JPH11170946A - エアバッグ折り畳み装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 偏平襞折りされたエアバッグを機械装置を用
いてコンパクトに横折りすること及び機械装置で横折り
された各エアバッグがエアバッグ装置の働きにより展開
されるときは、円滑かつ確実に展開されるように、規制
的な折り畳みを可能ならしめること。 【解決手段】 偏平状に襞折りされた帯長のエアバッグ
を水平状態で載置し、かつこのエアバッグの開口に取付
けられているインフレータ２を避けるインフレータ落し
孔５を中央部に設けているテーブル４と、該テーブル４
の中央部上方位置で該テーブル４と平行に配置されてい
る折り幅規制プレート６と、該折り幅規制プレート６を
上下に往復動せしめるための折り幅規制プレート作動機
構８と、上記テーブルに設けられているインフレータ落
し孔５を境として、そのテーブル４に載置したエアバッ
グ１の長手方向に対設される双方の横折りユニット１０
とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、自動車に設備され
るエアバッグ装置に用いられるエアバッグを、所望の定
形に機械的かつ自動的に折り畳むためのエアバッグ折り
畳み装置であって、インフレータ取付開口（ガス吹込み
用開口）の幅と略同幅にかつ偏平縦長状に縦折りされた
エアバッグを、さらに縦長方向に対し直交する横方向の
折り線に沿って上記開口側に蛇腹状に折り畳む横折りの
ためのエアバッグ折り畳み装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】自動車の衝突事故等の際に運転者や同乗
者への衝突時のショックを吸収する安全装置として、い
わゆるエアバッグ装置が広く普及しつつある。このよう
なエアバッグ装置は周知の通り、衝突時の衝撃を感知し
て噴出する圧縮空気により、ステアリングホイールの中
央やダッシュボードの上部に収納されたエアバッグが瞬
時に膨張し、これにより運転者又は同乗者へのショック
が吸収されるように設定されている。

【０００３】上記のエアバッグは、一般的に６−６ナイ
ロン等からなる基布を用いて縫製されており、そのエア
バッグのタイプを大別すると２ピースタイプと３ピース
タイプに区分けされる。上記２ピースタイプのエアバッ
グは、上布材と下布材との２部材を、互いの周縁で縫い
合せて袋形状となしたものであり、また３ピースタイプ
は、帯状中央布と一対の側面布との３部材からなってお
り、帯状中央布を略Ｕ字状に折り曲げその両側に一対の
側面布を縫い合わせて、略四角錐形の袋形状となしたも
のである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところでこのようなエ
アバッグは、所定のエアバッグ装置内にコンパクトに収
納されなければならず、その反面車両の衝突事故時等の
衝撃発生時には、そのエアバッグ装置内から瞬時に膨張
して搭乗者を、その衝撃から守らなければならない。従
って、このエアバッグをエアバッグ装置内に収納するに
際しては、該エアバッグを乱雑に畳み込んだのでは、瞬
時の膨張に支障を起すおそれがあり、またコンパクトに
することも不可能である。

【０００５】そこで従来においては、縫製されたエアバ
ッグを所定のテンプレート等を用いて規則的に折り畳む
という複雑な作業を手作業で行なっているために多大な
る手間と費用がかかり、経済性、生産性の点でも不具合
があった。特にエアバッグ装置の普及が進んでいる現在
では、上記エアバッグの折り畳み作業の自動化及び効率
化が要求されてきた。

【０００６】またエアバッグをコンパクトに折り畳む手
順としては偏平状となしたエアバッグを、先ずは縦折り
して所望幅に折り畳み、次いでその縦折りされたエアバ
ッグをその長手方向と直交する蛇腹状に横折りしている
のが一般的であるが、特に上記のコンパクト化を目的と
する折り畳みに際しては、上記の縦折り時において、エ
アバッグ内に存在する空気が完全に排出されて偏平化さ
れていること、及び縦折りされるエアバッグの表面に重
ね皺等が生じることなくそのエアバッグ表面が、平坦面
であること等が要求される。

【０００７】本発明は、上記の各要求に答えるためにな
されたもので、特に偏平襞折り（縦折り）された後の例
えば２ピースタイプ及び３ピースタイプのエアバッグを
コンパクト形状に横折りすることを機械装置を用いて自
動的に折り畳むこと、及び機械装置で横折りされた各エ
アバッグがエアバッグ装置の働きにより展開されるとき
は、円滑かつ確実に展開されるように、規則的な折り畳
みを可能ならしめるエアバッグの折り畳み装置の提供を
目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、インフレータ取付用開口の開口幅と略
同幅にかつ偏平縦長に襞折りされたエアバッグを、該縦
長方向と直交する横方向の折り線に沿って、上記開口側
へ蛇腹状に折り畳む横折りのためのエアバッグ折り畳み
装置であって、該エアバッグ折り畳み装置は、偏平状に
襞折りされた帯長のエアバッグを水平状態で載置し、か
つ上記開口に取付けられているインフレータ（ディフュ
ーザを含む）を避けるインフレータ落し孔を中央部に設
けているテーブルと、該テーブルの中央部上方位置で、
該テーブルと平行に配置されている折り幅規制プレート
と、該折り幅規制プレートを上下に往復動せしめるため
の折り幅規制プレート作動機構と、上記テーブルに設け
られているインフレータ落し孔を境として、そのテーブ
ルに載置したエアバッグの長手方向に対設される双方の
横折りユニットとからなり、該双方の横折りユニット
は、テーブルの上方で該テーブルと平行に配置されてい
る押えプレート及び該押えプレートを上下に往復動せし
めるための押えプレート作動機構と、テーブル上に載置
されているエアバッグの幅方向両側端縁部を挟持するそ
れぞれのチャック及び該チャックをエアバッグの側端縁
部を挟持し、かつ挟持したままで１８０度反転せしめ
て、エアバッグを横折りするためのチャック作動機構
と、上記チャックによるエアバッグの横折り動作時のエ
アバッグに対して、上記のテーブルと協同して適宜のテ
ンションを付加せしめるためのテンションプレート及び
該テンションプレートを上下に往復動せしめるためのテ
ンションプレート作動機構と、テーブルの下方で上記押
えプレートと平行に配置されるプレスサポートプレート
及び該プレスサポートプレートを上昇させて、上記の押
えプレートと協同して、横折りされているエアバッグを
プレスさせるためのプレスサポート板作動機構とからな
るエアバッグ折り畳み装置であることを特徴としてい
る。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下に本発明を図面に示す実施形
態に基いて詳細に説明する。既に偏平に襞折り（縦折
り）されているエアバッグ１は、図１で示すように帯長
に折り畳まれており、そのエアバッグ１の中央部下面に
は、インフレータ２を取付けるための開口３が、そのエ
アバッグ１の幅方向に長く形成されている。本発明はこ
のエアバッグ１をその幅方向に平行である折り線ａ、
ｂ、ｃ、ｄ、ｅ、ｆ、ｇ及びａ’、ｂ’、ｃ’、ｄ’、
ｅ’、ｆ’、ｇ’に沿って開口３を境として対称に機械
作業で横折りして図２で示すような折り畳みを行ない、
次いでこの折り畳みエアバッグの左右それぞれの横折り
部を手作業で内方向へ９０度折り曲げて図３で示す如く
コンパクトに折り畳まれたエアバッグを得ることを目的
とする。

【００１０】そこで上記エアバッグ１を横折りするため
の装置について図４及び図５で説明する。

【００１１】４は、水平に位置されているテーブルであ
って、このテーブル４の中央部には、上記エアバッグ１
の開口３に取付けられているインフレータ２を避けてエ
アバッグ１をテーブル４上で平に載置せしめるためのイ
ンフレータ落し孔５が形成されている。

【００１２】６は、テーブル４上の中央部で、そのテー
ブル４と平行に配置されているプレス兼用の折り幅規制
プレートであって、この折り幅規制プレート６は、ブラ
ケット７を介して、折り幅規制プレート作動機構８であ
る例えばエアシリンダのピストン軸９に吊持されてお
り、その折り幅規制プレート作動機構８の駆動力により
折り幅規制プレート６は、その水平状態を維持しなが
ら、上下方向に往復動させることができる。

【００１３】上記テーブル４の中央に設けられているイ
ンフレータ落し孔５を境として、該テーブル４上に載置
される帯長エアバッグ１の長手方向に対設する一対の横
折りユニット１０が設けられているが、これら双方の横
折りユニット１０は、対称同一構造及び同一動作である
ので、図面ではその一方の横折りユニット１０のみを図
示して説明する。

【００１４】つまりこの横折りユニット１０は、上記の
ブラケット７の側面に支持されて垂直方向に動作するピ
ストン軸１１を有する押えプレート作動機構１２及びそ
のピストン軸１１の下端に取付けられており、かつテー
ブル４と平行に設けられている押えプレート１３と、上
記テーブル４上に載置されているエアバッグ１の幅方向
両端部を上下から挟持する両側２対のチャック１４及び
上記エアバッグ１をその上下から挟持したままのチャッ
ク１４をエアバッグ１の長手方向へ１８０度回動せしめ
るためのチャック作動機構１５と、上記テーブル４上に
載置されているエアバッグ１を、そのテーブル４と協同
して緩やかに押圧して、エアバッグの横折り持における
エアバッグに適宜のテンションを付与せしめるためのテ
ンションプレート１６及びそのテンションプレート１６
を上下に往復動せしめるためのテンションプレート作動
機構１７と、テーブル４の下側において、上記の押えプ
レート１３に対応位置されて、テーブル４と平行に位置
されているプレスサポートプレート１８及びこのプレス
サポートプレート１８を、上下に往復動せしめるための
プレスサポートプレート作動機構１９とからなってい
る。

【００１５】以上が本実施形態の構成であるが、次にそ
の動作について説明する。

【００１６】先ず偏平に襞折りされている帯長のエアバ
ッグ１をテーブル４上に載置するが、この載置時に、エ
アバッグ１の下側に突き出されているエアバッグの開口
３及びインフレータ２を、テーブル４に設けられている
インフレータ落し孔５内に落し込んでテーブル４上のエ
アバッグ１表面を平坦に維持せしめる。

【００１７】そこでチャック作動機構１５を駆動して対
のチャック１４をエアバッグ１の両側辺縁部より、その
エアバッグ１の中心軸方向に向けて動作させた後にチャ
ック１４を閉じて図４（ロ）で示すように折り線ａとｂ
との間の両側辺縁部を挟持する。

【００１８】そこでテンションプレート作動機構１７を
駆動して、テンションプレート１６を降下せしめて、そ
のテンションプレート１６とテーブル４とで協同して、
エアバッグ１を緩やかに挟持して、テーブル４上のエア
バッグ１の変位を阻止し、さらに折り幅規制プレート作
動機構８を駆動して折り幅規制プレート６を、テーブル
４の上面から高さＨの位置まで降下させる。この高さＨ
は、エアバッグ１を横折りするときの横折り幅ｈと略等
しい値に設定されている。

【００１９】次に、エアバッグ１の辺縁部を挟持したま
まの双方チャック１４を、その上下が逆となるようにチ
ャック作動機構１５の支軸１５’を１８０度回動させ
て、図５（イ）で示すように、エアバッグ１を側面Ｓ字
状に横折りする。このときのエアバッグ１は、テーブル
４とテンションプレート１６とで緩やかに挟持されてお
り、しかもチャック１４の幅方向両側面がテーブル４の
表面と、折り幅規制プレート６及び押えプレート１３の
下面に案内されながら回動するために、そのチャック１
４の幅に対応した折り軸で横折りがなされる。

【００２０】このようにしてチャック１４により１回目
の横折りがなされると該チャック１４は、図６（ロ）で
示すようにチャック作動機構１５の復元動作でエアバッ
グ１の両側辺縁部から引き抜かれ、さらに支軸１５’の
復動回動により１回目の横折りがなされているエアバッ
グ１の折り線ｃとｄとの間に対応位置される（図７
（ロ）参照）と同時に、プレスサポートプレート作動機
構１９の駆動力によりプレスサポートプレート１８が上
昇し、また折り幅規制プレート作動機構８の動作で、折
り幅規制プレート６が降下して、上記プレスサポートプ
レート１８と折り幅規制プレート６及び押えプレート１
３とにより１回目の横折り部分がプレスされて、襞付け
がなされる（図７（イ）参照）。

【００２１】次いで１回目の横折りがなされているエア
バッグ１は、テーブル４と押えプレート１３とで挟持さ
れたままで、プレスサポートプレート１８は降下し、折
り幅規制プレート６は上昇し、その後、双方のチャック
１４は、エアバッグ１の両側辺縁部より、そのエアバッ
グ１の中心軸方向に向って動作し、折り線ｃとｄとの間
の両側辺縁部に位置される（図８（イ）、（ロ）参
照）。

【００２２】次いで図９（イ）、（ロ）で示すようにチ
ャック１４によりエアバッグ１の両側辺縁部が挟持され
た後、押えプレート１３が上昇し、その後、前記同様に
して折り幅規制プレート６が前記高さＨの位置まで降下
し、以下チャック１４がチャック作動機構１５の支軸１
５’を軸として１８０度回動して、１回目の横折りの上
に２回目の横折りを重ねる。さらにこれらの動作を繰返
すことにより、２回目の横折りの上に３回目の横折りを
重ね、さらに３回目の横折りの上に４回目の横折りを順
次重ねることにより、図２で示す如き蛇腹折り形態に横
折りされたエアバッグが得られるものである。

【００２３】尚上記説明では、エアバッグ１のインフレ
ータ取付部を境とする右側を横折りする動作を説明した
が、この右側の横折りと同時に、そのエアバッグ１の左
側も折り線ａ’、ｂ’、ｃ’、ｄ’、ｅ’、ｆ’、ｇ’
に沿って同様の動作で横折りされる。

【００２４】以上のように本実施形態のエアバッグ横折
り畳み装置によれば、縦折り手段により予め偏平襞折り
（縦折り）されている３ピースタイプのエアバッグを、
機械的かつ自動的に、しかも単一形状に横折りすること
ができ、しかもエアバッグ装置内に組付けるに適したコ
ンパクト形状に折り畳むことができる。

【００２５】

【発明の効果】以上のように本発明のエアバッグ折り畳
み装置によれば、例えば２ピースタイプ及び３ピースタ
イプであるエアバッグの横折り作業を機械的に行なうこ
とができ、これによりエアバッグの折り畳み作業を含む
生産性及び経済性を高めることができる。さらに本発明
によればエアバッグのコンパクトな折り畳みと、規則的
かつ単一形状とする折り畳みを実現させることができる
という作用効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】３ピースタイプのエアバッグを偏平襞折り（縦
折り）した状態を示す斜視図。

【図２】図１に示すエアバッグを蛇腹状に横折りした状
態の斜視図。

【図３】図２に示すエアバッグをさらに折り曲げてコン
パクト化した状態の斜視図。

【図４】（イ）及び（ロ）は、本発明による折り畳み装
置の実施形態を示した説明図及びエアバッグの横折り状
況説明平面図。

【図５】（イ）及び（ロ）は、１回目の横折り前の状態
を示す折り畳み装置の説明図及びその時のエアバッグの
横折り状況説明平面図。

【図６】（イ）及び（ロ）は、１回目の横折り後の状態
を示す折り畳み装置の説明図及びその時のエアバッグの
横折り状況説明平面図。

【図７】（イ）及び（ロ）は、１回目の横折りがなされ
たエアバッグのプレス時を示す折り畳み装置の説明図及
びその時のエアバッグの横折り状況説明平面図。

【図８】（イ）及び（ロ）は、１回目の横折り終了時の
状態を示す折り畳み装置の説明図及びその時のエアバッ
グの横折り状況説明平面図。

【図９】（イ）及び（ロ）は、２回目の横折り開始時の
状態を示す折り畳み装置の説明図及びその時のエアバッ
グの横折り状況説明平面図。

【符号の説明】

１…エアバッグ ２…インフレータ ３…開口 ４…テーブル ５…インフレータ落し孔 ６…折り幅規制プレート ７…ブラケット ８…折り幅規制プレート作動機構 ９…ピストン軸 １０…横折りユニット １１…ピストン軸 １２…押えプレート作動機構 １３…押えプレート １４…チャック １５…チャック作動機構 １６…テンションプレート １７…テンションプレート作動機構 １８…プレスサポートプレート １９…プレスサポートプレート作動機構

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 インフレータ取付用開口（３）の開口幅
   と略同幅にかつ偏平縦長に襞折りされたエアバッグ
   （１）を、該縦長方向と直交する横方向の折り線に沿っ
   て、上記開口（３）側へ蛇腹状に折り畳む横折りのため
   のエアバッグ折り畳み装置であって、該エアバッグ折り
   畳み装置は、偏平状に襞折りされた帯長のエアバッグを
   水平状態で載置し、かつ上記開口（３）に取付けられて
   いるインフレータ（２）を避けるインフレータ落し孔
   （５）を中央部に設けているテーブル（４）と、該テー
   ブル（４）の中央部上方位置で該テーブル（４）と平行
   に配置されている折り幅規制プレート（６）と、該折り
   幅規制プレート（６）を上下に往復動せしめるための折
   り幅規制プレート作動機構（８）と、上記テーブルに設
   けられているインフレータ落し孔（５）を境として、そ
   のテーブル（４）に載置したエアバッグ（１）の長手方
   向に対設される双方の横折りユニット（１０）とからな
   り、該双方の横折りユニット（１０）は、テーブル
   （４）の上方で該テーブル（４）と平行に配置されてい
   る押えプレート（１３）及び該押えプレート（１３）を
   上下に往復動せしめるための押えプレート作動機構（１
   ２）と、テーブル（４）上に載置されているエアバッグ
   （１）の幅方向両側端縁部を挟持するそれぞれのチャッ
   ク（１４）及び該チャック（１４）をエアバッグ（１）
   の側端縁部を挟持し、かつ挟持したままで１８０度反転
   せしめて、エアバッグを横折りするためのチャック作動
   機構（１５）と、上記チャック（１４）によるエアバッ
   グの横折り動作時のエアバッグ（１）に対して、上記の
   テーブル（４）と協同して適宜のテンションを付加せし
   めるためのテンションプレート（１６）及び該テンショ
   ンプレート（１６）を上下に往復動せしめるためのテン
   ションプレート作動機構（１７）と、テーブル（４）の
   下方で上記押えプレート（１３）と平行に配置されるプ
   レスサポートプレート（１８）及び該プレスサポートプ
   レート（１８）を上昇させて、上記の押えプレート（１
   ３）と協同して、横折りされているエアバッグ（１）を
   プレスさせるためのプレスサポート板作動機構（１９）
   とからなることを特徴とするエアバッグ折り畳み装置。