JPH11167301A - 定着装置用スポンジローラとその製造方法 - Google Patents

定着装置用スポンジローラとその製造方法

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JPH11167301A
JPH11167301A JP34732997A JP34732997A JPH11167301A JP H11167301 A JPH11167301 A JP H11167301A JP 34732997 A JP34732997 A JP 34732997A JP 34732997 A JP34732997 A JP 34732997A JP H11167301 A JPH11167301 A JP H11167301A
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JP
Japan
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silicone rubber
sponge
roller
fixing device
tube
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JP34732997A
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Yoshiaki Yamamoto
佳明 山本
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Nitto Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Nitto Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】画像形成装置の帯電ローラや転写ローラと同等
の低分子シロキサンの除去を行った、定着装置用シリコ
ーンゴムローラとその製造方法を提供することである。 【構成】定着装置用シリコーンゴムローラは、芯金と、
この芯金の外周に配設され、低分子環状シロキサンの4
〜20量体の総量が10000ppm以上のシリコーン
ゴムを発泡させた後、低分子環状シロキサンの4〜20
量体の総量が500ppm以下になるように加熱処理さ
れたシリコーンゴムスポンジと、最外層に配設された離
型層とを具備することを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、ファクシ
ミリ、レーザービームプリンタ等の静電写真方式を利用
した定着装置に使用されるシリコーンゴムスポンジロー
ラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、静電写真方式を利用した複写
機等の定着装置には、シリコーンゴムローラが使用され
ている。シリコーンゴムは定着装置用ローラに必要な、
耐熱性、耐歪み性等に優れており、定着装置用のゴム材
料の主材料として使用されている。
【0003】しかし、シリコーンゴムは低分子の揮発性
シロキサンを含有しているため、定着部のシリコーンゴ
ムローラより揮発したシロキサンが、画像形成部のレン
ズやミラー等を汚したり、電極の接点で接触不良をおこ
すという問題と、ゴムローラから低分子揮発成分が抜け
ることでローラの形状が変化してしまうという問題があ
った。
【0004】そして、このような問題を解決するため
に、特開平5−96658号では、最外層がPFAチュ
ーブよりなるシリコーンゴムローラを製造するときに、
原料となる液状シリコーンゴム中に含有される、3量体
〜20量体のシロキサンの重量が0.15重量%以下の
ものを使用するか、二次加硫等で3量体〜20量体のシ
ロキサンの重量が0.15重量%以下なるまで揮発させ
る事で、これらのシリコーンゴムローラに関する問題を
解決した。
【0005】しかし、近年、再び、低分子シロキサンの
汚染を原因とする画像不良が問題となってきた。これ
は、複写機やプリンタの小型化が進み、汚染源となる定
着部と画像形成部が近接したり、機械内部での排気によ
る対策もできなくなったためである。
【0006】そのため、定着部のシリコーンゴムローラ
より揮発した低分子シロキサンが、画像形成部の感光体
等に付着して、付着面を変質させたり、絶縁性皮膜を形
成して、画質に影響を与えてしまうという問題を解決す
るためには、感光体に接しても汚染が発生しない、画像
形成装置用のシリコーンゴムローラと同程度まで低分子
シロキサン成分を除去した、定着ローラを使用するしか
なかった。
【0007】しかし、そのようなローラを製造するに
は、特開平6−25431号に記載されているように、
真空加熱処理や溶剤抽出で低分子シロキサンの除去を行
なわなければならず、特殊な設備が必要となり、技術的
にも難しかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、上
記のような問題を解決し、画像形成装置の帯電ローラや
転写ローラと同等の低分子シロキサンの除去を行った、
定着装置用シリコーンゴムローラとその製造方法を提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決し、目
的を達成するために、本発明のシリコーンゴムスポンジ
ローラは、請求項1の記載によれば、芯金と、この芯金
の外周に配設され、低分子環状シロキサンの4〜20量
体の総量が10000ppm以上のシリコーンゴムを発
泡させた後、低分子環状シロキサンの4〜20量体の総
量が500ppm以下になるように加熱処理されたシリ
コーンゴムスポンジと、最外層に配設された離型層とを
具備することを特徴としている。
【0010】また、本発明のシリコーンゴムスポンジロ
ーラは、請求項2の記載によれば、前記加熱処理温度が
180℃〜230℃であることを特徴としている。
【0011】また、本発明のシリコーンゴムスポンジロ
ーラは、請求項3の記載によれば、前記加熱処理された
シリコーンゴムスポンジは、チューブ状に形成されて、
前記加熱処理後に前記芯金の外周に被覆されていること
を特徴としている。また、本発明のシリコーンゴムスポ
ンジローラは、請求項4の記載によれば、前記シリコー
ンゴムスポンジの発泡倍率が1.5〜2.5倍で平均セ
ル径が150〜300μmでアスカーC硬度が20゜〜
60゜であることを特徴としている。
【0012】また、本発明のシリコーンゴムスポンジロ
ーラの製造方法は、請求項5の記載によれば、前記離型
層がPFAチューブであることを特徴としている。
【0013】また、本発明のシリコーンゴムスポンジロ
ーラの製造方法は、請求項6の記載によれば、低分子環
状シロキサンの4〜20量体の総量が10000ppm
以上のシリコーンゴムを発泡させてシリコーンゴムスポ
ンジチューブを形成する発泡工程と、低分子環状シロキ
サンの4〜20量体の総量が500ppm以下になるよ
うに、前記シリコーンゴムスポンジチューブを加熱処理
する加熱工程と、前記シリコーンゴムスポンジチューブ
を芯金に被覆するスポンジチューブ被覆工程と、最外層
に離型層を被覆する離型層被覆工程を具備することを特
徴としている。
【0014】また、本発明のシリコーンゴムスポンジロ
ーラの製造方法は、請求項7の記載によれば、前記加熱
工程の処理温度が180℃〜230℃であることを特徴
としている。また、本発明のシリコーンゴムスポンジロ
ーラの製造方法は、請求項8の記載によれば、前記シリ
コーンゴムスポンジチューブの発泡倍率が1.5〜2.
5倍で平均セル径が150〜300μmでアスカーC硬
度が20゜〜60゜であることを特徴としている。
【0015】また、本発明のシリコーンゴムスポンジロ
ーラの製造方法は、請求項9の記載によれば、前記離型
層がPFAチューブであることを特徴としている。
【0016】
【発明の概要】本願発明者は、シリコーンゴム中の低分
子環状シロキサンの除去について、各種の検討を行った
結果、シリコーンゴム中の低分子環状シロキサンを加熱
処理によって除去する場合、ゴムの厚みが低分子の除去
に大きく関わっている事を発見した。そして、シリコー
ンゴムを発泡させて、シリコーンゴム全体を薄い隔壁と
気泡の連続体とすれば、低分子シロキサンは薄い隔壁を
簡単に通り抜けてしまうので、従来のゴムローラでは、
ゴムの中から除去することができなかった低分子シロキ
サンを簡単に除去することができると考えた、そして、
市販の低分子環状シロキサンの4〜20量体の総量が1
0000ppm以上のシリコーンゴムを、特定の条件の
スポンジに成形し、熱処理を行うことで、帯電ローラや
転写ローラのように画像形成部を汚染しない、定着装置
用シリコーンゴムスポンジローラとその製造技術を発明
した。
【0017】本発明について具体的にのべると、本発明
に使用するシリコーンゴムは、スポンジ成形する事を考
慮すると、可塑度が240〜300のシリコーンゴムコ
ンパウンドが望ましい。可塑度が低いとゴムコンパウン
ドが柔らかいため、押し出し成形後にゴムだれが発生
し、加硫発泡前の成形品が変形してしまうのであまり望
ましくない。特に可塑度が200以下と低くなると、ゴ
ムだれの問題のほかに、スポンジのセルが大きくなりや
すい傾向があり、均一で細かいセルを持ったスポンジへ
の加工が難しくなる。また、可塑度があまり高いと、ゴ
ムコンパウンドが硬いために、押出成形時に成形品の表
面が粗くなったり、押出加工を行った時に、設定どうり
の押出寸法にならなかったりするので、あまり可塑度が
高いゴムも望ましくない。
【0018】このようなゴムコンパウンドを一次加硫で
発泡させて、スポンジを成形するが、ここで、低分子を
除去しやすいスポンジにするためには、スポンジの発泡
倍率(発泡前と発泡後の径の比率)、平均セル径、アス
カーC硬度が規定の数値を満足する必要がある。発泡倍
率は1.5〜2.5倍が好ましい。発泡倍率は1.5倍
より小さくなるとスポンジ内部の隔壁が厚くなり、低分
子シロキサンがうまく抜けなくなってしまうし、発泡倍
率が2.5倍をこえるとスポンジとしての強度が不足
し、セル破壊が発生し、ロールとしての性能を満足でき
なくなるので好ましくない。
【0019】スポンジの平均セル径は150〜300μ
mが好ましく、150μm以下ではスポンジ内部の隔壁
が厚くなり、低分子シロキサンがうまく抜けなくなって
しまうし、300μmをこえるとスポンジとしての強度
が不足して、セル破壊が発生し、ロールとしての性能を
満足できなくなるので好ましくない。
【0020】スポンジの硬度は、アスカーC硬度で20
゜〜60゜が好ましい。硬度が20゜より低いとスポン
ジとしての強度が不足するので、セル破壊が発生してし
まうし、硬度が60゜をこえるとローラとして感光体接
触する部分のニップ幅が充分にとれなくなるので、ロー
ラとしての使用上好ましくない。
【0021】上記のような条件を満たすように、一次加
硫を終了したスポンジは、一般に二次加硫として行われ
ている加熱処理の、2〜3倍の時間にあたる、24時間
程度の加熱処理を行うことで、低分子シロキサンによる
汚染のないスポンジとなる。
【0022】例えば、基になるゴムコンパウンド中の低
分子環状シロキサンの4〜20量体の総量が約3000
0ppmの場合、一次加硫後の低分子シロキサンの量は
約15000ppm程度となり、二次加硫をかねた21
0℃の24時間の加熱処理で、低分子環状シロキサンの
量を500ppm以下とすることができる。
【0023】二次加硫をかねた加熱処理の温度として
は、180℃〜230℃が好ましい。180℃より低い
と、一次加硫の際にシリコーンゴム中で発生した、発泡
剤や加硫剤の副生成物の除去が充分にできず、ゴム中に
残留してしまったり、二次加硫が不十分となり、耐歪み
性が悪くなる等の不具合が発生するので、好ましくな
い。また、230℃より高いと、シリコーンゴムの熱劣
化がおきるので、230℃より高温での加熱処理は好ま
しくない。
【0024】シリコンゴムスポンジローラの成形方法と
しては、芯金に押出成形で、ゴムコンパウンドを被覆し
て、金型に組込んで一次加硫した後、二次加硫としての
熱処理を行う方法や、金型に組込まずに一次加硫した後
に、二次加硫としての熱処理を行うのが、一般的なスポ
ンジローラの加工法であるが、本発明ではこのような方
法は行わずに、押出成形でシリコーンスポンジチューブ
を製造し、シリコーンスポンジチューブの状態で二次加
硫としての熱処理まで行ってから、シリコーンスポンジ
チューブに芯金を挿入する成形方法を用いる。
【0025】なぜならば、低分子シロキサンは、一次加
硫や二次加硫の時に、芯金付きのスポンジローラの場合
は、ローラの外周面からしか揮発しないが、スポンジチ
ューブの場合は、チューブの外周面と内周面の両方から
揮発するので、芯金付きのスポンジローラより短時間
で、低分子シロキサンが除去できる。また、揮発面まで
の距離を考えると、外周面からしか揮発しない場合よ
り、外周面と内周面の両方から揮発する場合は、揮発面
から最も遠い低分子シロキサンまでの距離が半分となる
ので、より確実な低分子シロキサンの除去ができるから
である。
【0026】そして、上記のようなスポンジロールを研
磨して、所定の外径寸法に仕上げてから、外周面に離型
層を形成する。離型層としては、オイルレスの状態で高
離型を維持しなければならないので、PFAやPTFE
のチューブを被覆するのが好ましい。被覆するチューブ
の厚さは、30μmより薄いと加工が難しく、100μ
mより厚いとチューブの自身の硬さで、定着部でのニッ
プ幅が取れなくなるので、30〜100μmの厚さがチ
ューブが好ましい。
【0027】なお、本発明中で行っている、環状低分子
シロキサンの4〜20量体の測定は、シリコーンゴムを
細かく切断し、四塩化炭素で24時間抽出し、n−ウン
デカンを内部標準物質として加えたサンプルを、検出器
がFIDのガスクロマトグラフィーで、昇温分析して測
定したものである。
【0028】
【発明を実施する形態】以下に本発明の実施例と比較例
を具体的に説明する。
【0029】実施例1 最近、定着装置のゴム材料に導電性のゴム材料を使用し
て、静電オフセット対策をとる事が多いので、実施例と
して導電性の材料を用いて試験した。抵抗値が1000
Ωで、環状低分子シロキサンの4〜20量体の総量が1
3520ppmである、導電性のシリコーンゴムコンパ
ウンド(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製DY3
2−5048U)100部に、加硫剤のRD−24を3
部、発泡剤のMR−34を1部を混合した、次に外径が
10mmの芯金に押出成形で、外径が17mmとなるよ
うにシリコーンゴムコンパウンドを被覆した。そして2
00℃で60分間の一次加硫を行い、外径21mmのシ
リコーンゴムスポンジローラを得た。
【0030】実施例2 実施例1のゴム配合の発泡剤のMR−34の量を2部に
変更し、次に外径が10mmの芯金に押出成形で外径が
15.5mmとなるようにシリコーンゴムコンパウンド
を被覆した。そして200℃で60分間の一次加硫を行
い、外径21mmのシリコーンゴムスポンジローラを得
た。
【0031】実施例3 実施例1のゴム配合の発泡剤のMR−34の量を3部に
変更し、次に外径が10mmの芯金に押出成形で外径が
15mmとなるようにシリコーンゴムコンパウンドを被
覆した。そして200℃で60分間の一次加硫を行い、
外径21.5mmのシリコーンゴムスポンジローラを得
た。
【0032】実施例4 実施例1のゴム配合を利用して、押出成形で内径が10
mmで、外径が17mmのシリコーンチューブを押出
て、200℃で60分間の一次加硫を行い、内径が9m
mで、外径21mmのシリコーンゴムスポンジチューブ
を得た。
【0033】実施例5 実施例2のゴム配合を利用して、押出成形で内径が10
mmで、外径が15.5mmのシリコーンチューブを押
出て、200℃で60分間の一次加硫を行い、内径が9
mmで、外径21mmのシリコーンゴムスポンジチュー
ブを得た。
【0034】実施例6 実施例3のゴム配合を利用して、押出成形で内径が10
mmで、外径が15mmのシリコーンチューブを押出
て、200℃で60分間の一次加硫を行い、内径が9m
mで、外径21.5mmのシリコーンゴムスポンジチュ
ーブを得た。
【0035】上記の実施例1〜6のローラとスポンジチ
ューブの一次加硫後と、210℃で二次加硫としての加
熱処理を行った時の、10時間後、24時間後、48時
間後の、低分子環状シロキサンの4〜20量体の総量の
測定結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】また、上記の実施例1〜6のローラとスポ
ンジチューブを、210℃で24時間の2次加硫として
の加熱処理をした後、スポンジを輪切りにして、断面の
顕微鏡写真を撮影して、スポンジ内部の平均セル径を測
定した。また、アスカ−C硬度計の500g加重で測定
した硬度の測定結果を、発泡倍率とともに表2に示す。
【0038】
【表2】
【0039】表1の結果より、スポンジローラはスポン
ジチューブにくらべて、芯金が有るため、低分子環状シ
ロキサンの抜けるの速度が遅いので、二次加硫まではス
ポンジチューブで行い。二次加硫後にスポンジチューブ
に芯金を挿入して、ローラを成形する方が、低分子環状
シロキサンを除去するのには有利なことがわかる。
【0040】次に帯電ローラや転写ローラと同等の非汚
染性の性能を持っているかを調べるために、帯電ローラ
や転写ローラの非汚染性を調べる試験方法である。感光
体への汚染試験を行った。まず、実施例1〜6のローラ
とスポンジチューブを210℃で24時間、48時間の
2種類の二次加硫を行った後に、実施例4〜6のスポン
ジチューブに芯金を挿入して、すべてのローラの外径を
20mmに研削して、計12本のスポンジローラを作製
した。そして、キャノン社製のレーザーショットプリン
タA309G〓の感光体にスポンジローラを圧着して、
35℃で湿度85%の恒温恒湿槽に168時間入れて、
感光体表面に汚染が生じるかをテストした。そして汚染
がないものは○、少しでも表面に汚染があるものは×と
して感光体表面の汚染性を評価し、結果を表3に示す。
【0041】
【表3】
【0042】表3の結果より、低分子環状シロキサンの
4量体〜20量体の総量が、500ppm以下になれ
ば、感光体の汚染を生じないことがわかる。つまり、定
着ローラの内層に、感光体に直接接しても汚染のないシ
リコーンスポンジを使用するなら、低分子環状シロキサ
ンの4量体〜20量体の総量が、500ppm以下にな
るようにすれば良いことになる。なお、この低分子環状
シロキサンの4量体〜20量体の総量が500ppm以
下というのは、シリコーンゴム中の低分子シロキサン成
分全体の中で、低分子環状シロキサンの4量体〜20量
体の総量を、シリコーンゴム中の低分子シロキサンの総
量の代替え値としてとらえているものなので、4量体〜
20量体だけが除去できれば、汚染が発生しないという
意味ではなく、4量体〜20量体の総量を500ppm
以下にすれば、シリコーンゴム中に残っている直鎖や環
状の低分子シロキサンの総量が汚染を発生しない範囲ま
で除去できたという意味である。
【0043】実施例7 環状低分子シロキサンの4〜20量体の総量が多い場合
を調べるため、4〜20量体の総量が33860ppm
である、絶縁性のシリコーンゴムコンパウンド(信越化
学工業社製KE904FU)100部に、加硫剤のC−
2を0.6部、C−3を3部、発泡剤のKEP−13を
2.2部を混合した、次に外径が10mmの芯金に押出
成形で、外径が15.5mmとなるようにシリコーンゴ
ムコンパウンドを被覆した。そして200℃で40分間
の一次加硫を行い、外径21mmのシリコーンゴムスポ
ンジローラを得た。
【0044】実施例8 実施例7のゴム配合を利用して、押出成形で内径が10
mmで、外径が15.5mmのシリコーンチューブを押
出て、200℃で40分間の一次加硫を行い、内径が9
mmで、外径21mmのシリコーンゴムスポンジチュー
ブを得た。
【0045】比較例 実施例7のゴム配合から発泡剤のKEP−13を抜い
て、次に外径が10mmの芯金に押出成形で、外径が2
1mmとなるようにシリコーンゴムコンパウンドを被覆
した。そして200℃で40分間の一次加硫を行い、外
径21mmで、JIS A 硬度が47゜のシリコーン
ゴムローラを得た。
【0046】上記の実施例7のローラと、比較例のロー
ラと、実施例8のスポンジチューブの一次加硫後と、2
10℃で二次加硫としての加熱処理を行った時の、10
時間後、24時間後、48時間後の、低分子環状シロキ
サンの4〜20量体の総量の測定結果を表4に示す。
【0047】
【表4】
【0048】また、上記の実施例7のローラと実施例8
のスポンジチューブを、210℃で24時間の2次加硫
としての加熱処理をした後、スポンジを輪切りにして、
断面の顕微鏡写真を撮影して、スポンジ内部の平均セル
径を測定した。また、アスカ−C硬度計の500g加重
で測定した硬度の測定結果を、発泡倍率とともに表5に
示す。
【0049】
【表5】
【0050】表4の結果より、ゴムコンパウンド中に4
〜20量体の低分子環状シロキサンが30000ppm
以上含まれていると、スポンジローラは芯金が有るため
48時間の熱処理でも、充分に低分子シロキサンが除去
できたとはいえないが、スポンジチューブは、24時間
で感光体の汚染が発生しない量まで除去できる。また、
比較例として発泡させず、通常のゴムローラとして加硫
させた結果、48時間の二次加硫を行っても9000p
pmの環状シロキサンが残っており、特定の条件で発泡
させることが、低分子シロキサンの除去に絶大な効果が
あることがわかる。そして、このようなスポンジロール
にPFAチューブを被覆すれば、低分子シロキサンによ
る汚染の心配がない定着ローラが製造できる。
【0051】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ゴムコン
パウンド中に4〜20量体の低分子環状シロキサンが3
0000ppm以上含まれていても、それを特定条件の
スポンジに加工して、熱処理することで、簡単に低分子
シロキサンを除去することができる。また、スポンジチ
ューブを成形した後に、熱処理だけで簡単に低分子の除
去ができるので、帯電や転写ローラの低分子除去で使用
している真空加熱処理や溶剤抽出等の特殊な設備を使用
せずに、低分子シロキサン汚染の心配のない、低硬度で
高離型の定着ローラと、その製造技術が提供されること
になる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芯金と、この芯金の外周に配設され、低分
    子環状シロキサンの4〜20量体の総量が10000p
    pm以上のシリコーンゴムを発泡させた後、低分子環状
    シロキサンの4〜20量体の総量が500ppm以下に
    なるように加熱処理されたシリコーンゴムスポンジと、
    最外層に配設された離型層とを具備することを特徴とす
    る定着装置用スポンジローラ。
  2. 【請求項2】前記加熱処理温度が180℃〜230℃で
    あることを特徴とする請求項1記載の定着装置用スポン
    ジローラ。
  3. 【請求項3】前記加熱処理されたシリコーンゴムスポン
    ジは、チューブ状に形成されて、前記加熱処理後に前記
    芯金の外周に被覆されていることを特徴とする請求項1
    又は2に記載の定着装置用スポンジローラ。
  4. 【請求項4】前記シリコーンゴムスポンジの発泡倍率が
    1.5〜2.5倍で平均セル径が150〜300μmで
    アスカーC硬度が20゜〜60゜であることを特徴とし
    た請求項1乃至3の何れか1項に記載の定着装置用スポ
    ンジローラ。
  5. 【請求項5】前記離型層がPFAチューブであることを
    特徴とした 請求項1乃至4の何れか1項に記載の定着
    装置用スポンジローラ。
  6. 【請求項6】低分子環状シロキサンの4〜20量体の総
    量が10000ppm以上のシリコーンゴムを発泡させ
    てシリコーンゴムスポンジチューブを形成する発泡工程
    と、低分子環状シロキサンの4〜20量体の総量が50
    0ppm以下になるように、前記シリコーンゴムスポン
    ジチューブを加熱処理する加熱工程と、前記シリコーン
    ゴムスポンジチューブを芯金に被覆するスポンジチュー
    ブ被覆工程と、最外層に離型層を被覆する離型層被覆工
    程を具備することを特徴とする定着装置用スポンジロー
    ラの製造方法。
  7. 【請求項7】前記加熱工程の処理温度が180℃〜23
    0℃であることを特徴とする請求項6記載の定着装置用
    スポンジローラの製造方法。
  8. 【請求項8】前記シリコーンゴムスポンジチューブの発
    泡倍率が1.5〜2.5倍で平均セル径が150〜30
    0μmでアスカーC硬度が20゜〜60゜であることを
    特徴とした請求項6又は7に記載の定着装置用スポンジ
    ローラの製造方法。
  9. 【請求項9】前記離型層がPFAチューブであることを
    特徴とした 請求項6乃至8の何れか1項に記載の定着
    装置用スポンジローラの製造方法。
JP34732997A 1997-12-03 1997-12-03 定着装置用スポンジローラとその製造方法 Pending JPH11167301A (ja)

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