JPH11172518A - ノズルの製造方法 - Google Patents

ノズルの製造方法

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JPH11172518A
JPH11172518A JP36182397A JP36182397A JPH11172518A JP H11172518 A JPH11172518 A JP H11172518A JP 36182397 A JP36182397 A JP 36182397A JP 36182397 A JP36182397 A JP 36182397A JP H11172518 A JPH11172518 A JP H11172518A
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JP
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brazing
nozzle
active metal
nozzle piece
brazing material
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JP36182397A
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English (en)
Inventor
Takashi Ebisawa
孝 海老沢
Yasuo Endo
保夫 遠藤
Hitoshi Takahashi
仁 高橋
Katsuyuki Araki
克之 荒木
Hidekatsu Kawamura
英克 河村
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Japan Steel Works Ltd
Original Assignee
Japan Steel Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐摩耗性に優れたノズルを効率よく、かつ
安価に製造する。 【解決手段】 ノズル本体1の貫通孔2内にノズルピ
ース4を配置し、貫通孔内壁とノズルピース外壁との間
隙にろう6を充填させて接合する際に、予めろう付前に
ノズルピース4の外壁面の全部又は一部に活性金属被覆
5を施しておくとともに、ろう付け時に活性金属7を添
付したろう材6を用いる。 【効果】 活性金属を合金化したろう材を用いること
なく、ノズルピースとノズル本体とを良好に接合でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、合成繊維の紡糸等
に使用されるノズルの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】合成繊維の紡糸に用いられるノズルで
は、高温の繊維原料を高圧力で吐出するため、摩耗しや
すく耐久性が課題となっている。従来、この問題を解決
する方法として、ステンレス等のノズル本体に貫通孔を
形成し、この貫通孔に耐摩耗性に優れたセラミックス製
の筒状ノズルピースを配置して、ノズル本体とノズルピ
ースとをろう付により接合して一体化する方法が実用化
されている。ところで、ノズルピースを構成するセラミ
ックス等は、化学的に安定しているうえにろうのぬれ性
が悪くろう付性が良好でないため、上記ろう付に際して
は、Ti等の活性金属を2%程度含有させたろう材を使
用することによってろう付を可能にしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、活性金属を含
有させて合金化するろう材の製造は容易ではなく、ろう
材自体も高価であるため、ノズルの製造コストが増して
しまうという問題がある。そこで、本発明者らは先に、
ノズルピースの外壁面に活性金属の薄膜を成膜すること
によって合金化されたろう材の使用を不要とする方法を
提案している(特願平8−78199号)。しかし、本
発明者らのその後の研究によれば、上記方法ではろうの
流れが十分に得られず、ろう接部に引けや孔(ポア)が
できることがあり、接合が不均一になり易いことが判明
した。
【0004】また、活性金属を合金化したろう材の使用
を不要とするために、活性金属を粉末や箔、線材等の形
態でろう材に加えて使用する方法が考えられる。この方
法によれば、ろうのぬれ性や流動性は大幅に改善され
る。しかし、この方法では、接合部の形状が単純なもの
に限定されるという制約があり、また適切量の活性金属
を供給しても、ろう付け箇所によっては不足が生じ、接
合界面では添加したTiとセラミックスの反応層が不均
一にかつ部分的にできて、接合強度やろうの流れる領域
が不均一になるという問題がある。なお、活性金属の不
足を防ぐためにその添加量を多めにすることも考えられ
るが、活性金属が多いとろうが流れすぎるという問題が
あり、これを避けるためにろう付部の隙間を小さくする
と接合が不均一になってしまう。このため、従来は、合
金化したろう材以外では、ろう付性に何らかの悪影響が
生じることが避けられないと考えられている。本発明
は、上記事情を背景としてなされたものであり、活性化
金属を合金化したろう材を使用しなくても良好にノズル
ピースとノズル本体とのろう付を行うことができるノズ
ルの製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記事情を背景
としてなされたものであり、第1の発明は、ノズル本体
の貫通孔内に筒状のノズルピースを配置し、前記貫通孔
とノズルピースとの隙間にろうを充填させてノズル本体
とノズルピースとをろう付け接合するノズルの製造方法
において、予めろう付け前にノズルピースの外壁面の全
部または一部にに活性金属被覆を施しておくとともに、
ろう付け時に活性金属を添付したろう材を用いることを
特徴とする。
【0006】第2の発明のノズルの製造方法は、第1の
発明において、活性金属被覆の厚さを0.1〜20μm
にすることを特徴とする。第3の発明のノズルの製造方
法は、第1または第2の発明において、ろう材に添付す
る活性金属粉末の添付量が、重量比で、0.1〜5%の
範囲内であることを特徴とする。
【0007】本発明の製造方法は、多数のノズルを形成
する必要のある紡糸ノズルの製造に好適であるが、適用
対象となるノズルの種別が特に限定されるものではな
く、その他用途のノズル、例えば、押出機等のノズルの
製造に適用することも可能である。また、本発明の製造
方法に供されるノズル本体やノズルピースには各種材料
を使用することができ、それぞれ要求される特性に基づ
いて適宜材料が選択される。例えば、ノズル本体には加
工が容易なステンレス鋼等の金属材料を使用し、ノズル
ピースには耐摩耗性に優れたセラミックス、サーメット
や超硬合金等を使用することができる。このノズルピー
スには、それぞれの目的に合わせて気体や液体を噴出す
る吐出口を形成する。
【0008】ノズル本体に形成される貫通孔は、通常は
断面円形状、楕円形状、多角形状等に形成されるが、本
発明としては断面を含めて特に形状が特定されるもので
はなく、ノズルピースの形状に関連させて適宜定められ
る。一方、ノズルピースは貫通孔への挿入、配置を容易
に行えるように、通常は筒状に形成されるが具体的な形
状は特に限定されない。ただし、貫通孔との間で適度な
間隙が形成されるように、貫通孔形状と関連させて形状
を定める。
【0009】上記ノズルピースの外壁面のうち、貫通孔
との間で間隙を形成するろう付面には、活性金属被覆を
施す。この活性金属被覆は、ろう付時に溶融してノズル
ピースに強固に固着するとともにろう材とも結合してノ
ズルピースとノズル本体とを良好にろう付させる。この
作用を得る活性材料としてTi、Zr、Be等が挙げら
れる。この活性金属被覆は、ノズル本体の貫通孔との間
で間隙を形成するノズルピースの外壁面の全部に施すこ
とは勿論のこと、この外壁面の一部にのみ施すものであ
ってもよい。
【0010】ノズルピースとノズル本体とは、ノズルに
よっては必ずしもその隙間の全部をろうで充填すること
が必要になるわけではなく、例えば、端部のみをろうで
充填接合したものであってもよい。したがって接合した
い部分のみに活性金属被覆を施すことが可能である。こ
の場合に活性金属被覆の周辺は、ノズルピースの外壁面
が露出しているためろうの濡れ性が悪くろうも容易に結
合しないため、活性金属被覆部分で優先的にろうが濡れ
て接合し、所望の部分が確実かつ良好に接合されること
になり、接合部での漏れの発生を確実に防止することが
できる。また、この方法(一部被覆)では、ろう材を活
性金属部分またはこの周辺を含めて配置すれば足りるの
でろう材の使用量を大幅に減らすことができる。なお、
上記活性金属被膜の厚さは、0.1〜20μmとするの
が望ましい。これは、0.1μm未満の厚さでは、活性
金属による上記作用が十分に得られず、一方、20μm
を超えると、ノズルピースと活性金属被膜との界面が弱
くなり、成膜時やろう付時に被膜の剥離が生じやすくな
るためである。
【0011】また、上記活性金属被覆の形成に際しては
ノズルピースと活性金属被覆との間に所望により中間金
属被覆を形成することができる。これら活性金属被覆や
中間金属被覆の形成方法は特に限定されるものではな
く、例えば、蒸着やスパッタなどの方法によって形成す
ることができる。中間金属皮膜は、ろう付中にノズルピ
ースから拡散する酸素が活性金属と結合して活性金属と
ろう材との融合が妨げられるのを防止するために形成す
る。したがって、ノズルピース中から活性金属被覆へ酸
素が拡散移動するのを有効に防止できる材質でなければ
ならない。また、この中間金属被覆は、ろう付時に部分
的に、または全部が溶融してろう材と良好に結合するも
のでなければならない。
【0012】次に、前記間隙の充填に使用されるろう材
には、活性金属を添付したものが使用される。ろう材自
身には、ノズル本体とノズルピースとのろう付に適した
材料が適宜選定される。ただし、従来のように活性金属
を含有する特殊なろう材は不要であり、銀ろうや銅ろう
のような一般のろう材を使用することができる。また、
上記ろう材の供給方法も特に限定されるものではなく、
外部よりろう材を供給して溶融ろうを上記間隙に流し込
んだり、予めろう材を間隙に配置したり、間隙付近にろ
う材を置きろうとして配置したりして、これを加熱する
ことによって間隙に溶融ろうを充填したりすることがで
きる。間隙に配置するろう材としては薄肉の筒状ろう材
や薄板のリング板状ろう材を積層したもの、または、線
材をリング状に加工したものを用いることができる。ま
た、複数のろう材片を筒状やリング状に配置したもので
あってもよい。
【0013】また上記ろう材としては、ノズルピースと
ノズル本体との間の間隙に充填されて両者を強固に接合
するのに十分な量のものを用いる。さらに、間隙端部か
らのろうの漏出等を考慮してろう材を上記充填量に見合
う量よりも増量することによってノズルピースと貫通孔
との間に隙間が残存するのを防止することができる。ま
た、上記したようにノズルピースの外壁面の一部にのみ
活性金属被覆を形成する場合にも、活性金属被覆の面積
に見合うよりも多めのろう材を使用することにより、所
望の箇所が確実に接合され、所望の接合強度が得られる
とともにろう付部での漏れ等を防ぐことができる。
【0014】また、上記ろう材に添付される活性金属に
は、ノズルピースの被膜形成に使用したのと同様に、T
i、Zr、Be等が挙げられる。この活性金属の添付方
法としては、粉末や箔、線材、板材等の形態で行うこと
ができる。これらは、ろう材とは別体のものとして独自
にろう付部に配置したり、ろう材とほぼ同位置に配置す
ることができ、また、ろう材と積層したり、ろう材に被
覆したり、ろう材に固着させたり、ろう材粉末と混合し
たりしてろう材と一体になって配置することもできる。
特に、固体のろう材に粉末の活性金属を固定することに
より添付すれば、ろう材と同一位置に活性金属を容易に
配置することができ、両者の固定も容易である。上記活
性金属粉末の固定方法としては、例えば、ろう材に粉末
を押し付けることによって圧着させたり、ろう付加熱時
に蒸散可能な接着剤を活性金属粉末と混合してろう材に
付着させたり、活性金属粉末を蒸散可能な溶剤と混合し
てろう材に付着させたりする方法が挙げられる。
【0015】この活性金属の添付量としては、ろう材と
活性金属との合計量において、重量比で、0.1〜5%
とするのが望ましい。これは0.1%未満ではろうのぬ
れ性や流動性の改善効果が十分に得られず、一方、5%
を超えると、ろうが流れすぎてしまい良好なろう付けが
困難になり、また活性金属とノズルピースとの反応量が
多くなってノズルピースの強度が弱くなってしまうため
である。
【0016】上記各材料を用いたろう付は、大気下の他
に所望の雰囲気下(例えば真空雰囲気下)で行うことも
可能である。ろう付では、所定温度・所定時間の加熱を
行う。この加熱温度および加熱時間は、ろう材の種別や
ノズル本体およびノズルピースの材質、雰囲気等によっ
て適宜定められる。上記ろう付において各材料が所定の
ろう付温度に加熱されると、ろう材および活性金属は溶
融し、貫通孔とノズルピースとの間の間隙の全部または
一部を充填する。その際に、ノズルピースには予め活性
金属被膜が施されているので、必要な箇所で不足するこ
となく均一に活性金属が作用する。また、これととも
に、ろう材には活性金属が添付されているので、ろう材
も適度な流動性が得られ、隙間にろうが良好に湯流れす
る。その後は、温度が下がることによって溶融ろうが凝
固し、ノズル本体とノズルピースとが良好に接合され
る。
【0017】
【発明の実施の形態】(実施形態1)以下、本発明の一
実施形態を図1、2に基づき説明する。紡糸ノズル本体
1はSUS630ステンレス鋼で構成されており、多数
の円筒状の貫通孔が形成されている。なお、図1、2で
は1つの貫通孔2のみが示されているが、各貫通孔は同
一形状を有しており、またノズルピースのろう付作業も
同様に適用されるので、以下の説明はこの貫通孔2に対
してのみ行う。
【0018】貫通孔2は、その一端部(図示上端部)に
軸方向に対して外側に膨出する段部2aが全周に亘って
形成されており、さらに他端部(図示下端部)には、内
側に突出する段部2bが全周に亘って形成されている。
一方、ノズルピース4はジルコニアで構成されてお
り、円筒状の側面に上記段部2a、2bに沿うようにそ
れぞれ両端部に段部4a、4bが全周に亘って設けられ
ている。該ノズルピース4は、貫通孔2に配置した際
に、貫通孔2の壁面と所定の間隙が生ずる寸法に形成さ
れている。このノズルピース4の外周面(外壁面)の全
面には、スパッタ法によってTiからなる活性金属被覆
5が形成されている。なお、スパッタ法の条件の一例を
示せば以下の通りである。なお、活性金属被覆の形成が
この形成条件や形成方法に限定されないことは勿論であ
る。 スパッタ成膜条件 到達真空度 :5×10-7Torr以下 スパッタガス :アルゴン スパッタガス圧力:5×10-2Torr スパッタ出力 :300W
【0019】また、前記貫通孔2とノズルピース4との
間隙に相当するように、筒形のろう材6が形成されてお
り、該ろう材6は、活性化金属を含まない銀ろうからな
る。また、このろう材6の壁面には、できるだけ均一に
なるように、Tiからなる活性金属粉末7が所定量圧着
されている。この圧着に際しては、成形されたろう材6
の表面に活性金属粉末7を付着させ、プレスで押すこと
によって圧着を行う。
【0020】ろう付に際しては、図1に示すように、貫
通孔2内に上記のようにして活性金属7を圧着(添付)
したろう材6を挿入し、さらにノズルピース4を挿入す
る。このように配置した紡糸ノズル本体1とノズルピー
ス4とを排気装置を備えた真空加熱炉(図示しない)に
装入し、1×10-5Torrの真空中で、850℃、1
0分間の加熱を行ってろう付する。上記昇温中には、ろ
う材6および活性金属被覆5,活性金属粉末7は徐々に
溶融して、貫通孔2とノズルピース4との間隙を均一に
充填し、これらの凝固によりノズルピース4とノズル本
体1とは、図2に示すように、凝固したろう60によっ
て対向面全面に亘って強固にろう付接合される。
【0021】(実施形態2)次に他の実施形態を図3、
4に基づき説明する。この実施形態では、ノズル本体1
1およびノズルピース14が用いられ、ノズル本体11
には、上記とほぼ同形状の貫通孔12が形成されてお
り、貫通孔12には、段部12a、12bが形成されて
いる。該段部12a、段部12bから孔端に達する面に
対応してノズルピース14の外壁の段部14a、14b
に前記実施形態1と同様の成膜条件で活性金属被覆15
a、15bが全周に亘って形成されている。また、ろう
材16a、16bは、上記実施形態と同材質でリング状
に形成されている。これらろう材16a、16bには、
上記と同材質の活性金属粉末17a、17bが付着され
ている。これら粉末の付着は、粉末に溶剤としてアルコ
ールを1:1(重量比)の比率で加え、これをろう材1
6a、16bに塗布することによって行う。なお、粉末
の塗布量(添付量)は、ろう材16a、ろう材16bに
おいて、それぞれ活性金属粉末の添加量が適量となるよ
うに調整されている。このようにろう材全体だけでな
く、局部的に配置されるろう材においてもそれぞれ活性
金属の添加量を適正範囲に調整するのが望ましい。これ
らろう材16a、16bは、段部12aとノズルピース
14の段部14aとの隙間と、段部12bとノズルピー
ス14の段部14bとの隙間に配置される。すなわち、
ろう材16aと16bは置きろうとして用いられ、ろう
材16a、16bおよびノズルピース14を貫通孔12
に配置した状態では、ノズルピース14はノズル本体1
1底面と同一面になった状態にあり、これらノズル本体
11とノズルピース14とは、図示しない平坦なベース
板上に置かれる。
【0022】次いで、ノズル本体11とノズルピース1
4とを実施形態1と同様に真空下で加熱してろう付を行
う。これによりろう材16aは、ノズルピース14と貫
通孔12との隙間に流れ込んで活性金属被覆15a面に
沿って流れ込むとともに、ろう材16bは、その溶融に
伴ってノズルピース14の自重またはこれに加重した押
圧力によって活性金属被覆15b面に沿って円滑に流
れ、ノズルピース14は徐々にろう付位置へと下降す
る。上記ろう付け時のろうの流れを示すと、図4に示す
ように、ろう160aは活性金属被覆面に従って所望の
領域に均一に流れている。得られたノズルは、図5に示
すようにノズル本体11とノズルピース14とが、凝固
したろう160a、160bによって金属被覆面に沿っ
て良好に接合されており、接合された3個のノズルピー
スの接合強度の測定結果では、2005kg/cm2
1992kg/cm2、1997kg/cm2の結果が得
られ、接合強度のばらつきが少ないことが判明してい
る。
【0023】
【実施例】以下に、上記実施形態2の方法に基づいた実
施例を説明するが、各実施例では、評価のために、貫通
孔12の段部12aとノズルピース14の段部14a間
の隙間にのみろう付を行うものとした。 (実施例1)上記実施形態2で示した方法において、ノ
ズルピースと貫通孔との間隙量を0.05mm、ろう材
へのTi粉末の添加量をろう材とTi粉末との合計量に
対する重量%で5%とし、活性金属被覆厚を0.05、
0.1μm、5μm、20μm、25μmに変えて、上
記実施形態2と同条件でろう付を実施した。また、従来
例として活性金属被覆をしないままで、上記と同様にろ
う付を実施した。この結果、Tiの膜厚を0.1μm、
5μm、20μmとしたものでは、実施形態2と同様に
ろうが均一に流れており、活性金属入りろう材を使用し
なくてもノズルピースが良好にろう付された。一方、活
性金属被覆をしないでろう付を行ったものでは、図6に
示すようにろう160aの流れが不均一になり、接合強
度のバラツキも大きかった。また、図7に示すように接
合界面のTi粉末を添付した部分の近くにTiとノズル
ピースの厚い反応層150aができてしまい、ろうの流
れや分布に大きく影響していることがわかった。また、
膜厚を0.05μmとしたものでも、Tiを成膜しない
ものと同様の傾向が見られた。さらに、膜厚を25μm
としたものでは、ろう材は均一に流れたものの、Ti膜
とノズルピースとの界面で剥離現象が見られた。これら
の結果より、ノズルピースに形成する活性金属被覆は、
0.1〜20μmの膜厚が望ましいことが判明した。
【0024】(実施例2)上記実施形態2で示した方法
において、ノズルピースと貫通孔との間隙量を0.05
mm、ノズルピースへの活性金属被覆厚を5μmとし、
ろう材へのTi粉末添加量(ろう材とTi粉末の合計量
に対する重量%)を0.1%、5%、6%に変えて、前
記と同条件でろう付を行った。また、従来例として活性
金属をろう材に全く添付しないで、上記と同様にろう付
を実施した。この結果、ろう材へのTi粉末の添加量を
0.1%、5%としたものでは、実施形態2と同様に良
好なろう付結果が得られた。一方、Ti粉末を添加しな
いものでは、図8のようにろう160aの流れが不均一
で不十分となり、接合強度のバラツキも大きかった。ま
た、Ti粉末の添加量を6%にしたものでは、ろうの流
れが良くなりすぎ、図9に示すようにろう160aが貫
通孔の下部から流れ出してしまったり、流れの良い部分
が優先的に流れてしまい、均一な接合ができなかった。
また、ノズルピース自体の3点曲げ強度も大幅に低下し
た。これらの結果より、ろう材に添付する活性金属量
は、0.1〜5%が望ましいことが判明した。
【0025】(実施例3)上記実施形態2で示した方法
において、ノズルピースへの活性金属被覆厚を5μm、
ろう材へのTi粉末の添加量を5%とし、貫通孔とノズ
ルピースとの間の隙間幅を0.2、0.1、0.05m
mに変えて実施形態2と同条件でろう付を行った。その
結果、隙間幅の如何に拘わらずいずれも実施形態2と同
様の良好なろう付結果が得られた。
【0026】なお、比較のため、ろう材にTi粉末を添
加しなかったものと、ノズルピースにTi被覆を施さな
かったものとについても、上記のように隙間幅を変えて
ろう付けを行った。その結果、ろう材にTi粉末を添加
しなかったものでは、隙間幅0.05mmの場合、図1
0の(1)に示すように、毛細管流動によりろう160
aの流れはよいものの、一部に流れの悪い部分があるこ
とが多く、ろう付が不安定であった。一方、間隙幅0.
1mm,0.2mmの場合は、図10(2)(3)に示
すように、ろう160aの表面張力により所望の領域の
途中にまでしかろうが流れなかった。また、ノズルピー
スにTi被覆を施さないものでは、隙間幅0.05mm
の場合、ろうの流れが不均一になり、隙間幅0.1、
0.2mmの場合は、ろう材にTi粉末を添付しないも
のと同様に所望の領域の途中にまでしかろうが流れなか
った。上記により、本発明方法のみが、ろう付部の隙間
の大小に拘わらず良好にろう付できることが判明した。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のノズルの
製造方法によれば、予めろう付け前にノズルピースの外
壁面の全部または一部に活性金属被覆を施しておくとと
もに、ろう付け時に活性金属を添付したろう材を用いる
ので、高価な活性金属入りろう材を用いることなく、ろ
う付する隙間にろうを均一に流動させて、ノズルピース
を均一かつ強固にろう付することができる。
【0028】また、活性金属被覆の厚さを0.1〜20
μmにすることにより、被覆の剥離を招くことなく、ろ
うの流れを確実に均一にして均一な接合を可能とする。
さらに、ろう材に添付する活性金属粉末の添付量を、
0.1〜5%の範囲内にすることにより、ろうに適度な
流動性を与えてろうの流れを確実に均一にすることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態の組み込み状態を示す分
解図である。
【図2】 同じくろう付後の断面図である。
【図3】 同じく他の実施形態におけるろう付前の断面
図である。
【図4】 同じくろう付後のノズルピースを示す正面図
である。
【図5】 同じくろう付後の断面図である。
【図6】 同じく一実施例におけるろうの流れ状態を示
すノズルピースの正面図である。
【図7】 図6のVII部拡大図である。
【図8】 同じく他の実施例におけるろうの流れ状態を
示すノズルピースの正面図である。
【図9】 同じくさらに他の実施例におけるろうの流れ
状態を示すノズルピースの正面図である。
【図10】 同じくさらに他の実施例におけるろうの流
れ状態を示すノズルピースの正面図である。
【符号の説明】
1 ノズル本体 2 貫通孔 4 ノズルピース 5 活性金属被覆 6 ろう材 7 活性金属粉末 11 ノズル本体 12 貫通孔 14 ノズルピース 15a 活性金属被覆 15b 活性金属被覆 16a ろう材 16b ろう材 17a 活性金属被覆 17b 活性金属被覆
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C04B 37/02 C04B 37/02 B (72)発明者 荒木 克之 千葉県四街道市鷹の台1丁目3番 株式会 社日本製鋼所内 (72)発明者 河村 英克 千葉県四街道市鷹の台1丁目3番 株式会 社日本製鋼所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノズル本体の貫通孔内に筒状のノズルピ
    ースを配置し、前記貫通孔とノズルピースとの隙間にろ
    うを充填させてノズル本体とノズルピースとをろう付接
    合するノズルの製造方法において、予めろう付け前にノ
    ズルピースの外壁面の全部または一部に活性金属被覆を
    施しておくとともに、ろう付け時に活性金属を添付した
    ろう材を用いることを特徴とするノズルの製造方法
  2. 【請求項2】 活性金属被覆の厚さを0.1〜20μm
    にすることを特徴とする請求項1記載のノズルの製造方
  3. 【請求項3】 ろう材に添付する活性金属粉末の添付量
    が、重量比で、0.1〜5%の範囲内であることを特徴
    とする請求項1または2に記載のノズルの製造方法
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2001020064A1 (en) * 1999-08-19 2001-03-22 Jeong Sik Kim Spinning nozzle, spinning nipple incorporating the spinning nozzle therein, and method for manufacturing both the same
JP2011115849A (ja) * 2009-08-17 2011-06-16 Suguro Tekko:Kk 薄肉有底円筒金属部材およびその製造方法
WO2017105042A1 (ko) * 2015-12-17 2017-06-22 오씨아이 주식회사 내마모성이 우수한 고온 고압용 원료분사 노즐

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