JPH11174017A - 微生物電極及び微生物センサ - Google Patents
微生物電極及び微生物センサInfo
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- JPH11174017A JPH11174017A JP9337481A JP33748197A JPH11174017A JP H11174017 A JPH11174017 A JP H11174017A JP 9337481 A JP9337481 A JP 9337481A JP 33748197 A JP33748197 A JP 33748197A JP H11174017 A JPH11174017 A JP H11174017A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 応答性、安定性、再現性、耐久性に優れた使
い捨て型の微生物電極および微生物センサを提供する。 【解決手段】 微生物電極を平板状絶縁基板と、前記基
板の表面に固着され第1の非絶縁部および第2の非絶縁
部を残して絶縁被覆された導体(第1)と、前記導体の
第1の非絶縁部の全部を覆って前記基板に固着された親
水性多孔質膜とを備え、前記基板と親水性多孔質膜との
間に微生物が前記第1の非絶縁部に接触可能に封入さ
れ、前記親水性多孔質膜は前記微生物を実質的に透過し
ない構成とする。また、微生物センサを、前記微生物電
極と、この電極の平板状絶縁基板の表面に前記第1の導
体と互いに接触しないように固着され、第1の非絶縁部
および第2の非絶縁部を残して絶縁被覆された対極とし
ての第2の導体と、を備えた構成とする。
い捨て型の微生物電極および微生物センサを提供する。 【解決手段】 微生物電極を平板状絶縁基板と、前記基
板の表面に固着され第1の非絶縁部および第2の非絶縁
部を残して絶縁被覆された導体(第1)と、前記導体の
第1の非絶縁部の全部を覆って前記基板に固着された親
水性多孔質膜とを備え、前記基板と親水性多孔質膜との
間に微生物が前記第1の非絶縁部に接触可能に封入さ
れ、前記親水性多孔質膜は前記微生物を実質的に透過し
ない構成とする。また、微生物センサを、前記微生物電
極と、この電極の平板状絶縁基板の表面に前記第1の導
体と互いに接触しないように固着され、第1の非絶縁部
および第2の非絶縁部を残して絶縁被覆された対極とし
ての第2の導体と、を備えた構成とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微生物電極および
微生物センサに関し、詳しくは、応答性、安定性、再現
性、耐久性に優れた使い捨て型の微生物電極および微生
物センサに関する。
微生物センサに関し、詳しくは、応答性、安定性、再現
性、耐久性に優れた使い捨て型の微生物電極および微生
物センサに関する。
【0002】
【従来の技術】現在、微生物を利用した微生物センサ
は、環境、食品検査、医療診断分野等に広く利用されて
いる。従来の酸素電極を利用した微生物センサにおいて
は、微生物を固定化する方法として、アセチルセルロー
ス膜等の親水性多孔質膜、および前記多孔質膜と高分子
ゲル化材との組合せが用いられていることが多い。この
様な微生物固定化膜を有する酸素電極を用いた微生物セ
ンサは、連続的または長期間使用が原則であるが、前記
電極は高価である等の理由から使い捨て電極とは考えら
れていないために、電極のメンテナンスが必要であっ
た。
は、環境、食品検査、医療診断分野等に広く利用されて
いる。従来の酸素電極を利用した微生物センサにおいて
は、微生物を固定化する方法として、アセチルセルロー
ス膜等の親水性多孔質膜、および前記多孔質膜と高分子
ゲル化材との組合せが用いられていることが多い。この
様な微生物固定化膜を有する酸素電極を用いた微生物セ
ンサは、連続的または長期間使用が原則であるが、前記
電極は高価である等の理由から使い捨て電極とは考えら
れていないために、電極のメンテナンスが必要であっ
た。
【0003】一方、上記電極のメンテナンスの煩わしさ
からユーザーを解放するために、低コストの使い捨てタ
イプの電極が実用化されている。このタイプの電極で
は、酵素あるいは微生物が、高分子ゲル化材等によって
平板電極上に固定化されて用いられているものが多い。
この様な平板状電極においては、主として固定化酵素が
用いられるが、電極材料としてカーボンペーストや銀ペ
ースト等を平板上にスクリーン印刷法などによって大量
に印刷可能なために、低コスト化・使い捨て化が実現さ
れている。
からユーザーを解放するために、低コストの使い捨てタ
イプの電極が実用化されている。このタイプの電極で
は、酵素あるいは微生物が、高分子ゲル化材等によって
平板電極上に固定化されて用いられているものが多い。
この様な平板状電極においては、主として固定化酵素が
用いられるが、電極材料としてカーボンペーストや銀ペ
ースト等を平板上にスクリーン印刷法などによって大量
に印刷可能なために、低コスト化・使い捨て化が実現さ
れている。
【0004】しかし、使い捨て型電極において微生物あ
るいは酵素を固定化する際に、上記のように高分子ゲル
化材等を用いた場合には、特に微生物をこの様にして固
定化した場合には、固定化膜の厚さや反応液の膜透過性
などが均一になるように制御することが困難であり、反
応速度や再現性等の実用性の点で問題があった。
るいは酵素を固定化する際に、上記のように高分子ゲル
化材等を用いた場合には、特に微生物をこの様にして固
定化した場合には、固定化膜の厚さや反応液の膜透過性
などが均一になるように制御することが困難であり、反
応速度や再現性等の実用性の点で問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記観点から
なされたものであり、応答性、安定性、再現性、耐久性
に優れた使い捨て型の微生物電極および微生物センサを
提供することを課題とする。
なされたものであり、応答性、安定性、再現性、耐久性
に優れた使い捨て型の微生物電極および微生物センサを
提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために、微生物電極または微生物センサを以下
の構成とした。
解決するために、微生物電極または微生物センサを以下
の構成とした。
【0007】すなわち本発明は、平板状絶縁基板と、前
記基板の表面に固着され第1の非絶縁部および第2の非
絶縁部を残して絶縁被覆された導体(第1)と、前記導
体の第1の非絶縁部の全部を覆って前記基板に固着され
た親水性多孔質膜とを備え、前記基板と親水性多孔質膜
との間に微生物が前記第1の非絶縁部に接触可能に封入
された微生物電極であって、前記親水性多孔質膜は前記
微生物を実質的に透過しない微生物電極である。
記基板の表面に固着され第1の非絶縁部および第2の非
絶縁部を残して絶縁被覆された導体(第1)と、前記導
体の第1の非絶縁部の全部を覆って前記基板に固着され
た親水性多孔質膜とを備え、前記基板と親水性多孔質膜
との間に微生物が前記第1の非絶縁部に接触可能に封入
された微生物電極であって、前記親水性多孔質膜は前記
微生物を実質的に透過しない微生物電極である。
【0008】この様な本発明の微生物電極は対極と共に
用いて、または対極及び参照電極と共に用いて、各種溶
液中の物質濃度を測定する微生物センサとすることがで
きる。
用いて、または対極及び参照電極と共に用いて、各種溶
液中の物質濃度を測定する微生物センサとすることがで
きる。
【0009】微生物を有機化合物を含む試料溶液に存在
させると、微生物は有機化合物をエネルギー獲得のため
に代謝する。その過程において、呼吸鎖の電子伝達系に
電子の移動が起こる。また、微生物のなかには無機化合
物をエネルギー獲得のために代謝するものもあり、その
際にも電子の移動が起こる。
させると、微生物は有機化合物をエネルギー獲得のため
に代謝する。その過程において、呼吸鎖の電子伝達系に
電子の移動が起こる。また、微生物のなかには無機化合
物をエネルギー獲得のために代謝するものもあり、その
際にも電子の移動が起こる。
【0010】この際、代謝される物質濃度と移動する電
子の量には相関がある。従って、この移動する電子の量
を測定することによって微生物のまわりの物質濃度を測
定することができる。この電子の移動量を直接計測する
ことは困難であるので、本発明においては、上記構成を
有する微生物電極を対極と共に、または対極及び参照電
極と共に、試料溶液に浸漬し、作用電極である微生物電
極と対極もしくは参照電極との間に、電子が移動しやす
いように一定の電位差を負荷し、両電極間に流れる電流
を計測することにより、試料溶液中の試料濃度を測定す
ることとした。
子の量には相関がある。従って、この移動する電子の量
を測定することによって微生物のまわりの物質濃度を測
定することができる。この電子の移動量を直接計測する
ことは困難であるので、本発明においては、上記構成を
有する微生物電極を対極と共に、または対極及び参照電
極と共に、試料溶液に浸漬し、作用電極である微生物電
極と対極もしくは参照電極との間に、電子が移動しやす
いように一定の電位差を負荷し、両電極間に流れる電流
を計測することにより、試料溶液中の試料濃度を測定す
ることとした。
【0011】ここで本発明の微生物電極を使用する際に
微生物電極は、上記親水性多孔質膜で被覆された導体の
第1の非絶縁部の全体が試料溶液中に浸漬されるが、導
体の第2の非絶縁部は試料溶液には浸漬されない。本発
明の微生物電極においては、上記導体の第1の非絶縁部
が微生物との電子の授受の場として用いられ、第2の非
絶縁部が上記電位差を負荷する機器や、両電極間に流れ
る電流を計測する機器に接続するための接点として用い
られるためである。
微生物電極は、上記親水性多孔質膜で被覆された導体の
第1の非絶縁部の全体が試料溶液中に浸漬されるが、導
体の第2の非絶縁部は試料溶液には浸漬されない。本発
明の微生物電極においては、上記導体の第1の非絶縁部
が微生物との電子の授受の場として用いられ、第2の非
絶縁部が上記電位差を負荷する機器や、両電極間に流れ
る電流を計測する機器に接続するための接点として用い
られるためである。
【0012】また、本発明の微生物電極においては、上
記構成に加えて、さらに、前記基板と親水性多孔質膜と
の間に、前記第1の非絶縁部に対応する部分と少なくと
も一部が重なる開口部(第1)を有するスペーサーを備
え、前記微生物がスペーサー開口部の内壁と前記基板と
親水性多孔質膜とで囲まれた空間に前記第1の非絶縁部
に接触可能に封入されていることが好ましい。
記構成に加えて、さらに、前記基板と親水性多孔質膜と
の間に、前記第1の非絶縁部に対応する部分と少なくと
も一部が重なる開口部(第1)を有するスペーサーを備
え、前記微生物がスペーサー開口部の内壁と前記基板と
親水性多孔質膜とで囲まれた空間に前記第1の非絶縁部
に接触可能に封入されていることが好ましい。
【0013】本発明の微生物電極においては、微生物が
含まれる部位、具体的には、前記基板と親水性多孔質膜
との間あるいは、微生物電極がスペーサーを備える場合
には、スペーサー開口部の内壁と前記基板と親水性多孔
質膜とで囲まれた空間に界面活性剤を含むことが好まし
い。試料溶液中の試料濃度を測定するために本発明の微
生物電極を試料溶液に浸漬すると、試料溶液は親水性多
孔質膜を透過して上記微生物が含まれる部位に浸透し、
親水性多孔質膜内および微生物が含まれる部位に存在し
ていた空気は追い出されるが、上記の様に微生物が含ま
れる部位に界面活性剤を存在させておくと空気の排出が
スムーズに行われる様になる。
含まれる部位、具体的には、前記基板と親水性多孔質膜
との間あるいは、微生物電極がスペーサーを備える場合
には、スペーサー開口部の内壁と前記基板と親水性多孔
質膜とで囲まれた空間に界面活性剤を含むことが好まし
い。試料溶液中の試料濃度を測定するために本発明の微
生物電極を試料溶液に浸漬すると、試料溶液は親水性多
孔質膜を透過して上記微生物が含まれる部位に浸透し、
親水性多孔質膜内および微生物が含まれる部位に存在し
ていた空気は追い出されるが、上記の様に微生物が含ま
れる部位に界面活性剤を存在させておくと空気の排出が
スムーズに行われる様になる。
【0014】また、スペーサーを備える本発明の微生物
電極においては、上記と同様に空気抜きを容易にする目
的で、前記スペーサーが、前記開口部から外部に通じる
空気孔を少なくとも1個有することが好ましい。
電極においては、上記と同様に空気抜きを容易にする目
的で、前記スペーサーが、前記開口部から外部に通じる
空気孔を少なくとも1個有することが好ましい。
【0015】上記の様に本発明の微生物電極と対極及び
必要に応じて参照電極とを別体とした微生物センサを作
製してもよいが、本発明ではさらに、微生物センサをよ
り小型化するために、あるいは測定をより簡便化するた
めに、微生物電極と対極とを一体化して以下の構成とし
た。
必要に応じて参照電極とを別体とした微生物センサを作
製してもよいが、本発明ではさらに、微生物センサをよ
り小型化するために、あるいは測定をより簡便化するた
めに、微生物電極と対極とを一体化して以下の構成とし
た。
【0016】すなわち本発明の微生物センサは、上記本
発明の微生物電極と、この電極の平板状絶縁基板の表面
に前記第1の導体と互いに接触しないように固着され、
第1の非絶縁部および第2の非絶縁部を残して絶縁被覆
された対極としての第2の導体と、を備えた微生物セン
サである。
発明の微生物電極と、この電極の平板状絶縁基板の表面
に前記第1の導体と互いに接触しないように固着され、
第1の非絶縁部および第2の非絶縁部を残して絶縁被覆
された対極としての第2の導体と、を備えた微生物セン
サである。
【0017】この様な本発明の微生物センサを用いて試
料溶液中の試料濃度を測定する際には、上記本発明の微
生物電極と同様、前記第1の導体の第1の非絶縁部は試
料溶液に浸漬されるが、第1の導体の第2の非絶縁部は
試料溶液には浸漬されない。また、前記第2の導体の第
1の非絶縁部は試料溶液に浸漬されるが、第2の導体の
第2の非絶縁部は試料溶液には浸漬されない。本発明の
微生物センサにおいて、第1の導体の第2の非絶縁部お
よび第2の導体の第2の非絶縁部は、試料溶液の試料濃
度を測定する際に、電位差を負荷する機器や、両電極間
に流れる電流を計測する機器に接続される。
料溶液中の試料濃度を測定する際には、上記本発明の微
生物電極と同様、前記第1の導体の第1の非絶縁部は試
料溶液に浸漬されるが、第1の導体の第2の非絶縁部は
試料溶液には浸漬されない。また、前記第2の導体の第
1の非絶縁部は試料溶液に浸漬されるが、第2の導体の
第2の非絶縁部は試料溶液には浸漬されない。本発明の
微生物センサにおいて、第1の導体の第2の非絶縁部お
よび第2の導体の第2の非絶縁部は、試料溶液の試料濃
度を測定する際に、電位差を負荷する機器や、両電極間
に流れる電流を計測する機器に接続される。
【0018】また、本発明の微生物センサにおいて、第
2の導体の第1の非絶縁部は、第1の導体の第1の非絶
縁部と同程度の面積とすることが好ましい。本発明の微
生物センサにおいて、対極として働く上記第2の導体
は、上記基板表面に上記第1の導体と互いに接触しない
ように固着されるが、前記第1の導体と第2の導体は、
同一平面上にあることが好ましい。その場合の具体的な
構成として、前記第1の導体と第2の導体が略平行に平
板状絶縁基板の同一平面上に固着され、前記親水性多孔
質膜は第1の導体の第1の非絶縁部の全部および第2の
導体の第1の非絶縁部の全部を覆って前記基板に固着さ
れた構成を挙げることができる。なお、この場合には、
平板状絶縁基板への親水性多孔質膜の固着は、前記第1
の導体の第1の非絶縁部と第2の導体の第1の非絶縁部
とを分断するように両者の中間部分と外周全部を固着す
る方法で行われてもよいし、両者が分断されないように
外周部分のみの固着する方法で行われてもよい。
2の導体の第1の非絶縁部は、第1の導体の第1の非絶
縁部と同程度の面積とすることが好ましい。本発明の微
生物センサにおいて、対極として働く上記第2の導体
は、上記基板表面に上記第1の導体と互いに接触しない
ように固着されるが、前記第1の導体と第2の導体は、
同一平面上にあることが好ましい。その場合の具体的な
構成として、前記第1の導体と第2の導体が略平行に平
板状絶縁基板の同一平面上に固着され、前記親水性多孔
質膜は第1の導体の第1の非絶縁部の全部および第2の
導体の第1の非絶縁部の全部を覆って前記基板に固着さ
れた構成を挙げることができる。なお、この場合には、
平板状絶縁基板への親水性多孔質膜の固着は、前記第1
の導体の第1の非絶縁部と第2の導体の第1の非絶縁部
とを分断するように両者の中間部分と外周全部を固着す
る方法で行われてもよいし、両者が分断されないように
外周部分のみの固着する方法で行われてもよい。
【0019】また、上記本発明の微生物電極がスペーサ
ーを備える場合には、微生物センサを、例えば、前記第
1の導体と第2の導体が略平行に平板状絶縁基板の同一
平面上に固着され、前記親水性多孔質膜は第1の導体の
第1の非絶縁部の全部および第2の導体の第1の非絶縁
部の全部を覆って前記基板に固着され、前記スペーサー
における第1の開口部は前記第2の導体の第1の非絶縁
部に対応する部分と重なることなく設けられ、さらに必
要に応じて、前記スペーサーが、前記第1の開口部とは
独立して、前記第2の導体の第1の非絶縁部に対応する
部分と少なくとも一部が重なる第2の開口部を有すると
ともに、前記第2の開口部から外部に通じる空気孔を少
なくとも1個有してもよい、構成とすることができる。
ーを備える場合には、微生物センサを、例えば、前記第
1の導体と第2の導体が略平行に平板状絶縁基板の同一
平面上に固着され、前記親水性多孔質膜は第1の導体の
第1の非絶縁部の全部および第2の導体の第1の非絶縁
部の全部を覆って前記基板に固着され、前記スペーサー
における第1の開口部は前記第2の導体の第1の非絶縁
部に対応する部分と重なることなく設けられ、さらに必
要に応じて、前記スペーサーが、前記第1の開口部とは
独立して、前記第2の導体の第1の非絶縁部に対応する
部分と少なくとも一部が重なる第2の開口部を有すると
ともに、前記第2の開口部から外部に通じる空気孔を少
なくとも1個有してもよい、構成とすることができる。
【0020】上記必要に応じてスペーサーに設けられる
第2の開口部に関しては、スペーサーが疎水性素材で形
成される場合に特に、設置が望まれる。この様にスペー
サーに第2の開口部が設けられる場合には、スペーサー
は前記第1の開口部から外部に通じる空気孔と同様に、
前記第2の開口部から外部に通じる空気孔を少なくとも
1個有することが好ましい。
第2の開口部に関しては、スペーサーが疎水性素材で形
成される場合に特に、設置が望まれる。この様にスペー
サーに第2の開口部が設けられる場合には、スペーサー
は前記第1の開口部から外部に通じる空気孔と同様に、
前記第2の開口部から外部に通じる空気孔を少なくとも
1個有することが好ましい。
【0021】さらに空気抜きに関して、上記第2の開口
部を有するスペーサーを備える様な本発明の微生物セン
サにおいては、前記第2の開口部に対応する部分の親水
性多孔質膜の絶縁基板に対向する表面に界面活性剤を塗
布することが好ましい。
部を有するスペーサーを備える様な本発明の微生物セン
サにおいては、前記第2の開口部に対応する部分の親水
性多孔質膜の絶縁基板に対向する表面に界面活性剤を塗
布することが好ましい。
【0022】本発明の微生物センサにおいては、さらに
参照電極を構成の一部に取り入れることも可能であり、
例えば、平板状絶縁基板の表面に、上記第1の導体(作
用電極)および第2の導体(対極)に加えて、前記作用
電極および対極と互いに接触しないようにして第3の導
体(参照電極)を設けることで、3極(作用電極、対
極、参照電極)一体型の微生物センサとすることができ
る。
参照電極を構成の一部に取り入れることも可能であり、
例えば、平板状絶縁基板の表面に、上記第1の導体(作
用電極)および第2の導体(対極)に加えて、前記作用
電極および対極と互いに接触しないようにして第3の導
体(参照電極)を設けることで、3極(作用電極、対
極、参照電極)一体型の微生物センサとすることができ
る。
【0023】本発明は、上記の様に平板状に構成された
微生物電極あるいは微生物センサを提供するものであ
り、これにより電極材料、特に、Au、Ag、Pt、カ
ーボン等のペースト材等をスクリーン印刷法などによっ
て大量に印刷することが可能となる等、微生物電極ある
いは微生物センサの低コスト化・使い捨て化に貢献し得
るものである。また、本発明の微生物電極あるいは微生
物センサにおいては、微生物が親水性高分子膜と基板の
間に完全に封入されているので、微生物をさらに他の方
法で固定化する必要がないことから、応答性、安定性に
優れると共に、再現性や耐久性にも優れるものである。
微生物電極あるいは微生物センサを提供するものであ
り、これにより電極材料、特に、Au、Ag、Pt、カ
ーボン等のペースト材等をスクリーン印刷法などによっ
て大量に印刷することが可能となる等、微生物電極ある
いは微生物センサの低コスト化・使い捨て化に貢献し得
るものである。また、本発明の微生物電極あるいは微生
物センサにおいては、微生物が親水性高分子膜と基板の
間に完全に封入されているので、微生物をさらに他の方
法で固定化する必要がないことから、応答性、安定性に
優れると共に、再現性や耐久性にも優れるものである。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的に説明す
る。まず、本発明の微生物電極について、その第1の実
施の形態を図1および図2の図面に基いて、次いで、そ
の第2の実施の形態を図3から図5の図面に基いて、説
明する。
る。まず、本発明の微生物電極について、その第1の実
施の形態を図1および図2の図面に基いて、次いで、そ
の第2の実施の形態を図3から図5の図面に基いて、説
明する。
【0025】(1)本発明の微生物電極 (a)本発明の微生物電極における第1の実施の形態 図1および図2は、本発明の微生物電極の第1の実施の
形態を示す図であり、図1はその正面図、図2は正面図
のX−X’線における断面図である。
形態を示す図であり、図1はその正面図、図2は正面図
のX−X’線における断面図である。
【0026】微生物電極1は、平板状絶縁基板2と、前
記基板の表面に固着され第1の非絶縁部3aおよび第2
の非絶縁部3bを残して絶縁性被覆材4によって絶縁被
覆された導体(第1)3と、前記第1の導体3の第1の
非絶縁部3aの全部を覆って前記基板に固着された親水
性多孔質膜5とを備える。また、微生物電極1において
は微生物6が、前記基板2と親水性多孔質膜5との間
に、前記第1の非絶縁部3aに接触可能に封入されてい
る。さらに、微生物電極1において、親水性多孔質膜5
は微生物6を実質的に透過しないような孔径の細孔を有
するものである。
記基板の表面に固着され第1の非絶縁部3aおよび第2
の非絶縁部3bを残して絶縁性被覆材4によって絶縁被
覆された導体(第1)3と、前記第1の導体3の第1の
非絶縁部3aの全部を覆って前記基板に固着された親水
性多孔質膜5とを備える。また、微生物電極1において
は微生物6が、前記基板2と親水性多孔質膜5との間
に、前記第1の非絶縁部3aに接触可能に封入されてい
る。さらに、微生物電極1において、親水性多孔質膜5
は微生物6を実質的に透過しないような孔径の細孔を有
するものである。
【0027】上記微生物6としては、有機物または無機
物を代謝することにより電子伝達系に電子の移動が起こ
るものであればよく、特に制限されない。前核微生物及
び真核微生物のいずれも使用できるが、真核生物細胞内
では呼吸鎖の電子伝達がミトコンドリア内で行われるた
め、作用電極としての上記第1の導体3に移動する電子
の量が電流として検出されにくいので、物質濃度測定感
度の点では前核微生物が好ましい。
物を代謝することにより電子伝達系に電子の移動が起こ
るものであればよく、特に制限されない。前核微生物及
び真核微生物のいずれも使用できるが、真核生物細胞内
では呼吸鎖の電子伝達がミトコンドリア内で行われるた
め、作用電極としての上記第1の導体3に移動する電子
の量が電流として検出されにくいので、物質濃度測定感
度の点では前核微生物が好ましい。
【0028】ここで、上記の様な本発明の微生物電極を
用いて試料溶液中の試料濃度を測定する場合、濃度測定
しようとする物質を代謝することが可能な微生物を適宜
選択して用いることが好ましい。また、試料溶液中に様
々な物質が溶解していてその内のある物質の濃度を測定
したい場合には、測定したい物質を代謝できる微生物を
用いて微生物電極を作製すればよい。測定対象物質と微
生物の組み合わせについては、例えば、BOD測定では
有機物を代謝することにより電子伝達系に電子の移動が
起こる微生物であればよく、大腸菌、バチルス属、アシ
ネトバクター属、グルコノバクター属あるいはシュード
モナス属に属する細菌、放線菌などの原核微生物や、ト
リコスポロン属に属する酵母等の真核微生物を挙げるこ
とができる。また、その他の測定物質に関しては、好ま
しい微生物との組み合わせを以下に示す。
用いて試料溶液中の試料濃度を測定する場合、濃度測定
しようとする物質を代謝することが可能な微生物を適宜
選択して用いることが好ましい。また、試料溶液中に様
々な物質が溶解していてその内のある物質の濃度を測定
したい場合には、測定したい物質を代謝できる微生物を
用いて微生物電極を作製すればよい。測定対象物質と微
生物の組み合わせについては、例えば、BOD測定では
有機物を代謝することにより電子伝達系に電子の移動が
起こる微生物であればよく、大腸菌、バチルス属、アシ
ネトバクター属、グルコノバクター属あるいはシュード
モナス属に属する細菌、放線菌などの原核微生物や、ト
リコスポロン属に属する酵母等の真核微生物を挙げるこ
とができる。また、その他の測定物質に関しては、好ま
しい微生物との組み合わせを以下に示す。
【0029】ポリエチレングリコールを測定する場合用
いられる微生物は、シュードモナス・エルギノーサ(Ps
eudomonas aerginosa)等、フタル酸エステルを測定す
る場合用いられる微生物は、シュードモナス・セパシア
(Pseudomonas cepacia)、シュードモナス・フルバ(P
seudomonas fulva)等、ポリ塩化ビフェニルを測定する
場合用いられる微生物は、アシネトバクター(Acinetob
acter)、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putid
a)、シュードモナス・パウシモビリス(Pseudomonas p
aucimobilis)等、フェノールを測定する場合用いられ
る微生物は、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas pu
tida)等、
いられる微生物は、シュードモナス・エルギノーサ(Ps
eudomonas aerginosa)等、フタル酸エステルを測定す
る場合用いられる微生物は、シュードモナス・セパシア
(Pseudomonas cepacia)、シュードモナス・フルバ(P
seudomonas fulva)等、ポリ塩化ビフェニルを測定する
場合用いられる微生物は、アシネトバクター(Acinetob
acter)、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putid
a)、シュードモナス・パウシモビリス(Pseudomonas p
aucimobilis)等、フェノールを測定する場合用いられ
る微生物は、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas pu
tida)等、
【0030】有機水銀を測定する場合用いられる微生物
は、クロストリジウム・コクレアリウム(Clostridium
cochlearium)等、メタノールを測定する場合用いられ
る微生物は、メチロモナス・メチロバラ(Methylomonas
methylovara)ハンセヌラ・ポリモルパ(Hansenula po
lymorpha)等、エタノールを測定する場合用いられる微
生物は、ハンセヌラ・アングスタ(Hansenula angust
a)、カンジダ・マイコデルマ(Candida mycoderma)、
グルコノバクター・ルビギノサス(Glconobacter rubig
inosus)IFO3244等、カドミウムを測定する場合
用いられる微生物は、シュードモナス・エルギノーサ
(Pseudomonas aerginosa)等、トルエンを測定する場
合用いられる微生物は、シュードモナス・プチダ(Pseu
domonas putida)、シュードモナス・コンベクサ(Pseu
domonas convexa)等、m−キシレンを測定する場合用
いられる微生物は、シュードモナス・オバリス(Pseudo
monas ovalis)等、
は、クロストリジウム・コクレアリウム(Clostridium
cochlearium)等、メタノールを測定する場合用いられ
る微生物は、メチロモナス・メチロバラ(Methylomonas
methylovara)ハンセヌラ・ポリモルパ(Hansenula po
lymorpha)等、エタノールを測定する場合用いられる微
生物は、ハンセヌラ・アングスタ(Hansenula angust
a)、カンジダ・マイコデルマ(Candida mycoderma)、
グルコノバクター・ルビギノサス(Glconobacter rubig
inosus)IFO3244等、カドミウムを測定する場合
用いられる微生物は、シュードモナス・エルギノーサ
(Pseudomonas aerginosa)等、トルエンを測定する場
合用いられる微生物は、シュードモナス・プチダ(Pseu
domonas putida)、シュードモナス・コンベクサ(Pseu
domonas convexa)等、m−キシレンを測定する場合用
いられる微生物は、シュードモナス・オバリス(Pseudo
monas ovalis)等、
【0031】有機硫黄を測定する場合用いられる微生物
は、デスルフォビブリオ・デスルフリカンス(Desulfov
ibrio deseulfuricans)、チオバチルス・チオオキシダ
ンス(Thiobacillus thiooxidans)、チオバチルス・チ
オパルス(Thiobacillus thioparus)等、ジベンゾチオ
フェンを測定する場合用いられる微生物は、シュードモ
ナス・アルカリゲネス(Pseudomonas alcaligenes)
等、ギ酸を測定する場合用いられる微生物は、クロスト
リジウム・ブチリカム(Clostridium butyricum)等、
メタンガスを測定する場合用いられる微生物は、メチロ
コッカス・カプスラタス(Methylococus capsulatu
s)、メチロコッカス・トリコスポリウム(Methylosinu
s trichosporium)等、
は、デスルフォビブリオ・デスルフリカンス(Desulfov
ibrio deseulfuricans)、チオバチルス・チオオキシダ
ンス(Thiobacillus thiooxidans)、チオバチルス・チ
オパルス(Thiobacillus thioparus)等、ジベンゾチオ
フェンを測定する場合用いられる微生物は、シュードモ
ナス・アルカリゲネス(Pseudomonas alcaligenes)
等、ギ酸を測定する場合用いられる微生物は、クロスト
リジウム・ブチリカム(Clostridium butyricum)等、
メタンガスを測定する場合用いられる微生物は、メチロ
コッカス・カプスラタス(Methylococus capsulatu
s)、メチロコッカス・トリコスポリウム(Methylosinu
s trichosporium)等、
【0032】エタンガスを測定する場合用いる微生物
は、アーソロバクター・ペトロレオファガス(Arthroba
cter petroleophagus)、マイコバクテリウム・ペトロ
レオフィルム(Mycobacterium petroleophilum)等、ニ
コチン酸を測定する場合用いられる微生物は、ラクトバ
チルス・アラビノサス(Lactobacillus arabinosas)
等、アスパラギン酸を測定する場合用いる微生物は、ブ
レビバクテリウム・カカベリス(Brevibacterium cacav
eris)等、グルコースを測定する場合用いる微生物は、
グルコノバクター・サブオキシダンス(Glconobacter s
uboxydans)IFO3172等、グリセロールを測定す
る場合用いられる微生物は、シュードモナス・フルオレ
ッセンス(Pseudomonas fluorescens)IFO1416
0等、
は、アーソロバクター・ペトロレオファガス(Arthroba
cter petroleophagus)、マイコバクテリウム・ペトロ
レオフィルム(Mycobacterium petroleophilum)等、ニ
コチン酸を測定する場合用いられる微生物は、ラクトバ
チルス・アラビノサス(Lactobacillus arabinosas)
等、アスパラギン酸を測定する場合用いる微生物は、ブ
レビバクテリウム・カカベリス(Brevibacterium cacav
eris)等、グルコースを測定する場合用いる微生物は、
グルコノバクター・サブオキシダンス(Glconobacter s
uboxydans)IFO3172等、グリセロールを測定す
る場合用いられる微生物は、シュードモナス・フルオレ
ッセンス(Pseudomonas fluorescens)IFO1416
0等、
【0033】L−グルタミン酸を測定する場合用いられ
る微生物は、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas pu
tida)IFO14164等、マルトースを測定する場合
用いられる微生物は、シュードモナス・シュードマレイ
(Pseudomonas pseudomallei)ATCC15682等、
酢酸を測定する場合用いられる微生物は、バチルス・サ
ブチルス(Bcillus subtilus)IFO13719等、ス
クロースを測定する場合用いられる微生物は、シュード
モナス・カリオフィリー(Pseudomonas caryophylli)
IFO13591等、S.スターチを測定する場合用い
られる微生物は、シュードモナス・プチダ(Pseudomona
s putida)IFO14164等である。この様に、測定
物質と微生物菌体の好適な組み合わせが例示できるが、
本発明がこれらに限定されるものではない。
る微生物は、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas pu
tida)IFO14164等、マルトースを測定する場合
用いられる微生物は、シュードモナス・シュードマレイ
(Pseudomonas pseudomallei)ATCC15682等、
酢酸を測定する場合用いられる微生物は、バチルス・サ
ブチルス(Bcillus subtilus)IFO13719等、ス
クロースを測定する場合用いられる微生物は、シュード
モナス・カリオフィリー(Pseudomonas caryophylli)
IFO13591等、S.スターチを測定する場合用い
られる微生物は、シュードモナス・プチダ(Pseudomona
s putida)IFO14164等である。この様に、測定
物質と微生物菌体の好適な組み合わせが例示できるが、
本発明がこれらに限定されるものではない。
【0034】これら微生物は、乾燥菌体として微生物電
極1の平板状絶縁基板2と親水性多孔質膜5との間に封
入することが可能であるが、好ましくは、適当な水溶液
中に懸濁させて封入する。
極1の平板状絶縁基板2と親水性多孔質膜5との間に封
入することが可能であるが、好ましくは、適当な水溶液
中に懸濁させて封入する。
【0035】上記微生物電極1における平板状絶縁基板
2は、第1の導体3および親水性多孔質膜5さらに該基
板2と親水性多孔質膜5との間に封入される微生物6を
支持する働きを有する。すなわち、上記微生物電極1に
用いる平板状絶縁基板2としては、平板状で絶縁性を有
し、且つ試料溶液中において、作用電極としての第1の
導体3および親水性多孔質膜5さらに該基板2と親水性
多孔質膜5との間に封入される微生物6を支持する強度
を有するものであれば特に制限されず、例えば、ポリエ
ステル等の樹脂、ガラス、試料溶液が浸透しない様に表
面処理された紙等を挙げることができる。
2は、第1の導体3および親水性多孔質膜5さらに該基
板2と親水性多孔質膜5との間に封入される微生物6を
支持する働きを有する。すなわち、上記微生物電極1に
用いる平板状絶縁基板2としては、平板状で絶縁性を有
し、且つ試料溶液中において、作用電極としての第1の
導体3および親水性多孔質膜5さらに該基板2と親水性
多孔質膜5との間に封入される微生物6を支持する強度
を有するものであれば特に制限されず、例えば、ポリエ
ステル等の樹脂、ガラス、試料溶液が浸透しない様に表
面処理された紙等を挙げることができる。
【0036】上記微生物電極1において作用電極として
働く第1の導体3は、上記平板状絶縁基板上に固着さ
れ、第1の非絶縁部3aおよび第2の非絶縁部3bを残
して絶縁被覆材4によって絶縁被覆されており、前記第
1の非絶縁部3aにおいて試料溶液中の測定対象物質が
微生物6により代謝されて生じる電子を受け取る。第1
の導体3の第2の非絶縁部3bは、上記微生物電極1を
用いて試料溶液中の試料濃度を測定する際に、試料溶液
に浸漬されない部分であり、電位差を負荷する機器や、
両電極間に流れる電流を計測する機器に接続される。な
お、試料濃度測定に際して、微生物電極1は、前記第1
の導体3の第1の非絶縁部3aに最も近い末端1aから
試料溶液に挿入される。
働く第1の導体3は、上記平板状絶縁基板上に固着さ
れ、第1の非絶縁部3aおよび第2の非絶縁部3bを残
して絶縁被覆材4によって絶縁被覆されており、前記第
1の非絶縁部3aにおいて試料溶液中の測定対象物質が
微生物6により代謝されて生じる電子を受け取る。第1
の導体3の第2の非絶縁部3bは、上記微生物電極1を
用いて試料溶液中の試料濃度を測定する際に、試料溶液
に浸漬されない部分であり、電位差を負荷する機器や、
両電極間に流れる電流を計測する機器に接続される。な
お、試料濃度測定に際して、微生物電極1は、前記第1
の導体3の第1の非絶縁部3aに最も近い末端1aから
試料溶液に挿入される。
【0037】第1の導体3の素材としては、安定であ
り、かつ、導電性が大きく、微生物に実質的に無害なも
のであればよく、例えば、白金、金、銀等の金属、また
はグラファイト、カーボン等の炭素素材が挙げられる。
また、その形状としては、特に制限はないが、平板状の
絶縁基板2に固定しやすいシート状等が好ましく挙げら
れる。また、第1の導体3を平板状絶縁基板2に固着す
る方法としては、用いる導体の素材や形状にもよるが、
例えば、蒸着、スパッタ、スクリーン印刷等の一般に用
いられる方法を挙げることができる。
り、かつ、導電性が大きく、微生物に実質的に無害なも
のであればよく、例えば、白金、金、銀等の金属、また
はグラファイト、カーボン等の炭素素材が挙げられる。
また、その形状としては、特に制限はないが、平板状の
絶縁基板2に固定しやすいシート状等が好ましく挙げら
れる。また、第1の導体3を平板状絶縁基板2に固着す
る方法としては、用いる導体の素材や形状にもよるが、
例えば、蒸着、スパッタ、スクリーン印刷等の一般に用
いられる方法を挙げることができる。
【0038】上記絶縁被覆材4としては、電極に通常用
いられるエポキシ樹脂等を用いればよい。また、絶縁被
覆の方法に関しても、一般的な方法、例えば、スクリー
ン印刷等の絶縁被覆方法を挙げることができる。
いられるエポキシ樹脂等を用いればよい。また、絶縁被
覆の方法に関しても、一般的な方法、例えば、スクリー
ン印刷等の絶縁被覆方法を挙げることができる。
【0039】上記微生物電極1において、前記第1の導
体3の第1の非絶縁部3aの全部を覆って前記基板2に
固着させて用いる親水性多孔質膜5としては、試料溶液
を十分に浸透させることが可能な親水性の素材であれば
特に制限されないが、例えば、ニトロセルロース、アセ
チルセルロース等が好ましく挙げられる。また、上記親
水性多孔質膜5の細孔のサイズは、前記基板2と親水性
多孔質膜5との間に封入される微生物6を実質的に透過
しないサイズであれば特に制限されないが、その他、試
料溶液の浸透速度等を考慮して適宜選択される。
体3の第1の非絶縁部3aの全部を覆って前記基板2に
固着させて用いる親水性多孔質膜5としては、試料溶液
を十分に浸透させることが可能な親水性の素材であれば
特に制限されないが、例えば、ニトロセルロース、アセ
チルセルロース等が好ましく挙げられる。また、上記親
水性多孔質膜5の細孔のサイズは、前記基板2と親水性
多孔質膜5との間に封入される微生物6を実質的に透過
しないサイズであれば特に制限されないが、その他、試
料溶液の浸透速度等を考慮して適宜選択される。
【0040】例えば、微生物6として上記シュードモナ
ス・フルオレッセンス(Pseudomonas fluorescens)等
のバクテリアを用いる場合には、親水性多孔質膜5の細
孔のサイズは、平均で0.2〜1.0μmの範囲とする
ことができる。また、微生物6として上記トリコスポロ
ン属等の酵母を用いる場合には、親水性多孔質膜5の細
孔のサイズは、平均で0.2〜2.0μmの範囲とする
ことができる。
ス・フルオレッセンス(Pseudomonas fluorescens)等
のバクテリアを用いる場合には、親水性多孔質膜5の細
孔のサイズは、平均で0.2〜1.0μmの範囲とする
ことができる。また、微生物6として上記トリコスポロ
ン属等の酵母を用いる場合には、親水性多孔質膜5の細
孔のサイズは、平均で0.2〜2.0μmの範囲とする
ことができる。
【0041】上記親水性多孔質膜5の膜厚に関しては、
微生物6を保持するための強度や試料溶液の浸透速度等
を考慮して適宜選択されるが、概ね50〜150μmの
範囲とすることができる。
微生物6を保持するための強度や試料溶液の浸透速度等
を考慮して適宜選択されるが、概ね50〜150μmの
範囲とすることができる。
【0042】上記親水性多孔質膜5を平板状絶縁基板2
に固着する方法としては、用いる親水性多孔質膜の素材
や形状にもよるが、例えば、接着剤等による接着、熱圧
着、圧着等の一般に用いられる方法を挙げることができ
る。また、上記平板状絶縁基板2と親水性多孔質膜5と
の間に微生物6を封入する方法に関しては、具体的に
は、微生物6を適当な水溶液に懸濁させてこれを親水性
多孔質膜上に滴下し、さらに必要に応じて吸引後、前記
親水性多孔質膜5の微生物付着面を平板状絶縁基板2に
対向するようにして両者を接着する、あるいは、適当な
吸入口を残して親水性多孔質膜5と平板状絶縁基板2を
接着し、微生物6懸濁液を毛細管現象を利用して前記吸
入口から親水性多孔質膜5と平板状絶縁基板2の間に吸
引した後、吸入口を密閉する等の方法を挙げることがで
きる。この際、親水性多孔質膜2枚の間に上記同様にし
て微生物を封入してこれを上記第1の導体3の第1の非
絶縁部3aの全部を覆って上記平板状絶縁基板上に固着
する方法を用いることもできる。
に固着する方法としては、用いる親水性多孔質膜の素材
や形状にもよるが、例えば、接着剤等による接着、熱圧
着、圧着等の一般に用いられる方法を挙げることができ
る。また、上記平板状絶縁基板2と親水性多孔質膜5と
の間に微生物6を封入する方法に関しては、具体的に
は、微生物6を適当な水溶液に懸濁させてこれを親水性
多孔質膜上に滴下し、さらに必要に応じて吸引後、前記
親水性多孔質膜5の微生物付着面を平板状絶縁基板2に
対向するようにして両者を接着する、あるいは、適当な
吸入口を残して親水性多孔質膜5と平板状絶縁基板2を
接着し、微生物6懸濁液を毛細管現象を利用して前記吸
入口から親水性多孔質膜5と平板状絶縁基板2の間に吸
引した後、吸入口を密閉する等の方法を挙げることがで
きる。この際、親水性多孔質膜2枚の間に上記同様にし
て微生物を封入してこれを上記第1の導体3の第1の非
絶縁部3aの全部を覆って上記平板状絶縁基板上に固着
する方法を用いることもできる。
【0043】上記微生物電極1においては、微生物6が
含まれる部位、具体的には、前記基板2と親水性多孔質
膜5との間に界面活性剤を含むことが好ましい。試料溶
液中の試料濃度を測定するために微生物電極1を試料溶
液に浸漬すると、試料溶液は親水性多孔質膜5を透過し
て上記微生物6が含まれる部位に浸透する。その過程に
おいて、親水性多孔質膜内および微生物が含まれる部位
に存在していた空気は追い出されるが、上記の様に微生
物が含まれる部位に界面活性剤を存在させておくと空気
の排出がスムーズに行われる様になる。
含まれる部位、具体的には、前記基板2と親水性多孔質
膜5との間に界面活性剤を含むことが好ましい。試料溶
液中の試料濃度を測定するために微生物電極1を試料溶
液に浸漬すると、試料溶液は親水性多孔質膜5を透過し
て上記微生物6が含まれる部位に浸透する。その過程に
おいて、親水性多孔質膜内および微生物が含まれる部位
に存在していた空気は追い出されるが、上記の様に微生
物が含まれる部位に界面活性剤を存在させておくと空気
の排出がスムーズに行われる様になる。
【0044】上記界面活性剤は、具体的には、親水性多
孔質膜5の基板に対向する表面に予め塗布しておく、微
生物6が懸濁液の状態で封入される場合には、この微生
物懸濁液に予め混合しておく等の方法で、微生物が含ま
れる部位に含ませておくことができる。
孔質膜5の基板に対向する表面に予め塗布しておく、微
生物6が懸濁液の状態で封入される場合には、この微生
物懸濁液に予め混合しておく等の方法で、微生物が含ま
れる部位に含ませておくことができる。
【0045】上記界面活性剤としては、試料溶液の表面
張力を小さくする様に作用するものであれば制限されな
いが、反応が電気化学的反応を検知するイオン性のもの
より、非イオン性のものが好ましい。この様な非イオン
性界面活性剤として、例えば、ポリオキシエチレン系界
面活性剤、ソルビタン系界面活性剤等が挙げられる。さ
らに具体的には、ポリオキシエチレン系界面活性剤とし
て、トライトンX−100、ツイーン80(共に商品
名)等を、ソルビタン系界面活性剤として、スパン6
0、スパン80(商品名)等を挙げることができる。ま
た、界面活性剤は高濃度で存在すると微生物の細胞膜を
破壊する可能性があるので、必要以上に高濃度にするこ
とは好ましくない。微生物の細胞膜を破壊せずに空気を
速やかに取り去る適当な界面活性剤濃度は、重量濃度で
0.01〜1%程度である。
張力を小さくする様に作用するものであれば制限されな
いが、反応が電気化学的反応を検知するイオン性のもの
より、非イオン性のものが好ましい。この様な非イオン
性界面活性剤として、例えば、ポリオキシエチレン系界
面活性剤、ソルビタン系界面活性剤等が挙げられる。さ
らに具体的には、ポリオキシエチレン系界面活性剤とし
て、トライトンX−100、ツイーン80(共に商品
名)等を、ソルビタン系界面活性剤として、スパン6
0、スパン80(商品名)等を挙げることができる。ま
た、界面活性剤は高濃度で存在すると微生物の細胞膜を
破壊する可能性があるので、必要以上に高濃度にするこ
とは好ましくない。微生物の細胞膜を破壊せずに空気を
速やかに取り去る適当な界面活性剤濃度は、重量濃度で
0.01〜1%程度である。
【0046】また、上記微生物電極1においては、親水
性多孔質膜5の内部または表面、あるいは微生物6が含
まれる部位等、試料溶液接触部のいずれかにメディエー
タを含ませてもよい。メディエータは、微生物6により
各種物質が代謝されて生じる電子が、第1の導体3に移
行するのを促進する作用を有するものである。
性多孔質膜5の内部または表面、あるいは微生物6が含
まれる部位等、試料溶液接触部のいずれかにメディエー
タを含ませてもよい。メディエータは、微生物6により
各種物質が代謝されて生じる電子が、第1の導体3に移
行するのを促進する作用を有するものである。
【0047】上記メディエータとしては、微生物6から
第1の導体3に電子が移行するのを促進するものであれ
ばよく、具体的には、1−メトキシ−5−メチルフェナ
ジニウムメチルスルフォネート(1−M−PMS)、メ
チルフェナジニウムメチルスルフォネート(PMS)、
2,6−ジクロロインドフェノール(DCIP)、9−
ジメチルアミノベンゾ−α−フェナゾキソニウムクロラ
イド、メチレンブルー、インジゴトリスルホン酸、フェ
ノサフラニン、チオニン、ニューメチレンブルー、2,
6−ジクロロフェノール、インドフェノール、アズレ
B、N,N,N’、N’−テトラメチル−p−フェニレ
ンジアミンジヒドロクロリド、レゾルフィン、サフラニ
ン、ソディウムアントラキノンβ−スルフォネート、イ
ンジゴカーミン等の色素、
第1の導体3に電子が移行するのを促進するものであれ
ばよく、具体的には、1−メトキシ−5−メチルフェナ
ジニウムメチルスルフォネート(1−M−PMS)、メ
チルフェナジニウムメチルスルフォネート(PMS)、
2,6−ジクロロインドフェノール(DCIP)、9−
ジメチルアミノベンゾ−α−フェナゾキソニウムクロラ
イド、メチレンブルー、インジゴトリスルホン酸、フェ
ノサフラニン、チオニン、ニューメチレンブルー、2,
6−ジクロロフェノール、インドフェノール、アズレ
B、N,N,N’、N’−テトラメチル−p−フェニレ
ンジアミンジヒドロクロリド、レゾルフィン、サフラニ
ン、ソディウムアントラキノンβ−スルフォネート、イ
ンジゴカーミン等の色素、
【0048】リボフラビン、L−アスコルビン酸、フラ
ビンアデニンジヌクレオチド、フラビンモノヌクレオチ
ド、ニコチンアデニンジヌクレオチド、ルミクロム、ユ
ビキノン、ハイドロキノン、2,6−ジクロロベンゾキ
ノン、2−メチルベンゾキノン、2,5−ジヒドロキシ
ベンゾキノン、2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノ
ン、グルタチオン、パーオキシダーゼ、チトクロムC、
フェレドキシン等の生体酸化還元物質又はその誘導体、
その他Fe−EDTA、Mn−EDTA、Zn−EDT
A、メソスルフェート、2,3,5,6−テトラメチル
−p−フェニレンジアミン、フェリシアン化カリウム等
が挙げられる。
ビンアデニンジヌクレオチド、フラビンモノヌクレオチ
ド、ニコチンアデニンジヌクレオチド、ルミクロム、ユ
ビキノン、ハイドロキノン、2,6−ジクロロベンゾキ
ノン、2−メチルベンゾキノン、2,5−ジヒドロキシ
ベンゾキノン、2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノ
ン、グルタチオン、パーオキシダーゼ、チトクロムC、
フェレドキシン等の生体酸化還元物質又はその誘導体、
その他Fe−EDTA、Mn−EDTA、Zn−EDT
A、メソスルフェート、2,3,5,6−テトラメチル
−p−フェニレンジアミン、フェリシアン化カリウム等
が挙げられる。
【0049】(b)本発明の微生物電極における第2の
実施の形態 図3から図5は、本発明の微生物電極の第2の実施の形
態における微生物電極1を示す図であり、図3はその正
面図、図4は分解図、図5は正面図のX−X’線におけ
る断面図である。
実施の形態 図3から図5は、本発明の微生物電極の第2の実施の形
態における微生物電極1を示す図であり、図3はその正
面図、図4は分解図、図5は正面図のX−X’線におけ
る断面図である。
【0050】本発明の微生物電極の第2の実施の形態に
おいて、微生物電極1は、平板状絶縁基板2と、前記基
板の表面に固着され第1の非絶縁部3aおよび第2の非
絶縁部3bを残して絶縁被覆材4によって絶縁被覆され
た導体(第1)3と、前記第1の導体3の第1の非絶縁
部3aの全部を覆って前記基板に固着された親水性多孔
質膜5とを備え、さらに、前記平板状絶縁基板2と親水
性多孔質膜5との間にスペーサー7を備えるものであ
る。
おいて、微生物電極1は、平板状絶縁基板2と、前記基
板の表面に固着され第1の非絶縁部3aおよび第2の非
絶縁部3bを残して絶縁被覆材4によって絶縁被覆され
た導体(第1)3と、前記第1の導体3の第1の非絶縁
部3aの全部を覆って前記基板に固着された親水性多孔
質膜5とを備え、さらに、前記平板状絶縁基板2と親水
性多孔質膜5との間にスペーサー7を備えるものであ
る。
【0051】上記スペーサー7は上記第1の非絶縁部3
aに対応する部分とほぼ重なる位置に第1の非絶縁部3
aとほぼ同面積の開口部(第1)8を有し、微生物6は
スペーサー7の第1の開口部8の内壁と前記平板状絶縁
基板2と親水性多孔質膜5とで囲まれた空間に前記第1
の非絶縁部3aに接触可能に封入されている。また、微
生物電極1において、親水性多孔質膜5は微生物6を実
質的に透過しないような孔径の細孔を有するものであ
る。
aに対応する部分とほぼ重なる位置に第1の非絶縁部3
aとほぼ同面積の開口部(第1)8を有し、微生物6は
スペーサー7の第1の開口部8の内壁と前記平板状絶縁
基板2と親水性多孔質膜5とで囲まれた空間に前記第1
の非絶縁部3aに接触可能に封入されている。また、微
生物電極1において、親水性多孔質膜5は微生物6を実
質的に透過しないような孔径の細孔を有するものであ
る。
【0052】試料濃度測定に際して、微生物電極1は、
前記第1の導体3の第1の非絶縁部3aに最も近い末端
1aから試料溶液に挿入され、第1の導体3の第1の非
絶縁部3aの全体が試料溶液に浸漬されるが、第1の導
体3の第2の非絶縁部3bについては試料溶液に浸漬さ
れない状態で使用される。第1の非絶縁部3aは、試料
溶液中の測定対象物質が微生物6により代謝されて生じ
る電子を受け取る部位であり、第2の非絶縁部3bは電
位差を負荷する機器や、両電極間に流れる電流を計測す
る機器に接続される部位である。
前記第1の導体3の第1の非絶縁部3aに最も近い末端
1aから試料溶液に挿入され、第1の導体3の第1の非
絶縁部3aの全体が試料溶液に浸漬されるが、第1の導
体3の第2の非絶縁部3bについては試料溶液に浸漬さ
れない状態で使用される。第1の非絶縁部3aは、試料
溶液中の測定対象物質が微生物6により代謝されて生じ
る電子を受け取る部位であり、第2の非絶縁部3bは電
位差を負荷する機器や、両電極間に流れる電流を計測す
る機器に接続される部位である。
【0053】ここで、本発明の微生物電極の第2の実施
の形態における微生物電極1は、上記第1の実施の形態
における微生物電極の構成に加えてさらに、前記平板状
絶縁基板と親水性多孔質膜との間にスペーサーを設けた
ものである。したがって、第2の実施の形態における微
生物電極1における平板状絶縁基板2、導体(第1)
3、絶縁被覆材4、親水性多孔質膜5、および微生物6
は、上記第1の実施の形態における微生物電極の平板状
絶縁基板、第1の導体、絶縁被覆材、親水性多孔質膜、
および微生物の態様とそれぞれ同様とすることができ
る。以下、上記第1の実施の形態における微生物電極に
はなく、第2の実施の形態における微生物電極1におい
て新たに設けられたスペーサー7について説明する。
の形態における微生物電極1は、上記第1の実施の形態
における微生物電極の構成に加えてさらに、前記平板状
絶縁基板と親水性多孔質膜との間にスペーサーを設けた
ものである。したがって、第2の実施の形態における微
生物電極1における平板状絶縁基板2、導体(第1)
3、絶縁被覆材4、親水性多孔質膜5、および微生物6
は、上記第1の実施の形態における微生物電極の平板状
絶縁基板、第1の導体、絶縁被覆材、親水性多孔質膜、
および微生物の態様とそれぞれ同様とすることができ
る。以下、上記第1の実施の形態における微生物電極に
はなく、第2の実施の形態における微生物電極1におい
て新たに設けられたスペーサー7について説明する。
【0054】微生物電極1におけるスペーサー7の材質
としては、絶縁性の材料、例えば、ポリエチレンテレフ
タレート等の疎水性高分子フィルムや、表面を疎水処理
された合成紙等を挙げることができる。また、上記微生
物電極1において、スペーサー7は第1の非絶縁部3a
に対応する部分とほぼ重なる位置に第1の非絶縁部3a
とほぼ同面積の開口部(第1)8を有するが、この第1
の開口部8の大きさすなわち面積は、これに限定される
ものではなく、その内壁と平板状絶縁基板2と親水性多
孔質膜5とで囲まれた空間に微生物6を封入するのに十
分な大きさであれば特に制限されない。第1の開口部8
の形状やこれを設ける位置についても、上記に限定され
るものではなく、第1の開口部8は、上記第1の導体3
の第1の非絶縁部3aに対応する部分と少なくとも一部
が重なる様な形状でその様な位置に設置されていればよ
い。
としては、絶縁性の材料、例えば、ポリエチレンテレフ
タレート等の疎水性高分子フィルムや、表面を疎水処理
された合成紙等を挙げることができる。また、上記微生
物電極1において、スペーサー7は第1の非絶縁部3a
に対応する部分とほぼ重なる位置に第1の非絶縁部3a
とほぼ同面積の開口部(第1)8を有するが、この第1
の開口部8の大きさすなわち面積は、これに限定される
ものではなく、その内壁と平板状絶縁基板2と親水性多
孔質膜5とで囲まれた空間に微生物6を封入するのに十
分な大きさであれば特に制限されない。第1の開口部8
の形状やこれを設ける位置についても、上記に限定され
るものではなく、第1の開口部8は、上記第1の導体3
の第1の非絶縁部3aに対応する部分と少なくとも一部
が重なる様な形状でその様な位置に設置されていればよ
い。
【0055】しかし、上記第1の開口部8の好ましい大
きさ、形状、設置位置等は、第1の導体3の第1の非絶
縁部3aと同様の形状を有し、第1の導体3の第1の非
絶縁部3aと対応する部分に完全に一致するものであ
る。
きさ、形状、設置位置等は、第1の導体3の第1の非絶
縁部3aと同様の形状を有し、第1の導体3の第1の非
絶縁部3aと対応する部分に完全に一致するものであ
る。
【0056】また、スペーサー全体の大きさ、形状につ
いては本発明の効果を損なわない範囲において自由に選
択できるが、上記親水性多孔質膜5と同様の形状で同程
度の大きさとすることが好ましい。さらに、スペーサー
7の厚さについては第1の開口部8の大きさや微生物6
の種類等にもよるが、概ね50〜500μmとすること
ができる。
いては本発明の効果を損なわない範囲において自由に選
択できるが、上記親水性多孔質膜5と同様の形状で同程
度の大きさとすることが好ましい。さらに、スペーサー
7の厚さについては第1の開口部8の大きさや微生物6
の種類等にもよるが、概ね50〜500μmとすること
ができる。
【0057】この様にスペーサー7を備える微生物電極
1においては、試料溶液中の試料濃度を測定するために
これを試料溶液に浸漬すると、試料溶液は親水性多孔質
膜5を透過して上記微生物が含まれる部位に浸透し、親
水性多孔質膜内および微生物が含まれる部位に存在して
いた空気は追い出されるが、空気抜きを容易にする目的
で、スペーサー7は第1の開口部8から外部に通じる空
気孔を少なくとも1個有することが好ましい。
1においては、試料溶液中の試料濃度を測定するために
これを試料溶液に浸漬すると、試料溶液は親水性多孔質
膜5を透過して上記微生物が含まれる部位に浸透し、親
水性多孔質膜内および微生物が含まれる部位に存在して
いた空気は追い出されるが、空気抜きを容易にする目的
で、スペーサー7は第1の開口部8から外部に通じる空
気孔を少なくとも1個有することが好ましい。
【0058】スペーサー7が第1の開口部8から外部に
通じる空気孔を1個有する場合には、その位置は、微生
物電極1を試料溶液に浸漬する際に最初に試料溶液に浸
漬される末端1aから最も離れた位置とすることが好ま
しい。また、第1の開口部8に封入された微生物6が空
気孔から外部に漏出しないように、スペーサー7の空気
孔外側に通気性を有するが微生物6を透過させることの
ないフィルター等を設けることが必要である。空気孔を
もう1個設ける場合には、上記試料溶液に浸漬される末
端1aに最も近い位置とすることが好ましい。この場合
にも上記同様スペーサー7の空気孔外側に微生物6を透
過させないフィルター等を設けることが必要となる。
通じる空気孔を1個有する場合には、その位置は、微生
物電極1を試料溶液に浸漬する際に最初に試料溶液に浸
漬される末端1aから最も離れた位置とすることが好ま
しい。また、第1の開口部8に封入された微生物6が空
気孔から外部に漏出しないように、スペーサー7の空気
孔外側に通気性を有するが微生物6を透過させることの
ないフィルター等を設けることが必要である。空気孔を
もう1個設ける場合には、上記試料溶液に浸漬される末
端1aに最も近い位置とすることが好ましい。この場合
にも上記同様スペーサー7の空気孔外側に微生物6を透
過させないフィルター等を設けることが必要となる。
【0059】上記空気抜きに関しては、上記スペーサー
7の第1の開口部8の形状によっても影響を受けるの
で、空気抜きがし易いように第1の開口部8の形状を適
宜設計することも効果的である。
7の第1の開口部8の形状によっても影響を受けるの
で、空気抜きがし易いように第1の開口部8の形状を適
宜設計することも効果的である。
【0060】上記の様な本発明の微生物電極の第1の実
施の形態または第2の実施の形態における微生物電極を
用いた微生物センサは、作用電極として働く微生物電極
の他に対極を有し、必要に応じてさらに参照電極を有す
る。対極の素材としては、白金、銀、金、カーボン等が
挙げられる。また、微生物センサを測定試料液に浸漬
し、作用電極(微生物電極)と対極との間に電位差を負
荷したときに、電極反応が進行するにつれて、電極表面
での反応種の濃度は減少し、また生成物の濃度が増加す
るなどして電極電位が設定した電位からずれてしまうこ
とがある。そこで、Ag/AgCl電極等の参照電極を
試料溶液に浸漬し、参照電極を電位設定の基準として作
用電極の電位を設定することが好ましい(3極法)。ま
た、上記電極間への電位差の負荷あるいは電流間の電流
の測定には、微生物センサに通常用いられる定電圧発生
装置やポテンショスタット等を用いるとよい。
施の形態または第2の実施の形態における微生物電極を
用いた微生物センサは、作用電極として働く微生物電極
の他に対極を有し、必要に応じてさらに参照電極を有す
る。対極の素材としては、白金、銀、金、カーボン等が
挙げられる。また、微生物センサを測定試料液に浸漬
し、作用電極(微生物電極)と対極との間に電位差を負
荷したときに、電極反応が進行するにつれて、電極表面
での反応種の濃度は減少し、また生成物の濃度が増加す
るなどして電極電位が設定した電位からずれてしまうこ
とがある。そこで、Ag/AgCl電極等の参照電極を
試料溶液に浸漬し、参照電極を電位設定の基準として作
用電極の電位を設定することが好ましい(3極法)。ま
た、上記電極間への電位差の負荷あるいは電流間の電流
の測定には、微生物センサに通常用いられる定電圧発生
装置やポテンショスタット等を用いるとよい。
【0061】この様に使用される本発明の微生物電極の
使用状態を概略的に図6に示す。図6は、微生物電極1
と対極(金電極)10とをポテンショスタット30に備
えられたクリップに固定し、試料溶液を入れた試料槽3
1に浸漬して、微生物センサを構成したときの概略図で
ある。測定中は、マグネチックスターラ32を用いて試
料液を撹拌し、測定値は、コンピュータ34で記録する
ものである。
使用状態を概略的に図6に示す。図6は、微生物電極1
と対極(金電極)10とをポテンショスタット30に備
えられたクリップに固定し、試料溶液を入れた試料槽3
1に浸漬して、微生物センサを構成したときの概略図で
ある。測定中は、マグネチックスターラ32を用いて試
料液を撹拌し、測定値は、コンピュータ34で記録する
ものである。
【0062】さらに、試料溶液中に数種類の測定物質が
存在する場合には、微生物センサに、各測定物質に対応
する微生物が封入された複数本の微生物電極及び対極、
必要に応じてさらに参照電極を設けることで、同時に数
種類の測定物質の濃度を測定することが可能である。ま
た、微生物電極がメディエータを含まない場合には、よ
り高感度な測定を行うために試料溶液に上記の様なメデ
ィエータを添加しておくことが好ましい。
存在する場合には、微生物センサに、各測定物質に対応
する微生物が封入された複数本の微生物電極及び対極、
必要に応じてさらに参照電極を設けることで、同時に数
種類の測定物質の濃度を測定することが可能である。ま
た、微生物電極がメディエータを含まない場合には、よ
り高感度な測定を行うために試料溶液に上記の様なメデ
ィエータを添加しておくことが好ましい。
【0063】次に、本発明の微生物センサについて、そ
の第1の実施の形態を図7〜図10の図面に基いて、次
いで、その第2の実施の形態を図11〜図14の図面に
基いて、さらに、その第3の実施の形態を図15〜図1
9の図面に基いて説明する。 (2)本発明の微生物センサ (a)本発明の微生物センサにおける第1の実施の形態 図7〜図10は、本発明の微生物センサの第1の実施の
形態を示す図であり、図7はその正面図、図8は分解
図、図9は正面図のX−X’線における断面図、図10
は正面図のY−Y’線における断面図である。
の第1の実施の形態を図7〜図10の図面に基いて、次
いで、その第2の実施の形態を図11〜図14の図面に
基いて、さらに、その第3の実施の形態を図15〜図1
9の図面に基いて説明する。 (2)本発明の微生物センサ (a)本発明の微生物センサにおける第1の実施の形態 図7〜図10は、本発明の微生物センサの第1の実施の
形態を示す図であり、図7はその正面図、図8は分解
図、図9は正面図のX−X’線における断面図、図10
は正面図のY−Y’線における断面図である。
【0064】微生物センサ20は、平板状絶縁基板2
と、前記基板の表面に固着され第1の非絶縁部3aおよ
び第2の非絶縁部3bを残して絶縁被覆材4によって絶
縁被覆された第1の導体3と、前記平板状絶縁基板2の
第1の導体3が固着されたのと同一平面上に前記第1の
導体に略平行に固着され第1の非絶縁部10aおよび第
2の非絶縁部10bを残して前記絶縁被覆材4によって
絶縁被覆された第2の導体10と、前記第1の導体の第
1の非絶縁部3aの全部と前記第2の導体の第1の非絶
縁部10aの全部を覆って前記基板に固着された親水性
多孔質膜5とを備える。
と、前記基板の表面に固着され第1の非絶縁部3aおよ
び第2の非絶縁部3bを残して絶縁被覆材4によって絶
縁被覆された第1の導体3と、前記平板状絶縁基板2の
第1の導体3が固着されたのと同一平面上に前記第1の
導体に略平行に固着され第1の非絶縁部10aおよび第
2の非絶縁部10bを残して前記絶縁被覆材4によって
絶縁被覆された第2の導体10と、前記第1の導体の第
1の非絶縁部3aの全部と前記第2の導体の第1の非絶
縁部10aの全部を覆って前記基板に固着された親水性
多孔質膜5とを備える。
【0065】親水性多孔質膜5は平板状絶縁基板2上に
固着されるが、その際に前記親水性多孔質膜5は、前記
第1の導体の第1の非絶縁部3aに対応する部分5a
と、前記第2の導体の第1の非絶縁部10aに対応する
部分5bを残した全面が前記基板に固着される。
固着されるが、その際に前記親水性多孔質膜5は、前記
第1の導体の第1の非絶縁部3aに対応する部分5a
と、前記第2の導体の第1の非絶縁部10aに対応する
部分5bを残した全面が前記基板に固着される。
【0066】なお、上記微生物センサ20における親水
性多孔質膜の平板状絶縁基板への固着は、微生物を少な
くとも第1の導体の第1の非絶縁部に接触可能な状態に
親水性多孔質膜と平板状絶縁基板の間に保持できるよう
に固着されれば、上記固着方法に限定されず、例えば、
親水性多孔質膜の外周部分のみが平板状絶縁基板に固着
されるような固着方法も採用することが可能である。
性多孔質膜の平板状絶縁基板への固着は、微生物を少な
くとも第1の導体の第1の非絶縁部に接触可能な状態に
親水性多孔質膜と平板状絶縁基板の間に保持できるよう
に固着されれば、上記固着方法に限定されず、例えば、
親水性多孔質膜の外周部分のみが平板状絶縁基板に固着
されるような固着方法も採用することが可能である。
【0067】また、微生物センサ20においては、第1
導体の第1の非絶縁部3aの面積と前記第2導体の第1
の非絶縁部10aの面積はほぼ同一である。ここで、本
発明の微生物センサの第1の実施の形態における微生物
センサ20は、上記本発明の微生物電極の第1の実施の
形態における微生物電極の構成に加えてさらに、平板状
絶縁基板の第1の導体が固着されたのと同一平面上に、
第1の導体と略平行に第2の導体10を固着したもので
ある。したがって、本発明の微生物センサの第1の実施
の形態における微生物センサ20が備える平板状絶縁基
板2、第1の導体3、絶縁被覆材4、親水性多孔質膜
5、および微生物6は、上記本発明の微生物電極の第1
の実施の形態における微生物電極の平板状絶縁基板、第
1の導体、絶縁被覆材、親水性多孔質膜、および微生物
の態様とそれぞれ同様とすることができる。
導体の第1の非絶縁部3aの面積と前記第2導体の第1
の非絶縁部10aの面積はほぼ同一である。ここで、本
発明の微生物センサの第1の実施の形態における微生物
センサ20は、上記本発明の微生物電極の第1の実施の
形態における微生物電極の構成に加えてさらに、平板状
絶縁基板の第1の導体が固着されたのと同一平面上に、
第1の導体と略平行に第2の導体10を固着したもので
ある。したがって、本発明の微生物センサの第1の実施
の形態における微生物センサ20が備える平板状絶縁基
板2、第1の導体3、絶縁被覆材4、親水性多孔質膜
5、および微生物6は、上記本発明の微生物電極の第1
の実施の形態における微生物電極の平板状絶縁基板、第
1の導体、絶縁被覆材、親水性多孔質膜、および微生物
の態様とそれぞれ同様とすることができる。
【0068】また、本発明の微生物センサの第1の実施
の形態における微生物センサ20において、新たに設け
られた第2の導体10については、その素材や形状は上
記第1の導体3と同様とすることができる。さらに、第
2の導体10の平板状絶縁基板2への固着方法、絶縁被
覆方法に関しても、上記第1の導体3の場合と同様とす
ることができる。上記微生物センサ20は、これを用い
て試料溶液中の試料濃度を測定する際に、第1の導体3
の第1の非絶縁部3aおよび、第2の導体10の第1の
非絶縁部10aは試料溶液に浸漬され、第1の導体3の
第1の非絶縁部3aは、微生物6が試料溶液中の測定対
象物質を代謝して生じる電子を受け取る。第1の導体3
の第2の非絶縁部3bおよび第2の導体10の第2の非
絶縁部10bは、試料濃度測定時に、試料溶液に浸漬さ
れない部分であり、電位差を負荷する機器や、両電極間
に流れる電流を計測する機器に接続される。なお、試料
濃度測定に際して、微生物センサ20は、前記第1の導
体3の第1の非絶縁部3aに最も近い末端(以下、「試
料溶液挿入端」という)20aから試料溶液に挿入され
る。
の形態における微生物センサ20において、新たに設け
られた第2の導体10については、その素材や形状は上
記第1の導体3と同様とすることができる。さらに、第
2の導体10の平板状絶縁基板2への固着方法、絶縁被
覆方法に関しても、上記第1の導体3の場合と同様とす
ることができる。上記微生物センサ20は、これを用い
て試料溶液中の試料濃度を測定する際に、第1の導体3
の第1の非絶縁部3aおよび、第2の導体10の第1の
非絶縁部10aは試料溶液に浸漬され、第1の導体3の
第1の非絶縁部3aは、微生物6が試料溶液中の測定対
象物質を代謝して生じる電子を受け取る。第1の導体3
の第2の非絶縁部3bおよび第2の導体10の第2の非
絶縁部10bは、試料濃度測定時に、試料溶液に浸漬さ
れない部分であり、電位差を負荷する機器や、両電極間
に流れる電流を計測する機器に接続される。なお、試料
濃度測定に際して、微生物センサ20は、前記第1の導
体3の第1の非絶縁部3aに最も近い末端(以下、「試
料溶液挿入端」という)20aから試料溶液に挿入され
る。
【0069】(b)本発明の微生物センサにおける第2
の実施の形態 図11〜図14は、本発明の微生物センサの第2の実施
の形態を示す図であり、図11はその正面図、図12は
分解図、図13は正面図のX−X’線における断面図、
図14は正面図のY−Y’線における断面図である。
の実施の形態 図11〜図14は、本発明の微生物センサの第2の実施
の形態を示す図であり、図11はその正面図、図12は
分解図、図13は正面図のX−X’線における断面図、
図14は正面図のY−Y’線における断面図である。
【0070】微生物センサ20は、平板状絶縁基板2
と、前記基板の表面に固着され第1の非絶縁部3aおよ
び第2の非絶縁部3bを残して絶縁被覆材4によって絶
縁被覆された第1の導体3と、前記基板の第1の導体3
が固着されたのと同一平面上に前記第1の導体に略平行
に固着され第1の非絶縁部10aおよび第2の非絶縁部
10bを残して前記絶縁被覆材4によって絶縁被覆され
た第2の導体10と、前記第1導体の第1の非絶縁部3
aの全部と前記第2導体の第1の非絶縁部10aの全部
を覆って前記基板2に固着された親水性多孔質膜5とを
備え、前記基板2と親水性多孔質膜5との間にスペーサ
ー7を備える。
と、前記基板の表面に固着され第1の非絶縁部3aおよ
び第2の非絶縁部3bを残して絶縁被覆材4によって絶
縁被覆された第1の導体3と、前記基板の第1の導体3
が固着されたのと同一平面上に前記第1の導体に略平行
に固着され第1の非絶縁部10aおよび第2の非絶縁部
10bを残して前記絶縁被覆材4によって絶縁被覆され
た第2の導体10と、前記第1導体の第1の非絶縁部3
aの全部と前記第2導体の第1の非絶縁部10aの全部
を覆って前記基板2に固着された親水性多孔質膜5とを
備え、前記基板2と親水性多孔質膜5との間にスペーサ
ー7を備える。
【0071】スペーサー7は、前記第1の導体3の第1
の非絶縁部3aに対応する部分と重なる部分に第1の開
口部8を有し、微生物6は、スペーサー7の第1の開口
部8の内壁と前記基板2と親水性多孔質膜5とで囲まれ
た空間に前記第1の導体3の第1の非絶縁部3aに接触
可能に封入されている。スペーサー7は、さらに前記第
2の導体の第1の非絶縁部10aに対応する部分と重な
る部分に第2の開口部11を有する。
の非絶縁部3aに対応する部分と重なる部分に第1の開
口部8を有し、微生物6は、スペーサー7の第1の開口
部8の内壁と前記基板2と親水性多孔質膜5とで囲まれ
た空間に前記第1の導体3の第1の非絶縁部3aに接触
可能に封入されている。スペーサー7は、さらに前記第
2の導体の第1の非絶縁部10aに対応する部分と重な
る部分に第2の開口部11を有する。
【0072】微生物センサ20においてスペーサー7は
平板状絶縁基板2および親水性多孔質膜5に、前記第1
および第2の開口部8、11部分を残して全面接着され
ている。
平板状絶縁基板2および親水性多孔質膜5に、前記第1
および第2の開口部8、11部分を残して全面接着され
ている。
【0073】ここで、本発明の微生物センサの第2の実
施の形態における微生物センサ20は、上記本発明の微
生物電極の第2の実施の形態における微生物電極の構成
に加えてさらに、平板状絶縁基板の第1の導体が固着さ
れたのと同一平面上に、第1の導体と略平行に第2の導
体10を固着したものであり、それに伴いスペーサー7
にさらに前記第2の導体の第1の非絶縁部10aに対応
する部分と重なる部分に第2の開口部11が設けられた
ものである。
施の形態における微生物センサ20は、上記本発明の微
生物電極の第2の実施の形態における微生物電極の構成
に加えてさらに、平板状絶縁基板の第1の導体が固着さ
れたのと同一平面上に、第1の導体と略平行に第2の導
体10を固着したものであり、それに伴いスペーサー7
にさらに前記第2の導体の第1の非絶縁部10aに対応
する部分と重なる部分に第2の開口部11が設けられた
ものである。
【0074】したがって、本発明の微生物センサの第2
の実施の形態における微生物センサ20が備える平板状
絶縁基板2、第1の導体3、絶縁被覆材4、親水性多孔
質膜5、および微生物6は、上記本発明の微生物電極の
第2の実施の形態における微生物電極の平板状絶縁基
板、第1の導体、絶縁被覆材、親水性多孔質膜、および
微生物の態様とそれぞれ同様とすることができる。ま
た、本発明の微生物センサの第2の実施の形態における
微生物センサ20が有する第2の導体10は、上記本発
明の微生物センサの第1の実施の形態における微生物セ
ンサにおける第2の導体と同様である。
の実施の形態における微生物センサ20が備える平板状
絶縁基板2、第1の導体3、絶縁被覆材4、親水性多孔
質膜5、および微生物6は、上記本発明の微生物電極の
第2の実施の形態における微生物電極の平板状絶縁基
板、第1の導体、絶縁被覆材、親水性多孔質膜、および
微生物の態様とそれぞれ同様とすることができる。ま
た、本発明の微生物センサの第2の実施の形態における
微生物センサ20が有する第2の導体10は、上記本発
明の微生物センサの第1の実施の形態における微生物セ
ンサにおける第2の導体と同様である。
【0075】さらに、本発明の微生物センサの第2の実
施の形態における微生物センサ20が有するスペーサー
7は、第2の開口部11を有することを除いては、上記
本発明の微生物電極の第2の実施の形態における微生物
電極のスペーサと同様である。
施の形態における微生物センサ20が有するスペーサー
7は、第2の開口部11を有することを除いては、上記
本発明の微生物電極の第2の実施の形態における微生物
電極のスペーサと同様である。
【0076】微生物センサ20において、スペーサー7
の第2の開口部11は、第2の導体10の第1の非絶縁
部10aに対応する部分とほぼ重なる位置に第2の導体
10の第1の非絶縁部10aとほぼ同面積で設けられて
いるが、この第2の開口部11の大きさ、形状、設置位
置等は、これに限定されるものではなく、スペーサー7
の第1の開口部8とは独立して、上記第2の導体10の
第1の非絶縁部10aに対応する部分と少なくとも一部
が重なる様な形状でその様な位置に設置されていればよ
い。しかし、上記第2の開口部11の好ましい大きさ、
形状、設置位置等は、第2の導体10の第1の非絶縁部
10aと同様の形状を有し、第2の導体10の第1の非
絶縁部10aと対応する部分に完全に一致するものであ
る。
の第2の開口部11は、第2の導体10の第1の非絶縁
部10aに対応する部分とほぼ重なる位置に第2の導体
10の第1の非絶縁部10aとほぼ同面積で設けられて
いるが、この第2の開口部11の大きさ、形状、設置位
置等は、これに限定されるものではなく、スペーサー7
の第1の開口部8とは独立して、上記第2の導体10の
第1の非絶縁部10aに対応する部分と少なくとも一部
が重なる様な形状でその様な位置に設置されていればよ
い。しかし、上記第2の開口部11の好ましい大きさ、
形状、設置位置等は、第2の導体10の第1の非絶縁部
10aと同様の形状を有し、第2の導体10の第1の非
絶縁部10aと対応する部分に完全に一致するものであ
る。
【0077】(c)本発明の微生物センサにおける第3
の実施の形態 図15〜図18は、本発明の微生物センサの第3の実施
の形態を示す図であり、図15はその正面図、図16は
分解図、図17は正面図のX−X’線における断面図、
図18は正面図のY−Y’線における断面図である。
の実施の形態 図15〜図18は、本発明の微生物センサの第3の実施
の形態を示す図であり、図15はその正面図、図16は
分解図、図17は正面図のX−X’線における断面図、
図18は正面図のY−Y’線における断面図である。
【0078】微生物センサ20は、平板状絶縁基板2
と、前記基板の表面に固着され第1の非絶縁部3aおよ
び第2の非絶縁部3bを残して絶縁被覆材4によって絶
縁被覆された第1の導体3と、前記基板の第1の導体3
が固着されたのと同一平面上に前記第1の導体に略平行
に固着され第1の非絶縁部10aおよび第2の非絶縁部
10bを残して絶縁被覆材4によって絶縁被覆された第
2の導体10と、前記第1導体の第1の非絶縁部3aの
全部と前記第2導体の第1の非絶縁部10aの全部を覆
って前記基板に固着された親水性多孔質膜5とを備え、
前記基板2と親水性多孔質膜5との間にスペーサー7を
備える。
と、前記基板の表面に固着され第1の非絶縁部3aおよ
び第2の非絶縁部3bを残して絶縁被覆材4によって絶
縁被覆された第1の導体3と、前記基板の第1の導体3
が固着されたのと同一平面上に前記第1の導体に略平行
に固着され第1の非絶縁部10aおよび第2の非絶縁部
10bを残して絶縁被覆材4によって絶縁被覆された第
2の導体10と、前記第1導体の第1の非絶縁部3aの
全部と前記第2導体の第1の非絶縁部10aの全部を覆
って前記基板に固着された親水性多孔質膜5とを備え、
前記基板2と親水性多孔質膜5との間にスペーサー7を
備える。
【0079】スペーサー7は、前記第1の導体の第1の
非絶縁部3aに対応する部分と重なる部分に第1の開口
部8を有し、微生物6は、スペーサー7の第1の開口部
の内壁と前記基板と親水性多孔質膜とで囲まれた空間に
前記第1の非絶縁部3aに接触可能に封入されている。
スペーサー7は、さらに前記第2の導体の第1の非絶縁
部10aに対応する部分と重なる部分に第2の開口部1
1を有する。また、スペーサー7は、第1の開口部8か
ら、および第2の開口部11から、それぞれ外部に通じ
る空気孔14および空気孔15を有し、各空気孔の出口
にはそれぞれフィルター16およびフィルター17が設
けられている。
非絶縁部3aに対応する部分と重なる部分に第1の開口
部8を有し、微生物6は、スペーサー7の第1の開口部
の内壁と前記基板と親水性多孔質膜とで囲まれた空間に
前記第1の非絶縁部3aに接触可能に封入されている。
スペーサー7は、さらに前記第2の導体の第1の非絶縁
部10aに対応する部分と重なる部分に第2の開口部1
1を有する。また、スペーサー7は、第1の開口部8か
ら、および第2の開口部11から、それぞれ外部に通じ
る空気孔14および空気孔15を有し、各空気孔の出口
にはそれぞれフィルター16およびフィルター17が設
けられている。
【0080】微生物センサ20においてスペーサー7
は、平板状絶縁基板2および親水性多孔質膜5に、前記
第1および第2の開口部8、11部分と空気孔14、1
5部分を除いて全面接着されている。
は、平板状絶縁基板2および親水性多孔質膜5に、前記
第1および第2の開口部8、11部分と空気孔14、1
5部分を除いて全面接着されている。
【0081】ここで、本発明の微生物センサの第3の実
施の形態における微生物センサ20は、上記本発明の微
生物センサの第2の実施の形態における微生物センサの
構成に加えて、さらに、スペーサー7に、第1の開口部
8から、および第2の開口部11から、それぞれ外部に
通じる空気孔14および空気孔15を設け、各空気孔の
出口にそれぞれフィルター16およびフィルター17を
設けたものである。
施の形態における微生物センサ20は、上記本発明の微
生物センサの第2の実施の形態における微生物センサの
構成に加えて、さらに、スペーサー7に、第1の開口部
8から、および第2の開口部11から、それぞれ外部に
通じる空気孔14および空気孔15を設け、各空気孔の
出口にそれぞれフィルター16およびフィルター17を
設けたものである。
【0082】したがって、本発明の微生物センサの第3
の実施の形態における微生物センサ20が備える平板状
絶縁基板2、第1の導体3、絶縁被覆材4、第2の導体
10、親水性多孔質膜5、および微生物6は、上記本発
明の微生物センサの第2の実施の形態における微生物セ
ンサの平板状絶縁基板、第1の導体、絶縁被覆材、第2
の導体、親水性多孔質膜、および微生物の態様とそれぞ
れ同様とすることができる。
の実施の形態における微生物センサ20が備える平板状
絶縁基板2、第1の導体3、絶縁被覆材4、第2の導体
10、親水性多孔質膜5、および微生物6は、上記本発
明の微生物センサの第2の実施の形態における微生物セ
ンサの平板状絶縁基板、第1の導体、絶縁被覆材、第2
の導体、親水性多孔質膜、および微生物の態様とそれぞ
れ同様とすることができる。
【0083】さらに、本発明の微生物センサの第3の実
施の形態における微生物センサ20が有するスペーサー
7は、第1の開口部8から、および第2の開口部11か
ら、それぞれ外部に通じる空気孔14および空気孔1
5、各空気孔の出口にそれぞれ設けられたフィルター1
6およびフィルター17を除いては、上記本発明の微生
物センサの第2の実施の形態における微生物センサのス
ペーサと同様である。
施の形態における微生物センサ20が有するスペーサー
7は、第1の開口部8から、および第2の開口部11か
ら、それぞれ外部に通じる空気孔14および空気孔1
5、各空気孔の出口にそれぞれ設けられたフィルター1
6およびフィルター17を除いては、上記本発明の微生
物センサの第2の実施の形態における微生物センサのス
ペーサと同様である。
【0084】第3の実施の形態の微生物センサ20にお
いて、スペーサー7に設けられた第1の開口部8から外
部に通じる空気孔14および第2の開口部11から外部
に通じる空気孔15は、前記第1、第2の開口部8、1
1と同じ幅で、微生物センサ20の試料溶液挿入端20
aから最も遠いスペーサー外部に通じている。なお、本
発明の微生物センサにおけるスペーサーに必要に応じて
設けられる空気孔の形状や位置はこれに限定されない
が、上記位置や形状が好ましい。
いて、スペーサー7に設けられた第1の開口部8から外
部に通じる空気孔14および第2の開口部11から外部
に通じる空気孔15は、前記第1、第2の開口部8、1
1と同じ幅で、微生物センサ20の試料溶液挿入端20
aから最も遠いスペーサー外部に通じている。なお、本
発明の微生物センサにおけるスペーサーに必要に応じて
設けられる空気孔の形状や位置はこれに限定されない
が、上記位置や形状が好ましい。
【0085】上記空気孔14の出口に設けられたフィル
ター16は、スペーサー7の第1の開口部8に封入され
た微生物6が微生物センサ20外部に漏出しないように
設けられるものであり、空気を透過するが微生物6を実
質的に透過させないものが用いられる。上記空気孔15
の出口に設けられたフィルター17は設置されても、さ
れなくてもよいが、設置される場合にはフィルター16
と同様のものが好ましく用いられる。
ター16は、スペーサー7の第1の開口部8に封入され
た微生物6が微生物センサ20外部に漏出しないように
設けられるものであり、空気を透過するが微生物6を実
質的に透過させないものが用いられる。上記空気孔15
の出口に設けられたフィルター17は設置されても、さ
れなくてもよいが、設置される場合にはフィルター16
と同様のものが好ましく用いられる。
【0086】また、空気抜きに関しては、スペーサー開
口部の形状によっても影響を受けるが、図19に上記微
生物センサ20に好ましく用いられる各種形状の開口部
を有するスペーサーの正面図を示す。(a)〜(c)に
示されるスペーサー7は、第1の開口部8および第2の
開口部11および各開口部からスペーサーの試料溶液挿
入端7aと反対側の外部にそれぞれ通じる空気孔、各空
気孔の出口にそれぞれフィルターを有する。
口部の形状によっても影響を受けるが、図19に上記微
生物センサ20に好ましく用いられる各種形状の開口部
を有するスペーサーの正面図を示す。(a)〜(c)に
示されるスペーサー7は、第1の開口部8および第2の
開口部11および各開口部からスペーサーの試料溶液挿
入端7aと反対側の外部にそれぞれ通じる空気孔、各空
気孔の出口にそれぞれフィルターを有する。
【0087】(a)に示されるスペーサーにおいて第
1、第2の開口部はともにスペーサーの試料溶液挿入端
に近い部分の幅が狭い、略凸形状の開口部であり、
(b)に示されるスペーサーにおいて第1、第2の開口
部はともにスペーサーの試料溶液挿入端に近い部分の先
端が略半円状になった開口部であり、(c)に示される
スペーサーにおいて第1、第2の開口部はともに(a)
に示されるスペーサーの開口部と同様に略凸形状である
が、幅の狭い部分が試料溶液挿入端まで延びて外部に通
じる空気孔を形成している開口部であり、試料溶液挿入
端の空気孔出口にもフィルターが取り付けられている。
1、第2の開口部はともにスペーサーの試料溶液挿入端
に近い部分の幅が狭い、略凸形状の開口部であり、
(b)に示されるスペーサーにおいて第1、第2の開口
部はともにスペーサーの試料溶液挿入端に近い部分の先
端が略半円状になった開口部であり、(c)に示される
スペーサーにおいて第1、第2の開口部はともに(a)
に示されるスペーサーの開口部と同様に略凸形状である
が、幅の狭い部分が試料溶液挿入端まで延びて外部に通
じる空気孔を形成している開口部であり、試料溶液挿入
端の空気孔出口にもフィルターが取り付けられている。
【0088】上記の様な本発明の微生物センサ20を用
いて、試料溶液の試料濃度を測定する際には、微生物セ
ンサを測定試料溶液に浸漬し、作用電極(微生物電極)
と対極との間に、電子が移動しやすいように一定の電位
差を負荷し、両電極間に流れる電流を計測することによ
り、試料溶液中の試料濃度を測定することができる。ま
た、上記で述べたように、この場合も、微生物センサと
共にAg/AgCl電極等の参照電極を試料液に浸漬
し、参照電極を電位設定の基準として作用電極の電位を
設定することも可能である。
いて、試料溶液の試料濃度を測定する際には、微生物セ
ンサを測定試料溶液に浸漬し、作用電極(微生物電極)
と対極との間に、電子が移動しやすいように一定の電位
差を負荷し、両電極間に流れる電流を計測することによ
り、試料溶液中の試料濃度を測定することができる。ま
た、上記で述べたように、この場合も、微生物センサと
共にAg/AgCl電極等の参照電極を試料液に浸漬
し、参照電極を電位設定の基準として作用電極の電位を
設定することも可能である。
【0089】ここで、上記微生物センサを用いた各種試
料溶液の物質濃度の測定法についてBOD測定を例にし
て簡単に説明する。BODの測定は、標準試料を用いて
検量線を作製し、試料液を用いたとき得られる電流値か
ら試料液のBOD値を求める方法で行われる。つまり、
有機物を含有しない緩衝液を用いて対極若しくは参照電
極と作用電極との間を流れる電流を測定し、各種濃度の
標準試料を用いて電流値を測定し、検量線を作製する。
続いて測定試料あるいは前記緩衝液で希釈した測定試料
液を用いて同様に電流を測定し、これらの電流値を、標
準試料を用いたときの電流値と比較することによりBO
D測定を行う。また、内部にメディエータ等を保持する
微生物センサを用いる場合には、直接、試料液に浸漬し
て、対極若しくは参照電極と作用電極(微生物電極)と
の間を流れる電流を測定し、標準試料を用いたときの電
流と比較することによりBOD測定を行う。
料溶液の物質濃度の測定法についてBOD測定を例にし
て簡単に説明する。BODの測定は、標準試料を用いて
検量線を作製し、試料液を用いたとき得られる電流値か
ら試料液のBOD値を求める方法で行われる。つまり、
有機物を含有しない緩衝液を用いて対極若しくは参照電
極と作用電極との間を流れる電流を測定し、各種濃度の
標準試料を用いて電流値を測定し、検量線を作製する。
続いて測定試料あるいは前記緩衝液で希釈した測定試料
液を用いて同様に電流を測定し、これらの電流値を、標
準試料を用いたときの電流値と比較することによりBO
D測定を行う。また、内部にメディエータ等を保持する
微生物センサを用いる場合には、直接、試料液に浸漬し
て、対極若しくは参照電極と作用電極(微生物電極)と
の間を流れる電流を測定し、標準試料を用いたときの電
流と比較することによりBOD測定を行う。
【0090】微生物センサを流れる電流は、微生物の種
類、電極と微生物との接触面積、メディエータの種類及
び濃度、対極と電極との間に負荷する電位差、BOD濃
度等に依存するので、これらは予備実験を行って適宜設
定するとよい。
類、電極と微生物との接触面積、メディエータの種類及
び濃度、対極と電極との間に負荷する電位差、BOD濃
度等に依存するので、これらは予備実験を行って適宜設
定するとよい。
【0091】本発明の微生物センサを有機物含有溶液に
浸漬すると、センサ内の微生物により、有機物が代謝さ
れる。その結果、電子が電子伝達系に移動する。対極と
電極との間に電位差を負荷すると、電子が微生物から電
極に移行する。その結果、電子が発生しないときと比べ
て得られる電流が異なる。この電流を計測することによ
り、有機物濃度、すなわちBODを測定することができ
る。
浸漬すると、センサ内の微生物により、有機物が代謝さ
れる。その結果、電子が電子伝達系に移動する。対極と
電極との間に電位差を負荷すると、電子が微生物から電
極に移行する。その結果、電子が発生しないときと比べ
て得られる電流が異なる。この電流を計測することによ
り、有機物濃度、すなわちBODを測定することができ
る。
【0092】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明する。
【0093】
【実施例1】 微生物センサの作製 図7に正面図、図8に分解図、図9に正面図のX−X’
線における断面図、図10に正面図のY−Y’線におけ
る断面図が示されるのと同様な微生物センサを作製し
た。
線における断面図、図10に正面図のY−Y’線におけ
る断面図が示されるのと同様な微生物センサを作製し
た。
【0094】まず、微生物センサに封入する微生物菌体
を調製した。すなわち、シュードモナス・フルオレッセ
ンス(biovar V)を、液体培地(ペプトン5.0g/
L、肉エキス3.0g/L、塩化ナトリウム3.0g/
L、pH7.0)で、25℃、130rpmの条件下、
20時間振盪培養した後、集菌した。次いで、以下の方
法で微生物センサ20を作製した。
を調製した。すなわち、シュードモナス・フルオレッセ
ンス(biovar V)を、液体培地(ペプトン5.0g/
L、肉エキス3.0g/L、塩化ナトリウム3.0g/
L、pH7.0)で、25℃、130rpmの条件下、
20時間振盪培養した後、集菌した。次いで、以下の方
法で微生物センサ20を作製した。
【0095】平板状絶縁基板2としてガラスエポキシ製
シート(20×45×0.8mm)を用いた。この基板
2の同一表面上に電解金メッキにより略平行に3×3m
mの1つの作用極3と同様のサイズの1つの対極10を
形成し、中央部分をレジスト材(グリーンレジスト)4
で絶縁被覆した。
シート(20×45×0.8mm)を用いた。この基板
2の同一表面上に電解金メッキにより略平行に3×3m
mの1つの作用極3と同様のサイズの1つの対極10を
形成し、中央部分をレジスト材(グリーンレジスト)4
で絶縁被覆した。
【0096】親水性多孔質膜5としては、ニトロセルロ
ースフィルター(アドバンテック社製A080A025A、孔径
0.8μm、膜厚150μm、φ25mm)を用いた。
この親水性多孔質膜5の作用極非絶縁部3aに対応する
部分に、上記で得られたシュードモナス・フルオレセン
スの菌体懸濁液OD58050を70μl滴下した。
ースフィルター(アドバンテック社製A080A025A、孔径
0.8μm、膜厚150μm、φ25mm)を用いた。
この親水性多孔質膜5の作用極非絶縁部3aに対応する
部分に、上記で得られたシュードモナス・フルオレセン
スの菌体懸濁液OD58050を70μl滴下した。
【0097】この様にして微生物菌体6を保持させた親
水性多孔質膜5を、作用極3および対極4の非絶縁部3
a、4aを完全に覆い、かつ微生物菌体保持部が作用極
3の非絶縁部3aに接触する様にして、上記平板状絶縁
基板2上に接着剤により固着した。なお、試料濃度測定
時に微生物菌体6が対極の非絶縁部4aに流動していか
ない様に、親水性多孔質膜5は、作用極3および対極4
の非絶縁部3a、4aに対応する部分以外の部分が上記
基板上に全面接着されるかたちで固着された。
水性多孔質膜5を、作用極3および対極4の非絶縁部3
a、4aを完全に覆い、かつ微生物菌体保持部が作用極
3の非絶縁部3aに接触する様にして、上記平板状絶縁
基板2上に接着剤により固着した。なお、試料濃度測定
時に微生物菌体6が対極の非絶縁部4aに流動していか
ない様に、親水性多孔質膜5は、作用極3および対極4
の非絶縁部3a、4aに対応する部分以外の部分が上記
基板上に全面接着されるかたちで固着された。
【0098】
【実施例2】 本発明の微生物センサを用いたBOD測
定 メディエータ(40mMフェリシアン化カリウム)、
0.1Mリン酸緩衝液(何れも最終濃度)を含む溶液
(pH7.0)中に上記実施例1で得られた微生物セン
サを挿入し、ポテンショスタットを用いて作用極に+4
00mV電圧印加して、電流値の変化により試料溶液
(25℃)中のBOD測定を行った。
定 メディエータ(40mMフェリシアン化カリウム)、
0.1Mリン酸緩衝液(何れも最終濃度)を含む溶液
(pH7.0)中に上記実施例1で得られた微生物セン
サを挿入し、ポテンショスタットを用いて作用極に+4
00mV電圧印加して、電流値の変化により試料溶液
(25℃)中のBOD測定を行った。
【0099】試料溶液としては、OECD(経済協力開
発機構)の報告書で採用されている下記組成の人工下水
を使用した。結果を図20に示す。なお、図20におい
て横軸はBOD5日間法(JIS K0102、ウィン
クラーアジ化ナトリウム変法)で測定した前記人工下水
のBOD5濃度を示し、縦軸が上記微生物センサにより
測定された電流値を示す。
発機構)の報告書で採用されている下記組成の人工下水
を使用した。結果を図20に示す。なお、図20におい
て横軸はBOD5日間法(JIS K0102、ウィン
クラーアジ化ナトリウム変法)で測定した前記人工下水
のBOD5濃度を示し、縦軸が上記微生物センサにより
測定された電流値を示す。
【0100】
【表1】
【0101】この結果から、本発明の微生物センサによ
り測定される電流値は、従来法で測定したBOD濃度に
よく対応していることがわかる。
り測定される電流値は、従来法で測定したBOD濃度に
よく対応していることがわかる。
【0102】
【発明の効果】本発明の微生物電極および微生物センサ
は、応答性、安定性、再現性、耐久性に優れる。
は、応答性、安定性、再現性、耐久性に優れる。
【図1】 本発明の微生物電極の第1の実施の形態の正
面図である。
面図である。
【図2】 本発明の微生物電極の第1の実施の形態の正
面図のX−X’線における断面図である。
面図のX−X’線における断面図である。
【図3】 本発明の微生物電極の第2の実施の形態の正
面図である。
面図である。
【図4】 本発明の微生物電極の第2の実施の形態の分
解図である。
解図である。
【図5】 本発明の微生物電極の第2の実施の形態の正
面図のX−X’線における断面図である。
面図のX−X’線における断面図である。
【図6】 本発明の微生物電極の使用状態の一例を示す
概略図である。
概略図である。
【図7】 本発明の微生物センサの第1の実施の形態の
正面図である。
正面図である。
【図8】 本発明の微生物センサの第1の実施の形態の
分解図である。
分解図である。
【図9】 本発明の微生物センサの第1の実施の形態の
正面図のX−X’線における断面図である。
正面図のX−X’線における断面図である。
【図10】 本発明の微生物センサの第1の実施の形態
の正面図のY−Y’線における断面図である。
の正面図のY−Y’線における断面図である。
【図11】 本発明の微生物センサの第2の実施の形態
の正面図である。
の正面図である。
【図12】 本発明の微生物センサの第2の実施の形態
の分解図である。
の分解図である。
【図13】 本発明の微生物センサの第2の実施の形態
の正面図のX−X’線における断面図である。
の正面図のX−X’線における断面図である。
【図14】 本発明の微生物センサの第2の実施の形態
の正面図のY−Y’線における断面図である。
の正面図のY−Y’線における断面図である。
【図15】 本発明の微生物センサの第3の実施の形態
の正面図である。
の正面図である。
【図16】 本発明の微生物センサの第3の実施の形態
の分解図である。
の分解図である。
【図17】 本発明の微生物センサの第3の実施の形態
の正面図のX−X’線における断面図である。
の正面図のX−X’線における断面図である。
【図18】 本発明の微生物センサの第3の実施の形態
の正面図のY−Y’線における断面図である。
の正面図のY−Y’線における断面図である。
【図19】 本発明の微生物センサの第3の実施の形態
に用いられる各種スペーサーの正面図である。
に用いられる各種スペーサーの正面図である。
【図20】 実施例1の微生物センサを用いてBODを
測定したときの結果を示す図である。
測定したときの結果を示す図である。
1.微生物電極 2.平板状絶縁基板 3.第1の導体(作用電極) 3a.第1の導体における第1の非絶縁部 3b.第1の導体における第2の非絶縁部 4.絶縁被覆材 5.親水性多孔質膜 6.微生物 7.スペーサー 8.第1の開口部 10.第2の導体(対極) 10a.第2の導体における第1の非絶縁部 10b.第2の導体における第2の非絶縁部 11.第2の開口部 14.第1の開口部から外部に通じる空気孔 15.第2の開口部から外部に通じる空気孔 16.フィルター 17.フィルター 20.微生物センサ 30.ポテンショスタット 31.試料槽 32.マグネチックスターラ 33.スターラバー 34.コンピュータ
Claims (9)
- 【請求項1】 平板状絶縁基板と、前記基板の表面に固
着され第1の非絶縁部および第2の非絶縁部を残して絶
縁被覆された導体(第1)と、前記導体の第1の非絶縁
部の全部を覆って前記基板に固着された親水性多孔質膜
とを備え、前記基板と親水性多孔質膜との間に微生物が
前記第1の非絶縁部に接触可能に封入された微生物電極
であって、前記親水性多孔質膜は前記微生物を実質的に
透過しない微生物電極。 - 【請求項2】 前記基板と親水性多孔質膜との間に界面
活性剤を含む請求項1記載の微生物電極。 - 【請求項3】 さらに前記基板と親水性多孔質膜との間
に、前記第1の非絶縁部に対応する部分と少なくとも一
部が重なる開口部(第1)を有するスペーサーを備え、
スペーサー開口部の内壁と前記基板と親水性多孔質膜と
で囲まれた空間に前記微生物が前記第1の非絶縁部に接
触可能に封入された請求項1記載の微生物電極。 - 【請求項4】 前記スペーサーが前記開口部から外部に
通じる空気孔を少なくとも1個有する請求項3記載の微
生物電極。 - 【請求項5】 スペーサー開口部の内壁と前記基板と親
水性多孔質膜とで囲まれた空間に界面活性剤を含む請求
項3または4記載の微生物電極。 - 【請求項6】 請求項1または2に記載の微生物電極
と、この電極の平板状絶縁基板の表面に前記第1の導体
と互いに接触しないように固着され、第1の非絶縁部お
よび第2の非絶縁部を残して絶縁被覆された対極として
の第2の導体と、を備えた微生物センサ。 - 【請求項7】 前記第1の導体と第2の導体が略平行に
平板状絶縁基板の同一平面上に固着され、前記親水性多
孔質膜は第1の導体の第1の非絶縁部の全部および第2
の導体の第1の非絶縁部の全部を覆って前記基板に固着
された請求項6記載の微生物センサ。 - 【請求項8】 請求項3〜5のいずれか1項に記載の微
生物電極と、この電極の平板状絶縁基板の表面に前記第
1の導体と互いに接触しないように固着され、第1の非
絶縁部および第2の非絶縁部を残して絶縁被覆された対
極としての第2の導体と、を備えた微生物センサ。 - 【請求項9】 前記第1の導体と第2の導体が略平行に
平板状絶縁基板の同一平面上に固着され、前記親水性多
孔質膜は第1の導体の第1の非絶縁部の全部および第2
の導体の第1の非絶縁部の全部を覆って前記基板に固着
され、前記スペーサーにおける第1の開口部は前記第2
の導体の第1の非絶縁部に対応する部分と重なることな
く設けられ、さらに必要に応じて、前記スペーサーが、
前記第1の開口部とは独立して、前記第2の導体の第1
の非絶縁部に対応する部分と少なくとも一部が重なる第
2の開口部を有するとともに、前記第2の開口部から外
部に通じる空気孔を少なくとも1個有してもよい、請求
項8記載の微生物センサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9337481A JPH11174017A (ja) | 1997-12-08 | 1997-12-08 | 微生物電極及び微生物センサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9337481A JPH11174017A (ja) | 1997-12-08 | 1997-12-08 | 微生物電極及び微生物センサ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11174017A true JPH11174017A (ja) | 1999-07-02 |
Family
ID=18309062
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9337481A Pending JPH11174017A (ja) | 1997-12-08 | 1997-12-08 | 微生物電極及び微生物センサ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11174017A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008096415A (ja) * | 2006-01-31 | 2008-04-24 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | Bodの測定法 |
JP2008185534A (ja) * | 2007-01-31 | 2008-08-14 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | エタノールの測定法 |
JP2008185533A (ja) * | 2007-01-31 | 2008-08-14 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | グルコースの測定法 |
JP2009258024A (ja) * | 2008-04-18 | 2009-11-05 | Yazaki Corp | ガスセンサ |
JP2017526165A (ja) * | 2014-06-20 | 2017-09-07 | ファンダシオ インスティテュット カタラ デ ナノシエンシア イ ナノテクノロジア | フレキシブル基板上に電子デバイスを形成する方法 |
-
1997
- 1997-12-08 JP JP9337481A patent/JPH11174017A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008096415A (ja) * | 2006-01-31 | 2008-04-24 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | Bodの測定法 |
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