JPH11174003A - 2波長x線散乱法および薄膜評価装置 - Google Patents

2波長x線散乱法および薄膜評価装置

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JPH11174003A
JPH11174003A JP9344653A JP34465397A JPH11174003A JP H11174003 A JPH11174003 A JP H11174003A JP 9344653 A JP9344653 A JP 9344653A JP 34465397 A JP34465397 A JP 34465397A JP H11174003 A JPH11174003 A JP H11174003A
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Kazuhiro Ueda
和浩 上田
Tatsumi Hirano
辰巳 平野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】試料の軸立てを迅速,簡便に行う方法とその方
法を用いた薄膜評価装置を提供すること。 【解決手段】X線源,ゴニオメーター,試料支持台,X
線検出器,前記X線検出器の信号が入力される信号処理
手段を有する薄膜評価装置を用い、X線を所定の入射角
度で試料に入射させ前記試料から発生される散乱X線の
出射角に対する強度分布を2波長以上で計測する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はX線を用いた試料軸
立て方法およびそれを用いた薄膜評価装置に関する発明
である。
【0002】
【従来の技術】半導体デバイスや磁気ヘッド素子の微細
化,小型化により、素子を構成する薄膜の極薄膜化が進
んでいる。このような、極薄膜の物性(結晶構造,膜
厚,結晶粒径,表面不純物濃度)計測はデバイスの開発
において、あるいは製造されるデバイスの特性を均一に
保つために重要である。
【0003】極薄膜の評価の手段として、表面の元素濃
度計測には全反射蛍光X線装置が、また極薄膜の膜厚計
測にはX線反射率法が、薄膜の結晶性評価には斜入射X
線回折法が、表面形状を測定する方法として斜入射X線
散漫散乱測定法がある。
【0004】これら手法のコアの技術の一つが斜入射X
線法がある。この方法はX線を試料表面すれすれ(X線
の全反射近傍)に入射し、主に薄膜(表面)からの情報
を得る方法である。この方法は、X線を試料表面すれす
れに入射する必要があり、その入射角度制御が測定精
度,再現性に大きく影響する。
【0005】従来、試料表面とX線を平行にする作業
(以後、軸立て作業と呼ぶ)は1)入射X線の強度が当
初の50%になるように試料をX線を遮るように移動、
2)入射X線,試料表面の法線で構成される散乱面に垂
直な軸で試料を回転し、入射X線強度が最大になる角度
に調整。この1),2)の作業を繰り返し、最大強度が
当初の50%、試料を回転すると強度が減少する様に試
料を調整する。この方法は半割り法と呼ばれているが精
度0.1°程度と低い。
【0006】別の方法としては試料のX線の全反射角θ
cを用いる方法がある。試料の複素屈折率をnとすると
n=1−δ−iβ,θc=(2δ)0.5の関係があり、測
定試料の全反射角を測定し、入射角の原点を決める方法
である。
【0007】この方法は、ほとんどの試料の場合、複素
屈折率が未知のため、試料のバクル密度と構成元素の濃
度から求めた理論値を用いて全反射角を計測する必要が
ある。このため、この方法での角度の精度は0.02°
程度になる。
【0008】また、富士通の特願平7−260712 号出願に
書いた方法がある。この方法は試料を回転させながら、
全反射角を測定し、その角度が試料の回転によって変化
しないように軸立てする方法がある。この方法を用いれ
ば0.005° の精度で軸立てができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、試料表面はそ
の薄膜形成過程でほとんどの場合反っている。反った試
料軸立て方法を用いた場合、その再現性は大きく低下す
る。このような場合、前述の斜入射X線を用いた試料評
価法は、その測定精度,再現性が低下することになる。
【0010】そこで、高い精度と再現精度よく試料を評
価するには反りに影響されにくいX線の入射角度の高精
度決定方法が必要である。
【0011】また、反った試料をマッピング測定する場
合、試料位置を変えると入射角が多少変化する。この変
化量をなくすには、再度軸立てをする必要がある。現実
的には測定時間の都合から軸立てをしないで、そのまま
入射角の変化量が小さいとして測定しているため、測定
場所により、精度が異なり、再現性を悪くする原因とな
る。
【0012】本発明の目的は、このような従来技術の問
題点に鑑み、試料表面へのX線の入射角を短時間で高精
度に決定し、試料の軸立てを素早く、高精度に実施する
方法と本軸立て方法を用いた薄膜評価装置を提供するこ
とにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は2波長以上を含
む入射X線と試料を保持する試料支持台、試料を移動,
回転させるゴニオメーター、試料の回転軸と同軸で回転
するテーブルに配置されたX線検出器で構成される装置
において、入射X線に平行になるように前記、半割り法
などで試料調整する。次に、所定の入射角度で試料にX
線を入射させ試料から発生する散乱X線の出射角に対す
る強度分布を、2波長以上で計測し、それぞれの波長で
測定した強度分布におけるピーク位置の差から入射角度
を正確に決定することを特徴とする。
【0014】前記散乱X線の強度分布を計測する波長
は、X線源に用いた金属のKα線,Kβ線などの特性X
線を用いることを特徴とする。
【0015】前記散乱X線の強度分布のヨネダピークに
着目し、2波長λ1,λ2で計測した前記ピーンの散乱
角θ1,θ2から、X線の入射角度ωを式(1)
【0016】
【数2】 ω=θ1−λ1(θ1−θ2)/(λ1−λ2) …(2) にしたがって決定することを特徴とする。
【0017】また本発明は2波長以上を含むX線と試料
を保持する試料支持台,ゴニオメーター,X線検出器,
X線検出器の信号が入力される信号処理手段で構成され
る薄膜評価装置において、前記試料軸立て方法を用い入
射角度を正確に決定することを特徴とする。
【0018】前記散乱X線を2波長以上に分光するため
に、試料とX線検出器の間に分光素子を備える、または
前記X線検出器として半導体検出器を用いることを特徴
とする。
【0019】以下、図面を用いて本発明の原理を説明す
る。
【0020】図3は本発明の軸立て方法のフローであ
る。X線に対する試料の屈折率nは、屈折率の実数部を
δ,虚数部をβ,Naをアボガドロ数,古典電子半径を
r0,X線の波長をλ,ρjを密度,原子密度をAj,
Zは原子番号,f′jは原子散乱因子の異常分散項,μ
を吸収係数とすると、式(3),(4),(5)に示す様
に、X線の波長λと共に変化する。全反射角θcと屈折
率nは式(3)〜(6)に示す関係がある。
【0021】
【数3】 n=1−δ−iβ …(3)
【0022】
【数4】 δ=(Nar0/2π)λ2Σ(ρj/Aj)(Zj+f′j) …(4)
【0023】
【数5】 β=μλ/4π …(5)
【0024】
【数6】 θc=(2δ)0.5 …(6) それぞれの波長で測定された散乱強度は図3の20,2
1に図示した。
【0025】散乱強度分布はヨネダピークの位置22と
鏡面反射の位置23にピークをもつ。ヨネダピーク22
は試料表面からの出射角αが全反射角θcのとき、最大
強度を与える。波長を変えてヨネダピークの位置の差を
測定することで、試料表面の屈折率の実数部δを高精度
に求めることができる。
【0026】このとき、特性X線を用いれば、その波長
が高い精度で決まっているため屈折率の決定精度も向上
する。ヨネダピークが得られる散乱角はω+θcになる
ため、式(4)を用いてθcを決めることにより、ωが
高精度に決定できる。本方法を用いれば、試料の測定位
置で高精度に入射角を決定することが可能となる。
【0027】図4を用いて試料が反っている場合の調整
方法を説明する。
【0028】試料が反っている場合、入射角を所定の値
にし、検出器を走査して散乱強度分布を2波長で測定し
ます。測定はヨネダピークの位置θc1,θc2と鏡面
反射ピークの位置θrを決定できるようにする。ヨネダ
ピークの位置は前述したように波長によって変化する
が、鏡面反射ピークの位置は波長によらず、試料表面に
対する入射角の2倍の位置になる。
【0029】つまり、前記方法で入射角ωをもとめる
と、θr=2ωとなるはずである。試料が反っている場
合、測定位置が中心をはずれるに従い、Z軸の値も中心
の場合と異なる。このZ方向の差は鏡面反射ピーク位置
がずれることで検出できる。そこでθr=2ωとなるよ
うに、Z軸を調整することで、Z軸の補正ができる。本
軸立て方法を用いれば、反った試料のマッピング測定で
も測定位置で高精度な軸立てが可能となる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。
【0031】(実施例1)図1は本発明による薄膜検査
装置の一例を示す装置構成図である。X線源で発生した
X線は、スリット2で幅50μm,高さ5mmの短冊状に
入射X線13に形成し、試料3に入射する。試料3はX
YZステージ付き試料支持台4に固定されゴニオメータ
ー7のω軸上に配置されている。またω軸と同軸の2θ
アーム8は、2θアーム8上に配置した分光素子5とX
線検出器6を動かす軸となっている。
【0032】ゴニオメーター7の各軸とXYZステージ
付き試料支持台4のX,Y,Z軸、分光素子5の駆動軸
(図示せず)はパルスモータで駆動されており、その制
御はドライバー/コントローラ10を介してコンピュー
タ12で行っている。またX線検出器5で計測したX線
強度はチャンネルアナライザ9を経由してコンピュータ
12に取り込み、その結果をCRT11に表示する構成
になっている。
【0033】図2は本発明の概念図である。CuX線源
1で発生したX線はスリット2を形成し、試料に入射角
ω17で試料3に入射する。試料3で散乱角2θ19,
出射角α18方向に散乱されたX線を分光素子5でCu
Kα、またはCuKβに分光し、X線検出器6で散乱強
度を測定する。
【0034】図2(a)は分光素子は分光素子1枚型で
あり、図2(b)はチャンネルカット型分光素子を用い
た方法である。どちらの方法も、X線検出器としてシン
チレーションカウンターを用いた。本実施例では試料と
して燐化ニッケルをアルミニウム基板の上に2〜3μm
程度メッキした試料を用いた。
【0035】この装置を用いて、試料の半割り法による
軸立てを行う。1)入射X線の強度が当初の50%にな
るように試料がX線を遮るように試料台4のZ軸を移動
させる。2)ゴニオメーターのω軸で試料を回転し、入
射x線強度が最大になる角度に調整する。この1),
2)の作業を繰り返し、最大強度が当初の50%、試料
を回転させると強度が減少するように試料を調整する。
【0036】次に、入射角ω17を0.5° に固定し、
分光素子5で入射X線の内CuKαだけがX線検出器6
に入るようにする。2θ角を0.5°から0.9°まで走
査する。このとき、測定点の間隔を0.002° とし、
それぞれの測定点で、分光素子を動かし、波長がCuK
α,CuKβのときの散乱強度を測定する。得られた結
果を図3の20,21に示す。分光素子をCuKαの条
件で散乱強度20を測定したのち、分光素子をCuKβ
の条件に変更し再度散乱強度21を測定しても同様の結
果が得られる。
【0037】図3は得られた散乱強度分布とその処理の
フローである。測定された散乱強度を、コンピュータに
取り込みこのプロファイルの最大値と最小値の角度を求
める。最大値を与える角度をθc1,最小値を与える角
度をθc2とすると、入射角ωは
【0038】
【数7】 ω=θc1−λCuka(θc1−θc2)/(λCuka−λCukb) …(7) で求めることができる。
【0039】反った試料の場合の軸立て方法のフローを
図4に示す。反った試料では2θ角の走査範囲を0.5
°から1.2°までに広げ、鏡面反射ピーク位置も測定
する。ヨネダピーク22の波長による差から入射角ωを
前述の方法と同様に求める。
【0040】次に鏡面反射ピークの位置をθrとすると
2ω=θrとなるように試料台のZ軸を走査する。Z軸
を調整することで、反りの影響によるZ軸のずれ24の
補正ができる。このとき、試料は入射角ωで、試料表面
がゴニオメーターの回転軸と一致し軸立てが完了する。
本軸立て方法を用いれば、反った試料のマッピング測定
でも測定位置で高精度な軸立てが可能となる。
【0041】前軸立て方法を全反射蛍光X線装置,X線
反射率法,斜入射X線回折法斜入射X線散漫散乱測定法
の試料の軸立てに適用することにより再現性の良い、高
精度な薄膜解析が可能となる。
【0042】(実施例2)図5は本発明による薄膜検査
装置の別の一例を示す概念図である。CuX線源1で発
生したX線はスリット2で幅50μm,高さ5mmの短冊
状に入射X線に形成し、試料に入射する。試料3はXY
Zステージ付き試料支持台4に固定されゴニオメーター
7のω軸上に配置されている。またω軸と同軸の2θア
ーム8は、2θアーム8上に配置したスリット4とX線
検出器6の1種である半導体検出器を動かす軸となって
いる。
【0043】ゴニオメーターの各軸とXYZステージ付
き試料支持台4のX,Y,Z軸はパルスモータで駆動さ
れており、その制御はドライバー/コントローラ10を
介してコンピュータ12で行っている。また半導体検出
器で計測したX線強度はマルチチャンネルアナライザ9
を経由してエネルギー分解し、強度をコンピュータ12
に取り込み、その結果をCRT11上に表示する構成に
なっている。ここでは試料として燐化ニッケルをアルミ
ニウム基板の上に2〜3μm程度メッキした試料を用い
た。
【0044】この装置を用いて、試料の半割り法による
軸立てを行う。1)入射X線の強度が当初の50%にな
るように試料がX線を遮るようにZ軸で移動する。2)
ゴニオメーターのω軸で試料を回転し、入射X線強度が
最大になる角度に調整する。この1),2)の作業を繰
り返し、最大強度が当初の50%、試料を回転させると
強度が減少するように試料を調整する。
【0045】次に、入射角(ω軸)を0.5° に固定
し、2θ角を0.5°から0.9まで走査する。このと
き、測定点の間隔を0.002° とし、半導体検出器で
波長がCuKα,CuKβの散乱強度を測定する。本実
施例では半導体検出器を用いることにより、複数の波長
のX線強度を同時に測定できる。実施例1と比較して、
軸立て時間を75%程度短縮することが可能となった。
【0046】図3は得られた散乱強度分布とその処理フ
ローである。測定された散乱強度は、コンピュータに取
り込みこのプロファイルの最大値と最小値の角度を求め
る。最大値を与える角度をθc1,最小値を与える角度
をθc2とすると、入射角ωは、
【0047】
【数8】 ω=θc1−λCuka(θc1−θc2)/(λCuka−λCukb) …(8) で求めることができる。
【0048】反った試料の場合の軸立て方法のフローを
図4に示す。反った試料では2θ角の走査範囲を0.5
°から1.2°までに広げ、鏡面反射ピーク位置も測定
する。ヨネダピーク22の波長による差から入射角ωを
前述の方法と同様に求める。次に鏡面反射ピークの位置
をθrとすると2ω=θrとなるように試料台のZ軸を
走査する。Z軸を調整することで、反りの影響によるZ
軸のずれ24の補正ができる。このとき、試料は入射角
ωで、試料表面がゴニオメーターの回転軸と一致し軸立
てが完了する。
【0049】本軸立て方法は短時間軸立てが可能なた
め、反った試料のマッピング測定時に測定位置毎に本軸
立て方法を実施することにより、高精度な薄膜マッピン
グ測定が可能となる。
【0050】前記軸立て方法を全反射蛍光X線装置,X
線反射率法,斜入射X線回折法斜入射X線散漫散乱測定
法の試料の軸立てに適用することにより再現性の良い、
高精度な薄膜解析が可能となる。
【0051】(実施例3)ここでは、実施例1または2
で測定した散乱強度分布を最小2乗法フィッテングで詳
細に解析し、ヨネダピークの位置を高精度に求める実施
例を示す。
【0052】散乱強度分布と散乱角の関係はSinhaら、W
eberらの論文(S.K.Sinha et.al.:Phys.Rev.B38,2297(1
988),W.Weber et.al.:Phys.Rev.B46,7953(1992))に詳
細に述べられている。Weber らの関係式を以下に示す。
X線の入射角をω,出射角をαとし、散乱ベクトルを
q,試料内部への透過波の散乱ベクトルをqt とする。
【0053】
【数9】
【0054】kは入射X線の波数である。Tr(ω),T
r(α)はそれぞれ粗れた面フレネルの透過係数であり、
δΘは検出器の取り出し角を表している。S(qt)は散
乱ベクトル(qt )の関数として表面形状による散乱の
大きさを表す表面構造因子と呼ばれる量である。
【0055】
【数10】
【0056】
【数11】
【0057】
【数12】
【0058】式(9)〜(12)を用いてそれぞれの波長
での散乱強度分布を最小2乗法フィッテングで詳細に解
析する。屈折率nはqr,qz tにも含まれているので試
料表面の波長毎の屈折率が得られる。試料の屈折率は
【0059】
【数13】 n=1−δ−iβ …(13)
【0060】
【数14】 δ=(Nar0/2π)λ2Σ(ρj/Aj)(Σj+f′j) …(14)
【0061】
【数15】 β=μλ/4π …(15) となるので、それぞれの波長での屈折率の変化量が前記
式と一致するように入射角を補正することにより、非常
に高精度にX線の入射角を決定することが可能となる。
本方法は、前述の2方法でヨネダピークの位置を決定す
る方法の高精度化方法である。また本実施例はピーク位
置の決定精度が測定のサンプリング間隔より1桁程度よ
くなるため、軸立て時間の短縮および、高精度化が可能
である。
【0062】反った試料の場合でも、入射角ω17を決
定するときに本方法を用いれば、入射角ω17を高精度
で決定可能であり、2ω=θrとなるように試料台のZ
軸を走査するときも、入射角ωの精度が影響するので、
Z軸の補正を高精度に行うことが可能となる。
【0063】前軸立て方法を全反射蛍光X線装置,X線
反射率法,斜入射X線回折法斜入射X線散漫散乱測定法
の試料の軸立てに適用することにより再現性の良い、し
かも高速,高精度な薄膜解析が可能となる。
【0064】
【発明の効果】本発明によれば、試料に入射角を固定し
てX線を入射し、試料からの散乱X線の強度の出射依存
性を2波長以上で計測し、波長の違いによるヨネダピー
ク位置の差から入射角を高精度に決定することが可能と
なる。また、本発明を用いればマッピング測定のそれぞ
れの場所で、高精度に入射角、Z軸の補正が可能とな
り、高精度な薄膜マッピング測定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による薄膜検査装置の一例の構成図。
【図2】本発明による薄膜検査装置の一例の概念図。
【図3】本発明による軸立て方法のフロー図。
【図4】本発明による反った試料の軸立て方法のフロー
図。
【図5】本発明による薄膜検査装置の他の例の概念図。
【符号の説明】
1…X線源、2…スリット、3…試料、4…試料支持
台、5…分光素子、6…X線検出器、7…ゴニオメータ
ー、8…2θアーム、9…チャンネルアナライザー、1
0…ドライバー/コントローラー、11…CRT、12
…コンピュータ、13…入射X線、14…散乱X線、1
5…受光スリット、16…半導体検出器、17…入射角
(ω)、18…出射角(α)、19…散乱角(2θ)、
20…CuKαの散乱強度分布、21…CuKβの散乱
強度分布、22…ヨネダピーク、23…鏡面反射ピー
ク、24…反りによるZ軸のずれ。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2波長以上を含む入射X線と試料を保持す
    る試料支持台、試料を移動,回転させるゴニオメータ
    ー、試料の回転軸と同軸で回転するテーブルに配置され
    たX線検出器で構成される装置において、入射X線に平
    行になるように試料を固定し、所定の入射角度で試料に
    X線を入射させ試料から発生する散乱X線の出射角に対
    する強度分布を、2波長以上で計測し、それぞれの波長
    で測定した強度分布におけるピーク位置の差から入射角
    度を正確に決定することを特徴とする試料軸立て法を用
    いた2波長X線散乱法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の試料軸立て方法において、
    前記散乱X線の強度分布を計測する波長は、X線源に用
    いた金属のKα線,Kβ線などの特性X線を用いること
    を特徴とする2波長X線散乱法。
  3. 【請求項3】請求項1記載の試料軸立て方法において、
    前記散乱X線の強度分布のヨネダウイングピークに着目
    し、2波長λ1,λ2で計測した前記ピークの位置θ
    1,θ2から下記記載の式で、X線の入射角度ωを決定
    することを特徴とする2波長X線散乱法。 【数1】 ω=θ1−λ1(θ1−θ2)/(λ1−λ2) …(1)
  4. 【請求項4】2波長以上を含むX線と試料を保持する試
    料支持台,ゴニオメーター,X線検出器,X線検出器の
    信号が入力される信号処理手段で構成される薄膜評価装
    置において、請求項1から3記載の試料軸立て方法を用
    い入射角度を正確に決定することを特徴とする薄膜評価
    装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003506673A (ja) * 1999-07-30 2003-02-18 ハイパーネックス,インコーポレイテッド 半導体ウェハのテクスチャ解析のための装置および方法

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JP2003506673A (ja) * 1999-07-30 2003-02-18 ハイパーネックス,インコーポレイテッド 半導体ウェハのテクスチャ解析のための装置および方法

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