JPH11174032A - 中間熱交換器の検査装置およびその方法 - Google Patents

中間熱交換器の検査装置およびその方法

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JPH11174032A
JPH11174032A JP9340050A JP34005097A JPH11174032A JP H11174032 A JPH11174032 A JP H11174032A JP 9340050 A JP9340050 A JP 9340050A JP 34005097 A JP34005097 A JP 34005097A JP H11174032 A JPH11174032 A JP H11174032A
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bellows
heat exchanger
heat transfer
probe
intermediate heat
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Masakazu Jinbo
保 雅 一 神
Hiroichi Karasawa
沢 博 一 唐
Hiroshi Nakamura
村 博 中
Katsuhiko Sato
藤 勝 彦 佐
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  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 中間熱交換器が中間熱交換器容器内に据え付
けられた状態で中間熱交換器の伝熱管およびベローズの
欠陥または減肉を精度良く検査することができる中間熱
交換器の検査装置およびその方法を提供する。 【解決手段】 専用のキャスク等により伝熱管検査装置
31が管板17の上面へ挿入される。そして、移動装置
37により管板17の上面に位置する所定の伝熱管4の
開口部41まで伝熱管用探触子32を移動させるととも
に、送り機構34により伝熱管4の開口部41から伝熱
管4内に伝熱管用探触子31を挿入し、伝熱管4の欠陥
および減肉を検査する。一つの伝熱管4の検査が終了し
た後、その伝熱管4から伝熱管用探触子31を引き出
し、移動装置37により次の伝熱管4の開口部41まで
伝熱管用探触子31を移動させ、同様にして次の伝熱管
4の欠陥および減肉を検査する。このような移動および
挿入を順次繰り返すことにより、全ての伝熱管4の欠陥
および減肉を検査することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はループ型高速炉等の
高速増殖炉に使用される中間熱交換器(IHX:interm
ediate heat exchanger )に係り、とりわけ液体金属ナ
トリウムが満たされた高温および高放射線下の環境にお
いて中間熱交換器の伝熱管およびベローズのき裂等の欠
陥または減肉を検査する中間熱交換器の検査装置および
その方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ループ型高速炉は一般に、炉心を収容す
る原子炉容器と、中間熱交換器を収容する中間熱交換器
容器と、冷却材である液体金属ナトリウムを循環させる
循環ポンプを収容するポンプ容器とを備え、これら各容
器は逆U字配管により互いに連結されている。このよう
なループ型高速炉においては、ポンプ容器内の循環ポン
プを介して送り込まれた低温のナトリウムによって原子
炉容器内の炉心が冷却され、原子炉容器内の炉心を冷却
して高温になったナトリウム(一次ナトリウム)は中間
熱交換器容器内の中間熱交換器にて低温のナトリウム
(二次ナトリウム)と熱交換した後、再びポンプ容器内
の循環ポンプを介して原子炉容器内の炉心へ送り込まれ
るようになっている。
【0003】図14は中間熱交換器を収容する中間熱交
換器容器を示す概略断面図である。図14に示すよう
に、中間熱交換器容器1内には一次ナトリウム、二次ナ
トリウムおよびカバーガスとともに中間熱交換器2が収
容され、また隔壁8を仕切り壁として高温プレナム6お
よび低温プレナム7が形成されている。このうち、高温
プレナム6は逆U字配管(ホットレグ配管)11を介し
て原子炉容器(図示せず)と連結され、低温プレナム7
は図面に現れない断面にある逆U字配管(ミドルレグ配
管)を介してポンプ容器と連結されている。
【0004】ここで中間熱交換器2は、本体胴5と、本
体胴5内に設けられ高温プレナム6と低温プレナム7と
を連通する複数の伝熱管4とを備えている。また、中間
熱交換器2の上部には二次入口配管13および二次出口
配管14が連結され、二次入口配管13から流入した二
次ナトリウムが伝熱管4の外側を流れて伝熱管4内の一
次ナトリウムと熱交換するとともに、温度が上昇した二
次ナトリウムが二次出口配管14から流出するようにな
っている。さらに、中間熱交換器2の下部には本体胴5
と伝熱管4との熱膨張差を吸収するベローズ10が設け
られている。なお、ベローズ10は、一次ナトリウムお
よび二次ナトリウムのバウンダリを形成し、一次ナトリ
ウムおよび二次ナトリウムの接触を妨げる障壁としても
機能している。
【0005】図14に示す中間熱交換器容器1を備えた
ループ型高速炉において、原子炉容器内の炉心を冷却し
て高温となった一次ナトリウムは、ホットレグ配管11
を介して中間熱交換器容器1内の高温プレナム6に流入
した後、中間熱交換器2へ導かれる。その後、中間熱交
換器2内に流入した高温の一次ナトリウムは、複数の伝
熱管4内を通って低温プレナム7に移動する間に二次入
口配管13から流入した低温の二次ナトリウムと熱交換
して低温となる。なお、低温となった一次ナトリウム
は、低温プレナム7からミドルレグ配管を介してポンプ
容器に送り込まれた後、ポンプ容器から再び原子炉容器
へと送り込まれる。これにより、原子炉容器内の炉心で
発生した熱は中間熱交換器容器1内の中間熱交換器2に
より二次ナトリウムへと伝えられる。
【0006】ところで、このような中間熱交換器2にお
いては、伝熱管4およびベローズ10が一次ナトリウム
および二次ナトリウムのバウンダリとなっているので、
プラントの運転中にこれらの伝熱管4およびベローズ1
0が破損することは許されない。このため、伝熱管4お
よびベローズ10はプラントの寿命中に破損しないよう
設計し、またプラントの運転中においても必要に応じて
適宜伝熱管4およびベローズ10の破損の有無を検査す
る必要がある。
【0007】図14に示す中間熱交換器容器1において
は従来、中間熱交換器容器1から中間熱交換器2を引き
抜いた上で伝熱管4およびベローズ10の破損の有無を
検査していた。具体的には例えば、中間熱交換器2に連
結された二次入口配管13および二次出口配管14を切
断し、中間熱交換器容器1の蓋をなすデッキ3から吊り
下げられている中間熱交換器2を輸送用キャスク等を用
いて引き抜き、次いで、中間熱交換器2を洗浄した後、
別途用意された検査場所にて伝熱管4およびベローズ1
0の破損の有無を検査していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の中間熱交換器容器1では、中間熱交換器2の伝熱管4
およびベローズ10の破損の有無を検査するため、中間
熱交換器2に連結された二次入口配管13および二次出
口配管14を切断し、また中間熱交換器容器1の蓋をな
すデッキ3から吊り下げられている中間熱交換器2を輸
送用キャスク等を用いて引き抜いていた。
【0009】ところで、このような従来の検査方法は、
二次入口配管13および二次出口配管14の切断、およ
び中間熱交換器2の引き抜きといった大がかりな工事が
必要となるので、本来的に望ましいものではなく、中間
熱交換器2を中間熱交換器容器1内に据え付けた状態で
の検査が強く望まれていた。
【0010】しかしながら、中間熱交換器容器1内に中
間熱交換器2が据え付けられた状態では、液体金属ナト
リウムが満たされた高温および高放射線下の環境におけ
る作業となり、次のような点からその実施が困難であっ
た。
【0011】まず第1に、液体金属ナトリウムが満たさ
れた高温および高放射線下の環境における作業となるの
で、検査対象である伝熱管4およびベローズ10に検査
員等が直接近付くことができず、伝熱管4およびベロー
ズ10まで遠隔操作により検査装置を移動させる必要が
ある。なお、この場合には、検査対象である伝熱管4お
よびベローズ10にどのようにアクセスするか、検査装
置の現在位置および次に移動すべき位置をどのように特
定するか、検査装置の周囲の状況をどのように把握する
か等の問題を解決する必要がある。
【0012】第2に、伝熱管4およびベローズ10のき
裂等の欠陥または減肉の検査には通常超音波探傷法が用
いられているが、伝熱管4およびベローズ10の近傍に
はプラントの停止中でも約200℃の温度を有する液体
金属ナトリウムが満たされ、かつ一次ナトリウム側から
γ線が放射されているので、このような環境下では超音
波探傷法で使用される従来の常温仕様の超音波探触子を
使用することが不可能になるという問題がある。
【0013】第3に、超音波探触子の走査機構部の小型
化および精度向上を図るためには複数の圧電振動子を電
子的に走査させる方式の探触子が望ましいが、このよう
な探触子では探触子からの信号を外部に伝送するための
ケーブル(電線)が多数必要となるので、ケーブルの物
量がかさみ、検査装置の移動機構部への負担が大きくな
るという問題がある。
【0014】第4に、検査精度を向上させるために探触
子で発受信される超音波を高周波化すると、ケーブルに
よる信号伝送時等に大幅な信号減衰が生じてしまうとい
う問題がある。
【0015】本発明はこのような点を考慮してなされた
ものであり、中間熱交換器の引き抜きや、中間熱交換器
内のナトリウムのドレーン等を行うことなく、中間熱交
換器が中間熱交換器容器内に据え付けられた状態で中間
熱交換器の伝熱管およびベローズの欠陥または減肉を精
度良く検査することができる中間熱交換器の検査装置お
よびその方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の特徴は、
管板上面に開口部を有する伝熱管の内外に異なる温度の
ナトリウムを流して熱交換を行う中間熱交換器の検査装
置において、前記伝熱管の欠陥または減肉を検査する伝
熱管用探触子と、前記伝熱管用探触子を支持するととも
に前記伝熱管用探触子に接続された電線を収容する挿入
管と、前記挿入管に支持された前記伝熱管用探触子を前
記管板上面の前記開口部から前記伝熱管内に送り込む送
り機構と、前記送り機構を支持するとともに前記挿入管
に支持された前記伝熱管用探触子を前記管板上面の前記
開口部まで移動させる移動装置とを備えたことを特徴と
する中間熱交換器の検査装置である。
【0017】ここで、本発明の第1の特徴においては、
前記中間熱交換器には管板上面に開口部を有する複数の
伝熱管が設けられ、前記移動装置は前記各伝熱管の開口
部の配列規則に基づいて現在位置および次に移動すべき
位置を特定することが好ましい。また、前記管板上面を
監視するカメラをさらに備えることが好ましい。さら
に、前記中間熱交換器は管板上面の上方部分に挿入孔が
設けられた中間熱交換器容器に格納され、前記中間熱交
換器容器の前記挿入孔を介して前記中間熱交換器の前記
伝熱管にアクセスすることが好ましい。さらにまた、前
記伝熱管用探触子は筒状の支持材の表面に接合された複
数の圧電振動子と、前記各圧電振動子の表面に接合され
た金属薄膜とを有し、前記各圧電振動子には前記複数の
圧電振動子の中から送受信の対象となる圧電振動子を選
択する信号切替回路と、前記各圧電振動子との間で送受
信される信号を増幅する信号増幅器とが接続されている
ことが好ましい。
【0018】次に、本発明の第2の特徴は、本体胴内に
設けられた伝熱管の内外に異なる温度のナトリウムを流
して熱交換を行う中間熱交換器の検査装置において、前
記本体胴と前記伝熱管との熱膨張差を吸収するベローズ
の欠陥または減肉を検査するベローズ用探触子と、前記
ベローズ用探触子を支持する伸縮自在の支持棒と、前記
支持棒に支持された前記ベローズ用探触子を前記ベロー
ズの近傍まで移動させるとともに前記ベローズ用探触子
を前記ベローズの周方向に移動させる台車とを備えたこ
とを特徴とする中間熱交換器の検査装置である。
【0019】ここで、本発明の第2の特徴においては、
前記台車に取り付けられ前記ベローズの内面に当接して
前記台車に支持された前記ベローズ用探触子の位置決め
を行う位置決め用腕部をさらに備えたり、前記ベローズ
の下端に設けられ前記ベローズのまわりに延びるガイド
と、前記台車に取り付けられ前記ガイドを把持して前記
台車に支持された前記ベローズ用探触子の位置決めを行
うガイド用腕部とをさらに備えることが好ましい。ま
た、前記台車に取り付けられ前記台車を押し引きするた
めの所定方向にのみ湾曲する梯子状のチェーンをさらに
備えたり、前記台車に取り付けられ前記台車の車輪を駆
動するモータと、前記モータに電力を供給する電線とを
さらに備えることが好ましい。さらに、前記台車に取り
付けられ超音波の反射を利用してナトリウム中の状況を
監視するカメラをさらに備えたり、前記ベローズの下端
に設けられ超音波を反射する反射板と、前記台車に取り
付けられ前記反射板による超音波の反射により位置を検
出する位置センサとをさらに備えることが好ましい。
【0020】次に、本発明の第3の特徴は、本体胴内に
設けられた伝熱管の内外に異なる温度のナトリウムを流
して熱交換を行う中間熱交換器の検査装置において、前
記本体胴と前記伝熱管との熱膨張差を吸収するベローズ
の欠陥または減肉を検査するベローズ用探触子と、中間
熱交換器容器の外側からベローズの近傍まで延びる第1
レールと、前記第1レールの終端部に連結され前記ベロ
ーズのまわりに延びる第2レールと、前記ベローズ用探
触子を支持するとともに前記ベローズ用探触子を前記第
1レールおよび前記第2レールに沿って移動させる走行
装置とを備えたことを特徴とする中間熱交換器の検査装
置である。
【0021】ここで、本発明の第3の特徴においては、
前記第2レールが前記ベローズのまわりに螺旋状に延び
ることが好ましい。また、前記走行装置に取り付けられ
前記ベローズ用探触子を前記ベローズの軸方向に移動さ
せる軸方向移動装置をさらに備えることが好ましい。
【0022】なお、本発明の第2および第3の特徴にお
いては、前記ベローズ用探触子は平板状の支持材の表面
に接合された複数の圧電振動子と、前記各圧電振動子の
表面に接合された金属薄膜とを有し、前記各圧電振動子
には前記複数の圧電振動子の中から送受信の対象となる
圧電振動子を選択する信号切替回路と、前記各圧電振動
子との間で送受信される信号を増幅する信号増幅器とが
接続されていることが好ましい。また、前記中間熱交換
器はナトリウムの純化を行う純化装置、燃料の破損状況
を検出する放射性物質検出器、または中間熱交換器容器
内の液面の位置を測定する液位計が設けられた中間熱交
換器容器に格納され、前記中間熱交換器容器の前記純化
装置、前記放射性物質検出器または前記液位計を取り外
してできた挿入孔を介して検査対象となる前記中間熱交
換器の前記ベローズにアクセスすることが好ましい。
【0023】次に、本発明の第4の特徴は、管板上面に
開口部を有する複数の伝熱管の内外に異なる温度のナト
リウムを流して熱交換を行う中間熱交換器の検査方法に
おいて、伝熱管用探触子を有する検査装置を前記管板上
面に配置する工程と、前記管板上面における前記各伝熱
管の開口部の配列規則を利用して前記検査装置を移動さ
せる工程と、前記伝熱管用探触子を前記各伝熱管内に挿
入して前記各伝熱管の欠陥または減肉を検査する工程と
を含むことを特徴とする中間熱交換器の検査方法であ
る。
【0024】ここで、本発明の第4の特徴においては、
ナトリウムの液面を前記管板上面よりも下方に降下させ
る工程をさらに含み、前記管板上面をカメラにより監視
しながら前記各伝熱管の欠陥または減肉を検査すること
が好ましい。
【0025】次に、本発明の第5の特徴は、本体胴内に
設けられた伝熱管の内外に異なる温度のナトリウムを流
して熱交換を行う中間熱交換器の検査方法において、ベ
ローズ用探触子を有する検査装置を前記本体胴と前記伝
熱管との熱膨張差を吸収するベローズの近傍に配置する
工程と、前記ベローズの近傍にて前記検査装置の位置決
めを行う工程と、前記ベローズの周方向に前記検査装置
を移動させながら前記ベローズ用探触子により前記ベロ
ーズの欠陥または減肉を検査する工程とを含むことを特
徴とする中間熱交換器の検査方法である。
【0026】本発明の第1の特徴によれば、移動装置に
より管板上面に位置する伝熱管の開口部まで伝熱管用探
触子を移動させるとともに、送り機構により伝熱管の開
口部から伝熱管内に伝熱管用探触子を挿入するので、中
間熱交換器が中間熱交換器容器内に据え付けられた状態
で中間熱交換器の伝熱管の欠陥または減肉を精度良く検
査することができる。なお、伝熱管が複数ある場合に
は、一つの伝熱管の検査が終了した後、その伝熱管から
伝熱管用探触子を引き出し、移動装置により次の伝熱管
の開口部まで伝熱管用探触子を移動させ、同様にして次
の伝熱管の欠陥または減肉を検査する。そして、このよ
うな移動および挿入を順次繰り返すことにより、全ての
伝熱管の欠陥または減肉を検査することができる。
【0027】ここで、本発明の第1の特徴においては、
移動装置が各伝熱管の開口部の配列規則に基づいて現在
位置および次に移動すべき位置を特定することにより、
検査装置の現在位置および次に移動すべき位置を正確か
つ容易に把握することができる。また、ナトリウムの液
面を管板上面よりも下方に降下させた状態でカメラによ
り管板上面の状況を把握することにより、検査装置の位
置決めおよび移動を正確に行うことができる。さらに、
中間熱交換器容器のうち中間熱交換器の管板上面の上方
部分に挿入孔を設けることにより、検査対象となる中間
熱交換器の伝熱管への検査装置のアクセスを容易に行う
ことができる。
【0028】また、本発明の第1の特徴においては、複
数の圧電振動子を電子的に走査させる方式の伝熱管用探
触子において、複数の圧電振動子の中から送受信の対象
となる圧電振動子を信号切替器により選択し、信号を時
系列的に送受信することにより、伝熱管用探触子からの
信号を外部に伝送する電線の物量を抑えて検査装置の移
動機構部への負担を小さくすることができる。また、各
圧電振動子との間で送受信される信号を信号増幅器によ
り増幅することにより、電線等での信号伝送時に生じる
信号減衰を抑制してインピーダンス特性を改善すること
ができる。さらに、各圧電振動子の表面に接合された金
属薄膜の厚さを超音波の波長に比べて十分薄くすること
により、超音波の透過効率を改善して金属薄膜による信
号減衰およびパルス幅等の音響特性の劣化を抑制するこ
とができる。
【0029】次に、本発明の第2の特徴によれば、台車
によりベローズの近傍までベローズ用探触子を移動させ
た後、ベローズの周方向にベローズ用探触子を移動させ
るので、中間熱交換器が中間熱交換器容器内に据え付け
られた状態で中間熱交換器のベローズの欠陥または減肉
を精度良く検査することができる。
【0030】ここで、本発明の第2の特徴においては、
台車に取り付けられた位置決め用腕部をベローズの内面
に当接させることにより、ベローズ用探触子を支持する
台車をベローズの近傍で正確に位置決めすることができ
る。また、ベローズの下端に設けられたガイドを台車に
取り付けられたガイド用腕部により把持することによ
り、ベローズ用探触子を支持する台車をベローズの近傍
で正確に位置決めすることができる。
【0031】また、本発明の第2の特徴においては、所
定方向にのみ湾曲する梯子状のチェーンを台車に取り付
けることにより、チェーンのたるみを防止しつつ、チェ
ーンの送り出しによりチェーンの湾曲方向に沿って台車
をベローズの近傍まで押し込むことができるとともに、
チェーンの引き戻しによりチェーンの湾曲方向に沿って
台車をベローズの近傍から引き戻すことができ、このた
め台車をベローズの近傍まで容易に移動させることがで
きる。また、台車の車輪を駆動するモータに電線を介し
て電力を供給することにより、中間熱交換器容器の底部
にて台車を自走させることができ、このため台車をベロ
ーズの近傍まで容易に移動させることができる。
【0032】さらに、本発明の第2の特徴においては、
超音波の反射を利用してカメラによりナトリウム中の状
況を監視することにより、台車の移動および位置決めを
正確に行うことができる。また、ベローズの下端に設け
られた反射板による超音波の反射を利用して位置センサ
により台車の現在位置を把握することにより、検査装置
の位置決めおよび移動を正確に行うことができる。
【0033】次に、本発明の第3の特徴によれば、走行
装置に支持されたベローズ用探触子を中間熱交換器容器
の外側からベローズの近傍まで延びる第1レールに沿っ
て移動させた後、走行装置をベローズのまわりに延びる
第2レールに移行させてベローズの周方向にベローズ用
探触子を移動させるので、中間熱交換器が中間熱交換器
容器内に据え付けられた状態で中間熱交換器のベローズ
の欠陥または減肉を精度良く検査することができる。
【0034】ここで、本発明の第3の特徴においては、
第2レールがベローズのまわりに螺旋状に延びるように
することにより、第2レールの開始端部と終端部とを軸
方向には異なるが周方向については同一位置に配置する
ことができ、このため走行装置に支持されたベローズ用
探触子がアクセスできない部位をなくすことができる。
また、走行装置に取り付けられた軸方向移動装置により
ベローズ用探触子をベローズの軸方向に移動させること
により、第2レールをベローズのまわりに1周分設ける
だけでベローズの外面全体について欠陥または減肉を検
査することができる。
【0035】なお、本発明の第2および第3の特徴にお
いては、複数の圧電振動子を電子的に走査させる方式の
ベローズ用探触子において、複数の圧電振動子の中から
送受信の対象となる圧電振動子を信号切替器により選択
し、信号を時系列的に送受信することにより、ベローズ
用探触子からの信号を外部に伝送する電線の物量を抑え
て検査装置の移動機構部への負担を小さくすることがで
きる。また、各圧電振動子との間で送受信される信号を
信号増幅器により増幅することにより、電線等での信号
伝送時に生じる信号減衰を抑制してインピーダンス特性
を改善することができる。さらに、各圧電振動子の表面
に接合された金属薄膜の厚さを超音波の波長に比べて十
分薄くすることにより、超音波の透過効率を改善して金
属薄膜による信号減衰およびパルス幅等の音響特性の劣
化を抑制することができる。
【0036】また、本発明の第2および第3の特徴にお
いては、中間熱交換器容器に設けられた純化装置、放射
性物質検出器または液位計を取り外してできた挿入孔を
介して検査装置を挿入することにより、検査対象となる
中間熱交換器のベローズへの検査装置のアクセスを容易
に行うことができる。
【0037】次に、本発明の第4の特徴によれば、伝熱
管用探触子を有する検査装置を管板上面に配置し、管板
上面における各伝熱管の開口部の配列規則を利用して検
査装置を移動させ、伝熱管用探触子を各伝熱管内に挿入
して各伝熱管の欠陥または減肉を検査するので、中間熱
交換器が中間熱交換器容器内に据え付けられた状態で中
間熱交換器の伝熱管の欠陥または減肉を精度良く検査す
ることができる。
【0038】ここで、本発明の第4の特徴においては、
ナトリウムの液面を管板上面よりも下方に降下させた
後、管板上面をカメラにより監視しながら各伝熱管の欠
陥または減肉を検査することにより、検査装置の位置決
めおよび移動を正確に行うことができる。
【0039】次に、本発明の第5の特徴によれば、ベロ
ーズ用探触子を有する検査装置を本体胴と伝熱管との熱
膨張差を吸収するベローズの近傍に配置し、ベローズの
近傍にて検査装置の位置決めを行った後、ベローズの周
方向に検査装置を移動させながらベローズ用探触子によ
りベローズの欠陥または減肉を検査するので、中間熱交
換器が中間熱交換器容器内に据え付けられた状態で中間
熱交換器のベローズの欠陥または減肉を精度良く検査す
ることができる。
【0040】
【発明の実施の形態】第1の実施の形態 以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明
する。図1乃至図6は本発明による中間熱交換器の検査
装置およびその方法の第1の実施の形態を説明するため
の図である。本発明の第1の実施の形態は、中間熱交換
器の伝熱管を検査するための伝熱管検査装置およびその
方法についてのものである。
【0041】まず、図1により、伝熱管検査装置31の
検査対象となる中間熱交換器2および中間熱交換器2を
収容する中間熱交換器容器1について説明する。図1に
示すように、中間熱交換器容器1内には、中間熱交換器
容器1の蓋をなすデッキ3から吊り下げられた状態で中
間熱交換器2が収容されている。ここで中間熱交換器2
は、本体胴5と、本体胴5の上方に設けられた上部鏡1
5と、本体胴5内に設けられ低温プレナムと高温プレナ
ムとを連通する複数の伝熱管4とを備えている。このう
ち各伝熱管4は、上部鏡15の下方に位置する管板17
の上面に開口部41を有している。また、中間熱交換器
2の管板17には上部鏡15を貫通する二次入口配管1
3および二次出口配管14が連結され、二次入口配管1
3から流入した二次ナトリウム(低温ナトリウム)が伝
熱管4の外側を流れて伝熱管4内の一次ナトリウム(高
温ナトリウム)と熱交換するとともに、温度が上昇した
二次ナトリウムが二次出口配管14から流出するように
なっている。さらに上部鏡15には、専用のキャスク等
により伝熱管検査装置31を挿入するための挿入孔21
が連結されている。なお伝熱管検査装置31は、管板1
7の上面を監視するカメラ22および照明装置23とと
もに挿入孔21から管板17の上面へ挿入される。
【0042】次に、図2乃至図4により、図1に示す伝
熱管検査装置31について説明する。
【0043】図2に示すように、伝熱管検査装置31
は、伝熱管4の欠陥および減肉を検査する伝熱管用探触
子32と、伝熱管用探触子32を支持するとともに伝熱
管用探触子32に接続されたケーブル(電線)35を収
容する挿入管33と、挿入管33に支持された伝熱管用
探触子32を管板17の上面の開口部41から伝熱管4
内に送り込む送り機構34と、送り機構34を支持する
とともに挿入管33に支持された伝熱管用探触子32を
管板17の上面の開口部41まで移動させる移動装置3
7とを備えている。
【0044】ここで送り機構34は、図3に示すよう
に、ベローズ等からなる挿入管33の外面にかみ合うギ
ア42と、ギア42を回転させる送り機構駆動モータ4
3とを有し、挿入管33の外面にギア42をかみ合わせ
た状態で送り機構駆動モータ43によりギア42を正逆
いずれかの方向に回転させることにより、挿入管33に
支持された伝熱管用探触子32を管板17の上面の開口
部41から伝熱管4内へ挿入したり、伝熱管4内から外
部へ引き出したりすることができるようになっている。
【0045】また移動装置37は、図2に示すように、
伸縮ロッド36およびシリンダ45からなる4本の脚部
を有する2組の移動部38a,38bを有し、これら各
移動部38a,38bは並進移動用の直動軸39a,3
9aおよび回転移動用の回転軸39bを介して互いに連
結されている。また、一方の移動部38bには回転軸3
9cを介して送り機構34が連結されている。なお、移
動部38a,38bの脚部をなす伸縮ロッド36の先端
にはグリッパ40が設けられており、このグリッパ40
を伝熱管4内に挿入して固定することにより移動部38
a,38bの固定がなされるようになっている。
【0046】図4は図2に示す移動装置37の脚部の詳
細を示す図である。図4に示すように、移動装置37の
脚部は、伸縮ロッド36と、伸縮ロッド36を上下方向
に移動させるシリンダ45とからなっている。ここで伸
縮ロッド36は、伸縮ロッド36の上部に設けられ伸縮
ロッド36内の圧力を増減させる圧力出入口44と、グ
リッパ40を駆動するピストン46およびばね48から
なるグリッパ用アクチュエータ49とを有している。そ
して、伸縮ロッド36内の圧力を高くすると、ピストン
46が押し出されてグリッパ40が下降し、また伸縮ロ
ッド36内の圧力を低くすると、ばね48の付勢力によ
りグリッパ40が上昇し、これにより伝熱管4内に対し
てグリッパ40の挿入および引き出しが行われるように
なっている。なおピストン46には、ナトリウムの侵入
によりピストン面の摺動が妨げられないようシール部材
としてベローズ47が設けられている。
【0047】一方、シリンダ45の構成は、伸縮ロッド
用アクチュエータ50を構成するピストン46の先端に
伸縮ロッド36が連結される点を除いて、他は伸縮ロッ
ド36の構成と略同一であるので、ここでは伸縮ロッド
36と同一の機能を果たす部分に同一符号を付して詳細
な説明は省略する。
【0048】図5および図6は図2に示す伝熱管用探触
子32の詳細を示す図である。図5に示すように、伝熱
管用探触子32は、伝熱管4のき裂等の欠陥を検査する
探傷検査用探触子107と、伝熱管4の減肉を検査する
減肉検査用探触子108とを有し、これら探傷検査用探
触子107および減肉検査用探触子108は約200℃
の温度を有するナトリウム101が満たされた伝熱管4
内に挿入された状態で使用される。
【0049】また図5および図6に示すように、探傷検
査用探触子107および減肉検査用探触子108は、音
響吸収効率の良好な筒状の支持材(図示せず)の表面に
ろう材または半田等により密着接合された複数の微少サ
イズの短冊状の圧電振動子104と、各圧電振動子10
4の表面に密着接合された前面板(金属薄膜)103と
を有している。また、各圧電振動子104には複数の圧
電振動子104の中から送受信の対象となる圧電振動子
を選択する信号切替回路105と、各圧電振動子104
との間で送受信される信号を増幅する信号増幅器(送受
信器)106とが接続されている。なお、信号切替器1
05および信号増幅器106は、ケーブルでの信号伝送
時に生じる信号減衰を抑制して探傷検査および減肉検査
を精度良く行うとともにケーブル等の本数を削減するた
め、探傷検査用探触子107および減肉検査用探触子1
08に隣接して配置されている。また、探傷検査用探触
子107と減肉検査用探触子108との切替えは、信号
切替器105と同一の原理で動作する探触子切替器10
9により行われるようになっている。
【0050】ここで、探傷検査用探触子107の各圧電
振動子104は、伝熱管4の内面に対して所定の角度を
なして円周状に配置されている。なお、各圧電振動子1
04と伝熱管4の内面とがなす角度は、斜角探傷の場合
には通常45度または60度とすることが好ましく、ま
た板波探傷の場合には実験的に最適値を求めることが好
ましい。一方、減肉検査用探触子108の各圧電振動子
104は、約1mm程度の薄肉の伝熱管4の減肉を検査
するため、10MHz以上の高周波の超音波を伝熱管4
の内面に向かって略垂直に発受信するよう配置されてい
る。
【0051】また前面板103は、複数の圧電振動子1
04の表面に数十〜数百μmの厚さの金属薄膜が蒸着ま
たは鍍金等のコーティング処理方法で密着固定されるこ
とにより形成され、これにより超音波の発受信面の全面
に対してナトリウムのシールがなされるようになってい
る。なお、各圧電振動子104の表面に密着接合された
前面板103の厚さは超音波の波長(周波数が約10M
Hzの場合に約0.6mm)の1/10程度の数十μm
以下とすることが好ましい。
【0052】さらに信号切替器105は、複数(例えば
数十〜数百)の圧電振動子104およびこの各圧電振動
子104に接続されたケーブルの中から送受信の対象と
なる所定数(例えば1〜数十)の圧電振動子およびケー
ブルを順番に選択していくためのものであり、例えば特
開平8−128996号公報(特願平6−269274
号)に記載された真空マイクロ素子を用いた耐熱性およ
び耐放射線性を有するスイッチング素子から形成するこ
とが好ましい。なお真空マイクロ素子とは、金属等の導
電性の材料の先端を先鋭化させたときにトンネル効果に
より本来その材料が有するポテンシャル障壁の電位より
もはるかに低い電圧で電子が放出される現象を利用し、
真空中において非常に先の尖った金属等の導電性の材料
をエミッタ電極とし、このエミッタ電極に対向させてア
ノード電極を配置して両者の間に電圧をかけた状態と
し、エミッタ電極の側面に配置したゲート電極の電圧を
制御することにより3極管として動作させるものであ
り、使用材料が金属等の無機材料のみであるため、約2
00℃以上の耐熱性があり、またγ線等に対する耐放射
線性にも優れている。
【0053】さらにまた信号増幅器106は、圧電振動
子104との間で送受信される信号を増幅するためのも
のであり、上述した信号切替器105と同様に真空マイ
クロ素子を用いて耐熱性および耐放射線性を有する増幅
器として構成することが好ましい。
【0054】なお、伝熱管用探触子32(探傷検査用探
触子107および減肉検査用探触子108)およびその
周辺回路(信号切替器105および信号増幅器106)
については、無機材料または耐熱性および耐放射線性を
有する有機材料等により構成することが好ましい。具体
的には例えば、伝熱管用探触子32のケースは金属製と
し、またケーブルである同軸ケーブルの絶縁材はPEE
K(ポリエーテルエーテルケトン)等の耐熱性および耐
放射線性を有する有機材料とし、圧電振動子104はキ
ュリー点が300℃を越えるチタン酸鉛やチタン酸ジル
コン酸鉛系の材料とすることが好ましく、これにより、
約200℃以上の高温下で、かつ105Gy(グレイ)
のγ線環境下でも通常と同程度の性能を発揮することが
できる。
【0055】次に、このような構成からなる本発明の第
1の実施の形態の作用について説明する。
【0056】図1に示すように、伝熱管検査装置31
は、検査対象となる中間熱交換器2の伝熱管4にアクセ
スするため、中間熱交換器2の上部鏡15に連結された
挿入孔21の上部開口から専用のキャスク等により管板
17の上面へ挿入される。ここで、伝熱管検査装置31
の挿入に先だって、上部鏡15内に満たされていた不透
明な液体である一次ナトリウムのナトリウム液面24は
管板17の上面の位置まで引き下げられ、管板17の上
面は目視可能な状態とされる。また、伝熱管検査装置3
1の挿入と同時に挿入孔21からカメラ22および照明
装置23が挿入され、一次ナトリウムがなくなった管板
17の上面および伝熱管検査装置31の状況を監視しな
がら伝熱管検査装置31により検査が行われる。
【0057】すなわち、図2に示すように、移動装置3
7により管板17の上面に位置する所定の伝熱管4の開
口部41まで伝熱管用探触子32を移動させるととも
に、送り機構34により伝熱管4の開口部41から伝熱
管4内に伝熱管用探触子31を挿入し、伝熱管4の欠陥
および減肉を検査する。このようにして一つの伝熱管4
の検査が終了した後、その伝熱管4から伝熱管用探触子
31を引き出し、移動装置37により次の伝熱管4の開
口部41まで伝熱管用探触子31を移動させ、同様にし
て次の伝熱管4の欠陥および減肉を検査する。そして、
このような移動および挿入を順次繰り返すことにより、
全ての伝熱管4の欠陥および減肉を検査することができ
る。
【0058】ここで、移動装置37による伝熱管用探触
子32の移動は、移動装置37を構成する移動部38
a,38bの一方を固定した状態で他方を直動軸39a
により移動させる並進運動と、移動部38a,38bの
一方を固定した状態で他方を回転軸39bにより回転さ
せる回転運動とを組み合わせ、移動部38a,38bを
交互に駆動することにより一種の歩行運動を実現する。
このとき、移動部38a,38bのそれぞれは、次に移
動すべき位置にある4つの伝熱管4の開口部41に4本
の脚部を移動するとともに、脚部をなす伸縮ロッド36
の先端に設けられたグリッパ40を伝熱管4内に挿入し
て固定する(図14参照)。なお、管板17の上面の所
定位置まで移動部38a,38bを移動させた後、回転
軸39cにより送り機構34を回転させて所定の伝熱管
4の開口部41まで伝熱管用探触子32を移動させる。
【0059】また、送り機構34による伝熱管4内への
伝熱管用探触子32の挿入および引き出しは、図3に示
すように、伝熱管用探触子32を支持する挿入管33の
外面にギア42をかみ合わせた状態で送り機構駆動モー
タ43によりギア42を正逆いずれかの方向に回転させ
ることにより実現する。
【0060】なお、このようにして伝熱管4内へ伝熱管
用探触子32が配置された状態で、伝熱管用探触子32
を構成する探傷検査用探触子107および減肉検査用探
触子108により伝熱管4の欠陥および減肉が検査され
る。具体的には、伝熱管4の欠陥を検査するため、図5
に示すように、探傷検査用探触子107の圧電振動子1
04から超音波102が発信され、このようにして発信
された超音波102は前面板103およびナトリウム1
01を透過して伝熱管4内に入射される。そして、超音
波102は、ベローズ10内で反射を繰り返しながら伝
搬していき、伝熱管4内に欠陥110がある場合には、
この欠陥110で反射された後に同じ経路を戻って同じ
圧電振動子104で再度受信され、これにより伝熱管4
内の欠陥の有無を確認(探傷)することができる。なお
このとき、1つまたは複数の圧電振動子104が選択さ
れた状態で信号増幅器106を介して超音波の発受信が
行われ、発受信が終了した時点で信号切替器105が選
択する圧電振動子104を隣りにずらして超音波102
を円周方向に回転走査することにより伝熱管4の内面全
周にわたる欠陥の検査が行われる。
【0061】ここで、信号切替器105による1回の切
替時間としては、検査範囲(最大でも往復距離250m
m以下)と超音波102の音速(約2500m/秒)と
から0.1m秒程度あれば十分であり、例えば圧電振動
子104の数が100個である場合には1周分の検査を
10m秒程度で行うことができる。このため、探傷検査
用探触子107を5mmピッチで伝熱管4の軸方向に連
続的に移動させて検査を行う場合には全体でみても0.
5m/秒という高速で検査を行うことができる。
【0062】一方、約1mm程度の薄肉の伝熱管4の減
肉を検査する場合には、減肉検査用探触子108の圧電
振動子104から10MHz以上の高周波の超音波が伝
熱管4の内面に向かって略垂直に発信され、このように
して発信された超音波102は前面板103およびナト
リウム101を透過して伝熱管4内に入射される。そし
て超音波は、伝熱管4の内面および外面で反射して同じ
圧電振動子104で再度受信され、これにより伝熱管4
の肉厚を計測することができる。なおこのとき、1つま
たは複数の圧電振動子104が選択された状態で信号増
幅器106を介して超音波の発受信が行われ、発受信が
終了した時点で信号切替器105が選択する圧電振動子
104を隣りにずらして超音波102を円周方向に回転
走査することにより伝熱管4の内面全周にわたる減肉の
検査が行われる。
【0063】このように本発明の第1の実施の形態によ
れば、移動装置37により管板17の上面に位置する伝
熱管4の開口部41まで伝熱管用探触子32を移動させ
るとともに、送り機構34により伝熱管4の開口部41
から伝熱管4内に伝熱管用探触子32を挿入するので、
中間熱交換器2が中間熱交換器容器1内に据え付けられ
た状態で中間熱交換器2の伝熱管4の欠陥および減肉を
精度良く検査することができる。また、一つの伝熱管4
の検査が終了した後、その伝熱管4から伝熱管用探触子
32を引き出し、移動装置37により次の伝熱管4の開
口部41まで伝熱管用探触子32を移動させ、同様にし
て次の伝熱管3の欠陥および減肉を検査することができ
るので、このような移動および挿入を順次繰り返すこと
により、全ての伝熱管4の欠陥および減肉を検査するこ
とができる。
【0064】また本発明の第1の実施の形態によれば、
移動装置37が各伝熱管4の開口部41の配列規則(例
えば三角形配列等のパターン)に基づいて現在位置およ
び次に移動すべき位置を特定することにより、伝熱管検
査装置31の現在位置および次に移動すべき位置を正確
かつ容易に把握することができる。また、ナトリウム液
面24を管板17の上面よりも下方に降下させた状態で
カメラ22により管板17の上面および伝熱管検査装置
31の状況を把握することにより、伝熱管検査装置31
の位置決めおよび移動を正確に行うことができる。さら
に、中間熱交換器容器1のうち中間熱交換器2の管板1
7の上面の上方部分に挿入孔21を設けることにより、
検査対象となる中間熱交換器2の伝熱管4への伝熱管検
査装置31のアクセスを容易に行うことができる。
【0065】さらに本発明の第1の実施の形態によれ
ば、複数の圧電振動子104の中から送受信の対象とな
る圧電振動子104を信号切替器105により選択し、
信号を時系列的に送受信することにより、伝熱管用探触
子32からの信号を外部に伝送するケーブルの物量を抑
えて伝熱管検査装置31の移動機構部への負担を小さく
することができる。また、10MHz以上の高周波の信
号を同軸ケーブル等で伝送する場合には、特に圧電振動
子104が微少サイズになると圧電振動子104の静電
容量がケーブルの静電容量と同程度となるため、本来の
ケーブルの信号減衰以上に信号の減衰が大きくなるが、
各圧電振動子104との間で送受信される信号を信号増
幅器106により増幅することにより、ケーブル等での
信号伝送時に生じる信号減衰を抑制してインピーダンス
特性を改善することができる。さらに、各圧電振動子1
04の表面に接合された前面板103の厚さを超音波の
波長(周波数が約10MHzで約0.6mm)の1/1
0程度の数十μm以下とすることにより、超音波の透過
効率を改善して前面板103による信号減衰およびパル
ス幅等の音響特性の劣化を抑制することができる。
【0066】第2の実施の形態 次に、図7乃至図10により、本発明による中間熱交換
器の検査装置およびその方法の第2の実施の形態につい
て説明する。本発明の第2の実施の形態は、中間熱交換
器のベローズを検査するためのベローズ検査装置および
その方法についてのものである。
【0067】まず、図7および図10により、ベローズ
検査装置60の検査対象となる中間熱交換器2および中
間熱交換器2を収容する中間熱交換器容器1について説
明する。図7および図10に示すように、中間熱交換器
容器1内には隔壁8で仕切られた高温プレナム6および
低温プレナム7を連通する複数の伝熱管4を有する中間
熱交換器2が収容され、中間熱交換器2の低温プレナム
7側には中間熱交換器2の本体胴5と伝熱管4との熱膨
張差を吸収するベローズ10が設けられている。
【0068】また図7および図10に示すように、中間
熱交換器容器1にはナトリウムの純化を行う純化装置1
2(図14参照)が設けられており、ベローズ検査装置
60は、中間熱交換器容器1の純化装置12を取り外し
てできた挿入孔から検査装置挿入ガイド65を介して中
間熱交換器容器1の底部へ挿入される。ここで、隔壁8
により仕切られた低温プレナム7へアクセスするために
専用の挿入孔を設けることも可能であるが、純化装置1
2のために既にスタンドパイプ9が低温プレナム7側か
ら高温プレナム6側に立ち上げられており、また純化装
置12は一般に再生利用等のために比較的容易に引き抜
くことができるよう設計されているので、別途専用の挿
入孔を設けるよりも経済的である。
【0069】次に、図7乃至図10により、ベローズ検
査装置60について説明する。
【0070】図7に示すように、ベローズ検査装置60
は、ベローズ10の欠陥および減肉を検査するベローズ
用探触子68と、ベローズ用探触子68を支持する伸縮
自在の探触子用支持棒62と、探触子用支持棒62に支
持されたベローズ用探触子68をベローズ10の近傍ま
で移動させるとともにベローズ用探触子68をベローズ
10の周方向に移動させる台車61とを備えている。
【0071】ここで台車61には、ベローズ10の内面
に当接して台車61に支持されたベローズ用探触子68
の位置決めを行う位置決め用腕部63と、台車61を押
し引きするための下方にのみ折れ曲がる梯子状のチェー
ン69と、超音波の反射を利用してナトリウム中の状況
を監視するカメラ64とが取り付けられている。
【0072】このうち位置決め用腕部63は、台車61
の上面に立設された上下方向に伸縮自在の位置決め用支
持棒63aと、位置決め用支持棒63aの上端に取り付
けられるとともに位置決め用支持棒63aと垂直でかつ
互いに反対方向へ均等に伸縮する一対の伸縮自在の当接
棒63b,63bとを有している。
【0073】またチェーン69は、中間熱交換器容器1
の底部にて台車61を移動させるためのものであり、チ
ェーン69を構成する各チェーン板66は図8に示すよ
うな構造で連結されている。すなわち、図8に示すよう
に、隣接した一対のチェーン板66,66はピン67を
介して互いに回転自在に連結され、この連結箇所におい
て一方のチェーン板66に切欠部66aが設けられ、他
方のチェーン板66に切欠部66aと嵌合する突起部6
6bが設けられている。そして、これら一対のチェーン
板66,66は突起部66bが切欠部66a内で移動可
能な範囲でのみ回転が許される。このため、例えば図8
に示すような構造のチェーン69においては、下方にの
み折れ曲がることとなる。
【0074】図9は図7に示すベローズ検査装置60の
ベローズ用探触子68の詳細を示す図である。図9に示
すように、ベローズ用探触子68はベローズ10のき裂
等の欠陥および減肉を検査するためのものであり、この
ベローズ用探触子68は約200℃の温度を有するナト
リウムが満たされたベローズ10の近傍にて使用され
る。なお、図9に示すベローズ用探触子68の構成は、
検査対象がベローズ10である点を除いて、他は図5お
よび図6に示す伝熱管用探触子32と略同一であるの
で、ここでは伝熱管用探触子32と異なる部分を中心に
説明する。
【0075】図9に示すように、ベローズ用探触子68
は、音響吸収効率の良好な平板状の支持材68aの表面
にろう材または半田等により密着接合された複数の微少
サイズの短冊状の圧電振動子134と、各圧電振動子1
34の表面に密着接合された前面板(金属薄膜)133
とを有している。また、各圧電振動子134には複数の
圧電振動子134の中から送受信の対象となる圧電振動
子を選択する信号切替回路135と、各圧電振動子13
4との間で送受信される信号を増幅する信号増幅器(送
受信器)136とが接続されている。なお、信号切替器
135および信号増幅器136は、ケーブルでの信号伝
送時に生じる信号減衰を抑制して探傷検査および減肉検
査を精度良く行うとともにケーブル等の本数を削減する
ため、ベローズ用探触子68の内部に配置されている。
【0076】ここで信号切替器135は、複数(例えば
256個)の圧電振動子134およびこの各圧電振動子
134に接続されたケーブルの中から送受信の対象とな
る所定数(例えば連続して並ぶ32個)の圧電振動子1
34およびケーブルを選択するためのものであり、これ
により機械的な走査を行うことなく検査位置に応じて超
音波の発受信位置を高速で変更することができる。
【0077】また信号増幅器136は、圧電振動子13
4との間で送受信される信号を増幅するとともに、外部
からの駆動信号に基づいて各圧電振動子134からの超
音波の発信タイミングを制御することにより各圧電振動
子134から発信される超音波132の平面部10aに
対する入射角を調整するためのものであり、これにより
各圧電振動子134から発信される超音波132を集束
させたり、超音波132の発信方向を変更することがで
きる。これにより、ベローズ10の検査部位に応じてベ
ローズ10の平面部10aに対する超音波132の入射
角を最適値に設定することができる。また、このような
方法により、超音波132をベローズ10の平面部10
aに対して垂直に入射させることもでき、これによりベ
ローズ10の平面部10aの減肉を検査することができ
る。
【0078】次に、このような構成からなる本発明の第
2の実施の形態の作用について説明する。
【0079】図7および図10に示すように、中間熱交
換器容器1から純化装置12(図14参照)が引き抜か
れた後、ベローズ検査装置60用のキャスク90が設置
される。その後、キャスク90により中間熱交換器容器
1内のナトリウムが空気雰囲気と接触しないよう保たれ
ながらスタンドパイプ9を介して検査装置挿入ガイド6
5が挿入され、次いで、この検査装置挿入ガイド65に
沿ってベローズ検査装置60が中間熱交換器容器1の底
部へ挿入される。なお、中間熱交換器容器1の底部には
一次ナトリウムが満たされているので、カメラ64によ
りナトリウム中の状況を監視しながらベローズ検査装置
60により検査が行われる。
【0080】このとき、ベローズ検査装置60の台車6
1は、下方にのみ折れ曲がる梯子状のチェーン69の送
り出しにより検査装置挿入ガイド65に沿って押し出さ
れ、ベローズ10の下方へ移動する。そして、台車61
がベローズ10の下方へ到達した後、位置決め用腕部6
3の当接棒63b,63bを縮めた状態でベローズ10
の内筒(内面)16の内側に向けて位置決め用支持棒6
3aを上昇させ、ベローズ10の内筒16内の所定位置
で当接棒63b,63bを均等に伸ばす。このようにし
て当接棒63b,63bを均等に伸ばしていく過程で、
位置決め用支持棒63aがベローズ10の内筒16の中
心位置に移動し、これにより位置決め用支持棒63aが
立設された台車61をベローズ10の下方にて正確に位
置決めすることができる。
【0081】その後、このようにして位置決めされた台
車61からベローズ用探触子68が先端に取り付けられ
た探触子用支持棒62を上昇させ、ベローズ10の外面
に存在する複数の段部のうちの所定段部(例えば最下段
の段部)まで探触子用支持棒62を移動させる。
【0082】そして、このようにして探触子用支持棒6
2をベローズ10の所定段部に移動させた後、台車61
の位置決め用支持棒63aを中心として台車61をベロ
ーズ10の周方向に移動させることにより、探触子用支
持棒62に支持されたベローズ用探触子68をベローズ
10の周方向に回転させ、ベローズ10の外面全周にわ
たってベローズ10の所定段部の欠陥および減肉を検査
する。このようにしてベローズ10の一つの段部の検査
が終了した後、探触子用支持棒62をベローズ10の軸
方向に伸縮させ、同様にしてベローズ10の次の段部の
欠陥および減肉を検査する。そして、このような伸縮お
よび回転を順次繰り返すことにより、ベローズ10の全
ての段部の欠陥および減肉を検査することができる。
【0083】なお、ベローズ10の所定段部の欠陥を検
査するときには、図9に示すように、ベローズ用探触子
68から超音波132が発信され、このようにして発信
された超音波132は前面板133およびナトリウムを
透過してベローズ10平面部10aに対して斜め方向か
ら入射される。そして超音波132は、ベローズ10内
で反射を繰り返しながら伝搬していき、ベローズ10内
に欠陥140がある場合には、この欠陥140で反射さ
れた後に同じ経路を戻って同じ圧電振動子134で再度
受信され、これによりベローズ10内(平面部10aお
よび曲面部10b内)の欠陥の有無を確認(探傷)する
ことができる。なおこのとき、複数(例えば256個)
の圧電振動子134およびこの各圧電振動子134に接
続されたケーブルの中から送受信の対象となる所定数
(例えば連続して並ぶ32個)の圧電振動子134およ
びケーブルが信号切替器135により選択されるととも
に、外部からの駆動信号に基づいて信号増幅器136に
より各圧電振動子134からの超音波の発信タイミング
が制御され、これによりベローズ10の平面部10aに
対して検査位置に対応した所定の発受信位置から所定の
入射角で超音波132が入射される。
【0084】一方、ベローズ10の所定段部の減肉を検
査するときには、同様の方法により、ベローズ10の平
面部10aに対して検査位置に対応した所定の発受信位
置から略垂直に超音波132が発信され、このようにし
て発信された超音波132は前面板133およびナトリ
ウムを透過してベローズ10の平面部10a内に入射さ
れる。そして超音波132は、ベローズ10の平面部1
0aの内面および外面で反射して同じ圧電振動子134
で再度受信され、これによりベローズ10の平面部10
aの肉厚を計測することができる。
【0085】このように本発明の第2の実施の形態によ
れば、台車61によりベローズ10の下方までベローズ
用探触子68を移動させた後、ベローズ10の周方向に
ベローズ用探触子68を移動させるので、中間熱交換器
2が中間熱交換器容器1内に据え付けられた状態で中間
熱交換器2のベローズ10の欠陥および減肉を精度良く
検査することができる。
【0086】また本発明の第2の実施の形態によれば、
台車61に取り付けられた位置決め用腕部63をベロー
ズ10の内筒16に当接させることにより、ベローズ用
探触子68を支持する台車61をベローズ10の下方に
て正確に位置決めすることができる。また、下方にのみ
折れ曲がる梯子状のチェーン69を台車61に取り付け
ることにより、チェーン69のたるみを防止しつつ、チ
ェーン69の送り出しによりチェーン69の折れ曲がる
方向に沿って台車61をベローズ10の下方まで押し込
むことができるとともに、チェーン69の引き戻しによ
りチェーン69の折れ曲がる方向に沿って台車61をベ
ローズ10の下方から引き戻すことができ、このため台
車61をベローズ10の下方まで容易に移動させること
ができる。なお、梯子状のチェーン69の上下方向への
折れ曲がりだけでなく水平方向への移動も規制すること
により、目的とするベローズ10の下方まで台車61を
直線的に移動させることができる。さらに、超音波の反
射を利用してカメラ64によりナトリウム中の状況を監
視することにより、台車61の移動および位置決めを正
確に行うことができる。
【0087】さらに本発明の第2の実施の形態によれ
ば、複数の圧電振動子134の中から送受信の対象とな
る圧電振動子134を信号切替器135により選択し、
信号を時系列的に送受信することにより、ベローズ用探
触子68からの信号を外部に伝送するケーブルの物量を
抑えてベローズ検査装置60の移動機構部への負担を小
さくすることができる。また、高周波の信号を同軸ケー
ブル等で伝送する場合には、特に圧電振動子134が微
少サイズになると圧電振動子134の静電容量がケーブ
ルの静電容量と同程度となるため、本来のケーブルの信
号減衰以上に信号の減衰が大きくなるが、各圧電振動子
134との間で送受信される信号を信号増幅器136に
より増幅することにより、ケーブル等での信号伝送時に
生じる信号減衰を抑制してインピーダンス特性を改善す
ることができる。さらに、各圧電振動子134の表面に
接合された前面板133の厚さを超音波の波長に比べて
十分薄くすることにより、超音波の透過効率を改善して
前面板133による信号減衰およびパルス幅等の音響特
性の劣化を抑制することができる。
【0088】さらにまた本発明の第2の実施の形態によ
れば、中間熱交換器容器1に設けられた純化装置12を
取り外してできた挿入孔を介してベローズ検査装置60
を挿入することにより、検査対象となる中間熱交換器2
のベローズ10へのベローズ検査装置60のアクセスを
容易に行うことができる。
【0089】なお上述した第2の実施の形態において
は、中間熱交換器容器1の純化装置12を取り外してで
きた挿入孔からベローズ検査装置60を中間熱交換器容
器1の底部へ挿入しているが、中間熱交換器容器1に燃
料の破損状況を検出する放射性物質検出器、または中間
熱交換器容器1内のナトリウムの液面の位置を測定する
液位計が設けられている場合には、これら放射性物質検
出器または液位計を取り外してできた挿入孔からベロー
ズ検査装置60を挿入するようにしてもよい。
【0090】第3の実施の形態 次に、図11により、本発明による中間熱交換器の検査
装置およびその方法の第3の実施の形態について説明す
る。本発明の第3の実施の形態は、ベローズ検査装置の
位置決め機構および搬送機構が異なる点を除いて、他は
図7乃至図10に示す第2の実施の形態と略同一であ
る。本発明の第3の実施の形態において、図7乃至図1
0に示す第2の実施の形態と同一部分には同一符号を付
して詳細な説明は省略する。
【0091】図11に示すように、ベローズ検査装置6
0は、ベローズ10の欠陥および減肉を検査するベロー
ズ用探触子68と、ベローズ用探触子68を支持する伸
縮自在の探触子用支持棒62と、探触子用支持棒62に
支持されたベローズ用探触子68をベローズ10の近傍
まで移動させるとともにベローズ用探触子68をベロー
ズ10の周方向に移動させる台車61とを備えている。
【0092】ここでベローズ10の下端には、ベローズ
10のまわりに延びるガイド70と、超音波を反射する
反射板73とが取り付けられている。また台車61に
は、ガイド70を把持して台車61に支持されたベロー
ズ用探触子68の位置決めを行う伸縮自在のガイド用腕
部71と、反射板73による超音波の反射により位置を
検出する位置センサ72と、超音波の反射を利用してナ
トリウム中の状況を監視するカメラ64とが取り付けら
れている。
【0093】また台車61には、台車61の車輪61a
を駆動するモータ(図示せず)が取り付けられ、このモ
ータにはケーブル(電線)61bを介して電力が供給さ
れるようになっている。
【0094】次に、このような構成からなる本発明の第
3の実施の形態の作用について説明する。
【0095】図10および図11に示すように、中間熱
交換器容器1から純化装置12(図14参照)が引き抜
かれた後、ベローズ検査装置60用のキャスク90が設
置される。その後、キャスク90により中間熱交換器容
器1内のナトリウムが空気雰囲気と接触しないよう保た
れながらスタンドパイプ9を介してベローズ検査装置6
0が中間熱交換器容器1の底部へ挿入される。なお、中
間熱交換器容器1の底部には一次ナトリウムが満たされ
ているので、カメラ64によりナトリウム中の状況を監
視しながらベローズ検査装置60により検査が行われ
る。
【0096】このとき、ベローズ検査装置60の台車6
1は、ケーブル61bを介して供給された電力によりモ
ータを回転させて車輪61aを駆動することにより中間
熱交換器容器1の底部を自走し、ベローズ10の下方へ
移動する。そして、台車61がベローズ10の下方へ到
達した後、反射板73による反射を利用して位置センサ
72により台車61の把握し、ベローズ10の内筒16
の略下方に位置決めする。その後、ガイド用腕部71を
上昇させ、ガイド用腕部71とガイド70とを嵌合させ
ることにより台車61を正確に位置決めする。
【0097】その後、このようにして位置決めされた台
車61からベローズ用探触子68が先端に取り付けられ
た探触子用支持棒62を上昇させ、ベローズ10の外面
に存在する複数の段部のうちの所定段部(例えば最下段
の段部)まで探触子用支持棒62を移動させる。
【0098】そして、このようにして探触子用支持棒6
2をベローズ10の所定段部に移動させた後、ガイド用
腕部71によりガイド70が把持された状態でガイド7
0に沿って台車61をベローズ10の周方向に自走させ
ることにより、探触子用支持棒62に支持されたベロー
ズ用探触子68をベローズ10の周方向に回転させ、ベ
ローズ10の外面全周にわたってベローズ10の所定段
部の欠陥および減肉を検査する。このようにしてベロー
ズ10の一つの段部の検査が終了した後、探触子用支持
棒62をベローズ10の軸方向に伸縮させ、同様にして
ベローズ10の次の段部の欠陥および減肉を検査する。
そして、このような伸縮および回転を順次繰り返すこと
により、ベローズ10の全ての段部の欠陥および減肉を
検査することができる。なお、ベローズ10の所定段部
の欠陥および減肉を検査する方法としては上述した第2
の実施の形態と同様の方法を用いることができる。
【0099】このように本発明の第3の実施の形態によ
れば、上述した第2の実施の形態と同様に、台車61に
よりベローズ10の近傍までベローズ用探触子68を移
動させた後、ベローズ10の周方向にベローズ用探触子
68を移動させるので、中間熱交換器2が中間熱交換器
容器1内に据え付けられた状態で中間熱交換器2のベロ
ーズ10の欠陥および減肉を精度良く検査することがで
きる。
【0100】また本発明の第3の実施の形態によれば、
ベローズ10の下端に設けられたガイド70を台車61
に取り付けられたガイド用腕部71により把持すること
により、ベローズ用探触子68を支持する台車61をベ
ローズ10の下方にて正確に位置決めすることができ
る。また、台車61の車輪61aを駆動するモータにケ
ーブル61bを介して電力を供給することにより、中間
熱交換器容器1の底部にて台車61を自走させることが
でき、このため台車61をベローズの近傍まで容易に移
動させることができる。さらに、ベローズ10の下端に
設けられた反射板73による超音波の反射を利用して位
置センサ71により台車61の現在位置を把握したり、
超音波の反射を利用してカメラ64によりナトリウム中
の状況を監視したりすることにより、台車61の移動お
よび位置決めを正確に行うことができる。
【0101】さらに本発明の第3の実施の形態によれ
ば、上述した第2の実施の形態と同様に、ベローズ用探
触子68からの信号を外部に伝送するケーブルの物量を
抑えてベローズ検査装置60の移動機構部への負担を小
さくすることができ、またケーブル等での信号伝送時に
生じる信号減衰を抑制してインピーダンス特性を改善す
ることができ、さらに超音波の透過効率を改善して前面
板133による信号減衰およびパルス幅等の音響特性の
劣化を抑制することができる。
【0102】さらにまた本発明の第3の実施の形態によ
れば、上述した第2の実施の形態と同様に、検査対象と
なる中間熱交換器2のベローズ10へのベローズ検査装
置60のアクセスを容易に行うことができる。
【0103】第4の実施の形態 次に、図12および図13(a)(b)により、本発明
による中間熱交換器の検査装置およびその方法の第4の
実施の形態について説明する。本発明の第4の実施の形
態は、ベローズ検査装置の位置決め機構および搬送機構
が異なる点を除いて、他は図7乃至図10に示す第2の
実施の形態と略同一である。本発明の第4の実施の形態
において、図7乃至図10に示す第2の実施の形態と同
一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0104】図12に示すように、ベローズ検査装置6
0は、ベローズ10の欠陥または減肉を検査するベロー
ズ用探触子68と、中間熱交換器容器1の外側からベロ
ーズ10の近傍まで延びる第1レール81aと、第1レ
ール81aの終端部に連結されベローズ10のまわりに
延びる第2レール81bと、ベローズ用探触子68を支
持するとともにベローズ用探触子68を第1レール81
aおよび第2レール81bに沿って移動させる走行装置
80とを備えている。
【0105】ここで第1レール81aおよび第2レール
81bは隔壁8により支持され、第2レール81bはベ
ローズ10のまわりに螺旋状に延びている。また走行装
置80には、ベローズ用探触子68をベローズ10の軸
方向に移動させる軸方向移動装置(図示せず)が設けら
れている。
【0106】図13(a)(b)は図12に示す第1レ
ール81aおよび第2レール81bの構造を説明するた
めの図である。図13(a)に示すように、第2レール
81bが同一平面上に設置されている場合には、第2レ
ール81bの開始端部(走行装置80が実線で表された
位置)と終端部(走行装置80が仮想線で表された位置
82)とが周方向について異なる位置となり、ベローズ
10に対してベローズ用探触子68がアクセスできない
部位が生ずる。これに対し、図13(b)に示すよう
に、第2レール81bが螺旋状に設置されている場合に
は、第2レール81bの開始端部と終端部とを軸方向に
は異なるが周方向については同一位置に配置することが
でき、走行装置80に支持されたベローズ用探触子68
がアクセスできない部位をなくすことができる。なお、
第2レール81bを螺旋状に設置しない場合でも、走行
装置80にベローズ用探触子68を左右方向に移動させ
る機構を設けることによりベローズ用探触子68がアク
セスできない部位をなくすことができる。
【0107】次に、このような構成からなる本発明の第
4の実施の形態の作用について説明する。
【0108】図10および図12に示すように、中間熱
交換器容器1から純化装置12(図14参照)が引き抜
かれた後、ベローズ検査装置60用のキャスク90が設
置される。その後、キャスク90により中間熱交換器容
器1内のナトリウムが空気雰囲気と接触しないよう保た
れながらスタンドパイプ9を介して第1レール81aに
沿って走行装置80が移動する。
【0109】そして、走行装置80が第1レール81a
から第2レール81bに移行した後、ベローズ用探触子
68をベローズ10の外面に存在する複数の段部のうち
の所定段部(例えば最下段の段部)に位置決めする。
【0110】その後、第2レール81bに沿って開始端
部から終端部に向けてベローズ10の周方向に走行装置
80を移動させ、ベローズ10の外面全周にわたってベ
ローズ10の所定段部の欠陥および減肉を検査する。こ
のようにしてベローズ10の一つの段部の検査が終了し
た後、ベローズ用探触子68を走行装置80に設けられ
た軸方向移動装置によりベローズ10の軸方向(例えば
上方)に移動させ、同様にしてベローズ10の次の段部
の欠陥および減肉を検査する。そして、このような伸縮
および移動を順次繰り返すことにより、ベローズ10の
全ての段部の欠陥および減肉を検査することができる。
なお、ベローズ10の所定段部の欠陥および減肉を検査
する方法としては上述した第2の実施の形態と同様の方
法を用いることができる。
【0111】このように本発明の第4の実施の形態によ
れば、走行装置80に支持されたベローズ用探触子68
を中間熱交換器容器1の外側からベローズ10の近傍ま
で延びる第1レール81aに沿って移動させた後、走行
装置80をベローズ10のまわりに延びる第2レール8
1bに移行させてベローズ10の周方向にベローズ用探
触子68を移動させるので、中間熱交換器2が中間熱交
換器容器1内に据え付けられた状態で中間熱交換器2の
ベローズ10の欠陥または減肉を精度良く検査すること
ができる。
【0112】また本発明の第4の実施の形態によれば、
第2レール81bがベローズ10のまわりに螺旋状に延
びるようにすることにより、第2レール81bの開始端
部と終端部とを軸方向には異なるが周方向については同
一位置に配置することができ、このため走行装置80に
支持されたベローズ用探触子68がアクセスできない部
位をなくすことができる。また、走行装置80に取り付
けられた軸方向移動装置によりベローズ用探触子68を
ベローズ10の軸方向に移動させることにより、第2レ
ール81bをベローズ10のまわりに1周分設けるだけ
でベローズ10の外面全体について欠陥または減肉を検
査することができる。
【0113】さらに本発明の第4の実施の形態によれ
ば、上述した第2の実施の形態と同様に、ベローズ用探
触子68からの信号を外部に伝送するケーブルの物量を
抑えてベローズ検査装置60の移動機構部への負担を小
さくすることができ、またケーブル等での信号伝送時に
生じる信号減衰を抑制してインピーダンス特性を改善す
ることができ、さらに超音波の透過効率を改善して前面
板133による信号減衰およびパルス幅等の音響特性の
劣化を抑制することができる。
【0114】さらにまた本発明の第4の実施の形態によ
れば、上述した第2の実施の形態と同様に、検査対象と
なる中間熱交換器2のベローズ10へのベローズ検査装
置60のアクセスを容易に行うことができる。
【0115】なお上述した第4の実施の形態において
は、第1レール81aおよび第2レール81bを隔壁8
により支持しているが、第1レール81aおよび第2レ
ール81bを中間熱交換器容器1または中間熱交換器2
により支持するようにしてもよい。
【0116】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、中
間熱交換器の引き抜きや、中間熱交換器内のナトリウム
のドレーン等を行うことなく、中間熱交換器が中間熱交
換器容器内に据え付けられた状態で中間熱交換器の伝熱
管およびベローズの欠陥または減肉を精度良く検査する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による中間熱交換器の検査装置およびそ
の方法の第1の実施の形態を説明するための概略断面
図。
【図2】図1に示す中間熱交換器の検査装置の詳細を示
す斜視図。
【図3】図2に示す送り機構の詳細を示す断面図。
【図4】図2に示す移動装置の脚部の詳細を示す断面
図。
【図5】図2に示す伝熱管用探触子の詳細を示す図。
【図6】図2に示す伝熱管用探触子を説明するためのブ
ロック図。
【図7】本発明による中間熱交換器の検査装置およびそ
の方法の第2の実施の形態を説明するための概略断面
図。
【図8】図7に示す中間熱交換器の検査装置のチェーン
の構造を説明するための図。
【図9】図7に示す中間熱交換器の検査装置のベローズ
用探触子の詳細を示す図。
【図10】図7に示す中間熱交換器の検査装置の挿入方
法の一例を説明するための図。
【図11】本発明による中間熱交換器の検査装置および
その方法の第3の実施の形態を説明するための概略断面
図。
【図12】本発明による中間熱交換器の検査装置および
その方法の第4の実施の形態を説明するための概略断面
図。
【図13】図12に示す中間熱交換器の検査装置のレー
ルの構造を説明するための図。
【図14】ループ型高速炉の中間熱交換器容器を示す概
略断面図。
【符号の説明】
1 中間熱交換器容器 2 中間熱交換器 3 デッキ 4 伝熱管 5 本体胴 6 高温プレナム 7 低温プレナム 8 隔壁 9 スタンドパイプ 10 ベローズ 11 ホットレグ配管(逆U字配管) 12 純化装置 13 二次入口配管 14 二次出口配管 15 上部鏡 16 内筒 17 管板 21 挿入孔 22 カメラ 23 照明装置 24 ナトリウム液面 31 伝熱管検査装置 32 伝熱管用探触子 33 挿入管 34 送り機構 35 ケーブル(電線) 36 伸縮ロッド 37 移動装置 38a,38b 移動部 39a,39a 直動軸 39b,39c 回転軸 40 グリッパ 41 開口部 42 ギア 43 送り機構駆動モータ 44 圧力出入口 45 シリンダ 46 ピストン 47 ベローズ 48 ばね 49 グリッパ用アクチュエータ 50 伸縮ロッド用アクチュエータ 60 ベローズ検査装置 61 台車 61a 車輪 61b ケーブル(電線) 62 探触子用支持棒 63 位置決め用腕部 63a 位置決め用支持棒 63b,63b 当接棒 64 ナトリウム中カメラ 65 検査装置挿入ガイド 66 チェーン板 66a 切欠部 66b 突起部 67 ピン 68 ベローズ用探触子 69 チェーン 70 ガイド 71 ガイド用腕部 72 位置センサ 73 反射板 80 走行装置 81a 第1レール 81b 第2レール 82 走行装置の終端位置 90 キャスク 101 ナトリウム 102,132 超音波 103,133 前面板(金属薄膜) 104,134 圧電振動子 105,135 信号切替器 106,136 信号増幅器(送受信器) 107 探傷検査用探触子 108 減肉検査用探触子 109 探触子切替器 110,140 欠陥
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G21C 17/003 G21C 17/00 F GDF GDFG (72)発明者 佐 藤 勝 彦 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】管板上面に開口部を有する伝熱管の内外に
    異なる温度のナトリウムを流して熱交換を行う中間熱交
    換器の検査装置において、 前記伝熱管の欠陥または減肉を検査する伝熱管用探触子
    と、 前記伝熱管用探触子を支持するとともに前記伝熱管用探
    触子に接続された電線を収容する挿入管と、 前記挿入管に支持された前記伝熱管用探触子を前記管板
    上面の前記開口部から前記伝熱管内に送り込む送り機構
    と、 前記送り機構を支持するとともに前記挿入管に支持され
    た前記伝熱管用探触子を前記管板上面の前記開口部まで
    移動させる移動装置とを備えたことを特徴とする中間熱
    交換器の検査装置。
  2. 【請求項2】前記中間熱交換器には前記管板上面に開口
    部を有する複数の伝熱管が設けられ、前記移動装置は前
    記各伝熱管の開口部の配列規則に基づいて現在位置およ
    び次に移動すべき位置を特定することを特徴とする請求
    項1記載の中間熱交換器の検査装置。
  3. 【請求項3】前記管板上面を監視するカメラをさらに備
    えたことを特徴とする請求項1記載の中間熱交換器の検
    査装置。
  4. 【請求項4】前記中間熱交換器は前記管板上面の上方部
    分に挿入孔が設けられた中間熱交換器容器に格納され、
    前記中間熱交換器容器の前記挿入孔を介して検査対象と
    なる前記中間熱交換器の前記伝熱管にアクセスすること
    を特徴とする請求項1記載の中間熱交換器の検査装置。
  5. 【請求項5】前記伝熱管用探触子は筒状の支持材の表面
    に接合された複数の圧電振動子と、前記各圧電振動子の
    表面に接合された金属薄膜とを有し、前記各圧電振動子
    には前記複数の圧電振動子の中から送受信の対象となる
    圧電振動子を選択する信号切替回路と、前記各圧電振動
    子との間で送受信される信号を増幅する信号増幅器とが
    接続されていることを特徴とする請求項1記載の中間熱
    交換器の検査装置。
  6. 【請求項6】本体胴内に設けられた伝熱管の内外に異な
    る温度のナトリウムを流して熱交換を行う中間熱交換器
    の検査装置において、 前記本体胴と前記伝熱管との熱膨張差を吸収するベロー
    ズの欠陥または減肉を検査するベローズ用探触子と、 前記ベローズ用探触子を支持する伸縮自在の支持棒と、 前記支持棒に支持された前記ベローズ用探触子を前記ベ
    ローズの近傍まで移動させるとともに前記ベローズ用探
    触子を前記ベローズの周方向に移動させる台車とを備え
    たことを特徴とする中間熱交換器の検査装置。
  7. 【請求項7】前記台車に取り付けられ前記ベローズの内
    面に当接して前記台車に支持された前記ベローズ用探触
    子の位置決めを行う位置決め用腕部をさらに備えたこと
    を特徴とする請求項6記載の中間熱交換器の検査装置。
  8. 【請求項8】前記ベローズの下端に設けられ前記ベロー
    ズのまわりに延びるガイドと、前記台車に取り付けられ
    前記ガイドを把持して前記台車に支持された前記ベロー
    ズ用探触子の位置決めを行うガイド用腕部とをさらに備
    えたことを特徴とする請求項6記載の中間熱交換器の検
    査装置。
  9. 【請求項9】前記台車に取り付けられ前記台車を押し引
    きするための所定方向にのみ湾曲する梯子状のチェーン
    をさらに備えたことを特徴とする請求項6記載の中間熱
    交換器の検査装置。
  10. 【請求項10】前記台車に取り付けられ前記台車の車輪
    を駆動するモータと、前記モータに電力を供給する電線
    とをさらに備えたことを特徴とする請求項6記載の中間
    熱交換器の検査装置。
  11. 【請求項11】前記台車に取り付けられ超音波の反射を
    利用してナトリウム中の状況を監視するカメラをさらに
    備えたことを特徴とする請求項6記載の中間熱交換器の
    検査装置。
  12. 【請求項12】前記ベローズの下端に設けられ超音波を
    反射する反射板と、前記台車に取り付けられ前記反射板
    による超音波の反射により位置を検出する位置センサと
    をさらに備えたことを特徴とする請求項6記載の中間熱
    交換器の検査装置。
  13. 【請求項13】本体胴内に設けられた伝熱管の内外に異
    なる温度のナトリウムを流して熱交換を行う中間熱交換
    器の検査装置において、 前記本体胴と前記伝熱管との熱膨張差を吸収するベロー
    ズの欠陥または減肉を検査するベローズ用探触子と、 中間熱交換器容器の外側から前記ベローズの近傍まで延
    びる第1レールと、 前記第1レールの終端部に連結され前記ベローズのまわ
    りに延びる第2レールと、 前記ベローズ用探触子を支持するとともに前記ベローズ
    用探触子を前記第1レールおよび前記第2レールに沿っ
    て移動させる走行装置とを備えたことを特徴とする中間
    熱交換器の検査装置。
  14. 【請求項14】前記第2レールは前記ベローズのまわり
    に螺旋状に延びることを特徴とする請求項13記載の中
    間熱交換器の検査装置。
  15. 【請求項15】前記走行装置に取り付けられ前記ベロー
    ズ用探触子を前記ベローズの軸方向に移動させる軸方向
    移動装置をさらに備えたことを特徴とする請求項13記
    載の中間熱交換器の検査装置。
  16. 【請求項16】前記ベローズ用探触子は平板状の支持材
    の表面に接合された複数の圧電振動子と、前記各圧電振
    動子の表面に接合された金属薄膜とを有し、前記各圧電
    振動子には前記複数の圧電振動子の中から送受信の対象
    となる圧電振動子を選択する信号切替回路と、前記各圧
    電振動子との間で送受信される信号を増幅する信号増幅
    器とが接続されていることを特徴とする請求項6または
    13記載の中間熱交換器の検査装置。
  17. 【請求項17】前記中間熱交換器はナトリウムの純化を
    行う純化装置、燃料の破損状況を検出する放射性物質検
    出器、または中間熱交換器容器内の液面の位置を測定す
    る液位計が設けられた中間熱交換器容器に格納され、前
    記中間熱交換器容器の前記純化装置、前記放射性物質検
    出器または前記液位計を取り外してできた挿入孔を介し
    て検査対象となる前記中間熱交換器の前記ベローズにア
    クセスすることを特徴とする請求項6または13記載の
    中間熱交換器の検査装置。
  18. 【請求項18】管板上面に開口部を有する複数の伝熱管
    の内外に異なる温度のナトリウムを流して熱交換を行う
    中間熱交換器の検査方法において、 伝熱管用探触子を有する検査装置を前記管板上面に配置
    する工程と、 前記管板上面における前記各伝熱管の開口部の配列規則
    を利用して前記検査装置を移動させる工程と、 前記伝熱管用探触子を前記各伝熱管内に挿入して前記各
    伝熱管の欠陥または減肉を検査する工程とを含むことを
    特徴とする中間熱交換器の検査方法。
  19. 【請求項19】ナトリウムの液面を前記管板上面よりも
    下方に降下させる工程をさらに含み、 前記管板上面をカメラにより監視しながら前記各伝熱管
    の欠陥または減肉を検査することを特徴とする請求項1
    8記載の中間熱交換器の検査方法。
  20. 【請求項20】本体胴内に設けられた伝熱管の内外に異
    なる温度のナトリウムを流して熱交換を行う中間熱交換
    器の検査方法において、 ベローズ用探触子を有する検査装置を前記本体胴と前記
    伝熱管との熱膨張差を吸収するベローズの近傍に配置す
    る工程と、 前記ベローズの近傍にて前記検査装置の位置決めを行う
    工程と、 前記ベローズの周方向に前記検査装置を移動させながら
    前記ベローズ用探触子により前記ベローズの欠陥または
    減肉を検査する工程とを含むことを特徴とする中間熱交
    換器の検査方法。
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