JPH1117282A - 半導体レーザ素子およびその製造方法 - Google Patents

半導体レーザ素子およびその製造方法

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JPH1117282A
JPH1117282A JP9167725A JP16772597A JPH1117282A JP H1117282 A JPH1117282 A JP H1117282A JP 9167725 A JP9167725 A JP 9167725A JP 16772597 A JP16772597 A JP 16772597A JP H1117282 A JPH1117282 A JP H1117282A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光ピックアップ等の光源として組み込まれた
場合に、光学系からの戻り光があってもトラッキングノ
イズを生じない半導体レーザ素子を製造工程を短縮して
歩留り良く得る。 【解決手段】 レーザ共振器の光出射側に、共振器方向
と垂直ではない光出射面を有する半導体部材4を形成し
て、レーザ光5を共振器方向と平行でない方向に出射さ
せる。基板1の光出射側の端面7は共振器方向と垂直な
ので、光学系からの戻り光6と垂直にならず、端面7で
の反射光が光学系に再び戻らない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、CD(コンパクト
ディスク)、MD(マイクロディスク)、DVD(デ
ジタル ビデオ ディスク)プレーヤーまたはコンピュ
ータの情報記憶装置等の光情報処理システム用の光源と
して使用される半導体レーザ素子およびその製造方法に
関し、特に光ピックアップ等の光学系に光源として組み
込まれて用いられる場合に好適な低雑音の半導体レーザ
素子およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、CD用やMD用の光ピックアップ
に用いられる半導体レーザ素子に対する需要は益々拡大
してきている。そして、特性のばらつきが少なく、信頼
性に優れた半導体レーザ素子が要求されている。また、
コンピュータの情報記憶装置CD−ROMやDVDの製
品化等、半導体レーザ素子に対する需要は今後もさらに
拡大していくものと見込まれる。このようなレーザ光に
よって光ディスクの記録または再生を行う光ピックアッ
プ等において、光源として半導体レーザ素子を組み込む
場合には、光学系からの半導体レーザ素子への戻り光に
よりノイズが発生して種々の問題が生じることが知られ
ている。すなわち、半導体レーザ素子においては、一般
に、へき開により形成された鏡面を光出射側の素子端面
に有するが、光学系からの戻り光がこの素子端面で反射
されて再び光学系に入る込むことにより、ノイズが発生
するのである。例えば、回析格子により3ビームを発生
させる構成の光ピックアップの場合、半導体レーザ素子
から出射したレーザ光の反射光は、光出射部の上下数十
μmの位置に戻ってくる。この戻り光が光出射側の素子
端面で反射されて光学系に再び戻ると、トラッキングノ
イズの原因となる。
【0003】このような問題を防ぐために、従来、以下
のような方法が用いられている。
【0004】第1の方法は、レーザ活性層の上部に10
μm〜70μm程度の膜厚の厚い層を形成し、レーザ発
光点をチップの中央付近に形成することにより、3ビー
ムのサイドビームが光出射側の素子端面に入射されない
構造とするものである(例えば、特許番号第25582
50号)。
【0005】第2の方法は、半導体レーザ素子自体の厚
みを薄くすることにより、3ビームのサイドビームが光
出射側の素子端面に入射されない構造とするものである
(例えば、特開昭61−24030号)。
【0006】第3の方法は、半導体レーザ素子において
サイドビームが戻ってくる位置の端面コート膜を充分反
射率の低いものにしたり、またはサイドビームが戻って
くる位置に反射率が低い物質や光吸収率の高い物質を塗
布したりすることにより、サイドビームが光出射側の素
子端面に入射しても反射されないようにするものである
(例えば、特開平6−204609号、特開平6−30
2004号)。
【0007】第4の方法は、半導体レーザ素子において
サイドビームが戻ってくる位置をダイシングまたはエッ
チング等の方法によって粗面化したり傾斜させたりする
ことにより、半導体レーザ素子に戻ったサイドビームが
再び光学系に戻らないようにするものである(例えば、
特開平6−196813号)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来の方法には、以下のような問題点があった。
【0009】第1の方法では、膜厚の厚い層を形成する
ために主として液相エピタキシャル成長(LPE)法が
用いられており、工程数が増加する。また、LPE法
は、成長温度を比較的高温にする必要があるため、半導
体レーザ素子の多層構造内で不純物の拡散が生じたりし
て、半導体レーザ素子特性を設計通りに作製するのが困
難であり、歩留りが低下するという問題があった。
【0010】第2の方法では、半導体レーザ素子の製造
工程においてウェハが肉薄になるので、ウェハの強度に
問題が生じて製造工程中に破損が生じ易く、また、作業
性も非常に悪くなる。
【0011】第3の方法では、サイドビームが戻ってく
る位置の端面コート膜のみを充分反射率の低いものにす
るために、光出射位置の端面コート膜とは異なるものを
形成する必要がある。また、異なる端面コート膜を形成
する場合でも、他の物質を塗布する場合でも、レーザバ
ーやレーザチップの状態にしてから工程を行う必要があ
るため、実際上、極めて煩雑、かつ、困難なものとな
る。
【0012】第4の方法では、基板自身をダイシングま
たはエッチングして数十μm以上の溝を形成する必要が
あるため、エッチングの制御性が問題となったり、ウェ
ハ自身の強度が弱くなったりするという問題があった。
【0013】本発明は、このような従来技術の問題点を
解決すべくなされたものであり、光ピックアップ等の光
源として組み込まれた場合に光学系からの戻り光があっ
てもノイズを生じない半導体レーザ素子およびその製造
方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体レーザ素
子は、光出射面を、その光出射面側の素子端面に対して
傾けてある半導体レーザ素子であって、レーザ共振器の
光出射側に、共振器方向と垂直ではない光出射面を有す
る半導体部材が設けられており、そのことにより上記目
的が達成される。
【0015】前記レーザ共振器と前記半導体部材との間
に、反射率調整層が設けられていてもよい。
【0016】前記反射率調整層が、AlGaAs層、ま
たはAlGaAs/GaAs多層膜からなっていてもよ
い。
【0017】本発明の半導体レーザ素子の製造方法は、
光出射面を、その光出射面側の素子端面に対して傾けて
ある半導体レーザ素子を製造する方法であって、レーザ
共振器の光出射側に化合物半導体層を形成する工程と、
該化合物半導体層に対して結晶面方位による選択的ウェ
ットエッチングを行うことにより、共振器方向と垂直で
はない光出射面を有する半導体部材を形成する工程とを
含み、そのことにより上記目的が達成される。
【0018】前記化合物半導体層として、GaAs層を
形成してもよい。
【0019】以下、本発明の作用について説明する。
【0020】本発明にあっては、レーザ共振器の光出射
側に、共振器方向と垂直ではない出射面を有する半導体
部材が設けられているため、光出射面と外部との屈折率
差によりレーザ光が共振器方向と平行ではない所定の角
度に屈折されて出射される。一方、へき開等により形成
される素子端面は共振器方向と垂直であるため、出射光
の方向と光出射側の素子端面とは垂直にならない。従っ
て、レーザ光が光学系からサイドビームとして戻ってき
ても、戻り光の方向と光出射側の素子端面とが垂直にな
らず、光出射側の素子端面で反射された光が再び光学系
に戻ることはない。
【0021】レーザ共振器と光出射面となる半導体部材
との間に、反射率調整層を設けて反射率を調整すること
により、半導体レーザ素子特性を設定することができ
る。例えば、AlGaAs系の半導体レーザ素子の場
合、反射率調整層としてAlGaAs層、またはAlG
aAs/GaAs多層膜等を用いることができる。
【0022】レーザ活性層の光出射側に化合物半導体層
を形成し、結晶面方位による選択的ウェットエッチング
を行うことにより、共振器方向と垂直ではない光出射面
を形成することができる。このような化合物半導体層と
しては、例えばGaAs層を用いることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施形態につい
て説明する。
【0024】図1は、本発明に係る半導体レーザ素子の
概略構造を示す断面図である。
【0025】この半導体レーザ素子は、基板1上に活性
層2を含むレーザ共振器が設けられ、その光出射側に反
射率調整層2を介して半導体部材4が設けられている。
半導体部材4の光出射面はレーザ共振器方向(図の左右
方向)に垂直ではなく、基板1の光出射側端面7はレー
ザ共振器方向と垂直になっている。
【0026】この半導体レーザ素子は、例えば、以下の
ようにして製造することができる。
【0027】まず、図2(a)に示すように、例えばG
aAsからなる基板1上にレーザ活性層2を含む複数の
半導体層を成長させ、次に、レーザストライプ8を形成
することによりレーザ構造を有するウェハを形成する。
【0028】次に、図2(b)に示すように、例えばド
ライエッチング等の方法により、エピタキシャル成長層
と垂直な方向にレーザ共振器を形成するための面10を
形成する。なお、この図2(b)、以下の図2(c)お
よび図2(d)においては、図2(a)の紙面に垂直な
方向における断面図を示す。
【0029】次に、図2(c)に示すように、このレー
ザ共振器を形成するための面10上に、例えばAlGa
As層、またはAlGaAs層/GaAs層の多層膜か
らなる反射率調整層3を形成する。このとき、AlGa
As層、または多層膜の各層の屈折率や層厚を所定の値
に設定することにより、反射率調整層3での光反射率を
所定の値に調整することができ、これにより半導体レー
ザ素子特性が所定の値となるように設計することができ
る。
【0030】続いて、図2(c)に示すように、反射率
調整層3のレーザ共振器とは反対側に、例えばGaAs
層からなる光出射面形成用の半導体層9を成長させる。
【0031】その後、図2(d)に示すように、所定の
開口率を有するレジストマスクを用いて、ウェットエッ
チング法によりレーザ共振器方向と垂直ではない光出射
面を有する半導体部材4を形成する。このとき、適切な
エッチャントを用いることにより、例えばGaAs層の
(111)面が形成されるようにエッチングすることが
可能である。このように結晶面方位による選択性を利用
したウェットエッチングを行うことにより、半導体部材
4の光出射面をレーザ共振器方向と垂直ではないように
することができる。
【0032】次に、通常のへき開によって基板1を分割
することによって図1に示した半導体レーザ素子が得ら
れる。
【0033】この半導体レーザ素子内で発振したレーザ
光は、レーザ共振器からレーザ共振器方向と平行に出射
するが、半導体部材4の光出射面がレーザ共振器方向と
垂直ではないため、光出射面を構成する半導体(例えば
GaAs)と外部(例えば空気)との屈折率差により、
外部に出射されるレーザ光5はレーザ共振器方向と平行
ではないある角度に屈折したものになる。ここで、基板
1の光出射側の端面7は共振器方向と垂直である。よっ
て、光学系から光出射側の端面7にサイドビーム6が戻
ってきたとしても、この戻り光と光出射側の端面7とが
垂直にはならないため、光出射側の側面7で反射された
光が光学系の方向に戻ることはなく、トラッキングノイ
ズは発生しない。
【0034】なお、半導体部材4の光出射面とレーザ共
振器方向とは、垂直でなければどのような角度をなして
いてもよく、半導体部材4の材料と外部との屈折率差に
よっても異なるが、例えば半導体部材4にGaAsを用
いる場合には、光出射面に垂直な方向とレーザ共振器方
向とのなす角度を0゜より大で16゜以下程度の範囲に
設定するのが好ましい。
【0035】以下、本発明の実施形態について、さらに
具体的に説明する。なお、以下の実施形態では、AlG
aAs系の半導体レーザ素子において、活性層のAl混
晶比を0.13〜0.14程度、クラッド層のAl混晶
比を0.45〜0.6程度に設定しているが、Al混晶
比は、両層共0以上で、かつ、クラッド層のAl混晶比
が活性層のAl混晶比よりも大きい範囲であれば、任意
に設定することができる。また、AlGaAs系以外の
半導体レーザ素子、例えばAlGaInP系や窒化物系
等の他の化合物半導体素子についても同様である。
【0036】図3(a)は、本実施形態の半導体レーザ
素子の製造工程を説明するための斜視図であり、図3
(b)は、図3(a)の紙面に垂直な方向における断面
図である。これらの図は、いずれも製造工程の途中を示
している。
【0037】この半導体レーザ素子は、図3(a)に示
すように、n型GaAs基板63上に、n型GaAsバ
ッファ層52、n型Al0.5Ga0.5As下クラッド層5
3、Al0.14Ga0.86As活性層54およびp型Al
0.5Ga0.5As上クラッド層55が設けられている。そ
の上にn型GaAs電流ブロック層56が設けられ、そ
の中央部に上クラッド層55にまで達するストライプ溝
57が設けられている。その電流ブロック層56の上お
よびストライプ溝57の上にわたって、p型Al0.5
0.5Asクラッド層58が設けられ、さらにその上に
p型GaAsコンタクト層59が設けられている。p型
コンタクト層59の上にはp型電極60が設けられ、n
型基板63側にはn型電極61が設けられている。ま
た、図3(b)に示すように、活性層54を含むレーザ
共振器の光出射側には、Al0.7Ga0.3As反射率調整
層64を間に介してGaAs半導体層65が設けられて
いる。半導体層65における光出射面65aはレーザ共
振器方向(図の左右方向)に垂直ではなく、基板63の
光出射側の側面はレーザ共振器方向と垂直になってい
る。なお、図3(a)において、62はレーザバーを示
す。
【0038】この半導体レーザ素子は、以下のようにし
て製造することができる。
【0039】まず、図3(a)に示すように、n型Ga
As基板63上に、有機金属化学的気相成長法(MOC
VD法)により、厚み2μmのSeドープn型GaAs
バッファ層52、厚み1μmのSeドープn型Al0.5
Ga0.5As下クラッド層53、厚み0.06μmのA
0.14Ga0.86As活性層54、厚み0.24μmのZ
nドープおよびp型Al0.5Ga0.5As上クラッド層5
5および厚み0.6μmのSeドープn型GaAs電流
ブロック層56を順次成長させる。本実施形態では、G
aAs基板63として(100)面であって〈110〉
方向に30゜オフさせた基板を用いた。
【0040】次に、図3(a)に示すように、電流ブロ
ック層56を貫通するように上部の幅が4μmのストラ
イプ溝57を形成する。
【0041】続いて、図3(a)に示すように、MOC
VD法により、ストライプ溝57外の厚みが1μmのp
型Al0.5Ga0.5Asクラッド層58および厚み5μm
のZnドープp型GaAsコンタクト層59を順次成長
させる。
【0042】その後、図3(b)に示すように、開口部
幅が50μmで開口部間距離が150μmのSiO2
スク67を形成し、ドライエッチングによりストライプ
溝57と垂直な方向に、活性層54を含む共振器を形成
するための面を形成する。本実施形態では、塩素(Cl
2)ガスを用いたRIBE(Reactive Ion
Beam Etching)法により、全体で12μ
mの厚みのエピタキシャル成長層およびGaAs基板を
エッチングした。
【0043】次に、図3(b)に示すように、上記ドラ
イエッチングで形成した垂直面上、ドライエッチングで
形成した溝上およびSiO2マスク67上にわたって、
MOCVD法によりAl0.7Ga0.3As反射率調整層6
4およびGaAs層65を成長させた。このとき、屈折
率3.14であるAl0.7Ga0.3As反射率調整層64
の厚みは125nmとし、約780nmのレーザ発振光
波長に対して光反射率の値が30%になるように設定し
た。また、GaAs層65の厚みは、垂直面上で約25
μmとして、ドライエッチングにより形成した溝がほぼ
埋まるようにした。
【0044】続いて、開口部幅が10μmのレジストマ
スク66を形成し、ウェットエッチングによりGaAs
層65を形成する。ここで、NH4OHとH22との混
合液を用いたウェットエッチングを行うと、選択的にG
aAsの(111)面が形成される。本実施形態では、
〈110〉方向に30゜オフしたGaAs基板63を用
いているので、図3(b)に点線で示すように、GaA
s基板面に対して84.7゜傾斜した面65aと、Ga
As基板面に対して24.7゜傾斜した面65bが形成
される。
【0045】その後、SiO2マスク67上に形成され
た不要な反射率調整層64およびGaAs層65をリフ
トオフによって除去する。
【0046】次に、Au−ZnやAu−Geを用いてp
型コンタクト層59の上にp型電極60を形成し、n型
基板63側にはn型電極61を形成する。
【0047】続いて、2つにエッチングされたGaAs
層65の中央部を間隔200μm毎にへき開することに
より、150μmの共振器長を有する半導体レーザ素子
を複数含むバー状ウェハを得る。
【0048】その後、このレーザバーを個々のチップに
分割してステムに実装することにより本実施形態の半導
体レーザ素子が完成する。
【0049】このようにして得られた本実施形態の半導
体レーザ素子においては、GaAs基板面に84.7゜
傾斜した(111)GaAs面65aを光出射面として
使用する。素子内で発振したレーザ光は、このGaAs
面65aの垂直方向から5.3゜傾いてGaAs面65
aに入射する。ここで、屈折率がn1の層と屈折率がn
2の層の間では、入射角θ1と出射角θ2との間に以下
の関係がある。
【0050】n1×sinθ1=n2×sinθ2 この式において、GaAsの屈折率n1=3.62、空
気の屈折率n2=1、θ1=5.3゜とすると、θ2=
19.5゜が得られる。つまり、外部に対して出射され
るレーザ光は、共振器方向に対して19.5゜−5.3
゜=14.2゜傾斜して出射されることになる。
【0051】この半導体レーザ素子を、従来の半導体レ
ーザ素子と同様の3ビーム光学系を有する光読み取り装
置において、読み取り用光源として用いると、トラッキ
ングエラーの問題が生じなかった。また、従来の半導体
レーザ素子の製造方法に比べて製造上の歩留りを1.3
倍に向上させることができ、工程時間も大幅に短縮する
ことができた。
【0052】
【発明の効果】以上に詳述したように、本発明の半導体
レーザ素子によれば、光ピックアップ等の光源として組
み込まれた場合に、光学系からの戻り光があっても、光
出射側の素子端面で反射された光が光学系に再び戻ら
ず、トラッキングノイズが生じない。
【0053】また、本発明の半導体レーザ素子の製造方
法によれば、従来の第1の方法のようにLPE法を用い
ないため、工程を短縮することができると共に良好な特
性の半導体レーザ素子を歩留り良く製造することができ
る。また、従来の第2および第4の方法のように薄くな
ったり、強度が弱くなったりしたウェハに対して行う工
程がなく、また、第3の方法のようにバー状ウェハやチ
ップに対して行う工程がないため、工程を大幅に短縮す
ることができると共に、ウェハやバーの破損が減少して
歩留りを向上させることができる。
【0054】これにより、CD、MD、DVD用のピッ
クアップやコンピュータ用情報記憶装置等に用いられる
高性能で低雑音の半導体レーザ素子を安価に供給するこ
とが可能となり、これらの製品の普及を一段と拡大する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る半導体レーザ素子の概略構造を示
す断面図である。
【図2】(a)は本発明に係る半導体レーザ素子の製造
方法を説明するための断面図であり、(b)、(c)お
よび(d)は(a)の紙面に垂直な方向における断面図
である。
【図3】(a)は実施形態の半導体レーザ素子の製造方
法を説明するための断面図であり、(b)は(a)の紙
面に垂直な方向における断面図である。
【符号の説明】
1 基板 2 レーザ活性層 3 反射率調整層 4 光出射面を有する半導体部材 5 出射光 6 光学系から戻るサイドビーム 7 基板の光出射側の端面 8 ストライプ溝 9 光出射面形成用の半導体層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光出射面を、その光出射面側の素子端面
    に対して傾けてある半導体レーザ素子であって、 レーザ共振器の光出射側に、共振器方向と垂直ではない
    光出射面を有する半導体部材が設けられている半導体レ
    ーザ素子。
  2. 【請求項2】 前記レーザ共振器と前記半導体部材との
    間に、反射率調整層が設けられている請求項1に記載の
    半導体レーザ素子。
  3. 【請求項3】 前記反射率調整層が、AlGaAs層、
    またはAlGaAs/GaAs多層膜からなる請求項2
    に記載の半導体レーザ素子。
  4. 【請求項4】 光出射面を、その光出射面側の素子端面
    に対して傾けてある半導体レーザ素子を製造する方法で
    あって、 レーザ共振器の光出射側に化合物半導体層を形成する工
    程と、 該化合物半導体層に対して結晶面方位による選択的ウェ
    ットエッチングを行うことにより、共振器方向と垂直で
    はない光出射面を有する半導体部材を形成する工程とを
    含む半導体レーザ素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記化合物半導体層として、GaAs層
    を形成する請求項4に記載の半導体レーザ素子の製造方
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6678298B2 (en) 2000-05-19 2004-01-13 Sharp Kabushiki Kaisha Semiconductor laser chip and optical pickup using the same
JP2010146616A (ja) * 2008-12-17 2010-07-01 Hitachi Media Electoronics Co Ltd 光ピックアップ

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US6678298B2 (en) 2000-05-19 2004-01-13 Sharp Kabushiki Kaisha Semiconductor laser chip and optical pickup using the same
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