JPH11173408A - 車両用自動変速機の制御装置 - Google Patents

車両用自動変速機の制御装置

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JPH11173408A
JPH11173408A JP9356059A JP35605997A JPH11173408A JP H11173408 A JPH11173408 A JP H11173408A JP 9356059 A JP9356059 A JP 9356059A JP 35605997 A JP35605997 A JP 35605997A JP H11173408 A JPH11173408 A JP H11173408A
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Takayuki Kuno
孝之 久野
Masahiro Hayabuchi
正宏 早渕
Satoru Kasuya
悟 糟谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 変速機構中にワンウェイクラッチを用いず
に、車両の低速走行時のダウンシフトによる変速ショッ
クを防ぐ。 【解決手段】 自動変速機は、低速段達成時に係止され
る回転要素と、それを係止するブレーキB−3と、その
作動油圧を制御する制御装置5,6を備える。ブレーキ
は、セルフエナージ及びディエナージ作用により係合力
に差異を生じるバンドブレーキとし、セルフエナージ作
用下での係合により車両の駆動時に回転要素を係止し、
ディエナージ作用下での係合により車両の非駆動時に回
転要素を係止することで、非駆動時の係合油圧よりも駆
動時の係合油圧の方が低くなる領域を有する設定とされ
る。制御装置5,6は、低速段へのダウンシフト時に、
バンドブレーキB−3を作動させる油圧を、セルフエナ
ージ作用下で係合可能かつディエナージ作用下で係合不
能な油圧とする供給圧制御手段を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用自動変速機
の制御装置に関し、特に、自動変速機における低速段へ
のダウンシフト時の摩擦係合要素の油圧制御に関する。
【0002】
【従来の技術】車両用自動変速機において、減速段とし
て構成される低速段達成のために、変速機構中の特定の
回転要素を係止して該要素に反力トルクを支持させてい
る状態から、直結段等で構成される高速段達成のため
に、該回転要素の係止を解放させるのに、従来一般的に
は、ワンウェイクラッチが用いられている。このような
ワンウェイクラッチを配した通常の変速機構の場合、車
両の減速のためにアクセルペダルの踏み込みを緩めてス
ロットルをオンからオフしたとき、すなわち、エンジン
の動力により自動変速機を介して車両のホイールが駆動
されている(本明細書を通じて、こうした状態を「駆
動」という)状態から、車両の慣性力によるホイール側
からの駆動力で自動変速機を介してエンジンが逆駆動さ
れるコースト(同じく、「非駆動」という)状態に移行
したときには、回転要素に作用する反力トルクの方向が
逆転するため、ワンウェイクラッチがフリーとなる。し
たがってこのときは、自動変速機の変速機構内で逆駆動
の動力が伝わらなくなり、エンジンブレーキ作用が生じ
ない惰性走行状態が得られる。
【0003】しかしながら、ワンウェイクラッチは自動
変速機の機構内で比較的大きなスペースと重量を占め
る。そこで、湿式多板構成の摩擦ブレーキを用いて、上
記回転要素の係止と解放をブレーキを作動させる油圧の
調整で直接制御するようにして、ワンウェイクラッチの
配設を廃し、変速装置のコンパクト化を図った技術とし
て、特開平4−302748号公報に開示の技術があ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、車両の停止
直前などのアクセルオフの低車速走行時に、低速段への
ダウンシフトが生じる場合、低速段側にワンウェイクラ
ッチが設けられていれば、上記の理由で、エンジンを制
動負荷とする減速感は生じないが、上記従来技術のよう
にワンウェイクラッチに代えて摩擦係合要素を用いた場
合、ワンウェイクラッチのようなトルクの逆転による係
合と解放の自動方向性が得られないため、係合と解放の
タイミング制御が実質上困難な変速中に低速段が形成さ
れてしまうことがあり、そうした場合はコースト状態に
よる減速感が生じ、変速フィーリングの悪化を招く。
【0005】そこで、本発明は、機構のコンパクト化の
ためにワンウェイクラッチを用いない構成を採りなが
ら、低速段へのダウンシフトによる減速感の発生を防止
できる車両用自動変速機の制御装置を提供することを第
1の目的とする。
【0006】次に、本発明は、上記制御装置において、
車速が極めて小さい場合に生じる可能性のある押し出し
感をも防止することを第2の目的とする。
【0007】更に、本発明は、上記制御装置において、
ダウンシフト後のエンジンブレーキ作用の使用を確実に
可能とすることを第3の目的とする。
【0008】また、本発明は、ダウンシフト時の制御装
置の油圧の振動によるショックの発生を防止することを
第4の目的とする。
【0009】そして、本発明は、ダウンシフトの前後を
通じてそれぞれの変速段において共に共通の摩擦係合要
素が係合状態となる変速機構への適用を可能とした制御
装置を得ることを第5の目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るため、本発明は、低速段を達成するために係止される
回転要素と、該回転要素を係止する油圧作動のブレーキ
とを備える自動変速機であって、前記ブレーキを作動さ
せる油圧を制御する制御装置を備えるものにおいて、前
記ブレーキは、セルフエナージャイジング作用とディエ
ナージャイジング作用により係合力に差異を生じるバン
ドブレーキで構成され、該バンドブレーキは、セルフエ
ナージャイジング作用下での係合により車両の駆動時に
前記回転要素を係止し、ディエナージャイジング作用下
での係合により車両の非駆動時に前記回転要素を係止す
ることで、非駆動時の係合油圧よりも、駆動時の係合油
圧の方が低くなる領域を有する設定とされ、前記制御装
置は、前記低速段へのダウンシフト時に、前記バンドブ
レーキを作動させる油圧を、セルフエナージャイジング
作用下で係合可能かつディエナージャイジング作用下で
係合不能な油圧とする供給圧制御手段を有することを特
徴とする。
【0011】上記第2の目的を達成するため、前記制御
装置は、前記ダウンシフトの判断手段を有し、該判断手
段がアクセル解放時のダウンシフトを判断する車速は、
少なくとも、その車速で前記低速段が形成された場合の
タービン回転数がエンジンのアイドリング回転数より大
きくなるような車速より大きく設定されている構成とさ
れる。
【0012】上記第3の目的を達成するため、前記バン
ドブレーキを作動させる油圧は、前記バンドブレーキが
係合し、前記低速段が形成された後に、ディエナージャ
イジング作用下でも係合可能な油圧に昇圧される。
【0013】上記第4の目的を達成するため、前記低速
段が形成された後の油圧の昇圧は、所定の勾配で、徐々
に行なわれる。
【0014】上記第5の目的を達成するため、前記自動
変速機は、変速前の変速段を前記バンドブレーキと第1
のクラッチの係合により達成し、前記低速段を前記バン
ドブレーキと第2のクラッチの係合により達成する変速
機構を有し、前記制御装置は、前記第1のクラッチの滑
りを検出する検出手段を有し、前記供給圧制御手段は、
前記ダウンシフト時、前記バンドブレーキを作動させる
油圧を、前記第1のクラッチの滑りが検出されるまで
は、セルフエナージャイジング作用下及びディエナージ
ャイジング作用下の双方で係合可能な油圧とし、滑り検
出後は、セルフエナージャイジング作用下で係合可能
で、ディエナージャイジング作用下では係合不能な油圧
とする構成が採られる。
【0015】
【発明の作用及び効果】上記請求項1記載の構成では、
バンドブレーキのセルフエナージャイジング作用とディ
エナージャイジング作用により係合力に差異を生じる特
性を利用し、セルフエナージャイジング作用下での係合
により車両の駆動時に回転要素を係止し、ディエナージ
ャイジング作用下での係合により車両の非駆動時に回転
要素を係止することで、特に入力トルクが低く、車速が
小さい車両停止前のような走行状態で、非駆動時の係合
油圧よりも、駆動時の係合油圧の方が低くなる領域を有
する設定とし、低速段へのダウンシフト時に、バンドブ
レーキを作動させる油圧を、セルフエナージャイジング
作用下で係合可能かつディエナージャイジング作用下で
係合不能な油圧としている。これにより、アクセル解放
状態での変速中は、バンドブレーキは、ディエナージャ
イジング作用で回転要素を係止することができなくな
り、低速段が形成されることがないので、エンジンブレ
ーキ作用の発生がなく、不快な減速感の発生を防止する
ことができる。また、減速感が生じることがない駆動時
では、バンドブレーキが係合して低速段が形成され、車
両を駆動することができる。
【0016】また、本発明の制御が行なわれる場合、ダ
ウンシフトの判断が発生する車速が小さ過ぎると、回転
要素の回転が常時セルフエナージャイジング方向とな
り、ダウンシフトにより駆動力が増大し、押し出し感が
生じてしまう。そこで、請求項2記載の構成では、車速
を上記のように設定することで、一旦、駆動力が伝達さ
れない状態を経由して、車速の低下と共に、駆動力が徐
々に生じるようにすることができるので、押し出し感も
防止することができる。
【0017】更に、請求項3記載の構成では、変速終了
後は、ディエナージャイジング作用下でのバンドブレー
キの係合により回転要素の非駆動時の回転も防止できる
ようにすることができることにより、変速後の低速段が
確実に達成されるので、車両の運転者がアクセルを踏み
加速した後に、エンジンブレーキ作用を有効に使用する
ことができる。
【0018】次に、請求項4記載の構成では、バンドブ
レーキを係合させる油圧を徐々に上昇させることで、係
合を滑らかに行なわせることができるので、油圧の振動
などにより、ブレーキの係合状態が安定しない場合に、
急激に油圧を上昇させることでショックが生じることが
あるのを防ぐことができる。
【0019】そして、請求項5記載の構成では、ブレー
キがダウンシフトが発生する前から係合状態にあるよう
な変速機構においても、本発明による上記の各作用と効
果を得ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面に沿い、本発明の実施
形態を説明する。図2は本発明を適用した横置構成のト
ランスファ装置の形態を採る自動変速機を示す。先ず、
機構の概略構成から説明すると、この装置は、車両のエ
ンジン(E/G)に連結されるロックアップクラッチ
(L/C)付のトルクコンバータ12と、その出力を前
進5速後進1速に変速する3段のプラネタリギヤセット
M1,M2,M3を有する変速機構Mとからなる自動変
速機Tと、それに減速機構を兼ねるカウンタギヤ20を
介して連結され、伝達された自動変速機Tの出力を車両
の左右のホイールに伝達する差動装置21とから構成さ
れている。
【0021】自動変速機Tにおける変速機構Mの両ギヤ
セットM1,M2の大小径の異なるピニオンギヤP1,
P2は直結され、両ギヤセットM1,M3のそれぞれの
リングギヤR1,R3とキャリアC3,C1は、相互に
連結されており、ギヤセットM1のサンギヤS1とキャ
リアC1は入力要素とすべく、それぞれクラッチ(C−
1,C−2)を介してトルクコンバータ12のタービン
軸13に連なる入力軸14に連結されている。また、相
互に連結されたリングギヤR1とキャリアC3は、出力
ギヤ19に連結されている。更に、ギヤセットM1のサ
ンギヤS1は、ブレーキ(B−1)により変速機ケース
10に係止可能とされ、ギヤセットM2のサンギヤS2
は、ブレーキ(B−2)により変速機ケース10に係止
可能とされ、ギヤセットM3のサンギヤS3は、ブレー
キ(B−3)により同じく変速機ケース10に係止可能
とされ、キャリアC1に連結されたリングギヤR3は、
ブレーキ(B−R)により変速機ケース10に係止可能
とされている。
【0022】更に、サンギヤS1は、入力軸14の外周
に嵌まるサンギヤ軸16を介してクラッチ(C−1)に
連結され、キャリアC1は、入力軸14の外周に嵌まる
キャリア軸17を介してクラッチ(C−2)に連結さ
れ、サンギヤS3は、キャリア軸17の外周に嵌まるサ
ンギヤ軸18を介してブレーキ(B−3)に連結されて
いる。そして、ブレーキ(B−R)を除く各ブレーキ
は、バンドブレーキ構成とされ、ブレーキ(B−R)に
ついては、多板式のブレーキ構成とされており、それら
の油圧サーボについては図示を省略されている。そし
て、出力ギヤ19がカウンタギヤ20を介して差動装置
21に連結されている。
【0023】このように構成された自動変速機Tは、電
子制御装置6及び油圧制御装置5による制御の下に、各
クラッチ及びブレーキに対応する油圧サーボに油圧を供
給し、図3に示すように各クラッチ及びブレーキを係合
(図に○印で示す)及び解放(図に無印で示す)させる
ことで各変速段を達成する。
【0024】すなわち、第1速(1ST)は、クラッチ
(C−1)とブレーキ(B−3)の係合で達成される。
このとき、駆動時の入力は、入力軸14からクラッチ
(C−1)経由でサンギヤS1に入り、ブレーキ(B−
3)の係合によるサンギヤS3の係止で最も減速された
キャリアC3の回転として出力ギヤ19に出力される。
この変速段では、非駆動時の出力ギヤ19の回転は、ブ
レーキ(B−3)の係合時には、サンギヤS3の係止に
よる反力支持で、キャリアC3、リングギヤR1、サン
ギヤS1、キャリアC1及びクラッチ(C−1)経由で
エンジン側に伝達されるが、ブレーキ(B−3)の解放
時には、サンギヤS3による反力支持が解かれるので、
リングギヤR1の回転に対してピニオンギヤP1が空転
し、逆駆動トルクは伝達されない。
【0025】同様に、第2速(2ND)は、クラッチ
(C−2)とブレーキ(B−3)の係合で達成される。
このとき、クラッチ(C−2)経由でキャリア軸17に
入った入力は、キャリアC1経由でそのままリングギヤ
R3に入り、ブレーキ(B−3)の係合で係止されたサ
ンギヤS3を反力要素とするキャリアC3の差動回転と
して出力ギヤ19に出力される。この場合も非駆動時の
出力ギヤ19の回転は、ブレーキ(B−3)の係合時に
は、サンギヤS3の係止による反力支持で、キャリアC
3、リングギヤR3、キャリアC1及びクラッチ(C−
2)経由でエンジン側に伝達されるが、ブレーキ(B−
3)の解放時には、サンギヤS3による反力支持が解か
れるので、リングギヤR1の回転に対してピニオンギヤ
P1が空転し、逆駆動トルクは伝達されない。
【0026】また、第3速(3RD)は、両クラッチ
(C−1,C−2)の係合による第1のプラネタリギヤ
セットM1の直結で達成される。このとき入力軸14の
回転は、そのままキャリアC3の回転として出力ギヤ1
9に出力される。そしてこの変速機の第4速(4TH)
以上は、オーバドライブとされ、第4速(4TH)は、
クラッチ(C−2)の係合と、サンギヤS1を係止する
ブレーキ(B−1)の係合で達成される。このとき、入
力軸14の回転はキャリアC1の回転に対してピニオン
ギヤP1の自転分増速されたリングギヤR1の回転とし
てキャリアC3から出力ギヤ19に伝達される。これに
対して、第5速は、クラッチ(C−2)の係合と、ブレ
ーキ(B−2)の係合で達成され、このとき、入力軸1
4の回転はキャリアC1の回転に対して、第4速達成時
より大径のサンギヤS2に反力をとる小径のピニオンギ
ヤP2の自転分更に増速されたリングギヤR1の回転と
してキャリアC3から出力ギヤ19に伝達される。ま
た、後進(REV)は、クラッチ(C−1)とブレーキ
(B−R)の係合で達成され、このとき、クラッチ(C
−1)を介するサンギヤS1への入力に対して、ブレー
キ(B−R)の係合によるリングギヤR3のケース10
への係止でキャリアC1の回転が止められ、ピニオンギ
ヤP1の自転による逆転の減速されたリングギヤR1の
回転がキャリアC3経由で出力ギヤ19から出力され
る。
【0027】こうした構成の自動変速機Tにおいて、本
発明は、低速段としての第1速及び第2速を達成するた
めに係止される回転要素をサンギヤS3、これを係止す
るブレーキをブレーキ(B−3)として適用されてい
る。そして、ブレーキ(B−3)を作動させる油圧を制
御する制御装置は、本形態において、図2に示す油圧制
御装置5内の図1に示す油圧回路と、それを電気信号で
制御する電子制御装置6内のプログラムとして構成され
ている。
【0028】図1に詳細を示すように、ブレーキ(B−
3)は、ドラム31と、バンド32と、油圧サーボ4と
から構成されている。そして、このドラム31が図2に
示すようにサンギヤ軸18を介してサンギヤS3に連結
されている。バンド32は、その両端外周側にブラケッ
ト33,34を備えており、その一方のアンカー側ブラ
ケット33は、ケース10に植え込んだアンカーピン3
5に当接支持され、他方のアプライ側ブラケット34
は、バンド32の拡開方向の戻り弾性で油圧サーボ4の
ピストンロッド42端に当接している。このブレーキ
(B−3)の機構上の特性により、ブレーキ締結時に、
バンド32には、ドラム31が図示反時計回り方向のト
ルクを受けるときには、バンド32とドラム31の係合
による摩擦力がバンドを増し締めする方向に作用するた
め、ブレーキ係合力を増大するセルフエナージャイジン
グ(以下、セルフエナージという)作用が生じる。これ
に対して、ドラム31が図示時計回り方向のトルクを受
けるときには、バンド32とドラム31の係合による摩
擦力がバンド締めつけ力と逆方向にバンドを緩める力と
して作用するため、ブレーキ係合力を減じさせるディエ
ナージャイジング(以下、ディエナージという)作用が
生じる。これにより、バンドブレーキ(B−3)は、サ
ンギヤS3にかかる反力トルクの方向により係合力の差
異が生じる。
【0029】このブレーキ(B−3)の油圧サーボ4
は、大小径の異なるシリンダボアSL,SS を有するサ
ーボシリンダ40と、その大径ボアSL に摺動自在に嵌
挿された大径ピストン44と、小径ボアSS に摺動自在
に嵌挿された小径ピストン43と、両ピストン43,4
4に嵌挿されたロッド42と、同じく大小径の異なる圧
縮コイルスプリングからなるセパレータスプリング45
及びリターンスプリング46と、大径ボアSL の開放端
を塞ぐリッド41とから構成されている。小径ピストン
43に固定されたロッド42は、サーボシリンダ40の
小径ボアSS 側の端壁を摺動自在に貫いて突出し、バン
ド32のブラケット34に当接している。大径ピストン
44は、ロッド42に摺動自在に支持され、小径ピスト
ン43と大径ピストン44との間に小径のセパレータス
プリング45が所定の荷重設定の基に配設されている。
大径のリターンスプリング46は、サーボシリンダ40
端壁と大径ピストン44との間に所定の荷重設定の基に
配設されている。
【0030】この油圧サーボ4を制御する油圧制御装置
5は、ポンプを主体とするライン圧(PL )を生成させ
る油圧源51と、それにライン圧油路pを介して接続さ
れ、ライン圧(PL )を調圧して前記油圧サーボ4に供
給するB−3コントロール弁52と、同じくライン圧油
路pに接続され、ライン圧(PL )を減圧してモジュレ
ータ圧油路mに出力するソレノイドモジュレータ弁53
と、ソレノイドモジュレータ弁53により減圧されたモ
ジュレータ圧(Pm)を基圧として制御圧(PB - 3
を制御圧油路tを介してB−3コントロール弁52に印
加するリニアソレノイド弁54を備えている。
【0031】リニアソレノイド弁54を制御する電子制
御装置6は、リニアソレノイド弁54のソレノイドに接
続されると共に、図2に示すように、スロットル開度セ
ンサ71、エンジン回転センサ72、タービン回転セン
サ73及び出力回転センサ74に接続されている。これ
ら各センサのうち、スロットル開度センサ71、エンジ
ン回転センサ72及びタービン回転センサ73は、後に
詳記する入力トルク算出に使用され、出力回転センサ7
4は、タービン回転センサ73と共に、これも後に詳記
するギヤ比の算出に使用される。
【0032】本発明の主題に沿い、バンドブレーキ(B
−3)は、その係合により車両の非駆動時にサンギヤS
3を係止するに必要な非駆動時油圧よりも、駆動時に回
転要素を係止するに必要な駆動時油圧の方が低くなる領
域を有する設定とされている。こうした設定について、
図4〜図6を参照して説明する。図4は第2速時のブレ
ーキ(B−3)係合力マップを示すもので、図に示すよ
うに、第2速において、駆動時にブレーキ(B−3)の
係合を維持するに必要な係合力(TB3−2S)は、入
力トルク(Tin)をパラメータとして、車速に対応す
る出力回転数(Nout)の増加につれて増加率が大き
くなる2次曲線で表される特性となる。なお、係合力の
特性がこうした2次曲線となるのは、走行負荷に打ち勝
って車速を維持するに要する駆動トルクが、車速の増加
と共に2次曲線的に増加する空気抵抗分の負荷の影響を
受けるためである。これに対して、非駆動時のブレーキ
(B−3)の係合力(TB3−2D)は、入力トルク
(Tin)とは関係なく、出力回転数(Nout)の増
加につれてリニアに増加する直線状の特性となる。
【0033】したがって、図5に同様の第2速時のブレ
ーキ(B−3)圧マップを示すように、油圧サーボに供
給する駆動時のブレーキ(B−3)の係合油圧(PB3
−2S)は、上記係合力の場合と同様に、入力トルク
(Tin)をパラメータとして、出力回転数(Nou
t)の増加につれて増加率が大きくなる2次曲線で表さ
れる特性となるのに対して、非駆動時のブレーキ(B−
3)の係合油圧(PB3−2D)の方は、出力回転数
(Nout)の増加につれてリニアに増加する直線状の
特性となる。そこで、セルフエナージ時とディエナージ
時との摩擦係合力の差により、非駆動時よりも高い係合
力が必要な駆動時でも、入力トルク(Tin)が小さい
領域では、非駆動時より低い油圧で駆動時の係合状態を
達成できる。このことは、図6に示す第1速時のブレー
キ(B−3)圧マップ上の第1速時のブレーキ(B−
3)の駆動時の係合圧(PB3−1S)と非駆動時の係
合圧(PB3−1D)についても同様にいえる。
【0034】なお、図5及び図6において、入力トルク
値(Tin1)は、入力トルクが0又は車両の車速を維
持する程度の低い値であり、2→1ダウンシフトが生じ
るような走行時に対応するトルクである。したがって、
入力トルクが低い値(Tin1)のときに、図に編みか
けで示す領域、厳密には非駆動時の必要油圧(PB3−
2D,PB3−1D)は含まず、駆動時の必要油圧(P
B3−2S,PB3−1S)を含む領域で油圧を出力す
ることで、駆動時にブレーキ(B−3)の係合が維持さ
れ、非駆動となると係合が解放されるブレーキ設定が可
能となり、非駆動時にエンジンブレーキ作用を生じさせ
ないようにすることができる。
【0035】かくして、上記の設定によれば、一定の車
速を超えるまでは、バンドブレーキ(B−3)の油圧サ
ーボ4へ非駆動時油圧よりも低く、駆動時油圧に等しい
か又はそれより高い油圧を供給することで、非駆動時の
みエンジンブレーキ作用を生じないようにすることがで
きる。なお、図にみるように、一定の車速を超える領域
では、逆に駆動時油圧の方が非駆動時油圧より高くなる
状態が生じるが、本発明の主題に係る低車速領域での制
御には、この逆転状態の領域は関係しない。
【0036】次に、制御装置による具体的な制御内容を
説明する。図7は電子制御装置6内での制御処理のメイ
ンフローを示す。このフローは、基本的に2→1ダウン
シフト状態を識別するためのもので、先ずステップS−
1で変速中か否かを識別するフラグ(FH)の判定を行
なう。このフラグは、初期時は0に設定されている。し
たがって、当初のフラグ判定不成立(N)時は、ステッ
プS−2の2→1変速判断を行なう。この判断が不成立
(N)の場合は、ステップS−6に進み、第1速か第2
速であれば、ブレーキ(B−3)の係合を維持させるた
めのステップS−7による定常時B−3制御のサブルー
チンを実行し、更に、クラッチ(C−2)又はクラッチ
(C−1)の係合を維持させるためのステップS−8に
よる定常時C−1,C−2制御のサブルーチンを実行す
ることになる。また、ステップS−6の第1速又は第2
速の判断が不成立(N)の場合は、そのままリターンさ
せる。一方、ステップS−2の2→1変速判断が成立
(Y)すると、ステップS−3でフラグを設定(FH=
1)し、ステップS−4の変速時B−3制御サブルーチ
ンを実行し、次にステップS−5で変速時C−1,C−
2制御サブルーチンを実行することになる。
【0037】図8は上記変速時B−3制御のサブルーチ
ンのフローを示す。ここでは、先ずステップS−11で
入力トルク(Tin)の算出を行なう。この算出は、図
9及び図10に示すマップに基づいて行なわれる。具体
的には、スロットル開度センサ71の検出するスロット
ル開度(TH)と、エンジン回転センサ72の検出する
エンジン回転数(Ne)とから、図9に示すエンジント
ルクマップに基づき、エンジン出力トルク(Te)を得
る。次いで、エンジン回転センサ72の検出するエンジ
ン回転数(Ne)と、タービン回転センサ73の検出す
るタービン回転数(NT)とからトルクコンバータ12
の速度比(e)を算出する。ここに、速度比(e)は、
e=NT/Neとなる。更に、速度比(e)から、図1
0に示すトルク比マップに基づき、トルク比(Tt)を
得る。そして、次式より変速機構Mの入力トルク(Ti
n)を算出する。すなわち、入力トルク(Tin)は、
Tin=Tt・Teで表される。
【0038】図8のフローに戻って、次のステップS−
12では、ギヤ比算出のための出力回転数(Nout)
とタービン回転数(NT)の検出を行なう。そして、ス
テップS−13でギヤ比(G)を算出する。このギヤ比
(G)は、G=NT/Noutとなる。かくして得られ
たギヤ比(G)を、ステップS−14において、第2速
ギヤ比(G2)と比較する。この結果、G>G2により
クラッチ(C−2)がスリップを開始し、変速が始まっ
たことが判断される。この判断が不成立(N)の変速が
開始されるまでは、ブレーキ係合圧(PB3)を必ず係
合状態を保持する値にするために、最大(MAX)値を
出力する処理を実行することになる。すなわち、ステッ
プS−22で、図5に示す第2速時のB−3圧マップよ
り非駆動時のブレーキ係合圧(PB3−2D)及び駆動
時のブレーキ係合圧(PB3−2S)の読み込みを行
い、ステップS−23で、ブレーキ係合圧としてPB3
=MAX(PB3−2S,PB3−2D)、すなわち、
非駆動時のブレーキ係合圧(PB3−2D)と駆動時の
ブレーキ係合圧(PB3−2S)のうち、いずれか大き
な方を出力させる。
【0039】やがてステップS−14の変速開始判断が
成立(Y)すると、ステップS−15に進み、先に算出
したギヤ比(G)が第1速ギヤ比(G1)に同期したか
否かを判断する。この同期が確認されるまでは、ステッ
プS−24により図6に示す第1速時のB−3圧マップ
より駆動時のブレーキ係合圧(PB3−1S)を読み込
み、ステップS−25でブレーキ係合圧をPB3=PB
3−1Sとして油圧を出力する。これにより、変速が開
始すれば、セルフエナージ時のB−3油圧が供給され、
この際のブレーキ(B−3)のドラム31にかかるトル
クの方向はディエナージ側なので、ドラム31は回転
し、サンギヤS3は空転する。
【0040】このようにして変速が進行し、ステップS
−15の第1速同期判断が成立(Y)し、それによりバ
ンドブレーキ(B−3)の係合が判断された時点で、ス
テップS−16により第1速同期後に油圧を徐々に上昇
させるためのタイマ(T)のリセット(T=0)を確認
し、ステップS−17で、タイマ(T)の計測を開始す
る。そして、ステップS−18で、図6に示す第1速時
のB−3圧マップより両ブレーキ係合圧(PB3−1
S,PB3−1D)の読み込みを行なう。次のステップ
S−19では、その時点の駆動時の係合圧(PB3−1
S)に単位時間当たりの上昇量ΔPの加算を行なう。か
くして、ステップS−20によりブレーキ係合圧(PB
3)が最大値まで上昇するのを監視する(MAX(PB
3≧PB3−1S,PB3−1D))。そして、ブレー
キ係合圧(PB3)が最大値まで上昇したところで処理
を終了させるために、ステップS−21でフラグ(F
H)をクリア(FH=0)し、タイマ(T)をリセット
(T=0)する。かくして、先の図7に示すメインフロ
ーに戻り、定常時B−3制御の状態となる。
【0041】なお、本実施形態では、駆動時のブレーキ
係合圧(PB3−1S)をブレーキ係合圧(PB3)と
して出力する期間を、クラッチ(C−2)のスリップの
開始が検出されてから、バンドブレーキ(B−3)の係
合が検出されるまでとしたが、要は、ブレーキ係合圧
(PB3)は、少なくともブレーキ(B−3)の係合が
維持されることにより大きな減速感が発生する期間に対
応して駆動時のブレーキ係合圧(PB3−1S)とされ
ればよい。したがって、ステップS−2の変速判断が成
立した時点からブレーキ係合圧(PB3)を駆動時のブ
レーキ係合圧(PB3−1S)としてもよい。
【0042】図11は定常時B−3制御サブルーチンの
フローを示す。この制御では、先に述べたと同様の方法
で、ステップS−31で入力トルク(Tin)を算出
し、ステップS−32で出力回転数(Nout)を検出
し、ステップS−33で第1速か否かの判断を行い、第
1速であれば、ステップS−34で第1速時のB−3圧
マップより両係合圧(PB3−1S,PB3−1D)の
読み込みを行い、ステップS−35でそれらのうちの最
大値(PB3=MAX(PB3−1S,PB3−1
D))を出力する。また、ステップS−33の判断で第
1速でなければ、第2速時のB−3圧マップより係合圧
(PB3−2S,PB3−2D)の読み込みを行い、そ
れらのうちの最大値(PB3=MAX(PB3−2S,
PB3−2D))を出力することになる。
【0043】かくして、前記各サブルーチンでの係合圧
(PB3)の出力は、具体的には、電子制御装置6にお
けるソレノイド駆動回路からのデューティ信号出力とさ
れ、図1に示すリニアソレノイド弁54のソレノイドへ
出力される。したがって、この処理により、図1に示す
油圧回路では、モジュレータ圧(Pm)を基圧とするリ
ニアソレノイド弁54の調圧動作で、B−3コントロー
ル弁52のスプール端に制御圧(PB - 3 )が印加さ
れ、この力に対向するリータンスプリング荷重とフィー
ドバック圧とのバランスで、ライン圧(PL )をサーボ
油圧(PB3)に調圧するB−3コントロール弁52の
調圧動作が生じ、規定のサーボ油圧(PB3)が油圧サ
ーボ4の大径ボアSL に供給される。この油圧供給によ
る大径ピストン44の移動でロッド42が押し出され、
その先端でブラケット34を押圧するため、一端をアン
カーピン35に支持されたバンド32は、ドラム31に
締結される。そして、この締結状態でドラム31にかか
る反動トルクが図示セルフエナージ方向にかかる場合
は、反力トルクによるドラム31の回転は阻止される。
また、この状態で反力トルクが図示ディエナージ方向に
かかる場合は、サーボ油圧(PB3)として非駆動時必
要油圧(PB3−1D)が選択されたときには、反力ト
ルクによるドラム31の回転は阻止されるが、駆動時必
要油圧(PB3−1S)が選択されたときには、ドラム
31の回転は阻止されなくなる。
【0044】図13は、上記制御による2→1ダウンシ
フトのタイムチャートを示す。この場合、図12に示す
変速点マップに従う車速とスロットル開度の関係から2
→1ダウンシフト点に達することで電子制御装置6から
変速指令が出力され、当初C−2油圧の解放とC−1油
圧の供給が開始される。この時点で、B−3油圧(PB
3)は、通常第2速の非駆動時油圧(PB3−2D)と
されている。やがてC−2油圧の解放が進行し、クラッ
チ(C−2)がスリップを開始すると、それにより変速
開始が判断され、B−3油圧(PB3)は、第1速の駆
動時油圧(PB3−1S)に切り換えられる。すると、
ブレーキ(B−3)ドラムは、それまでの係合状態から
解放され、第2速が達成されない状態となり、出力トル
ク(Tout)は0となる。そして、このトルク0の状
態は、タービン回転数(NT)が第1速達成時のタービ
ン回転数(NT1)と同期するまで継続する。この同期
によりブレーキ(B−3)ドラムの係合による第1速達
成状態となり、変速終了が判断されると、タイマ(T)
計測による第1速の駆動時油圧(PB3−1S)の昇圧
が開始され、第1速に見合った出力トルクに戻る。そし
て、B−3油圧(PB3)は、最終的に第1速の非駆動
時油圧(PB3−1D)に戻る。こうして、変速開始か
ら変速終了までの期間、出力トルク0の惰行状態が得ら
れるようになる。これにより2→1ダウンシフトの際の
減速感と、それによる変速フィーリングの悪化を防ぐこ
とができることとなる。
【0045】一方、比較のために本変速時制御を行なわ
ない場合の2→1ダウンシフトのタイムチャートを図1
4に示す。このように、ブレーキ(B−3)ドラムを変
速期間を通じて係合状態とする場合、クラッチ(C−
2)とクラッチ(C−1)のつかみ替え時に、B−3油
圧は第2速達成のための油圧から、変速開始と同時に、
第1速達成のためのより高い油圧に切り換えられるた
め、タービン回転数(NT)は、第2速同期状態(NT
2)から変速開始と同時に急速に第1速同期状態(NT
1)に移行しようとするため、ブレーキ(B−3)ドラ
ムがディエナージ側となる期間を通じて出力トルク(T
out)が負となり、大きな減速感が発生することにな
る。
【0046】最後に、本発明の制御に重要なダウンシフ
ト時の車速について説明する。図12は変速点マップを
示すもので、マップ上の2→1ダウン線は、次の点に考
慮し、設定されている。すなわち、2→1変速のクラッ
チのつかみ替えが終了したときに、タービン回転数(N
T)が、エンジン(E/G)のアイドリング回転数より
も大きくなるように設定されている。なぜなら、そのよ
うにしないと、変速中に、バンドブレーキ(B−3)が
ディエナージ方向のトルクを受けることにならないから
である。具体的な設定方法としては、図13にタイムチ
ャートで示す変速判断が発生してから、実際に油圧の操
作が開始される時間と、その後の油圧の操作によりクラ
ッチ(C−1)が係合するまでの時間との和、すなわち
変速に要する時間(変速時間)と、変速判断が生じた時
点の車速に第1速のギヤ比(G1)を乗じた見かけのタ
ービン回転数(NT1)が、車両の減速度に依存するタ
ービン回転数減速度に基づき、アイドル回転数に低下す
るまでの時間(低下時間)との関係が、変速時間<低下
時間となるように、変速判断の車速を設定すればよい。
【0047】以上、詳述したように、上記実施形態の制
御装置によれば、サンギヤS3を同じ係止力で係止しよ
うとした場合に、セルフエナージ方向よりもディエナー
ジ方向の方が大きな油圧が必要とされる。これを利用し
て、セルフエナージ方向を駆動時、ディエナージ方向を
非駆動時に設定することで、非駆動時にサンギヤS3の
係止に必要な非駆動時油圧よりも、駆動時にサンギヤS
3の係止に必要な駆動時油圧の方が低くなる領域を有す
るように設定している。したがって、油圧サーボ4に非
駆動時油圧よりも低く、駆動油圧に等しいか又はそれよ
り高い油圧を供給すると、定常走行状態では、バンドブ
レーキ(B−3)は、セルフエナージによってサンギヤ
S3を係止して第2速及び第1速が達成可能であり、そ
して、変速中は、バンドブレーキ(B−3)の係合はデ
ィエナージ方向に変わるので、サンギヤS3を係止する
ことができなくなり、第2速又は第1速を維持すること
ができず、エンジンブレーキが作用しなくなる。
【0048】更に、変速期間以外は非駆動時油圧と駆動
時油圧のうち大きい方の油圧を供給することで、確実に
ブレーキ(B−3)を係合状態に保持して、第2速達成
状態及び第2速達成状態によるエンジンブレーキ作用を
得ることができる。
【0049】以上、本発明を特定の変速機構を有する自
動変速機に適用した一実施形態に基づき詳説したが、本
発明は、ダウンシフト時につかみ替えされるブレーキを
有する、例えば先に従来技術とした挙げた変速機構の自
動変速機にも適用可能なものである。また、実施形態に
挙げた変速機構においも、例示した2→1ダウンシフト
のように、ブレーキ(B−3)が変速の前後で共に係合
状態とされるような変速に限らず、4→2、3→2、3
→1ダウンシフト等の変速時の、他の摩擦係合要素を解
放して、変速後にブレーキ(B−3)を係合させる変速
にも適用可能であり、その場合、B−3油圧は、当初0
の状態から前述のような所定の油圧に上げればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動変速機の制御装置の一実施形態を
一部ブロック化して示す回路図である。
【図2】本発明を適用したトランスファ装置構成の自動
変速機の機構を示すスケルトン図である。
【図3】上記自動変速機の作動図表である。
【図4】上記自動変速機のブレーキ係合力の特性図であ
る。
【図5】上記自動変速機の油圧サーボの油圧の第2速時
の特性図である。
【図6】上記自動変速機の油圧サーボの油圧の第1速時
の特性図である。
【図7】上記制御装置による制御処理を示すメインフロ
ーチャートである。
【図8】上記制御処理における変速時係合圧制御のサブ
ルーチを示すフローチャートである。
【図9】上記サブルーチにおける入力トルク算出に用い
られるエンジン出力トルクマップである。
【図10】上記サブルーチにおける入力トルク算出に用
いられるトルク比のマップである。
【図11】上記制御処理における定常時係合圧制御のサ
ブルーチを示すフローチャートである。
【図12】上記制御処理における変速点マップである。
【図13】上記自動変速機の2→1ダウンシフト時のタ
イムチャートである。
【図14】本発明の制御を行なわない自動変速機におい
て想定される2→1ダウンシフト時のタイムチャートで
ある。
【符号の説明】
T 自動変速機 M 変速機構 S3 サンギヤ(回転要素) B−3 バンドブレーキ C−1 第2のクラッチ C−2 第1のクラッチ 5 油圧制御装置(係合圧制御手段) 6 電子制御装置(判断手段) S−14 変速開始判断ステップ(検出手段)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低速段を達成するために係止される回転
    要素と、該回転要素を係止する油圧作動のブレーキとを
    備える自動変速機であって、前記ブレーキを作動させる
    油圧を制御する制御装置を備えるものにおいて、 前記ブレーキは、セルフエナージャイジング作用とディ
    エナージャイジング作用により係合力に差異を生じるバ
    ンドブレーキで構成され、 該バンドブレーキは、セルフエナージャイジング作用下
    での係合により車両の駆動時に前記回転要素を係止し、
    ディエナージャイジング作用下での係合により車両の非
    駆動時に前記回転要素を係止することで、非駆動時の係
    合油圧よりも、駆動時の係合油圧の方が低くなる領域を
    有する設定とされ、 前記制御装置は、前記低速段へのダウンシフト時に、前
    記バンドブレーキを作動させる油圧を、セルフエナージ
    ャイジング作用下で係合可能かつディエナージャイジン
    グ作用下で係合不能な油圧とする供給圧制御手段を有す
    ることを特徴とする、車両用自動変速機の制御装置。
  2. 【請求項2】 前記制御装置は、前記ダウンシフトの判
    断手段を有し、該判断手段がアクセル解放時のダウンシ
    フトを判断する車速は、少なくとも、その車速で前記低
    速段が形成された場合のタービン回転数がエンジンのア
    イドリング回転数より大きくなるような車速より大きく
    設定されている、請求項1記載の車両用自動変速機の制
    御装置。
  3. 【請求項3】 前記バンドブレーキを作動させる油圧
    は、前記バンドブレーキが係合し、前記低速段が形成さ
    れた後に、ディエナージャイジング作用下でも係合可能
    な油圧に昇圧される、請求項2記載の車両用自動変速機
    の制御装置。
  4. 【請求項4】 前記低速段が形成された後の油圧の昇圧
    は、所定の勾配で、徐々に行なわれる、請求項3記載の
    車両用自動変速機の制御装置。
  5. 【請求項5】 前記自動変速機は、変速前の変速段を前
    記バンドブレーキと第1のクラッチの係合により達成
    し、前記低速段を前記バンドブレーキと第2のクラッチ
    の係合により達成する変速機構を有し、 前記制御装置は、前記第1のクラッチの滑りを検出する
    検出手段を有し、 前記供給圧制御手段は、前記ダウンシフト時、前記バン
    ドブレーキを作動させる油圧を、前記第1のクラッチの
    滑りが検出されるまでは、セルフエナージャイジング作
    用下及びディエナージャイジング作用下の双方で係合可
    能な油圧とし、滑り検出後は、セルフエナージャイジン
    グ作用下で係合可能で、ディエナージャイジング作用下
    では係合不能な油圧とする、請求項1〜4のいずれか1
    項記載の車両用自動変速機の制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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