光ファイバ心線1の被覆層1aを固定する接着剤1
3dとして光硬化型接着剤を用いることはできない。こ
こに接着剤12dと同じ光硬化型接着剤を充填した場合
には、光を照射して接着剤12bを硬化させた後も接着
剤13dが硬化せず、したがって光ファイバ心線1の被
覆層1aはフランジ13内部に固定されない。このため
光ファイバ心線1に引張り力が作用すると、光ファイバ
裸線1bに直接力が作用し、光ファイバ心線1が切断し
やすいという問題があった。このため接着剤12dと接
着剤13dとして別々の接着剤を用意する必要が生じ
る。これらはその準備操作と硬化条件が異なるため、光
硬化型接着剤を用いることによる作業効率の向上効果
は、それぞれの準備と硬化操作によって相殺され、かえ
ってコストがかかると考えられていた。したがってこの
フェルール10’も、接着時間の短時間化、作業効率の
向上といった従来の課題を解決することはできるもので
はなかった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】よって、本発明におい
てはフェルールに光ファイバ心線あるいは光ファイバコ
ードなどを接着する操作が簡便で、より短時間で効率よ
く作業することができるフェルールとこれらの接着方法
を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
めに本発明においては、以下のような解決手段を提案す
る。第1の発明は、光ファイバを内装する貫通孔を有す
るフェルール本体と、光ファイバの被覆層部分を内装す
る貫通孔を有するフランジとが一体化されてなる光ファ
イバコネクタ用フェルールであって、前記フェルール本
体はガラスからなり、前記フランジは、光硬化型接着剤
を硬化させる波長の光を透過する材料からなることを特
徴とする光ファイバコネクタ用フェルールである。第2
の発明は、光ファイバを内装する貫通孔を有するフェル
ール本体と、光ファイバの被覆層部分を内装する貫通孔
を有するフランジとが一体化されてなる光ファイバコネ
クタ用フェルールに、前記光ファイバを接着するにおい
て、前記フェルール本体をガラスから形成し、光硬化型
接着剤を用い、前記フランジを、この光硬化型接着剤を
硬化させる波長の光を透過する材料から形成し、前記光
ファイバコネクタ用フェルールの外部から前記光硬化型
接着剤を硬化させる波長の光を照射して、この光ファイ
バコネクタ用フェルールに前記光ファイバを、前記光硬
化型接着剤にて接着することを特徴とする光ファイバコ
ネクタ用フェルールと光ファイバの接着方法である。第
3の発明は、前記第1の発明の光ファイバコネクタ用フ
ェルールに設けられた光ファイバを内装する貫通孔に光
硬化型接着剤を充填し、この光ファイバコネクタ用フェ
ルールに前記光硬化型接着剤を硬化させる波長の光を遮
断する光遮断カバーをかぶせたことを特徴とする光ファ
イバコネクタ用フェルール提供製品である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
本発明において光ファイバとは、光ファイバ裸線にプラ
スチックなどからなる被覆を施してなるもので、光ファ
イバ心線、光ファイバコードなどを含むものとする。以
下光ファイバ心線をフェルールに接着する場合を例とし
て説明する。
【0016】図1は本発明のフェルールの一例を示すも
のである。このフェルール20はフェルール本体22と
フランジ23とが一体化されてなるものである。光ファ
イバ心線1は、光ファイバ裸線1bがエポキシ樹脂、シ
リコーン樹脂などによって被覆され、さらにこの上にナ
イロンなどからなる被覆が施されてなるものである。そ
してこの光ファイバ心線1は、その先端部の被覆層1a
が除去され、光ファイバ裸線1bが露出されている。
【0017】フェルール本体22は円筒状で、その先端
部22aは面とりされてテーパ状に加工されている。こ
のフェルール本体22はホウ酸珪素ガラスや石英ガラス
などのガラスを材料とするものである。このフェルール
本体22の中心には微細孔(貫通孔)22cが設けら
れ、この微細孔22cに光ファイバ裸線1bが内装さ
れ、その周囲に充填された接着剤22dにて固定される
ようになっている。
【0018】接着剤22dとしては波長0.3〜0.8
μmの紫外光あるいは可視光の照射によって硬化する光
硬化型接着剤が用いられる。紫外光硬化型接着剤として
は、例えば主材料の光重合型プレポリマーとしてアミノ
樹脂アクリレート系の紫外線硬化型樹脂を配合してなる
ものなどが用いられ、具体的には製品名:X−8721
(共立化学社製)などを好適に用いることができる。可
視光硬化型接着剤としては、例えば主材料の光重合型プ
レポリマーとして変性アクリレートを配合してなるもの
などが用いられ、具体的には製品名:アロンタイトVL
−1303Y(東亜合成社製)などを好適に用いること
ができる。
【0019】フランジ23は外形略円筒状で、その中心
には貫通孔23aが設けられている。この貫通孔23a
は、後端側の小径部23bと、先端側で直径が拡大され
た大径部23cとを有している。フランジ23の外形
は、詳細にはこの貫通孔23aの後端側の小径部23b
に対応する小径の小径対応部23eと、前記貫通孔23
aの拡大に伴って先端側でフランジ23の外径が拡大さ
れた大径対応部23fとからなり、さらにこの大径対応
部23fの末端には、貫通孔23aの軸心方向との直交
方向に突出するリング状の凸部23gが設けられてい
る。前記小径部23bには光ファイバ心線1の先端側の
被覆層1aを有する部分(被覆層部分)が内装され、そ
の周囲に充填された接着剤23dにて固定されるように
なっている。また、前記第大径部23cにはフェルール
本体22の後端部22b側が圧入されて固定されるよう
になっている。前記凸部23gはこの圧入の際にフラン
ジ23の持手の役割をするものである。
【0020】フランジ23の材料は、後述するように接
着剤23dとして用いられる光硬化型接着剤の硬化を促
す波長の紫外光あるいは可視光を透過する透明な樹脂で
あって、例えばポリカーボネイト(PC)、ポリエーテ
ルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)
などが好適である。フランジ23はフェルール本体22
を固定し、保持するためのものであり、かつ、フェルー
ル本体22の後端部22bをフランジ23の大径部23
cに圧入して一体化するようになっているため、ある程
度の強度が要求される。上述に例示した材料は通常の設
計条件において、この強度の条件を満たすものである。
フランジ23においては、接着剤23dを硬化させるた
めにフランジ23の外部から照射される紫外光あるいは
可視光を、フランジ23の内部に充填された接着剤23
dにまで到達させることができればよい。つまり接着剤
23dの種類などによって硬化させるための好適な光の
波長が変化するので、少なくとも用いる光硬化型接着剤
を硬化させる波長の光を内部(小径部23b)に充填さ
れた接着剤23dまで到達させることができるように、
フランジ23の材料を選択し、フランジ23の肉厚(光
の透過距離)を設計する。
【0021】接着剤23dは、上述の接着剤22dと同
様のものを用いることができる。またこれら接着剤22
d,23dを硬化させるための光源としては、例えば9
J/cm2以上の強度の光を照射することができる高輝
度光源を用いると、硬化時間の短縮を図ることができる
ため好ましい。具体的にはメタルハライド光源、ハロゲ
ン光源、高圧水銀ランプ光源などを好適に用いることが
できる。
【0022】また、通常これら接着剤22d,23dの
硬化のための前記光源からの照射時間は10秒〜10分
とされる。この照射時間は、フェルール20の外部から
内部の接着剤22d,23dに到達するまでに透過する
フェルール本体22とフランジ23の材料あるいは透過
距離(これらの肉厚)、あるいは接着剤22d,23d
の使用量などによっても変化するため、接着剤22d,
23dを十分に硬化させることができるように適宜調整
する。
【0023】以下、フェルール20に光ファイバ心線1
を接着、固定する操作とその効果について実施例を示し
て具体的に説明する。この実施例において光ファイバ心
線1としては、外径約125μmの光ファイバ裸線1b
を紫外線硬化樹脂にて被覆して形成した外径約250μ
mの光ファイバ素線の上に、さらにナイロンからなる被
覆を施して形成した外径約500μmのものを用いた。
接着剤22d,23dとしては可視光硬化型接着剤(製
品名:ラックストラック LCR 0631、東亜化学
社製)を用いた。
【0024】フェルール本体22は石英ガラスからな
り、外径2499μm、長さ10.5mmで、微細孔2
2cの内径は126μmであった。フランジ23の材料
はカーボン、着色剤などの添加剤が添加されていないポ
リカーボネートとした。このフランジ23の小径対応部
23eの外径は2mm、大径対応部23fの小径対応部
23e側の外径は3mm、凸部23gを含めた大径対応
部23f末端の外径は4.6mmであり、フランジ23
全体の長さは8.05mmであった。また貫通孔23a
の小径部23bの内径は1mm、大径部23cの内径は
2450μmであった。また、フランジ23の小径対応
部23eの肉厚aは0.5mm、大径対応部23fの小
径対応部23e側の肉厚bは0.5mm、大径対応部2
3fの最小肉厚cは0.25mm、凸部23gを含めた
末端側の肉厚dは1.05mmであった。
【0025】まず、光ファイバ心線1の先端の被覆層1
aを2cm除去し、光ファイバ裸線1bを露出させ、そ
の表面をエチルアルコールを滲み込ませたコットン綿な
どで拭き取って清浄な状態とした。
【0026】また、フェルール本体22の後端部22b
をフランジ23の大径部23cに圧入し、これらフェル
ール本体2とフランジ3とを一体化させた。するとこれ
らの内部において、微細孔2cと小径部3bとが連結さ
れた。ついで前記光硬化型接着剤をフランジ23の後端
側から小径部23bに注入し、フェルール本体22の微
細孔22cと、この小径部23bとに、それぞれ接着剤
22dと接着剤23dが充填された状態とした。
【0027】さらに前記光ファイバ裸線1bの外表面に
も前記接着剤を塗布し、この光ファイバ裸線1bの先端
を小径部23bに挿入し、この光ファイバ裸線1bを微
細孔22c内に、またこの光ファイバ裸線1bに燐接す
る被覆層1aを有する部分の先端部側が小径部23b内
に位置するように、光ファイバ心線1をフェルール20
に内装した。このとき光ファイバ裸線1bを数回微細孔
22cから抜き差しする操作を繰り返し、微細孔22c
内面と光ファイバ裸線1bの外表面との間に隙間なく接
着剤2dが充填されるようにした。
【0028】ついで、光源としてメタルハライド光源を
用い、フェルール20の外部から波長400μmの光を
10J/cm2の強度で照射し、前記接着剤22d,2
3dを硬化させた。この操作を50のサンプルについて
行ったところ、平均20秒間の照射によって接着剤22
d,23dが十分に硬化することがわかった。
【0029】この後フェルール20と光ファイバ心線1
との接着状態を確認するために、フェルール20からの
光ファイバ心線1の引き抜き力を試験したところ、3k
g以上であり、これらが十分に接着され、コネクタ化し
てアダプタを用いて接続するのに必要な強度が得られて
いることが確認できた。また、フェルール本体22の先
端部22aを、光ファイバ裸線1bとこの周囲の接着剤
22dとともに研磨した研磨面は、つき出し、引き込み
がなく平滑であり、光学的に優れていることが確認でき
た。このように本発明に係るフェルールと接着方法によ
れば、接着剤の硬化時間が大幅に短く、作業時間を従来
の1/2〜1/3程度に短縮できることがわかった。
【0030】また、フェルール本体22とフランジ23
とを一体化させてフェルール20を形成し、さらに微細
孔22cと小径部23bとにそれぞれ接着剤22d,2
3dを充填した状態で、このフェルール20全体に光遮
断カバーをかぶせて外部の光を遮断したものをフェルー
ル提供製品(以下提供製品と略記する)とすることも可
能である。この光遮断カバーは、少なくとも接着剤22
d,23dの硬化を促す波長の光を透過しにくいもので
あればよく、例えば紙、布、プラスチック、金属、セラ
ミックスなどからなり、梱包袋状やキャップ状などの形
状のものを用いることができる。
【0031】この提供製品は、現場において必要に応じ
て光遮断カバーを外し、フェルール20に光ファイバ心
線1を内装し、このフェルール20の外部から光を照射
して接着剤22d,23dを硬化させて固定すれば、現
場における接着剤22d,23dの充填操作を省略でき
るので、現場の作業時間を大幅に短縮することができ
る。また、工業的にも大量の製品の接着剤22d,23
dの充填をまとめて行うことができるので、効率がよ
い。
【0032】このように光遮断カバーをかぶせて提供製
品とすることは、図3に示すガラスからなるフェルール
本体12と金属あるいは液晶ポリマーなどの光を透過し
ない材料からなるフランジ13とを組み合わせた場合に
おいても適用することができる。この場合、フェルール
本体12とフランジ13とを一体化し、このフェルール
本体12の微細孔12cに光硬化型接着剤を注入し、前
記フランジ13の小径部13bに熱硬化型接着剤を注入
したものに、少なくともフェルール本体12にあたる光
を遮断できるように光遮断カバーをかぶせて提供製品と
する。あるいは、微細孔12cにのみ光硬化型接着剤を
注入した状態で光遮断カバーをかぶせて提供製品とし、
フランジ13の小径部13bへの熱硬化型接着剤の注入
は、現場で行うこともできる。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、フェルー
ルを構成するフェルール本体をガラスから形成し、フラ
ンジを光硬化型接着剤を硬化させる波長の光を透過する
材料から形成したので、光硬化型接着剤を前記フェルー
ルの光ファイバを内装する貫通孔に充填し、このフェル
ールの外部から前記光硬化型接着剤の硬化を促す光を照
射することによって、フェルールと光ファイバを接着す
ることができるものである。このため、従来用いられて
いた熱硬化型接着剤のように2液混合操作が必要なく、
また硬化時間が短いため、接着時間を大幅に短縮し、作
業効率を向上させることができるものである。また、前
記フェルールの貫通孔に光硬化型接着剤を充填し、この
フェルールにこの光硬化型接着剤を硬化させる波長の光
を遮断する光遮断カバーをかぶせてフェルール提供製品
とすることができる。この提供製品は、現場にて必要に
応じて光遮断カバーを外し、このフェルールに光ファイ
バを内装し、その外部から光を照射して前記光硬化型接
着剤を硬化させれば、現場における光硬化型接着剤の充
填操作を省略できるので、現場の作業時間を大幅に短縮
することができる。また、工業的にも大量の製品の光硬
化型接着剤の充填をまとめて行うことができるので、効
率がよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のフェルールの一例を示す軸心にそう
側断面図である。
【図2】 従来のフェルールの一例を示す軸心にそう側
断面図である。
【図3】 従来のフェルールの一例を示す軸心にそう側
断面図である。
【符号の説明】
1…光ファイバ心線(光ファイバ)、1a…被覆層(被
覆層部分)、1b…光ファイバ裸線、20…フェルール
(光ファイバコネクタ用フェルール)、22…フェルー
ル本体、22a…先端部、22b…後端部、22c…微
細孔(貫通孔)、22d…接着剤(光硬化型接着剤)、
23…フランジ、23a…貫通孔、23b…小径部、2
3c…大径部、23d…接着剤(光硬化型接着剤)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長瀬 亮 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内 (72)発明者 竹内 善明 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内 (72)発明者 三田地 成幸 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内 (72)発明者 住田 真 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ファイバを内装する貫通孔を有するフ
    ェルール本体と、光ファイバの被覆層部分を内装する貫
    通孔を有するフランジとが一体化されてなる光ファイバ
    コネクタ用フェルールであって、 前記フェルール本体はガラスからなり、 前記フランジは、光硬化型接着剤を硬化させる波長の光
    を透過する材料からなることを特徴とする光ファイバコ
    ネクタ用フェルール。
  2. 【請求項2】 光ファイバを内装する貫通孔を有するフ
    ェルール本体と、光ファイバの被覆層部分を内装する貫
    通孔を有するフランジとが一体化されてなる光ファイバ
    コネクタ用フェルールに、前記光ファイバを接着するに
    おいて、 前記フェルール本体をガラスから形成し、 光硬化型接着剤を用い、 前記フランジを、この光硬化型接着剤を硬化させる波長
    の光を透過する材料から形成し、 前記光ファイバコネクタ用フェルールの外部から前記光
    硬化型接着剤を硬化させる波長の光を照射して、この光
    ファイバコネクタ用フェルールに前記光ファイバを、前
    記光硬化型接着剤にて接着することを特徴とする光ファ
    イバコネクタ用フェルールと光ファイバの接着方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の光ファイバコネクタ用フ
    ェルールに設けられた光ファイバを内装する貫通孔に光
    硬化型接着剤を充填し、この光ファイバコネクタ用フェ
    ルールに前記光硬化型接着剤を硬化させる波長の光を遮
    断する光遮断カバーをかぶせたことを特徴とする光ファ
    イバコネクタ用フェルール提供製品。
JP34342397A 1997-12-12 1997-12-12 光ファイバコネクタ用フェルールおよび光ファイバコネクタ用フェルールと光ファイバの接着方法 Pending JPH11174272A (ja)

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