JPH11135873A - 半導体レーザ素子及びその製造方法 - Google Patents

半導体レーザ素子及びその製造方法

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JPH11135873A
JPH11135873A JP29464797A JP29464797A JPH11135873A JP H11135873 A JPH11135873 A JP H11135873A JP 29464797 A JP29464797 A JP 29464797A JP 29464797 A JP29464797 A JP 29464797A JP H11135873 A JPH11135873 A JP H11135873A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ディスクからの戻り光によるトラッキングエ
ラーを回避でき、良好な素子特性及び高信頼性を享受で
き、かつ生産性を向上できる半導体レーザ素子及びその
製造方法を提供する。 【解決手段】 第1導電型クラッド層13と第2導電型
クラッド層15との間に活性層14が形成され、表面に
キャップ層18が形成されたレーザウェハのキャップ層
18上に単結晶からなる第2のウェハ19を熱処理によ
り接着し、その後劈開分割により個々のレーザチップに
分割して、活性層14をレーザチップの厚さのほぼ中央
の位置とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスクの光源
として用いられる半導体レーザ素子及びその製造方法に
関し、特にディスクからの戻り光によるトラッキングエ
ラーを回避できる半導体レーザ素子及びその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】CD(コンパクトディスク)、MD(ミ
ニディスク)等の光ディスクは近年急速に普及してい
る。光ディスクの場合、ピックアップとディスクが非接
触であるため、信号ピットの位置を検出しレーザビーム
光を信号ピットに沿って移動させなければならない。こ
の方式として現在広く用いられているのが、光源を主ビ
ームと1次回折光に分離した3ビームのトラッキングサ
ーボ方式である。
【0003】ところが、この3ビーム方式の場合、図4
に示すように、分離した1次回折光がディスク43から
反射されてきた後、対物レンズ44を介してハーフミラ
ー45に入射する。ハーフミラー45に入射した光は反
射され光の進行方向が直角に曲げられて、回折格子46
を介してレーザチップ出射端面47にも戻り光49とな
って戻ってくる。この戻り光49が更にレーザチップ出
射端面47に反射してノイズ光を発生するため、信号検
出に悪影響を及ぼしていた。
【0004】こうした問題を回避するには、戻り光がチ
ップ出射端面に当たらないようにするか、もしくは当た
っても反射しないようにすれば良い。
【0005】そこで、従来より行われているディスクか
らの戻り光によるトラッキングエラーを回避する3つの
回避方法について、以下に説明する。
【0006】図5は第1の回避方法を示す。この方法は
レーザチップ端面の反射膜を、レーザ光出射部分に対し
戻り光49が当たる部分を低反射膜50として、戻り光
49が反射するのを防止して光検出部に反射されるノイ
ズ光を低減している。
【0007】図6は第2の回避方法を示す。この方法は
レーザチップ端面の戻り光49が当たる部分をダイシン
グ面を利用するなどの方法を用いて粗面51にすること
で、戻り光49を散乱させ、これにより光検出部に反射
されるノイズ光を低減している。
【0008】図7は第3の回避方法を示す。この方法
は、レーザウェハの厚さを薄くして、戻り光49がレー
ザチップ端面に当たらないようにして、反射によるノイ
ズ光が発生しないようにしている。
【0009】ところで、第3の回避方法による場合は、
光学系にもよるが、戻り光がチップ端面に当たる位置は
一般に出射領域から上下に約60μm程離れた位置であ
る。従って、レーザウェハの厚さの条件としては、図7
(b)に示したように、発光領域から上側の厚さをL
p、発光領域より下側の厚さをLnとした場合に、Lp
≦60μm,Ln≦60μmとすればよい。
【0010】ところが、レーザウェハの厚さが70μm
以下の場合には、ウェハの割れや欠けが発生し易く、ウ
ェハエ程作業上支障となるため、Lp+Ln≧70μm
である必要がある。
【0011】従って、レーザウェハの厚さは、70μm
≦Lp+Ln≦120μmとなり、且つ、Lp及びLn
の範囲は、10μm≦Lp≦60μm、10μm≦Ln
≦60μmとなる。
【0012】上述のような厚さの成膜には、液相成長法
(LPE法)、有機金属気相成長法(MOCVD法)又
は電子ビーム蒸着法(MBE法)が用いられている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上記第3の回避方法に
よる場合のレーザウェハの層構造を考えた場合、図7
(b)に示す厚さLpのレーザウェハと厚さLnのレー
ザウェハは、一方がN−GaAs基板であり、他方が成
長したP−GaAsキャップ層である。
【0014】P−GaAsキャップ層をLPE法で成長
させる場合、成長温度は約800℃と高く、発光領域周
辺のドーパント不純物が拡散し、特性悪化の要因とな
る。また、数nmの薄膜を積層した量子井戸構造では、
上記のような高温に晒されると、不純物拡散と共に母材
原子の移動(マイグレーション)が起こり、量子井戸構
造が崩れてしまうといった問題が生じる。こういった点
から、LPE法は高性能の半導体レーザ素子を再現性良
く作製するには適していない。
【0015】また、P−GaAsキャップ層をMOCV
D法で成長させる場合、成長温度は550℃〜700℃
であるため、発光領域付近のドーパント拡散の抑制が可
能である。しかしながら、GaAsキャップ層を数十μ
m成長させるには、本来成長速度が遅いために長い成長
時間を要するといった問題が生じる。更には、トリメチ
ルガリウム(TMG)やアルシンガス(AsH3)など
の材料を多量に使用するために、レーザチップのコスト
アップにつながるといった問題も生じる。
【0016】本発明は、こうした従来技術の課題を解決
するものであり、ディスクからの戻り光によるトラッキ
ングエラーを回避でき、良好な素子特性及び高信頼性を
享受でき、かつ生産性を向上できる半導体レーザ素子及
びその製造方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体レーザ素
子は、第1導電型クラッド層と第2導電型クラッド層と
の間に活性層が形成され、表面にキャップ層が形成され
たレーザウェハの該キャップ層上に単結晶からなる第2
のウェハを熱処理により接着し、その後劈開分割により
個々のレーザチップに分割された半導体レーザ素子であ
って、該活性層が該レーザチップの厚さのほぼ中央に位
置してなり、そのことにより上記目的が達成される。
【0018】好ましくは、前記レーザウェハの厚さに相
当する該レーザチップの厚さをLp、前記第2のウェハ
の厚さに相当する該レーザチップの厚さをLnとした場
合に、下記(1)式の条件 70μm≦Lp+Ln≦120μm、10μm≦Lp≦60μm、10μm≦ Ln≦60μm・・・・(1) を満たす構成とする。
【0019】また、本発明の半導体レーザ素子の製造方
法は、前記レーザウェハの成長表面と前記第2のウェハ
の鏡面とを劈開方向を合わせた状態で接触させ、水素雰
囲気中で熱処理することにより接着する接着工程を包含
してなり、そのことにより上記目的が達成される。
【0020】また、本発明の半導体レーザ素子の製造方
法は、前記レーザウェハを位置決めする凹部を上面に形
成した保持部材の該凹部に、該レーザウェハの成長表面
と前記第2のウェハの鏡面とを劈開方向を合わせて接触
させた状態で位置決めして載置し、所定の加重を加えた
状態で水素雰囲気中で熱処理することにより接着する接
着工程を包含してなり、そのことにより上記目的が達成
される。
【0021】好ましくは、前記接着工程の前に、前記レ
ーザウェハの成長表面と前記第2のウェハの鏡面とを硫
酸系のエッチング液で前処理する工程を設ける。
【0022】以下に、本発明の作用について説明する。
【0023】上記構成によれば、レーザウェハのキャッ
プ層上に単結晶からなる第2のウェハを熱処理により接
着するので、成長による不純物拡散に起因する特性悪化
がなくなる。また、レーザウェハと第2のウェハが接着
されて構成されるレーザチップの厚さのほぼ中央に活性
層を配置するので、戻り光がレーザチップ端面に当たら
ないようになり、反射によるノイズ光が発生しないの
で、ディスクからの戻り光によるトラッキングエラーが
回避される。
【0024】特に、上記レーザウェハの厚さに相当する
レーザチップの厚さ及び上記第2のウェハの厚さに相当
するレーザチップの厚さを上記の条件式(1)を満たす
構成とすると、戻り光がレーザチップ端面に確実に当た
らないようになり、反射によるノイズ光が発生しないの
で、戻り光によるトラッキングエラーをより一層確実に
回避することが可能となる。
【0025】また、上記の製造方法によれば、レーザウ
ェハのキャップ層上に単結晶からなる第2のウェハを劈
開方向を合わせた状態で接触させ熱処理により接着する
方法をとるので、成長時間が不要となり、加えて成長に
よる不純物拡散に起因する特性悪化もなくなる。このた
め、素子特性の良好な半導体レーザ素子を高い信頼性と
高い生産性をもって製造することが可能となる。
【0026】また、レーザウェハを位置決めする凹部を
上面に形成した保持部材を用いる方法による場合には、
この凹部にレーザウェハの成長表面と前記第2のウェハ
の鏡面とが劈開方向を合わせ接触させた状態で位置決め
して載置され、さらに所定の加重を加えた状態で熱処理
するので、位置ずれもなく接着が一層確実なものとな
る。
【0027】さらに、上記の製造方法において、レーザ
ウェハの成長表面と単結晶からなる第2のウェハの鏡面
とを硫酸系のエッチング液で前処理すると、ウェハ表面
にOH基が吸着され、ウェハを接触させた時にそれらが
水素結合を起こし密着するため、両ウェハの熱処理によ
る接着がより一層確実なものとなる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面に基づいて具体的に説明する。
【0029】図1は、本発明の半導体レーザ素子の断面
構造を示す。
【0030】この半導体レーザ素子は、N−GaAs基
板11の上に、層厚0.5μmのN−GaAsバッファ
層12、層厚1.0μmのN−Al0.5Ga0.5Asクラ
ッド層13、層厚0.08μmのAl0.14Ga0.86As
活性層14、層厚0.35μmのP−Al0.5Ga0.5
sクラッド層15、層厚0.6μmのN−GaAs電流
狭窄層16、層厚1.0μmのP−Al0.5Ga0.5As
クラッド層17及び層厚0.5μmのP−GaAsキャ
ップ層18を順次積層し、その上にP−GaAs層19
を接着した構造を有する。
【0031】そして、活性層14を中央として全体の層
厚が約100μmになるように、即ち、発光領域より上
側の層厚が約50μm、発光領域より下側の層厚が約5
0μmとなるようにして、上下両面にそれぞれ電極2
3、24を形成した構造を有する。
【0032】図2は、本発明の半導体レーザ素子の作製
プロセスを示す。
【0033】図2(a)に示すように、N−GaAs基
板11の上にMOCVD法を用いて、層厚0.5μmの
N−GaAsバッファ層12、層厚1.0μmのN−A
0.5Ga0.5Asクラッド層13、層厚0.08μmA
0.14Ga0.86As活性層14、層厚0.35μmのP
−Al0.5Ga0.5Asクラッド層15及び層厚0.6μ
mのN−GaAs電流狭窄層16を順次成長させる。そ
の時の成長条件は、成長温度が700℃、成長速度が
0.05μm/min、V族モル比/III族モル比が6
0である。
【0034】次に、MOCVD装置から上記積層体を取
り出し、図2(b)に示すように、この積層体の表面に
フォトレジスト21を塗布した後、フォトリソグラフィ
ーを行う。
【0035】次に、エッチャントを用いてN−GaAs
電流狭窄層16をエッチングする。このエッチャントと
しては、NH4OH:H22:H2O=1:30:50の
ように、GaAsに比べAlGaAsへのエッチング速
度が極めて小さいものを用いる。この場合のエッチング
条件は、例えば、10℃、30秒である。
【0036】このエッチングにより、図2(c)に示す
ように、溝22がN−GaAs電流狭窄層16を分断す
るように、P−Al0.5Ga0.5Asクラッド層15の直
上に達するまで形成される。その後、アセトン、メタノ
ール及び純水による洗浄等の公知のレジスト除去方法に
よりフォトレジスト21を除去する。
【0037】次に、MOCVD装置に上記積層体をセッ
トし、図2(d)に示すように、MOCVD法を用い
て、その上面に層厚1.0μmのP−Al0.5Ga0.5
sクラッド層17、層厚0.5μmのP−GaAsキャ
ップ層18を順次成長させる。その時の成長条件は、成
長温度が650℃、クラッド層17及びキャップ層18
の成長速度が0.05μm/min、V族モル比/III
族モル比が60である。
【0038】次に、上記積層体のGaAsキャップ層の
表面を、硫酸系のエッチャントでエッチングし、水洗、
乾燥を行う。エッチャントは、H2SO4:H22:H2
O=1:8:50のようにGaAsに対して比較的エッ
チング速度の遅いエッチャントを用い、エッチング条件
を10℃、10秒とした。
【0039】図3は、本発明の半導体レーザ素子の熱処
理方法を示す。
【0040】図3(a)に示すように、保持部材である
カーボン製のボート34には、上記積層体であるレーザ
ウェハ33を位置決めする凹部36が上面に形成されて
おり、この凹部36に乾燥されたレーザウェハ33を成
長面の鏡面を上にして位置決めしてセットし、その上に
P型のGaAs単結晶のウェハ32を、その鏡面を下に
して両ウェハの鏡面同士を密着させる。この際、両ウェ
ハの劈開方向を合わせておく。更に、その上に30g/
cm2のカーボン製等の重し31を載せ、所定の加重を
加える。ここで、上記ウェハ32は、Znドープされキ
ャリア濃度が5×1018cm-3〜1×1019cm-3、転
位密度が10000cm-2であるP型のGaAs単結晶
を、前述のエッチング方法と同じようにエッチングをし
て作製したものである。
【0041】次に、図3(b)に示すように、カーボン
製のボート34とカーボン製等の重し31で挟まれた両
ウェハを、600℃、流量1L(リットル)/minの
水素雰囲気の石英チューブ35内で、1時間の熱処理を
行った。両ウェハはこの熱処理によって接着される。
【0042】ここで、両ウェハの熱処理による接着のメ
カニズムについて説明する。
【0043】上記のように、両ウェハを硫酸系のエッチ
ャントで前処理することにより、表面にOH基が吸着さ
れ、基板を接触させた時にそれらが水素結合を起こし密
着する。このため、両ウェハは室温でも接着強度は弱い
ながらも接着する。その後の熱処理で脱水縮合により結
合強度が強くなると共に、高温の水素により界面に残留
している酸化物が還元されたり、Gaの表面マイグレー
ションが起きて原子の再配列が起きるなどして、接着界
面が形成されているものと考えられる。
【0044】次に、この接着された両ウェハを、活性層
を厚さ方向の中央として全体の厚さが100μmになる
ように研磨、もしくはエッチングを行った後、両面に電
極を形成する。
【0045】電極が形成されたウェハを所定の共振器長
に劈開分割し、劈開面に所定の反射率を有する絶縁膜を
形成した後、所定のサイズにチップ分割する。
【0046】上記工程によって作製されたチップをレー
ザステムにボンディングし、チップ上面にAu線をボン
ディングする。
【0047】このチップは、発光領域より上側の層厚が
約50μm、発光領域より下側の層厚が50μmとな
る。よって、トラッキングサーボ用の1次回折光がディ
スクから反射して戻ってきた戻り光が、チップ出射端面
に当たることなく外れた位置となり、反射によるノイズ
光が発生しないため、トラッキングエラーは回避され
る。
【0048】熱処理によって接着された2枚のウェハ
は、研磨やウェハの劈開分割等の作業に支障はなく、ウ
ェハ処理工程に十分耐え得る接着強度のあることが確認
された。また、電気特性においても、従来方法のキャッ
プ層を成長させた素子と比べても、何ら差のないことが
確認された。
【0049】尚、上記の実施形態では、GaAsを材料
とした半導体レーザ素子について説明したが、本発明は
これに限られるものではなく、例えば、InPを材料と
して用いても良い。
【0050】また、熱処理により両ウェハを接着する条
件も、上記の条件に限られるものではなく、水素雰囲気
で、活性層近傍の成長温度以下、2時間以内とすれば良
く、熱処理時の加重も200g/cm2程度とすれば良
いことが確認された。
【0051】
【発明の効果】上記本発明の半導体レーザ素子によれ
ば、レーザウェハのキャップ層上に単結晶からなる第2
のウェハを熱処理により接着するので、成長による不純
物拡散に起因する特性悪化をなくすことができ、良好な
素子特性及び高信頼性を達成できる。また、チップ分割
して作製されたレーザチップの厚さのほぼ中央に活性層
を配置するので、戻り光がレーザチップ端面に当たらな
いようになり、反射によるノイズ光が発生しないので、
ディスクからの戻り光によるトラッキングエラーを回避
することができる。しかも、この半導体レーザ素子の製
造方法は、レーザウェハのキャップ層上に単結晶からな
る第2のウェハを熱処理により接着する方法をとるの
で、成長時間が不要となり、生産性も向上できる。
【0052】また、特に、請求項2記載の半導体レーザ
素子によれば、上記レーザウェハの厚さに相当するレー
ザチップの厚さ及び上記第2のウェハの厚さに相当する
レーザチップの厚さを上記の条件式(1)を満たす構成
とするので、戻り光がレーザチップ端面に確実に当たら
ないようになり、反射によるノイズ光が発生しないの
で、戻り光によるトラッキングエラーをより一層確実に
回避することが可能となる。
【0053】また、特に、請求項3記載の半導体レーザ
素子の製造方法によれば、レーザウェハのキャップ層上
に単結晶からなる第2のウェハを劈開方向を合わせた状
態で接触させ熱処理により接着する方法をとるので、成
長時間が不要となり、加えて成長による不純物拡散に起
因する特性悪化もなくすことができる。このため、特性
の良好な半導体レーザ素子を高い信頼性と高い生産性を
もって製造することが可能となる。
【0054】また、特に、請求項4記載の半導体レーザ
素子の製造方法によれば、レーザウェハを位置決めする
凹部を上面に形成した保持部材を用いるので、この凹部
にレーザウェハの成長表面と前記第2のウェハの鏡面と
を劈開方向を合わせ接触させた状態で位置決めして載置
でき、さらに所定の加重を加えた状態で熱処理するの
で、位置ずれもなく接着を一層確実なものとすることが
できる。
【0055】また、特に、請求項5記載の半導体レーザ
素子の製造方法によれば、接着工程の前に、レーザウェ
ハの成長表面と単結晶からなる第2のウェハの鏡面とを
硫酸系のエッチング液で前処理するので、ウェハ表面に
OH基が吸着され、ウェハを接触させた時にそれらが水
素結合を起こし密着するため、両ウェハの熱処理による
接着をより一層確実なものとすることができる。
【0056】加えて、レーザウェハに接着される第2の
ウェハについては、表面の平坦性やキャリア濃度を重視
することが必要ではあるが、転位密度10000cm-2
程度のものでも特性や信頼性に悪影響がなかったことか
ら、低価格のGaAsウェハを使用することが可能とな
る。従って、従来のようにレーザの特性を悪化させた
り、大幅なコストアップをすることなく、良好な素子特
性と高信頼性を持った低価格のレーザチップを作製する
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体レーザ素子の断面構造を示す図
である。
【図2】本発明の半導体レーザ素子の作製プロセスを示
す図である。
【図3】本発明の半導体レーザ素子の熱処理方法を示す
図である。
【図4】従来の半導体レーザ素子における戻り光の影響
を示す図である。
【図5】従来の半導体レーザ素子における戻り光による
トラッキングエラーを回避する第1の回避方法を示す図
である。
【図6】従来の半導体レーザ素子における戻り光による
トラッキングエラーを回避する第2の回避方法を示す図
である。
【図7】半導体レーザ素子における戻り光によるトラッ
キングエラーを回避する第3の回避方法を示す図であ
る。
【符号の説明】
11 N−GaAs基板 12 N−GaAsバッファ層 13 N−Al0.5Ga0.5Asクラッド層 14 Al0.14Ga0.86As活性層 15 P−Al0.5Ga0.5Asクラッド層 16 N−GaAs電流狭窄層 17 P−Al0.5Ga0.5Asクラッド層 18 P−GaAsキャップ層 19 P−GaAs層(第2のウェハ) 21 フォトレジスト 22 チャネル溝 23、24 電極 31 カーボン製等の重し 32 P−GaAsウェハ 33 レーザウェハ 34 保持部材(カーボン製のボート) 35 石英チューブ 41 レーザチップ 42 ステム 43 光ディスク 44 対物レンズ 45 ハーフミラー 46 回折格子 47 レーザチップ出射端面 48 発光領域 49 ディスクから反射して戻ってきた1次回折光

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1導電型クラッド層と第2導電型クラ
    ッド層との間に活性層が形成され、表面にキャップ層が
    形成されたレーザウェハの該キャップ層上に単結晶から
    なる第2のウェハを熱処理により接着し、その後劈開分
    割により個々のレーザチップに分割された半導体レーザ
    素子であって、 該活性層が該レーザチップの厚さのほぼ中央に位置する
    半導体レーザ素子。
  2. 【請求項2】 前記レーザウェハの厚さに相当する該レ
    ーザチップの厚さをLp、前記第2のウェハの厚さに相
    当する該レーザチップの厚さをLnとした場合に、下記
    (1)式の条件を満たす 70μm≦Lp+Ln≦120μm、10μm≦Lp≦60μm、10μm≦ Ln≦60μm・・・・(1) 請求項1記載の半導体レーザ素子。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の半導体レー
    ザ素子の製造方法であって、 前記レーザウェハの成長表面と前記第2のウェハの鏡面
    とを劈開方向を合わせた状態で接触させ、水素雰囲気中
    で熱処理することにより接着する接着工程を包含する半
    導体レーザ素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1又は請求項2記載の半導体レー
    ザ素子の製造方法であって、 前記レーザウェハを位置決めする凹部を上面に形成した
    保持部材の該凹部に、該レーザウェハの成長表面と前記
    第2のウェハの鏡面とを劈開方向を合わせて接触させた
    状態で位置決めして載置し、所定の加重を加えた状態で
    水素雰囲気中で熱処理することにより接着する接着工程
    を包含する半導体レーザ素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記接着工程の前に、前記レーザウェハ
    の成長表面と前記第2のウェハの鏡面とを硫酸系のエッ
    チング液で前処理する工程を包含する請求項3又は請求
    項4記載の半導体レーザ素子の製造方法。
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