JPH11172437A - 薄膜の製造方法およびその製造装置 - Google Patents

薄膜の製造方法およびその製造装置

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JPH11172437A
JPH11172437A JP36275797A JP36275797A JPH11172437A JP H11172437 A JPH11172437 A JP H11172437A JP 36275797 A JP36275797 A JP 36275797A JP 36275797 A JP36275797 A JP 36275797A JP H11172437 A JPH11172437 A JP H11172437A
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vaporized
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Yutaka Takeshima
島 裕 竹
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 原料を安定して気化させることができ、気化
しなかった原料の影響を抑えることができるとともに、
原料の種類が増えても製造装置の再編成をする必要がな
い薄膜の製造方法およびその製造装置を得る。 【解決手段】 MOCVD法による薄膜の製造装置10
は原料タンク12を含み、ここに全ての原料を同一の溶
媒に溶解した溶液を入れる。原料溶液を電磁ポンプ18
で気化器22に送り、気化して原料ガスを得る。MFC
24から供給されるArガスで、原料ガスを成膜チャン
バ30に送る。真空ポンプ38で成膜チャンバ30内を
減圧し、成膜温度に設定した上で、基板に原料ガスとM
FC32から供給されるO2 ガスとを接触させる。気化
器22の下方に、気化しなかった原料溶液を回収するた
めのドレイン回収器46を設置する。原料溶液を気化す
るために気化器22の二次側を加熱するが、ドレイン回
収器46は加熱しない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は薄膜の製造方法お
よびその製造装置に関し、特にたとえば、MOCVD法
によって基板上に誘電体薄膜を形成するための薄膜の製
造方法およびその製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子部品の分野においては、回路
の高密度化に伴い、電子デバイスの一層の小型化および
高性能化が望まれている。そのため、電子部品に用いら
れる誘電体材料などの薄膜化が望まれている。このよう
な材料を薄膜化する一つの方法として、たとえばCVD
法がある。CVD法は、PVD法、ゾルゲル法、その他
の成膜法に比べて成膜速度が大きく、多層薄膜の製造が
容易であるなどの特徴を有している。MOCVD法は、
有機物を含む化合物を原料として用いるCVD法であ
り、安全性が高く、膜中のハロゲン化物の混入がないな
どの利点を有する。
【0003】MOCVD法に用いられる原料は、一般的
に固体粉末あるいは液体であり、これらの原料を容器に
入れ、一般的に減圧中で加熱して原料を気化させ、キャ
リアガスによって成膜チャンバ内に送り込んでいる。こ
のとき、固体粉末の原料については、加熱した状態でキ
ャリアガスを吹き付けて気化させているが、原料が高温
に保持されているため、凝集が起こり、また、原料の表
面性状が変化するため、気化量が変化しやすい。さら
に、液体原料の場合には、一般的に、原料中にキャリア
ガスを通してバブリングにより気化させているが、液体
原料については高温に保持されているため、経時変化を
起こし、気化量が変化しやすい。このように、原料の気
化量が変化すると、薄膜組成の再現性が悪化し、特に薄
膜積層体を作製する場合には大きな問題となる。
【0004】そこで、図2に示すように、原料を溶媒に
溶解して溶液とし、その溶液を気化して成膜チャンバ内
に送り込む製造装置が提案された。この製造装置1は、
原料を溶解した溶液を貯留するための貯留タンク2a,
2b,2cを含む。これらのタンク2a〜2cから、液
体マスフローコントローラ3a,3b,3cによって、
一定流量で各溶液が気化器4に送り込まれる。さらに、
気化器4には、マスフローコントローラ5によって、一
定流量でキャリアガスとして用いられるArガスが送り
込まれる。気化器4の後の点線で示した部分は加熱さ
れ、ここで各溶液が加熱されて気化し、得られた原料ガ
スがArガスによって成膜チャンバ6に送り込まれる。
成膜チャンバ6内は、真空ポンプ7で減圧されるととも
に、成膜温度に加熱されている。この状態で、成膜チャ
ンバ6内の基板に原料ガスが吹きつけられ、同時にマス
フローコントローラ8によって、一定流量で酸化ガスと
して用いられるO2 が成膜チャンバ6内に導入される。
それにより、原料ガスが熱分解および燃焼反応を起こ
し、基板上に薄膜が形成される。
【0005】この製造装置1を用いて、たとえば(B
a,Sr)TiO3 系の薄膜を形成する場合、β−ジケ
トン錯体であるDPM系の原料をテトラヒドロフラン
(THF)に溶解して、溶液がつくられる。ここで、D
PMとは、ジピバロイルメタンC11192 (2,2,
6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン)の略
である。そして、これらの溶液が気化器4に送られ、原
料ガスとして成膜チャンバ6に送り込まれる。このよう
な方法では、原料溶液が液体の状態で気化器4に送ら
れ、気化器4で原料の溶液が気化されるため、貯留タン
ク2a,2b,2cは加熱されない。そのため、貯留タ
ンク2a〜2cでは、加熱による原料の劣化を防ぐこと
ができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、溶媒と
して用いられるTHFは、常温でも沸点が65℃と低い
ため、気化器付近まで到達した原料溶液のうち、THF
のみが気化してしまう恐れがある。気化器に到達するま
でにTHFのみが気化すると、まだその気化温度に達し
ていないDPM系の原料が配管内に付着し、さらには配
管を閉塞させる原因となる。また、気化器内に到達した
原料溶液の全てを気化させることは困難であり、残留物
が気化器内に堆積する。このような現象は、各原料の気
化温度の差が大きい場合に著しい。気化器内に堆積した
残留物は、気化器内の状態を変化させ、気化量の経時変
化の原因となる。
【0007】さらに、添加剤などを付加する場合のよう
に、原料系を増やす場合、貯留タンクや配管などの増設
が必要であり、装置を再編成しなければならない。ま
た、高価である液体マスフローコントローラを使用する
場合、多元系になると原料供給系のコストが非常に高く
なる。
【0008】それゆえに、この発明の主たる目的は、原
料を安定して気化させることができ、気化しなかった原
料の影響を抑えることができるとともに、原料の種類が
増えても製造装置の再編成をする必要がない薄膜の製造
方法を提供することであり、さらに、そのような方法を
採用することができる薄膜の製造装置を提供することで
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、複合酸化物
を構成する金属元素を含む化合物を原料としてMOCV
D法によって複合酸化物の薄膜を製造するための薄膜の
製造方法であって、全ての原料を同一の溶媒に溶解して
1つの溶液をつくり、溶液を気化して基板上に供給する
ことにより基板上に蒸着によって薄膜を形成する、薄膜
の製造方法である。このような薄膜の製造方法におい
て、金属元素を含む化合物としてβ−ジケトン錯体を使
用し、溶媒として120℃以上の沸点を有するエーテル
類を使用することが好ましく、特に、溶媒として150
℃以上の沸点を有するエーテル類を用いることが望まし
い。また、溶液を気化する際に、気化しなかった溶液が
回収されることが望ましい。さらに、この発明は、複合
酸化物を構成する金属元素を含む化合物を溶媒に溶解し
た1つの溶液を貯留するための貯留槽と、貯留槽から溶
液を移送するための移送手段と、移送手段によって移送
された溶液を気化するための気化器と、気化器によって
気化した溶液を基板に接触させて基板に薄膜を形成する
ための成膜チャンバと、気化器の下方において気化しな
かった溶液を回収するための非加熱のドレイン回収器と
を含む、薄膜の製造装置である。
【0010】全ての原料を1つの溶媒に溶解することに
より、原料の種類に関係なく、1つの溶液を気化させる
ことにより原料ガスが得られる。そのため、原料の種類
が増えても、製造装置の原料供給系を再編成する必要が
ない。また、金属を含む化合物として、β−ジケトン錯
体を用いることにより、気化特性を良好にすることがで
き、全ての原料を同一の溶媒に溶解したときに、原料が
相互反応を起こすことを防ぐことができる。
【0011】さらに、1つの溶液を気化させる際に、気
化器で初めて気化することが好ましく、気化器より前に
高温になる部分があっても、その部分で溶媒のみが気化
しないようにする必要がある。そのため、溶媒の沸点
は、なるべく高いほうが好ましい。このような条件を満
たす溶媒として、少なくとも120℃以上の沸点を有す
る溶媒を用いることが好ましく、特に、150℃以上の
沸点を有する溶媒であれば、溶媒のみの気化を有効に防
止することができる。さらに、溶液を気化する際に、気
化しなかった溶液を回収することにより、原料の堆積を
防止することができる。
【0012】このような方法で薄膜を形成するための製
造装置としては、原料を溶解した溶液を貯留するための
1つの貯留槽があればよく、気化器の下方にドレイン回
収器を形成することにより、気化しなかった原料溶液が
気化器から回収される。このとき、ドレイン回収器を非
加熱とすることにより、回収された原料溶液の気化を防
ぎ、成膜チャンバに導かれる原料ガスの成分を一定に保
つことができる。
【0013】この発明の上述の目的,その他の目的,特
徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳
細な説明から一層明らかとなろう。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は、この発明の薄膜の製造装
置の一例を示す図解図である。製造装置10は、原料溶
液の貯留槽として、1つの原料タンク12を含む。原料
タンク12には、金属を含む化合物のβ−ジケトン錯体
であるDPM系の原料を、120℃以上の沸点を有する
エーテル系の溶媒に溶解した原料溶液が貯留される。原
料タンク12には、バルブ14を介して、Arガスを供
給するための配管が連結される。また、原料タンク12
内には、原料溶液を送りだすための配管が挿入され、バ
ルブ16を介して、電磁ポンプ18に接続される。原料
を送りだすための配管は、原料溶液の内部に浸漬するよ
うに挿入される。さらに、原料タンク12の外部におい
て、バルブ14とバルブ16との間に、バイパス用のバ
ルブ20が取り付けられる。
【0015】電磁ポンプ18の吐出側は、気化器22の
一次側に連結される。気化器22としては、たとえば流
量調節バルブが用いられる。さらに、この気化器22の
一次側には、マスフローコントローラ(MFC)24を
介して、キャリアガスとしてのArガスが一定流量で供
給される。MFC24は、Arガスの流量を調節するた
めのものである。また、気化器22の一次側には、圧力
計26が取り付けられる。
【0016】気化器22の二次側は、バルブ28を介し
て、成膜チャンバ30に連結される。さらに、成膜チャ
ンバ30には、別のMFC32を介して、酸化ガスとし
て用いられるO2 ガスが一定流量で導入される。そし
て、バルブ28とMFC32とは、成膜チャンバ30内
のガスノズル34に連結される。さらに、成膜チャンバ
30は、バルブ36を介して、真空ポンプ38に連結さ
れる。また、気化器22とバルブ28との中間部分が、
バルブ40を介して、真空ポンプ38に連結される。さ
らに、成膜チャンバ30には、その内部の圧力を測定す
るための圧力計42が取り付けられる。
【0017】さらに、気化器22の下方には、バルブ4
4を介して、ドレインタンクなどのようなドレイン回収
器46が設置される。図1の点線で示す気化器22と成
膜チャンバ30との間の部分は、原料溶液を気化させる
ために加熱されている。なお、ドレイン回収器46は加
熱されない。
【0018】この製造装置10では、原料を溶媒に溶解
した原料溶液が、原料タンク12に貯留される。なお、
原料溶液の交換などの際には、バルブ14,16を閉じ
た状態で、バルブ14,16ごと原料タンク12が取り
外される。そして、取り外された原料タンク12は、A
rなどの不活性ガスで置換されたグローブボックス内に
入れられ、そこで原料溶液の交換が行われる。そして、
原料タンク12が製造装置10に取り付けられるが、β
−ジケトン錯体の中には、水分を嫌うものが多いため、
配管中に空気が残存しないように、バイパス用のバルブ
20を開き、配管中の空気がArで置換される。
【0019】製造装置10を作動するときには、バイパ
ス用のバルブ20が閉じられ、2つのバルブ14,16
は開いた状態で、バルブ14側からArガスなどの不活
性ガスが、原料タンク12内に送り込まれる。それによ
って、原料タンク12内が一定圧力に保たれるととも
に、原料溶液が空気にさらされないようにして、空気中
の水分が原料溶液に接触しないようにしている。そし
て、電磁ポンプ18によって、原料溶液が液体の状態で
気化器22に供給され、原料溶液が送り出された分だけ
Arが原料タンク12に供給される。
【0020】気化器22の二次側では、まず、バルブ4
0を開いて、真空ポンプ38によって配管中の空気が除
去される。そして、バルブ40が閉じられ、バルブ36
を開いて、真空ポンプ38により成膜チャンバ30内の
空気が除去される。そして、成膜チャンバ30内の基板
に薄膜を形成するために、気化器22で原料溶液を気化
して原料ガスがつくられる。このとき、気化器22を調
整することにより、気化器22の一次側の圧力が一定と
なるように調整される。この調整は、圧力計26によっ
て確認される。
【0021】気化器22の二次側は減圧され、気化器2
2から成膜チャンバ30までの間が加熱されるため、原
料溶液が気化し、原料ガスがつくられる。この原料ガス
は、ガスノズル34から成膜チャンバ30内に導入さ
れ、成膜チャンバ30内の基板に接触させられる。この
とき、MFC32から酸化ガスが送り込まれ、原料ガス
とともにガスノズル34から噴出させられる。基板上に
薄膜を形成する間、成膜チャンバ30内は一定温度に保
たれ、さらにバルブ36を調整することにより、真空ポ
ンプ38によって一定圧力に保たれる。
【0022】なお、気化器22の一次側において、溶媒
のみが気化すると、原料であるβ−ジケトン錯体が析出
し、配管内部に付着することになる。この製造装置10
では、気化器22の二次側が加熱されることによって原
料溶液を気化しているが、配管などの熱伝導によって、
気化器22の一次側の温度も上昇する。そのため、気化
器22の一次側で溶媒のみが気化しないようにするため
に、溶媒の沸点はできるだけ高いほうが好ましい。β−
ジケトン錯体を溶解する有機溶媒のうち、比較的溶解度
が高いのはエーテル類で、メトキシエタノール,エトキ
シエタノール,ブトキシエタノールなどが高沸点の溶媒
に属する。このうち、メトキシエタノール,エトキシエ
タノールは沸点が120℃以上であり、ブトキシエタノ
ールは沸点が170℃以上である。このような溶媒を用
いることによって、気化器22の一次側における溶媒の
気化を防ぐことができる。また、気化器22の一次側の
圧力を高圧に保つことによって、溶媒の気化を防ぐこと
ができる。
【0023】気化器22において、気化されなかった原
料溶液は、バルブ44を介してドレイン回収器46に回
収される。ドレイン回収器46は、非加熱のタンクなど
で形成され、液体のまま残った原料溶液が気化系統から
除去される。したがって、気化系統において、溶媒のみ
が気化して原料が堆積するという問題を解決することが
でき、成分の安定した原料ガスを得ることができる。こ
のようにして得られた原料ガスは、酸化ガスとともに、
成膜チャンバ30内の基板に接触させられ、原料ガスが
熱分解あるいは燃焼反応を起こして、基板上に誘電体薄
膜などが形成される。
【0024】
【実施例】この発明の製造装置10および図2に示す従
来の製造装置を用いて、(Ba,Sr)TiO3 薄膜を
形成した。この発明の製造装置10を用いて薄膜を形成
するときの条件を表1に示し、従来の製造装置を用いて
薄膜を形成するときの条件を表2に示した。この発明の
製造装置10を用いる場合における溶媒としては、常圧
での沸点が171℃であるエチレングリコールモノブチ
ルエーテル(ブトキシエタノール)を使用した。従来の
製造装置を用いる場合における溶媒としては、常圧での
沸点が65℃であるテトラヒドロフランを使用した。な
お、表1および表2において、phenとは、フェナン
トロリンの略である。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】この発明の製造装置10を用いるときの条
件として、圧力計26で気化器22の一次側の圧力を検
出し、気化器22として用いられる流量調節バルブをコ
ントロールすることにより、気化器22の一次側の圧力
を840〜1140Torrに保持した。また、原料溶
液を気化させるために、気化器22から成膜チャンバ3
0までの間の温度を250℃に保持した。気化器22の
下方には、非加熱のドレイン回収器46を設置し、バル
ブ44を開いた状態にして、気化しなかった原料溶液が
ドレイン回収器46に溜まるようにした。なお、この発
明の製造装置10では、成膜チャンバ30内の圧力を5
Torrに保持し、従来の製造装置では、成膜チャンバ
内の圧力を3Torrに保持した。
【0028】どちらの製造装置を使用する場合において
も、薄膜を形成する基板としては、10×10×0.5
mmのMgO(100)単結晶基板にPtをスパッリン
グ加工したものを用いた。そして、成膜温度650℃と
し、成膜時間を3時間とした。なお、各原料の気化器へ
の注入速度は、どちらの製造装置を用いた場合も同じと
なるようにした。成膜の際には、基板上に8×6mmの
開口部を有するメタルマスクを置き、下部電極取り出し
用としてPt膜を露出させるために、非成膜部を設け
た。
【0029】得られた薄膜に、直径0.5mmのPtを
20箇所スパッタリングし、上部電極とした。そして、
下部電極と各上部電極との間で、1kHzにおける静電
容量および誘電正接(tanδ)を測定した。そして、
測定の平均値を表3に示した。また、成膜を5回行って
静電容量を測定し、そのばらつきを求めた。そして、得
られた静電容量のばらつきを表4に示した。表4におい
て、Cmax は静電容量の最大値、Cmin は静電容量の最
小値、Cavは静電容量の平均値である。
【0030】
【表3】
【0031】
【表4】
【0032】これらの結果からわかるように、従来の製
造装置を用いた場合、成膜の回数を重ねると静電容量が
急激に低下して静電容量のばらつきが大きくなったが、
この発明の製造装置10を用いた場合、静電容量のばら
つきは小さかった。これは、従来の製造装置では、気化
器およびその一次側に残留物が堆積し、成膜条件を変化
させたものと考えられる。それに対して、この発明の製
造装置では、気化器22で気化しなかった原料溶液がド
レイン回収器46によって回収され、しかも気化器22
の一次側において溶媒のみが気化しないため、成膜条件
が変化しなかったものと考えられる。
【0033】なお、この発明の製造装置を用いた上述の
実験では、溶媒としてエチレングリコールモノブチルエ
ーテルを用いたが、その他に、常圧での沸点が124℃
のエチレングリコールモノメチルエーテル(メトキシエ
タノール)や、常圧での沸点が135℃のエチレングリ
コールモノエチルエーテル(エトキシエタノール)など
を用いることができる。特に、原料粉末の溶解度が低い
場合には、これらの溶媒から溶解度の高いものを選択す
ればよい。
【0034】
【発明の効果】この発明によれば、製造装置に原料が堆
積することを防止し、成膜条件を一定に保つことができ
る。そのため、基板上に安定して薄膜を形成することが
できる。また、原料の種類が増えても、同一の溶媒に溶
解して1つの溶液とするため、製造装置の再編成の必要
がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の薄膜の製造装置の一例を示す図解図
である。
【図2】従来の薄膜の製造装置の一例を示す図解図であ
る。
【符号の説明】
10 製造装置 12 原料タンク 18 電磁ポンプ 22 気化器 24 マスフローコントローラ 30 成膜チャンバ 32 マスフローコントローラ 34 ガスノズル 38 真空ポンプ 46 ドレイン回収器

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複合酸化物を構成する金属元素を含む化
    合物を原料としてMOCVD法によって複合酸化物の薄
    膜を製造するための薄膜の製造方法であって、 全ての前記原料を同一の溶媒に溶解して1つの溶液をつ
    くり、前記溶液を気化して基板上に供給することにより
    前記基板上に蒸着によって薄膜を形成する、薄膜の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 前記金属元素を含む化合物としてβ−ジ
    ケトン錯体を使用し、前記溶媒として120℃以上の沸
    点を有するエーテル類を使用する、請求項1に記載の薄
    膜の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記溶媒として150℃以上の沸点を有
    するエーテル類を用いる、請求項2に記載の薄膜の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 前記溶液を気化する際に、気化しなかっ
    た前記溶液が回収される、請求項1ないし請求項3のい
    ずれかに記載の薄膜の製造方法。
  5. 【請求項5】 複合酸化物を構成する金属元素を含む化
    合物を溶媒に溶解した1つの溶液を貯留するための貯留
    槽、 前記貯留槽から前記溶液を移送するための移送手段、 前記移送手段によって移送された前記溶液を気化するた
    めの気化器、 前記気化器によって気化した前記溶液を基板に接触させ
    て前記基板に薄膜を形成するための成膜チャンバ、およ
    び前記気化器の下方において気化しなかった前記溶液を
    回収するための非加熱のドレイン回収器を含む、薄膜の
    製造装置。
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