JPH11171916A - 高シンジオタクチック性ポリスチレン製造用の触媒組成物および該触媒組成物を利用した重合法 - Google Patents

高シンジオタクチック性ポリスチレン製造用の触媒組成物および該触媒組成物を利用した重合法

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JPH11171916A
JPH11171916A JP29547097A JP29547097A JPH11171916A JP H11171916 A JPH11171916 A JP H11171916A JP 29547097 A JP29547097 A JP 29547097A JP 29547097 A JP29547097 A JP 29547097A JP H11171916 A JPH11171916 A JP H11171916A
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catalyst composition
atom
halogen atom
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JP29547097A
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English (en)
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Keisei Sai
敬誠 蔡
Senchi O
先知 王
Shukurei Ho
淑鈴 彭
Binchii So
敏▲チー▼ 蘇
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Industrial Technology Research Institute ITRI
Original Assignee
Industrial Technology Research Institute ITRI
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F12/00Homopolymers and copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by an aromatic carbocyclic ring
    • C08F12/02Monomers containing only one unsaturated aliphatic radical
    • C08F12/04Monomers containing only one unsaturated aliphatic radical containing one ring

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来に比べ安価な原料を使用して、高活性か
つ高シンジオタクチック性を備えた触媒組成物を調製
し、シンジオタクチック性ポリスチレンの製造コストを
下げること。 【解決手段】 (a)式:TiR1′2′3′4′
たはTiR1′2′3′により表わされるチタン錯
体;(b)式: 【化21】 により表わされるシクロペンタジエニル錯体;および
(c)活性化遷移金属共触媒からなる高シンジオタクチ
ック性ポリスチレン製造用触媒組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高シンジオタクチ
ック性ポリスチレン製造用の触媒組成物および該触媒組
成物を利用した重合法、特に高活性の高シンジオタクチ
ック性ポリスチレンを低コストで製造することのできる
触媒組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリスチレンの重合反応において、過酸
化物は最も一般的に使用されている触媒で、遊離基を発
生させて重合反応を誘発する。過酸化物の触媒作用によ
ってえられるポリスチレンはアタクチック性ポリスチレ
ン(aPS)に属し、その構造は立体規則性を何ら有し
ておらず、一種の無定形ポリマーである。このアタクチ
ック性ポリスチレンが商業上の各種用途に幅広く応用さ
れるようになってすでに半世紀を超える。しかし、無定
形であるという物理特性がその応用範囲を狭めているた
め、一般的にエンジニアリングプラスチックには応用で
きず、比較的低価格の製品に応用することしかできな
い。
【0003】一方、1955年という早い時期に、G.
ナッタによりいわゆるチーグラー・ナッタ(Ziegle-Nat
ta)触媒を使用してアイソタクチック性ポリスチレン
(iPS)が開発された。アイソタクチック性ポリスチ
レンは高度に結晶化されたポリスチレンであり、非常に
高い融点(240℃)を有している。これらの特性を備
えたアイソタクチック性ポリスチレンはエンジニアリン
グプラスチックへの応用に適しているが、結晶化速度が
非常に遅いため製造が困難である。したがって、この問
題点が解決されないかぎり、アイソタクチック性ポリス
チレンが高い商業的可能性を有するのは難しい。
【0004】アタクチック性ポリスチレンやアイソタク
チック性ポリスチレンと較べて、シンジオタクチック性
ポリスチレン(sPS)が開発されたのは比較的最近で
ある。シンジオタクチック性ポリスチレンは1986
年、石原によってメタロセン触媒組成物を使用して合成
されたのが初めである。一般的に、シンジオタクチック
性ポリスチレンの重合には、遷移金属チタン錯体とメチ
ルアルミノキサン(MAO)とを含有する触媒組成物を
必要とする。チタン錯体とメチルアミノキサンとの作用
によりシンジオクタチック性ポリスチレンが重合され
る。当該方法は、たとえば、欧州特許出願公開第21
0,615号明細書に記載されており、テトラ(エトキ
シ)チタンとメチルアルミノキサンとを含有する触媒組
成物を用いてシンジオクタチック性ポリスチレンを製造
している。そのほか国際公開第88/10275号パン
フレット(1988)では、シクロペンタジエニルトリ
クロロチタンとメチルアルミノキサンを含有する触媒組
成物を用いて高シンジオタクチック性ポリスチレンを製
造したことが報告されている。
【0005】また、遷移金属ジルコニウム錯体とメチル
アルミノキサン(MAO)を含有する触媒組成物を用い
てシンジオタクチック性ポリスチレンを製造する方法に
ついては、米国特許第4,774,301号および第
4,808,680号明細書に開示されている。しか
し、チタン錯体およびメチルアルミノキサンを用いる錯
体に比べ、ジルコニウム錯体を含む触媒は活性が明らか
に低く、製造されたポリスチレンは低分子量で立体規則
性も低い。
【0006】上述したシンジオクタチック性ポリスチレ
ンを製造するための触媒組成物はいずれも、活性を付与
するために第4族の遷移金属錯体とメチルアルミノキサ
ンとを含有する。ここで、所望する活性化触媒を提供す
るためには非常に過剰量のメチルアルミノキサンを必要
とすることに注意すべきである。そしてメチルアルミノ
キサンが高価であることから、前記方法の商業的応用が
限定される。したがって、必要なMAOの使用量を最小
限にすること、または排除することのできるメタロセン
触媒の開発が強く所望されている。この方面の研究開発
では、たとえばシクロペンタジエニルトリアルキルチタ
ン(CpTiR3)を触媒、非配位ルイス酸を共触媒、
トリイソブチルアルミニウムをスカベンジャーとして含
有する触媒組成物を用いてスチレンの重合を促進して高
シンジオタクチック性ポリスチレンを製造する発明は、
欧州特許出願公開第505890号明細書および国際公
開第93/0367号明細書(1993)に開示されて
いる。しかし、これらの触媒組成物は活性が比較的低
い。
【0007】チタン錯体またはチタノセンのうち、1個
のシクロペンタジエニル配位子を含有するチタノセン
は、2個のシクロペンタジエニル配位子を含有するチタ
ノセンよりも、ポリスチレンを重合する際の触媒活性が
高い。また、1個のシクロペンタジエニル配位子を含有
するチタノセンは、シクロペンタジエニル配位子を含有
しないチタン錯体(定義上、これはチタノセンではない
が)よりも、ポリスチレンを重合する際の触媒活性が高
い。この触媒活性の相対関係は、欧州特許出願公開第2
10,615号明細書に開示されている。シクロペンタ
ジエニル配位子を含まないチタン錯体は、シクロペンタ
ジエニル配位子を1個含有するチタノセンよりも一般的
に活性が低いが、低価格であることが長所となってい
る。したがって、経済的要素を考慮すると、安価なチタ
ン錯体、すなわちシクロペンタジエニル配位子を含有し
ないチタン錯体の活性を高めるような共触媒組成物を開
発し、メタロセン触媒のコストを下げる一方で優良な触
媒活性を提供する必要がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上より、本発明は、
高シンジオタクチック性ポリスチレン製造用の触媒組成
物を提供することを主目的とするものである。特に、低
価格の原料を使用することにより触媒のコストを下げ、
同時に高い触媒作用能力と高シンジオタクチック性をも
備えた触媒を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a)式:T
iR1′2′3′4′またはTiR1′2′
3′(式中、R1′、R2′、R3′およびR4′はそれぞ
れ独立してアルキル基、アリール基、アルコキシル基、
アリールオキシ基、アミノ基またはハロゲン原子)で表
わされ、シクロペンタジエニル配位子を有さないチタン
(III)またはチタン(IV)錯体0.1〜10モル; (b)式:
【0010】
【化8】
【0011】(式中、R5はアルキル基、アリール基、
シリル基、ゲルマニル基、スタンニル基、水素原子また
はハロゲン原子;R1およびR2はそれぞれ独立してアル
キル基、アリール基、シリル基、ゲルマニル基、スタン
ニル基、水素原子もしくはハロゲン原子、またはR1
よびR2は共同で1つのベンゼン環;R3およびR4はそ
れぞれ独立して、アルキル基、アリール基、シリル基、
ゲルマニル基、スタンニル基、水素原子もしくはハロゲ
ン原子、またはR3およびR4は共同で1つのベンゼン
環;Rはアルキル基、アリール基、水素原子またはハロ
ゲン原子;Xは第14族元素であるケイ素原子、ゲルマ
ニウム原子または錫原子)によって表わされるケイ素、
ゲルマニウムまたは錫のシクロペンタジエニル錯体0.
1〜10モル;および (c)メチルアルミノキサン20〜10000モル、ま
たは非配位ルイス酸0.1〜20モルとトリアルキルア
ルミニウム100〜10000モルとの混合物である活
性化遷移金属共触媒からなる触媒組成物であって、スチ
レン、炭素数1〜12の置換基をもつスチレン、モノハ
ロゲン化スチレンもしくはポリハロゲン化スチレンから
高シンジオタクチック性ポリスチレンまたはアリールエ
チレンポリマーを製造するための触媒組成物に関する。
【0012】前記R1、R2、R3およびR4はそれぞれ独
立してアルキル基、アリール基、シリル基、ゲルマニル
基、スタンニル基、水素原子およびハロゲン原子よりな
る群から選択されるのが好ましい。
【0013】また、前記R1、R2、R3およびR4がそれ
ぞれ独立してアルキル基、アリール基および水素原子よ
りなる群から選択されるのが好ましい。
【0014】また、前記R、R1、R2、R3、R4および
5がそれぞれ独立してメチル基および水素原子よりな
る群から選択されるのが好ましい。
【0015】また、前記R1およびR2が共同で1つのベ
ンゼン環を表わし、かつシクロペンタジエニル錯体が
式:
【0016】
【化9】
【0017】(式中、R6、R7、R8およびR9は、アル
キル基、アリール基、シリル基、ゲルマニウム基、スタ
ンニル基、水素原子またはハロゲン原子)で表わされる
のが好ましい。
【0018】また、前記R6、R7、R8およびR9がそれ
ぞれ独立してアルキル基、アリール基および水素原子よ
りなる群から選択されるのが好ましい。
【0019】また、前記R、R6、R7、R8およびR9
それぞれ独立してメチル基および水素原子よりなる群か
ら選択されるのが好ましい。
【0020】また、前記Rがメチル基および水素原子よ
りなる群から選択され、かつ前記R6、R7、R8および
9が水素原子であるのが好ましい。
【0021】また、前記R1およびR2が共同で1つのベ
ンゼン環を表わし、かつR3およびR4も共同で1つのベ
ンゼン環を表わし、さらに前記シクロペンタジエニル錯
体が式:
【0022】
【化10】
【0023】(式中、R6、R7、R8、R9、R10
11、R12およびR13はそれぞれ独立してアルキル基、
アリール基、シリル基、ゲルマニル基、スタンニル基、
水素原子またはハロゲン原子)で表わされるのが好まし
い。
【0024】また、前記R6、R7、R8、R9、R10、R
11、R12およびR13がそれぞれ独立してアルキル基、ア
リール基および水素原子よりなる群から選択されるのが
好ましい。
【0025】また、前記R、R6、R7、R8、R9
10、R11、R12およびR13がそれぞれ独立してメチル
基および水素原子よりなる群から選択されるのが好まし
い。
【0026】また、前記Rがメチル基および水素原子よ
りなる群から選択され、かつR6、R7、R8、R9
10、R11、R12およびR13が水素原子であるのが好ま
しい。
【0027】本発明はまた、式:
【0028】
【化11】
【0029】(式中、R5はアルキル基、アリール基、
シリル基、ゲルマニル基、スタンニル基、水素原子また
はハロゲン原子;R1およびR2はそれぞれ独立してアル
キル基、アリール基、シリル基、ゲルマニル基、スタン
ニル基、水素原子もしくはハロゲン原子、またはR1
よびR2は共同で1つのベンゼン環;R3およびR4はそ
れぞれ独立してアルキル基、アリール基、シリル基、ゲ
ルマニル基、スタンニル基、水素原子もしくはハロゲン
原子、またはR3およびR4は共同で1つのベンゼン環;
Rはアルキル基、アリール基、水素原子またはハロゲン
原子;Xは第12族元素であるケイ素原子、ゲルマニウ
ム原子または錫原子)で表わされるケイ素、ゲルマニウ
ムまたは錫のシクロペンタジエニル錯体にも関する。
【0030】前記R1、R2、R3およびR4がそれぞれ独
立してアルキル基、アリール基、シリル基、ゲルマニル
基、スタンニル基、水素原子およびハロゲン原子よりな
る群から選択されるのが好ましい。
【0031】また、前記R1およびR2が共同で1つのベ
ンゼン環を表わし、かつシクロペンタジエニル錯体が
式:
【0032】
【化12】
【0033】(式中、R6、R7、R8およびR9はアルキ
ル基、アリール基、シリル基、ゲルマニル基、スタンニ
ル基、水素原子またはハロゲン原子)によって表わされ
るのが好ましい。
【0034】また、前記R、R6、R7、R8およびR9
それぞれ独立してメチル基および水素原子よりなる群か
ら選択されるのが好ましい。
【0035】また、前記R1およびR2とが共同で1つの
ベンゼン環を表わし、かつR3およびR4も共同で1つの
ベンゼン環を表わし、さらに式:
【0036】
【化13】
【0037】(式中、R6、R7、R8、R9、R10
11、R12およびR13はアルキル基、アリール基、シリ
ル基、ゲルマニル基、スタンニル基、水素原子またはハ
ロゲン原子)で表わされるのが好ましい。
【0038】また、前記R、R6、R7、R8、R9
10、R11、R12およびR13がそれぞれ独立してメチル
基および水素原子よりなる群から選択されるのが好まし
い。
【0039】さらに本発明は、(a)(i)式:TiR1′
2′3′4′またはTiR1′2′3′(式中、R
1′、R2′、R3′およびR4′はそれぞれ独立してアル
キル基、アリール基、アルコキシル基、アリールオキシ
基、アミノ基またはハロゲン原子)で表わされ、シクロ
ペンタジエニル配位子を有さないチタン(III)または
チタン(IV)錯体0.1〜10モル; (ii)式:
【0040】
【化14】
【0041】(式中、R5はアルキル基、アリール基、
シリル基、ゲルマニル基、スタンニル基、水素原子また
はハロゲン原子;R1およびR2はそれぞれ独立してアル
キル基、アリール基、シリル基、ゲルマニル基、スタン
ニル基、水素原子もしくはハロゲン原子、またはR1
よびR2は共同で1つのベンゼン環;R3およびR4はそ
れぞれ独立してアルキル基、アリール基、シリル基、ゲ
ルマニル基、スタンニル基、水素原子もしくはハロゲン
原子、またはR3およびR4は共同で1つのベンゼン環;
Rはアルキル基、アリール基、水素原子またはハロゲン
原子;Xは第12族元素であるケイ素原子、ゲルマニウ
ム原子または錫原子)によって表わされるケイ素、ゲル
マニウムまたは錫のシクロペンタジエニル錯体0.1〜
10モル;および (iii)メチルアルミノキサン20〜10000モル、ま
たは非配位ルイス酸0.1〜20モルとトリアルキルア
ルミニウム100〜10000モルとの混合物である活
性化遷移金属共触媒からなる触媒組成物を調製し; (b)該触媒組成物と、スチレン、炭素数1〜12の置
換基をもつスチレン、モノハロゲン化スチレンまたはポ
リハロゲン化スチレンモノマーを反応容器に入れて重合
反応を実施し;ついで (c)該重合反応を停止してポリマーをうる;という工
程からなるスチレン、炭素数1〜12の置換基をもつス
チレン、モノハロゲン化スチレンもしくはポリハロゲン
化スチレンモノマーから高シンジオタクチック性ポリス
チレンまたはアリールエチレンポリマーを製造する触媒
方法にも関する。
【0042】このばあい、前記触媒組成物が、 (a)チタン(IV)またはチタン(III)錯体0.5〜
2モル; (b)ケイ素、ゲルマニウム、錫のシクロペンタジエニ
ル錯体1〜4モル;および (c)メチルアルミノキサン50〜1000モル、また
は非配位ルイス酸0.5〜4モルとトリアルキルアルミ
ニウム100〜1000モルとの混合物からなるのが好
ましい。
【0043】
【発明の実施の形態】本発明の触媒組成物は以下にあげ
る3種の主要成分からなっている。
【0044】(a)式: TiR1′2′3′4′ (式中、R1′、R2′、R3′およびR4′はそれぞれ独
立してアルキル基、アリール基、アルコキシル基、アリ
ールオキシ基、アミノ基またはハロゲン原子)によって
表わされる0.1〜10モルのチタン錯体。
【0045】(b)式:
【0046】
【化15】
【0047】(式中、R5はアルキル基、アリール基、
シリル基、ゲルマニル基、スタンニル基、水素原子また
はハロゲン原子、R1およびR2はそれぞれ独立してアル
キル基、アリール基、シリル基、ゲルマニル基、スタン
ニル基、水素原子もしくはハロゲン原子、またはR1
よびR2は共同で1つのベンゼン環、R3およびR4はそ
れぞれ独立してアルキル基、アリール基、シリル基、ゲ
ルマニル基、スタンニル基、水素原子もしくはハロゲン
原子、またはR3およびR4は共同で1つのベンゼン環、
Rはアルキル基、アリール基、水素原子またはハロゲン
原子、Xは第12族元素であるケイ素原子、ゲルマニウ
ム原子または錫原子)によって表わされる0.1〜10
モルのケイ素、ゲルマニウムまたは錫のシクロペンタジ
エニル錯体。
【0048】(c)20〜10000モルのメチルアル
ミノキサン、または0.1〜20モルの非配位ルイス酸
と100〜10000モルのトリアルキルアルミニウム
との混合物である活性化遷移金属共触媒(activated tr
ansitional metal co-catalyst)。
【0049】前記非配位ルイス酸はボレートであるのが
好ましく、たとえばN,N−ジメチルアニリニウムテト
ラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェ
ニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレート、ジアミルフェロセニウムテトラキス(ペ
ンタフルオロフェニル)ボレートなどがある。前記トリ
アルキルアルミニウムは、たとえばトリエチルアルミニ
ウムまたはテトライソブチルアルミニウムなどがある。
【0050】前述した本発明の触媒組成物のうち、好ま
しいものは、(a)0.5〜2モルのチタン(IV)また
はチタン(III)錯体、(b)1〜4モルのケイ素、ゲ
ルマニウムまたは錫のシクロペンタジエニル錯体、およ
び(c)50〜1000モルのメチルアルミノキサン、
または0.5〜4モルの非配位ルイス酸と100〜10
00モルのトリアルキルアルミニウムとの混合物からな
る触媒組成物である。
【0051】もし、活性化遷移金属共触媒が非配位ルイ
ス酸とトリアルキルアルミニウムとの混合物ならば、シ
クロペンタジエニル錯体の好ましい量は0.5〜2モル
である。
【0052】R1とR2が共同で1つのベンゼン環を表わ
すとき、本発明のシクロペンタジエニル錯体は式:
【0053】
【化16】
【0054】(式中、R6、R7、R8およびR9はアルキ
ル基、アリール基、シリル基、ゲルマニル基、スタンニ
ル基、水素原子またはハロゲン原子)で表わされる。
【0055】R1とR2が共同で1つのベンゼン環を表わ
し、かつR3とR4も共同で1つのベンゼン環を表わすと
き、本発明のシクロペンタジエニル錯体は式:
【0056】
【化17】
【0057】(式中、R6、R7、R8、R9、R10
11、R12およびR13はアルキル基、アリール基、シリ
ル基、ゲルマニル基、スタンニル基、水素原子またはハ
ロゲン原子)で表わされる。
【0058】本発明の触媒組成物のうち、前記(a)の
チタン(IV)錯体はチタン(III)錯体でもよく、この
ような実施態様ではチタン錯体は式: TiR1′2′3′ (式中、R1′、R2′およびR3′はそれぞれ独立して
アルキル基、アリール基、アルコキシル基、アリールオ
キシ基、アミノ基またはハロゲン原子)で表わされる。
【0059】本発明の触媒組成物の長所は、非常に安価
な化学品、すなわちTiR1′2′3′4′またはT
iR1′2′3を使用して、スチレンまたはその他の
アリールエチレンモノマーから効率的に高シンジオタク
チック性ポリスチレンを製造できることにある。TiR
1′2′3′4′とTiR1′2′3′のシンジオ
タクチック性ポリスチレンの製造における活性は高くな
いと大多数が考えていた。本発明にもとづけば、比較的
安価なコストで、公知のものと同様な活性とシンジオタ
クチック性を有する触媒組成物をうることができる。本
発明の触媒組成物のもう1つの長所は、空気や湿気に曝
されても劣化しにくいことである。シンジオタクチック
性ポリスチレンの製造に使用される触媒のほとんどは、
たとえばシクロペンタジエニルトリクロロチタンやシク
ロペンタジエニルトリメトキシチタンなどのシクロペン
タジエニル配位チタンを含有し、その活性は空気や湿気
に非常に敏感である。したがって本発明によれば、高活
性、高安定性、高貯蔵性、低コストなどの長所を備えた
改良された触媒組成物を提供し、高シンジオタクチック
性ポリスチレンを製造することができる。
【0060】本発明は、高シンジオタクチック性ポリス
チレンを製造する際の触媒組成物および該触媒組成物を
利用した重合法を提供するものである。該触媒組成物は
従来の高価格の成分に代えて安価な原料を使用してお
り、そのため触媒のコストを引き下げ、また同時に高価
格の商品と匹敵しうる高活性、高シンジオタクチック性
を達成する。
【0061】本発明の触媒組成物は以下にあげる3種の
主要成分(a)〜(c)からなっている。
【0062】(a)式: TiR1′2′3′4′ (式中、R1′、R2′、R3′およびR4′はそれぞれ独
立してアルキル基、アリール基、アルコキシル基、アリ
ールオキシ基、アミノ基またはハロゲン原子)によって
表わされる0.1〜10モルのチタン錯体。
【0063】本発明の触媒組成物においては、前記
(a)のチタン(IV)錯体はチタン(III)錯体であって
もよく、このばあい、チタン錯体は式: TiR1′2′3′ (式中、R1′、R2′およびR3′はそれぞれ独立して
アルキル基、アリール基、アルコキシル基、アリールオ
キシ基、アミノ基またはハロゲン原子)を用いて表わさ
れる。
【0064】(b)式:
【0065】
【化18】
【0066】(式中、R5はアルキル基、アリール基、
シリル基、ゲルマニル基、スタンニル基、水素原子また
はハロゲン原子、R1およびR2はそれぞれ独立してアル
キル基、アリール基、シリル基、ゲルマニル基、スタン
ニル基、水素原子もしくはハロゲン原子、またはR1
よびR2は共同で1つのベンゼン環、R3およびR4はそ
れぞれ独立してアルキル基、アリール基、シリル基、ゲ
ルマニル基、スタンニル基、水素原子もしくはハロゲン
原子、またはR3およびR4は共同で1つのベンゼン環、
Rはアルキル基、アリール基、水素原子またはハロゲン
原子、Xは第12族元素であるケイ素原子、ゲルマニウ
ム原子または錫原子)によって表わされる0.1〜10
モルのケイ素、ゲルマニウムまたは錫のシクロペンタジ
エニル錯体。
【0067】R1およびR2が共同で1つのベンゼン環を
表わすばあい、本発明のシクロペンタジエニル錯体は
式:
【0068】
【化19】
【0069】(式中、R6、R7、R8およびR9はアルキ
ル基、アリール基、シリル基、ゲルマニル基、スタンニ
ル基、水素原子またはハロゲン原子)で表わされる。
【0070】また、R1およびR2が共同で1つのベンゼ
ン環を表わし、かつR3およびR4も共同で1つのベンゼ
ン環を表わすとき、本発明のシクロペンタジエニル錯体
は式:
【0071】
【化20】
【0072】(式中、R6、R7、R8、R9、R10
11、R12およびR13はアルキル基、アリール基、シリ
ル基、ゲルマニル基、スタンニル基、水素原子またはハ
ロゲン原子)で表わされる。
【0073】(c)20〜10000モルのメチルアル
ミノキサン、または0.1〜20モルの非配位ルイス酸
と100〜10000モルのトリアルキルアルミニウム
との混合物である活性化遷移金属共触媒。上述の非配位
ルイス酸はボレートであるのが好ましく、たとえばN,
N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロ
フェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラ
キス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジアミルフ
ェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボ
レートなどがある。上述のトリアルキルアルミニウムと
しては、たとえばトリエチルアルミニウムまたはテトラ
イソブチルアルミニウムなどがある。
【0074】以上に述べたように、本発明の触媒組成物
の長所は、非常に安価な化学品(チタノセンに比べ
て)、すなわちTiR1′2′3′4′またはTiR
1′2′3′を使用して、スチレンまたはその他のア
リールエチレンモノマーから効率的に高シンジオタクチ
ック性ポリスチレンを製造できることにある。以前は、
TiR1′2′3′4′とTiR1′2′3′の、
シンジオタクチック性ポリスチレンの製造における活性
は高くないと大多数が考えていた。本発明によれば、比
較的安価なコストで公知のものと同様かまたはそれを上
回る結果がえられ、ほとんど一桁コストを引き下げるこ
とができる。シンジオタクチック性ポリスチレンの製造
に使用される触媒(チタノセン)は、大部分がたとえば
シクロペンタジエニルトリクロロチタンやシクロペンタ
ジエニルトリメトキシチタンなどのシクロペンタジエニ
ル配位チタンを含有する物質であり、その活性は空気や
湿気などの環境変数に非常に敏感である。本発明の触媒
組成物のもう1つの長所は、空気や湿気に曝されても劣
化しにくいことである。したがって本発明は、高活性、
高安定性、低コストなどの長所を備えた改良された触媒
組成物を提供し、高シンジオタクチック性ポリスチレン
を製造することができる。
【0075】図1に、本発明の方法において、好ましい
方法の工程を説明するためのフローチャートを示す。5
0℃に維持した重合反応容器に窒素ガスを入れて空気を
パージし、110mlのトルエンと適量のメチルアルミ
ノキサンを反応容器に入れ、続いてシクロペンタジエニ
ルトリメチルシリコン錯体とチタン(IV)錯体TiR
1′2′3′4′を加える。上述の混合物を5分間攪
拌した後スチレンモノマーを加え、重合反応を開始す
る。約1時間後、重合反応が完了したら、イソフタル酸
(IPA)を加えて反応を停止させ、シンジオタクチッ
ク性ポリスチレン(sPS)を沈殿させ分離する。えら
れた物質をさらにメチルエチルケトン(MEK)を利用
して抽出することにより無定型のポリスチレンを除去す
る。不溶部分はMIP(MEK不溶部分)と呼ばれ、s
PSとaPSとのあいだの比率を表わしている。
【0076】
【実施例】以下に好ましい実施例を用いて、本発明の目
的、特徴、そして長所をより明確に分かり易く説明する
が、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
【0077】実施例1 スチレンの重合反応は、電気駆動攪拌装置を備えた45
0mlのフィッシャーポーター・ボトルのなかで行なっ
た。該反応容器に先ず100mlのトルエンを入れ、反
応温度を70℃まで上昇させた。ついでメチルアルミノ
キサン(MAO、6.6ミリモルのAlを含む)を入れ
た後、続いて0.75mlのClTi(O−iPr)3
(トルエン中の濃度は1.6×10-2M)およびテトラ
メチルシクロペンタジエニルトリメチルシリコン(トル
エン中の濃度は1.6×10-2M)を加え、最後に20
mlのスチレンモノマーを加えて重合反応を開始した。
重合反応は70℃の温度の下で1時間実施し、その後メ
タノールを加えて反応を終了させ、ろ過分離および乾燥
(80℃の温度の下で)を経て11.35gのsPSポ
リマー(触媒活性=2.0×104g sPS/g Ti
・hr、1時間あたり1gのTi錯体で生成したsPS
のグラム数)をえた。
【0078】該sPSポリマーはNMR分析によると、
そのシンジオタクチック性が98%に達していた。ま
た、メチルエチルケトンを用いたソックスレー抽出操作
を行なってaPS/sPS比率を測定したところ、sP
Sポリマーのメチルエチルケトンに対する不溶解比率は
92%(MIP=92%)であった。
【0079】比較例1 テトラメチルシクロペンタジエニルトリメチルシリコン
を省いたこと以外は実施例1と同様のスチレン重合反応
を行なった。該比較例で使用される触媒組成物は6.6
ミリモルのAlを含むメチルアルミノキサンと0.75
mlのClTi(O−iPr)3(トルエン中の濃度は
1.6×10-2M)だけである。重合反応を実施した
後、メタノールを加えて沈殿、ろ過し、乾燥させ、0.
42gのsPSポリマーをえた、触媒活性は8.5×1
2g sPs/g Ti・hrであった。
【0080】実施例2 100mlのトルエンを電気駆動攪拌装置を備えた45
0mlのフィッシャーポーター・ボトルに入れた。まず
反応容器を70℃に加熱した後、メチルアルミノキサン
(MAO、6.6ミリモルのAlを含む)を、続いて
0.75mlのClTi(O−iPr)3(トルエン中
の濃度は1.6×10-2M)およびテトラメチルシクロ
ペンタジエニルトリn−ブチル錫(トルエン中の濃度は
1.6×10−2M)を加え、最後に20mlのスチレ
ンモノマーを加えて重合反応を開始した。重合反応を7
0℃の温度の下で1時間実施し、その後メタノールを加
えて反応を終了させた。沈殿したsPSの白色粒子をろ
過、分離し、さらに減圧、乾燥(80℃の温度の下で)
を経て3.42gのsPSポリマーをえた。触媒活性は
6.0×103g sPs/g Ti・hrであった。
【0081】実施例3 100mlのトルエンを電気駆動攪拌装置を備えた45
0mlのフィッシャーポーター・ボトルに入れた。まず
反応容器を70℃に加熱した後、1.21mlのTIB
A(4.8×10-3モル)と0.012gのN,N−ジ
メチルアニリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレート(1.4×10-5モル)を加え、さらに
0.75mlのテトラエトキシチタン(Ti(OEt)
4、トルエン中の濃度は1.6×10-2M)および0.
75mlのテトラメチルシクロペンタジエニルトリメチ
ルシリコン(トルエン中の濃度は1.6×10-2M)を
加え、最後に20mlのスチレンを加えて70℃の温度
下で重合反応を実施した。1時間後にメタノールを加え
て反応を終了させ、生成したsPSの白色粒子をろ過、
分離し、さらに減圧、乾燥(80℃の温度の下で)を経
て7.24gのsPSポリマーをえた。触媒活性は1.
3×104g sPs/g Ti・hrであった。
【0082】実施例4 100mlのトルエンを電気駆動攪拌装置を備えた45
0mlのフィッシャーポーター・ボトルに入れ、メチル
アルミノキサン(MAO、12ミリモルのAlを含む)
を加えた。次に反応容器を70℃に加熱し、2.4×1
0−5モルのClTi(O−iPr)3および2.4×
10-5モルのテトラメチルシクロペンタジエニルトリメ
チルシリコンを加えて重合反応を開始した。70℃の温
度の下で20分間反応を実施した後、過剰量のメタノー
ルを加えて反応を終了させ、沈殿したsPSの白色粒子
をろ過、分離し、さらに減圧、乾燥(80℃の温度の下
で)を経て23.34gのsPSポリマー(mp=26
9℃)をえた。触媒活性は6.1×104g sPs/
g Ti・hrであった。
【0083】実施例5 50mlのトルエンを電気駆動攪拌装置を備えた450
mlのフィッシャーポーター・ボトルに入れ、メチルア
ルミノキサン(MAO、12ミリモルのAlを含む)を
加えた。続いて反応容器を70℃に加熱した後、2.4
×10-5モルのClTi(O−iPr)3および2.4
×10-5モルのテトラメチルシリルインデンを加えて重
合反応を開始した。重合反応を70℃の温度の下で20
分間実施し、その後過剰量のメタノールを加えて反応を
終了させ、沈殿したsPSの白色粒子をろ過、分離し、
さらに減圧、乾燥(80℃の温度の下で)を経て23.
304gのsPSポリマー(mp=268℃、シンジオ
タクチック性>95%)をえた。触媒活性は2.2×1
4g sPs/g Ti・hrであった。
【0084】500mlのトルエンを電気駆動攪拌装置
を備えた1リットルのフィッシャーポーター・ボトルに
入れ、メチルアルミノキサン(MAO、12ミリモルの
Alを含む)を加えた。続いて反応容器を70℃に加熱
した後、トルエンに溶解している2.4×10-5モルの
ClTi(O−iPr)3および2.4×10-5モルの
ペンタメチルシクロペンタジエニルトリメチルシリコン
を加えて重合反応を開始した。重合反応を70℃の温度
の下で1時間実施し、その後過剰量のメタノールを加え
て反応を終了させ、沈殿したsPSの白色粒子をろ過、
分離し、さらに減圧、乾燥を経て92.6gのsPSポ
リマー(mp=270℃)をえた。触媒活性は8.1×
104g sPs/g Ti・hrであった。
【0085】実施例7 500mlのトルエンを電気駆動攪拌装置を備えた1リ
ットルのフィッシャーポーター・ボトルに入れ、メチル
アルミノキサン(MAO、12ミリモルのAlを含む)
を加えた。続いて反応容器を50℃に加熱した後、トル
エンに溶解している2.4×10-5モルのClTi(O
−iPr)3および2.4×10-5モルのシクロペンタ
ジエニルトリメチルシリコンを加えて重合反応を開始し
た。重合反応を50℃の温度の下で1時間実施し、その
後過剰量のメタノールを加えて反応を終了させ、沈殿し
たsPSの白色粒子をろ過、分離し、さらに減圧、乾燥
を経て10.2gのsPSポリマー(mp=260℃)
をえた。触媒活性は8.9×103g sPs/g T
i・hrであった。
【0086】実施例8 500mlのトルエンを電気駆動攪拌装置を備えた1リ
ットルのフィッシャーポーター・ボトルに入れ、メチル
アルミノキサン(MAO、12ミリモルのAlを含む)
を加えた。続いて反応容器を60℃に加熱した後、トル
エンに溶解している2.4×10-5モルのClTi(O
−iPr)3および2.4×10-5モルのトリメチルシ
リルインデンを加えて重合反応を開始した。重合反応を
60℃の温度の下で1時間実施し、その後過剰量のメタ
ノールを加えて反応を終了させ、沈殿したsPSの白色
粒子をろ過、分離し、さらに減圧、乾燥を経て18.6
gのsPSポリマー(mp=270℃)をえた。触媒活
性は1.6×104g sPs/g Ti・hrであっ
た。
【0087】実施例9 500mlのトルエンを電気駆動攪拌装置を備えた1リ
ットルのフィッシャーポーター・ボトルに入れ、メチル
アルミノキサン(MAO、12ミリモルのAlを含む)
を加えた。続いて反応容器を60℃に加熱した後、トル
エンに溶解している2.4×10-5モルのClTi(O
−iPr)3および同じくトルエンに溶解している2.
4×10-5モルのテトラメチルシクロペンタジエニルト
リメチル錫を加えて重合反応を開始する。重合反応を6
0℃の温度の下で30分間実施し、その後過剰量のメタ
ノールを加えて反応を終了させ、沈殿したsPSの白色
粒子をろ過、分離し、さらに減圧、乾燥を経て6.6g
のsPSポリマー(mp=270℃)をえた。触媒活性
は1.1×104g sPs/g Ti・hrであっ
た。
【0088】実施例10 500mlのトルエンを電気駆動攪拌装置を備えた1リ
ットルのフィッシャーポーター・ボトルに入れ、メチル
アルミノキサン(MAO、12ミリモルのAlを含む)
を加えた。続いて反応容器を60℃に加熱した後、トル
エンに溶解している2.4×10-5モルのClTi(O
−iPr)3および同じくトルエンに溶解している2.
4×10-5モルのトリメチルインデン錫を加えて重合反
応を開始した。重合反応を60℃の温度の下で30分間
実施し、その後過剰量のメタノールを加えて反応を終了
させ、沈殿したsPSの白色粒子をろ過、分離し、さら
に減圧、乾燥を経て2.9gのsPSポリマー(mp=
270℃)をえた。触媒活性は5.0×103g sP
s/g Ti・hrであった。
【0089】実施例11 500mlのトルエンを電気駆動攪拌装置を備えた1リ
ットルのフィッシャーポーター・ボトルに入れ、メチル
アルミノキサン(MAO、12ミリモルのAlを含む)
を加えた。反応容器を70℃に加熱した後、2.9×1
-5モルのN,N−ジメチルアニリウムテトラキス(ペ
ンタフルオロフェニル)ボレート((PhNMe2H)+
[B(C654-)を加え、続いてトルエンに溶解し
ている2.4×10-5モルのテトラエトキシチタン(T
i(OEt)4)および2.4×10-5モルのペンタメ
チルシクロペンタジエニルトリメチルシリコンを加えて
重合反応を開始した。重合反応を70℃の温度の下で1
時間実施し、その後過剰量のメタノールを加えて反応を
終了させ、沈殿したsPSの白色粒子をろ過、分離し、
さらに減圧、乾燥を経て31.7gのsPSポリマー
(mp=270℃)をえた。触媒活性は2.8×104
g sPs/g Ti・hrであった。
【0090】実施例12 500mlのトルエンを電気駆動攪拌装置を備えた1リ
ットルのフィッシャーポーター・ボトルに入れ、トルエ
ンに溶解しているトリイソブチルアルミニウム(12ミ
リモルのAlを含む)を加えた。反応容器を60℃に加
熱した後、2.9×10-5モルのN,N−ジメチルアニ
リウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート
を加え、続いてトルエンに溶解している2.4×10-5
モルのテトラエトキシチタンおよび2.4×10-5モル
のテトラメチルシクロペンタジエニルトリメチルシリコ
ンを加えて重合反応を開始した。重合反応を60℃の温
度の下で30分間実施し、その後過剰量のメタノールを
加えて反応を終了させ、沈殿したsPSの白色粒子をろ
過、分離し、さらに減圧、乾燥を経て8.2gのsPS
ポリマー(mp=270℃)をえた。触媒活性は1.4
×104g sPs/gTi・hrであった。
【0091】以上に好ましい実施例を開示したが、決し
て本発明の範囲を限定するものではなく、当該技術に熟
知した者ならば誰でも、本発明の精神と領域を脱しない
範囲内で各種の変動や潤色を加えられるべきであって、
従って本発明の保護範囲は特許請求の範囲で指定した内
容を基準とする。
【0092】
【発明の効果】本発明によれば、高シンジオタクチック
性ポリスチレン製造用の触媒組成物であって、低コスト
で高い触媒活性および高シンジオタクチック性を有する
触媒組成物をうることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい方法を説明するためのフロー
チャートである。

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)式:TiR1′2′3′4′
    たはTiR1′2′3′(式中、R1′、R2′、R3′
    およびR4′はそれぞれ独立してアルキル基、アリール
    基、アルコキシル基、アリールオキシ基、アミノ基また
    はハロゲン原子)で表わされ、シクロペンタジエニル配
    位子を有さないチタン(III)またはチタン(IV)錯体
    0.1〜10モル; (b)式: 【化1】 (式中、R5はアルキル基、アリール基、シリル基、ゲ
    ルマニル基、スタンニル基、水素原子またはハロゲン原
    子;R1およびR2はそれぞれ独立してアルキル基、アリ
    ール基、シリル基、ゲルマニル基、スタンニル基、水素
    原子もしくはハロゲン原子、またはR1およびR2は共同
    で1つのベンゼン環;R3およびR4はそれぞれ独立し
    て、アルキル基、アリール基、シリル基、ゲルマニル
    基、スタンニル基、水素原子もしくはハロゲン原子、ま
    たはR3およびR4は共同で1つのベンゼン環;Rはアル
    キル基、アリール基、水素原子またはハロゲン原子;X
    は第14族元素であるケイ素原子、ゲルマニウム原子ま
    たは錫原子)によって表わされるケイ素、ゲルマニウム
    または錫のシクロペンタジエニル錯体0.1〜10モ
    ル;および (c)メチルアルミノキサン20〜10000モル、ま
    たは非配位ルイス酸0.1〜20モルとトリアルキルア
    ルミニウム100〜10000モルとの混合物である活
    性化遷移金属共触媒からなる触媒組成物であって、スチ
    レン、炭素数1〜12の置換基をもつスチレン、モノハ
    ロゲン化スチレンもしくはポリハロゲン化スチレンから
    高シンジオタクチック性ポリスチレンまたはアリールエ
    チレンポリマーを製造するための触媒組成物。
  2. 【請求項2】 前記R1、R2、R3およびR4がそれぞれ
    独立してアルキル基、アリール基、シリル基、ゲルマニ
    ル基、スタンニル基、水素原子およびハロゲン原子より
    なる群から選択される請求項1記載の触媒組成物。
  3. 【請求項3】 前記R1、R2、R3およびR4がそれぞれ
    独立してアルキル基、アリール基および水素原子よりな
    る群から選択される請求項1記載の触媒組成物。
  4. 【請求項4】 前記R、R1、R2、R3、R4およびR5
    がそれぞれ独立してメチル基および水素原子よりなる群
    から選択される請求項1記載の触媒組成物。
  5. 【請求項5】 前記R1およびR2が共同で1つのベンゼ
    ン環を表わし、かつシクロペンタジエニル錯体が式: 【化2】 (式中、R6、R7、R8およびR9は、アルキル基、アリ
    ール基、シリル基、ゲルマニウム基、スタンニル基、水
    素原子またはハロゲン原子)で表わされる請求項1記載
    の触媒組成物。
  6. 【請求項6】 前記R6、R7、R8およびR9がそれぞれ
    独立してアルキル基、アリール基および水素原子よりな
    る群から選択される請求項5記載の触媒組成物。
  7. 【請求項7】 前記R、R6、R7、R8およびR9がそれ
    ぞれ独立してメチル基および水素原子よりなる群から選
    択される請求項5記載の触媒組成物。
  8. 【請求項8】 前記Rがメチル基および水素原子よりな
    る群から選択され、かつ前記R6、R7、R8およびR9
    水素原子である請求項5記載の触媒組成物。
  9. 【請求項9】 前記R1およびR2が共同で1つのベンゼ
    ン環を表わし、かつR3およびR4も共同で1つのベンゼ
    ン環を表わし、さらに前記シクロペンタジエニル錯体が
    式: 【化3】 (式中、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12および
    13はそれぞれ独立してアルキル基、アリール基、シリ
    ル基、ゲルマニル基、スタンニル基、水素原子またはハ
    ロゲン原子)で表わされる請求項1記載の触媒組成物。
  10. 【請求項10】 前記R6、R7、R8、R9、R10
    11、R12およびR13がそれぞれ独立してアルキル基、
    アリール基および水素原子よりなる群から選択される請
    求項9記載の触媒組成物。
  11. 【請求項11】 前記R、R6、R7、R8、R9、R10
    11、R12およびR13がそれぞれ独立してメチル基およ
    び水素原子よりなる群から選択される請求項9記載の触
    媒組成物。
  12. 【請求項12】 前記Rがメチル基および水素原子より
    なる群から選択され、かつR6、R7、R8、R9、R10
    11、R12およびR13が水素原子である請求項9記載の
    触媒組成物。
  13. 【請求項13】 式: 【化4】 (式中、R5はアルキル基、アリール基、シリル基、ゲ
    ルマニル基、スタンニル基、水素原子またはハロゲン原
    子;R1およびR2はそれぞれ独立してアルキル基、アリ
    ール基、シリル基、ゲルマニル基、スタンニル基、水素
    原子もしくはハロゲン原子、またはR1およびR2は共同
    で1つのベンゼン環;R3およびR4はそれぞれ独立して
    アルキル基、アリール基、シリル基、ゲルマニル基、ス
    タンニル基、水素原子もしくはハロゲン原子、またはR
    3およびR4は共同で1つのベンゼン環;Rはアルキル
    基、アリール基、水素原子またはハロゲン原子;Xは第
    12族元素であるケイ素原子、ゲルマニウム原子または
    錫原子)で表わされるケイ素、ゲルマニウムまたは錫の
    シクロペンタジエニル錯体。
  14. 【請求項14】 前記R1、R2、R3およびR4がそれぞ
    れ独立してアルキル基、アリール基、シリル基、ゲルマ
    ニル基、スタンニル基、水素原子およびハロゲン原子よ
    りなる群から選択される請求項13記載のシクロペンタ
    ジエニル錯体。
  15. 【請求項15】 前記R1およびR2が共同で1つのベン
    ゼン環を表わし、かつシクロペンタジエニル錯体が式: 【化5】 (式中、R6、R7、R8およびR9はアルキル基、アリー
    ル基、シリル基、ゲルマニル基、スタンニル基、水素原
    子またはハロゲン原子)によって表わされる請求項13
    記載のシクロペンタジエニル錯体。
  16. 【請求項16】 前記R、R6、R7、R8およびR9がそ
    れぞれ独立してメチル基および水素原子よりなる群から
    選択される請求項15記載のシクロペンタジエニル錯
    体。
  17. 【請求項17】 前記R1およびR2とが共同で1つのベ
    ンゼン環を表わし、かつR3およびR4も共同で1つのベ
    ンゼン環を表わし、さらに式: 【化6】 (式中、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12および
    13はアルキル基、アリール基、シリル基、ゲルマニル
    基、スタンニル基、水素原子またはハロゲン原子)で表
    わされる請求項13記載のシクロペンタジエニル錯体。
  18. 【請求項18】 前記R、R6、R7、R8、R9、R10
    11、R12およびR13がそれぞれ独立してメチル基およ
    び水素原子よりなる群から選択される請求項13記載の
    シクロペンタジエニル錯体。
  19. 【請求項19】 (a)(i)式:TiR1′2′3′
    4′またはTiR1′2′3′(式中、R1′、R2′
    3′およびR4′はそれぞれ独立してアルキル基、アリ
    ール基、アルコキシル基、アリールオキシ基、アミノ基
    またはハロゲン原子)で表わされ、シクロペンタジエニ
    ル配位子を有さないチタン(III)またはチタン(IV)
    錯体0.1〜10モル; (ii)式: 【化7】 (式中、R5はアルキル基、アリール基、シリル基、ゲ
    ルマニル基、スタンニル基、水素原子またはハロゲン原
    子;R1およびR2はそれぞれ独立してアルキル基、アリ
    ール基、シリル基、ゲルマニル基、スタンニル基、水素
    原子もしくはハロゲン原子、またはR1およびR2は共同
    で1つのベンゼン環;R3およびR4はそれぞれ独立して
    アルキル基、アリール基、シリル基、ゲルマニル基、ス
    タンニル基、水素原子もしくはハロゲン原子、またはR
    3およびR4は共同で1つのベンゼン環;Rはアルキル
    基、アリール基、水素原子またはハロゲン原子;Xは第
    12族元素であるケイ素原子、ゲルマニウム原子または
    錫原子)によって表わされるケイ素、ゲルマニウムまた
    は錫のシクロペンタジエニル錯体0.1〜10モル;お
    よび (iii)メチルアルミノキサン20〜10000モル、ま
    たは非配位ルイス酸0.1〜20モルとトリアルキルア
    ルミニウム100〜10000モルとの混合物である活
    性化遷移金属共触媒からなる触媒組成物を調製し; (b)該触媒組成物と、スチレン、炭素数1〜12の置
    換基をもつスチレン、モノハロゲン化スチレンまたはポ
    リハロゲン化スチレンモノマーを反応容器に入れて重合
    反応を実施し;ついで (c)該重合反応を停止してポリマーをうる;という工
    程からなるスチレン、炭素数1〜12の置換基をもつス
    チレン、モノハロゲン化スチレンもしくはポリハロゲン
    化スチレンモノマーから高シンジオタクチック性ポリス
    チレンまたはアリールエチレンポリマーを触媒により製
    造する方法。
  20. 【請求項20】 前記触媒組成物が、 (a)チタン(IV)またはチタン(III)錯体0.5〜
    2モル; (b)ケイ素、ゲルマニウム、錫のシクロペンタジエニ
    ル錯体1〜4モル;および (c)メチルアルミノキサン50〜1000モル、また
    は非配位ルイス酸0.5〜4モルとトリアルキルアルミ
    ニウム100〜1000モルとの混合物からなる請求項
    19記載の触媒による製造方法。
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