JPH11173445A - リリーフ弁およびブレーキ装置 - Google Patents

リリーフ弁およびブレーキ装置

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JPH11173445A
JPH11173445A JP34298197A JP34298197A JPH11173445A JP H11173445 A JPH11173445 A JP H11173445A JP 34298197 A JP34298197 A JP 34298197A JP 34298197 A JP34298197 A JP 34298197A JP H11173445 A JPH11173445 A JP H11173445A
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JP
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piston
valve
chamber
circuit
spring
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Application number
JP34298197A
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English (en)
Inventor
Chiharu Nakazawa
千春 中澤
Hiromasa Kojima
宏昌 兒嶋
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
Original Assignee
Unisia Jecs Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リリーフ弁の開弁圧をバルブシートを挟んだ
2室の液圧に影響されることなく一定に保つことができ
るようにするとともに、軸方向寸法を短くすること。 【解決手段】 シリンダ21内にシート部材23,第1
ピストン22,第1スプリング24,第2ピストン2
7,第2スプリング31を直列に設け、第2ピストン2
7は、第2室26の液圧を第1ピストン22から離間す
る方向に移動するよう受圧するよう構成とし、さらに、
第1スプリング31は第1ピストン22の第3凹部22
f内に配置させ、第1ピストン22および第1スプリン
グ31は、第2ピストン27の第1凹部27m内に配置
させ、第2スプリング32は第2ピストン27の第2凹
部27n内に配置させた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リリーフ弁および
このリリーフ弁を用いたブレーキ装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、制動時に車輪がロックするのを防
止するABS制御や、あるいは車両挙動を安定させるべ
く制動力を発生させる挙動安定制御を実行するブレーキ
装置に用いられるリリーフ弁として、例えば、PCT出
願のWO96/13413号に記載のものが知られてい
る。この従来のリリーフ弁は、電磁弁と一体構造のもの
であるが、リリーフ弁の機能の部分は図5に示すよう
に、シリンダ01にピストン02が摺動自在に収納さ
れ、シリンダ01内にはピストン02に対向してバルブ
穴03が形成されているとともに、このバルブ穴03の
周囲にバルブシート04が形成され、このバルブシート
04にピストン02がスプリング05の付勢力により当
接されることにより、バルブシート04を挟む第1室0
6と第2室07とが画成される構造となっている。そし
て、この従来技術では、バルブシート04により区画さ
れた2室の差圧が、スプリング05の付勢力とピストン
02の受圧面積との関係で決定される所定の開弁圧より
も大きくなるとピストンが摺動して開弁するものであ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来のリリーフ弁にあっては、バルブの開弁圧がスプリ
ング05の付勢力により決定される構造であったため、
バルブシート04で画成されている2室06,07のう
ち、第2室07の液圧が高くなった場合には、ピストン
02がこの液圧により閉弁方向に押され、開弁圧も高く
なることになる。このようにリリーフ弁の開弁圧が高く
なると、第1室06に接続されている回路が高圧になる
もので、この回路に存在する構成部品に高負荷がかかる
ことになるために、これら構成部品も高負荷に耐えられ
るように設計する必要があり、構成部品の大型化・コス
トアップを招くという問題があった。このようなリリー
フ弁の問題は、以下に説明する挙動安定制御を実行する
ブレーキ装置において顕著なものであり、これを図6に
より簡単に説明すると、マスタシリンダMCとホイルシ
リンダWCを結ぶブレーキ回路011には、ホイルシリ
ンダ圧を減圧・保持・増圧可能な液圧制御弁012が設
けられ、また、この液圧制御弁012が減圧時にブレー
キ液を排出させるドレーン回路013ならびにリザーバ
014が設けられ、さらに、このリザーバ014とブレ
ーキ回路011の液圧制御弁012よりも上流側位置と
を結ぶ還流回路016、およびこの還流回路016を介
してリザーバ014からブレーキ液を吸入してブレーキ
回路011に吐出するポンプPが設けられ、また、ブレ
ーキ回路011の前記還流回路016の接続位置よりも
上流(マスタシリンダ側)には常開のアウト側ゲート弁
017が設けられているとともに、このアウト側ゲート
弁017と並列に、アウト側ゲート弁017の下流(ホ
イルシリンダ側)のブレーキ液を上流に逃がすリリーフ
弁018が設けられている。また、前記ポンプPの吸入
側には、一端が前記マスタシリンダMCに接続された加
給回路019の他端が接続されており、この加給回路0
19の途中には常閉のイン側ゲート弁020が設けられ
ている。
【0004】このブレーキ装置では、制動時に車輪ロッ
クを防止するABS制御、ならびに制動力を発生させる
ことにより車両姿勢を安定方向に制御する挙動安定制御
を実行可能である。ちなみに、挙動安定制御は、例え
ば、走行時に駆動輪がスリップしたり、あるいは、コー
ナリング時に車両姿勢が乱れそうになったときに、前者
の場合、駆動輪に制動力を発生させてスリップを抑制さ
せ、また、後者の場合、所定の車輪に制動力を発生させ
ることで車両姿勢を安定させる方向にヨーモーメントを
発生させる制御などを指すものである。
【0005】上述のブレーキ装置では、ABS制御時に
はホイルシリンダ圧を液圧制御弁012により任意に最
適制御する。この時、減圧時にはホイルシリンダWCの
ブレーキ液をドレーン回路013に最適量排出し、ま
た、この排出したブレーキ液はポンプPにより随時液圧
制御弁012の上流に吐出させておいて、液圧制御弁0
12の増圧時には、この液圧をホイルシリンダWCに供
給するものである。
【0006】また、運動安定時制御時には、イン側ゲー
ト弁020を開弁するとともにアウト側ゲート弁017
を閉弁させてポンプPの駆動によってマスタシリンダM
Cのブレーキ液をブレーキ回路011に供給し、液圧制
御弁012によりホイルシリンダ圧を最適制御して所望
の車輪に制動力を発生させる。
【0007】この挙動安定制御を実行しているときに運
転者が制動操作を行った場合、この操作により発生した
マスタシリンダ圧は、リリーフ弁018の上流、すなわ
ち図5における第2室07に作用する。したがって、第
1室06と第2室07との差圧により開弁するリリーフ
弁018にあっては、その開弁圧がマスタシリンダ圧が
上昇した分だけ高くなる。よって、この開弁圧の上昇分
だけ、ポンプPに対する負荷が大きくなるからポンプP
の駆動源であるモータの容量もこの負荷に対応できるだ
け大きくする必要があり、かつ、液圧制御弁012やア
ウト側ゲート弁017の耐圧性も向上させる必要があ
る。また、上述のような問題を解決するにしても、車載
性を考慮して構成をコンパクトにする必要がある。本発
明は、上述の従来の問題点に着目してなされたもので、
リリーフ弁の開弁圧がバルブシートを挟む室の液圧差
(第2室の液圧)に影響されることなく一定に保つこと
ができるようにすることを、軸方向寸法が短い構成によ
り達成するを第1の目的とし、また、このリリーフ弁を
適用した挙動安定制御を実行可能なブレーキ装置におい
て、ポンプやモータや各弁に対する負荷が大きくならな
いようにして、装置の大型化を防止するとともに低コス
ト化を図ることを第2の目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め請求項1記載のリリーフ弁は、シリンダの内部を第1
室と第2室とに分けてバルブシートが設けられ、このバ
ルブシートには、第1室と第2室とを連通するバルブ穴
が形成されているとともに、このバルブ穴の第2室側の
端部の周囲にシート面が形成され、前記シリンダの内部
に、前記シート面に当接および離反すべく摺動可能に第
1ピストンが設けられているとともに、この第1ピスト
ンと直列に、前記第2室の液圧を受圧可能に第2ピスト
ンが設けられ、前記第1ピストンと第2ピストンとの間
に、第1ピストンと第2ピストンとを相互に離間する方
向に付勢する第1スプリングが設けられ、前記第2ピス
トンの前記第1スプリングが設けられているのとは反対
側に設けられた背室に、前記第2ピストンを第1ピスト
ンに近づく方向に付勢する第2スプリングが設けられ、
前記第2ピストンは、前記第2室の液圧が上昇した時
に、第1ピストンから離間する方向に摺動するよう上昇
液圧を受圧する受圧面を有し、前記第2ピストンの第1
ピストン側には軸方向に凹んだ凹部が形成され、前記第
1ピストンおよび前記第1スプリングが、前記凹部内に
配置され、第1ピストンと第2ピストンとの少なくとも
一部どうしが軸直交方向で重なって配置されていること
を特徴とする。請求項2記載の発明は、請求項1記載の
リリーフ弁において、前記第2ピストンの背室側に、軸
方向に凹んだ第2凹部が形成され、前記第2スプリング
の一部が前記第2凹部内に配置されて、前記第2スプリ
ングの一部と第2ピストンの一部とが軸直交方向で重な
って配置されていることを特徴とする。請求項3記載の
発明は、請求項1または2に記載のリリーフ弁におい
て、前記第1ピストンの第1スプリング側に、軸方向に
凹んだ第3凹部が形成され、前記第1スプリングの一部
が、第3凹部内に配置されて、前記第1スプリングの一
部と第1ピストンの一部とが軸直交方向に重なって配置
されていることを特徴とする。
【0009】請求項4記載の発明は、マスタシリンダと
ホイルシリンダとを接続したブレーキ回路と、前記ホイ
ルシリンダとリザーバとを接続するドレーン回路と、前
記ホイルシリンダをマスタシリンダ側に接続させた増圧
状態と、前記ホイルシリンダをリザーバ側に接続させた
減圧状態と、前記ホイルシリンダをマスタシリンダ側に
もリザーバ側にも遮断した保持状態とを形成可能な液圧
制御弁と、前記リザーバと、前記ブレーキ回路の液圧制
御弁よりもマスタシリンダ側位置とを接続した還流回路
と、この還流回路を介して、リザーバのブレーキ液を吸
入してブレーキ回路に吐出するポンプと、このポンプの
吸入側とマスタシリンダとを結ぶ加給回路と、前記加給
回路を開閉するイン側ゲート弁と、前記ブレーキ回路に
おける前記ポンプの吐出位置とマスタシリンダとの間に
設けられてブレーキ回路を開閉するアウト側ゲート弁
と、このアウト側ゲート弁を迂回してブレーキ回路に並
列に設けられて、アウト側ゲート弁よりも液圧制御弁側
の液圧を、マスタシリンダ側に逃がすリリーフ弁を備え
たリリーフ回路と、前記ポンプ、液圧制御弁、両ゲート
弁の開閉を制御するコントロールユニットとを備え、こ
のコントロールユニットが、所定の車両挙動を検出した
ときに、イン側ゲート弁を開弁させる一方、アウト側ゲ
ート弁を閉弁させ、ポンプを駆動させてマスタシリンダ
のブレーキ液をブレーキ回路に供給するとともに、液圧
制御弁によりホイルシリンダの液圧を所定圧に制御し
て、車両挙動を安定させる挙動安定制御を実行するよう
構成されたブレーキ装置において、前記リリーフ回路に
設けられたリリーフ弁として、請求項1ないし3記載の
リリーフ弁が用いられ、前記第1室が液圧制御弁側に接
続されている一方、前記第2室がマスタシリンダ側に接
続されていることを特徴とする。請求項5記載の発明
は、請求項4記載のブレーキ装置において、前記加給回
路には、マスタシリンダのブレーキ液をポンプに向けて
供給する加給手段が設けられていることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項5記載のブレーキ装置に
おいて、前記加給手段が、加給ポンプであることを特徴
とする。
【0010】
【作用】請求項1記載のリリーフ弁では、第1ピストン
は第1スプリングおよび第2スプリングの付勢力により
シート面に当接されている。そして、第1ピストンは、
第1室の液圧をシート面から離間する方向に受圧してお
り、この第1室の液圧が所定の開弁圧よりも高くなって
その受圧力が両スプリングによる付勢力を上回ると、第
1ピストンがシート面から離間して開弁する。ところ
で、第2室内の液圧が上昇した場合、第1ピストンは第
2室の液圧をシート面に押し付けられる方向に受圧す
る。よって、従来では、第2室の液圧の上昇分だけ第1
ピストンの開弁圧が上昇していた。それに対し、本発明
では、第2ピストンの受圧面が第2室の液圧を受圧し
て、この第2ピストンは第1ピストンから離間する方向
に移動する。これにより、第2スプリングが短縮される
とともに第1スプリングが伸長されて、第1スプリング
に対して閉弁方向に作用していたスプリングによる付勢
力が減少する。このように、第1ピストンでは、前記第
2室の液圧の上昇分だけ閉弁方向の受圧力が増加するの
に対して、両スプリングによる閉弁方向の付勢力が減少
し、これら増加分と減少分とが相殺されるように設定す
ることで、第1ピストンの開弁圧が変化しないようにで
きる。
【0011】また、本発明では、第1ピストンおよび第
1スプリングが、第2ピストンに形成された凹部内に配
置されて、第1ピストンの少なくとも一部と第2ピスト
ンの一部、および第1スプリングと第2ピストンとが、
軸直交方向で重なっており、したがって、第1ピストン
・第1スプリング・第2ピストンを軸方向に並べたもの
よりも、全長を短くできる。
【0012】請求項2記載の発明では、第2ピストンに
形成された第2凹部に第2スプリングの一部が配置され
て、第2スプリングの一部と第2スプリングの一部と
が、軸直交方向で重なって配置されているため、第2ス
プリングと第2ピストンとを軸方向に並べたものよりも
全長を短くできる。
【0013】請求項3記載の発明では、第1スプリング
に形成された第3凹部に第1スプリングの一部が配置さ
れているため、第1スプリングの一部と第1ピストン御
一部とが軸直交方向に重なって配置され、第1スプリン
グと第1ピストンとを軸方向に並べたものよりも全長を
短くできる。
【0014】次に、請求項4記載のブレーキ装置では、
車両姿勢を安定方向に制御する挙動安定制御時には、イ
ン側ゲート弁を開弁してポンプの吸入側とマスタシリン
ダとを連通させる一方で、アウト側ゲート弁を閉弁して
マスタシリンダと液圧制御弁との間を遮断する。そし
て、ポンプを駆動させ、マスタシリンダのブレーキ液を
ブレーキ回路においてアウト側ゲート弁と液圧制御弁と
の間の部位に吐出させ、同時に液圧制御弁を作動させ
て、ポンプが吐出するブレーキ液を所望の車輪のホイル
シリンダに供給して制動力を発生させ、この制動力によ
り車両姿勢を安定させる。このような挙動安定制御時
に、ブレーキ回路においてポンプからブレーキ液が吐出
されるアウト側ゲート弁と液圧制御弁との間の液圧が所
定圧を越えた高圧になると、この液圧はリリーフ弁の第
1室において第1ピストンを押し、リリーフ弁が開弁し
て、この高圧はマスタシリンダ側に逃がされる。
【0015】ところで、前記リリーフ弁の第2室は、マ
スタシリンダ側に連通されているから、この挙動安定制
御時に運転者が制動操作を行うと、マスタシリンダ圧が
上昇するのにともなってリリーフ弁の第2室の液圧が上
昇し、この上昇液圧が第1ピストンに対して閉弁方向に
作用する。しかしながら、上述したようにこのリリーフ
弁にあっては、第2室の液圧の上昇に応じて第2ピスト
ンが摺動して第1・第2スプリングによる第1ピストン
に対する付勢力が減少するものであり、第1ピストンに
対して、閉弁方向に作用する受圧力の増加と、閉弁方向
の付勢力の減少とが相殺されることになり、開弁圧を一
定に保つことができる。よって、ブレーキ回路において
アウト側ゲート弁と液圧制御弁との間の液圧が所定圧よ
りも高くなることがなく、ポンプや各弁に対する負荷が
大きくなることがない。
【0016】なお、請求項5および6記載の発明では、
挙動安定制御時には、加給手段、あるいは加給手段とし
ての加給ポンプを作動させてブレーキ液源の作動液をポ
ンプの吸入側に供給し、ポンプはこの加給されたブレー
キ液を吸入して吐出する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。まず、本発明の実施の形態のブ
レーキ装置の全体構成について図2により説明する。図
において、WCFLは左前輪のホイルシリンダ、WCR
Rは右後輪のホイルシリンダ、WCFRは右前輪のホイ
ルシリンダ、WCRLは左後輪のホイルシリンダ、MC
はマスタシリンダである。このマスタシリンダMCは、
ブレーキペダルBPを踏み込むのに連動して、ブレーキ
回路BRを介して各ホイルシリンダWCFL〜RLに液
圧を供給するように構成されており、ブレーキ液を溜め
ておくリザーバタンクRTが設けられている。なお、前
記ブレーキ回路BRは、左前輪および右後輪側のホイル
シリンダWCFL,WCRRに接続された第1チャンネ
ル回路1と、右前輪および左後輪側のホイルシリンダW
CFR,WCRLに接続された第2チャンネル回路2と
のX配管された2系統の回路を有している。また、前記
ホイルシリンダWCFL〜RLについて、特定のものを
指さない場合には、単にWCと表記する。
【0018】以下、構成を詳細に説明するが、両チャン
ネル回路1,2の構成は、同一であるので、以下に第1
チャンネル回路1の構成についてのみ説明するととも
に、両チャンネル回路1,2において同一の構成には同
じ符号を付けて、第2チャンネル回路2の構成の説明を
省略する。
【0019】前記第1チャンネル回路1は、分岐点1d
において右後輪のホイルシリンダWCRRに至る後輪分
岐回路1rと、左前輪のホイルシリンダWCFLに至る
前輪分岐回路1fとに分岐されている。また、分岐点1
dの上流には、アウト側ゲート弁3が設けられ、かつ、
このアウト側ゲート弁3を迂回するゲート弁バイパス回
路1bならびにリリーフ回路1mが設けられている。な
お、前記アウト側ゲート弁3は、非作動時にスプリング
力で第1チャンネル回路1を連通状態とし、一方、作動
時に第1チャンネル回路1を遮断する常開の2ポート2
ポジションの電磁切替弁により構成されている。また、
前記ゲート弁バイパス回路1bは、途中に設けられてい
る一方弁1cによりマスタシリンダMC側からホイルシ
リンダWC側(以下、相対的にマスタシリンダMCに近
い側を上流といい、ホイルシリンダWCに近い側を下流
という)への流通のみが可能に構成されている。また、
リリーフ回路1mの途中には、下流の液圧が所定圧以上
となると液圧を上流に逃がすリリーフ弁20が設けられ
ている。なお、このリリーフ弁20の構成については後
で詳細に説明する。
【0020】前記各分岐回路1r,1fには、各ホイル
シリンダWCのブレーキ液圧を減圧・保持・増圧するた
めの液圧制御弁を構成する流入弁5および流出弁6が設
けられている。すなわち、前記流入弁5は、非作動時に
スプリング力により各分岐回路1r,1fを連通状態と
してホイルシリンダWCをマスタシリンダMC側に連通
させ、作動時に各分岐回路1r,1fを遮断してホイル
シリンダWCとマスタシリンダMC側とを遮断する常開
の2ポート2ポジションの電磁切替弁により構成されて
いる。また、前記流出弁6は、前記各分岐回路1r,1
fの流入弁5よりも下流(ホイルシリンダWC側)に設
けられた分岐点1e,1eから分岐されてリザーバ7に
至るドレーン回路10の途中に設けられ、非作動時にド
レーン回路10を遮断してホイルシリンダWCをリザー
バ7と遮断し、作動時にドレーン回路10を連通させて
ホイルシリンダWCをリザーバ7に連通させる常閉の2
ポート2ポジションの電磁切替弁により構成されてい
る。なお、各分岐回路1r,1fには、流入弁5を迂回
して途中に下流から上流への流通のみを許す一方弁1g
を有した流入弁バイパス路1hが設けられている。
【0021】前記ドレーン回路10には、メインポンプ
4の吸入側につながるメイン吸入回路4fが接続され、
このメイン吸入回路4fの途中には、メインポンプ4が
リザーバ7からブレーキ液を吸引するのを許す一方弁構
造の吸入弁4hが設けられている。そして、前記メイン
ポンプ4からブレーキ液が吐出されるメイン吐出回路4
aは、前記第1チャンネル回路1の分岐点1dに接続さ
れている。そして、このメイン吐出回路4aの途中に
は、逆流防止用の一方弁構造の吐出弁4bと、吐出脈動
を吸収するダンパ4cとが設けられている。さらに、前
記メイン吸入回路4fに設けられている分岐点4jに
は、加給ポンプ8からブレーキ液が吐出される加給吐出
回路8aが接続されている。なお、加給吐出回路8aに
は吸入弁4kが設けられている。前記加給ポンプ8は、
挙動安定制御時においてメインポンプ4と直列に駆動し
てメインポンプ4の吸入側にマスタシリンダMC側から
ブレーキ液を供給してメインポンプ4の吐出圧の立ち上
がりを向上させるもので、前記加給ポンプ8の吸入側に
接続されている加給吸入回路8bは、第1チャンネル回
路1に接続されているがマスタシリンダMCあるいはリ
ザーバタンクRTに直接接続してもよい。なお、前記メ
インポンプ4および加給ポンプ8はそれぞれ1つのモー
タMにより駆動されるように構成されている。前記加給
吸入回路8bの途中には、イン側ゲート弁9と逆流防止
用の吸入弁8cとが設けられている。前記イン側ゲート
弁9は、非作動時はスプリング力により加給吸入回路8
bを遮断し、作動時には加給吸入回路8bを連通させる
常閉の2ポート2ポジションの電磁切替弁により構成さ
れている。
【0022】図3に示すとおり、前記電磁弁構造の各弁
3,5,6,9およびモータMの作動は、コントロール
ユニットCUにより制御される。すなわち、コントロー
ルユニットCUには、図外車輪の回転速度を検出する車
輪速センサS、車体のヨーレイトを検出するヨーレイト
センサYR、車両の舵角を検出する舵角センサH、制動
操作状態であるか否かを検出するブレーキセンサBS、
車両の前後左右加速度を検出するGセンサGSなどを有
したセンサ群SGが接続されており、コントロールユニ
ットCUは、これらセンサ群SGから入力される信号に
基づいて各車輪のスリップ率を求めて、制動時にスリッ
プ率が所定以上になるとこのスリップ率を所定の範囲に
収めるABS制御を行い、また、車両挙動が安定性を損
なう状態のときにこれを安定させる方向に制動力を制御
する挙動安定制御を実行する。この挙動安定制御は、駆
動輪スリップが生じた場合にそれを抑制させるトルク制
御と、車両の姿勢が乱れそうな状況のときに、所定の車
輪に制動力を発生させて車両を安定させる方向にヨーレ
イトを発生させるヨーレイト制御との少なくとも一方の
制御で構成されている。なお、各制御の内容については
本願の特徴とするものではないから詳細な説明は省略す
る。
【0023】次に、前記リリーフ弁20について説明す
る。このリリーフ弁20としては、図1に示すものを用
いている。図において21はシリンダであって、このシ
リンダ21は、有底の第1シリンダ穴21aが形成され
た第1部材21bと、前記第1シリンダ穴21aよりも
小径の第2シリンダ穴21cが貫通形成された第2部材
21dとを嵌合して形成されている。なお、前記第1シ
リンダ穴21aは、中間部で径が変化して、開口側の大
径部21eと底部側の小径部21fとを有している。
【0024】前記シリンダ21の開口端の近傍位置に
は、シリンダ21の内部を第1室25と第2室26とに
区画してバルブシート23が嵌合されている。このバル
ブシート23は、第1室25と第2室26とを連通する
バルブ穴23aが貫通され、このバルブ穴23aの第2
室26側の端部の周囲には、シート面23bが形成され
ている。
【0025】前記シート面23bには、第1ピストン2
2が、当接および離反自在に設けられている。この第1
ピストン22は、有底筒状の本体22aと、この本体2
2aの先端部に設けられた球状のボール弁22cとを備
えており、このボール弁22cは、シート面23bに当
接して、前記第1室25と第2室26とを遮断するよう
構成されている。なお、前記第1室25は、前記リリー
フ回路1mにおいてアウト側ゲート弁3よりも下流の第
1チャンネル回路1に接続される部分に接続され、前記
第2室26は、シリンダ21を構成する第2部材21d
に軸直交方向に形成された横孔21gを介してリリーフ
回路1mにおいてアウト側ゲート弁3よりも上流側の第
1チャンネル回路1に接続される部分に接続されてい
る。すなわち、リリーフ弁20は、第1室25が高圧に
なったときに開弁して第1室25側の液圧を第2室26
側に逃がすよう構成されている。
【0026】また、前記第1ピストン22は、本体22
aの外周に縦溝22dが複数形成され、図中上端部から
下方に向けて第3凹部22fが形成され、かつ、縦溝2
2dと第3凹部22fとを連通する連通穴22eが複数
形成されている。
【0027】前記第1ピストン22は、第2ピストン2
7に摺動自在に支持されている。この第2ピストン27
は、前記第1シリンダ穴21aに摺動自在に収納されて
いるもので、この第1シリンダ穴21aの大径部21e
を摺動する大径ランド27aと、前記小径部21fを摺
動する小径ランド27bと、両ランド27a,27b間
のポート27cとを有し、かつ、中間部に設けられた底
部27dを挟んで第1凹部27mと第2凹部27nとが
設けられて略「H」の断面形状に形成されている。そし
て、前記底部27eには、両凹部27m,27nを連通
させる貫通孔27fが形成され、また、各ランド27
a,27bの外周部にはOリング27e,27eが設け
られている。そして、前記第1凹部27mに前記第1ピ
ストン22が摺動自在に支持されているものであり、か
つ、第1ピストン22の第3凹部22fの底部と、第2
ピストン27の底部27dとにそれぞれ端部を着座させ
て第1スプリング31が設けられている。
【0028】また、前記第2ピストン27の図中上方に
は、背室29が形成されている。そして、この背室29
には、第2スプリング32が、その一端側を第2凹部2
7内に配置されて底部27dに着座され、他端をシリン
ダ21に底部に着座されて設けられている。すなわち、
前記第1ピストン22は、両スプリング31,32の付
勢力を合計した付勢力でシート面23bに着座されてい
る。なお、第2スプリング32の弾発力は第1スプリン
グ31の弾発力よりも強く設定されている。
【0029】第2ピストン27のポート27cとシリン
ダ21の内周との間には、第3室30が形成されてい
る。この第3室30は、大気開放されているか、あるい
は気体室として形成されている。
【0030】次に、実施の形態の作用について説明する
が、この説明にあたりまず、リリーフ弁20の作動につ
いて説明する。前記リリーフ弁20では、第1ピストン
22は、第1スプリング31と第2スプリング32の付
勢力を直列に受けてバルブシート23のシート面23b
に当接されている。そして、第1チャンネル回路1のア
ウト側ゲート弁3よりも下流に接続されている第1室2
5の液圧が所定の開弁圧P3よりも高圧になると、この
高圧をボール弁22cで受圧する第1ピストン22は図
1において上方に移動して開弁することになる。
【0031】ところで、実施の形態では第1チャンネル
回路1のマスタシリンダMC側に接続されている第2室
26が高圧になると、従来技術では、この高圧となった
分だけ開弁圧P3も上昇していたのであるが、本実施の
形態では、この第2室26の液圧が第1凹部27mに伝
達されるとともに、貫通孔27fを経て第2凹部27m
から背室29に伝達される。そして、第2ピストン27
は、小径ランド27bにおける下向きの受圧面よりも大
径ランド27aにおける上向きの受圧面の方が受圧面積
が大きいため、第2室26が高圧になると図1において
上方に摺動して第2スプリング32を短縮させるととも
に第1スプリング31を伸長させ、この結果、両スプリ
ング31,32による第1ピストン22に対する図1の
下方への付勢力が弱められることになる。
【0032】このように、第1ピストン22では、第2
室26の液圧の上昇分だけ第1ピストン22に対して図
1の下方に作用する液圧力が大きくなるが、第2ピスト
ン27の上方移動により第1・第2スプリング31,3
2による付勢力が軽減されるものであり、両力の変化が
相殺されて、開弁圧P3は殆ど変化しない。
【0033】図4は開弁圧特性図であって、横軸がマス
タシリンダ圧すなわち第2室26の液圧、縦軸がリリー
フ弁20の開弁圧(リリーフ圧)すなわち第1室25の
液圧であり、実線が本実施の形態のリリーフ弁20の開
弁圧特性を示し、点線が従来の開弁圧特性を示してい
る。この図に示すように、本実施の形態では、第2室2
6の液圧が変化しても、開弁圧P3がかなりの範囲に亘
ってほぼ横ばい状態となって変化していないのが解る。
【0034】次に、ブレーキ装置の作動を説明する。な
お、この作動についても第1・第2チャンネル回路1,
2の作動はそれぞれ同様であるので、第1チャンネル回
路1についてのみ説明する。
【0035】a)通常のブレーキ操作時 通常は、各弁3,5,5,6,6,9は、図2に示すと
おりの非作動状態となっており、この状態でブレーキペ
ダルBPを踏むと、マスタシリンダMCで発生したブレ
ーキ液圧が、第1チャンネル回路1をアウト側ゲート弁
3および流入弁5を経ながら各分岐回路1f,1rを通
って各ホイルシリンダWCに伝達され、ブレーキペダル
BPの踏力に応じた車輪の制動が行われる。
【0036】b)ABS制御時 上述のブレーキ操作時に、車輪がロックしたり、あるい
はロックしそうな状態となった時には、コントロールユ
ニットCUは、車輪のスリップ率を所定の範囲内に納め
て車輪のロックを防止するABS制御を行う。すなわ
ち、このABS制御は、制動時に車輪がロックしないよ
うにブレーキ液圧を減圧・保持・増圧するもので、ま
ず、上述のブレーキ操作により生じたブレーキ液圧によ
り、左前輪・右後輪のいずれかあるいは両方のスリップ
率が所定値以上となると、モータMの駆動を開始すると
ともに、そのロックしそうな車輪を制動するホイルシリ
ンダWCに接続されている分岐回路1r,1fの流入弁
5を閉弁し、流出弁6を開弁する。この流入弁5の閉弁
の結果、ホイルシリンダWCが増圧されることが無くな
るとともに、ホイルシリンダWCのブレーキ液がドレー
ン回路10を経てリザーバ7に排出されて減圧されて制
動力が弱まる。なお、リザーバ7に貯留されたブレーキ
液は、メインポンプ4に吸入されてメイン吐出回路4a
から第1チャンネル回路1に還流される。そして、この
制動力の低下の結果、車輪のスリップ率が所定値未満に
低下したら、コントロールユニットCUは、流出弁6へ
の通電を停止して流出弁6を閉弁させてホイルシリンダ
FL,RRの液圧を保持させ、さらに、この保持作動の
結果、スリップ率が他の所定値未満まで低下した時に
は、流入弁5への通電をカットして開弁させ、この結
果、高圧となっている第1チャンネル回路1のブレーキ
液がホイルシリンダWCに供給されて制動力が再増加さ
れる。以上の作動を繰り返すことで、ブレーキペダルB
Pを踏んでいる間、各車輪のスリップ率を所定の範囲内
に保持して、車輪のロックを防止させながら最大制動力
が得られるABS制御が成される。なお、以上のABS
制御時には、イン側ゲート弁9は閉弁状態を維持してい
るため、加給ポンプ8はモータMにより駆動されていて
もブレーキ液を吸引できず加給機能は果たしていない。
【0037】c)挙動安定制御時 急発進・急加速により駆動輪のスリップ率が高くなった
のに応じてスリップ率を所定の範囲内に納めるトルク制
御や、あるいは車両の姿勢が乱れそうになったのに応じ
て、車両姿勢を安定させる方向にヨーレイトを作用させ
る制動力を発生させるヨーレイト制御などからなる挙動
安定制御を行う時には、コントロールユニットCUは、
モータMを駆動させるとともに両ゲート弁3,9に通電
して、アウト側ゲート弁3を閉弁して第1チャンネル回
路1を遮断するとともに、イン側ゲート弁9を開弁して
加給吸入回路8bを連通させる。したがって、加給ポン
プ8が、マスタシリンダMCからブレーキ液を吸引して
加給吐出回路8aにブレーキ液を向けて吐出する結果、
メインポンプ4は、加給吐出回路8aからブレーキ液を
吸引するとともにメイン吐出回路4aにブレーキ液を吐
出し、流入弁5ならびに流出弁6の作動に基づきホイル
シリンダWCの圧力を増圧・保持・減圧して所望の制動
力を発生させる。
【0038】上述のように挙動安定制御を実行している
ときには、第1チャンネル回路1において、アウト側ゲ
ート弁3、流入弁5、およびメインポンプ4で囲まれて
いる部分の液圧が高くなることがあるもので、特に、流
出弁6が開弁することなくメインポンプ4が吐出を続け
た場合、この部分の圧力が高圧となる。このようにアウ
ト側ゲート弁3の下流が高圧になった場合、所定圧を越
えるとリリーフ弁20が開弁し、アウト側ゲート弁3の
下流のブレーキ液がマスタシリンダ側に還流して減圧さ
れる。
【0039】また、この時、運転者が制動操作を行って
マスタシリンダMC側で液圧が発生していて、このマス
タシリンダ圧がリリーフ弁20の第2室26に伝達され
ていても、前述したように、リリーフ弁20にあって
は、この第2室26の液圧上昇分だけ両スプリング3
1,32による付勢力が軽減されて、開弁圧P3は変化
せずに一定であり、したがって、第1室25に接続され
ているアウト側ゲート弁3よりも下流の液圧が開弁圧P
3を越える高圧になったときには、リリーフ弁20が開
弁して、この液圧を逃がすものである。
【0040】以上説明したように、本実施の形態では、
リリーフ弁20の第1ピストン22と直列に第1スプリ
ング31、第2ピストン27、第2スプリング32を設
け、第2ピストン27は、第2室26の液圧を第1ピス
トン22から離間する方向に受圧する構成としたため、
第2室26の液圧が変化してもリリーフ弁20の開弁圧
P3が殆ど変化しないもので、したがって、実施の形態
のブレーキ装置において、挙動安定制御時に運転者が制
動操作を行ってマスタシリンダ圧が第2室26に伝達さ
れても、リリーフ弁20の開弁圧は変わらず、よって、
メインポンプ4や各弁1c,1g,3,5,6に対する
負荷が大きくなることがなく、メインポンプ4およびモ
ータMを高負荷に耐えられる構造とする必要がないとと
もに、各弁1c,1g,3,5,6の耐圧性を高くする
必要がなく、装置の大型化を防止するとともに低コスト
化を図ることができるという効果が得られる。
【0041】さらに、本実施の形態では、上述の効果を
得るべく、第1ピストン22、第1スプリング31、第
2ピストン27、第2スプリング32を直列に設けるに
あたり、第1ピストン22ならびに第1スプリング31
を第2ピストン27に形成した第1凹部27m内に設
け、さらに、第2スプリング32も、第2ピストン27
の第2凹部27n内に設け、これらを軸直交方向で重な
るように配置しており、さらに、第1スプリング31を
第1ピストン22に形成した第3凹部22f内に配置さ
せて、これらも軸直交方向で重なるように配置させたた
め、これらの構成22,31,27,32を単純に軸方
向に直列に配置した場合に比べて、軸方向寸法を短く形
成することができる。したがって、リリーフ弁20の軸
方向寸法を短くし、これによりリリーフ弁20を設置す
るハウジングの寸法も小さくして車載性を向上すること
ができるという効果が得られる。
【0042】以上、図面により実施の形態を説明した
が、本願発明は、この実施の形態に限定されるものでは
なく、例えば、実施の形態では、メインポンプ4に加給
する加給ポンプ8を設けて、挙動安定制御時の液圧の立
ち上がりを良くした例を示したが、加給ポンプ8は必須
ではない。また、液圧制御弁として流入弁5と流出弁6
との2つの弁から構成したものを示したが、ホイルシリ
ンダWC側をブレーキ回路(第1チャンネル回路1)
と、ドレーン回路10とに選択的に接続する構造の1つ
の弁を用いるようにしてもよい。また、実施の形態で
は、第4室29を第3室28と連通させ、第2ピストン
27は上下に受圧面積の差を持たせることで第2室26
の液圧上昇時に摺動するように構成したが、第4室29
は第3室28と連通させずに大気開放させても第2ピス
トン27は、第2室26の液圧上昇により第1ピストン
22から離間する方向に摺動するものであり、この場
合、第2ピストン27は、実施の形態で示したような径
差を有していなくても、実施の形態と同様の作動が得ら
れる。
【0043】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明のリリー
フ弁にあっては、シリンダ内に第1ピストン、第1スプ
リング、第2ピストン、第2スプリングを直列に設け、
第2ピストンは、第2室の液圧を第1ピストンから離間
する方向に移動するよう受圧する受圧面を有した構成と
したため、第2室の液圧が上昇したときに、第1ピスト
ンにおける閉弁方向の受圧力は増加するが、第1ピスト
ンに対する第1・第2スプリングの閉弁方向の付勢力が
減少することから、第1ピストンに対して閉弁方向に作
用する力を一定とすることが可能であり、したがって、
閉弁圧が一定のリリーフ弁を提供することができるとい
う効果が得られる。さらに、本発明では、第1ピスト
ン、第1スプリング、第2ピストン、第2スプリングを
直列に設けるにあたり、第2ピストンに凹部を形成し、
この凹部内に第1ピストンおよび第1スプリングを配置
させ、第1ピストンと第2ピストンとの一部どうしが軸
直交方向で重なる構成としたため、リリーフ弁の全長が
短くなり、車載性が向上するという効果が得られる。
【0044】また、請求項2記載の発明では、第2ピス
トンの背室側にさらに第2凹部を設け、この凹部内に第
2スプリングを配置させて、第2スプリングの一部を第
2ピストンと軸直交方向で重なるよう構成したため、リ
リーフ弁の全長をさらに短くすることができ、いっそう
車載性を向上させることができるという効果が得られ
る。
【0045】請求項3記載の発明では、第1ピストンに
第3凹部を形成し、この第3凹部に第1スプリングを配
置させて、第1スプリングと第1ピストンとが軸直交方
向で重なる構成としたため、リリーフ弁の全長をさらに
短くして、さらに車載性を向上させることができるとい
う効果が得られる。
【0046】また、請求項4記載の発明では、挙動安定
制御を実行するブレーキ装置において、アウト側ゲート
弁と並列に設けられたリリーフ回路に、請求項1ないし
3記載のリリーフ弁を設けた構成としたため、挙動安定
制御時に運転者が制動操作を行ってマスタシリンダで発
生した液圧がリリーフ弁の第2室に伝達されても、リリ
ーフ弁の開弁圧が変化しないようにすることが可能であ
るため、ポンプや各弁に対する負荷が大きくなることが
なく、ポンプおよびその駆動源を高負荷に耐えられる構
造とする必要がないとともに、各弁の耐圧性を高くする
必要がなく、装置の大型化を防止するとともに低コスト
化を図ることができるという効果が得られる。
【0047】請求項5または6記載の発明では、ポンプ
の吸入側に加給手段あるいは加給ポンプを設けた構成と
したため、挙動安定制御時には、ポンプへのブレーキ液
の供給がスムーズに成されて、挙動安定制御の応答性を
向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施の形態のリリーフ弁を示す断面図で
ある。
【図2】本発明実施の形態のブレーキ装置を示す全体図
である。
【図3】実施の形態のブロック図である。
【図4】実施の形態および従来技術のリリーフ弁の開弁
圧特性図である。
【図5】従来のリリーフ弁を示す断面図である。
【図6】従来のブレーキ装置の概略図である。
【符号の説明】
WCFL ホイルシリンダ WCRR ホイルシリンダ WCFR ホイルシリンダ WCRL ホイルシリンダ MC マスタシリンダ BP ブレーキペダル RT リザーバタンク CU コントロールユニット S 車輪速センサ YR ヨーレイトセンサ H 舵角センサ BS ブレーキセンサ GS Gセンサ 1 第1チャンネル回路(ブレーキ回路) 1b ゲート弁バイパス回路 1c 一方弁 1d 分岐点 1f 前輪分岐回路 1g 一方弁 1h 流入弁バイパス回路 1m リリーフ回路 1r 後輪分岐回路 2 第2チャンネル回路(ブレーキ回路) 3 アウト側ゲート弁 4 メインポンプ 4a メイン吐出回路(還流回路) 4b 吐出弁 4f メイン吸入回路(還流回路) 4h 吸入弁 4j 分岐点 4k 吸入弁 5 流入弁(液圧制御弁) 6 流出弁(液圧制御弁) 7 リザーバ 8 加給ポンプ 8a 加給吐出回路 8b 加給吸入回路 8c 吸入弁 9 イン側ゲート弁 10 ドレーン回路 20 リリーフ弁 21 シリンダ 21a 第1シリンダ穴 21b 第1部材 21c 第2シリンダ穴 21d 第2部材 21e 大径部 21f 小径部 21g 横孔 22 第1ピストン 22a 本体 22c ボール弁 22d 縦溝 22e 連通穴 22f 第3凹部 23 バルブシート 23a バルブ穴 23b シート面 25 第1室 26 第2室 27 第2ピストン 27a 大径ランド 27b 小径ランド 27c ポート 27d 底部 27e Oリング 27f 貫通孔 27m 第1凹部 27n 第2凹部 29 背室 30 第3室 31 第1スプリング 32 第2スプリング

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダの内部を第1室と第2室とに分
    けてバルブシートが設けられ、 このバルブシートには、第1室と第2室とを連通するバ
    ルブ穴が形成されているとともに、このバルブ穴の第2
    室側の端部の周囲にシート面が形成され、 前記シリンダの内部に、前記シート面に当接および離反
    すべく摺動可能に第1ピストンが設けられているととも
    に、この第1ピストンと直列に、前記第2室の液圧を受
    圧可能に第2ピストンが設けられ、 前記第1ピストンと第2ピストンとの間に、第1ピスト
    ンと第2ピストンとを相互に離間する方向に付勢する第
    1スプリングが設けられ、 前記第2ピストンの前記第1スプリングが設けられてい
    るのとは反対側に設けられた背室に、前記第2ピストン
    を第1ピストンに近づく方向に付勢する第2スプリング
    が設けられ、 前記第2ピストンは、前記第2室の液圧が上昇した時
    に、第1ピストンから離間する方向に摺動するよう上昇
    液圧を受圧する受圧面を有し、 前記第2ピストンの第1ピストン側には軸方向に凹んだ
    凹部が形成され、 前記第1ピストンおよび前記第1スプリングが、前記凹
    部内に配置され、第1ピストンと第2ピストンとの少な
    くとも一部どうしが軸直交方向で重なって配置されてい
    ることを特徴とするリリーフ弁。
  2. 【請求項2】 前記第2ピストンの背室側に、軸方向に
    凹んだ第2凹部が形成され、 前記第2スプリングの一部が前記第2凹部内に配置され
    て、前記第2スプリングの一部と第2ピストンの一部と
    が軸直交方向で重なって配置されていることを特徴とす
    る請求項1記載のリリーフ弁。
  3. 【請求項3】 前記第1ピストンの第1スプリング側
    に、軸方向に凹んだ第3凹部が形成され、 前記第1スプリングの一部が、第3凹部内に配置され
    て、前記第1スプリングの一部と第1ピストンの一部と
    が軸直交方向に重なって配置されていることを特徴とす
    る請求項1または2記載のリリーフ弁。
  4. 【請求項4】 マスタシリンダとホイルシリンダとを接
    続したブレーキ回路と、 前記ホイルシリンダとリザーバとを接続するドレーン回
    路と、 前記ホイルシリンダをマスタシリンダ側に接続させた増
    圧状態と、前記ホイルシリンダをリザーバ側に接続させ
    た減圧状態と、前記ホイルシリンダをマスタシリンダ側
    にもリザーバ側にも遮断した保持状態とを形成可能な液
    圧制御弁と、 前記リザーバと、前記ブレーキ回路の液圧制御弁よりも
    マスタシリンダ側位置とを接続した還流回路と、 この還流回路を介して、リザーバのブレーキ液を吸入し
    てブレーキ回路に吐出するポンプと、 このポンプの吸入側とマスタシリンダとを結ぶ加給回路
    と、 前記加給回路を開閉するイン側ゲート弁と、 前記ブレーキ回路における前記ポンプの吐出位置とマス
    タシリンダとの間に設けられてブレーキ回路を開閉する
    アウト側ゲート弁と、 このアウト側ゲート弁を迂回してブレーキ回路に並列に
    設けられて、アウト側ゲート弁よりも液圧制御弁側の液
    圧を、マスタシリンダ側に逃がすリリーフ弁を備えたリ
    リーフ回路と、 前記ポンプ、液圧制御弁、両ゲート弁の開閉を制御する
    コントロールユニットとを備え、 このコントロールユニットが、所定の車両挙動を検出し
    たときに、イン側ゲート弁を開弁させる一方、アウト側
    ゲート弁を閉弁させ、ポンプを駆動させてマスタシリン
    ダのブレーキ液をブレーキ回路に供給するとともに、液
    圧制御弁によりホイルシリンダの液圧を所定圧に制御し
    て、車両挙動を安定させる挙動安定制御を実行するよう
    構成されたブレーキ装置において、 前記リリーフ回路に設けられたリリーフ弁として、請求
    項1ないし3記載のリリーフ弁が用いられ、前記第1室
    が液圧制御弁側に接続されている一方、前記第2室がマ
    スタシリンダ側に接続されていることを特徴とするブレ
    ーキ装置。
  5. 【請求項5】 前記加給回路には、マスタシリンダのブ
    レーキ液をポンプに向けて供給する加給手段が設けられ
    ていることを特徴とする請求項4記載のブレーキ装置。
  6. 【請求項6】 前記加給手段が、加給ポンプであること
    を特徴とする請求項5記載のブレーキ装置。
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