JPH11167066A - 顕微鏡用対物レンズ - Google Patents

顕微鏡用対物レンズ

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Publication number
JPH11167066A
JPH11167066A JP9332692A JP33269297A JPH11167066A JP H11167066 A JPH11167066 A JP H11167066A JP 9332692 A JP9332692 A JP 9332692A JP 33269297 A JP33269297 A JP 33269297A JP H11167066 A JPH11167066 A JP H11167066A
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JP
Japan
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optical system
coil spring
compression coil
internal optical
optical axis
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Application number
JP9332692A
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English (en)
Inventor
Hideto Yamashita
日出人 山下
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外枠内に設けた内部光学系が光軸回りに回転
することを防止する。 【解決手段】 対物レンズの外枠50内に設けた光学系
の少なくとも1部が、外枠50に対して光軸方向に移動
可能な内部光学系40となっており、外枠50に対して
内部光学系40を光軸方向に移動するように付勢する付
勢部材30と、外枠50に対して内部光学系40の光軸
回りの回転を規制する回転規制機構51、52とを有
し、付勢部材30が、外枠50に対して内部光学系40
を光軸回りの回転方向に対しても付勢するようになって
いる。付勢部材30の付勢によって回転規制機構51、
52による回転規制力が大きくなり、内部光学系40の
回転を防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学顕微鏡等にお
ける顕微鏡用対物レンズに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、顕微鏡用対物レンズでは、光学
系の偏心が非常に厳しく、エラーが出ないような構造と
なっている。
【0003】図13は、スプリング緩衝機構を有する従
来の顕微鏡用対物レンズを示す。スプリング緩衝機構
は、標本から対物レンズの先端までの長さである作動距
離(W.D.working distance)が短
い対物レンズにおいて、誤って標本に対物レンズの先端
をぶつけた時、標本のカバーガラスを割らないように、
スプリングによりクッションの作用を行って保護する機
構である。
【0004】図13の対物レンズは、複数のレンズ10
が内枠11に保持されており、この内枠11が外枠5内
に装着されている。上述したスプリング緩衝機構は、絞
りを兼ねたリング6と内枠11との間に設けられた圧縮
コイルばね3によって構成されている。
【0005】図16は、従来の圧縮コイルばね3を示
す。圧縮コイルばね3は両端部が内枠11とリング6と
に当接し、この当接によって内枠11、すなわち内枠1
1及びレンズ10を含めた後述する内部光学系4、が光
軸方向に移動するように付勢している。
【0006】図14及び図15は、図13におけるレン
ズ10及び内枠11をハッチングで示す内部光学系4に
簡素化したものである。内部光学系4と外枠5は偏心エ
ラーがあるところから内部光学系4が外枠5に対して3
60°回転すると、お互いの偏心の差を生じるため、回
転を制限する必要がある。この回転防止のため、ピン1
a、1bと溝2a、2bとを用いている。
【0007】図14の構造では、溝2aが内部光学系4
(内枠11)の長さ方向に形成されると共に外枠5にピ
ン1aがねじ込まれ、ピン1aのねじ部が溝2aに差し
込まれている。この構造では、ピン1aのねじ部が溝2
a内に位置するものである。なお、ピン1aを外枠5に
挿入するため、外枠5にはピン1aの頭部よりも幾分大
きなサイズのピン孔7aが形成されている。
【0008】図15の構造では、溝2bが外枠5の長さ
方向に形成されており、この溝2bにピン1bが差し込
まれ、ピン1bをねじ込むことによってそのねじ部を内
部光学系4(内枠11)に螺合している。この構造で
は、ピン1bの頭部が溝2b内に位置するものである。
【0009】図17は、補正環機構を備えた従来の顕微
鏡用対物レンズを示す。補正環機構は、標本のカバーガ
ラスの厚さのバラツキにより発生する球面収差を対物レ
ンズ内部のレンズ群を移動させて補正することによっ
て、良好な解像を得るための機構である。
【0010】図17の対物レンズは、レンズ10を保持
する内枠が複数に分割されており、分割された内枠11
a、11bの間に、スプリング緩衝機構としての圧縮コ
イルばね3が挿入されている。また、外枠5には、補正
環12が回転可能に取り付けられている。補正環12は
カム面12aを有しており、内枠11aに取り付けられ
たピン1bがカム面12aに当接している。
【0011】図18は、図17を簡素化して示すもので
あり、ピン1bが圧縮コイルばね3によってカム面12
aに押し付けられた構造となっている。この構造では、
補正環12をラジアル方向に回転操作することによっ
て、カム面12aに押し付けられているピン1bを介し
て内部光学系4が光軸方向に移動し、この移動によって
球面収差を補正するようになっている。この顕微鏡用対
物レンズにおいても、図14及び図15と同様に、ピン
1bが溝2bに挿入されることによって、内部光学系4
と外枠5との相対的な回転が制限されている。
【0012】以上のように、図13及び図17に示す顕
微鏡用対物レンズの基本構造は同じであり、内部光学系
4と外枠5との偏心エラーをなくすため、ピン1a、1
bと溝2a、2bとによって回転方向の制限を行ってい
る。これにより対物レンズは偏心エラーを極少に押さえ
ることができ、良好な像を得ることができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
対物レンズでは、外枠5及び内部光学系4の回転を制限
するピン及び溝には、ガタ(遊び)が存在し、必ずしも
回転方向に十分な制限を行うことができないものであ
る。
【0014】図20は、これを図15の構造に対応して
説明するものであり、ピン1bの頭部が挿入される外枠
5の溝1bは、ピン1bが入り込むために、ピン1bの
直径に加えて隙間A、Bが必然的に必要である。そし
て、このA+Bの寸法の隙間によって、内部光学系4が
回転するため、その分、偏心エラーが発生する。
【0015】一方、図19は、図14の構造に対応する
ものであり、内部光学系4に形成されている溝2aと、
ピン1aのねじ部外径との間に、隙間A、Bが存在し、
この隙間によって内部光学系4が回転する。
【0016】以上のように、従来の対物レンズの構造で
は、360°の全周回転を防止できるが、僅かではある
が、内部光学系4が回転する。この回転により生ずる偏
心光学エラーは特に高倍、高NA(開口数)の対物レン
ズほど大きく、無視できない誤差を生じている。
【0017】また、この僅かの回転を防止するため、ピ
ンと溝とを高精度に加工して隙間を極力少なくする場合
には、加工が難しく、製造コストが高騰する。しかも隙
間を少なくした場合には、摺動性が低下するばかりでな
く、摩擦により内部光学系4が途中で動かなくなる可能
性を有している。
【0018】本発明は、このような従来の問題点を考慮
してなされたものであり、簡単な構造で内部光学系の回
転を確実に防止することができる顕微鏡用対物レンズを
提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明は、対物レンズの外枠内に設けられ
た光学系の少なくとも1部が、外枠に対して光軸方向に
移動可能な内部光学系となっている顕微鏡用対物レンズ
において、前記外枠に対して前記内部光学系を光軸方向
に移動するように付勢する付勢部材と、前記外枠に対し
て前記内部光学系の光軸回りの回転を規制する回転規制
機構とを有し、前記付勢部材は、前記外枠に対して前記
内部光学系を光軸回りの回転方向に対しても付勢してい
ることを特徴とする。
【0020】この発明では、回転規制機構が内部光学系
の光軸回りの回転を規制するため、内部光学系と外枠と
の偏心エラーの発生を防止する。付勢部材は内部光学系
が光軸方向に移動するように付勢すると共に、内部光学
系を光軸回りに回転するようにも付勢する。この光軸回
りの回転付勢によって、内部光学系は回転規制機構の回
転規制をさらに大きく受ける。このためガタに起因して
内部光学系が回転することがなくなる。
【0021】請求項2の発明は、請求項1の発明であっ
て、前記付勢部材は、圧縮コイルばねであることを特徴
とする。
【0022】この発明では、付勢部材を圧縮コイルばね
とすることにより、スプリング緩衝機構に使用している
圧縮コイルばねを、内部光学系を光軸回りの回転方向に
付勢する付勢部材として併用することができる。このた
め、内部光学系の回転付勢を行うための部品が増えるこ
となく、簡単な構造とすることができる。
【0023】請求項3の発明は、対物レンズの外枠内に
設けられた光学系の少なくとも1部が、外枠に対して光
軸方向に移動可能な内部光学系となっている顕微鏡用対
物レンズにおいて、前記外枠に対して前記内部光学系を
光軸方向に移動するように付勢する圧縮コイルばねを有
しており、この圧縮コイルばねは、前記外枠及び前記内
部光学系の双方の光軸回りの回転を阻止するように装着
されていることを特徴とする。
【0024】この発明では、光軸方向に移動するように
内部光学系を付勢する圧縮コイルばねが、内部光学系及
び外枠の双方の光軸回りの回転を阻止するため、内部光
学系が外枠に対して回転することがない。
【0025】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の形態の顕
微鏡用対物レンズに使用される圧縮コイルばね30を示
す。この圧縮コイルばね30は、対物レンズにおけるス
プリング緩衝機構に使用されるものであり、このため対
物レンズの内部光学系40(図2参照)を光軸方向に移
動するように付勢している。本発明の実施の形態では、
この圧縮コイルばね30は、内部光学系40を光軸回り
に回転付勢する付勢部材としても機能するものである。
なお、内部光学系40は従来の内部光学系4と同様な構
成となっている。
【0026】圧縮コイルばね30は、コイル部31の両
端に突起部32、33が形成されている。突起部32、
33は圧縮コイルばね30の両端部を軸方向(スラスト
方向)に延びるように屈曲することによって形成される
ものである。
【0027】このような圧縮コイルばね30に対し、内
部光学系を光軸回りに回転させるためのばね加重の付与
は以下のようにして行う。顕微鏡用対物レンズに用いら
れている圧縮コイルばねは、一般的に、圧縮した時の装
備力量を正確に出すように設計されている。上述したよ
うに、両端部にスラスト方向の突起部32、33を有し
た圧縮コイルばね30に対し、力Pをラジアル(回転)
方向に作用させたとき、圧縮コイルばね30はそのばね
形状を保とうとするため、Pと反対の方向に対して、力
Qがラジアル(回転)方向に作用する。この場合のQは
Q<Pである。
【0028】本実施の形態では、この原理より圧縮コイ
ルばね30を単に圧縮した時の装備力量として利用する
のではなく、回転方向にも一定の力Qを付与し、この力
Qによって光軸回りに回転するように内部光学系40を
付勢するものである。より具体的には、図2に示すよう
に内部光学系40に係止溝41を形成し、この係止溝4
1に圧縮コイルばね30の一側の突起部32を挿入す
る。そして、この状態で、圧縮コイルばね30を捻って
上述した力Pを付与する。これにより、内部光学系40
に対しては、光軸回りに回転する力Qを絶えず作用させ
ることができる。
【0029】図3は、図14に示す従来構造に対応した
構造であり、内部光学系40が外枠50内に保持されて
いる。外枠50には溝51が形成され、この溝51にピ
ン52が挿入されている。ピン52はねじ部52aと、
頭部52bとからなり、ねじ部52aが内部光学系40
に螺合し、頭部52bは溝51内に位置している。一
方、溝51は内部光学系40の光軸回りに沿った壁面5
1a、51bを有している。従って、このような構造で
は、溝51及びピン52が内部光学系40の光軸回りの
回転を規制する回転規制機構53を構成する。
【0030】かかる構造に対し、図1に示す圧縮コイル
ばね30を外枠50内に設けて内部光学系40が光軸方
向に移動するように付勢し、これによりスプリング緩衝
機構を構成する。このとき、圧縮コイルばね30に対し
てラジアル方向の力Pを作用させた状態で、図2に示す
ように、一方の突起部32を内部光学系40の係止溝4
1に係止すると共に、他方の突起部33を外枠50の軸
方向の端部或いはこの端部に取り付けられているリング
60(図5参照)等に係止する。
【0031】これにより、圧縮コイルばね30は光軸回
りに回転するように内部光学系40を付勢するため、ピ
ン52の頭部52bが付勢方向側の壁面51aに絶えず
押し当てられた状態となる。従って、内部光学系40は
回転することがなく、偏心エラーを生じることがなくな
り、良好な像を得ることができる。また、圧縮コイルば
ね30は、その両端を折り曲げ加工するだけであるた
め、その製造は容易である。さらには、圧縮コイルばね
30は単一で、スプリング緩衝機構としての作用と、内
部光学系40の光軸回りの回転付勢を行う作用とを行う
ため、これらの別個に部材とする必要がなく、部品点数
を少なくすることができる。
【0032】図4は、図15に対応した構造であり、内
部光学系40に溝54が形成され、この溝54に外枠5
0からのピン55のねじ部55aが挿入されることによ
り、内部光学系40の光軸方向回りの回転を規制する回
転規制機構56が形成されている。溝54は光軸方向に
沿った壁面54a、54bを有するものである。
【0033】この構造に対しても、圧縮コイルばね30
を図2と同様に構成することによって、溝54のいずれ
かの壁面54a、54bがピン55のねじ部55aに絶
えず押し当てられた状態となり、内部光学系40が光軸
方向回りに回転することがなく、回転に起因した偏心エ
ラーを防止することができる。
【0034】図5は、圧縮コイルばね30の両端に対す
る配置を示し、一方の突起部32に対応して内部光学系
40が配置され、他方の突起部33に対応してリング6
0が配置されている。内部光学系40には複数の係止溝
41が形成されており、圧縮コイルばね30の力量に合
わせて最適の係止溝41を選択することが可能となって
いる。リング60は、顕微鏡の絞りを兼ねるものであ
り、圧縮コイルばね30の突起部33が挿入される係止
溝61が形成されている。
【0035】このような構造とすることによって、圧縮
コイルばね30は両端の突起部32、33が内部光学系
40及びリング60に係止されるため、内部光学系40
が光軸方向に回転することがなくなる。なお、リング6
0の係止溝61は内部光学系40と同様に、複数であっ
てもよい。
【0036】図6〜図8は、圧縮コイルばね30の変形
形態を示す。図6の圧縮コイルばね30は、コイル部3
1の両端の突起部32、33がラジアル方向に沿って屈
曲されている。このため、突起部32に対応した内部光
学系40の係止溝41も同方向に形成される。
【0037】図7の圧縮コイルばね30は、コイル部3
1の両端にL字状の係止部34、35を形成している。
係止部34、35は、図1及び図5のようにコイル部3
1の両端をコイル部31の巻回方向と異なった方向に急
激に折り曲げるものではなく、コイル部31の巻回方向
に沿って屈曲させることによって形成されている。これ
に対し、内部光学系40の係止溝41は、L字状の係止
部34、35が挿入可能なように複数が形成されること
により、適宜選択可能となっている。このような圧縮コ
イルばね30では、係止部34、35がコイル部31の
巻回方向に沿って屈曲されているため、簡単に屈曲する
ことができ。コイルばね30の製造を簡単に行うことが
できる。
【0038】図8の圧縮コイルばね30は、コイル部3
1の両端を屈曲させることなく、コイル部31のみとす
るものであり、図16に示す従来の圧縮コイルばね3を
そのまま使用することができる。これに対し、内部光学
系40の外面には、螺旋状の係止溝43が形成されてい
る。係止溝43は圧縮コイルばね30のコイル部31の
巻回方向に沿った螺旋状に形成されるものである。
【0039】内部光学系40に対して圧縮コイルばね3
0を装着するため、螺旋状の係止溝43に圧縮コイルば
ね30をねじ込む場合、圧縮コイルばね30は係止溝4
3の終端でねじ込みが停止し、それ以上に回ることがな
い。逆に、ねじ込みを戻す方向では、圧縮コイルばね3
0のコイル部31の径が縮まるため、圧縮コイルばね3
0は内部光学系40の外周に喰い込む。このため、この
方向では、圧縮コイルばね30は空回りすることがな
い。従って、圧縮コイルばね30を取り付けた後では、
正逆のどの方向に対しても回転を制限することができ
る。
【0040】以下、本発明の実施の形態について説明す
る。なお、それぞれの実施の形態において、上述した部
材と同一の部材は同一の符号を付して対応させてある。
【0041】(実施の形態1)図9は、図15に示す従
来の構造に対応した実施の形態1の顕微鏡用対物レンズ
である。外枠50の内部に内部光学系40が設けられて
いる。内部光学系40は、図13に示すように、内枠に
複数のレンズが保持されることによって形成されてい
る。また、外枠50には溝51が形成され、この溝51
に設けられたピン52が内部光学系40に挿入されてい
る。これにより、内部光学系40の光軸回りの回転が規
制されている。さらに、外枠50の端部には、絞りを兼
ねたリング60が取り付けられている。リング60はね
じ、圧入、加締め、接着や溶着などの適宜の手段によっ
て外枠50に装着されるものである。
【0042】かかる構造において、内部光学系40とリ
ング60との間には、コイル部31の両端に突起部3
2、33が形成されている圧縮コイルばね30が挿入さ
れている。また、内部光学系40には係止溝41が形成
されると共に、リング60にも係止溝61が形成されて
おり、これらの係止溝41、61には、圧縮コイルばね
30の対応した突起部32、33が挿入されている。圧
縮コイルばね30は一定の力量で内部光学系40を光軸
回りに回転するように装着される。
【0043】この構造では、圧縮コイルばね30が内部
光学系40を光軸方向に移動するように付勢するスプリ
ング緩衝機構を構成すると共に、光軸回りに回転するよ
うに内部光学系40を付勢している。従って、図4に示
すように、ピン52の頭部52bが溝51の壁面51a
に押し付けられた状態となり、内部光学系40が回転す
ることがなくなり、回転による偏心エラーが防止されて
いる。
【0044】(実施の形態2)図10は、図14に対応
した実施の形態2の顕微鏡用対物レンズである。この実
施の形態におけるピン55は、内部光学系40に形成さ
れた溝54に挿入されることによって及び溝54は、内
部光学系40の光軸回りの回転を規制している。この実
施の形態においても、内部光学系40とリング60との
間に圧縮コイルばね30が挿入されて、内部光学系40
を光軸方向に付勢している。
【0045】また、内部光学系40に形成した係止溝4
1とリング60に形成した係止溝61とには、圧縮コイ
ルばね30の突起部32、33が挿入されて係止されて
いる。従って、この実施の形態では、図4と同様の状態
となり、溝54の壁面54aがピン55のねじ部55a
に押し付けられているため、内部光学系40の光軸回り
の回転が規制され、偏心エラーを防止することができ
る。
【0046】(実施の形態3)図11は、図18に対応
した実施の形態3の顕微鏡用対物レンズである。外枠5
0には、カム面71を有した補正環70が取り付けられ
ている。また、外枠50の内部に設けられた内部光学系
40には、ピン73が取り付けられ、このピン73が補
正環70のカム面71に当接している。このピン73は
外枠50に形成されている溝51を挿通するものであ
る。
【0047】外枠50内の内部光学系40には、係止溝
41が形成されると共に、内部光学系40と対向した外
枠50の内面にも係止溝74が形成されている。さら
に、内部光学系40及び外枠50の間には圧縮コイルば
ね30が設けられ、圧縮コイルばね30両端の突起部3
2、33がそれぞれの係止溝41、74に挿入されてい
る。
【0048】圧縮コイルばね30はピン73がカム面7
1に押し付けられるように付勢しており、補正環還70
を回転操作することによって内部光学系40が光軸方向
に移動することができ、この移動によって球面収差の補
正が行われる。
【0049】さらに、圧縮コイルばね30は一定の力量
で内部光学系40を光軸回りに回転付勢しており、これ
によりピン73が溝51の壁面に押し付けられている。
このため、内部光学系40の光軸回りの回転を規制さ
れ、偏心エラーを防止することができる。
【0050】(実施の形態4)図12は、実施の形態4
を示す。圧縮コイルばね30が内部光学系40とリング
60との間に挿入されると共に、両端の突起部32、3
3が内部光学系40の係止溝41及びリング60の係止
溝61に挿入されている。この圧縮コイルばね30は、
一定の形状を保つ特性を有しているため、どちらの回転
方向に対しても元に戻るように作動する。このため、圧
縮コイルばね30は外枠50及び内部光学系40の双方
が光軸回りに回転しないように作用しており、移動光楽
劇40が光軸回りに回転することがなくなる。
【0051】この実施の形態4では、実施の形態1〜3
のような一対のピンと溝からなる内部光学系の回転規制
機構を持たずに圧縮コイルバネ30によってのみ回転規
制を行う構成であるため、構造が非常に簡単にできる。
しかしながら圧縮コイルバネ30の突起部32、33と
係止溝41、61との係合部のガタにより若干の回転が
生じる可能性があるため、比較的偏心エラーの影響の少
ない低倍率、低NAでしかもスプリング緩衡機構や補正
環機構が必要な顕微鏡用対物レンズなどに好適なもので
ある。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、内部光学系を光軸方向に移動するように付勢す
る付勢部材が、内部光学系を光軸回りにも回転するよう
に付勢し、この付勢によって内部光学系が回転規制機構
の回転規制を強く受ける。このためガタに起因して内部
光学系が回転することがなくなる。
【0053】請求項2の発明によれば、スプリング緩衝
機構に使用している圧縮コイルばねを、内部光学系を光
軸回りの回転方向に付勢する付勢部材として併用するこ
とができ、部品が増えることなく、簡単な構造とするこ
とができる。
【0054】請求項3の発明によれば、圧縮コイルによ
り、内部光学系の外枠に対する光軸回りの回転を阻止す
るため、別個の回転規制機構が不要となり、簡単な構造
とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用する圧縮コイルばねの作用を示す
斜視図である。
【図2】圧縮コイルばねと内部光学系との関係を示す斜
視図である。
【図3】圧縮コイルばねによって回転が規制される構造
を示し、(a)は平面図、(b)は断面図である。
【図4】圧縮コイルばねによって回転が規制される別の
構造を示し、(a)は平面図、(b)は断面図である。
【図5】圧縮コイルばね、内部光学系及びリングの関係
を示す斜視図である。
【図6】圧縮コイルばねの別例の斜視図である。
【図7】圧縮コイルばねのさらに別例の斜視図である。
【図8】圧縮コイルばねの異なる例の斜視図である。
【図9】実施の形態1の断面図である。
【図10】実施の形態2の断面図である。
【図11】実施の形態3の断面図である。
【図12】実施の形態4の断面図である。
【図13】従来の対物レンズの部分破断側面図である。
【図14】従来の対物レンズを簡素化して示し、(a)
は側面からの断面図、(b)は正面からの断面図であ
る。
【図15】従来の別の対物レンズを簡素化して示し、
(a)は側面からの断面図、(b)は正面からの断面図
である。
【図16】従来より用いられている圧縮コイルばねの斜
視図である。
【図17】別の従来の対物レンズの部分破断側面図であ
る。
【図18】図17の対物レンズを簡素化して示し、
(a)は側面からの断面図、(b)は正面からの断面図
である。
【図19】図14に対応した従来の問題点を示すもの
で、(a)はその平面図、(b)は正面からの断面図で
ある。
【図20】図15に対応した従来の問題点を示すもの
で、(a)はその平面図、(b)は正面からの断面図で
ある。
【符号の説明】
30 圧縮コイルばね 40 内部光学系 50 外枠 60 リング

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対物レンズの外枠内に設けられた光学系
    の少なくとも1部が、外枠に対して光軸方向に移動可能
    な内部光学系となっている顕微鏡用対物レンズにおい
    て、 前記外枠に対して前記内部光学系を光軸方向に移動する
    ように付勢する付勢部材と、前記外枠に対して前記内部
    光学系の光軸回りの回転を規制する回転規制機構とを有
    し、 前記付勢部材は、前記外枠に対して前記内部光学系を光
    軸回りの回転方向に対しても付勢していることを特徴と
    する顕微鏡用対物レンズ。
  2. 【請求項2】 前記付勢部材は、圧縮コイルばねである
    ことを特徴とする請求項1記載の顕微鏡用対物レンズ。
  3. 【請求項3】 対物レンズの外枠内に設けられた光学系
    の少なくとも1部が、外枠に対して光軸方向に移動可能
    な内部光学系となっている顕微鏡用対物レンズにおい
    て、 前記外枠に対して前記内部光学系を光軸方向に移動する
    ように付勢する圧縮コイルばねを有しており、この圧縮
    コイルばねは、前記外枠及び前記内部光学系の双方の光
    軸回りの回転を阻止するように装着されていることを特
    徴とする顕微鏡用対物レンズ。
JP9332692A 1997-12-03 1997-12-03 顕微鏡用対物レンズ Withdrawn JPH11167066A (ja)

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