JPH11167390A - 音楽演奏装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 歌唱者がディスプレイによる歌詞を参照しな
くても、音楽に合わせて歌唱できるようにする。 【解決手段】 演奏曲データ記憶部２に歌詞の読み上げ
音声の再生開始を示す発音マーカが付加された音楽の演
奏データを記憶し、歌詞音声記憶部３に演奏データの発
音マーカに対応する音楽の歌詞を読み上げた歌詞音声デ
ータを記憶して、演奏制御部６が上記演奏データを読み
出して音源部４へ送ると共に、発音マーカを検出した
ら、歌詞音声記憶部３から発音マーカに対応する歌詞音
声データを読み出して歌詞音声再生部５へ送り、歌詞音
声再生部５によって再生された歌詞音声と音源部４によ
って演奏された音楽とをミキシングアンプ７によってミ
キシングして、スピーカ８によって出力する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、ＭＩＤＩ等の演
奏データに基づいて音楽を再生出力するパーソナルコン
ピュータ，カラオケ装置，及び通信カラオケ装置等の音
楽演奏装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、演奏データ（楽曲データ）に基づ
いて音楽を演奏し、その音楽とマイクから入力される歌
唱者の歌唱音声をミックスして出力するパーソナルコン
ピュータ，カラオケ装置，及び通信カラオケ装置等の音
楽演奏装置が知られている。

【０００３】このような音楽演奏装置では、コマンダに
搭載された音源が、演奏データ中のＭＩＤＩデータに基
づいて各種の音楽を演奏して出力しており、その演奏デ
ータ中の歌詞データと歌詞の色変えのタイミングデータ
に基づいて、ディスプレイ上に音楽の歌詞を表示し、曲
の進行に合わせて歌詞中の歌う個所を順次色変え表示す
るようにしていた。

【０００４】したがって、歌唱者はディスプレイ上の歌
詞を参照し、その色変えに合わせて歌詞を歌唱すること
により、歌詞を完全に覚えていない曲や歌いかたの難し
い曲でも、音楽に合わせて歌うことができる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような音楽演奏装置では、ディスプレイを備える必要が
有り、歌唱者は歌唱中に始終ディスプレイ上の歌詞を注
視しなければならないので、自然な体勢で歌唱すること
ができないという問題があった。

【０００６】この発明は上記の点に鑑みてなされたもの
であり、歌唱者がディスプレイによる歌詞を参照しなく
ても、音楽に合わせて歌唱できるようにすることを目的
とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この発明は上記の目的を
達成するため、歌詞の読み上げ音声の再生開始を示す指
示情報が付加された音楽の演奏データを記憶する演奏デ
ータ記憶手段と、その手段に記憶された演奏データの指
示情報に対応する音楽の歌詞を読み上げた歌詞音声デー
タを記憶する歌詞音声データ記憶手段と、上記演奏デー
タ記憶手段の演奏データに基づいて音楽を演奏して出力
する音楽演奏手段と、上記歌詞音声データ記憶手段の歌
詞音声データに基づいて歌詞の読み上げ音声を作成して
出力する歌詞音声再生手段と、上記音楽演奏手段による
音楽の演奏時に、上記演奏データに付加された指示情報
に基づいて上記歌詞音声再生手段による歌詞の読み上げ
音声の再生開始を調整する読上音声再生開始制御手段と
からなる音楽演奏装置を提供する。

【０００８】また、歌詞音声の作成開始を示す指示情報
が付加された音楽の演奏データと歌詞データとを記憶す
る演奏データ・歌詞データ記憶手段と、その手段に記憶
された演奏データの指示情報に対応する歌詞データの音
声作成範囲を示す歌詞音声作成範囲情報を記憶する歌詞
音声作成範囲情報記憶手段と、上記演奏データ記憶手段
の演奏データに基づいて音楽を演奏して出力する音楽演
奏手段と、上記歌詞音声作成範囲情報記憶手段の歌詞音
声作成範囲情報に基づいて上記歌詞データ中の該当する
部分の歌詞の読み上げ音声を作成して出力する歌詞音声
作成手段と、上記音楽演奏手段による音楽の演奏時に、
上記演奏データに付加された指示情報に基づいて上記歌
詞音声作成手段による歌詞の読み上げ音声の作成開始を
調整する歌詞音声作成開始制御手段とからなる音楽演奏
装置にするとよい。

【０００９】さらに、歌詞の歌唱音声の早送り再生開始
を示す指示情報が付加された音楽の演奏データを記憶す
る演奏データ記憶手段と、その手段に記憶された演奏デ
ータの音楽の歌唱音声データを記憶する歌唱音声データ
記憶手段と、上記演奏データ記憶手段に記憶された演奏
データの指示情報に対応する上記歌唱音声データの早送
り再生範囲情報を記憶する歌唱早送り再生範囲情報記憶
手段と、上記演奏データ記憶手段の演奏データに基づい
て音楽を演奏して出力する音楽演奏手段と、上記歌唱早
送り再生範囲情報記憶手段の歌唱早送り再生範囲情報に
基づいて上記歌唱音声データ中の該当する部分の歌唱音
声を早送り再生して出力する歌唱音声早送り再生手段
と、上記音楽演奏手段による音楽の演奏時に、上記演奏
データに付加された指示情報に基づいて上記歌唱音声早
送り再生手段による歌唱音声の早送り再生開始を調整す
る歌唱音声早送り開始制御手段とからなる音楽演奏装置
にするとよい。

【００１０】この発明の請求項１の音楽演奏装置は、予
め歌詞の読み上げ音声の再生開始を示す指示情報が付加
された音楽の演奏データと、その演奏データの指示情報
に対応する音楽の歌詞を読み上げた歌詞音声データとを
記憶し、その演奏データに基づいて音楽を演奏して出力
すると共に、上記歌詞音声データに基づいて歌詞の読み
上げ音声を作成して出力するとき、上記演奏データに付
加された指示情報に基づいて歌詞の読み上げ音声の再生
開始を調整するので、楽曲の進行に合わせて歌詞の内容
を予め録音した音声で知らせることができる。

【００１１】また、この発明の請求項２の音楽演奏装置
は、予め歌詞音声の歌詞音声作成開始を示す指示情報が
付加された音楽の演奏データと歌詞データと、その演奏
データの指示情報に対応する歌詞データの歌詞音声作成
範囲を示す歌詞音声作成範囲情報を記憶し、その演奏デ
ータに基づいて音楽を演奏して出力すると共に、上記歌
詞音声作成範囲情報に基づいて上記歌詞データ中の該当
する部分の歌詞の読み上げ音声を作成して出力すると
き、上記演奏データに付加された指示情報に基づいて歌
詞の読み上げ音声の作成開始を調整するので、楽曲の進
行に合わせて歌詞の内容を歌詞データに基づいて逐次作
成した合成音声で知らせることができる。

【００１２】さらに、この発明の請求項３の音楽演奏装
置は、予め歌詞の歌唱音声の早送り再生開始を示す指示
情報が付加された音楽の演奏データと、その演奏データ
の音楽の歌唱音声データと、上記演奏データの指示情報
に対応する上記歌唱音声データの早送り再生範囲情報を
記憶し、上記演奏データに基づいて音楽を演奏して出力
すると共に、上記歌唱早送り再生範囲情報に基づいて上
記歌唱音声データ中の該当する部分の歌唱音声を早送り
再生して出力するとき、上記演奏データに付加された指
示情報に基づいて歌唱音声の早送り再生開始を調整する
ので、楽曲の進行に合わせて歌詞の内容を予め録音した
歌唱音声の早送りで知らせることができる。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面に基づいて具体的に説明する。図１は、この発明の音
楽演奏装置の一実施形態であるカラオケ装置の構成を示
すブロック図である。

【００１４】このカラオケ装置は、歌唱者による歌唱音
声を入力する音声入力部１と、歌詞の読み上げ音声の再
生開始タイミングを示す発音マーカ（「指示情報」に相
当する）が付加された音楽の演奏データを記憶する演奏
曲データ記憶部２と、演奏データ曲記憶部２に記憶され
た演奏データの発音マーカに対応する音楽の歌詞を読み
上げた音声の歌詞音声データを記憶する歌詞音声記憶部
３と、演奏データに基づいて音楽を再生する音源部４
と、歌詞音声データに基づいて歌詞の読み上げ音声を再
生する歌詞音声再生部５を備えている。

【００１５】また、音源部４による音楽の演奏時に、演
奏データに付加された発音マーカに基づいて歌詞音声再
生部５による歌詞の読み上げ音声の再生開始タイミング
を調整する演奏制御部６と、音声入力部１によって入力
された歌唱音声と、音源部４によって演奏された音楽
と、歌詞音声再生部５によって再生された歌詞の読み上
げ音声とをミキシングするミキシングアンプ７と、ミキ
シングアンプ７によってミキシングされた歌唱音声と音
楽と歌詞の読み上げ音声とを聴取可能に出力する２個の
スピーカ８を備えている。そして、上記音源部４，歌詞
音声再生部５，及び演奏制御部６等は、ＣＰＵ，ＲＯ
Ｍ，及びＲＡＭ等からなるマイクロコンピュータによっ
て実現される。

【００１６】すなわち、上記演奏曲データ記憶部２が、
歌詞の読み上げ音声の再生開始を示す指示情報が付加さ
れた音楽の演奏データを記憶する演奏データ記憶手段の
機能を果たし、上記歌詞音声記憶部３が、演奏データ記
憶手段に記憶された演奏データの指示情報に対応する音
楽の歌詞を読み上げた歌詞音声データを記憶する歌詞音
声データ記憶手段の機能を果たす。

【００１７】また、上記音源部４，ミキシングアンプ
７，及びスピーカ８が、演奏データ記憶手段の演奏デー
タに基づいて音楽を演奏して出力する音楽演奏手段の機
能を果たし、上記歌詞音声再生部５，ミキシングアンプ
７，及びスピーカ８が、歌詞音声データ記憶手段の歌詞
音声データに基づいて歌詞の読み上げ音声を作成して出
力する歌詞音声再生手段の機能を果たす。

【００１８】そして、上記演奏制御部６が、音楽演奏手
段による音楽の演奏時に、演奏データに付加された指示
情報に基づいて歌詞音声再生手段による歌詞の読み上げ
音声の再生開始を調整する読上音声再生開始制御手段の
機能を果たす。

【００１９】図２は、図１のカラオケ装置が記憶する演
奏データのフォーマットの一例を示す図である。演奏デ
ータは、音源部４が音楽を演奏するために必要なＭＩＤ
Ｉ等の演奏データであり、その演奏データ中の所定区切
り毎に、歌詞の読み上げ音声の再生開始タイミングを示
す発音マーカを付加している。その所定区切りとは、例
えば、楽曲中の１フレーズなどである。

【００２０】図３は、図１のカラオケ装置が記憶する歌
詞音声データのフォーマットの一例を示す図である。歌
詞音声データは、演奏データ中に付加された各発音マー
カに対応する歌詞の読み上げ音声の歌詞音声データであ
り、例えば、演奏データ中の各フレーズの前に発音マー
カを付加した場合、各フレーズの歌詞の読み上げ音声の
歌詞音声データをそれぞれ格納している。

【００２１】上述のようなデータを予め記憶することに
より、例えば、演奏データ中の発音マーカａ１を検出し
たときに、歌詞音声データ中の発音マーカａ１に対応す
る歌詞音声データｂ１を読み出して再生することによ
り、各フレーズの演奏音楽の再生前にそれぞれのフレー
ズの歌詞内容の音声を出力することができる。

【００２２】次に、図４のフローチャートによって、図
１のカラオケ装置における音楽演奏時の処理について説
明する。演奏制御部６は、ステップ（図中「Ｓ」で示
す）１で演奏曲データ記憶部から再生対象の演奏データ
を先頭から順次読み出してチェックし、ステップ２で発
音マーカか否かを判断する。

【００２３】ステップ２で発音マーカと判断したら、ス
テップ５へ進んで歌詞音声記憶部を参照し、上記演奏デ
ータに対応する歌詞音声データ群の中から、その発音マ
ーカに対応する歌詞音声データを読み出し、それと再生
指示を歌詞音声再生部へ送り、ステップ１へ戻って上述
の処理を繰り返す。

【００２４】ステップ２で発音マーカでは無いと判断し
たら、ステップ３へ進んで演奏データか否かを判断し
て、演奏データであると判断したら、ステップ６へ進ん
で音源部へ演奏データを送り、ステップ１へ戻って上述
の処理を繰り返す。

【００２５】ステップ３で演奏データではないと判断し
たら、ステップ４へ進んでデータ終了か否かを判断し
て、データ終了でなければ、ステップ１へ戻って上述の
処理を繰り返し、データ終了なら、この処理を終了す
る。

【００２６】こうして、演奏制御部６が演奏データの先
頭からチェックし、発音マーカを検出したら、歌詞音声
記憶部３から発音マーカに対応する歌詞音声データを読
み出し、歌詞音声再生部５へ送って再生させ、演奏デー
タなら、音源部４へ送って再生させる。

【００２７】したがって、演奏データ中の各フレーズの
演奏データの前にそれぞれ発音マーカを付加し、各発音
マーカに対応させて各フレーズの歌詞の読み上げ音声
（朗読音声）データを記憶すれば、音楽の再生時に、ス
ピーカ８から各フレーズの演奏音楽が出力される前に該
当するフレーズの歌詞を読み上げる音声を出力すること
ができ、歌唱者はその音声によって聞き取った歌詞を次
のフレーズの演奏音楽に合わせて歌唱することができ
る。

【００２８】なお、上述した歌詞の読み上げ音声データ
としては、予め各フレーズの音楽が出力される前に聞き
取れるだけの早さで読み上げられた音声の録音データを
用いると良い。

【００２９】このようにして、演奏データ中に発音マー
カを各フレーズの歌唱の始まる演奏個所よりも数秒前に
設けることにより、歌唱者に各フレーズの演奏音楽の再
生前にそれぞれのフレーズで歌唱する内容を予め録音し
た読み上げ音声で伝えることができる。

【００３０】次に、この発明の他の実施形態のカラオケ
装置について説明する。図５は、この発明の音楽演奏装
置の他の実施形態であるカラオケ装置の構成を示すブロ
ック図である。

【００３１】このカラオケ装置は、歌唱者による歌唱音
声を入力する音声入力部１１と、歌詞音声の作成開始タ
イミングを示す発音マーカ（「指示情報」に相当する）
が付加された音楽の演奏データと歌詞データを記憶する
演奏曲データ記憶部１２と、演奏曲データ記憶部１２に
記憶された演奏データの発音マーカに対応する歌詞デー
タの音声作成範囲を示す歌詞音声作成範囲情報を記憶す
る歌詞音声作成範囲情報記憶部１３と、演奏データに基
づいて音楽を再生する音源部１４と、歌詞音声作成範囲
情報に基づいて上記歌詞データ中の該当する部分の歌詞
の読み上げ音声を作成する合成音声作成部１５を備えて
いる。

【００３２】また、音源部１４による音楽の演奏時に、
演奏データに付加された発音マーカに基づいて合成音声
作成部１５による歌詞の読み上げ音声の作成開始タイミ
ングを調整する演奏制御部１６と、音声入力部１１によ
って入力された歌唱音声と、音源部１４によって演奏さ
れた音楽と、合成音声作成部１５によって作成された歌
詞の読み上げ音声とをミキシングするミキシングアンプ
１７と、ミキシングアンプ１７によってミキシングされ
た歌唱音声と音楽と歌詞の読み上げ音声とを聴取可能に
出力する２個のスピーカ１８を備えている。そして、上
記音源部１４，合成音声作成部１５，及び演奏制御部１
６等は、ＣＰＵ，ＲＯＭ，及びＲＡＭ等からなるマイク
ロコンピュータによって実現される。

【００３３】すなわち、上記演奏曲データ記憶部１２
が、歌詞音声の作成開始を示す指示情報が付加された音
楽の演奏データと歌詞データとを記憶する演奏データ・
歌詞データ記憶手段の機能を果たし、上記歌詞音声作成
範囲情報記憶部１３が、演奏データ・歌詞データ記憶手
段に記憶された演奏データの指示情報に対応する歌詞デ
ータの音声作成範囲を示す歌詞音声作成範囲情報を記憶
する歌詞音声作成範囲情報記憶手段の機能を果たす。

【００３４】また、上記音源部１６，ミキシングアンプ
１７，及びスピーカ１８が、演奏データ記憶手段の演奏
データに基づいて音楽を演奏して出力する音楽演奏手段
の機能を果たし、上記合成音声再生部１５，ミキシング
アンプ１７，及びスピーカ１８が、歌詞音声作成範囲情
報記憶手段の歌詞音声作成範囲情報に基づいて歌詞デー
タ中の該当する部分の歌詞の読み上げ音声を作成して出
力する歌詞音声作成手段の機能を果たす。

【００３５】さらに、演奏制御部１６が、音楽演奏手段
による音楽の演奏時に、上記演奏データに付加された指
示情報に基づいて歌詞音声作成手段による歌詞の読み上
げ音声の作成開始を調整する歌詞音声作成開始制御手段
の機能を果たす。

【００３６】このカラオケ装置において使用する演奏デ
ータのフォーマットは、図２に示したフォーマットと同
様であり、音源部１４が音楽を演奏するために必要なＭ
ＩＤＩ等の演奏データ中の所定区切り毎に、歌詞の読み
上げ音声の作成開始タイミングを示す発音マーカを付加
している。ただし、この発音マーカの付加位置は、歌詞
音声の発音タイミングに歌詞音声を作成するのに必要な
時間を加味して付加すると良い。

【００３７】例えば、各フレーズの前の早めに検出でき
る位置に付加すれば、各フレーズの演奏音楽の再生前に
それぞれのフレーズの歌詞内容の音声をタイミング良く
出力することができる。また、図示を省略しているが、
演奏曲データ記憶部１２には、この演奏データの楽曲の
歌詞データを対応させて記憶している。

【００３８】図６は、このカラオケ装置が記憶する歌詞
音声作成範囲情報のフォーマットの一例を示す図であ
る。歌詞音声作成範囲情報は、演奏データ中に付加され
た各発音マーカに対応する上記歌詞データ中の歌詞音声
作成範囲を示すデータであり、例えば、演奏データの各
フレーズの前に発音マーカを付加した場合、各フレーズ
の歌詞データの範囲を示す歌詞データ開始位置と歌詞デ
ータ長さのデータをそれぞれ格納する。

【００３９】上述のようなデータを予め記憶することに
より、例えば、演奏データ中の発音マーカａ１を検出し
たときに、発音マーカａ１に対応する歌詞音声作成範囲
情報である歌詞データ開始位置ｃ１と歌詞データ長さｄ
１を読み出し、その歌詞データ開始位置ｃ１と歌詞デー
タ長さｄ１に基づいて再生中の演奏データに対応する歌
詞データ中から該当する部分のデータを抜き出し、その
データに基づいて歌詞音声を作成して再生することによ
り、各フレーズの演奏音楽の再生前にそれぞれのフレー
ズの歌詞内容の合成音声を出力することができる。な
お、この歌詞音声についても、歌詞に対応する音楽の再
生が始まる前に出力し終えるように、早口の合成音声に
するとよい。

【００４０】次に、図７のフローチャートによって、図
５のカラオケ装置における音楽演奏時の処理について説
明する。演奏制御部１６は、ステップ（図中「Ｓ」で示
す）１１で演奏曲データ記憶部から再生対象の演奏デー
タを先頭から順次読み出してチェックし、ステップ１２
で発音マーカか否かを判断する。

【００４１】ステップ１２で発音マーカと判断したら、
ステップ１５へ進んで歌詞音声作成範囲情報記憶部を参
照し、上記演奏データに対応する歌詞データの中から、
その発音マーカに対応する歌詞データ開始位置と歌詞デ
ータ長さで示される部分を読み出し、それと音声作成指
示を合成音声再生部へ送り、ステップ１１へ戻って上述
の処理を繰り返す。

【００４２】ステップ１２で発音マーカでは無いと判断
したら、ステップ１３へ進んで演奏データか否かを判断
して、演奏データであると判断したら、ステップ１６へ
進んで音源部へ演奏データを送り、ステップ１１へ戻っ
て上述の処理を繰り返す。

【００４３】ステップ１３で演奏データではないと判断
したら、ステップ１４へ進んでデータ終了か否かを判断
して、データ終了でなければ、ステップ１１へ戻って上
述の処理を繰り返し、データ終了なら、この処理を終了
する。

【００４４】こうして、演奏制御部１６が演奏データの
先頭からチェックし、発音マーカなら、歌詞音声作成範
囲情報記憶部１３から発音マーカに対応する歌詞データ
開始位置と歌詞データ長さを読み出し、再生中の演奏デ
ータに対応する歌詞データから上記歌詞データ開始位置
と歌詞データ長さによって示される部分のデータを読み
出し、歌詞音声再生部５へ送って再生させ、演奏データ
なら、音源部１４へ送って再生させる。

【００４５】したがって、演奏データ中の各フレーズの
演奏データの前にそれぞれ発音マーカを付加し、各発音
マーカに対応させて歌詞データ中の各フレーズの歌詞部
分を示すデータを記憶すれば、音楽の再生時に、スピー
カ１８から各フレーズの演奏音楽が出力される前に該当
するフレーズの歌詞データに基づいて作成した合成音声
を出力することができ、歌唱者はその音声によって聞き
取った歌詞を次のフレーズの演奏音楽に合わせて歌唱す
ることができる。

【００４６】なお、上記歌詞データに基づく歌詞音声
は、予め各フレーズの音楽が出力される前に聞き取れる
だけの早さの合成音声にするとよい。

【００４７】このようにして、発音マーカを各フレーズ
の歌唱の始まる演奏個所よりも数秒前に設けることによ
り、歌唱者に各フレーズの演奏音楽の再生前にそれぞれ
のフレーズで歌唱する内容を再生中の演奏データに対応
する歌詞データから作成した合成音声で伝えることがで
きる。

【００４８】次に、この発明のさらに他の実施形態のカ
ラオケ装置について説明する。図８は、この発明の音楽
演奏装置のさらに他の実施形態であるカラオケ装置の構
成を示すブロック図である。

【００４９】このカラオケ装置は、歌唱者による歌唱音
声を入力する音声入力部２１と、歌詞の歌唱音声の早送
り再生開始タイミングを示す発音マーカ（「指示情報」
に相当する）が付加された音楽の演奏データを記憶する
演奏曲データ記憶部２２と、演奏曲データ記憶部２２に
記憶された演奏データの音楽の歌唱音声データと、演奏
データの発音マーカに対応する上記歌唱音声データの早
送り再生範囲情報を記憶する歌唱音声記憶部２３と、演
奏データに基づいて音楽を演奏して出力する音源部２４
と、歌唱早送り再生範囲情報に基づいて上記歌唱音声デ
ータ中の該当する部分の歌唱音声を早送り再生する歌唱
音声早送り再生部２５を備えている。

【００５０】また、音源部２４による音楽の演奏時に、
演奏データに付加された発音マーカに基づいて歌唱音声
早送り再生部２５による歌唱音声の早送り再生開始タイ
ミングを調整する演奏制御部２６と、音声入力部２１に
よって入力された歌唱音声と、音源部２４によって演奏
された音楽と、歌唱音声早送り再生部２５によって早送
り再生された歌唱音声とをミキシングするミキシングア
ンプ２７と、ミキシングアンプ２７によってミキシング
された歌唱音声と音楽とを聴取可能に出力する２個のス
ピーカ２８を備えている。そして、上記音源部２４，歌
唱音声早送り再生部２５，及び演奏制御部２６等は、Ｃ
ＰＵ，ＲＯＭ，及びＲＡＭ等からなるマイクロコンピュ
ータによって実現される。

【００５１】すなわち、上記演奏曲データ記憶部２２
が、歌詞の歌唱音声の早送り再生開始を示す指示情報が
付加された音楽の演奏データを記憶する演奏データ記憶
手段の機能を果たし、上記歌唱音声記憶部２３が、演奏
データ記憶手段に記憶された演奏データの音楽の歌唱音
声データを記憶する歌唱音声データ記憶手段と、演奏デ
ータ記憶手段に記憶された演奏データの指示情報に対応
する上記歌唱音声データの早送り再生範囲情報を記憶す
る歌唱早送り再生範囲情報記憶手段の機能を果たす。

【００５２】また、上記音源部２４が、演奏データ記憶
手段の演奏データに基づいて音楽を演奏して出力する音
楽演奏手段の機能を果たし、上記歌唱音声早送り再生部
２５が、歌唱早送り再生範囲情報記憶手段の歌唱早送り
再生範囲情報に基づいて上記歌唱音声データ中の該当す
る部分の歌唱音声を早送り再生して出力する歌唱音声早
送り再生手段の機能を果たす。

【００５３】さらに、上記演奏制御部２６が、音楽演奏
手段による音楽の演奏時に、上記演奏データに付加され
た指示情報に基づいて歌唱音声早送り再生手段による歌
唱音声の早送り再生開始を調整する歌唱音声早送り開始
制御手段の機能を果たす。

【００５４】このカラオケ装置において使用する演奏デ
ータのフォーマットは、図２に示したフォーマットと同
様であり、音源部２４が音楽を演奏するために必要なＭ
ＩＤＩ等の演奏データ中の所定区切り毎に、歌唱音声の
早送り再生開始タイミングを示す発音マーカを付加して
いる。

【００５５】図９は、このカラオケ装置が記憶する歌唱
早送り再生範囲情報のフォーマットの一例を示す図であ
る。歌唱早送り再生範囲情報は、演奏データ中に付加さ
れた各発音マーカに対応する上記歌唱音声データ中の早
送り再生範囲を示すデータであり、例えば、演奏データ
の各フレーズの前に発音マーカを付加した場合、各フレ
ーズに対応する歌唱音声データの範囲を示す歌唱音声デ
ータ開始位置と歌唱音声データ長さのデータをそれぞれ
格納する。また、図示を省略するが、上記歌唱早送り再
生範囲情報には、歌唱音声データを対応させて記憶す
る。

【００５６】上述のようなデータを予め記憶することに
より、例えば、演奏データ中の発音マーカａ１を検出し
たときに、発音マーカａ１に対応する歌唱早送り再生範
囲情報である歌唱音声データ開始位置ｅ１と歌唱音声デ
ータ長さｆ１を読み出し、その歌唱音声データ開始位置
ｅ１と歌唱音声データ長さｆ１に基づいて再生中の演奏
データに対応する歌唱音声データ中から該当する部分の
データを早送り再生することにより、各フレーズの演奏
音楽の再生前にそれぞれのフレーズの歌詞内容の歌唱音
声を出力することができる。

【００５７】次に、図１０のフローチャートによって、
図８のカラオケ装置における音楽演奏時の処理について
説明する。演奏制御部２６は、ステップ（図中「Ｓ」で
示す）２１で演奏曲データ記憶部から再生対象の演奏デ
ータを先頭から順次読み出してチェックし、ステップ２
２で発音マーカか否かを判断する。

【００５８】ステップ２２で発音マーカと判断したら、
ステップ２５へ進んで歌唱音声記憶部を参照し、上記演
奏データに対応する歌唱音声データの中から、その発音
マーカに対応する歌唱音声データ開始位置と歌唱音声デ
ータ長さで示される部分を読み出し、それと早送り再生
指示を歌唱音声早送り再生部へ送り、ステップ２１へ戻
って上述の処理を繰り返す。

【００５９】ステップ２２で発音マーカでは無いと判断
したら、ステップ２３へ進んで演奏データか否かを判断
して、演奏データであると判断したら、ステップ２６へ
進んで音源部へ演奏データを送り、ステップ２１へ戻っ
て上述の処理を繰り返す。

【００６０】ステップ２３で演奏データではないと判断
したら、ステップ２４へ進んでデータ終了か否かを判断
して、データ終了でなければ、ステップ２１へ戻って上
述の処理を繰り返し、データ終了なら、この処理を終了
する。

【００６１】こうして、演奏制御部２６が演奏データの
先頭からチェックし、発音マーカなら、歌唱音声記憶部
２３から発音マーカに対応する歌唱音声データ開始位置
と歌唱音声データ長さを読み出し、再生中の演奏データ
に対応する歌唱音声データから上記歌唱音声データ開始
位置と歌唱音声データ長さによって示される部分のデー
タを読み出し、歌唱音声早送り再生部２５へ送って歌唱
者が聞き取れる程度の早さで早送り再生させ、演奏デー
タなら、音源部２４へ送って再生させる。

【００６２】したがって、演奏データ中の各フレーズの
演奏データの前にそれぞれ発音マーカを付加し、各発音
マーカに対応させて歌唱音声データ中の各フレーズの歌
唱部分を示すデータを記憶すれば、音楽の再生時に、各
フレーズの演奏音楽が出力される前に該当するフレーズ
の歌唱音声データを早送り再生した音声をスピーカ２８
から出力することができ、歌唱者はその歌唱音声によっ
て聞き取った歌詞を次のフレーズの演奏音楽に合わせて
歌唱することができる。

【００６３】このようにして、発音マーカを各フレーズ
の歌唱の始まる演奏個所よりも数秒前に設けることによ
り、歌唱者に各フレーズの演奏音楽の再生前にそれぞれ
のフレーズで歌唱する内容を、再生中の演奏データに対
応する歌唱音声データを早送りで再生した歌唱音声で伝
えることができる。

【００６４】

【発明の効果】以上説明してきたように、この発明によ
る音楽演奏装置によれば、楽曲の進行に合わせて歌詞の
内容を音声で知ることができるので、歌唱者がディスプ
レイによる歌詞を参照しなくても、音楽に合わせて容易
に歌唱することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の音楽演奏装置の一実施形態であるカ
ラオケ装置の構成を示すブロック図である。

【図２】図１に示したカラオケ装置が記憶する演奏デー
タのフォーマットの一例を示す図である。

【図３】図１に示したカラオケ装置が記憶する歌詞音声
データのフォーマットの一例を示す図である。

【図４】図１に示したカラオケ装置における音楽演奏時
の処理を示すフローチャートである。

【図５】この発明の音楽演奏装置の他の実施形態である
カラオケ装置の構成を示すブロック図である。

【図６】図５に示したカラオケ装置が記憶する歌詞音声
作成範囲情報のフォーマットの一例を示す図である。

【図７】図５に示したカラオケ装置における音楽演奏時
の処理を示すフローチャートである。

【図８】この発明の音楽演奏装置のさらに他の実施形態
であるカラオケ装置の構成を示すブロック図である。

【図９】図８に示したカラオケ装置が記憶する歌唱早送
り再生範囲情報のフォーマットの一例を示す図である。

【図１０】図８に示したカラオケ装置における音楽演奏
時の処理を示すフローチャートである。

【符号の説明】

１，１１，２１：音声入力部 ２，１２，２２：演奏曲データ記憶部 ３：歌詞音声記憶部 ４，１４，２４：音源部 ５：歌詞音声再生部 ６，１６，２６：演奏制御部 ７，１７，２７：ミキシングアンプ ８，１８，２８：スピーカ １３：歌詞音声作成範囲情報記憶部 １５：合成音声作成部 ２３：歌唱音声記憶部 ２５：歌唱音声早送り再生部 ａ１〜ａ３：発音マーカ ｂ１〜ｂ３：歌詞音声データ ｃ１〜ｃ３：歌詞データ開始位置 ｄ１〜ｄ３：歌詞データ長さ ｅ１〜ｅ３：歌唱音声データ開始位置 ｆ１〜ｆ３：歌唱音声データ長さ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 歌詞の読み上げ音声の再生開始を示す指
   示情報が付加された音楽の演奏データを記憶する演奏デ
   ータ記憶手段と、 該手段に記憶された演奏データの指示情報に対応する音
   楽の歌詞を読み上げた歌詞音声データを記憶する歌詞音
   声データ記憶手段と、 前記演奏データ記憶手段の演奏データに基づいて音楽を
   演奏して出力する音楽演奏手段と、 前記歌詞音声データ記憶手段の歌詞音声データに基づい
   て歌詞の読み上げ音声を作成して出力する歌詞音声再生
   手段と、 前記音楽演奏手段による音楽の演奏時に、前記演奏デー
   タに付加された指示情報に基づいて前記歌詞音声再生手
   段による歌詞の読み上げ音声の再生開始を調整する読上
   音声再生開始制御手段とからなることを特徴とする音楽
   演奏装置。
2. 【請求項２】 歌詞音声の作成開始を示す指示情報が付
   加された音楽の演奏データと歌詞データとを記憶する演
   奏データ・歌詞データ記憶手段と、 該手段に記憶された演奏データの指示情報に対応する歌
   詞データの音声作成範囲を示す歌詞音声作成範囲情報を
   記憶する歌詞音声作成範囲情報記憶手段と、 前記演奏データ記憶手段の演奏データに基づいて音楽を
   演奏して出力する音楽演奏手段と、 前記歌詞音声作成範囲情報記憶手段の歌詞音声作成範囲
   情報に基づいて前記歌詞データ中の該当する部分の歌詞
   の読み上げ音声を作成して出力する歌詞音声作成手段
   と、 前記音楽演奏手段による音楽の演奏時に、前記演奏デー
   タに付加された指示情報に基づいて前記歌詞音声作成手
   段による歌詞の読み上げ音声の作成開始を調整する歌詞
   音声作成開始制御手段とからなることを特徴とする音楽
   演奏装置。
3. 【請求項３】 歌詞の歌唱音声の早送り再生開始を示す
   指示情報が付加された音楽の演奏データを記憶する演奏
   データ記憶手段と、 該手段に記憶された演奏データの音楽の歌唱音声データ
   を記憶する歌唱音声データ記憶手段と、 前記演奏データ記憶手段に記憶された演奏データの指示
   情報に対応する前記歌唱音声データの早送り再生範囲情
   報を記憶する歌唱早送り再生範囲情報記憶手段と、 前記演奏データ記憶手段の演奏データに基づいて音楽を
   演奏して出力する音楽演奏手段と、 前記歌唱早送り再生範囲情報記憶手段の歌唱早送り再生
   範囲情報に基づいて前記歌唱音声データ中の該当する部
   分の歌唱音声を早送り再生して出力する歌唱音声早送り
   再生手段と、 前記音楽演奏手段による音楽の演奏時に、前記演奏デー
   タに付加された指示情報に基づいて前記歌唱音声早送り
   再生手段による歌唱音声の早送り再生開始を調整する歌
   唱音声早送り開始制御手段とからなることを特徴とする
   音楽演奏装置。