JPH11167565A - 高速フーリエ変換装置及びネットワークアナライザ - Google Patents

高速フーリエ変換装置及びネットワークアナライザ

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JPH11167565A
JPH11167565A JP10277091A JP27709198A JPH11167565A JP H11167565 A JPH11167565 A JP H11167565A JP 10277091 A JP10277091 A JP 10277091A JP 27709198 A JP27709198 A JP 27709198A JP H11167565 A JPH11167565 A JP H11167565A
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JP10277091A
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Norio Arakawa
則雄 荒川
Hiroyuki Konno
裕幸 紺野
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Advantest Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】フーリエ変換式の各項について離散的フーリエ
変換プロセスを並列的に実行する、高速フーリエ変換方
法および装置を提供する。さらに、フーリエ変換式の連
続した複数項について離散的フーリエ変換プロセスを並
列的に実行してフーリエ変換の計算回数を減少した、高
速フーリエ変換方法および装置を提供する。 【解決手段】 離散的フーリエ変換の変換式を用いてフ
ーリエ変換するフーリエ変換装置において、各テストポ
イントについてテストデータが得られる毎に、データ番
号を計数する測定回数計数器と、そのデータ番号で規定
された、複数のフーリエ変換式間に共通な複数の項につ
いて、フーリエ変換演算を実行するフーリエ変換器と、
このフーリエ変換器により得られた、複数のフーリエ変
換式間の共通項の、フーリエ変換演算結果を記憶する演
算結果ファイルと、演算結果ファイルに記憶した各演算
値を、全てのフーリエ変換式が最終結果を示すように、
加算する加算手段と、によって構成され、そのフーリエ
変換式の上記複数の項における、計算の冗長分を除去し
た高速フーリエ変換装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はたとえばネットワ
ークアナライザ或いはスペクトラムアナライザなどの測
定器に利用して好適な高速フーリエ変換装置に関し、特
に離散的フーリエ変換を並列に実行する高速フーリエ変
換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】フーリエ変換技術、例えばFFT(ファ
ーストフーリエトランスフォーム)は、ネットワークア
ナライザやスペクトラムアナライザ等の計測器におい
て、素子の応答特性を分析したり、入力信号の周波数ス
ペクトラムを分析する等のために、広く用いられてい
る。例えば、そのようなフーリエ変換処理は、所定の時
間間隅で測定して得られた時間領域データに用いられ
る。この時間領域データを周波数領域データに変換し
て、入力信号の周波数領域での周波数成分を分折し、あ
るいは周波数スペクトルを求めている。
【0003】これとは反対に、フーリエ変換処理により
周波数領域のデータを時間領域データに変換することも
あり、その場合は逆フーリエ変換とも呼ばれる。例え
ば、フィルタあるいは他の通信デバイスを測定する場合
において、ネットワークアナライザにより、その被試験
デバイスに周波数掃引信号を与え、その結果としての周
波数領域の信号を、所定の周波数ステップ毎に測定す
る。この測定したデータに基づいて、ネットワークアナ
ライザは、被試験デバイスの伝達関数、反射係数、位相
変移、群遅延(グループデレー)、スミスチャート等の
各種のパラメータを計算し表示する。
【0004】ネットワークアナライザはさらに、被試験
デバイスの時間領域での応答、例えば時間軸反射特性
(TDR)を求めるために用いられることもある。その
場合、被試験デバイスの伝達関数を示す周波数領域デー
タが、逆フーリエ変換により時間領域データに変換され
る。この逆フーリエ変換処理の前に、周波数領域におい
て、窓関数が伝達関数に乗ぜられることもある。これに
より、被試験デバイスの時間領域での応答特性、例えば
インパルス応答特性を、実際にそのデバイスにインパル
スを印加することなく分析することができる。
【0005】このようなフーリエ変換の手法は基本的に
は、いわゆる難散的フーリエ変換に基づいており、被試
験デバイスの応答は、一定間隔の連続的なサンプルによ
り得られる離散的ハーモニクスとして測定される。離散
的フーリエ変換は多くの演算回数を要する。すなわちN
個の測定点から得られた測定値を離散的フーリエ変換す
る場合、N2 回の演算を必要とし、演算量が膨大になる
ため、全体としての演算に大きな時間が掛かる欠点があ
った。
【0006】この欠点を解消するために、FFTと呼ば
れる高速フーリエ変換方法が、クーリとチューキイによ
り開発された。FFTは離散的フーリエ変換に要する演
算回数を減少させるためのアルゴリズムであり、一般に
コンピュータにより実行され、フーリエ変換の実行にお
ける冗長動作を除去することにより、演算回数を削減す
る。FFTによれば、N個のサンプルデータをフーリエ
変換する場合の演算量は、Nlog2 Nで表される。し
たがってFFTは、難散的フーリエ変換より演算量を大
幅に減少できるので、特に大量のデータを扱う場合に
は、従来の離散的フーリエ変換よりはるかに高速の処理
ができる。
【0007】然しながら、このFFTにも欠点がある。
まずFFTは取り扱うN個のデータ数が、2のべき乗で
あることを必要とするので、そのアプリケーションが制
限されることがある。また他の重要の問題として、FF
TはN個のサンプルデータの全てが揃わないと、フーリ
エ変換の演算を始められない特質を持っている。このた
め測定開始からフーリエ変換終了までに必要な時間は、
図8に示すように測定時間TMES に演算処理時間TFFT
を加えた TMES + TFFT が、全体のフーリエ変換に
要する時間になる。
【0008】一方FFTを発展させ、FFTより分解能
よくフーリエ変換することができる、チャープZ変換と
呼ばれているフーリエ変換方法もある。このチャープZ
変換方法の他の利点は、データサンプルの数が2のべき
乗であることを必要としないことである。このフーリエ
変換手法は1975年発行のラビナーとゴールドによる
「ディジタル信号処理の理論と応用」393ー398ペ
ージ、に記載されている。この変換方法は変換時間に限
ってみるならば、FFTを3回繰返して結果を得る変換
方法であるため、変換に要する時間は図9に示すように
測定時間TMESにFFTの3倍の時間3TFFT を加えた
時間になる。すなわちチャープZ変換は従来のFFTに
おいて必要な変換時間より長い変換時間を要する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】したがって、この発明
の目的は、従来のフーリエ変換技術における問題を克服
することができる、高速フーリエ変換方法と装置を提供
することにある。この発明の他の目的は、測定時間T
MES を含めて従来のFFT手法より短時間にフーリエ変
換の結果を得ることができる、高速フーリエ変換方法お
よび装置を提案するものである。この発明のさらに他の
目的は、サンプルデータを得ながらそれと同時に実時間
的に離散的フーリエ変換プロセスを実行する、高速フー
リエ変換方法および装置を提供することにある。この発
明のさらに他の目的は、フーリエ変換式の各項について
離散的フーリエ変換プロセスを並列的に実行する、高速
フーリエ変換方法および装置を提供することにある。こ
の発明のさらに他の目的は、フーリエ変換式の連続した
複数項について離散的フーリエ変換プロセスを並列的に
実行する、高速フーリエ変換方法および装置を提供する
ことにある。この発明のさらに他の目的は、フーリエ変
換式の単独項あるいは連続的な複数項について、離散的
フーリエ変換プロセスを並列的に実行する高速フーリエ
変換方法を用いた、ネットワークアナライザ装置を提供
することにある。
【0010】本発明の高速フーリエ変換方法および装置
は、本発明の出願人により新たに開発された、並列離散
的フーリエ変換手法に基づいている。本発明の高速フー
リエ変換は、複数のフーリエ変換式間の共通項の演算
は、それに対応する順番のデータサンプルを基にして、
他の共通項とは独立に実行できる、との事実に基づいて
いる。フーリエ変換式の各項の総和が、最終的なフーリ
エ変換結果となる。本発明のフーリエ変換手法はまた、
最近のディジタル処理デバイスの動作の高速化を利用し
て達成されている。また本発明の高速フーリエ変換方法
および装置は、並列離散的フーリエ変換を実行する際
に、継続する複数項についてまとめてフーリエ変換の演
算をおこなうことにより、演算の冗長性を省き、計算回
数を減少させている。
【0011】この発明の高速フーリエ変換装置は、デー
タサンプルが得られる毎に、複数のフーリエ変換式の対
応する共通項について変換演算をする、離散的フーリエ
変換器により構成されている。その共通項は測定動作の
開始から計数した、データサンプルの順番に対応してい
る。本発明の高速フーリエ変換装置はさらに、この離散
的フーリエ変換手段が演算した演算値を、複数のフーリ
エ変換式の項に対応して配列別に記憶する演算結果ファ
イルを有している。本発明の高速フーリエ変換装置はさ
らに、この演算結果ファイルに変換結果の配列別に記憶
された演算値を、各変換結果の配列毎に加算し、複数の
フーリエ変換式の最終的な変換結果を得るための、加算
器を有している。
【0012】この発明による高速フーリエ変換装置によ
れば、例えば被試験デバイスに周波数掃引信号を入力す
る。この周波数掃引信号の所定の周波数間隔について、
被試験デバイスの出力信号をN回測定して、サンプル数
Nの周波数領域データを得る。N個のフーリエ変換式に
ついて、この測定プロセスにより得られたデータサンプ
ルの取得順に対応する共通項について、離散的フーリエ
変換を実行する。データサンプルの取得順は、例えばそ
の測定プロセスの開始点を基準にした測定回数により規
定する。フーリエ変換式の共通項についての演算プロセ
スは、取得したデータサンプルについて実時間で実行さ
れ、次のデータサンプルが得られる前に終了する。した
がって、次の測定データサンプルが得られるまでに、離
散的フーリエ変換式の共通なN項の演算が行われる。最
近のディジタル信号処理デバイスの高速化により、アナ
ログ掃引周波数発生器の各周波数間隔の時間より速く、
共通なN項の離散的フーリエ変換演算が可能である。
【0013】よって最後の測定値が得られた時点では、
その最後のN番目のフーリエ変換をするのみで、N個の
測定データについて離散的フーリエ変換の全ての項の演
算が完了する。得られた項別の演算結果を、フーリエ変
換式の配列別に加算すれば、最終的なフーリエ変換結果
を得ることができる。
【0014】結局この発明によれば、測定時間TMES
フーリエ変換式中の1項分の演算処理に要する時間T
DFT を加えた TMES +TDFT の時間により、全ての演
算処理が終了する。フーリエ変換式中の1項分の演算処
理に要する時間TDFTは、各測定点間の時間△tより短
いので、この発明によれば、測定データの取得終了とほ
ぼ同時に最終的なフーリエ変換結果を得ることができ
る。本発明の他の実施例では、離散的フーリエ変換にお
ける計算の冗長性を省き、全体としての計算回数を減少
させる手法を示している。以上のような本発明の目的と
優位性は、以下の詳細な説明と添付した図面を参照し
て、より明らかになるであろう。
【0015】
【課題を解決するための手段】
【0016】離散的フーリエ変換の演算式を用いてフー
リエ変換をするフーリエ変換装置において、テストポイ
ントについてテストデータが得られる毎に、データ番号
を計数する測定回数計数器と、そのデータ番号で規定さ
れた、複数のフーリエ変換式間の共通項について、フー
リエ変換演算を実行するフーリエ変換器と、このフーリ
エ変換器により得られた、複数のフーリエ変換式間の、
共通項についてのフーリエ変換演算結果を記憶する演算
結果ファイルと、演算結果ファイルに記憶した各演算値
を、全てのフーリエ変換式が最終結果を示すように、加
算する加算手段と、によって高速フーリエ変換装置を構
成する。
【0017】また、上記の高速フーリエ変換装置で、N
個のテストデータが上記フーリエ変換器に供給され、そ
の各テストデータは実数部と虚数部を有し、上記複数の
フーリエ変換式はN個の離散的フーリエ変換式により構
成され、かつその各フーリエ変換式はN個の項を有する
ように構成してもよい。また、上記の高速フーリエ変換
装置で、その演算結果ファイルは、上記複数のフーリエ
変換式の全ての項に対応して、アレイ状に配置された上
記演算結果を蓄積するための記憶領域を有するように構
成してもよい。また、上記の高速フーリエ変換装置で、
その演算結果ファイルは、上記複数のフーリエ変換式の
数に対応した上記演算結果を蓄積するための記憶領域を
有し、上記フーリエ変換により、そのフーリエ変換式の
各項について得られた前回の演算結果に、新たな演算結
果を加えることにより、上記演算結果の累計をその記憶
領域に蓄積するように構成してもよい。
【0018】さらに、次のように構成してもよい。離散
的フーリエ変換の変換式を用いてフーリエ変換するフー
リエ変換装置において、各テストポイントについてテス
トデータが得られる毎に、データ番号を計数する測定回
数計数器と、そのデータ番号で規定された、複数のフー
リエ変換式間に共通な複数の項について、フーリエ変換
演算を実行するフーリエ変換器と、このフーリエ変換器
により得られた、複数のフーリエ変換式間の共通項の、
フーリエ変換演算結果を記憶する演算結果ファイルと、
演算結果ファイルに記憶した各演算値を、全てのフーリ
エ変換式が最終結果を示すように、加算する加算手段
と、によって構成され、そのフーリエ変換式の上記複数
の項における、計算の冗長分を除去して高速フーリエ変
換装置を構成する。
【0019】また、上記高速フーリエ変換装置で、その
複数の項は3項であり、上記複数のフーリエ変換式間に
共通の3項についてフーリエ変換の演算が同時に実行さ
れるように構成してもよい。また、上記の高速フーリエ
変換装置で、N個のテストデータが上記フーリエ変換器
に供給され、その各テストデータは実数部と虚数部を有
し、上記複数のフーリエ変換式はN個の離散的フーリエ
変換式により構成され、その各フーリエ変換式はN個の
項を有し、上記フーリエ変換器は、上記複数のフーリエ
変換式間に共通の3項についてフーリエ変換の演算を同
時に実行するように構成してもよい。
【0020】さらに、次のように構成してもよい。N個
のデータサンプルを連続的に生成するデータサンプリン
グ装置と、そのデータサンプリング装置に接続され、N
個のフーリエ項のうち受けたデータサンプルに対応する
項について計算する項別フーリエ計算器と、その項別フ
ーリエ計算器はそのデータサンプルを受けることにより
動作し、この項別フーリエ計算器に接続され、その計算
されたのフーリエ項を記憶するための項別フーリエ記憶
装置と、その計算されたフーリエ項を加算して、そのN
個の連続的データサンプルについてのフーリエ変換結果
を生成するアキュームレータと、により高速フーリエ変
換装置を構成してもよい。
【0021】さらに、次のように構成してもよい。被試
験装置の応答特性を分析するためのネットワークアナラ
イザにおいて、印加された信号に対する被試験装置の応
答をあらわす信号をディジタルに変換する変換器と、そ
の変換器に接続され、そのディジタル信号を周波数領域
において処理して、その印加された信号に対する被試験
装置の応答の、伝達関数を計算するための伝達関数アナ
ライザと、その伝達関数アナライザはさらに、その計算
された伝達関数に基づいて、その被試験装置のシミュレ
ートされた信号に対する応答特性に対応する、周波数領
域での信号を計算し、複数の離散的フーリエ変換(DF
T)式に共通する、周波数領域での少なくとも1つのデ
ータサンプルについて、並列フーリエ変換動作を行う高
速フーリエ変換器と、その高速フーリエ変換器はその周
波数領域信号を受けるように接続され、その周波数領域
信号を時間領域信号に実質的に実時間で変換し、その各
離散的フーリエ式は得られた時間領域信号点に対応し、
これらによりネットワークアナライザを構成してもよ
い。
【0022】また、上記のネットワークアナライザで、
その高速フーリエ変換器は、複数の離散的フーリエ変換
式に共通する複数の周波数領域データサンプルについて
並列フーリエ変換動作を実施するように構成してもよ
い。また、上記のネットワークアナライザで、その複数
の周波数領域データサンプルは3個であり、その複数の
離散的フーリエ変換式間に共通の3データサンプルにつ
いて、フーリエ変換の演算を同時に実行するように構成
してもよい。また、上記のネットワークアナライザで、
その高速フーリエ変換器は、複数の離散的フーリエ変換
式に共通する3個の連続した周波数領域データサンプル
について、並列フーリエ変換動作を実施するように構成
してもよい。
【0023】
【発明の実施の形態】図1にこの発明によるフーリエ変
換装置の一実施例を示す。図1に示す実施例では、周波
数帰引発振器11から被試験回路12に、周波数帰引信
号が与えられる。被試験回路12から出力される信号
は、検波回路13に入力される。検波回路13は、被試
験回路12からの出力信号について、周波数帰引発振器
11の発振信号の周波数における、実数部と虚数部を検
波する。この試験のための周波数はほぼ直流からマイク
ロ波周波数までの範囲で可能であり、特に無線周波数で
動作する被試験対象に適している。よく知られているよ
うに、周波数帰引発振器11は個別の固定周波数の信号
を被試験回路に供給することもできる。AD変換器19
および20は、検波回路13からの実数部と虚数部の検
波出力を受け、それらをディジタル信号に変換する。
【0024】AD変換器からのディジタルデータはフー
リエ変換器14に入力される。この入力データは、複素
数測定値(以下測定値x(0),x(1),x(2)・・・・x
(n-1)と称す)となっていおり、フーリエ変換器14は
この入力データについて、高速の離散的フーリエ変換を
行う。これにより周波数領域データがフーリエ変換(正
式にはフーリエ逆変換)されて、時間領域のデータとな
る。
【0025】周波数掃引発信器11は図2に示すよう
に、時間Tの経過と共に、発信周波数が周波数F1から
F2まで直線的に増加する周波数掃引動作を行う。AD
変換器は一定時間間隔△t毎、したがって図2の一定周
波数ステップ△f毎にAD変換を繰り返す。周波数掃引
発振器11の周波数掃引速度が一定のものであるとすれ
ば、検波回路13およびAD変換器から得られる測定値
(0),x( 1),x(2)・・・・x(n-1)は、一定の周波数
間隔△f毎に被試験回路12の応答出力を測定した測定
値と見ることができる。
【0026】この発明による高速フーリエ変換装置14
は、並列離散的フーリエ変換(PDFT)を行うもので
あり、入力手段15例えばデータバッファと、信号処理
装置としてのプロセッシングデバイス16例えばディジ
タル信号プロセッサと、メモリ17およ表示器18例え
ばCRTモニタとによって構成される。プロセッシング
デバイス16は,測定回数計数器16Aと、項別フーリ
エ変換器16Bと、加算器16Cとを有している。好ま
しくは、このプロセッシングデバイス16は、テキサス
インスツルメント社のディジタル信号プロセッサ、TM
S320C30で構成される。メモリ17は、項別フー
リエ変換器16Bの演算結果を記憶するための、演算結
果ファイル17Aを有する。
【0027】図4及び図5は、離散的フーリエ変換に用
いる演算式とメモリ17に設けた演算結果ファイル17
Aをあらわしている。時間領域データを周波数領域デー
タに変換するための、離散的フーリエ変換の演算式は X(n)=1/NΣm=0 N-1(m)exp(-j2πn・m/N) ・・・・ (1) 周波数領域データを時間領域データに変換する場合は、 X(n)=Σm=0 N-1(m)exp(j2πn・m/N) ・・・・ (2) で表される。この図1の実施例では、周波数領域のデー
タを時間軸領域のデータに変換する場合について説明し
ているから、以下の説明は(2)式に基づいて説明する
ことにする。この技術分野の通常の知識を有する者に
は、どちらの変換方向であっても、本発明の原理が適用
できることは明らかであろう。
【0028】式2においてX(n)はフーリエ変換した
変換結果を示す。式2は図4に示すような複数の式に表
すことができ、X(n)は各時間領域の各ポイントをあ
らわすこととなる。各式の右辺は測定値x(m)(周波
数領域データサンプル)が与えられた場合に、それに対
応して演算する項の集合になっている。この発明の1つ
の特徴は、図4に示した複数の演算式において、測定値
(0),x(1),x(2)・・・・x(n-1)の1つが得られる
ごとに、図4に示す複数の演算式において、N個のフー
リエ変換項の演算がなされることにある。
【0029】このフーリエ変換プロセスを実行するため
に、この発明では測定回数計数器16Aと、項別フーリ
エ変換器16Bが設けられている。測定回数計数器16
Aは、検波回路13とAD変換器を通して測定値
(0),x(1),x(2)・・・・x(n- 1)が入力される毎
に、その計数値を+1して、測定データ数を計数する。
項別フーリエ変換器16Bは、測定回数計数器16Aの
データ番号に従って、演算式の項番号を特定し、その特
定された項番号についてフーリエ変換の演算を実行す
る。この演算は図4の式の同じ位置の項について、すな
わち同一欄について実行される。その演算結果はメモリ
17に設けた演算結果ファイル17Aに記憶される。
【0030】図5に演算結果ファイル17Aの内部の様
子を示す。図中のラベルA0,0,・・・A
(N-1),(N-1)は、演算結果ファイル17Aに格納される
フーリエ演算式(図4)の各項を示す。図5の例におい
て、ラベルAの先の添え字は時間領域ポイントの順番を
示し、後の添え字はデータサンプルの順番を示す。
【0031】1回目の測定値x(0)がAD変換器から入
力されると、測定回数計数器16Aは測定回数nをn=
0に初期設定する。測定回数計数器16Aは、項別フー
リエ変換器16Bに、フーリエ変換式の第1項目を演算
するように指示する。項別フーリエ変換器16Bはその
指示に従って、図4に示した演算式の第1項目の演算、
(0)exp(j2π0・0/N), x(0)exp(j2π1・0/N), x
(0)exp(j2π2・0/N), ...x(0)exp(j2π
(N-1)・0/N)を行う。各演算結果は図5の演算結果ファイ
ル17Aの配列変数部分A0,0,1,0,2,0,・・・・A
N-1,0に記憶される。
【0032】2回目の測定値x(1)がAD変換器から入
力されると、測定回数計数器16Aは、このデータが2
回目測定データであることを示すために、測定回数nを
n=1に設定する。これと共に測定回数計数器16A
は、項別フーリエ変換器16Bに、フーリエ変換式の第
2項目を演算するように指示する。これにより項別フー
リエ変換器16Bはその指示に従って、図4に示した演
算式の第2項目の演算、すなわちx(1)exp(j2π
0・1/N), x(1)exp(j2π1・1/N), x(1)exp(j2π
2・1/N), ...x(1)exp(j2π(N-1)・1/N)を行う。各演
算結果は図5の演算結果ファイル17Aの配列変数部分
0,1,1,1,2,1,・・・・AN-1,1に記憶される。
【0033】このように、この発明ではAD変換器がA
D変換した測定値x(0),x(1),x (2)・・・・x(n-1)
を出力する毎に、各項毎にフーリエ変換する。好ましい
実施例では次の測定値が入力されるまでの間(△tの時
間内)に、各項毎の演算が済んでいるので、最後の測定
値x(N-1)が入力された時点では、最後の項の演算だけ
を行えばよい。この演算結果は図5の演算結果ファイル
17Aに記憶される。最後に加算器16Cにより、演算
結果ファイル17Aに記憶した各演算結果を加算して、
各フーリエ変換式の変換結果X(0)、(1), ...(N-1)
を求める。フーリエ変換の最終結果は、表示器18によ
り、数値列或いはグラフ等の形態で表示させることがで
きる。
【0034】好ましい実施例では、この各項別のフーリ
エ変換は、検波回路13やAD変換器19における測定
時間間隔△tの範囲内で終了する。したがって、この発
明による高速フーリエ変換装置14のフーリエ変換に要
する時間は、図6に示すように、測定値x(0),x(1)
(2)・・・・x(n-1)の全体の測定時間TMESに、項別
フーリエ変換器16Bの最後の項の演算処理時間TDFT
を加えた時間TMES+T DFTで済むことになる。
【0035】項別フーリエ変換器16Bの演算時間T
DFTは、測定点数Nを例えば200点とした場合、50
MHzのクロック周波数で動作するDSP(ディジタル
・シグナル・プロセッサ)を用いたとすると、約200
μsで各項の演算を処理することができる。従って、周
波数掃引発振器11の掃引ステップ時間△tを約1ms
とし、AD変換器の変換速度をこのステップ時間に適合
するようにすると、図6に示すように,測定値x(0)
(1),x(2)・・・・x(n-1)が入力される測定時間間
隔△tの範囲で、十分にフーリエ変換式の各項の演算を
することができる。
【0036】このように一般に入手できるDSPを用い
ると、項別フーリエ変換器16Bの共通項についての演
算時間TDFTは、例えば200マイクロセカンドであ
り、掃引信号発振器のステップ時間例えば1ミリセカン
ドより十分に短い時間で実行できる。したがって、本発
明によれば、全体のフーリエ変換に要する時間は、図6
に示す測定時間TMESにほぼ等しい時間となる。したが
って、本発明のフーリエ変換装置および方法では、従来
のFFTより高速に変換できる。
【0037】尚、上記の実施例では、フーリエ変換に用
いる演算式の項番号に等しい数の配列変数部分A0,0...
(N-1),(N-1)を、演算結果ファイル17Aに設けた例
を示したが、他のデータ蓄積管理方法も可能である。例
えば各項別フーリエ関数の演算を行う毎に、過去に演算
した演算結果に今回演算して得られた演算結果を加える
方法を採ることもできる。この場合には、図7に示すよ
うに、演算結果ファイル17Aのメモリ配置は、A0,
1,2,・・・・AN-1のように一方向のアレー構造でよ
く、そこにN個のフーリエ変換式の各フーリエ項の和を
格納する。
【0038】本発明の第2の実施例について以下に説明
する。この実施例においては、継続する複数のデータ点
について、まとめて離散的フーリエ変換の演算を行う。
この発明においては、継続する複数のフーリエ項の演算
において存在する冗長性に注目することにより、全体と
しての演算数を減少させることができる。上記の式2に
おけるexp(j2πn・m/N)をWn:m に簡略して置き換え
ると、図4の離散的フーリエ変換式は以下のように表現
される。 X(0)=x(0)W0:0+x(1)W0:1+x(2)W0:2+...+x(N-1)W0:N-1 X(1)=x(0)W1:0+x(1)W1:1+x(2)W1:2+...+x(N-1)W1:N-1 X(2)=x(0)W2:0+x(2)W2:1+x(2)W2:2+...+x(N-1)W2:N-1 . X(N-1)=x(0)WN-1:0+x(1)WN-1:1+x(2)WN-1:2+...+x(N-1)WN-1:N-1 ...(3)
【0039】フーリエ変換を実行するために、フーリエ
変換式の各項、例えば最初の式におけるx(2)0:2
ついて8回の計算が必要である。その理由は以下であ
る。2つの複素数のかけ算は以下のようにあらわされ
る。 (a+jb)(c+jd)=(ac−bd)+j(ad+bc) ... (4) それは4回のかけ算と2回の足し算により構成さている
ことがわかる。フーリエ変換式では、さらにこの計算結
果の実部と虚部を、その前の計算結果の実部と虚部にそ
れぞれ累積するための計算が2回必要である。したがっ
て、変換式の1の項について、合計で8回の計算が必要
であることになる。
【0040】離散的フーリエ変換に要する計算回数を減
少させるために、3個の継続する項について、まとめて
計算する場合を考える。式3における継続する3項を一
般的な形式であらわすと以下のようになる。
【0041】この式5は以下のように変形できる。
【0042】複素共役数を添え字*であらわすとWn:-1
=Wn:1 * の関係が成り立つので、上記式6は以下のよ
うに書き換えられる。
【0043】式7の表現を実数部と虚数部の和の形式に
変換すると、例えば式7中の第5行の部分は以下のよう
にあらわされる。 Wn:n {Wn:1 *x(n-1)+x(n)+Wn:1x(n+1)} ...(8)
【0044】説明の簡単のため、式8の表現において、
データx中のnを省略すると、式8は以下のように書き
換えられる。 Wn:n {Wn:1 *x-1+x0+Wn:1x+1} ...(9)
【0045】式9を実数部と虚数部の和の形式に展開す
ると以下のようになる。
【0046】ここで、x+r=x-1r+x+1r, x+i=x-1i+x+1i,
x-r=x-1r-x+1r, x+i=x-1i-x+1iの置き換えを式10につ
いて行うと以下のようになる。 Wn:n{x0r+Wn:1rx+r+Wn:1ix-i+j(x0i+Wn:1rx1i-Wn:1ix-r)} ...(11)
【0047】したがって式7の全体を式11のような実
数部と虚数部の和の形式に当てはめると以下のようにな
る。 W0:n{x0r+W0:1rx+r+W0:1ix-i+j(x0i+W0:1rx1i-W0:1ix-r)} W1:n{x0r+W1:1rx+r+W1:1ix-i+j(x0i+W1:1rx1i-W1:1ix-r)} . Wn-1:n{x0r+Wn-1:1rx+r+Wn-1:1ix-i +j(x0i+Wn-1:1rx1i-Wn-1:1ix-r)} Wn:n{x0r+Wn:1rx+r+Wn:1ix-i+j(x0i+Wn:1rx1i-Wn:1ix-r)} Wn+1:n{x0r+Wn+1:1rx+r+Wn+1:1ix-i +j(x0i+Wn+1:1rx1i-Wn+1:1ix-r)} . WN-1:n{x0r+WN-1:1rx+r+WN-1:1ix-i +j(x0i+WN-1:1rx1i-WN-1:1ix-r)} ...(12)
【0048】式12のカッコ{ }において、必要な計
算回数は4回のかけ算と4回の足し算であることがわか
る。この計算が完了すると、式12は上述の式4と同じ
形式となり、その計算には上記のように、4回のかけ算
と2回の足し算が必要である。さらにこの計算結果の実
部と虚部を、それまでに得られた計算結果の実部と虚部
にそれぞれ累積するための計算が2回必要である。した
がって、式12の継続する3項の演算回数は、全体とし
て16回となる。式4で述べたように、並列離散的フー
リエ変換の動作において、何らの簡略化がなされないと
すれば、各変換式の3項について計24回の計算が必要
であった。継続した3項について上記のような演算がな
されると、次の継続する3項について同様に演算が実行
され、この計算プロセスを3項毎に繰り返す。
【0049】本発明の第3の実施例を以下に説明する。
上記の第2の実施例における継続する3項の演算の説明
において、WN-m:n=Wm:n *であるので、以上のような
計算の簡略化に加えて、さらに計算回数を減少させるこ
とができる。例えば式12の最後の行は以下のように変
換できる。 W1:n *{x0r+W1:1rx+r-W1:1ix-i+j(x0i+W1:1rx1i+W1:1ix-r)} ... (13)
【0050】また式12の2番目の行は以下のように変
換できる。 W1:n{x0r+W1:1rx+r+W1:1ix-i+j(x0i+W1:1rx1i-W1:1ix-r)} ... (14)
【0051】式13と式14を比較すると、互いに6個
の共通な演算を有することがわかる。したがって、例え
ば式13の計算が完了すると、その中の演算で式14と
共通なものは式14の計算の際には実行する必要がな
い。このような関係は、他の一対の式間にも同様に当て
はまるので、計算回数をさらに減少させることができ
る。この例では2つの式の間で、6個の共通な演算があ
るので、1つの式については3回の計算回数を省略で
き、したがって1の式全体として13回の計算でよいこ
とになる。したがって、本発明の第1の実施例では、3
項についての計算回数が24回必要であったが、この第
3の実施例では計算回数が24回から13回へと、大き
な減少を実現できる。
【0052】本発明の第4の実施例を以下に説明する。
上述した高速フーリエ変換装置を、図10の概略図に示
すようなネットワークアナライザに有効に適用すること
ができる。周波数掃引発生器のような高周波信号源31
は、被試験デバイス32に周波数掃引信号を与える。周
波数掃引は例えば図2に示すようなステップ掃引であ
り、多数の周波数ステップにより実質的に直線的な周波
数変化がなされる。周波数ステップ数(測定点)は、前
記した離散的フーリエ変換のデータ点の数Nに対応す
る。高周波信号源31はまた、基準信号Rを発生する。
例えば基準信号Rは、被試験デバイス32に与えられる
周波数掃引信号と同一であり、振幅や位相の基準として
用いられる。
【0053】被試験デバイス32の出力信号(試験信
号)は、周波数変換器33に印加される。この例におい
ては、周波数変換器33は、被試験デバイス32から方
向性結合器や方向性ブリッジ(図示せず)を通して、2
つの試験信号AおよびBを受ける。2つの試験信号の例
としては、被試験デバイス32からの、伝達信号と反射
信号がある。周波数変換器33はさらに、高周波信号源
31からの基準信号Rを受ける。周波数変換器33はこ
れらの入力信号A、B、Rを、対応する中間周波試験信
号AI、BI、および中間周波基準信号RIに変換する。
この周波数変換は既知のプロセスによりなされ、例えば
周波数ミキサあるいはハーモニックサンプラにより、入
力された信号周波数をローカル信号周波数との差となる
ようにダウンコンバートする。
【0054】AD変換器34ー36は対応する中間周波
信号AI、BI、RIを受け取り、その中間周波信号をデ
ィジタル信号に変換して、マルチプレクサ38に与え
る。マルチプレクサ38はディジタル信号を選択的に検
波器41に与える。検波器41は例えばディジタル直交
検波器である。検波器41は入力ディジタル信号の同相
(I)成分(実数部)と、90度差(Q)成分(虚数
部)を検波する。当業者によく知られているように、そ
のような直交検波器は一対のマルチプレクサを有し、一
方のマルチプレクサは、入力ディジタル信号とコサイン
ローカル信号をかけ算し、他方のマルチプレクサは、入
力ディジタル信号とサインローカル信号をかけ算する。
さらに一対のローパスフィルタが、対応するマルチプレ
クサの出力に接続される。
【0055】伝達関数アナライザ42は、ディジタル直
交検波器41からI成分とQ成分をそれぞれ受け取り、
被試験デバイス32の各種の応答特性、例えば伝達関数
や反射係数を分析する。典型的にはそのような応答特性
は、周知のスキャッタリング(S)パラメータS11,S
12,S21,S22によりあらわされる。スキャッタリング
パラメータを、メモリ45に格納された誤差補正データ
により、誤差補正することができ、その結果は表示器4
8上に、周波数領域の形式(周波数対各パラメータ)で
表示される。
【0056】もしさらに使用者が、被試験デバイスの時
間領域での、仮想的信号についての応答を、求めること
を望む場合のために、ネットワークアナライザは、窓関
数発生器43と多項並列離散的フーリエ変換器(PDF
T)44を有している。時間領域での応答の例として
は、仮想インパルス信号に対する被試験デバイスの時間
領域反射特性(タイムドメインリフレクトメトリ:TD
R)がある。使用者によりインターフェイス51を経由
して与えられたインストラクションに応答して、伝達関
数アナライザ42により得られた周波数領域データは、
窓関数発生器43により変更される。窓関数の例として
は、方形ウィンドウやハミングウィンドウがある。例え
ば適切なハミングウィンドウを周波数領域に用いると、
時間領域におけるリンギングを効果的に除去することが
できる。
【0057】周波数領域における窓関数に対応する、時
間領域でのインパルス波形例を、図11(A)および図
11(B)に示す。11(A)は周波数領域における窓
間関数が、方形ウィンドウである場合の、時間領域のイ
ンパルス波形を示す。図11(B)は周波数領域におけ
る窓間関数が、ハミングウィンドウである場合の、時間
領域のインパルス波形を示す。したがって例えば、周波
数領域でハミングウィンドウを伝達関数に乗ずることに
より、被試験デバイスに、図11(B)のインパルスを
仮想的に与えた場合に対応する、時間領域での波形を得
ることができる。
【0058】窓関数発生器43は、伝達関数アナライザ
42から得られた、周波数領域のデータを用いて、被試
験デバイスの仮想信号に対する時間領域での応答特性
を、指定された窓関数により求める。その結果えられた
時間領域での応答特性は、表示器48により表示され
る。多項並列離散的フーリエ変換器44は、基本的には
図1の高速フーリエ変換装置14と同じ構成を有してお
り、上記の各実施例において説明した逆フーリエ変換動
作を行う。この並列離散的フーリエ変換器44で必要な
計算回数は、上述したようにフーリエ変換式の複数項中
の、計算の冗長分を考慮することにより、減少させるこ
とができる。したがって、本発明の高速離散的フーリエ
変換装置をもちいることにより、本発明のネットワーク
アナライザは、被試験デバイスの時間領域での応答特性
を、実質的にリアルタイムで求めることができる。
【0059】さらに当技術分野でよく知られているよう
に、伝達関数にベクトル誤差補正をほどこして、ネット
ワークアナライザの周波数変換器や他のコンポーネント
により生じた誤差を補正することができる。また時間領
域で得られた出力に直接的に時間軸でのゲートを与え、
あるいは周波数領域で得られた出力に、周波数軸でのゲ
ートをコンボリューションにより与えてもよい。
【0060】また、上記では周波数領域データを時間領
域データに変換する場合について説明したが、時間領域
データを周波数領域データにと変換する場合にも、この
発明による高速フーリエ変換装置を同様に用いることが
できることは容易に理解できよう。さらに、上述の各実
施例は説明の便宜上の例として用いられているものであ
り、本発明の範囲を限定することを意図するものではな
い。特許請求範囲に記載された、本発明の技術的範囲を
逸脱することなく、さまざまな変形や変更ができること
が理解されるであろう。
【0061】
【発明の効果】本発明は、上述の説明内容から、下記に
記載される効果を奏する。この発明によれば、測定時間
MES にフーリエ変換式中の1項分の演算処理に要する
時間TDFT を加えた TMES +TDFT の時間により、全
ての演算処理が終了する。フーリエ変換式中の1項分の
演算処理に要する時間TDFTは、各測定点間の時間△t
より短いので、この発明によれば、測定データの取得終
了とほぼ同時に最終的なフーリエ変換結果を得ることが
できた。本発明の他の実施例では、離散的フーリエ変換
における計算の冗長性を省き、全体としての計算回数を
減少させる手法を実現できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による高速フーリエ変換装置の基本的
実施例を示すブロック図。
【図2】図1に示した高速フーリエ変換装置の周波数掃
引信号を示す概念図。
【図3】図1に示した高速フーリエ変換装置により得ら
れた周波数領域データの例を示す概念図。
【図4】この発明で用いる離散的フーリエ変換の演算式
を説明するための概念図。
【図5】この発明による演算結果ファイルのデータ例を
示す概念図。
【図6】この発明による高速フーリエ変換装置の動作タ
イミングを示すためのタイミングチャート。
【図7】この発明の変形実施例による演算結果ファイル
のデータ例を示す概念図。
【図8】従来のFFT技術の動作を説明するためのタイ
ミングチャート。
【図9】従来のチャープZ変換の動作を説明するための
タイミングチャート。
【図10】この発明の高速フーリエ変換装置を用いたネ
ットワークアナライザの構成例を示すブロック図。
【図11】図11(A)および図11(B)は、それぞ
れ周波数領域における窓関数に対応する時間領域でのイ
ンパルス波形例を示す図。
【符号の説明】
11 周波数掃引発振器 12 被試験回路 13 検波回路 14 高速フーリエ変換装置 15 入力手段 16 信号処理装置 16A 測定回数計数器 16B 項別フーリエ変換器 16C 加算器 17 メモリ 17A 演算結果ファイル 18 表示器 31 高周波信号源 32 被試験デバイス 33 周波数変換器 34 AD変換器 35 AD変換器 36 AD変換器 38 マルチプレクサ 41 検波器 42 伝達関数アナライザ 43 窓関数発生器 44 並列離散的フーリエ変換器 45 メモリ 48 表示器 51 インターフェイス

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 離散的フーリエ変換の演算式を用いてフ
    ーリエ変換をするフーリエ変換装置において、 テストポイントについてテストデータが得られる毎に、
    データ番号を計数する測定回数計数器と、 該データ番号で規定された、複数のフーリエ変換式間の
    共通項について、フーリエ変換演算を実行するフーリエ
    変換器と、 該フーリエ変換器により得られた、複数のフーリエ変換
    式間の、共通項についてのフーリエ変換演算結果を記憶
    する演算結果ファイルと、 演算結果ファイルに記憶した各演算値を、全てのフーリ
    エ変換式が最終結果を示すように、加算する加算手段
    と、 によって構成した高速フーリエ変換装置。
  2. 【請求項2】 N個のテストデータが上記フーリエ変換
    器に供給され、該各テストデータは実数部と虚数部を有
    し、上記複数のフーリエ変換式はN個の離散的フーリエ
    変換式により構成され、かつ該各フーリエ変換式はN個
    の項を有する、請求項1記載の高速フーリエ変換装置。
  3. 【請求項3】 該演算結果ファイルは、上記複数のフー
    リエ変換式の全ての項に対応して、アレイ状に配置され
    た上記演算結果を蓄積するための記憶領域を有する、請
    求項1記載の高速フーリエ変換装置。
  4. 【請求項4】 該演算結果ファイルは、上記複数のフー
    リエ変換式の数に対応した上記演算結果を蓄積するため
    の記憶領域を有し、上記フーリエ変換により、該フーリ
    エ変換式の各項について得られた前回の演算結果に、新
    たな演算結果を加えることにより、上記演算結果の累計
    を該記憶領域に蓄積する、請求項1記載の高速フーリエ
    変換装置。
  5. 【請求項5】 離散的フーリエ変換の変換式を用いてフ
    ーリエ変換するフーリエ変換装置において、 各テストポイントについてテストデータが得られる毎
    に、データ番号を計数する測定回数計数器と、 該データ番号で規定された、複数のフーリエ変換式間に
    共通な複数の項について、フーリエ変換演算を実行する
    フーリエ変換器と、 該フーリエ変換器により得られた、複数のフーリエ変換
    式間の共通項の、フーリエ変換演算結果を記憶する演算
    結果ファイルと、 演算結果ファイルに記憶した各演算値を、全てのフーリ
    エ変換式が最終結果を示すように、加算する加算手段
    と、 によって構成され、該フーリエ変換式の上記複数の項に
    おける、計算の冗長分を除去した高速フーリエ変換装
    置。
  6. 【請求項6】 該複数の項は3項であり、上記複数のフ
    ーリエ変換式間に共通の3項についてフーリエ変換の演
    算が同時に実行される、請求項5記載の高速フーリエ変
    換装置。
  7. 【請求項7】 N個のテストデータが上記フーリエ変換
    器に供給され、該各テストデータは実数部と虚数部を有
    し、上記複数のフーリエ変換式はN個の離散的フーリエ
    変換式により構成され、該各フーリエ変換式はN個の項
    を有し、上記フーリエ変換器は、上記複数のフーリエ変
    換式間に共通の3項についてフーリエ変換の演算を同時
    に実行する、請求項1記載の高速フーリエ変換装置。
  8. 【請求項8】 N個のデータサンプルを連続的に生成す
    るデータサンプリング装置と、 該データサンプリング装置に接続され、N個のフーリエ
    項のうち受けたデータサンプルに対応する項について計
    算する項別フーリエ計算器と、該項別フーリエ計算器は
    該データサンプルを受けることにより動作し、 該項別フーリエ計算器に接続され、該計算されたフーリ
    エ項を記憶するための項別フーリエ記憶装置と、 該計算されたフーリエ項を加算して、該N個の連続的デ
    ータサンプルについてのフーリエ変換結果を生成するア
    キュームレータと、 により構成される高速フーリエ変換装置。
  9. 【請求項9】 被試験装置の応答特性を分析するための
    ネットワークアナライザにおいて、 印加された信号に対する被試験装置の応答をあらわす信
    号をディジタルに変換する変換器と、 該変換器に接続され、該ディジタル信号を周波数領域に
    おいて処理して、該印加された信号に対する被試験装置
    の応答の、伝達関数を計算するための伝達関数アナライ
    ザと、 該伝達関数アナライザはさらに、該計算された伝達関数
    に基づいて、該被試験装置のシミュレートされた信号に
    対する応答特性に対応する、周波数領域での信号を計算
    し、 複数の離散的フーリエ変換(DFT)式に共通する、周
    波数領域での少なくとも1つのデータサンプルについ
    て、並列フーリエ変換動作を行う高速フーリエ変換器
    と、該高速フーリエ変換器は該周波数領域信号を受ける
    ように接続され、該周波数領域信号を時間領域信号に実
    質的に実時間で変換し、該各離散的フーリエ式は得られ
    た時間領域信号点に対応し、 これらにより構成されるネットワークアナライザ。
  10. 【請求項10】 該高速フーリエ変換器は、複数の離散
    的フーリエ変換式に共通する複数の周波数領域データサ
    ンプルについて並列フーリエ変換動作を実施する、請求
    項9記載のネットワークアナライザ。
  11. 【請求項11】 該複数の周波数領域データサンプルは
    3個であり、該複数の離散的フーリエ変換式間に共通の
    3データサンプルについて、フーリエ変換の演算を同時
    に実行する、請求項10記載のネットワークアナライ
    ザ。
  12. 【請求項12】 該高速フーリエ変換器は、複数の離散
    的フーリエ変換式に共通する3個の連続した周波数領域
    データサンプルについて、並列フーリエ変換動作を実施
    する、請求項10記載のネットワークアナライザ。
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