JPH11167949A - コネクタ - Google Patents

コネクタ

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JPH11167949A
JPH11167949A JP33608697A JP33608697A JPH11167949A JP H11167949 A JPH11167949 A JP H11167949A JP 33608697 A JP33608697 A JP 33608697A JP 33608697 A JP33608697 A JP 33608697A JP H11167949 A JPH11167949 A JP H11167949A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リテーナの半挿入検知を行い、かつリテーナ
を本係止位置から仮係止位置に戻した場合にハウジング
から脱外することを防止する。 【解決手段】 リテーナ41の両端には一対の検知片5
4が立てられており、この検知片54は、リテーナ41
が仮係止位置に留められている場合には、相手のハウジ
ングと干渉して両ハウジングの嵌合動作を規制し、もっ
てリテーナ41の半挿入を検知し得るように機能する。
検知片54の外面には抜止突部63が突設され、一方、
雄ハウジング21の側壁には抜止突部63を係止する抜
止溝67が形成されている。本係止位置にあるリテーナ
41を治具により外した場合に、抜止突部63が抜止溝
67の底縁に係止されるため、リテーナ41が雄ハウジ
ング21の外部に弾き飛ばされることが防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、端子金具を係止す
るリテーナを備えたコネクタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種のコネクタの一例として実開平6
−58570号公報に記載されたものが知られている。
このものは図15に示すように、端子金具aが挿入され
るキャビティbの設けられたコネクタハウジングcに対
して、端子金具aのアゴ部dに係合可能な係合突部eの
形成されたリテーナfが下面側から差し込み可能に設け
られている。一方リテーナfには撓み変形可能な仮係止
片gと本係止片hとが設けられていて、リテーナfが差
し込まれると、まず図16の実線に示すように、仮係止
片gが第1係止部iに係止されることで、係合突部eが
キャビティb内に突入する手前に留まる仮係止位置にリ
テーナfが保持され、係る状態で端子金具aがキャビテ
ィbに挿入され、ランスにより一次係止される。続いて
リテーナfを押し込むと、図16の鎖線に示すように、
本係止片hが第2係止部jに係止されることでリテーナ
fが本係止位置に保持され、ここでは係合突部eがキャ
ビティb内に突出して挿入された端子金具aのアゴ部d
に係合し、もって端子金具aが二重の抜け止め状態に係
止されるようになっている。
【0003】ところで上記の操作の間、リテーナfを本
係止位置に押し込むことを失念したり、あるいは押し込
み操作を行っても、端子金具aが半挿入状態にあると係
合突部eが端子金具aの本体に当たって押し込みができ
ないことにより、リテーナfが本係止位置に到る手前の
位置に留められてしまう場合があり得る。この場合は、
図16の実線に示すようにリテーナfが浮き上がり状態
となるため、目視により一応は判別可能であるが、小型
のコネクタのような場合では、浮き上がりの量も僅かで
あるため看過される可能性も否定できない。
【0004】それでも例示したような雌コネクタの場合
は、通常は相手の雄コネクタのフード部内に嵌合される
形態を取るので、リテーナが浮き上がった状態にあれば
両コネクタを嵌合した場合にリテーナの突出した部分が
フード部に当たって嵌合が規制され、それを以てリテー
ナが半挿入の状態にあることが検知できる。それに対し
て雄コネクタの場合は、コネクタの嵌合操作時に浮き上
がったリテーナが相手に突き当たることが期待できない
ので、リテーナの半挿入の検知が難しいという問題があ
った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】またメンテナンス等を
行うに際して、端子金具aをキャビティbから外す場合
は、リテーナfを本係止位置から仮係止位置に戻すと、
係合突部eによるアゴ部dへの係合が解除されること
で、端子金具aの抜き取りが可能となる。このリテーナ
fを仮係止位置に戻す作業は、リテーナfにドライバ状
の治具を引っ掛けて本係止片hを第2係止部jから外し
つつ引き出すのであるが、その際に勢い余って仮係止片
gが第1係止部iに係止されることなくそのままリテー
ナfが外部に飛び出してしまうおそれがある。そうする
と、リテーナfを改めて仮係止位置に組み直す必要があ
って面倒であるし、リテーナfを紛失するおそれもあ
り、さらなる改良が切望されていた。本発明は上記のよ
うな要望に基づいて完成されたものであって、その目的
は、リテーナの半挿入の検知をより確実に行えるように
するとともに、リテーナを本係止位置から仮係止位置に
戻した場合にハウジングから脱外することを防止すると
ころにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの手段として、請求項1の発明に係るコネクタは、端
子金具の収容されるコネクタハウジングにはリテーナが
差し込み可能に設けられ、このリテーナは、前記端子金
具の抜き差しを許容する仮係止位置と、この仮係止位置
より深い差し込み位置であって端子金具に係合して抜け
防止をする本係止位置とでそれぞれ保持可能とされたも
のにおいて、前記リテーナには、このリテーナが前記本
係止位置に到る手前の位置に留まっている場合に、相手
のコネクタハウジングと干渉することで両コネクタハウ
ジングが正規に嵌合することを規制する検知片が設けら
れているとともに、この検知片には前記コネクタハウジ
ングに係止して前記リテーナが前記仮係止位置から脱外
することを規制する抜止部が設けられている構成とした
ところに特徴を有する。請求項2の発明は、請求項1の
発明において、前記検知片が前記リテーナの両端に一対
設けられ、両検知片に前記抜止部が設けられているとこ
ろに特徴を有する。
【0007】
【発明の作用及び効果】<請求項1の発明>リテーナが
本係止位置に到る手前の位置に留められていると、相手
のコネクタハウジングと嵌合した場合に、リテーナに設
けられた検知片が相手のコネクタハウジングと干渉して
両ハウジングが正規に嵌合できない。これを以て作業者
は、リテーナが半挿入状態にあることを確実に検知でき
る。また、リテーナが本係止位置から仮係止位置に戻さ
れた場合に、検知片に設けられた抜止部の機能により仮
係止位置に留められ、ハウジングから外れてしまうこと
が防止される。 <請求項2の発明>リテーナの半挿入の検知と、リテー
ナのハウジングからの外れ止めがバランス良くさらに確
実に行われる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図1
ないし図14に基づいて説明する。本実施形態では、互
いに嵌合される雌コネクタFと雄コネクタMとを備えて
おり、そのうち雄コネクタM側に本発明が適用されてい
る。なお以下の説明では、両コネクタF,Mについて互
いに嵌合される端縁側を前方とする。
【0009】まず雌コネクタFについて説明する。この
雌コネクタFは、図1及び図2に示すように、合成樹脂
材によりブロック状に形成された雌ハウジング1を備え
ている。雌ハウジング1内には図示3個のキャビティ2
が横方向に並んで形成され、各キャビティ2内に、電線
3の端末に接続された雌側端子金具4が後方から挿入さ
れて、金属ランス5がキャビティ2に形成された係止段
部6に係止されることで、抜け止め状態に一次係止され
るようになっている。
【0010】雌ハウジング1の下面にはリテーナ装着孔
8が凹み形成されており、そこにリテーナ10が装着可
能となっている。リテーナ10には、雌側端子金具4の
アゴ部4Aに係合可能な係合突部11が形成されてお
り、詳しい説明は省略するが、リテーナ10はまず仮係
止片12により仮係止位置に保持され、この状態では係
合突部11がキャビティ2の下面側に退避していること
で、上記のように雌側端子金具4の挿入が許容される。
雌側端子金具4が挿入されたのち、リテーナ10を本係
止片13で保持される本係止位置に押し込むと、係合突
部11がキャビティ2内に突入して雌側端子金具4のア
ゴ部4Aの後面に嵌まり込み、もって雌側端子金具4が
抜け止め状態に二重係止されるようになっている。ここ
で、上記のリテーナ10が仮係止位置に留められている
場合は、その一部が雌ハウジング1の下面から突出して
おり、後記するように雄ハウジング21のフード部23
内に嵌合された場合にフード部23の先端に突き当たっ
てそれ以上の嵌合が規制され、これによりリテーナ10
が半挿入状態にあることが容易に検知できるようになっ
ている。
【0011】雌ハウジング1の上面には、前端側から後
端側に向けて折り返されるようにして、撓み変形可能な
ロックアーム15が形成されている。このロックアーム
15の上面には押圧部16が突設されているとともに、
押圧部16の少し前方における両側縁には、一対のロッ
ク突部17が張り出し形成されている。
【0012】続いて、雄コネクタMについて説明する。
この雄コネクタMは、同じく合成樹脂材により形成され
た雄ハウジング21を備えており、本体部22の前面
に、上記した雌ハウジング1が嵌合されるフード部23
の設けられた形状となっている。本体部22内には、同
じく図示3個のキャビティ24が横方向に並んで形成さ
れ、各キャビティ24内に、電線25の端末に接続され
た雄側端子金具26が後方から挿入され、金属ランス2
7がキャビティ24に形成された係止段部28に係止さ
れることで、タブ29をフード部23内に突出させた状
態で抜け止めされて収容されるようになっている。この
雄ハウジング21にも、雄側端子金具26を二重係止す
べくリテーナ41が装着されているが、リテーナ41並
びにその装着部分の構造等については後述する。
【0013】上記したフード部23内の天井部分には、
前面に開口した収容室31が設けられ、この収容室31
内に被押圧部材32が前後方向の摺動自由に嵌装されて
いる。この被押圧部材32は、両ハウジング1,21の
嵌合操作時に雌ハウジング1に設けられたロックアーム
15の押圧部16により押し込み操作可能とされるもの
であって、後面側に設けられた圧縮コイルバネからなる
2本の戻しバネ33によって前方へ移動付勢され、天井
面に設けられた係止部34で移動が停止されるようにな
っている。収容室31の底面の前端部分は開口されてい
て、その両側縁から垂下して形成された壁35の内面
に、ロックアーム15のロック突部17が乗り上げつつ
その後面に係止可能とされる係止突起36が形成されて
いる。
【0014】本体部22内におけるキャビティ24の設
けられた部分の上方の空間には、ショート端子38が組
み付けられている。ショート端子38は導電性の金属板
を断面U字状に折り返し形成されていて、その上面部分
が固定されて折り返し部分を奥側に向けた姿勢で組み付
けられている。このショート端子38の下面側は、収容
される雄側端子金具26の数に対応して3本に分岐して
おり、各分岐片39の先端に下向きの山形に屈曲された
接触部40が形成されている。そして組み付けられた状
態では、各分岐片39の接触部40が雄側端子金具26
のフード部23内に突出したタブ29とそれぞれ接触し
て、各雄側端子金具26間が導通状態とされ、各雄側端
子金具26に電位差が生じることが防止されている。一
方、両ハウジング1,21が嵌合されると、各分岐片3
9は雌ハウジング1により弾性的に押し上げられてタブ
29から離間し、各雄側端子金具26間が非導通状態と
されるようになっている(図10参照)。
【0015】雄ハウジング21の本体部22における下
面には、図4にも示すようにリテーナ装着孔42が形成
され、ここにリテーナ41が装着されるようになってい
る。リテーナ41は、図3に示すように、細長い基板4
3の上面に、雄側端子金具26のアゴ部26Aの後面に
係合可能な3個の係合突部44が設けられている。な
お、係合突部44の先端の両側には延出部45が形成さ
れていて、雄側端子金具26の首の部分を間に挟みつつ
アゴ部26Aとの引っ掛かり代をより大きく取って、係
止力を高めるようにされている。
【0016】各係合突部44の間の位置には、2組のリ
テーナ係止突部47が形成されている。このリテーナ係
止突部47の先端部分は、二股に分かれて閉脚方向に弾
性変形可能な仮係止片48と本係止片49とが形成され
ている。一方雄ハウジング21側において、中央のキャ
ビティ24を挟む両側には一対のリテーナ係止溝50が
形成されており、図5に示すように、前側の側縁には第
1係止部51、後側の側縁にはそれよりも深い位置に第
2係止部52が突設されている。
【0017】そして、同図(A)に示すように、仮係止
片48が第1係止部51で係止されることでリテーナ4
1は仮係止位置に保持される。この仮係止位置では、上
記した係合突部44がキャビティ24の下面側に退避し
ていて、雄側端子金具26のキャビティ24内への抜き
差しが許容される。リテーナ41がさらに押し込まれ
て、同図(B)のように本係止片49が第2係止部52
で係止されると、リテーナ41は本係止位置に保持され
る。この本係止位置では係合突部44がキャビティ24
内に突入して、雄側端子金具26のアゴ部26Aに係合
可能とされる。
【0018】リテーナ41の両端には一対の検知片54
が立てられている。詳細には、検知片54の長さ方向の
中央部には縦溝55が切られている。この縦溝55によ
り分けられた前部側では、下端側が切除されて上端側が
前方に突出したような形状となっており、この突出部分
が検知部56となっている。また、リテーナ装着孔42
の両端には、図4に示すように、検知片54の挿入を可
能とする検知片挿入溝58が形成され、その中には、図
6に示すように、検知片54の縦溝55内に緊密に嵌合
するガイド壁59が形成されている。検知片挿入溝58
の前方は、フード部23の側壁の内側に沿うようにして
前面に開口している。一方、相手の雌ハウジング1の前
端部の側面には、雄側のリテーナ41の検知部56が嵌
合可能な検知溝61が形成されている。この検知溝61
の形成されている高さ位置は、リテーナ41が本係止位
置にある場合において検知部56が嵌合し得る位置であ
る。
【0019】リテーナ41の検知片54の外面には、そ
れぞれ縦溝55を挟んだ前後両側に一対の抜止突部63
が同一高さに形成されている。抜止突部63は、上面が
テーパ状のガイド面64で、下面が水平な係止面65と
なっている。一方、上記した検知片挿入溝58の外側に
は、図7に示すように、抜止溝67が形成されている。
この抜止溝67は、図9に示すように、雄ハウジング2
1の本体部22の下面から内部に所定寸法入った位置か
ら所定の高さにわたって形成されている。この抜止溝6
7の底縁の位置は、リテーナ41が上記した仮係止位置
に保持された場合に、抜止突部63の係止面65を係止
し得る位置である。また、抜止溝67の高さは、リテー
ナ41が本係止位置まで押し込まれた場合に、同図の鎖
線に示すように抜止突部63の上昇を許容し得る高さで
ある。また、抜止溝67内には、前後の抜止突部63の
間に挟まれるようにして縦方向の仕切壁68が形成され
ている。
【0020】本実施形態は上記のような構造であって、
続いてその作用を説明する。まず、図6の矢線に示すよ
うに、雄ハウジング21のリテーナ装着孔42にリテー
ナ41を差し込むと、図5(A)に示すように、仮係止
片48が第1係止部51に係止されることでリテーナ4
1が仮係止位置に保持される。一方検知片54は検知片
挿入溝58に差し込まれ、それに伴い抜止突部63が抜
止溝67内に圧入されて、図9に示すように前後の抜止
突部63が仕切壁68を挟みつつ抜止溝67の底縁に係
止される。この仮係止位置では、係合突部44はキャビ
ティ24の下面側に退避している。係る状態で雄側端子
金具26をキャビティ24内に挿入すると、金属ランス
27により一次係止される。このとき雄側端子金具26
のタブ29はフード部23内に突出してショート端子3
8の対応する分岐片39とそれぞれ接触する。
【0021】続いて、リテーナ41をさらに押し込む
と、抜止突部63が抜止溝67内を上方に移動しつつ検
知片54がさらに差し込まれ、それとともに図5(B)
に示すように、本係止片49が第2係止部52に係止さ
れて本係止位置に保持される。それに伴い、図2に示す
ように、係合突部44がキャビティ24内に突入して雄
側端子金具26のアゴ部26Aの後方に係止し、もって
二次係止される。
【0022】一方、雌コネクタF側でも、同様に雌側端
子金具4が挿入されてリテーナ10により二重係止され
る。この雌コネクタFを雄コネクタMのフード部23内
へ嵌め込むと、嵌合操作の途中で、図10に示すよう
に、ロックアーム15のロック突部17が係止突起36
に乗り上げることでロックアーム15が上方に弾性変形
し、押圧部16が被押圧部材32を戻しバネ33の弾力
に抗して押し込みつつ嵌合される。雄コネクタMのリテ
ーナ41が本係止位置にあれば、図11に示すように、
検知片54の検知部56と、雌ハウジング1の検知溝6
1とが対応しているので、検知部56が検知溝61内に
入り込みつつ嵌合が継続される。
【0023】両コネクタF,Mが正規に嵌合されると、
ロック突部17が係止突起36を越えるので、図12に
示すようにロックアーム15が復元変形しつつロック突
部17が係止突起36の後面に係止されることで、正規
の嵌合状態にロックされ、被押圧部材32は戻しバネ3
3の復元弾力で前方位置に戻される。また、検知片54
の検知部56は、図13に示すように雌ハウジング1の
検知溝61内に深く嵌入しており、これによりリテーナ
41は本係止位置において強固に抜け止めされる。
【0024】なお上記において、両コネクタF,Mが正
規に嵌合される前に嵌合操作が中断されると、図10に
示すように、戻しバネ33の復元弾力でロックアーム1
5が戻し方向に力を受けた状態にあるため、雌コネクタ
Fが外方に弾き出され、両コネクタF,Mが半嵌合状態
に留め置かれることが回避される。
【0025】以上は、リテーナ41が雄ハウジング21
に対して正規の本係止位置に装着された場合について説
明したが、例えば、リテーナ41を本係止位置に押し込
むことを失念したり、あるいは押し込み操作を行って
も、雄側端子金具26が半挿入状態にあると係合突部4
4が雄側端子金具26の本体に当たって押し込みができ
ないことにより、リテーナ41が仮係止位置に留められ
てしまう場合があり得る。係る状態で両コネクタF,M
を嵌合操作した場合を、以下に説明する。
【0026】リテーナ41が仮係止位置にある状態で
は、図14に示すように、リテーナ41に設けられた検
知片54が検知片挿入溝58の奥まで挿入されておら
ず、したがって検知部56は、相手の雌ハウジング1の
検知溝61の正面から下方にずれたところに位置してい
る。したがって、嵌合操作の終わりに近くなると、雌ハ
ウジング1の前端の側面が検知部56に突き当たってそ
れ以上嵌合できない。正規に嵌合できないことは、嵌合
操作を中断すれば戻しバネ33の弾力で雌コネクタFが
弾き出されることではっきりと認識できる。そして、こ
のように両コネクタF,Mが正規に嵌合できないことを
もって、作業者はリテーナ41が本係止位置に装着され
ていないことを検知し得るところとなる。
【0027】なお、リテーナ41が回動するようにガタ
付いた状態で装着されていると、仮係止位置にあるにも
拘わらず、検知部56が検知溝61に対して嵌合可能な
向きを取ってしまうことがあり得る。そうすると、両コ
ネクタF,Mがそのまま正規に嵌合されてしまい、リテ
ーナ41の半挿入検知ができない。その点本実施形態で
は、検知片54の縦溝55内にガイド壁59が緊密に嵌
合しており、また図9に示すように、一対の抜止突部6
3が仕切壁68を両側から挟持しているため、リテーナ
41は強固に回り止めされている。したがって、リテー
ナ41が仮係止位置にあれば、検知部56は必ず雌ハウ
ジング1の検知溝61から下方にずれた位置にあり、両
コネクタF,Mの正規嵌合を確実に阻止し得、ひいては
リテーナ41の半挿入の検知が正確に行われる。上記の
ようにリテーナ41の半挿入が検知されたら、雄側端子
金具26の挿入状態を確認しつつリテーナ41を本係止
位置に押し込んだのち、再度両コネクタF,Mを嵌合す
ればよい。
【0028】一方、メンテンナンス等を行うに際して、
雄側端子金具26を雄ハウジング21から抜き取る場合
は以下のようにして行う。まず、図12の状態からロッ
クアーム15を下方に撓み変形させてロックを解除し、
両コネクタF,Mを引き離す。次に、図4に示すよう
に、リテーナ装着孔42の端縁に設けられた治具挿入溝
70にドライバ状の治具71を差し込んで、リテーナ4
1の基板43をこじると、本係止片49が第2係止部5
2から外れてリテーナ41が引き出され、仮係止片48
が第1係止部51に係止されて仮係止位置に保持される
ので、金属ランス27を同じく治具により撓み変形させ
て係止を解除しつつ雄側端子金具26を引き抜くことが
できる。
【0029】ここで、リテーナ41を治具71でこじた
際、仮係止片48も撓み変形可能であることから、第1
係止部51に引っ掛かることなくリテーナ41が外部に
弾き出されることも懸念される。その点この実施形態で
は、検知片54に抜止突部63が設けられていて、図7
に示すように、それが抜止溝67の底縁で係止されるこ
とによって、リテーナ41はリテーナ装着孔42から抜
け出ることなく仮係止位置に留められる。したがって、
リテーナ41を紛失してしまうことが防止され、再度組
み付ける手間も不要となる。
【0030】<他の実施形態>本発明は上記記述及び図
面によって説明した実施形態に限定されるものではな
く、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に
含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内
で種々変更して実施することができる。 (1)本発明は、形状によっては雌側のコネクタにも適
用することが可能である。 (2)また、上記実施形態に例示したサイドタイプのリ
テーナに限らず、リテーナがハウジングの前面または後
面側から装着されるタイプのコネクタにも同様に適用可
能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の分解斜視図
【図2】両コネクタの嵌合前の状態の縦断面図
【図3】リテーナの斜視図
【図4】裏面側から見た雄コネクタの分解斜視図
【図5】リテーナの係止動作を示す断面図
【図6】両コネクタの嵌合前の状態の一部切欠側面図
【図7】リテーナが仮係止位置にある状態の雄コネクタ
の横断面図
【図8】その雄コネクタの正面図
【図9】リテーナの抜け止め構造を示す断面図
【図10】両コネクタが嵌合途中にある状態の縦断面図
【図11】そのリテーナの検知片の部分を示す縦断面図
【図12】両コネクタが正規嵌合された状態の縦断面図
【図13】そのリテーナの検知片の部分を示す縦断面図
【図14】リテーナの半挿入を検知した状態の縦断面図
【図15】従来例の一部切欠分解斜視図
【図16】そのリテーナの係止動作を示す縦断面図
【符号の説明】
1…雌ハウジング(相手側のハウジング) 21…雄ハウジング 26…雄側端子金具 41…リテーナ 42…リテーナ装着孔 48…仮係止片 49…本係止片 51…第1係止部 52…第2係止部 54…検知片 56…検知部 61…検知溝 63…抜止突部(抜止部) 67…抜止溝

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 端子金具の収容されるコネクタハウジン
    グにはリテーナが差し込み可能に設けられ、このリテー
    ナは、前記端子金具の抜き差しを許容する仮係止位置
    と、この仮係止位置より深い差し込み位置であって端子
    金具に係合して抜け防止をする本係止位置とでそれぞれ
    保持可能とされたものにおいて、 前記リテーナには、このリテーナが前記本係止位置に到
    る手前の位置に留まっている場合に、相手のコネクタハ
    ウジングと干渉することで両コネクタハウジングが正規
    に嵌合することを規制する検知片が設けられているとと
    もに、この検知片には前記コネクタハウジングに係止し
    て前記リテーナが前記仮係止位置から脱外することを規
    制する抜止部が設けられていることを特徴とするコネク
    タ。
  2. 【請求項2】 前記検知片が前記リテーナの両端に一対
    設けられ、両検知片に前記抜止部が設けられていること
    を特徴とする請求項1記載のコネクタ。
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