JPH11169986A - 円筒部が同心的に一体形成されてなる金属製品の成形装置並びにかかる金属製品の成形方法 - Google Patents

円筒部が同心的に一体形成されてなる金属製品の成形装置並びにかかる金属製品の成形方法

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JPH11169986A
JPH11169986A JP12774098A JP12774098A JPH11169986A JP H11169986 A JPH11169986 A JP H11169986A JP 12774098 A JP12774098 A JP 12774098A JP 12774098 A JP12774098 A JP 12774098A JP H11169986 A JPH11169986 A JP H11169986A
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秀明 田中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基部側角部の外面が湾曲面形状とされた円筒
部が、所望の大きさや形状をもって、同心的に一体形成
されてなる金属製品を有利に成形し得る成形装置と成形
方法とを提供する。 【解決手段】 金属素材26を、被加工部27におい
て、第一の型16の円筒部形成部24と第二の型18と
の間に同心的に挟持せしめつつ、それら第一の型16と
第二の型18の中心軸29回りに一体回転せしめた状態
下で、該金属素材26の被加工部27の外周部を裂開ロ
ーラ68にて押圧して、該裂開ローラ68の角形形状の
エッジ部94により、該被加工部27を該金属素材26
の外周部から裂開せしめ、更に、かかる被加工部27の
裂開部位104を円筒部形成ローラ70にて押圧し、該
円筒部形成ローラ70と前記円筒部形成部24との間で
挟圧することにより、該裂開部位104の全体を該円筒
部形成部24に対応した円筒形状に成形すると共に、該
裂開部位104の基部側角部106の外面を該湾曲面形
状のエッジ部100に対応した湾曲面形状に成形するよ
うにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、円筒部が同心的に一体形成され
てなる金属製品の成形装置並びにかかる金属製品の成形
方法に係り、特に、円筒部の基部側角部の外面が湾曲面
形状を呈するように構成された金属製品の成形装置と、
そのような金属製品の成形方法に関するものである。
【0002】
【背景技術】よく知られているように、自動車等の車両
や各種の機械設備等においては、ビスカスカップリング
ハウジングやワンピースホイール、或いはボス付きプー
リ等、円筒部が同心的に一体形成されてなる金属製品
が、多く使用されている。
【0003】そして、この円筒部が同心的に一体形成さ
れてなる金属製品を成形する際には、従来から、各種の
方法が採用されており、特に、それら各種の成形方法の
うち、目的とする金属製品を与える金属素材に対して、
裂開加工と転造加工とを組み合わせて実施する方法が、
工業的に有利な方法の一つとして、有利に採用されてい
る。
【0004】すなわち、かかる裂開転造加工による前記
金属製品の成形方法は、例えば、特表平9−50629
5号公報に示される如く、先ず、上面の中心部に、目的
とする金属製品の円筒部の内周面に対応した形状の外周
面を有する円筒部形成部が設けられてなる保持型を用
い、この保持型上に、その上面よりも大径の円板形状を
呈する、中心孔を備えた金属素材を、その中心孔が円筒
部形成部に挿通せしめられた状態で、同軸的に載置し
て、それら金属素材と保持型とを一体回転せしめる。次
に、外方に向かって凸となる断面略V字形状の外周面を
有する裂開転造ローラを、外周面の一部が鉛直方向に延
びるように傾けて、その中心軸回りに回転させた状態
で、金属素材の外周部分に接触させつつ、下方に移動さ
せて、金属素材の外周部を下方に屈曲変形せしめる。そ
の後、かかる金属素材の屈曲部位に、裂開転造ローラに
おけるV字形状の外周面の頂部を接触させた状態で、裂
開転造ローラを、金属素材の中心部に向かって水平方向
に移動させて、金属素材に対して径方向内方に向かって
押し付けることにより、裂開転造ローラの外周面の頂部
にて、金属素材の屈曲部位よりも内周側の表面部位を、
その外周部から裂開せしめる一方、この裂開せしめられ
た部位を、裂開転造ローラの外周面における鉛直方向に
延びる部位にて押圧し、前記円筒部形成部との間で挟圧
することによって、該裂開部位を円筒形状に成形して、
前記円筒部を形成し、以て目的とする金属製品を得るよ
うに為すものである。
【0005】ところで、そのような円筒部が一体形成さ
れてなる金属製品にあっては、円筒部の基部側角部の外
面が、丸みを帯びた湾曲面形状とされていることが、望
ましい。けだし、そうすることによって、円筒部と該円
筒部が立設される基部との接合部分の機械的強度が増
し、金属製品の堅牢性がより一層有利に確保され得るか
らである。
【0006】この基部側角部の外面が湾曲面形状とされ
た円筒部を有する金属製品は、前記公報に開示される如
き、転造裂開加工手法を採用する金属製品の成形方法に
おいて、そこで用いられる裂開転造ローラとして、外周
面が断面略山形状を呈し、外周面の頂部が湾曲面形状と
されたローラを使用することにより、容易に得られるこ
ととなるが、前記公報に開示される成形方法にあって
は、使用される成形装置おいて、裂開転造ローラを上下
方向と水平方向の二方向に移動させるための機構が必要
となるところから、成形装置の構造が不可避的に複雑な
ものとなり、それがコストアップに繋がるといった問題
が内在していた。
【0007】そこで、上述の如き金属製品を得る別の方
法として、以下に示すような方法が、考えられる。即
ち、先ず、固定型と、該固定型に対して相対的に接近離
隔移動可能に、且つ中心軸回りに一体回転可能に配置さ
れると共に、目的とする金属製品の円筒部の内周面形状
に対応した外周面を有する円筒部形成部を備えた移動型
とを含んでなる成形金型と、円形突部状の被加工部を中
心部に有する金属素材とを準備する。そして、この金属
素材を、被加工部において、成形金型における移動型の
円筒部形成部と固定型との間で同心的に挟持させつつ、
それら移動型と固定型とを一体回転せしめる。その後、
そのような一体回転状態下で、円柱面形状の外周面を有
し、且つ該外周面のエッジ部の一方が湾曲面形状とされ
た裂開転造ローラを、移動型と固定型の中心軸に平行な
回転軸回りに回転させつつ、湾曲面形状のエッジ部にお
いて、金属素材の被加工部の外周部に当接させた状態
で、該金属素材の中心部に向かう方向のみに移動させ
て、該金属素材に対して、その径方向内方に向かって押
し付けることにより、前記エッジ部にて、被加工部を金
属素材の外周部から、その突出方向に裂開せしめる一
方、かかる裂開せしめられた部位を、円柱面形状の外周
面の全体にて押圧し、移動型の円筒部形成部との間で挟
圧して、該裂開部位を円筒部形成部の前記円柱面形状に
対応した円筒形状に成形すると共に、該裂開部位の基部
側角部の外面を前記エッジ部の湾曲面形状に対応した湾
曲面形状に成形し、以て基部側角部の外面が湾曲面形状
とされた円筒部を形成するのである。このような方法に
よれば、裂開転造ローラを一方向のみに移動させれば良
く、従って、該裂開転造ローラの移動機構の構造が、有
利に簡略化され得るのである。
【0008】ところが、実際に、湾曲面形状のエッジ部
を有する裂開転造ローラを用いて、前述の如き工程に従
って金属製品を得る場合、被加工部を金属素材の外周部
から裂開せしめる際に、裂開転造ローラの湾曲面形状と
されたエッジ部に作用せしめられる、金属素材への押圧
力に対する反力により、該ローラが押し上げられ、それ
によって、被加工部の裂開されるべき部位の一部が裂開
されずに残存せしめられ、その残存せしめられた分だ
け、被加工部の裂開部位の体積が小さくなってしまい、
その結果として、かかる裂開部位からなる円筒部が、所
望の大きさや形状に形成され得なくなるといった大きな
問題が惹起されることとなるのである。
【0009】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述せる如き事
情を背景にして為されたものであって、その解決課題と
するところは、基部側角部の外面が湾曲面形状とされた
円筒部が、所望の大きさや形状をもって、同心的に一体
形成されてなる金属製品を有利に成形し得る成形装置と
成形方法とを提供することにある。
【0010】
【解決手段】そして、本発明にあっては、かかる課題を
解決するために、円筒部が同心的に且つ一体的に形成さ
れてなると共に、かかる円筒部の基部側角部の外面が湾
曲面形状とされた金属製品を成形するための成形装置で
あって、(a)前記円筒部の内周面形状に対応した外周
面を有する円筒部形成部を備えた第一の型と、該第一の
型の円筒部形成部に対して同軸的に且つ相対的に接近、
離隔可能に配置された第二の型とを備え、該第一の型の
円筒部形成部の外径よりも大径の、円形突部形状の被加
工部を中心部に有する、前記金属製品を与える金属素材
を、該被加工部において、それら円筒部形成部及び第二
の型に対して同心的に位置するように、該円筒部形成部
と該第二の型との間で挟持しつつ、それら円筒部形成部
及び第二の型が、それらの軸心を第一の回転軸として一
体回転し得るように構成された成形金型と、(b)該第
一の回転軸に平行な第二の回転軸回りに回転可能に、且
つ前記成形金型に対して、該第一の回転軸に垂直な方向
に接近、離隔移動し得るように配置せしめられる一方、
前記第二の型の側に位置するエッジ部が、直角乃至は鋭
角な角形形状を呈するように構成されたローラにして、
かかる角形形状のエッジ部を前記第一の回転軸回りに一
体回転せしめられる前記金属素材の被加工部の外周面に
当接せしめた状態で、該金属素材を径方向内方に向かっ
て押圧することにより、該角形形状のエッジ部にて、該
被加工部を該金属素材の外周部から、その突出方向に裂
開せしめる裂開ローラと、(c)前記第一の回転軸に平
行な第三の回転軸回りに回転可能に、且つ前記成形金型
に対して、該第一の回転軸に垂直な方向に接近、離隔移
動し得るように配置せしめられる一方、前記第一の型の
前記円筒部形成部の外周面に対向位置する外周面が円柱
面形状を有すると共に、前記第二の型の側のエッジ部が
湾曲面形状を有するように構成されたローラにして、か
かる湾曲面形状のエッジ部を、前記被加工部の裂開せし
められた部位の基部側角部に当接せしめた状態で、該被
加工部の裂開部位を、該金属素材の径方向内方に向かっ
て押圧して、前記円筒部形成部との間で挟圧することに
より、該裂開部位を該円筒部形成部に対応した円筒形状
に成形すると共に、該裂開部位の基部側角部の外面を前
記湾曲面形状のエッジ部に対応した湾曲面形状に成形し
て、前記円筒部を形成する円筒部形成ローラとを含むこ
とを、その特徴とするものである。
【0011】すなわち、この本発明に従う、円筒部が同
心的に一体形成されてなる金属製品の成形装置にあって
は、目的とする金属製品を与える金属素材が、その被加
工部において、第一の型の円筒部形成部と第二の型との
間に挟持された状態で、該円筒部形成部と該第二の型と
共に、それらの軸心を第一の回転軸として一体回転せし
められる一方、そのような金属素材の一体回転状態下
で、直角乃至は鋭角な角形形状を呈するエッジ部を備え
た裂開ローラが、該第一の回転軸に平行な第二の回転軸
回りに回転せしめられつつ、該金属素材の被加工部に対
して径方向に向かって押し付けられることによって、該
被加工部が、該角形形状のエッジ部にて、金属素材の外
周部から裂開せしめられるようになっている。その後、
そのようにして形成された被加工部の裂開部位が、円柱
面形状の外周面と湾曲面形状のエッジ部とを有する円筒
部形成ローラにて、金属素材の径方向内方に向かって更
に押圧され、第一の型の円筒部形成部との間で挟圧され
ることにより、該裂開部位の全体が、該円筒部形成部に
対応した円筒形状に成形されると共に、該裂開部位の基
部側角部の外面が、湾曲面形状のエッジ部に対応した湾
曲面形状に成形されるようになっているのである。
【0012】このように、本発明に従う成形装置にあっ
ては、金属素材の被加工部が、裂開ローラにおける角形
形状のエッジ部にて、該金属素材の外周部から裂開せし
められるようになっている一方、円筒部形成ローラの外
周面と第一の型における円筒部形成部の外周面との間
で、被加工部の裂開せしめられた部位の全体が、円筒部
形成部の外周面形状に対応した円筒形状に成形されると
共に、かかる裂開部位の基部側角部の外面が、円筒部形
成ローラにおける湾曲形形状のエッジ部にて湾曲面形状
に成形されるようになっているところから、単に、被加
工部を湾曲面形状のエッジ部にて金属素材の外周部から
裂開する場合とは異なり、被加工部の裂開されるべき部
位の全部が確実に裂開され得て、かかる裂開部位の体積
が十分に確保され得るのであり、そして、そのような十
分な体積を有する裂開部位が、所望の大きさをもって、
基部側角部の外面が湾曲面形状とされた、所定の円筒形
状に安定的に成形され得るのである。
【0013】従って、本発明に従う成形装置において
は、基部側角部の外面が湾曲面形状とされた円筒部が所
望の大きさと形状をもって同心的に一体形成されてなる
金属製品が、確実に成形され得るのであり、その結果と
して、該円筒部の接合部分における機械的強度に優れ
た、堅牢な金属成形品が、極めて有利に得られることと
なるのである。
【0014】しかも、かかる成形装置にあっては、裂開
ローラと円筒部形成ローラの二種類のローラが、何れ
も、成形金型の軸心たる第一の回転軸に垂直な方向のみ
に移動せしめられることによって、所望の円筒部が形成
されるようになっているところから、裂開転造ローラを
上下方向と水平方向の二方向に移動させるための機構が
必須とされた従来の成形装置に比して、各ローラの移動
機構の構造、ひいては装置全体の構造を簡略化すること
が、有利に可能ならしめられ得るのである。
【0015】また、本発明にあっては、円筒部が同心的
に且つ一体的に形成されてなると共に、かかる円筒部の
基部側角部の外面が湾曲面形状とされた金属製品を成形
するための成形装置であって、(a)前記円筒部の内周
面形状に対応した外周面を有する円筒部形成部を備えた
第一の型と、該第一の型の円筒部形成部に対して同軸的
に且つ相対的に接近、離隔可能に配置された第二の型と
を備え、該第一の型の円筒部形成部の外径よりも大径
の、円形突部形状の被加工部を中心部に有する、前記金
属製品を与える金属素材を、該被加工部において、それ
ら円筒部形成部及び第二の型に対して同心的に位置する
ように、該円筒部形成部と該第二の型との間で挟持しつ
つ、それら円筒部形成部及び第二の型が、それらの軸心
を第一の回転軸として一体回転し得るように構成された
成形金型と、(b)前記第一の回転軸に平行な第二の回
転軸回りに回転可能に、且つ前記成形金型に対して、該
第一の回転軸に垂直な方向に接近、離隔移動可能に配置
せしめられる一方、前記第一の型における前記円筒部形
成部の外周面に対向位置する外周面が円柱面形状を有す
ると共に、前記第二の型の側に位置するエッジ部が湾曲
面形状を有するように構成されたローラにして、かかる
湾曲面形状のエッジ部を、前記第一の回転軸回りに一体
回転せしめられる前記金属素材の被加工部の外周面に当
接させた状態で、該金属素材を径方向内方に向かって押
圧することにより、該湾曲面形状のエッジ部にて、該被
加工部を該金属素材の外周部から、その突出方向に裂開
せしめる一方、該被加工部の裂開せしめられた部位を、
前記円筒部形成部との間で挟圧することにより、かかる
裂開部位を該円筒部形成部に対応した円筒形状に成形す
ると共に、該裂開部位の基部側角部の外面を前記湾曲面
形状のエッジ部に対応した湾曲面形状に成形して、前記
円筒部を形成する円筒部形成ローラと、(c)該円筒部
形成ローラの前記金属素材に対する径方向内方への押圧
状態下において、該円筒部形成ローラにおける、前記第
二の型の側とは反対側の端面に摺接して、該円筒部形成
ローラの、前記第二の回転軸回りの回転を許容しつつ、
該金属素材に対する押圧方向とは垂直な方向で、且つ該
第二の型から離隔する方向への移動を阻止する移動阻止
手段とを含む、円筒部が同心的に一体形成されてなる金
属製品の成形装置をも、その特徴とするものである。
【0016】要するに、この本発明に従う、円筒部が同
心的に一体形成されてなる金属製品の成形装置にあって
は、目的とする金属製品を与える金属素材が、その被加
工部において、第一の型の円筒部形成部と第二の型との
間に挟持された状態で、該円筒部形成部と該第二の型と
共に、それらの軸心を第一の回転軸として一体回転せし
められるようになっている。そして、円柱面形状の外周
面を有し、且つ第二の型の側に位置するエッジ部が湾曲
面形状とされた円筒部形成ローラが、該第二の型の側と
は反対側の端面において、移動阻止手段に摺接せしめら
れて、該第二の型から離隔する方向への移動が阻止せし
められた状態下で、前記第一の回転軸に平行な第二の回
転軸回りに回転せしめられつつ、前記一体回転せしめら
れる金属素材の被加工部に対して径方向内方に向かって
押し付けられることによって、該被加工部が、湾曲面形
状のエッジ部にて、金属素材の外周部から裂開せしめら
れるようになっている一方、かかる被加工部の裂開部位
が、円筒部形成ローラと第一の型の円筒部形成部との間
で挟圧されることにより、該裂開部位の全体が、円筒部
形成部に対応した円筒形状に成形されると共に、該裂開
部位の基部側角部の外面が、湾曲面形状のエッジ部に対
応した湾曲面形状に成形されるようになっているのであ
る。
【0017】このように、本発明に従う成形装置にあっ
ては、円筒部形成ローラの、金属素材の被加工部に対す
る径方向内方への押圧によって、該被加工部が、金属素
材の外周部から裂開せしめられると共に、かかる裂開部
位の全体が円筒形状に成形され、更に、その基部側角部
の外面が湾曲面形状に成形されるようになっており、ま
た、そのような円筒部形成ローラの、金属素材の被加工
部に対する押圧時に、円筒部形成ローラが、第二の型か
ら離隔する方向への移動が阻止せしめられるようになっ
ているところから、金属素材の被加工部の裂開の進行時
において、円筒部形成ローラが、該第二の型と前記第一
の型との間で挟持された金属素材の被加工部から離隔す
る方向に向かって移動するようなことも、確実に阻止さ
れ得るのである。
【0018】それ故、かかる成形装置においては、円筒
部形成ローラの湾曲面形状のエッジ部による金属素材の
被加工部の裂開の進行時に、かかるエッジ部に作用せし
められる、金属素材への押圧力に対する反力により、円
筒部形成ローラが押し上げられて、被加工部の裂開され
るべき部位の一部が裂開されずに残存せしめられるよう
なことが、有利に回避され得るのであり、また、それに
よって、被加工部の裂開されるべき部位の全部が確実に
裂開され得て、かかる裂開部位の体積が十分に確保され
得、その結果、そのような十分な体積を有する裂開部位
が、所望の大きさをもって、基部側角部の外面が湾曲面
形状とされた、所定の円筒形状に安定的に成形され得る
のである。
【0019】従って、本発明に従う成形装置にあって
も、基部側角部の外面が湾曲面形状とされた円筒部が所
望の大きさと形状をもって同心的に一体形成されてなる
金属製品が、確実に成形され得るのであり、そして、そ
れによって、該円筒部の接合部分における機械的強度に
優れた、堅牢な金属成形品が、極めて有利に得られるこ
ととなるのである。
【0020】また、かかる本発明に従う成形装置にあっ
ては、円柱面形状の外周面と、湾曲面形状のエッジ部と
を有する一種類の円筒部形成ローラのみを有し、この一
種類の円筒部形成ローラによって、金属素材の被加工部
に対する裂開加工と転造加工とが一挙に為され得るよう
になっているところから、かかる裂開加工を行なう裂開
ローラと転造加工を行なう転造ローラの二種類のローラ
を有して、それら二種類の加工を別々に行なうように構
成された成形装置に比して、その構造が有利に簡略化さ
れ得るのであり、しかも、成形操作の効率化が効果的に
達成され得るのである。
【0021】しかも、かかる成形装置においては、円筒
部形成ローラが、成形金型の軸心たる第一の回転軸に垂
直な方向のみに移動せしめられることにより、所望の円
筒部が形成されるようになっているところから、裂開転
造ローラを上下方向と水平方向の二方向に移動させるた
めの機構を必須とした従来の成形装置に比して、各ロー
ラの移動機構の構造、ひいては装置全体の構造を簡略化
することが、有利に可能ならしめられ得るといった利点
が存しているのである。
【0022】なお、そのような本発明に従う成形装置に
おいては、有利には、前記円筒部形成部が、前記第一の
型における前記第二の型との対向面の中心部に突出形成
せしめられて構成される一方、前記移動阻止手段が、該
第一の型における第二の型との対向面の外周部にて構成
され、更に、前記円筒部形成ローラが、前記金属素材に
対する径方向内方への押圧状態下において、該対向面の
外周部に摺接せしめられるように構成されることとな
る。かかる成形装置にあっては、移動阻止手段が、第一
の型と一体的に構成され得、それによって、装置全体の
構造が、より一層有利に簡略化され得るのである。
【0023】また、上述の如き本発明に従う成形装置に
あっては、好ましくは、前記円筒部形成ローラが、前記
被加工部の、前記金属素材の外周部からの裂開の進行時
に、該被加工部における裂開された部位の先端に当接し
て、かかる裂開の進行に伴う裂開部位の伸展を阻止する
ことにより、該裂開部位の肉厚を増大せしめる増肉手段
を有して、構成される。このような構成を採用すること
によって、目的とする金属製品に一体形成される円筒部
の肉厚が有利に増大せしめられ得、またそれによって、
該円筒部の基部側角部の湾曲面形状の曲率半径が大きく
為され得るのであり、それらの結果として、円筒部の機
械的強度が効果的に確保され得て、更に一層高品質の金
属製品が得られることとなるのである。
【0024】なお、そのような増肉手段は、有利には、
円筒部形成ローラの外周面に対して、径方向外方に突出
し、且つ周方向に連続して延びるように設けられたフラ
ンジ部にて構成されることとなる。
【0025】そして、本発明にあっては、円筒部が同心
的に且つ一体的に形成されてなると共に、かかる円筒部
の基部側角部の外面が湾曲面形状とされた金属製品を成
形する方法にして、(a)前記円筒部の内周面形状に対
応した外周面を有する円筒部形成部を備えた第一の型
と、該円筒部形成部に対して同軸的に且つ相対的に接
近、離隔可能に配置された第二の型とが、それら円筒部
形成部と第二の型の軸心を第一の回転軸として一体回転
し得るように構成された成形金型を用い、該第一の型の
円筒部形成部の外径よりも大径の、円形突部形状の被加
工部を中心部に有する、前記金属製品を与える金属素材
を、該被加工部において、それら円筒部形成部及び第二
の型に対して同心的に位置するように、該円筒部形成部
と該第二の型との間で挟持しつつ、それら円筒部形成部
と第二の型とを、前記第一の回転軸回りに一体回転せし
める工程と、(b)前記第一の回転軸回りの一体回転に
伴う前記金属素材の回転状態下において、前記第二の型
の側に位置するエッジ部が直角乃至は鋭角な角形形状を
呈するように構成されてなる裂開ローラを、かかる角形
形状のエッジ部において該金属素材の前記被加工部の外
周部に当接せしめた状態で、前記第一の回転軸に平行な
第二の回転軸回りに回転せしめつつ、該金属素材に対し
て径方向内方に向かって押し付けることにより、該被加
工部を該金属素材の外周部から、その突出方向に裂開す
る工程と、(c)前記金属素材の前記第一の回転軸回り
の一体回転状態下において、前記第一の型の前記円筒部
形成部の外周面に対向位置する外周面が円柱面形状を有
すると共に、前記第二の型の側のエッジ部が湾曲面形状
を有するように構成されてなる円筒部形成ローラを、か
かる湾曲面形状のエッジ部において、前記裂開ローラに
て裂開せしめられた前記被加工部の裂開部位の基部側角
部に当接せしめた状態で、前記第一の回転軸に平行な第
三の回転軸回りに回転せしめつつ、該裂開部位に対して
前記金属素材の径方向内方に向かって押し付けて、該裂
開部位を該円筒部形成ローラと前記円筒部形成部との間
で挟圧することにより、該裂開部位を該円筒部形成部に
対応した円筒形状に成形すると共に、該裂開部位の基部
側角部の外面を前記湾曲面形状のエッジ部に対応した湾
曲面形状に成形して、前記円筒部を形成する工程とを含
むことをも、その特徴とするものである。
【0026】このような本発明に従う金属製品の成形方
法によれば、被加工部の裂開されるべき部位の全部が、
直角乃至は鋭角な角形形状を呈する裂開ローラのエッジ
部にて、確実に裂開され得て、かかる裂開部位の体積が
十分に確保され得、それによって、かかる裂開部位が、
所望の大きさをもって、基部側角部の外面が湾曲面形状
とされた、所定の円筒形状に安定的に成形され得るので
ある。そして、その結果として、基部側角部の外面が湾
曲面形状とされた円筒部が、所望の大きさと所定の形状
とをもって、同心的な位置に一体形成された、目的とす
る金属製品が、極めて有利に成形され得ることとなるの
である。
【0027】また、かかる本発明に従う円筒部が同心的
に一体形成されてなる金属製品の成形方法にあっては、
有利には、前記被加工部を前記金属素材から裂開する工
程の進行によって、該被加工部の裂開せしめられた部位
の基部側の外径が、成形されるべき前記金属製品の円筒
部の外径に、該円筒部の基部の湾曲面の曲率半径の2倍
の値を加えた寸法となったときに、かかる裂開工程が終
了せしめられることとなる。それによって、被加工部の
裂開部位の体積が十分に確保された状態で、かかる裂開
部位にて形成される円筒部の基部側角部の外面が、円筒
部形成ローラにおける湾曲面形状のエッジ部にて、より
確実に、湾曲面形状に成形され得るのである。なお、こ
こで言う、被加工部の裂開せしめられた部位の基部側の
外径が、成形されるべき前記金属製品の円筒部の外径
に、該円筒部の基部の湾曲面の曲率半径の2倍の値を加
えた寸法となったときとは、かかる被加工部の裂開部位
の基部側外径が、上述の如き特定の寸法になった時点
と、その直前若しくは直後とを含めたものである。
【0028】そしてまた、本発明にあっては、円筒部が
同心的に且つ一体的に形成されてなると共に、かかる円
筒部の基部側角部の外面が湾曲面形状とされた金属製品
を成形する方法であって、(a)前記円筒部の内周面形
状に対応した外周面を有する円筒部形成部に対して、該
円筒部形成部材の外径よりも大径の円筒状の被加工部を
備えた、前記金属製品を与える金属素材を同軸的に接触
させて配置する工程と、(b)前記円筒部の外周面形状
に対応した円柱面形状の外周面を有し、且つ該外周面の
エッジ部の一方が湾曲面形状とされた円筒部形成ローラ
を用いて、かかる湾曲面形状のエッジ部を、前記中心軸
回りに回転せしめられる金属素材の前記被加工部の外周
面に接触させると共に、該湾曲面形状のエッジ部の形成
側とは反対側の端面を、該円筒部形成ローラの中心軸回
りの回転は許容するものの、該中心軸に沿った、該エッ
ジ部の形成側とは反対側の方向への移動は阻止する移動
阻止手段に摺接させた状態で、それら円筒部形成ローラ
と金属素材とを、それぞれの中心軸回りに相対回転せし
めつつ、若しくは周方向に相対移動させつつ、該円筒部
形成ローラを該金属素材の被加工部に押し付けることに
より、該被加工部を、前記金属素材における、前記金属
製品の基部に相当する基部相当部位から裂開せしめる一
方、該被加工部の裂開せしめられた部位を、前記円筒部
形成部材との間で挟圧して、かかる裂開部位を該円筒部
形成部材に対応した円筒形状に成形すると共に、該裂開
部位の基部側角部の外面を前記湾曲面形状のエッジ部に
対応した湾曲面形状に成形して、前記円筒部を形成する
工程とを含む、円筒部が同心的に一体形成されてなる金
属製品の成形方法をも、その特徴とするものである。
【0029】このような本発明に従う金属製品の成形方
法によれば、円筒部形成ローラの湾曲面形状のエッジ部
による金属素材の被加工部の裂開の進行時に、円筒部形
成ローラが押し上げられて、被加工部の裂開されるべき
部位の一部が裂開されずに残存せしめられるようなこと
が、有利に回避され得、それによって、被加工部の裂開
されるべき部位の全部が確実に裂開され得るのであり、
その結果、基部側角部の外面が湾曲面形状とされた円筒
部が、所望の大きさと所定の形状とをもって、同心的な
位置に一体形成された、目的とする金属製品が、極めて
有利に成形され得ることとなるのである。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に具体的に明ら
かにするために、本発明に係る、円筒部が同心的に一体
形成されてなる金属製品の成形装置並びにかかる金属製
品の成形方法の具体的構成について、図面を参照しつ
つ、詳細に説明することとする。
【0031】先ず、図1には、金属製品としてのボス付
きプーリの中間成形体、即ちボス部は形成されているも
のの、ベルト等が掛けられる溝を備えたハブ部が未だ形
成されていないプーリの未完成品を成形する際に用いら
れる、本発明に従う構造とされた金属製品成形装置の一
例が、概略的に示されている。かかる図からも明らかな
ように、この金属製品成形装置10は、基台12上に配
置された成形金型14を有して、構成されている。
【0032】より具体的には、この金属製品成形装置1
0を構成する成形金型14は、図2に示される如く、第
一の型としての上型16と、第二の型としての下型18
とを備えている。
【0033】また、この成形金型14の上型16は、上
型側ホルダー20と上型側パッド22とを有している。
そして、それら上型側ホルダー20と上型側パッド22
は、何れも、上部側が大径部、下部側が小径部とされた
略段付円柱形形状をもって、成っている。また、ここで
は、特に、上型側パッド22の下部側の小径部が、円筒
部形成部としてのボス部形成部24とされており、目的
とするボス付きプーリの中間成形体のボス部の内径と略
同一の外径と、それよりも高い高さと、更には該ボス部
の内面形状に対応した外周面形状をとを有して、構成さ
れている(図6参照)。更にまた、この上型側パッド2
2のボス部形成部24の下面の中心部には、所定深さの
センターピン用孔28が設けられている。
【0034】そして、そのような上型側パッド22が、
上型側ホルダー20の下方において同軸的に位置せしめ
られた状態で、該上型ホルダー20に対してボルト固定
されている。これによって、上型16が、上型側ホルダ
ー20と上型側パッド22とを相対回転不能に組み付け
てなる一体物として構成されているのであり、また、そ
のような一体物としての上型16の下面の中心部に、ボ
ス部形成部24が、該上型16の中心軸に沿って鉛直下
方に突出するように、位置せしめられているのである。
【0035】一方、下型18は、下型側ホルダー30と
下型側パッド32とを含んで構成されている。また、こ
の下型18の下型側ホルダー30は、前記上型18の上
型側ホルダー20と略同様な外形形状を有している。更
に、下型側パッド32は、全体として、高さの低い略円
柱ブロック形形状を呈しており、上面が、前記金属素材
26の下面に対応した形状、即ち、図1に示される如
く、中心部に、金属素材26における円形突部形状の被
加工部27が背面側において嵌め込まれ得る円形突起3
3が、一体形成されてなる形状とされて、該金属素材2
6が、密接せしめられた状態で、同心的に載置され得る
ように構成されている。そして、図2からも明らかなよ
うに、かかる下型側パッド32が、下型側ホルダー30
の上方において、前記上型16の上型側パッド22と対
向する位置で、それら下型ホルダー30と上型側パッド
22とに対して、それぞれ同軸的に配されており、ま
た、そのような配置状態下で、下型側ホルダー30に対
してボルト固定されている。
【0036】かくして、下型18が、下型側ホルダー3
0と下型側パッド32とを同軸的に、且つ相対回転不能
に一体的に組み付けてなる一体構造をもって構成されて
いるのであり、また、下型側パッド32の上面におい
て、上型16の前記ボス部形成部24に対向しつつ、該
上型16に対して同軸的に配置されているのである。な
お、そのような下型18における下型側パッド32の上
面の中心部には、芯出し用センターピン34が所定高さ
をもって突出形成されており、後述する如く、上型16
が下型18に対して接近移動せしめられた際に、この芯
出し用センターピン34が、前記上型側パッド22のボ
ス部形成部24に形成された前記センターピン用孔28
内に挿通せしめられるようになっている。
【0037】そして、図1に示される如く、そのような
構造とされた下型18が、下型ホルダー30において、
下型取付板36に対して位置固定に取り付けられてい
る。また、この下型取付板36は、下型18が取り付け
られる側とは反対側の面の中央部に、該下型18に対し
て同軸的に突出成形された略円柱状の支持部38を有し
ており、この支持部38において、前記基台12に形成
されたモータ収容孔40内に突入せしめられている。更
に、かかるモータ収容孔40は、基台12の中央部を、
その高さ方向に貫通して構成されており、その上部部位
には、複数のベアリング42が、またその下部部位に
は、モータ44が、それぞれ、位置固定に収容配置され
ている。そして、そのようなモータ収容孔40内に突入
せしめられた前記下型取付板36の支持部38が、該モ
ータ収容孔40内の複数のベアリング42により回転可
能に支持された状態で、モータ44の回転軸46に同軸
的に取り付けられている。これによって、モータ44の
回転駆動に伴って、下型取付板36、更にはそれに位置
固定に取り付けられた下型18の全体が、モータ44の
回転軸46、換言すれば、下型18の中心軸29回りに
回転せしめられるようになっているのである。
【0038】一方、上型16は、上型側ホルダー20に
おいて、上型取付板48に対して位置固定に取り付けら
れている。そして、この上型取付板48は、前記基台1
2の上方において、該基台12に対向して配置せしめら
れた上型移動板50に対して回転可能に支持されてい
る。即ち、該上型取付板48にあっては、上型16が取
り付けられる側とは反対側の面の中央部に、略円柱状の
支持部52が、該上型16に対して同軸的に突出成形さ
れており、また、この支持部52が、前記上型移動板5
0の中央部において、前記基台12のモータ収容孔40
と同心的な位置に形成された貫通孔54内に突入せしめ
られていると共に、該貫通孔54内に配された複数のベ
アリング56により回転可能に支持されているのであ
る。
【0039】また、上型取付板48を回転可能に支持す
る上型移動板50は、該上型取付板48を取り囲むよう
に配置され、前記基台12の外周部から上方に向かって
延び出すようにして取り付けられた複数のガイドポスト
58に対して、上下方向に摺動可能に支持されている。
更に、この複数のガイドポスト58の上端部には、固定
板60が位置固定に取り付けられており、また、該固定
板60の中央部には、図示しない油圧機構により、ピス
トンロッド62を基台12側に突出作動せしめる上型移
動板加圧シリンダ64が取り付けられている。そして、
この上型移動板加圧シリンダ64内のピストンロッド6
2の先端部が、前記上型移動板50に固定されている。
【0040】これによって、上型16が、上型取付板4
8と一体的に、該上型16の中心軸29回りに回転し得
るようになっているのであり、また、上型移動板加圧シ
リンダ64内のピストンロッド62の突出、引込作動に
伴って、上型取付板48と上型16とが、上下移動せし
められるようになっているのである。
【0041】かくして、かかる成形金型14にあって
は、基台12上において、上型16と下型18とが、同
軸的に配置されていると共に、下型18に対して、上型
16が、上型移動板加圧シリンダ64内のピストンロッ
ド62の突出、引込作動によって、接近、離隔移動せし
められ得るようになっているのである。そして、上型1
6を下型18に対して接近移動させることによって、下
型18の前記下型側パッド32上に同心的に載置され
た、目的とするボス付きプーリの中間成形体を与える金
属素材26を、上型16における前記上型側パッド22
のボス部形成部24よりも大径の円形突部形状を呈する
被加工部27において、該上型16のボス部形成部24
と、下型18の前記下型側パッド32との間で、同心的
に挟持し得るようになっているのであり、また、そのよ
うな挟持状態下で、前記モータ44を回転駆動させるこ
とによって、それら上型16と下型18とが、金属素材
26を挟持しつつ、それらの中心軸29を第一の回転軸
として、一体回転し得るように構成されているのであ
る。
【0042】ところで、本具体例に係る金属製品成形装
置10にあっては、特に、上述の如き構造を有する成形
金型14が取り付けられる基台12上において、裂開ロ
ーラ68と、円筒部形成ローラとしてのボス部形成ロー
ラ70とが、それぞれ、クランプ78,78に保持され
た状態で、回転可能に、且つ成形金型14に対して接
近、離隔移動可能に支持されている。
【0043】すなわち、基台12の外周部には、成形金
型14を挟んで対向する位置に、ローラ加圧シリンダ取
付部72,72が、それぞれ、所定高さをもって一体的
に立設されている。また、各ローラ加圧シリンダ取付部
72の上部部位には、図示しない油圧機構によって、ピ
ストンロッド74を基台12の中心側、つまり成形金型
14の配置側に向かって、該成形金型14の中心軸29
に垂直な方向に突出、引込作動させるローラ加圧シリン
ダ76が、取り付けられている。更に、かかるローラ加
圧シリンダ76内から突出するピストンロッド74の先
端部には、成形金型14に対向する状態で、断面略コ字
状のクランプ78が固定されている。また、かかるクラ
ンプ78にあっては、コ字状の上部部位と下部部位の各
先端部80が、図示しない止めネジの取外しによって分
離され得るように構成されており、更に、それら各先端
部80とクランプ本体82との突き合わせ部位には、ロ
ーラ取付孔84,84が、鉛直方向に互いに対応する状
態で、それぞれ、形成されている。更にまた、かかるロ
ーラ取付孔84,84には、下部側にローラ取付板86
が一体形成されてなるローラ取付軸88が、成形金型1
4の中心軸29に平行に位置し、且つその軸心回りに回
転可能に取り付けられている。
【0044】また、裂開ローラ68は、全体として、高
さの低い略円柱形形状を呈しており、その上端部に、径
方向外方に所定高さ突出し、且つ周方向に連続して延び
るフランジ部92が一体的に形成されている一方、下側
のエッジ部が、直角な角形形状を呈する角形エッジ部9
4として、構成されている。更に、かかる裂開ローラ6
8の中心部には、前記クランプ78のローラ取付軸88
が挿通され得るローラ取付軸挿通孔90が、高さ方向に
貫通して、形成されている。
【0045】そして、そのような構造を有する裂開ロー
ラ68が、前記成形金型14を挟んで互いに対向位置せ
しめられた二つのクランプ78,78のうちの一方のク
ランプ78のコ字状の上部部位と下部部位との間におい
て、その外周面を、成形金型14の型閉め状態下での前
記上型16のボス部形成部24の外周面に対向させつ
つ、前記フランジ部92を該ボス部形成部24に向かっ
て突出せしめ、且つ前記角形エッジ部94を、該成形金
型14の下型18上に載置される前記金属素材26の被
加工部27の外周部に対向させ得るように配置されてお
り、また、そのような配置状態下で、該一方のクランプ
78に対して軸心回りに回転可能に取り付けられたロー
ラ取付軸88を前記ローラ取付軸挿通孔90に挿通せし
めつつ、該ローラ取付軸88のローラ取付板86にボル
ト固定されている。
【0046】これによって、裂開ローラ68が、その中
心軸96を、第一の回転軸たる、成形金型14の中心軸
29に平行な第二の回転軸として、該中心軸96回りに
回転せしめられ得るようになっており、また、ローラ加
圧シリンダ76内のピストンロッド74の突出、引込作
動に伴って、型閉め状態下の成形金型14における上型
16のボス部形成部24に対して、前記中心軸29に垂
直な方向に接近、離隔移動させられるようになってい
る。そして、特に、かかる裂開ローラ68のボス部形成
部24への接近移動時に、角形エッジ部94が、該ボス
部形成部24と下型18の下型側パッド32との間で挟
持される金属素材26の被加工部27の外周面に当接せ
しめられ得るようになっている。
【0047】一方、ボス部形成ローラ70も、全体とし
て、高さの低い略円柱形形状を呈している。そして、こ
のボス部形成ローラ70にあっては、外周面98が、軸
方向に同一径にて延びる円柱面形状を有して構成されて
おり、また、その下側のエッジ部が、略1/4周分の円
弧を描く湾曲面形状を呈する湾曲形エッジ部100とさ
れている。更に、かかるボス部形成ローラ70の中心部
にも、前記裂開ローラ68と同様に、前記クランプ78
のローラ取付軸88が挿通され得るローラ取付軸挿通孔
90が、高さ方向に貫通して、形成されている。
【0048】そして、そのような構造を有するボス部形
成ローラ70が、二つのクランプ78,78のうち、前
記裂開ローラ68が取り付けられるものに対向位置す
る、他方のクランプ78のコ字状の上部部位と下部部位
との間において、その外周面98を、成形金型14の型
閉め状態下での前記上型16のボス部形成部24の外周
面に対向させ、且つ湾曲形エッジ部100を、前記裂開
ローラ68の角形エッジ部94の配置位置と同一の高さ
位置で対向せしめ得るように配置されており、また、そ
のような配置状態下で、前記他方のクランプ78に対し
て軸心回りに回転可能に取り付けられたローラ取付軸8
8を前記ローラ取付軸挿通孔90に挿通せしめつつ、該
ローラ取付軸88のローラ取付板86にボルト固定され
ている。
【0049】これによって、ボス部形成ローラ70にあ
っては、その中心軸102を、第一の回転軸たる、成形
金型14の中心軸29に平行な第三の回転軸として、該
中心軸102回りに回転せしめられ得るようになってお
り、また、ローラ加圧シリンダ76内のピストンロッド
74の突出、引込作動に伴って、型閉め状態下の成形金
型14における上型16のボス部形成部24に対して、
前記中心軸29に垂直な方向に接近、離隔移動させられ
るようになっている。そして、特に、かかるボス部形成
ローラ70のボス部形成部24への接近移動時に、該ボ
ス部形成部24と下型18の下型側パッド32との間で
挟持される金属素材26の被加工部27への、前記裂開
ローラ68の角形エッジ部94の当接部位と同じ部位に
対して、該ボス部形成ローラ70の湾曲形エッジ部10
0が当接せしめられ得るようになっている。
【0050】かくして、本具体例に係る金属製品成形装
置10にあっては、金属素材26を、被加工部27にお
いて、上型16のボス部形成部24と下型18の下型側
パッド32との間で挟持させつつ、一体回転せしめた状
態下で、前記一方のローラ加圧シリンダ取付部72に取
り付けられたローラ加圧シリンダ76内のピストンロッ
ド74の突出作動に伴って、裂開ローラ68が、型閉め
状態下の成形金型14における上型16のボス部形成部
24に接近移動せしめられることにより、該裂開ローラ
68が、角形エッジ部94において、金属素材26の被
加工部27の外周面に当接させられ、更に、該金属素材
26の回転方向とは逆方向に回転せしめられつつ、該被
加工部27の外周面を、該金属素材26の径方向内方に
向かって押圧し得るようになっている。そして、かかる
裂開ローラ68のボス部形成部24への更なる接近移動
によって、金属素材26の被加工部27が、該金属素材
26の外周部から裂開(分割)せしめられ得るようにな
っているのである(図5参照)。
【0051】なお、そのような被加工部27の、金属素
材26の外周部からの裂開過程においては、上述の如
く、裂開ローラ68の上端部に、フランジ部92が一体
形成されているため、当初、該裂開の進行に伴って、被
加工部27の裂開せしめられた部位の長さ(高さ)が徐
々に増大せしめられるが、かかる被加工部27の裂開部
位の先端が該フランジ部92の下面に当接せしめられた
時点から、該裂開部位の長さ(高さ)の増大が阻止せし
められ、その代わりに、かかる裂開部位の肉厚が増大せ
しめられることとなる。
【0052】また、かかる裂開ローラ68を支持するピ
ストンロッド74を引込作動せしめて、該裂開ローラ6
8を成形金型14から離隔移動させる一方、ボス部形成
ローラ70を支持するピストンロッド74を突出作動さ
せて、該ボス部形成ローラ70を、型閉め状態下の成形
金型14における上型16のボス部形成部24に接近移
動せしめることによって、該ボス部形成ローラ70が、
湾曲形エッジ部100において、前記被加工部27の、
裂開ローラ68による裂開部位104の基部側角部10
6の外面に当接させられた状態で、前記金属素材26の
回転方向とは逆方向に回転せしめられつつ、該裂開部位
104を、前記金属素材26の外周面98にて径方向内
方に向かって押圧し、且つボス部形成部24との間で、
挟圧し得るようになっている。そして、かかるボス部形
成ローラ70のボス部形成部24への更なる接近移動に
よって、被加工部27の裂開部位104の全体が、ボス
部形成部24の円柱面状の外周面形状に対応した円筒形
状に成形されると共に、該裂開部位104における基部
側角部106の外面が、前記湾曲形エッジ部100の外
面形状に対応した湾曲面形状に成形されるようになって
いるのである。
【0053】要するに、本具体例に係る金属製品成形装
置10にあっては、先ず、金属素材26の被加工部27
が、裂開ローラ68の角形エッジ部94にて、該金属素
材26の外周部から裂開せしめられ、次に、該被加工部
27の裂開部位104の全体が、ボス部形成ローラ70
の外周面98と上型16のボス部形成部24の外周面と
の間で挟圧されて、該ボス部形成部24の外周面形状に
対応した円筒形状に成形されるのであり、またそれと同
時に、該裂開部位104の基部側角部106の外面が、
該ボス部形成ローラ70の湾曲形エッジ部100にて、
それに対応した湾曲面形状に成形され得るようになって
いるのである。また、被加工部27の裂開部位104
は、金属素材の外周部からの裂開時において、増肉され
得るようになっている。
【0054】それ故、かかる金属製品成形装置10にお
いては、単に、下側エッジ部が湾曲面形状をもって構成
された裂開転造ローラを用い、かかる裂開転造ローラの
湾曲面形状を呈する下側エッジ部にて、金属素材の被加
工部を裂開して、該被加工部の裂開部位を円筒形状に成
形すると共に、該裂開部位の基部側角部の外面を前記下
側エッジ部に対応した湾曲面形状と為す場合とは異な
り、該被加工部27の裂開されるべき部位の全部が、確
実に裂開され得て、裂開部位104の体積が十分に確保
され得るのであり、また、そのような十分な体積を有す
る裂開部位104が、十分な大きさをもって、基部側角
部106の外面が湾曲面形状とされた、所定の円筒形状
に安定的に成形され得るのである。
【0055】従って、本具体例に係る金属製品成形装置
10を用いれば、基部側角部106の外面が湾曲面形状
とされたボス部が所望の大きさと所定の形状とをもって
同心的に一体形成されてなるボス付きプーリの中間成形
体が、確実に成形され得るのであり、その結果として、
ボス部の接合部分における機械的強度に優れた、堅牢な
ボス付きプーリの中間成形体、ひいてはボス付きプーリ
が、極めて有利に得られることとなるのである。
【0056】また、かかる金属製品成形装置10にあっ
ては、裂開ローラ68の上端部にフランジ部92が設け
られ、裂開部位104の、金属素材26の外周部からの
裂開時において、該裂開部位104が増肉せしめられる
ようになっていることから、該裂開部位104にて与え
られるボス部の肉厚が十分に厚く為され得るのであり、
それによって、より堅牢なボス付きプーリを与える中間
成形体が成形され得るのである。
【0057】このように、ボス付きプーリの中間成形体
を得る際には、図1に示される如き構造を有する金属製
品成形装置10が、極めて有利に用いられるのである
が、具体的には、例えば、以下の如き工程に従って作業
が進められることによって、目的とするボス付きプーリ
の中間成形体が得られることとなる。
【0058】すなわち、先ず、図3に示される如く、上
型16と下型18とが離隔位置せしめられて、型開き状
態とされた成形金型14に、目的とするボス付きプーリ
の中間成形体を与える金属素材26をセットする。より
詳しくは、かかる金属素材26として、略円板状の全体
形状を有し、その中心部に、切削加工或いはプレス曲げ
加工等によって、ボス付きプーリのボス部の高さを考慮
して決定された径を有する円形状の被加工部27が段付
けされて、一体的に突出形成されるように予備成形され
たものを用いる。そして、この金属素材26を、その中
心部に形成された中心孔31内に、下型18の下型側パ
ッド32に設けられた芯出し用センターピン34を挿通
せしめつつ、被加工部27の下面側において、該下型側
パッド32の円形突起33上に被せるようにして、載置
する。これによって、金属素材26を、下型18に対し
て同心的にセットするのである。
【0059】次いで、上型移動板加圧シリンダ64内の
ピストンロッド62を突出作動せしめることにより、上
型移動板50を下方に移動させて、図4に示されるよう
に、上型16におけるボス部形成部24のセンターピン
用孔28内に、金属素材26の中心孔31を貫通して延
びる、下型側パッド32の芯出し用センターピン34の
先端を突入させると共に、該ボス部形成部24を、金属
素材26の被加工部27に対して押圧状態下で、当接せ
しめる。これによって、上型16のボス部形成部24と
下型18との間で、金属素材26を、被加工部27にお
いて同心的に挟持させる。
【0060】その後、下型18の下型側ホルダー30に
取り付けられたモータ44を回転駆動させることによ
り、下型18全体を回転させて、図5に示される如く、
下型18と上型16と、更にそれらの間に挟持された金
属素材26を、該下型18と上型16の中心軸29回り
に一体回転せしめる。一方、裂開ローラ68が回転可能
に取り付けられたクランプ78を支持する、図示しない
ローラ加圧シリンダ76内のピストンロッド74を突出
作動せしめて、該クランプ78を成形金型14側に向か
って移動させることにより、裂開ローラ68を、角形エ
ッジ部94において、前記中心軸29回りに一体回転せ
しめられる金属素材26の被加工部27の外周面に押圧
させる。その際、裂開ローラ68は、その中心軸96回
りに、金属素材26とは逆の方向に回転させられること
となる。
【0061】これにより、金属素材26の被加工部27
を、裂開ローラ68の角形エッジ部94にて、該金属素
材26の外周部から徐々に裂開せしめる一方、この裂開
部位104の先端を、裂開ローラ68の上端部に設けら
れたフランジ部92の下面に当接させて、かかる裂開の
進行に伴う該裂開部位104の長さ(高さ)の増大を、
所定の寸法で阻止すると同時に、その肉厚を増大せしめ
る。
【0062】なお、ここでは、特に、裂開ローラ68の
成形金型14への接近移動による被加工部27の裂開に
よって、裂開部位104の外径(図5中、mにて示され
る寸法)が、該裂開部位104にて最終的に形成される
ボス部108の外径(図7中、nにて示される寸法)
に、該ボス部108の基部側角部106の外面の湾曲面
形状の曲率半径、即ち、ボス部形成ローラ70における
湾曲形エッジ部100の湾曲面の曲率半径(図6中、r
にて示される寸法)の2倍を加えた寸法となった時点、
若しくはそうなる直前乃至は直後(即ち、m=n+2
r、m≒n+2rの何方かとなっているとき)に裂開ロ
ーラ68の成形金型14への接近移動が停止させられ
て、かかる被加工部27の裂開工程が終了せしめられる
こととなる。
【0063】次に、前記ローラ加圧シリンダ内のピスト
ンロッドを引込み作動せしめて、裂開ローラ68を金属
素材26から離隔させた後、図6に示される如く、ボス
部形成ローラ70が回転可能に取り付けられたクランプ
78を支持する、図示しないローラ加圧シリンダ76内
のピストンロッド74を突出作動せしめて、該クランプ
78を成形金型14側に向かって移動させることによ
り、金属素材26の前記一体回転状態下で、ボス部成形
ローラ70の湾曲形エッジ部100を、被加工部26の
裂開部位104における基部側角部106の外面に当接
させつつ、該ボス部形成ローラ70の円柱面状の外周面
98を、該裂開部位104の外周面に押圧させ、該裂開
部位104を、該ボス部形成ローラ70の外周面98と
上型側パッド22のボス部形成部24の外周面との間で
挟圧せしめる。その際、ボス部形成ローラ70にあって
も、その中心軸102回りに、金属素材26とは逆の方
向に回転せしめられることとなる。
【0064】これにより、裂開ローラ68のフランジ部
92にて増肉された裂開部位104の全体を、前記ボス
部形成部24の外周面形状に対応した円筒形状に成形す
ると共に、該裂開部位104の基部側角部106の外面
を、前記湾曲形エッジ部100の外面形状に対応した湾
曲面形状に成形する。
【0065】かくして、図7に示される如く、一方の面
上に、厚肉のボス部108が、一体的に且つ同心的に形
成されてなるボス付きプーリの中間成形体110を得る
のである。そして、その後、図示しないローラ加圧シリ
ンダ76内のピストンロッド74を引込み作動せしめる
一方、上型移動板加圧シリンダ64内のピストンロッド
62も引込み作動せしめることにより、上型16を上方
に移動させて、得られたボス付きプーリの中間成形体1
10を成形金型14から離型するのである。
【0066】このような本具体例手法によれば、金属製
品成形装置10が有効に使用され得て、基部側角部10
6の外面が湾曲面形状とされたボス部108が、十分な
大きさと、上型16のボス部形成部24に対応した所定
の円筒形状とをもって、同心的な位置に一体形成された
ボス付きプーリの中間成形体110が、工業的に有利に
成形され得るのである。
【0067】また、かかる本具体例手法においては、裂
開部位104の外径が、最終的に形成されるボス部10
8の外径に、該ボス部108の基部側角部106の外面
の湾曲面形状の曲率半径の2倍の値を加えた寸法となっ
た時点、若しくはそうなる直前乃至は直後に、金属素材
26の外周部からの被加工部27の裂開が停止せしめら
れるようになっていることから、被加工部27の裂開さ
れるべき部位の全部が、より確実に裂開され得て、被加
工部27の裂開部位104の体積がより十分に確保され
た状態で、かかる裂開部位104にて形成されるボス部
108の基部側角部106の外面が、ボス部形成ローラ
70の湾曲形エッジ部100にて、更に一層確実に、所
定の湾曲面形状に成形され得ることとなるのである。
【0068】次に、図8には、本発明の別の具体例とし
ての金属製品成形装置112が、概略的に示されてい
る。なお、この図8及び後述する図9乃至は図13にお
いては、前記第一の具体例と同様な構造とされた部材及
び部位については、図中、それぞれ、前記第一の具体例
と同一の符号を付すことより、その詳細な説明は省略す
ることとする。
【0069】かかる図8からも明らかな如く、本具体例
の金属製品成形装置112にあっても、前記具体例と同
様に、互いに同軸的に対向配置された、第一の型として
の上型16と第二の型としての下型18とを有する成形
金型114が、基台12上に配置されて、構成されてい
る。
【0070】より詳細には、図9に示される如く、この
成形金型114を構成する下型18は、前記具体例と同
様な構造を有しており、下型側ホルダー30の上面に対
して、下型側パッド32が同軸的に配置された状態下
で、ボルト固定されて、構成されている。また、上型1
6も、下型18に対して同軸的に対向配置された上型側
ホルダー20の下面に対して、上型側パッド22が、同
軸的に位置せしめられ、且つボルト固定されて、構成さ
れている。
【0071】そして、ここでは、上型16の上型側パッ
ド22が、全体として、略円柱ブロック形状を呈してお
り、該上型側パッド22における、下型18の下型側パ
ッド32との対向面の中心部に、円筒部形成部としての
ボス部形成部116が、一体形成されている一方、該対
向面の外周部分が、ストッパ面118とされている。ま
た、この上型側パッド22のボス部形成部116は、目
的とするボス付きプーリの中間成形体のボス部の内径と
略同一の外径と、それよりも高い高さと、該ボス部の内
面形状に対応した外周面形状とをもって構成されてい
る。一方、ストッパ面118は、前記下型18における
下型側パッド32の円形突起33の外径よりも十分に大
きく、且つ該下型側パッド32の外径よりも所定寸法小
さな外径を有して、構成され、該下型18の下型側パッ
ド32の上方において、該下型側パッド32の上面に平
行して広がるように位置せしめられている。
【0072】そして、図8に示される如く、そのような
構造とされた上型16と下型18とが、前記具体例と同
様な状態で、基台12上に同軸的に配置されている。即
ち、基台12上において、下型18が、該基台12に配
設されたモータ44の回転駆動に伴って、該下型18
(成形金型114)の中心軸115回りに回転せしめら
れるようになっているのであり、また、上型16が、基
台12の上方に位置固定に配された上型移動板加圧シリ
ンダ64内のピストンロッド62の突出、引込作動に伴
って、上型移動板50と共に上下移動せしめられるよう
になっているのである。
【0073】かくして、成形金型114にあっては、前
記上型移動板加圧シリンダ64内のピストンロッド62
の突出、引込作動に伴って、上型16が、下型18に対
して接近、離隔移動せしめられ得るようになっていると
共に、かかる接近移動により、下型18上に、前記円筒
突起33に嵌め込まれるようして載置された金属素材2
6を、被加工部27において、上型16における上型側
パッド22のボス部形成部116と下型18の下型側パ
ッド32との間で、同心的に挟持し得るようになってい
る。そして、そのような挟持状態下において、前記モー
タ44の回転駆動によって、上型16と下型18とが、
金属素材26を挟持しつつ、第一の回転軸たる、それら
の中心軸115回りに一体回転し得るように構成されて
いるのである。
【0074】また、本具体例に係る金属製品成形装置1
12にあっては、成形金型114が取り付けられる基台
12上に、円筒部形成ローラとしてのボス部形成ローラ
120が、その中心軸122回りに回転可能に、且つ成
形金型114に対して接近、離隔移動可能に配置されて
いる。
【0075】すなわち、このボス部形成ローラ120
は、全体として、高さの低い略円柱形形状を呈してお
り、外周面124が、軸方向に同一径にて延びる円柱面
形状とされている。また、かかるボス部形成ローラ12
0にあっては、その下側のエッジ部が、略1/4周分の
円弧を描く湾曲面形状を呈する湾曲形エッジ部126と
されている一方、その上端部に、径方向外方に所定高さ
突出し、且つ周方向に連続して延びるフランジ部128
が、一体的に形成されている。
【0076】そして、そのようなボス部形成ローラ12
0が、基台12上における成形金型14の側方に位置
し、且つローラ加圧シリンダ76により基台12の中心
側、つまり成形金型114の配置側に向かって突出、引
込作動せしめられるピストンロッド74の先端に取り付
けられたクランプ78に対して、前記具体例と同様にし
て、着脱可能に取り付けられているのであるが、本具体
例では、特に、かかるクランプ78への取付状態下にお
けるボス部形成ローラ120の上端面130の高さ位置
が、下型18の下型側パッド32との間で金属素材26
を挟持せしめた状態下での、上型16における上型側パ
ッド22のストッパ面118の高さ位置よりも、極僅か
に低くなるように配置されている。
【0077】これによって、かかるボス部形成ローラ1
20にあっては、その中心軸122を、第一の回転軸た
る成形金型114の中心軸115に平行な第二の回転軸
として、該中心軸122回りに回転せしめられ得るよう
になっており、また、ローラ加圧シリンダ76によるピ
ストンロッド74の突出、引込作動に伴って、型閉め状
態下の成形金型14における上型16のボス部形成部1
16に対して、前記中心軸122に垂直な方向に、接
近、離隔移動させられるようになっている。そして、こ
のボス部形成部116への接近移動によって、前記湾曲
形エッジ部126が、ボス部形成部116と下型の下型
側パッド32との間で挟持される金属素材26の被加工
部27の外周面に対して当接せしめられ、この湾曲形エ
ッジ部126にて、該金属素材26を径方向内方に向か
って押圧し得るようになっており、また、特に、そのよ
うな金属素材26に対する押圧状態下において、湾曲型
エッジ部126の形成部位側とは反対側に位置する上端
面130が、上型側パッド22のストッパ面118に摺
接せしめられて、前記中心軸122回りの回転が維持せ
しめられつつ、上型側パッド22の配置側たる鉛直方向
上方への移動が阻止せしめられるように構成されている
のである。なお、このことから明らかなように、本具体
例では、金属素材に対する押圧方向とは垂直な方向で、
且つ第二の型から離隔する方向への円筒部形成ローラの
移動を阻止する移動阻止手段が、上型側パッド22のス
トッパ面118により構成されているのである。
【0078】かくして、本具体例の金属製品成形装置1
12においては、上型16のボス部形成部116と下型
18の下型側パッド32との間で挟持せしめられ、且つ
それら上型16と下型18と一体回転せしめられる金属
素材26の、円形突部形状を呈する被加工部27が、ボ
ス部形成ローラ120のボス部形成部116への接近移
動により、該ボス部形成ローラ120の湾曲形エッジ部
126にて、該金属素材26の外周部から、その突出方
向に裂開(分割)せしめられるようになっている。ま
た、かかるボス部形成ローラ120のボス部形成部11
6への更なる接近移動によって、被加工部27の裂開部
位104が、ボス部形成ローラ120とボス部形成部1
16との間で挟圧されて、該裂開部位104の全体が、
ボス部形成部116の円柱面状の外周面形状に対応した
円筒形状に成形されると共に、該裂開部位104におけ
る基部側角部106の外面が、前記湾曲形エッジ部12
6の外面形状に対応した湾曲面形状に成形されるように
なっている。そして、そのようにして、被加工部27が
金属素材16の外周部から裂開せしめられ、更にその裂
開部位104が円筒形状に成形されている間中、ボス部
形成ローラ120の上端面130が、上型側パッド32
のストッパ面118に対して摺接せしめられ、それによ
って、該ボス部形成ローラ120が金属素材26から上
方に離隔せしめられるようなことが、阻止されるように
なっているのである。
【0079】なお、上述の如き被加工部27における裂
開部位104の円筒形状への成形過程においては、ボス
部形成ローラ120の外周面124とボス部形成部11
6の外周面とにより作用せしめられる挟圧力に基づい
て、裂開部位104に対して、それを上方に伸展せしめ
る作用力が加えられることとなるが、ここでは、前述せ
るように、ボス部形成ローラ120の上端部にフランジ
部128が一体形成されていることから、裂開部位10
4の先端が、フランジ部128の下面に当接せしめられ
て、かかる裂開部位104の上方への伸展が阻止され、
その代わりに、裂開部位104の肉厚が増大せしめられ
ることとなる。
【0080】要するに、本具体例の金属製品成形装置1
12にあっては、ボス部形成ローラ120のボス部形成
部116への接近移動により、金属素材26の被加工部
27が、該金属素材26の外周部から裂開せしめられ、
また、その裂開部位104が、それらボス部形成ローラ
120とボス部形成部116との間で挟圧されて、該裂
開部位104の全体が、ボス部形成部116の外周面形
状に対応した円筒形状に成形されると共に、該裂開部位
104の基部側角部106が、ボス部形成ローラ120
の湾曲形エッジ部126に対応した湾曲面形状に成形さ
れるようになっているのであり、しかも、そのような金
属素材26の外周部からの被加工部27の裂開の進行時
や、被加工部27の裂開部位104の円筒形状への成形
時に、ボス部形成ローラ120の金属素材26からの上
方への離隔移動が阻止されるようになっているのであ
る。
【0081】それ故、かかる金属製品成形装置112に
あっては、被加工部27の裂開時及び該被加工部27の
裂開部位の円筒形状への成形時において、ボス部形成ロ
ーラ120の湾曲形エッジ部126に作用せしめられ
る、金属素材26への押圧力に対する反力により、ボス
部形成ローラ120が押し上げられて、被加工部27の
裂開される部位の一部が裂開されずに残存してしまうよ
うなことが有利に回避され得るのであり、それによっ
て、該被加工部27の裂開されるべき部位の全部が確実
に裂開され得て、被加工部27の裂開部位104の体積
が十分に確保され得るのである。そして、その結果とし
て、目的とするボス付きプーリの中間成形体において、
かかる裂開部位104からなるボス部を、所望の大きさ
と形状をもって形成することが可能となっているのであ
る。
【0082】従って、本具体例に係る金属製品成形装置
112を用いれば、基部側角部106の外面が湾曲面形
状とされたボス部が所望の大きさと形状とをもって同心
的に一体形成されてなるボス付きプーリの中間成形体が
確実に成形され得るのであり、そして、それによって、
ボス部の接合部分における機械的強度に優れた、堅牢な
ボス付きプーリの中間成形体、ひいてはボス付きプーリ
が、極めて有利に得られることとなるのである。
【0083】また、かかる金属製品成形装置112にお
いては、金属素材26の外周部からの被加工部27を裂
開する裂開加工と、該被加工部27の裂開部位104の
円筒形状に成形する転造加工とが、一つのボス部形成ロ
ーラ120にて、一挙に行なわれるようになっているこ
とから、それら二つの工程が、二つのローラにて別々に
行なわれるように構成された成形装置に比して、その構
造が有利に簡略化され得るのであり、しかも、それら二
つの加工が迅速且つスームズに行なわれ得るのである。
【0084】さらに、かかる金属製品成形装置112に
あっては、単に、ボス部形成ローラ120を成形金型1
14に接近、離隔する水平方向の一方向のみに移動させ
るための機構が設けられているに過ぎないものであるこ
とから、裂開転造ローラを上下方向と水平方向の二方向
に移動させるための機構が設けられてなる従来の成形装
置に比して、構造がより簡略化され得ているのである。
【0085】また、本具体例の金属製品成形装置112
においては、ボス部形成ローラ120の上端部にフラン
ジ部128が設けられ、金属素材26の外周部からの被
加工部27の裂開時や、裂開部位104の円筒形状への
成形時において、裂開部位104が、このフランジ部1
28の下面に当接せしめられて、該裂開部位104の肉
厚が増大せしめられるようになっているところから、か
かる裂開部位104にて与えられるボス部が、十分に厚
い肉厚をもって形成され得るのであり、それによって、
ボス部の接合部分の機械的強度がより高められ得、ま
た、そのようなボス部の肉厚の増大により、該ボス部に
おける基部側角部106の外面の湾曲面形状の曲率半径
をより大きく為すことが可能ならしめられ得るのであ
る。そして、それらの結果として、より一層堅牢なボス
付きプーリの中間成形体が成形され得ることとなるので
ある。
【0086】また、かかる金属製品成形装置112にあ
っては、下型18との間で金属素材26を挟持する上型
16の上型側パッド22の下型18との対向面の外周部
分がストッパ面118とされて、かかるストッパ面11
8に対して、ボス部形成ローラ120の上端面が摺接せ
しめられることにより、ボス部形成ローラ120の金属
素材26に対する押圧状態下における、ボス部形成ロー
ラ120の該金属素材26からの離隔が阻止されるよう
になっていることから、特別な部材の増設による構造の
複雑化を何等招くことなく、ボス部形成ローラ120の
金属素材26からの離隔を阻止するための構造が、極め
て有利に付与され得るのである。
【0087】而して、このような優れた特徴を有する金
属製品成形装置112を用いて、目的とするボス付きプ
ーリの中間成形体を得る際には、例えば、以下の如き手
順に従って、その操作が進められることとなる。
【0088】すなわち、先ず、図10に示される如く、
目的とするボス付きプーリの中間成形体を与える金属素
材26を、前記具体例と同様にして、上型16と下型1
8との間で、同心的に挟持させた後、図示しないモータ
44を回転駆動させることにより、それら上型16と下
型18と金属素材26とを、成形金型114の中心軸1
15回りに一体回転せしめる。なお、ここでも、金属素
材26としては、略円板形状の全体形状を有し、その中
心部に、切削加工或いはプレス曲げ加工等によって、円
形状の被加工部27が一体的に突出形成されたものが、
有利に用いられることとなる。
【0089】次に、ローラ加圧シリンダ76によりピス
トンロッド74を突出作動せしめて、クランプ78を成
形金型114側に向かって移動させることにより、図1
1に示されるように、ボス部形成ローラ120を上型1
6のボス部形成部116に接近移動させて、ボス部形成
ローラ120の湾曲形エッジ部126を、上型16及び
下型18と一体回転せしめられる金属素材26の被加工
部27の外周面に当接させる。
【0090】その際、ボス部形成ローラ120は、その
上端面130において、上型16における上型側パッド
22のストッパ面118に摺接せしめられつつ、ボス部
形成部116に向かって接近移動せしめられ、また、か
かる上端面130におけるストッパ面118への接触
と、湾曲形エッジ部126における金属素材26への当
接とによって、中心軸122回りに、金属素材26とは
逆の方向に回転させられることとなる。
【0091】その後、ボス部形成ローラ120をボス部
形成部116に対して更に接近移動させて、図12に示
される如く、被加工部27を、ボス部形成ローラ120
の湾曲形エッジ部126にて、金属素材26の外周部か
ら徐々に裂開せしめ、更に、この被加工部27の裂開部
位104を、ボス部形成ローラ120の外周面124と
ボス部形成部116の外周面との間で挟圧せしめること
により、ボス部形成部116の外周面形状に対応した円
筒形状に成形すると共に、該裂開部位104の基部側角
部106の外面を、前記湾曲形エッジ部126の外面形
状に対応した湾曲面形状に成形する。
【0092】なお、このようなボス部形成ローラ120
による被加工部27の裂開時や裂開部位104の円筒形
状への成形時においても、ボス部形成ローラ120が、
前記中心軸122回りに回転させられつつ、その上端面
130において、上型側パッド22のストッパ面118
に摺接せしめられて、ボス部形成ローラ120の、金属
素材26から上方に向かって離隔する方向への移動が阻
止せしめられる。また、その際、被加工部27の裂開部
位104の先端が、ボス部形成ローラ120の上端部に
設けられたフランジ部128の下面に当接せしめられ
て、被加工部27の裂開時や裂開部位104の円筒形状
への成形時における該裂開部位104の伸展が阻止され
ると同時に、その肉厚が増大せしめられることとなる。
【0093】かくして、図13に示される如く、一方の
面上に厚肉のボス部108が一体的に且つ同心的に形成
されてなるボス付きプーリの中間成形体110を得るの
である。そして、その後、上型16を上方に移動させ
て、得られたボス付きプーリの中間成形体110を成形
金型114から離型するのである。
【0094】このような本具体例手法によれば、ボス部
形成ローラ120による、被加工部27の金属素材26
の外周部からの裂開時と、該被加工部27の裂開部位1
04の円筒形状への成形時において、ボス部形成ローラ
120が、上方に向かって、金属素材26から離隔する
ことが有利に阻止され得るところから、被加工部27の
裂開されるべき部位の全部が確実に裂開され得て、裂開
部位104の体積が十分に確保され得るのであり、ま
た、それに加えて、その被加工部27の金属素材26か
らの裂開過程の進行と円筒形状への成形過程に伴って、
裂開部位104の肉厚が増大せめられるようになってい
ることによって、基部側角部106の外面が湾曲面形状
とされたボス部108が、十分な大きさ及び肉厚と、ボ
ス部形成部116に対応した所定の円筒形状とをもっ
て、同心的な位置に一体形成されたボス付きプーリの中
間成形体110が、極めて工業的に有利に成形され得る
のである。
【0095】以上、本発明の具体的な構成について詳述
してきたが、これはあくまでも例示に過ぎないのであっ
て、本発明は、上記の記載によって、何等の制約をも受
けるものではない。
【0096】例えば、前記二つの具体例では、成形金型
を構成する第一の型と第二の型とが、上下方向に同軸的
に位置する上型16と下型18とにて構成され、該上型
16が、該下型18に対して、接近、離隔移動せしめら
れ得るようになっていたが、それら第一の型と第二の型
は、同軸的に且つ相対的に接近、離隔可能の配置されて
いれば良いのであり、従って、例えば、下型18を上型
16に対して、接近、離隔移動可能に構成しても良く、
また、第一の型と第二の型を、左右方向において、同軸
的に且つ相対的に接近、離隔可能に配置された左型と右
型にて構成することも、可能である。
【0097】また、前記二つの具体例では、油圧機構に
よる上型移動板加圧シリンダ64内のピストンロッド6
2の突出、引込作動に伴って、第一の型としての上型1
6が、第二の型としての下型18に対して接近、離隔移
動せしめられるようになっていたが、それら第一の型と
第二の型とを相対的に接近、離隔移動させるための機構
も、何等、これに限定されるものではないことは、勿論
である。
【0098】さらに、成形金型14の上型16と下型1
8とがその中心軸29,115回りに一体回転せしめら
れるように為す回転機構も、前記二つの具体例に示され
る如きものに、特に限定されるものでない。
【0099】更にまた、前記二つの具体例では、金属素
材26が、その厚さ方向に、上型16と下型18との間
のみで、挟持されるようになっていたが、それに加え
て、成形金型14,114に対して、金属素材26を位
置固定に保持するための構造を更に付与することも、可
能である。即ち、例えば、図14に示される如く、下型
18の下型側パッド32上において、該下型側パッド3
2の径方向内方に向かって所定のクランプ力を発揮する
クランパ132を、該下型側パッド32上に載置された
金属素材26の周りを取り囲むようにして配設し、この
クランパ132にて金属素材26の外周面をクランプす
ることにより、金属素材26を、上型16と下型18と
にて厚さ方向に挟持せしめることに加えて、かかるクラ
ンパ132にて径方向に挟持せしめるようにしても良い
のである。これによって、金属素材26が、成形金型1
4,114に対して、より確実に保持され得ることとな
るのである。
【0100】また、前記第一の具体例では、裂開ローラ
68が、略円柱状の全体形状を有し、且つその下側のエ
ッジ部(成形金型14に対する対向状態下で、下型18
側に位置するエッジ部)が、直角な角形形状を呈する角
形エッジ部94とされて、構成されていたが、かかる裂
開ローラ68の全体形状と下側のエッジ部の形状は、何
等これに限定されるものではなく、例えば、成形金型1
4に対して対向する配置状態下で、下型18から上型1
6の側に向かって次第に小径となる円錐台形状の全体形
状を有し、且つ該下型18の側のエッジ部が、鋭角な角
形形状を呈するように構成することも、可能である。
【0101】さらに、円筒部形成ローラとしてのボス部
形成ローラ70,120の形状も、前記二つの具体例に
示されるものに、何等限定されるものではなく、円筒部
形成部たるボス部形成部24,116に対向位置する外
周面98,124が円柱面形状を有すると共に、第二の
型たる下型18の側のエッジ部が、湾曲面形状を有する
湾曲形エッジ部100,126として構成されておれ
ば、如何なる形状も、有利に採用され得るのである。
【0102】更にまた、かかるボス部形成ローラ70,
120の湾曲形エッジ部100,126の形状も、外方
に向かって凸となる湾曲面形状を呈するものであれば、
前記二つの具体例に示されるものに、決して限定される
ものでないことは、言うまでもないところである。
【0103】また、前記二つの具体例では、裂開ローラ
68とボス部形成ローラ120のそれぞれの上端部に、
被加工部27の裂開部位104の先端に当接し、該被加
工部27の裂開工程乃至は円筒形状への成形工程の進行
に伴って、該裂開部位104の肉厚を増大せしめるフラ
ンジ部92,128が一体的に形成されていたが、この
フランジ部92,128を省略しても、何等差し支えな
い。
【0104】さらに、前記二つの具体例では、基台12
上に配置されたローラ加圧シリンダ76内のピストンロ
ッド74の先端部に、クランプ78が固定されており、
このピストンロッド74が成形金型14の中心軸115
に垂直な方向に突出、引込作動せしめられることによっ
て、クランプ78に取り付けられる裂開ローラ68や円
筒部形成ローラたるボス部形成ローラ70,120と
が、成形金型14,114に対して接近、離隔移動させ
られるようになっていたが、そのような裂開ローラ68
やボス部形成ローラ70,120の移動機構は、特に、
これに限定されるものではない。
【0105】また、前記第一の具体例では、基台12に
一体形成された二つのローラ加圧シリンダ取付部72,
72のそれぞれに対して、クランプ78とローラ加圧シ
リンダ76及びピストンロッド74が各々一つずつ設け
られて、裂開ローラ68の移動機構とボス部形成ローラ
70の移動機構とがそれそれ別個に形成されていたが、
かかる移動機構を一組だけ設け、該一組の移動機構のク
ランプ78に対して、裂開ローラ68とボス部形成ロー
ラ70とを選択的に取り付けることにより、該一組の移
動機構にて、裂開ローラ68の移動機構とボス部形成ロ
ーラ70の移動機構とを兼用させるようにしても良く、
更に、かかる移動機構を三組以上設けることも、勿論可
能である。
【0106】更にまた、前記第一の具体例では、裂開ロ
ーラ68と円筒部形成ローラとしてのボス部形成ローラ
70とが別体にて構成されていたが、例えば、上側半分
が、裂開ローラ68と同様な構造を有し、且つ下側半分
が、ボス部形成ローラ70と同様な構造を有する一つの
裂開転造ローラを用い、その上側半分を裂開ローラ68
として、また下側半分をボス部形成ローラ70として、
それぞれ機能せしめるようにしても良い。勿論、この場
合にあっては、かかる裂開転造ローラを成形金型14に
対して接近、離隔移動せしめるだけでなく、成形金型1
4の軸方向にも移動せしめ得る移動機構を設ける必要が
ある。
【0107】また、前記第二の具体例では、円筒部形成
ローラとしてのボス部形成ローラ120が、基台12上
に一つだけ、配置されていたが、かかるボス部形成ロー
ラ120を、基台12上に、複数個、配設するようにし
ても良い。
【0108】さらに、前記第二の具体例では、上型16
における上型側パッド22の下型18との対向面の外周
部分からなるストッパ面118にて、移動阻止手段が構
成されていたが、かかる移動阻止手段を、上型16とは
別の部材にて構成することも、可能である。
【0109】加えて、前記二つの具体例では、本発明を
ボス付きプーリの中間成形体を成形する際に用いられる
金属製品成形装置と、該中間成形体の成形方法とに対し
て適用したものの具体例を示したが、本発明が、その
他、様々な用途に用いられる、円筒部が同心的に一体形
成されてなる金属製品の成形装置並びにかかる金属製品
の成形方法の何れに対しても、有利に適用され得るもの
であることは、勿論である。
【0110】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を
加えた態様において実施され得るものであり、また、そ
のような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限りに
おいて、何れも、本発明の範囲内に含まれるものである
ことが、理解されるべきである。
【0111】
【発明の効果】上述の説明からも明らかなように、本発
明に従う、円筒部が同心的に一体形成されてなる金属製
品の成形装置においては、基部側角部の外面が湾曲面形
状とされた円筒部が所望の大きさと形状をもって同心的
に一体形成されてなる金属製品が、確実に成形され得る
のであり、その結果として、該円筒部の接合部分におけ
る機械的強度に優れた、堅牢な金属成形品が、極めて有
利に得られることとなるのである。
【0112】また、本発明に従う、円筒部が同心的に一
体形成されてなる金属製品の成形方法によれば、目的と
する金属製品が、工業的に極めて有利に成形することが
出来るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う金属製品の成形装置の一例を概略
的に示す縦断面説明図であって、右側半分は、成形金型
を型開きした状態下で、金属素材をセットした状態を示
し、また、左側半分は、成形金型を型閉じして、円筒部
形成ローラにて円筒部を成形している状態を示してい
る。
【図2】図1に示された金属製品の成形装置を構成する
成形金型を示す縦断面説明図である。
【図3】本発明手法に従って、図1に示された成形装置
を用いて金属製品を成形する際の一工程例を示す説明図
であって、成形金型に対して、型開き状態下で、金属素
材をセットした状態を示している。
【図4】本発明手法に従って、図1に示された成形装置
を用いて金属製品を成形する際の別の工程例を示す説明
図であって、成形金型の上型と下型との間で、金属素材
を挟持せしめた状態を示している。
【図5】本発明手法に従って、図1に示された成形装置
を用いて金属製品を成形する際の更に別の工程例を示す
説明図であって、金属素材を挟持せしめつつ、上型と下
型とを一体回転させる一方、該金属素材の被加工部を裂
開ローラにて押圧して、裂開せしめた状態を示してい
る。
【図6】本発明手法に従って、図1に示された成形装置
を用いて金属製品を成形する際の他の工程例を示す説明
図であって、金属素材の被加工部における裂開部位をボ
ス部形成ローラにて押圧して、該裂開部位の全体を円筒
形状に成形すると共に、該裂開部位の基部側角部の外面
を湾曲面形状に成形した状態を示している。
【図7】本発明手法に従って、図1に示された成形装置
を用いて金属製品を成形する際の更に他の工程例を示す
説明図であって、成形された金属製品を離型せしめた状
態を示している。
【図8】本発明に従う金属製品の成形装置の別の例を概
略的に示す縦断面説明図であって、右側半分は、成形金
型を型開きした状態下で、金属素材をセットした状態を
示し、また、左側半分は、成形金型を型閉じして、円筒
部形成ローラにて円筒部を成形している状態を示してい
る。
【図9】図8に示された金属製品の成形装置を構成する
成形金型を示す縦断面説明図である。
【図10】本発明手法に従って、図8に示された成形装
置を用いて金属製品を成形する際の一工程例を示す説明
図であって、成形金型の上型と下型との間で、金属素材
を挟持せしめつつ、それら上型と下型とを一体回転させ
た状態を示している。
【図11】本発明手法に従って、図8に示された成形装
置を用いて金属製品を成形する際の別の工程例を示す説
明図であって、ボス部形成ローラを成形金型に接近移動
させて、該ボス部形成ローラの湾曲形エッジ部を、金属
素材の被加工部の外周面に当接させた状態を示してい
る。
【図12】本発明手法に従って、図8に示された成形装
置を用いて金属製品を成形する際の更に別の工程例を示
す説明図であって、一体回転せしめられる金属素材の被
加工部をボス部形成ローラの湾曲形エッジ部にて該金属
素材の外周部から裂開せしめる一方、該金属素材の裂開
部位を、ボス部形成ローラと上型のボス部形成部との間
で挟圧して、該裂開部位の全体を円筒形状に成形すると
共に、該裂開部位の基部側角部の外面を湾曲面形状に成
形した状態を示している。
【図13】本発明手法に従って、図8に示された成形装
置を用いて金属製品を成形する際の他の工程例を示す説
明図であって、成形された金属製品を離型せしめた状態
を示している。
【図14】本発明に従う金属製品の成形装置を構成する
成形金型の他の例を示す縦断面説明図である。
【符号の説明】
10,112 金属製品成形装置 14,114 成
形金型 16 上型 18 下型 24,116 ボス部形成部 26 金属素材 27 被加工部 68 裂開ローラ 70,120 ボス部形成ローラ 94 角形エッジ
部 98,124 外周面 100,126
湾曲形エッジ部 104 裂開部位 106 基部側角
部 108 ボス部 110 中間成形
体 118 ストッパ面 128 フランジ
部 130 上端面

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒部が同心的に且つ一体的に形成され
    てなると共に、かかる円筒部の基部側角部の外面が湾曲
    面形状とされた金属製品を成形するための成形装置であ
    って、 前記円筒部の内周面形状に対応した外周面を有する円筒
    部形成部を備えた第一の型と、該第一の型の円筒部形成
    部に対して同軸的に且つ相対的に接近、離隔可能に配置
    された第二の型とを備え、該第一の型の円筒部形成部の
    外径よりも大径の、円形突部形状の被加工部を中心部に
    有する、前記金属製品を与える金属素材を、該被加工部
    において、それら円筒部形成部及び第二の型に対して同
    心的に位置するように、該円筒部形成部と該第二の型と
    の間で挟持しつつ、それら円筒部形成部及び第二の型
    が、それらの軸心を第一の回転軸として一体回転し得る
    ように構成された成形金型と、 該第一の回転軸に平行な第二の回転軸回りに回転可能
    に、且つ前記成形金型に対して、該第一の回転軸に垂直
    な方向に接近、離隔移動し得るように配置せしめられる
    一方、前記第二の型の側に位置するエッジ部が、直角乃
    至は鋭角な角形形状を呈するように構成されたローラに
    して、かかる角形形状のエッジ部を前記第一の回転軸回
    りに一体回転せしめられる前記金属素材の被加工部の外
    周面に当接せしめた状態で、該金属素材を径方向内方に
    向かって押圧することにより、該角形形状のエッジ部に
    て、該被加工部を該金属素材の外周部から、その突出方
    向に裂開せしめる裂開ローラと、 前記第一の回転軸に平行な第三の回転軸回りに回転可能
    に、且つ前記成形金型に対して、該第一の回転軸に垂直
    な方向に接近、離隔移動し得るように配置せしめられる
    一方、前記第一の型の前記円筒部形成部の外周面に対向
    位置する外周面が円柱面形状を有すると共に、前記第二
    の型の側のエッジ部が湾曲面形状を有するように構成さ
    れたローラにして、かかる湾曲面形状のエッジ部を、前
    記被加工部の裂開せしめられた部位の基部側角部に当接
    せしめた状態で、該被加工部の裂開部位を、該金属素材
    の径方向内方に向かって押圧して、前記円筒部形成部と
    の間で挟圧することにより、該裂開部位を該円筒部形成
    部に対応した円筒形状に成形すると共に、該裂開部位の
    基部側角部の外面を前記湾曲面形状のエッジ部に対応し
    た湾曲面形状に成形して、前記円筒部を形成する円筒部
    形成ローラと、を含むことを特徴とする、円筒部が同心
    的に一体形成されてなる金属製品の成形装置。
  2. 【請求項2】 円筒部が同心的に且つ一体的に形成され
    てなると共に、かかる円筒部の基部側角部の外面が湾曲
    面形状とされた金属製品を成形するための成形装置であ
    って、 前記円筒部の内周面形状に対応した外周面を有する円筒
    部形成部を備えた第一の型と、該第一の型の円筒部形成
    部に対して同軸的に且つ相対的に接近、離隔可能に配置
    された第二の型とを備え、該第一の型の円筒部形成部の
    外径よりも大径の、円形突部形状の被加工部を中心部に
    有する、前記金属製品を与える金属素材を、該被加工部
    において、それら円筒部形成部及び第二の型に対して同
    心的に位置するように、該円筒部形成部と該第二の型と
    の間で挟持しつつ、それら円筒部形成部及び第二の型
    が、それらの軸心を第一の回転軸として一体回転し得る
    ように構成された成形金型と、 前記第一の回転軸に平行な第二の回転軸回りに回転可能
    に、且つ前記成形金型に対して、該第一の回転軸に垂直
    な方向に接近、離隔移動可能に配置せしめられる一方、
    前記第一の型における前記円筒部形成部の外周面に対向
    位置する外周面が円柱面形状を有すると共に、前記第二
    の型の側に位置するエッジ部が湾曲面形状を有するよう
    に構成されたローラにして、かかる湾曲面形状のエッジ
    部を、前記第一の回転軸回りに一体回転せしめられる前
    記金属素材の被加工部の外周面に当接させた状態で、該
    金属素材を径方向内方に向かって押圧することにより、
    該湾曲面形状のエッジ部にて、該被加工部を該金属素材
    の外周部から、その突出方向に裂開せしめる一方、該被
    加工部の裂開せしめられた部位を、前記円筒部形成部と
    の間で挟圧することにより、かかる裂開部位を該円筒部
    形成部に対応した円筒形状に成形すると共に、該裂開部
    位の基部側角部の外面を前記湾曲面形状のエッジ部に対
    応した湾曲面形状に成形して、前記円筒部を形成する円
    筒部形成ローラと、 該円筒部形成ローラの前記金属素材に対する径方向内方
    への押圧状態下において、該円筒部形成ローラにおけ
    る、前記第二の型の側とは反対側の端面に摺接して、該
    円筒部形成ローラの、前記第二の回転軸回りの回転を許
    容しつつ、該金属素材に対する押圧方向とは垂直な方向
    で、且つ該第二の型から離隔する方向への移動を阻止す
    る移動阻止手段と、を含むことを特徴とする、円筒部が
    同心的に一体形成されてなる金属製品の成形装置。
  3. 【請求項3】 前記円筒部形成部が、前記第一の型にお
    ける前記第二の型との対向面の中心部に突出形成せしめ
    られて構成される一方、前記移動阻止手段が、該第一の
    型における第二の型との対向面の外周部にて構成され、
    前記円筒部形成ローラが、前記金属素材に対する径方向
    内方への押圧状態下において、該対向面の外周部に摺接
    せしめられるようになっていることを特徴とする請求項
    2に記載の成形装置。
  4. 【請求項4】 前記円筒部形成ローラが、前記被加工部
    の、前記金属素材の外周部からの裂開の進行時に、該被
    加工部における裂開された部位の先端に当接して、かか
    る裂開の進行に伴う裂開部位の伸展を阻止することによ
    り、該裂開部位の肉厚を増大せしめる増肉手段を有し
    て、構成されていることを特徴とする請求項2又は請求
    項3に記載の成形装置。
  5. 【請求項5】 前記増肉手段が、円筒部形成ローラの外
    周面に対して、径方向外方に突出し、且つ周方向に連続
    して延びるように設けられたフランジ部にて構成されて
    いることを特徴とする請求項4に記載の成形装置。
  6. 【請求項6】 円筒部が同心的に且つ一体的に形成され
    てなると共に、かかる円筒部の基部側角部の外面が湾曲
    面形状とされた金属製品を成形する方法にして、 前記円筒部の内周面形状に対応した外周面を有する円筒
    部形成部を備えた第一の型と、該円筒部形成部に対して
    同軸的に且つ相対的に接近、離隔可能に配置された第二
    の型とが、それら円筒部形成部と第二の型の軸心を第一
    の回転軸として一体回転し得るように構成された成形金
    型を用い、該第一の型の円筒部形成部の外径よりも大径
    の、円形突部形状の被加工部を中心部に有する、前記金
    属製品を与える金属素材を、該被加工部において、それ
    ら円筒部形成部及び第二の型に対して同心的に位置する
    ように、該円筒部形成部と該第二の型との間で挟持しつ
    つ、それら円筒部形成部と第二の型とを、前記第一の回
    転軸回りに一体回転せしめる工程と、 前記第一の回転軸回りの一体回転に伴う前記金属素材の
    回転状態下において、前記第二の型の側に位置するエッ
    ジ部が直角乃至は鋭角な角形形状を呈するように構成さ
    れてなる裂開ローラを、かかる角形形状のエッジ部にお
    いて該金属素材の前記被加工部の外周部に当接せしめた
    状態で、前記第一の回転軸に平行な第二の回転軸回りに
    回転せしめつつ、該金属素材に対して径方向内方に向か
    って押し付けることにより、該被加工部を該金属素材の
    外周部から、その突出方向に裂開する工程と、 前記金属素材の前記第一の回転軸回りの一体回転状態下
    において、前記第一の型の前記円筒部形成部の外周面に
    対向位置する外周面が円柱面形状を有すると共に、前記
    第二の型の側のエッジ部が湾曲面形状を有するように構
    成されてなる円筒部形成ローラを、かかる湾曲面形状の
    エッジ部において、前記裂開ローラにて裂開せしめられ
    た前記被加工部の裂開部位の基部側角部に当接せしめた
    状態で、前記第一の回転軸に平行な第三の回転軸回りに
    回転せしめつつ、該裂開部位に対して前記金属素材の径
    方向内方に向かって押し付けて、該裂開部位を該円筒部
    形成ローラと前記円筒部形成部との間で挟圧することに
    より、該裂開部位を該円筒部形成部に対応した円筒形状
    に成形すると共に、該裂開部位の基部側角部の外面を前
    記湾曲面形状のエッジ部に対応した湾曲面形状に成形し
    て、前記円筒部を形成する工程と、を含むことを特徴と
    する、円筒部が同心的に一体形成されてなる金属製品の
    成形方法。
  7. 【請求項7】 前記被加工部を前記金属素材から裂開す
    る工程の進行によって、該被加工部の裂開せしめられた
    部位の基部側の外径が、成形されるべき前記金属製品の
    円筒部の外径に、該円筒部の基部の湾曲面の曲率半径の
    2倍の値を加えた寸法となったときに、かかる裂開工程
    が終了せしめられるようになっていることを特徴とする
    請求項6に記載の成形方法。
  8. 【請求項8】 円筒部が同心的に且つ一体的に形成され
    てなると共に、かかる円筒部の基部側角部の外面が湾曲
    面形状とされた金属製品を成形する方法にして、 前記円筒部の内周面形状に対応した外周面を有する円筒
    部形成部に対して、該円筒部形成部材の外径よりも大径
    の円筒状の被加工部を備えた、前記金属製品を与える金
    属素材を同軸的に接触させて配置する工程と、 前記円筒部の外周面形状に対応した円柱面形状の外周面
    を有し、且つ該外周面のエッジ部の一方が湾曲面形状と
    された円筒部形成ローラを用いて、かかる湾曲面形状の
    エッジ部を、前記中心軸回りに回転せしめられる金属素
    材の前記被加工部の外周面に接触させると共に、該湾曲
    面形状のエッジ部の形成側とは反対側の端面を、該円筒
    部形成ローラの中心軸回りの回転は許容するものの、該
    中心軸に沿った、該エッジ部の形成側とは反対側の方向
    への移動は阻止する移動阻止手段に摺接させた状態で、
    それら円筒部形成ローラと金属素材とを、それぞれの中
    心軸回りに相対回転せしめつつ、若しくは周方向に相対
    移動させつつ、該円筒部形成ローラを該金属素材の被加
    工部に押し付けることにより、該被加工部を、前記金属
    素材における、前記金属製品の基部に相当する基部相当
    部位から裂開せしめる一方、該被加工部の裂開せしめら
    れた部位を、前記円筒部形成部材との間で挟圧して、か
    かる裂開部位を該円筒部形成部材に対応した円筒形状に
    成形すると共に、該裂開部位の基部側角部の外面を前記
    湾曲面形状のエッジ部に対応した湾曲面形状に成形し
    て、前記円筒部を形成する工程と、を含むことを特徴と
    する、円筒部が同心的に一体形成されてなる金属製品の
    成形方法。
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