JPH11167966A - コネクタの取付方法及び取付治具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 コネクタのプリント基板への半田付けとシャ
ーシの取付面との固定を容易に行え、シャーシへの固定
時およびコネクタ嵌合時に半田付け部分に加わる外力を
阻止して半田付け部分の欠損を防止できるコネクタの取
付方法および取付治具を提供する。 【構成】 このコネクタの取付方法は、シャーシ内のプ
リント基板２に半田付けされるコネクタ１の取付部１ｄ
を、シャーシの取付面に固定するためのものであって、
コネクタ１の取付部１ｄをシャーシの取付面に押付ける
ようにして取付治具４の第２の取付片６を取付部１ｄに
当接させた状態で第１の取付片５をプリント基板２に固
定して仮固定を行った後、第２の取付片６を取付部１ｄ
とともに前記取付面に固定するとともに、コネクタ１を
プリント基板２に半田付けするようになっている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、例えばＤＩＮコネク
タであって、プリント基板に半田付けされコネクタ嵌合
方向がプリント基板にほぼ平行なコネクタを取り付け，
固定するコネクタの取付方法及び取付治具に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、例えばナビゲーションシステム等
の車載機器やその他の電子機器に用いられるコネクタで
あって、プリント基板に半田付けされコネクタ嵌合方向
がプリント基板にほぼ平行なコネクタを取り付け，固定
する場合、コネクタの外部に露出している接続ピンをプ
リント基板に半田付けし、この半田付け部分のみでコネ
クタの取り付け，固定を行う手法と、コネクタの接続ピ
ンをプリント基板に半田付けした後、プリント基板にほ
ぼ直交するシャーシの取付面とコネクタの取付部とを直
接ねじ止めしてコネクタの取り付け，固定を行う手法な
どがある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、前者のように
半田付けのみによってコネクタの取り付け，固定を行う
と、コネクタ嵌合方向がプリント基板にほぼ平行である
ため、嵌合の際に嵌合方向への外力が半田付け部分に加
わり、強度的に半田付け部分だけでコネクタを十分に固
定保持することができず、コネクタの嵌合，分離を繰り
返すうちに半田付け部分が欠損して電気的接続の不良を
招くおそれがある。

【０００４】一方、後者の場合、コネクタの取付部とシ
ャーシの取付面との位置決め（仮固定）をしない状態
で、コネクタとプリント基板との半田付けを行うので、
シャーシの取付面とコネクタの取付部との位置が合って
いない場合には、その状態で無理にねじ止めを行うと、
半田付け部分にストレスがかかり、半田付け部分が欠損
して電気的接続不良を招くおそれがある。また、コネク
タの構造上コネクタを仮固定できないため、プリント基
板への半田付けとシャーシの取付面への固定とを円滑に
行うことができない。

【０００５】そこでこの発明は、上記のような問題点を
解消するためになされたもので、コネクタのプリント基
板への半田付けとシャーシの取付面との固定を容易に行
え、コネクタのシャーシへの固定時およびコネクタ嵌合
時に半田付け部分に加わる外力を阻止して半田付け部分
の欠損を防止できるようにすることを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この発明に係るコネクタ
の取付方法によれば、シャーシ内のプリント基板に半田
付けされコネクタ嵌合方向が前記プリント基板に平行な
コネクタの、前記プリント基板にほぼ直交する取付部
を、前記シャーシの取付面に固定するコネクタの取付方
法であって、前記プリント基板にほぼ平行で前記プリン
ト基板に固定される第１の取付片と、前記第１の取付片
にほぼ直交して一体に形成された第２の取付片とを備え
る取付治具を用意し、前記コネクタの前記取付部を前記
シャーシの前記取付面に押付けるようにして前記取付治
具の前記第２の取付片を前記取付部に当接させた状態で
前記第１の取付片を前記プリント基板に固定して仮固定
を行った後、前記第２の取付片を前記取付部とともに前
記取付面に固定するとともに、前記コネクタを前記プリ
ント基板に半田付けすることを特徴とする。

【０００７】また、この発明に係るコネクタの取付方法
によれば、シャーシ内のプリント基板に半田付けされコ
ネクタ嵌合方向が前記プリント基板に平行なコネクタ
の、前記プリント基板にほぼ直交する取付部を、前記シ
ャーシの取付面に固定するコネクタの取付治具であっ
て、前記プリント基板にほぼ平行で前記プリント基板に
固定される１対の第１の取付片と、前記両第１の取付片
にほぼ直交して一体に形成され前記コネクタの前記取付
部を前記シャーシの前記取付面側に押圧するように前記
取付部に当接して配設され前記取付部とともに前記取付
面に固定される１対の第２の取付片と、前記両第２の取
付片の上端に一体に形成され前記両第２の取付片を連結
する梁とを備え、前記両第１の取付片が前記プリント基
板に固定された際、前記両第１の取付片と前記両第２の
取付片のうちの少なくとも一方が前記コネクタを両側か
ら挟み込むとともに、前記梁が前記コネクタを上方から
前記プリント基板上に押さえ付けるようになっているこ
とを特徴とする。

【０００８】

【作用】請求項１に記載の発明においては、コネクタの
取付部をシャーシの取付面に押付けるようにして取付治
具の第２の取付片を前記取付部に当接させた状態で第１
の取付片をプリント基板に固定して仮固定を行った後、
第２の取付片を前記取付部とともに前記取付面に固定す
るとともに、コネクタをプリント基板に半田付けするの
で、コネクタのプリント基板への半田付け作業，コネク
タの取付部及び第２の取付片のシャーシの取付面への固
定作業を円滑に行うことができる。

【０００９】また、コネクタをプリント基板に半田付け
した後、コネクタの取付部及び第２の取付片のシャーシ
の取付面への固定を行う場合に、その固定の際に、コネ
クタとプリント基板との半田付け部分にかかるストレス
を抑制することができる。

【００１０】さらに、取付治具によってコネクタ嵌合の
際の外力がコネクタとプリント基板との半田付け部分に
直接加わることを阻止できる。

【００１１】請求項２に記載の発明においては、コネク
タをプリント基板及びシャーシの取付面に対する所定位
置に配置したのち、両第１の取付片をプリント基板に固
定することによって、両第２の取付片によりコネクタの
取付部がシャーシの取付面に押圧されるとともに、取付
治具の両第１の取付片と両第２の取付片とのうちの少な
くとも一方によってコネクタが両側から挟み込まれ、か
つ取付治具の梁によってコネクタが上方からプリント基
板上に押さえ付けられた状態でコネクタが仮固定される
ため、コネクタの接続ピンのプリント基板への半田付け
作業，コネクタの取付部及び両第２の取付片のシャーシ
の取付面への固定作業を円滑に行える。

【００１２】また、両第１の取付片のプリント基板への
固定によって、嵌合の際の嵌合方向（プリント基板に平
行方向）への外力がこの両第１の取付片により吸収され
るため、半田付け部分に加わる外力が阻止される。

【００１３】すなわち、仮固定状態においてコネクタが
取付治具によって上下左右に位置決めされているので、
コネクタをプリント基板に半田付けした後、コネクタの
取付部及び両第２の取付片のシャーシの取付面への固定
を行う場合に、その固定の際に、コネクタとプリント基
板との半田付け部分にかかるストレスを抑制することが
できるとともに、取付治具によってコネクタ嵌合の際の
外力がコネクタとプリント基板との半田付け部分に直接
加わることを阻止できる。

【００１４】

【実施例】図１はこの発明の一実施例の分離状態の斜視
図、図２は取付状態の斜視図である。

【００１５】それらの図に示すように、ＤＩＮコネクタ
等のコネクタ１は、コネクタ本体１ａの一端側から下方
に向かって外部に導出された複数の接続ピン１ｂがプリ
ント基板２に透設された複数のピン挿通孔３にそれぞれ
挿通され、この状態で各ピン１ｂが後にプリント基板２
の銅箔パターンに半田付けされる。

【００１６】さらに、コネクタ１の本体１ａの他端側の
プリント基板２に直交した面には鍔部１ｃが一体に形成
され、この鍔部１ｃの両側には翼状の取付部１ｄが一体
に形成され、この両取付部１ｄ，１ｄにはそれぞれねじ
挿通用の切欠部１ｅが形成されており、図示はされてい
ないが、プリント基板２に直交したシャーシの取付面に
両取付部１ｄが当接して配設され、その後この取付面に
両取付部１ｄ，１ｄがねじ止めされる。

【００１７】また、コネクタ１の本体１ａの他端側に
は、コネクタ嵌合部１ｆが設けられ、この嵌合部１ｆに
図外のもう一方のコネクタがプリント基板２に平行な方
向から嵌合されるようになっている。

【００１８】ところで、上記したような構成のコネクタ
を取り付け，固定する治具４は、図１，図２に示すよう
に、プリント基板２に平行な２個の第１の取付片５と両
第１の取付片５の端部に直交して一体に形成された第２
の取付片６と、両取付片６の上端に一体に形成され両第
２の取付片６を連結する梁７とからなり、これら両第２
の取付片６がコネクタ１の両取付部１ｄに当接するよう
に治具４がコネクタ１に装着されるようになっている。

【００１９】そして、コネクタ１の各接続ピン１ｂがプ
リント基板２の各挿通孔３に挿通され、コネクタ１に装
着された治具４の両第１の取付片５がプリント基板２に
当接され、この状態において、両第１の取付片５に透設
された透孔８、及び両透孔８に対応してプリント基板２
に透設された透孔９にねじ１０が上方から挿通されてナ
ット（図示せず）に螺合され、両第１の取付片５がプリ
ント基板２に固定される。

【００２０】このとき、両第２の取付片６がコネクタ１
の両取付部１ｄに当接して両取付部１ｄをシャーシの取
付面側に押圧するため、治具４の両第１の取付片５のプ
リント基板２への固定により、コネクタ１が仮固定され
る。

【００２１】この仮固定状態において、コネクタ１は、
図２に示されるように、治具４の両第１の取付片５及び
両第２の取付片６により左右両側から挟み込まれること
により左右方向に、また、治具４の梁７により上方から
プリント基板２上に押し付けられることにより上下方向
に、さらに、治具４の両第２の取付片６によって両取付
部１ｄがシャーシの取付面に押し付けられることにより
コネクタ１の嵌合方向にそれぞれ位置決めされている。

【００２２】さらに、上記のようにコネクタ１が仮固定
されたのち、両取付部１ｄの切欠部１ｅと、両切欠部１
ｅに対応して両第２の取付片６に透設された透孔１２に
シャーシの取付面側からねじ１３が挿通されてナット
（図示せず）に螺合され、コネクタ１が治具４とともに
シャーシの取付面に取り付け，固定される。

【００２３】なお、各接続ピン１ｂの半田付けは、上記
したコネクタの仮固定の後であって本固定の前に行って
も、本固定の後に行ってもよい。

【００２４】従って、コネクタ１の取付部１ｄをシャー
シの取付面に押付けるようにして取付治具４の両第２の
取付片６を取付部１ｄに当接させた状態で両第１の取付
片５をプリント基板２に固定して仮固定を行った後、両
第２の取付片６を取付部１ｄとともに前記取付面に固定
するとともに、コネクタ１の接続ピン１ｄをプリント基
板２に半田付けするので、コネクタ１のプリント基板２
への半田付け作業，コネクタ１の取付部１ｄ及び両第２
の取付片６のシャーシの取付面への固定作業を円滑に行
うことができる。

【００２５】また、コネクタ１をプリント基板２に半田
付けした後、コネクタ１の取付部１ｄ及び両第２の取付
片６のシャーシの取付面への固定を行う場合に、その固
定の際に、コネクタ１とプリント基板２との半田付け部
分にかかるストレスを抑制することができ、さらには、
治具４によってコネクタ嵌合の際の外力がコネクタ１と
プリント基板２との半田付け部分に直接加わることを阻
止でき、これによって、電気的接続不良の発生を防止す
ることができる。

【００２６】さらに、仮固定状態においてコネクタ１が
取付治具４によって上下方向、左右方向およびコネクタ
１の嵌合方向に位置決めされているので、コネクタ１を
プリント基板２に半田付けした後、コネクタ１の取付部
１ｄ及び両第２の取付片６のシャーシの取付面への固定
を行う場合に、その固定の際に、コネクタ１とプリント
基板２との半田付け部分にかかるストレスを抑制するこ
とができ、電気的接続不良の発生をより確実に防止する
ことができる。

【００２７】なお、対象となるコネクタの形状は図示の
ものに限定されるものではなく、少なくとも嵌合方向が
プリント基板２と平行な構成のコネクタであれば、この
発明を同様に実施することができ、例えば取付部１ｄは
１個，或いは３個以上であってもよい。

【００２８】

【発明の効果】請求項１に記載の発明によれば、コネク
タの取付部をシャーシの取付面に押付けるようにして取
付治具の第２の取付片を前記取付部に当接させた状態で
第１の取付片をプリント基板に固定して仮固定を行った
後、第２の取付片を前記取付部とともに前記取付面に固
定するとともに、コネクタをプリント基板に半田付けす
るので、コネクタのプリント基板への半田付け作業，コ
ネクタの取付部及び第２の取付片のシャーシの取付面へ
の固定作業を円滑に行うことができる。

【００２９】また、コネクタをプリント基板に半田付け
した後、コネクタの取付部及び第２の取付片のシャーシ
の取付面への固定を行う場合に、その固定の際に、コネ
クタとプリント基板との半田付け部分にかかるストレス
を抑制することができ、さらには、取付治具によってコ
ネクタ嵌合の際の外力がコネクタとプリント基板との半
田付け部分に直接加わることを阻止でき、これによっ
て、電気的接続不良の発生を防止することができる。

【００３０】請求項２に記載の発明によれば、両第１の
取付片をプリント基板に固定することにより、両第２の
取付片によってコネクタの取付部をシャーシの取付面に
押圧するとともに、取付治具の両第１の取付片と両第２
の取付片とのうちの少なくとも一方によってコネクタを
両側から挟み込み、かつ取付治具の梁によってコネクタ
を上方からプリント基板上に押さえ付けてコネクタを仮
固定できるため、コネクタの接続ピンのプリント基板へ
の半田付け作業，コネクタの取付部及び両第２の取付片
のシャーシの取付面への固定作業を円滑に行うことがで
きる。

【００３１】また、仮固定状態においてコネクタが取付
治具によって上下左右に位置決めされているので、コネ
クタをプリント基板に半田付けした後、コネクタの取付
部及び第２の取付片のシャーシの取付面への固定を行う
場合に、その固定の際に、コネクタとプリント基板との
半田付け部分にかかるストレスを抑制することができ、
電気的接続不良の発生を防止することができる。

【００３２】さらに、固定状態においては、取付治具に
より嵌合の際の外力がコネクタとプリント基板との半田
付け部分に直接加わることを阻止でき、電気的接続不良
の発生を防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例の分離状態の斜視図であ
る。

【図２】図１の取付状態の斜視図である。

【符号の説明】

１ コネクタ １ｄ 取付部 ２ プリント基板 ４ 治具 ５ 第１の取付片 ６ 第２の取付片 ７ 梁

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 シャーシ内のプリント基板に半田付けさ
   れコネクタ嵌合方向が前記プリント基板に平行なコネク
   タの、前記プリント基板にほぼ直交する取付部を、前記
   シャーシの取付面に固定するコネクタの取付方法であっ
   て、 前記プリント基板にほぼ平行で前記プリント基板に固定
   される第１の取付片と、前記第１の取付片にほぼ直交し
   て一体に形成された第２の取付片とを備える取付治具を
   用意し、 前記コネクタの前記取付部を前記シャーシの前記取付面
   に押付けるようにして前記取付治具の前記第２の取付片
   を前記取付部に当接させた状態で前記第１の取付片を前
   記プリント基板に固定して仮固定を行った後、 前記第２の取付片を前記取付部とともに前記取付面に固
   定するとともに、前記コネクタを前記プリント基板に半
   田付けすることを特徴とするコネクタの取付方法。
2. 【請求項２】 シャーシ内のプリント基板に半田付けさ
   れコネクタ嵌合方向が前記プリント基板に平行なコネク
   タの、前記プリント基板にほぼ直交する取付部を、前記
   シャーシの取付面に固定するコネクタの取付治具であっ
   て、 前記プリント基板にほぼ平行で前記プリント基板に固定
   される１対の第１の取付片と、前記両第１の取付片にほ
   ぼ直交して一体に形成され前記コネクタの前記取付部を
   前記シャーシの前記取付面側に押圧するように前記取付
   部に当接して配設され前記取付部とともに前記取付面に
   固定される１対の第２の取付片と、前記両第２の取付片
   の上端に一体に形成され前記両第２の取付片を連結する
   梁とを備え、 前記両第１の取付片が前記プリント基板に固定された
   際、前記両第１の取付片と前記両第２の取付片のうちの
   少なくとも一方が前記コネクタを両側から挟み込むとと
   もに、前記梁が前記コネクタを上方から前記プリント基
   板上に押さえ付けるようになっていることを特徴とする
   コネクタの取付治具。