JPH11172051A - ゴム用充填剤およびその製造方法、並びにゴム組成物 - Google Patents

ゴム用充填剤およびその製造方法、並びにゴム組成物

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JPH11172051A
JPH11172051A JP36230497A JP36230497A JPH11172051A JP H11172051 A JPH11172051 A JP H11172051A JP 36230497 A JP36230497 A JP 36230497A JP 36230497 A JP36230497 A JP 36230497A JP H11172051 A JPH11172051 A JP H11172051A
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JP
Japan
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rubber
zinc
filler
sulfuric acid
silica
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JP36230497A
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English (en)
Inventor
Yoshiro Kaneda
嘉郎 金田
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Nippon Chemical Industrial Co Ltd
Original Assignee
Nippon Chemical Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、ゴムに優れた補強性能及び加工性
を付与することができるゴム用充填剤及び該充填剤の工
業的に有利な製造方法、並びに補強性および加工性の優
れたゴム組成物を提供することを目的とする。 【解決手段】 亜鉛成分をZnとして、1〜7重量%含
有する亜鉛含有水和珪酸であって、吸由量が100mL
/100g以上、かつBET比表面積が100〜400
2 /gの範囲であるゴム用充填剤。また、その製造方
法は、珪酸ソ−ダ水溶液に多段的に硫酸を添加して、中
和反応により水和珪酸を製造する方法において、硫酸の
一部代替として硫酸亜鉛を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、ゴム用充填剤に関
し、更に詳しくは、ゴムにゴム用充填剤として配合した
場合に、高補強性能と良好な加工性を付与することがで
きるゴム用充填剤およびその製造方法、並びに該充填剤
を含有するゴム組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ゴム用充填剤として用いられるシリカ
は、各々の製造方法の違いに由来する特質があり、例え
ば、四塩化珪素等の珪素化合物を酸素−水素炎中で分解
して得られる乾式法によるフェームドシリカ(乾式シリ
カ)や、アルカリ金属珪酸塩水溶液と鉱酸とを中和反応
させて得られる湿式法による含水珪酸(湿式シリカ)が
用いられる。
【0003】乾式法により得られるフェームドシリカ
は、高補強性能、高透明性能あるいは低発泡性能といっ
た長所を有しているため、製法上かなり高価格であるに
も拘わらず、このような特徴が求められる用途におい
て、従来から多々使用されている。 一方、湿式法によ
り得られる含水珪酸は、乾式シリカと比較して、経時的
に粘度が著しく高くなるいわゆるクレープハードニング
現象の程度が低く、高価な潤滑剤の使用が少なく、ま
た、製造上安価であることから、従来より多用されてい
る。
【0004】一般に含水珪酸は、一次粒子が複雑に結合
凝集した二次粒子からなっており、その粒子構造は極め
て複雑な状態となっている。また、反応液中から含水珪
酸粒子に残留する酸、塩基或いは塩類等の種類、量によ
り粒子表面活性も大きく影響することが知られている。
このため、補強特性や加工性について種々の改質施した
含水珪酸塩が提案されている。例えば、細孔半径50〜
10000Åの細孔の占める容積及び細孔半径150〜
200Åの細孔の占める容積を限定した含水珪酸(特開
昭64−60657号公報)、細孔容積、Siを除く原
子価数2乃至4の金属含有量、懸濁液のpH値と、BE
T比表面積及び含水珪酸の酸性度を限定した含水珪酸
(特開平6−1879号公報)、Al23 量を限定し
た珪酸アルカリと鉱酸とを反応させて得られる含水珪酸
(特開平6−271311号公報)、Siを除く原子価
数2乃至4の金属含有量と、BET比表面積、吸油量及
び二次粒子径を限定した含水珪酸(特開平7−1719
22号公報)、懸濁液のpH、アルミニウム、鉄及びチ
タンの含有量を限定した含水珪酸(特開平7−7035
9号公報)等が提案されている。また、水を含有するス
メクタイト系粉末からなるゴム用充填剤(特開平6−3
06208号公報)も提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、微粒子
珪酸の場合、高充填配合時に配合粘度が上昇し、加工性
が大幅に低下し、カーボンブラックに比べると一般的な
ゴム特性のうち引張強さ、引張応力、耐磨耗性が劣る傾
向があり、なおも、加工性の優れたゴム用充填剤が強く
要望されている。
【0006】本発明者らは、前記課題に鑑み、ゴムの補
強性能に優れ、かつ加工性の優れた含水珪酸について鋭
意研究を重ねた結果、珪酸ソーダ水溶液に多段式に硫酸
を添加して、中和反応により水和珪酸を製造する方法に
おいて、硫酸の一部代替として硫酸亜鉛を用いて中和反
応をおこなって得られるものが、各種のゴムに対する分
散性に優れているだけでなく、ゴム用充填剤として最適
な特性を有していることを知見し、本発明を完成させる
に至った。
【0007】即ち、本発明はゴムに優れた補強性能及び
加工性を付与することができるゴム用充填剤及び該充填
剤の工業的に有利な製造方法、並びに補強性および加工
性の優れたゴム組成物を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明が提供しようとす
るゴム用充填剤は、亜鉛成分をZnとして、1〜7重量
%含有する亜鉛含有水和珪酸であって、吸油量が100
mL/100g以上、かつBET比表面積が100〜4
00m2 /gの範囲であることを構成上の特徴とする。
その製造方法は、珪酸ソーダ水溶液に多段式に硫酸を添
加して、中和反応により水和珪酸を製造する方法におい
て、硫酸の一部代替として硫酸亜鉛を用いることを構成
上の特徴とする。また、本発明が提供しようとするゴム
組成物は、該亜鉛含有水和珪酸を充填剤として含有する
ことを構成上の特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係るゴム用充填剤は、亜鉛成分をZnとして、
1〜7重量%含有する亜鉛含有水和珪酸であることが重
要な要件である。ここで、亜鉛成分を含有する水和珪酸
とは、水和珪酸の表面に亜鉛成分が珪酸亜鉛の如きシリ
ケートとして化学的に固定されたいるか、水和珪酸と亜
鉛酸化物又は/及び亜鉛水酸化物との複合体を指す。
【0010】更に、本発明のゴム用充填剤は、吸油量が
100mL/100g以上、かつBET比表面積が10
0〜400m2/gの範囲であることが重要な要件であ
る。なお、上記物性の中、吸油量150mL/100g
以上、BET比表面積150〜250〜350m2/gの
範囲のものが好ましい。本発明のゴム充填剤用亜鉛含有
含水珪酸は、上記に示した物性を満足するものであれば
特に限定はないが、嵩密度が300〜100g/Lのも
のがゴム用充填剤として最適である。また、粒子径は特
に限定はないが、通常5〜200μmの範囲にある二次
粒子の分布を有するが、その平均粒子径は、多くの場合
5〜30μmであり、好ましくは、5〜20μmの範囲
である。
【0011】次いで、本発明の製造方法について説明す
る。本発明の製造方法は、珪酸ソーダ水溶液に多段式に
硫酸を添加して、中和反応により水和珪酸を製造する方
法において、硫酸の一部代替として硫酸亜鉛を用いるこ
とが重要な要件となる。
【0012】珪酸ソーダ水溶液は、SiO2/Na2 Oの
モル比が2〜4であることが好ましく、特にJIS3号
珪酸ソーダが好ましく用いられる。また、シリカ濃度は
通常5〜15重量%、好ましくは5〜10重量%に調製
することが好ましい。硫酸亜鉛は、工業的に入手できる
ものであれば特に限定はなく、無水物或いは含水物のい
づれであってもよい。
【0013】硫酸の濃度は、特に限定はないが余り薄い
と反応系が薄くなって処理容量が大きくなるので工業的
でない。一方、高濃度の硫酸は、添加位置で十分な混合
が行える場合には、発熱量が大きくエネルギー的に有利
に使用し得る。従って、90重量%以上のものが好まし
く用いられ、反応器における分散手段が効果的におこな
えるものを用いる場合は、98重量%の濃硫酸でも使用
可能である。硫酸の反応系への添加は、珪酸ソーダの中
和当量に必要な酸を連続的に添加するのではなく、少な
くとも2回に分けて断続的に添加及び熟成処理を施すこ
とが好ましく、このことは既に公知である。本発明の方
法は、この公知方法において、硫酸の一部代替として、
硫酸亜鉛を添加することにその特徴があるが、硫酸亜鉛
の添加は任意でもよいが、多くの場合、最後の中和反応
の際に添加することが望ましい。この理由は、シロキサ
ン結合により珪酸粒子の表面部分に亜鉛成分を形成させ
ることができるからである。この場合の亜鉛成分は、一
部分珪酸亜鉛として或いは、中和による含水亜鉛酸化物
の微粒子が珪酸粒子表面に化学的又は物理的に結合又は
沈積する。
【0014】これら酸の添加量は、原料の珪酸ソーダに
ついて言えば、SiO2/Na2 Oのモル比をM.R、中
和に要する酸の全量に対する酸の添加量の割合をX重量
%および、このときの反応系内のモル比(SiO2 と未
反応のNa2 Oのモル比SiO2 /Na2 O)をm.r
とすると
【0015】 となる。
【0016】本発明において、第1回目の添加量(X)
は20〜50重量%、特に30〜45重量%が好適であ
り、第2回目の添加量は30〜50重量%、特に40〜
50重量%が好適である。第2回目の添加で実質的に反
応させ、更に第3回目は残量を反応系のpH調製剤とし
てpHが5〜9.5、好ましくは7〜8前後になるまで
添加して反応を終了させる。なお、多くの場合、上記の
ように3回に分けて酸を断続的に添加するが、他の添加
態様としては3回以上に分けて添加してもよい。
【0017】硫酸亜鉛は、この多段式酸の添加方法にお
いて、最終のpH調製剤として用いることが好ましく、
硫酸亜鉛水溶液、或いは硫酸に所定量の硫酸亜鉛を含有
させた水溶液の何れの形態で用いてもよい。硫酸亜鉛の
反応系内への添加量は、Znとして珪酸ソーダの中和当
量の1〜7重量%、好ましくは1〜5重量%の範囲で添
加することが望ましい。本発明に係るゴム用充填剤は上
記範囲で使用すると通常のシリカ添加剤と比較してゴム
の加硫を助長する機能があり、ゴムの機械的強度などの
物性の改善に優れている。従って、1重量%より小さく
なると、亜鉛量が少なくなって通常の加硫ゴム添加剤と
の効果上の差異がなく、例えばゴムに配合した際の分散
性が悪くなり、ゴムコンパンドの粘度が一定範囲に安定
しにくい傾向があり好ましくない。一方、7重量%より
大きくなっても、その効果が飽和するばかりで実用的で
ない。
【0018】次いで、反応条件について説明する。第1
回目の硫酸の添加は、5〜20分の比較的短時間をかけ
て反応系内に添加することが好ましく、目安としてシリ
カの析出前に添加を完了させることが好ましい。添加
後、反応系は青味を帯びた乳光色から白濁液へと変化し
ていく状態で、温度70℃以上、特に85〜95℃の温
度で、0.5〜3時間、特に1〜2時間熟成を行う。熟
成は、セン断力が強く作用するほど細かな粒子径のもの
を得ることができることから、硫酸の添加後に速やかに
セン断力に基づく徹底した湿式粉砕を施す。ここで、徹
底した湿式粉砕とは、強力セン断力を加えることができ
る粉砕機または分散機を用い、生成するシリカ粒子のア
グロメレーシュンを可及的に防ぐ操作を意味する。この
ため、使用する粉砕機によっては熟成時間を通じて連続
的に繰り返し粉砕処理することが望ましい。湿式粉砕に
用いる粉砕機としては、ボールミル、ロッドミル等の広
義のボールミル、コロイドミル、各種のホモジナイザ
ー、タワーミル、アトライター、セイトリーミル、サン
ドグラインザー、アニューラミル等の高速回転粉砕機が
挙げられる。特に析出するシリカは粉砕されやすいた
め、前記の粉砕機の他、分散機や乳化機等でも粉砕する
ことができることから、これらを粉砕機と組み合わせて
又は単独で用いてもよい。
【0019】この湿式粉砕は、硫酸の添加後のシリカが
析出した後からでも粉砕効果はあるが、シリカの析出が
始まるか、もしくはその直前から開始することが好まし
い。本発明者らの研究で析出当初から粉砕することが効
果的であるとの知見が得られたことから、粉砕は硫酸の
添加後に行う熟成処理と同時に進行させることが特に好
ましい。従って、湿式粉砕は、熟成時間内で終了するこ
とが好ましく、この熟成は、部分的中和後に徹底した粉
砕処理の間で行われることになる。
【0020】次いで、この熟成反応終了後、再び硫酸の
第2回目の添加を前記と同様な条件で行う。硫酸の添加
後、スラリー温度を70℃から溶液の沸点以下に調整
し、熟成反応により完結させる。なお、この熟成反応は
強力なセン断力がかからない状態で、熟成反応を行うこ
とが重要で、静置して熟成するか、もしくは通常の撹拌
下で暫時熟成をおこなってもよい。この理由は、第2回
目の硫酸添加後、強力なセン断力が作用すると、得られ
た高構造性の活性なシリカ組織が破壊されて、目的とす
る品質のものが得られにくい傾向があるためである。こ
の2回目の中和反応により、ほぼ全量のシリカを析出さ
せ、1回目の中和反応で析出したシリカ粒子の連結を強
化する。第2回目の中和反応後の生成した水和珪酸は、
第1回目の中和反応で生成した水和珪酸と粒子径が実質
的に同等となる。また、第1回目の中和反応の段階で
は、スラリー粘度は高いが、第2回目以降の中和反応
後、スラリー粘度が約1/5程度まで下がるため取扱に
も有利となる。
【0021】次いで、更に、残量を所定の濃度を含有す
る硫酸亜鉛水溶液、もしくは硫酸亜鉛含有硫酸水溶液を
反応系内へ添加して、スラリーのpHを通常5〜9.
5、好ましくは7〜8前後に調整して、熟成反応を行
う。なお、この残量の添加により、水和珪酸に含有され
たアルカリ成分が溶出してpHの戻りが生じないうえ、
このpH域での変化が大きいことから30〜60分程度
の時間をかけて行うことが好ましい。従って、2回目と
3回目の中和反応操作の相違は、酸の添加速度だけで、
その他の条件は同じである。
【0022】熟成反応終了後、不純物を除くため濾過、
水洗およびリパルプ処理を施した後、乾燥および粉砕し
て製品とするが、この場合、いずれかの工程において、
所望の表面処理を施して、用途に応じた改質処理を施す
ことができる。
【0023】次いで、本発明のゴム組成物について説明
する。本発明のゴム組成物は、上記で得られた亜鉛含有
水和珪酸を充填剤として含有するものである。なお、該
亜鉛含有水和珪酸は、所望によりその表面を鎖状オルガ
ノポリシロキサン、環状オルガノポリシロキサン、ヘキ
サメチルジシラザン、ヘキサメチルジシロキサン等の公
知のシリル化剤で疎水化したものであってもよい。
【0024】本発明において適用できるゴム原料は、特
に限定はなく、例えば天然ゴム、スチレン−ブタジエン
系ゴム(SBR)、アクロニトリル−ブタジエン系ゴム
(NBR)、ブチルゴム(IIR)、ポリブタジエンゴ
ム(BR)、エチレン−プロピレン系ゴム(EPP
M)、クロロブチレンゴム(CR)、ポリイソブチレン
ゴム、アルリルゴム、水素化アクロニトリル−ブタジエ
ンゴム、多硫化ゴム、ウレタンゴム、クリリスルホン化
ゴム、シリコーンゴム及びこれらの変性物等が挙げら
れ、これらは、2種以上のブレンドゴムであってもよ
い。
【0025】本発明の亜鉛含有水和珪酸の配合割合は、
ゴム原料100重量部に対して、20〜60重量部、好
ましくは30〜40重量部である。また、他のホワイト
カーボン、カーボンブラック、ゼオライト、炭酸カルシ
ウム、クレー、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム等の無
機質充填剤、ハイスチレン樹脂、リグニン、フェノール
樹脂等の有機質充填剤と併用してもよい。
【0026】その他の成分として、加硫剤、加硫促進
剤、加硫助剤、軟化剤、老化防止剤、可塑剤等が配合さ
れていても差し支えない。加硫剤は、原料ゴム分子を架
橋混合させて3次元網目構造を形成させる物質で、多く
の場合、硫黄を用いるが、他のものとして、例えば有機
過酸化物、キノンジオキシム、メルカプトイミダジン、
変性フェノール樹脂、一酸化鉛、三酸化鉛、塩化錫、亜
鉛華等の1種又は2種以上が挙げられる。加硫助剤とし
ては、例えば亜鉛華、塩基性炭酸亜鉛、水酸化亜鉛、ス
テアリン酸亜鉛等の亜鉛化合物が挙げられが、本発明に
係る添加剤においては、この種の加硫助剤は必ずしも必
要なものではない。加硫促進剤としては、例えばグアニ
ジン類、チアゾール類、チウラム類、ジチオ酸塩類、イ
ミダゾリン類またはアルデヒドアンモニア類等が挙げら
れる。その他、ステアリン酸、ナフテン酸等の分散剤、
プロセスオイル、パインタール植物油、鉱油、クマロン
樹脂、水素化ロジン、ピッチ、ワックス等の軟化剤、フ
タール酸エステル、脂肪族二塩基酸エステル、リン酸エ
ステル、脂肪酸エステル類、エポキシ化大豆油等の可塑
剤、白サブ、黒サブの如き加工助剤、粘結剤、老化防止
剤、顔料、発泡剤、抗菌剤、難燃剤等を必要に応じて使
用することができる。
【0027】本発明の充填剤をゴム原料に充填する方法
としては、公知の方法を採用すればよく、例えば、ゴム
原料へ該充填剤をロール又はニーダー等で練り込む方法
が一般的である。このような所望の成分を練り合わせる
ことにより得られる加硫可能な組成物は圧縮、押出し、
成形、加硫等の常法と同様な諸工程を経ることにより加
硫されたゴム組成物となる。
【0028】
【作用】本発明に係るゴム用充填剤は、亜鉛成分をZn
として1〜7重量%含有する亜鉛含有水和珪酸であっ
て、吸油量が100mL/100g以上、かつBET比
表面積が100〜400m2 /gの範囲であることを特
徴とする。本発明において、亜鉛成分がどのような状態
で水和珪酸に存在するのかは明らかでないが、おそら
く、水和珪酸の表面に存在するシラノール基と亜鉛成分
が反応して珪酸亜鉛の如きシリケートとして化学的に固
定されているか、水和珪酸と亜鉛酸化物又は/及び亜鉛
水酸化物との複合体を形成して存在するものと考えられ
る。
【0029】本発明の亜鉛含有水和珪酸の製造方法は、
珪酸ソーダ水溶液に多段式に硫酸を添加して、中和反応
により水和珪酸を製造する方法において、硫酸の一部代
替として硫酸亜鉛を用いることを特徴とする。第1回目
の部分的な中和反応により、制御された粒子径を有する
凝集粒子のシリカが生成し、第2回目の中和反応によ
り、ほぼ全量のシリカを析出させ、生成するシリカが結
合剤的な作用を営み、第1回目の中和反応により析出し
たシリカの凝集粒子内の一次粒子間をより強く結合させ
てクラスターを安定化させ、均一性の高い多孔質粒子、
即ち高構造の水和シリカを生成させる。次いで、残量の
酸として、一部もしくは全部を硫酸の代替として硫酸亜
鉛を加え、穏やかに中和処理して生成した亜鉛含有水和
珪酸スラリーのpH調整を行うと共に、水和珪酸の脱ア
ルカリを図ることができる。従って、第2回目の中和反
応で生成する水和珪酸の性状を備えた亜鉛含有水和珪酸
を容易に得ることができる。
【0030】また、本発明のゴム組成物は、該亜鉛含有
水和珪酸を充填剤として含有することを特徴とする。本
発明の亜鉛含有水和珪酸は、各種のゴム原料に対して分
散性がよく、特に、シリコーンゴムの充填剤として用い
た場合には経時的に粘度が著しく高くなるいわゆるクレ
ープハードニングを効果的に抑制でき、加硫ゴムに対し
ては、加硫助剤としての作用も有していることから、強
度の引張り強さ、引裂き強さを保ちながら大きな伸びと
低い硬度をもった加硫ゴムを与えることができる。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例において詳細に説明す
るが本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1〜4 反応容器中で市販のJIS3号珪酸ソーダ(MR:3.
15)635gと水1990gを仕込んだ。この珪酸ソ
ーダ水溶液を90℃に加温した後、98%硫酸33.1
g(添加量X;34.3%に相当)を粗大ゲルが発生し
ない十分な強力撹拌下に7分間で添加した。硫酸添加後
の液は、透明で固形物の発生は認められなかった。添加
終了後、得られた部分中和液を高速回転粉砕機型のミキ
サーに移した。この送液中に、多量のシリカが析出しス
ラリー状になった。更に粉砕処理を2分間行った。粉砕
後、スラリーを元の反応溶液に戻し、温度を90℃に再
加熱して撹拌下に2時間保持し、熟成を行った。次い
で、スラリー温度を95℃まで昇温し、98%硫酸4
6.1g(添加量X;48.7%に相当)を15分かけ
て添加し、15分間熟成した。次いで、硫酸亜鉛を水溶
液をZnとして、珪酸ソーダの中和当量の1〜7重量%
の範囲となるように添加し、更に、1N硫酸にてpHを
7.5に調整して反応処理を終了させた。次いで、常法
により分離、水洗、乾燥及び粉砕処理を施して製品を得
た。
【0032】比較例1 反応容器中で市販のJIS3号珪酸ソーダ(MR:3.
15)635gと水1990gを仕込んだ。この珪酸ソ
ーダ水溶液を90℃に加温した後、98%硫酸33.1
g(添加量X;34.3%に相当)を粗大ゲルが発生し
ない十分な強力撹拌下に7分間で添加した。硫酸添加後
の液は、透明で固形物の発生は認められなかった。添加
終了後、得られた部分中和液を高速回転粉砕機型のミキ
サーに移した。この送液中に、多量のシリカが析出しス
ラリー状になった。更に粉砕処理を2分間行った。粉砕
後、スラリーを元の反応溶液に戻し、温度を90℃に再
加熱して撹拌下に2時間保持し、熟成を行った。次い
で、スラリー温度を95℃まで昇温し、98%硫酸4
6.1g(添加量X;48.7%に相当)を15分かけ
て添加し、15分間熟成した。次いで、1N硫酸にてp
Hを7.5に調整して反応処理を終了させ、常法により
分離、水洗、乾燥及び粉砕処理を施して製品を得た。
【0033】<物性の評価>実施例1〜4及び比較例で
得た製品につき、平均粒子径、BET比表面積及び吸油
量を測定し、その結果を表1に示した。
【0034】
【表1】
【0035】<ゴム特性の評価−1>スチレンブタジエ
ン(SBR)原料ゴム100重量部に対して、実施例1
〜3及び比較例1で得られた含水珪酸50重量部と、各
種のゴム配合剤を表2に示す配合割合で配合し、これら
の組成物につき、加硫性をキユラストメーターにより測
定した。その結果を表3に示した。次いで、これらの未
加硫の組成物を常法により150℃で加硫して得られた
各ゴム組成物について下記に示す方法で性能を測定し、
その結果を表4に示した。なお、加硫試験は下記のよう
に行った。 混練用ロール;寸法 20.3cm×45.7cm (8×18インチ) 回転数 18rpm 回転比 1.18 表面温度 50±5℃ 加硫条件 ;150℃×分 評価法 ;試験片 JIS3号ダンベル 試験機 ショッパー式引張試験機(容量50kgf) 試験方法 JISK6301
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】 注(1)RMTは加硫ゴムのモジュラスに対応する最大トルク値 (2)T0.9は最大トルクの90%を得るに要する時間(分) (3)加硫時間は最小トルク値よりも1.5単位上昇するまでの時間T0 (分 )とT0.9との差、即ち、T0.9−T0 によって求められる、その値が 小さいほど加硫速度が速いことを示す。
【0037】
【表4】
【0038】本発明の亜鉛含有水和珪酸を充填剤として
用いたものは、伸びと引裂強さが大きくなり、しかも硬
さが小さい。
【0039】<ゴム物性の評価−2>実施例1〜4及び
比較例1で調製した水和珪酸をシリコーン生ゴム100
重量部に対し40重量部配合し、6インチのロールで混
練した。得られたシリコーンゴムコンパンドを静置し、
1昼夜経過後ムーニー粘度を測定した。次に、架橋ゴム
物性を測定するため、1昼夜放置後のシリコーンゴムコ
ンパンドに架橋剤0.5部を前記ロールに混練し、一次
架橋170℃で10分、二次架橋200℃で4時間架橋
した後、ゴムの引張り強さ、硬さを測定し、更に、架橋
剤を添加する際の加工性を、ロールへの粘着性の強弱及
び短時間で巻くかどうかにより、評価した。その結果を
表5に示した。
【0040】
【表5】
【0041】
【発明の効果】上記したように、本発明の亜鉛含有水和
珪酸は、ゴム用充填剤としてゴムに対して優れた補強性
能及び加工性を付与することができ、また、本発明の製
造方法によれば、工業的に有利な方法で該亜鉛含有水和
珪酸を得ることができので、該亜鉛含有水和珪酸は各種
のゴム充填剤として利用価値は極めて大である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亜鉛成分をZnとして、1〜7重量%含
    有する亜鉛含有水和珪酸であって、吸油量が100mL
    /100g以上、かつBET比表面積が100〜400
    2/gの範囲であることを特徴とするゴム用充填剤。
  2. 【請求項2】 珪酸ソーダ水溶液に多段式に硫酸を添加
    して、中和反応により水和珪酸を製造する方法におい
    て、硫酸の一部代替として硫酸亜鉛を用いることを特徴
    とする請求項1記載のゴム用充填剤の製造方法。
  3. 【請求項3】 硫酸亜鉛は、最終の中和工程で添加する
    ものである請求項2記載のゴム用充填剤の製造方法。
  4. 【請求項4】 硫酸亜鉛は、亜鉛金属として、珪酸ソー
    ダの中和当量の1〜7重量%の範囲で添加して中和反応
    を行う請求項2又は3記載のゴム用充填剤の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のゴム用充填剤を含有する
    ことを特徴とするゴム組成物。
JP36230497A 1997-12-12 1997-12-12 ゴム用充填剤およびその製造方法、並びにゴム組成物 Pending JPH11172051A (ja)

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