JPH0643122A - 水晶板のカット面検査装置 - Google Patents
水晶板のカット面検査装置Info
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- JPH0643122A JPH0643122A JP4219746A JP21974692A JPH0643122A JP H0643122 A JPH0643122 A JP H0643122A JP 4219746 A JP4219746 A JP 4219746A JP 21974692 A JP21974692 A JP 21974692A JP H0643122 A JPH0643122 A JP H0643122A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 6方晶系のc軸に対する水晶板カット面の交
角の検査をするのに併せて、6方晶系のa軸に対するカ
ット面の平行性をも検査して、きわめて精度の高いカッ
ト面検査を行うことができるようにする。 【構成】 X線を発生するX線源1と、X線源1から出
たX線を細いビーム状に成形して水晶板2のカット面8
に照射するコリメータ3と、水晶板2をカット面8の法
線Zを中心として回転させるモータ5と、水晶板2で回
折したX線を検出する2つのX線検出器6,7とを有し
ている。これらのX線検出器6,7は、それぞれ、水晶
板2内の異なる結晶格子面で回折するX線を検出する。
角の検査をするのに併せて、6方晶系のa軸に対するカ
ット面の平行性をも検査して、きわめて精度の高いカッ
ト面検査を行うことができるようにする。 【構成】 X線を発生するX線源1と、X線源1から出
たX線を細いビーム状に成形して水晶板2のカット面8
に照射するコリメータ3と、水晶板2をカット面8の法
線Zを中心として回転させるモータ5と、水晶板2で回
折したX線を検出する2つのX線検出器6,7とを有し
ている。これらのX線検出器6,7は、それぞれ、水晶
板2内の異なる結晶格子面で回折するX線を検出する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水晶板内部の結晶格子
面に対するその水晶板のカット面の角度ずれを検査する
水晶板のカット面検査装置に関する。
面に対するその水晶板のカット面の角度ずれを検査する
水晶板のカット面検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】水晶振動子として用いられる水晶板は、
水晶の棒材を0.1mm程度に薄くスライスすることに
よって製造される。スライスする面は、図3に示す6方
晶系のa軸に平行でc軸と一定の角度で交わる面であ
る。このスライス角度をいくつに設定するかによってA
Tカット板、BTカット板、FCカット板、ITカット
板、LCカット板、SCカット板、RTカット板等とい
った各種の水晶カット板が製造される。もっとも広く用
いられているカット板であるATカット板の場合、図4
に示すように、カット面8のc軸に対する傾斜角度は3
5゜15’に設定される。このカット面8のスライス角
度に誤差があると振動子としての水晶板の温度特性が変
化してしまう。従って、水晶板の品質を一定に保持する
ためには、カット面の角度誤差を一定の許容範囲内に納
める必要がある。この角度誤差は結晶学的なものであ
り、その測定にはX線回折を用いるのが精度が高く最良
である。
水晶の棒材を0.1mm程度に薄くスライスすることに
よって製造される。スライスする面は、図3に示す6方
晶系のa軸に平行でc軸と一定の角度で交わる面であ
る。このスライス角度をいくつに設定するかによってA
Tカット板、BTカット板、FCカット板、ITカット
板、LCカット板、SCカット板、RTカット板等とい
った各種の水晶カット板が製造される。もっとも広く用
いられているカット板であるATカット板の場合、図4
に示すように、カット面8のc軸に対する傾斜角度は3
5゜15’に設定される。このカット面8のスライス角
度に誤差があると振動子としての水晶板の温度特性が変
化してしまう。従って、水晶板の品質を一定に保持する
ためには、カット面の角度誤差を一定の許容範囲内に納
める必要がある。この角度誤差は結晶学的なものであ
り、その測定にはX線回折を用いるのが精度が高く最良
である。
【0003】X線回折を用いてカット面検査を行うにあ
たっては、X線回折を起こさせる結晶格子面の選択が重
要である。水晶結晶の定数は図3において、 a=b=4.913 オングストローム c=5.405 オングストローム α=β=90゜ γ=120゜ である。図3の6方晶系において(0 −1 1)面
は、図5に示すように、a軸に平行でc軸と38゜1
2’35’’で交わる。従って、図4に示したカット面
8に対して2゜57’35’’傾くことになる。今、X
線としてCukα線を用いると、その波長は1.541
8オングストロームであり、そして上記(0−1 1)
面の結晶格子面間隔は3.3432オングストロームで
あるから、周知のブラグの法則からX線回折を起こすブ
ラグ角は13゜19’54’’である。すなわち、カッ
ト面角度が正確であれば、カット面の表面に対してX線
入射角が10゜22’19’’または16゜17’2
9’’のときにX線回折を起こす。実際のカット面検査
においては、測定対象である水晶板をX線ゴニオメータ
の上に置き、水晶板でX線回折を起こしたときの角度か
らカット面の角度誤差を求めている。
たっては、X線回折を起こさせる結晶格子面の選択が重
要である。水晶結晶の定数は図3において、 a=b=4.913 オングストローム c=5.405 オングストローム α=β=90゜ γ=120゜ である。図3の6方晶系において(0 −1 1)面
は、図5に示すように、a軸に平行でc軸と38゜1
2’35’’で交わる。従って、図4に示したカット面
8に対して2゜57’35’’傾くことになる。今、X
線としてCukα線を用いると、その波長は1.541
8オングストロームであり、そして上記(0−1 1)
面の結晶格子面間隔は3.3432オングストロームで
あるから、周知のブラグの法則からX線回折を起こすブ
ラグ角は13゜19’54’’である。すなわち、カッ
ト面角度が正確であれば、カット面の表面に対してX線
入射角が10゜22’19’’または16゜17’2
9’’のときにX線回折を起こす。実際のカット面検査
においては、測定対象である水晶板をX線ゴニオメータ
の上に置き、水晶板でX線回折を起こしたときの角度か
らカット面の角度誤差を求めている。
【0004】上記のカット面検査装置の他に、いわゆる
試料回転式カット面検査装置も従来より知られている。
今、図6に示すように、X線ビームRをカット面8に対
して角度χ(カイ)だけ傾けて入射する。この角度χと
して、上述したX線回折を引き起こす一方の入射角度1
0゜22’19’’より大きく、X線回折を引き起こす
もう一方の入射角度16゜17’29’’より小さな角
度を用いると、カット面8をZ軸(図3のc軸に相当す
る座標軸)のまわりに回転することによってX線ビーム
と結晶格子面との間の角度がブラグ角を満足する回転角
φが二度起こる。この角度φは、図7において結晶格子
面の法線nとZ軸とのなす角度をψとしたとき で与えられる。従って、正確にスライスされたカット面
と(0 −1 1)面との成す角度、すなわち上記の2
゜57’35’’とこの角度φとの差を求めればカット
面角度誤差がわかる。
試料回転式カット面検査装置も従来より知られている。
今、図6に示すように、X線ビームRをカット面8に対
して角度χ(カイ)だけ傾けて入射する。この角度χと
して、上述したX線回折を引き起こす一方の入射角度1
0゜22’19’’より大きく、X線回折を引き起こす
もう一方の入射角度16゜17’29’’より小さな角
度を用いると、カット面8をZ軸(図3のc軸に相当す
る座標軸)のまわりに回転することによってX線ビーム
と結晶格子面との間の角度がブラグ角を満足する回転角
φが二度起こる。この角度φは、図7において結晶格子
面の法線nとZ軸とのなす角度をψとしたとき で与えられる。従って、正確にスライスされたカット面
と(0 −1 1)面との成す角度、すなわち上記の2
゜57’35’’とこの角度φとの差を求めればカット
面角度誤差がわかる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上に説明した従来の
2つのカット面検査方法は、いずれも、図4においてカ
ット面8とc軸との間の交角のみを検査しており、a軸
に対する平行度については全く検査していない。この平
行性は、専ら、水晶板のスライス加工時の加工精度に依
存している。
2つのカット面検査方法は、いずれも、図4においてカ
ット面8とc軸との間の交角のみを検査しており、a軸
に対する平行度については全く検査していない。この平
行性は、専ら、水晶板のスライス加工時の加工精度に依
存している。
【0006】本発明は、その問題点を解消するためにな
されたものであって、カット面のc軸に対する交角の検
査をするのに併せて、カット面のa軸に対する平行性を
も検査して、きわめて精度の高いカット面検査を行うこ
とができるようにすることを目的とする。
されたものであって、カット面のc軸に対する交角の検
査をするのに併せて、カット面のa軸に対する平行性を
も検査して、きわめて精度の高いカット面検査を行うこ
とができるようにすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明に係る水晶板のカット面検査装置は、水晶板
の持つ結晶格子面に対するその水晶板のカット面の角度
ずれを検査する水晶板のカット面検査装置であって、X
線を発生するX線発生手段と、X線発生手段から出たX
線を細いビーム状に成形して水晶板のカット面に照射す
る細束ビーム形成手段と、水晶板をカット面の法線を中
心として回転させる水晶板回転手段と、水晶板で回折し
たX線を検出するX線検出器とを有しており、そのX線
検出器は水晶板に対して異なる角度位置に2つ以上設け
られることを特徴としている。
め、本発明に係る水晶板のカット面検査装置は、水晶板
の持つ結晶格子面に対するその水晶板のカット面の角度
ずれを検査する水晶板のカット面検査装置であって、X
線を発生するX線発生手段と、X線発生手段から出たX
線を細いビーム状に成形して水晶板のカット面に照射す
る細束ビーム形成手段と、水晶板をカット面の法線を中
心として回転させる水晶板回転手段と、水晶板で回折し
たX線を検出するX線検出器とを有しており、そのX線
検出器は水晶板に対して異なる角度位置に2つ以上設け
られることを特徴としている。
【0008】
【作用】水晶板に対してX線検出器を2つ以上設けたの
で、水晶板内の異なる結晶格子面によるX線回折情報を
得ることができる。この場合、1つの結晶格子面による
X線回折情報によって6方晶系(図3)におけるc軸に
対するカット面のずれを検査し、同時に他の1つの結晶
格子面によるX線回折情報によって6方晶系におけるa
軸に対する平行性のずれを検査する。こうして、カット
面について異なる2方向に関する位置ずれを同時に検査
できる。
で、水晶板内の異なる結晶格子面によるX線回折情報を
得ることができる。この場合、1つの結晶格子面による
X線回折情報によって6方晶系(図3)におけるc軸に
対するカット面のずれを検査し、同時に他の1つの結晶
格子面によるX線回折情報によって6方晶系におけるa
軸に対する平行性のずれを検査する。こうして、カット
面について異なる2方向に関する位置ずれを同時に検査
できる。
【0009】
【実施例】図1は、本発明に係るカット面検査装置の一
実施例を示している。このカット面検査装置は、X線を
発生するX線源1と、X線源1から出たX線を細束のX
線ビームに成形して検査対象である水晶板2に照射する
細束ビーム形成手段としてのコリメータ3と、水晶板2
を支持する試料ホルダ4と、試料ホルダ4を回転駆動す
るモータ5と、そして水晶板2で回折したX線を検出す
る2つのX線検出器6及び7とを有している。水晶板2
としてはATカット板が供されるものとする。
実施例を示している。このカット面検査装置は、X線を
発生するX線源1と、X線源1から出たX線を細束のX
線ビームに成形して検査対象である水晶板2に照射する
細束ビーム形成手段としてのコリメータ3と、水晶板2
を支持する試料ホルダ4と、試料ホルダ4を回転駆動す
るモータ5と、そして水晶板2で回折したX線を検出す
る2つのX線検出器6及び7とを有している。水晶板2
としてはATカット板が供されるものとする。
【0010】モータ5は、試料ホルダ4及びその上に置
かれた水晶板2をZ軸を中心として回転させる。Z軸と
は、水晶板2のカット面8に直交する軸線である。X線
検出器6及び7は、それぞれ、水晶板2内の異なる結晶
格子面で回折するX線を検出するように設定されてい
る。例えば、一方のX線検出器6は(0 −1 1)面
で回折するX線を検出し、他方のX線検出器7は(1
−2 2)面で回折するX線を検出する。(0 −1
1)面というのは、ATカット面8(図4)のc軸に対
する傾斜角度35゜15’に近い交角角度でc軸と交わ
る結晶格子面として選択された面であり、その交角角度
は38゜12’35’’である。(1 −2 2)面と
いうのは、その法線が図4におけるX−Z面内またはそ
れに近い面内にあるものとして選択された結晶格子面で
ある。X軸とはa軸に相当する座標軸である。
かれた水晶板2をZ軸を中心として回転させる。Z軸と
は、水晶板2のカット面8に直交する軸線である。X線
検出器6及び7は、それぞれ、水晶板2内の異なる結晶
格子面で回折するX線を検出するように設定されてい
る。例えば、一方のX線検出器6は(0 −1 1)面
で回折するX線を検出し、他方のX線検出器7は(1
−2 2)面で回折するX線を検出する。(0 −1
1)面というのは、ATカット面8(図4)のc軸に対
する傾斜角度35゜15’に近い交角角度でc軸と交わ
る結晶格子面として選択された面であり、その交角角度
は38゜12’35’’である。(1 −2 2)面と
いうのは、その法線が図4におけるX−Z面内またはそ
れに近い面内にあるものとして選択された結晶格子面で
ある。X軸とはa軸に相当する座標軸である。
【0011】以下、上記構成より成るカット面検査装置
の動作について説明する。
の動作について説明する。
【0012】モータ5によって駆動されて水晶板2がZ
軸を中心として回転する。この状態で、X線源1から発
生したX線がコリメータ3によって細束のX線ビームに
成形されて水晶板2に照射される。図2はX線検出器6
によって検出される回折X線ピークP6及びX線検出器
7によって検出される回折X線ピークP7を示してい
る。この図からわかるように、水晶板2が1回転する
間、いずれのX線検出器6及び7も回折X線ピークを2
回検出する。測定対象となっている水晶板2が正確にス
ライスされているものとすると、(0 −1 1)面で
の回折によるピークP6間の回転角度φ1は、約70゜
である。また、(1 −2 2)面での回折によるピー
クP7間の回転角度φ2は、約51.47゜である。
軸を中心として回転する。この状態で、X線源1から発
生したX線がコリメータ3によって細束のX線ビームに
成形されて水晶板2に照射される。図2はX線検出器6
によって検出される回折X線ピークP6及びX線検出器
7によって検出される回折X線ピークP7を示してい
る。この図からわかるように、水晶板2が1回転する
間、いずれのX線検出器6及び7も回折X線ピークを2
回検出する。測定対象となっている水晶板2が正確にス
ライスされているものとすると、(0 −1 1)面で
の回折によるピークP6間の回転角度φ1は、約70゜
である。また、(1 −2 2)面での回折によるピー
クP7間の回転角度φ2は、約51.47゜である。
【0013】仮に、水晶板2のカット面8についてのc
軸(図4)に対するカット角度が正規の角度からずれて
いて誤差を生じている場合には、上記の回転角度φ1が
標準値70゜以外の値をとる。また、水晶板2のカット
面8がa軸(図4)に対して正確に平行になっていない
と、すなわちY軸(X軸及びZ軸の両方に直交する軸)
を中心として回転ずれを生じていると、上記の回転角度
φ2が標準値51.47゜以外の値をとる。従って、回
転角度φ1及びφ2の両方について、標準値からのずれ
量を検出すれば、水晶板2のカット面8のc軸に対する
角度誤差及びa軸に関する平行誤差の両方が同時に検出
される。
軸(図4)に対するカット角度が正規の角度からずれて
いて誤差を生じている場合には、上記の回転角度φ1が
標準値70゜以外の値をとる。また、水晶板2のカット
面8がa軸(図4)に対して正確に平行になっていない
と、すなわちY軸(X軸及びZ軸の両方に直交する軸)
を中心として回転ずれを生じていると、上記の回転角度
φ2が標準値51.47゜以外の値をとる。従って、回
転角度φ1及びφ2の両方について、標準値からのずれ
量を検出すれば、水晶板2のカット面8のc軸に対する
角度誤差及びa軸に関する平行誤差の両方が同時に検出
される。
【0014】以上のように、X線回折を起こす結晶格子
面として、その法線がX−Z面内あるいはその近傍にあ
る結晶格子面(以下、補助結晶格子面という)を、(0
−1 1)面と同時に用いると、カット面8のa軸に
対する傾斜誤差を測定できるのに加えて、Y軸のまわり
の倒れ誤差をも同時に知ることができる。この補助結晶
格子面としては、上記(1 −2 2)面の他に、(1
−2 1)面、(−1 −1 1)面、(−1 −1
2)面等の各面を考えることができる。(1−2
1)面及び(−1 −1 1)面の法線はZ軸より28
゜2’9’’傾き、X−Z面より14゜25’53’’
だけ軸まわりに回転した面内にある。一方、(1 −2
2)面及び(−1 −1 2)面の法線はZ軸より2
4゜16’50’’傾き、X−Z面より25゜52’1
8’’だけ軸まわりに回転した面内にある。
面として、その法線がX−Z面内あるいはその近傍にあ
る結晶格子面(以下、補助結晶格子面という)を、(0
−1 1)面と同時に用いると、カット面8のa軸に
対する傾斜誤差を測定できるのに加えて、Y軸のまわり
の倒れ誤差をも同時に知ることができる。この補助結晶
格子面としては、上記(1 −2 2)面の他に、(1
−2 1)面、(−1 −1 1)面、(−1 −1
2)面等の各面を考えることができる。(1−2
1)面及び(−1 −1 1)面の法線はZ軸より28
゜2’9’’傾き、X−Z面より14゜25’53’’
だけ軸まわりに回転した面内にある。一方、(1 −2
2)面及び(−1 −1 2)面の法線はZ軸より2
4゜16’50’’傾き、X−Z面より25゜52’1
8’’だけ軸まわりに回転した面内にある。
【0015】(0 −1 1)面についてのX線回折測
定と同時に上記の各面によるX線回折測定を行えば、カ
ット面8とc軸(図4)との間の交角のみならず、カッ
ト面8とa軸(図4)との間の不平行性による誤差も同
時に測定することができる。既述の2つのX線検出器
6,7は、それぞれ個別に(1 −2 1)面等の補助
結晶格子面及び(0 −1 1)面の両面からのX線を
検出する。例えば、(1−2 1)面による二度の回折
線は、水晶板の回転角度に関して40゜近く離れるの
で、それらの回折線を1つのX線検出器で受けることは
不可能である。そこで、(1 −2 1)面と等価な
(−1 −1 1)面と組み合わせて測定を行う。
定と同時に上記の各面によるX線回折測定を行えば、カ
ット面8とc軸(図4)との間の交角のみならず、カッ
ト面8とa軸(図4)との間の不平行性による誤差も同
時に測定することができる。既述の2つのX線検出器
6,7は、それぞれ個別に(1 −2 1)面等の補助
結晶格子面及び(0 −1 1)面の両面からのX線を
検出する。例えば、(1−2 1)面による二度の回折
線は、水晶板の回転角度に関して40゜近く離れるの
で、それらの回折線を1つのX線検出器で受けることは
不可能である。そこで、(1 −2 1)面と等価な
(−1 −1 1)面と組み合わせて測定を行う。
【0016】(1 −2 2)面または(−1 −1
2)面の場合、回転によりX線回折を起こし得るための
X線入射角度χの角度範囲は0.8〜49.4゜であ
り、これは(0 −1 1)面についての角度範囲と重
なるので、1つの回転軸で両者の回折X線を測定するこ
とが可能である。X線ビームの入射角度χの値を10.
9゜に選ぶと、感度係数は54.6及び3.04とな
る。ここにいう感度係数とは、角度ズレが前記の回転角
度φ1(図2)に及ぼす割合のことである。カット面8
の凹凸の影響を避けるためにはX線ビームの入射角度を
大きく選ぶ方が有利である。そのため、(0 −1
1)面の代わりに2次反射(0 −2 2)面を用いる
と、χの値の範囲は24.5゜〜30.4゜となり、2
つの検出器に対してX線回折を起こし得る2つのχの値
はオーバーラップし、1つの値を選択可能である。この
とき、χを29.9゜に選び、(1 −2 1)面また
は(−1−1 1)面を選ぶと、感度係数は57と2.
1になり、若干後者の感度が劣化するが、この組み合わ
せの方が実用的であろう。その他の組み合わせではさら
に感度が下がると考えられる。
2)面の場合、回転によりX線回折を起こし得るための
X線入射角度χの角度範囲は0.8〜49.4゜であ
り、これは(0 −1 1)面についての角度範囲と重
なるので、1つの回転軸で両者の回折X線を測定するこ
とが可能である。X線ビームの入射角度χの値を10.
9゜に選ぶと、感度係数は54.6及び3.04とな
る。ここにいう感度係数とは、角度ズレが前記の回転角
度φ1(図2)に及ぼす割合のことである。カット面8
の凹凸の影響を避けるためにはX線ビームの入射角度を
大きく選ぶ方が有利である。そのため、(0 −1
1)面の代わりに2次反射(0 −2 2)面を用いる
と、χの値の範囲は24.5゜〜30.4゜となり、2
つの検出器に対してX線回折を起こし得る2つのχの値
はオーバーラップし、1つの値を選択可能である。この
とき、χを29.9゜に選び、(1 −2 1)面また
は(−1−1 1)面を選ぶと、感度係数は57と2.
1になり、若干後者の感度が劣化するが、この組み合わ
せの方が実用的であろう。その他の組み合わせではさら
に感度が下がると考えられる。
【0017】今、(0 −1 1)面と(1 −2
1)面及び(−1 −1 1)面の各面を用いてカット
面8とZ軸とが成す角度の誤差を求めると、それはこの
2方向の成分であるので、カット面角誤差ε及びカット
面回転誤差δを次式によって知ることができる。 但し、 ε0 は、第1の検出器により測定された角度誤差 εωは、第2の検出器により測定された角度誤差 ωは、第1のピーク対と第2のピーク対が回折を起こし
たときの試料の回転角度(第1の結晶面法線と第2の結
晶面法線の持つ試料の回転軸まわりの角度)である。
1)面及び(−1 −1 1)面の各面を用いてカット
面8とZ軸とが成す角度の誤差を求めると、それはこの
2方向の成分であるので、カット面角誤差ε及びカット
面回転誤差δを次式によって知ることができる。 但し、 ε0 は、第1の検出器により測定された角度誤差 εωは、第2の検出器により測定された角度誤差 ωは、第1のピーク対と第2のピーク対が回折を起こし
たときの試料の回転角度(第1の結晶面法線と第2の結
晶面法線の持つ試料の回転軸まわりの角度)である。
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、2つのX線検出器によ
って異なる結晶格子面からの回折X線を検出するように
したので、6方晶系におけるc軸に関するカット面の交
角のみならず、6方晶系におけるa軸に関するカット面
の平行性をも同時に測定することが可能となった。これ
により、水晶板のカット面に関してきわめて高精度な誤
差測定を行うことが可能となった。
って異なる結晶格子面からの回折X線を検出するように
したので、6方晶系におけるc軸に関するカット面の交
角のみならず、6方晶系におけるa軸に関するカット面
の平行性をも同時に測定することが可能となった。これ
により、水晶板のカット面に関してきわめて高精度な誤
差測定を行うことが可能となった。
【0019】
【図1】本発明に係る水晶板のカット面検査装置の一実
施例を示す斜視図である。
施例を示す斜視図である。
【図2】図1の装置による回折X線の検出結果の一例を
示す円グラフである。
示す円グラフである。
【図3】一般的な6方晶系の結晶構造を示す図である。
【図4】上記の6方晶系との関連において水晶板のカッ
ト面のカット角度を示す図である。
ト面のカット角度を示す図である。
【図5】X線を回折するための1つの結晶格子面である
(0 −1 1)面を示す図である。
(0 −1 1)面を示す図である。
【図6】水晶板に対するX線ビームの入射の様子を示す
断面図である。
断面図である。
【図7】水晶板に入射する入射X線と回折X線との関係
を示す模式図である。
を示す模式図である。
1 X線源(X線発生手段) 2 水晶板 3 コリメータ(細束ビーム形成手段) 5 モータ(水晶板回転手段) 6 X線検出器 7 X線検出器 8 カット面
Claims (1)
- 【請求項1】 水晶板の持つ特定の結晶格子面に対する
その水晶板のカット面の角度ずれを検査する水晶板のカ
ット面検査装置において、X線を発生するX線発生手段
と、X線発生手段から出たX線を細いビーム状に成形し
て水晶板のカット面に照射する細束ビーム形成手段と、
水晶板をカット面の中央の法線を軸として回転させる水
晶板回転手段と、水晶板で回折したX線を検出するX線
検出器とを有しており、そのX線検出器は水晶板に対し
て異なる角度位置に2つ以上設けることを特徴とする水
晶板のカット面検査装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4219746A JPH0643122A (ja) | 1992-07-27 | 1992-07-27 | 水晶板のカット面検査装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4219746A JPH0643122A (ja) | 1992-07-27 | 1992-07-27 | 水晶板のカット面検査装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0643122A true JPH0643122A (ja) | 1994-02-18 |
Family
ID=16740349
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4219746A Pending JPH0643122A (ja) | 1992-07-27 | 1992-07-27 | 水晶板のカット面検査装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0643122A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016021581A (ja) * | 2010-12-28 | 2016-02-04 | 株式会社半導体エネルギー研究所 | 半導体装置 |
-
1992
- 1992-07-27 JP JP4219746A patent/JPH0643122A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016021581A (ja) * | 2010-12-28 | 2016-02-04 | 株式会社半導体エネルギー研究所 | 半導体装置 |
US9780225B2 (en) | 2010-12-28 | 2017-10-03 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Semiconductor device and manufacturing method thereof |
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