JP2000338411A - 顕微鏡用対物レンズ - Google Patents

顕微鏡用対物レンズ

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JP2000338411A
JP2000338411A JP11147156A JP14715699A JP2000338411A JP 2000338411 A JP2000338411 A JP 2000338411A JP 11147156 A JP11147156 A JP 11147156A JP 14715699 A JP14715699 A JP 14715699A JP 2000338411 A JP2000338411 A JP 2000338411A
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optical system
objective lens
outer frame
internal optical
optical axis
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JP11147156A
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Gakuji Higuchi
岳治 樋口
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Olympus Corp
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Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構造で、内部光学系のガタを確実に防
止し、倒れや偏心がなく、良好な解像力を有する顕微鏡
用対物レンズを提供する。 【解決手段】 顕微鏡本体に螺着される外枠5と、該外
枠5内に嵌装された光学系の少なくとも一部を光軸A方
向に移動可能とした内部光学系4と、該内部光学系4を
光軸A方向に付勢する光軸方向付勢部材3とを有する顕
微鏡用対物レンズにおいて、内部光学系4を外枠5の内
周面に付勢する少なくとも1つの側面付勢部材7を設け
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学顕微鏡におけ
る顕微鏡用対物レンズに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、顕微鏡用対物レンズは、光学系
の同心精度が非常に厳しく、偏心エラーがでないような
構造が採用されている。図17〜図21はその一例であ
り、スプリング緩衝機構を有する顕微鏡用対物レンズの
例(従来例1)を示す。図17は顕微鏡用対物レンズの
縦半断面図、図18は内部光学系を一体で表示した顕微
鏡用対物レンズの縦半断面図、図19は図18のW−W
断面図、図20は内部光学系を一体で表示した他の顕微
鏡用対物レンズの縦半断面図、図21は図20のW−W
断面図である。スプリング緩衝機構は、標本から顕微鏡
用対物レンズの先端までの長さである作動距離(W.
D.working distance)が短い対物レ
ンズにおいて、誤って標本に対物レンズの先端を衝突さ
せたとき、標本のカバーガラスを割らないように、スプ
リングによりクッションの作用によって保護する機構で
ある。
【0003】図17において、Zは光軸を示し、図面の
左側を「前」、右側を「後」と定義する。図17の顕微
鏡用対物レンズは、複数のレンズ60を保持した各レン
ズ枠61が収納された内枠50が、顕微鏡本体に螺着さ
れる外枠55内に光軸Z上を前後移動可能なように嵌装
されて構成されている。上述のスプリング緩衝機構は、
外枠55の後端に螺着され絞りを兼ねたリング56と、
リング56と内枠50との間に介装された圧縮コイルバ
ネ53とからなっている。圧縮コイルバネ53は、両端
部が内枠50とリング56とに当接し、この当接によっ
て内枠50、レンズ枠62およびレンズ60を含めた後
述する内部光学系54を光軸Z上で前方に移動するよう
に付勢している。
【0004】図18〜図21は、図17における内枠5
0、レンズ枠61、レンズ60等をハッチングで一体化
して、内部光学系54として表示したものである。図1
8および図20において、Yは外枠55の内径、Y
は内部光学系54の外径を示す。ここで、内部光学系5
4の光軸Zと外枠55の内径Yとは偏心エラーがある
ことから、内部光学系54が外枠55に対して360°
回転すると、相互間の偏心量が変化するため、回転を制
限する必要がある。この回転防止のため、ピン51A、
51Bと溝52A、52Bとが係合している。
【0005】図18および図19において、溝52Aが
内部光学系54(内枠50)の外周面の光軸方向に形成
され、外枠55には、半径方向にピン51Aがねじ込ま
れ、ピン51Aの先端部が溝52Aに係合している。な
お、外枠55には、ピン51Aの頭部を収容するための
座繰り穴57Aが形成されている。また、図20および
図21において、溝52Bが外枠55の光軸方向に形成
され、内部光学系54(内枠50)には、ピン51Bが
螺着されて、その頭部が外枠55の溝52Bと係合して
いる。
【0006】図22〜図24は、偏心エラーがでないよ
うな構造の他の例として、補正環機構を備えた顕微鏡用
対物レンズの例(従来例2)を示す。図22は顕微鏡用
対物レンズの縦半断面図、図23は内部光学系を一体で
表示した顕微鏡用対物レンズの縦半断面図、図24は図
23のW−W断面図である。補正環機構は、標本のカバ
ーガラスの厚さのバラツキにより発生する球面収差を対
物レンズ内部のレンズ群を前後に移動させて補正するこ
とによって、良好な解像力を得るための機構である。
【0007】図22において、Zは光軸を示し、図面の
左側を「前」、右側を「後」と定義する。図22の対物
レンズは、複数のレンズ60を保持するレンズ枠が複数
に分割されており、レンズ枠61Aは、光軸Z上を前後
に移動可能な様に外枠55内に嵌装されている。分割さ
れたレンズ枠61A、61Bの間には、スプリング緩衝
機構としての圧縮コイルバネ53が介装されている。ま
た、外枠55には、補正環62が回転可能に嵌装され、
補正環62には、カム面62aが形成され、レンズ枠6
1Aに螺着されたピン51Bの頭部がカム面62aに当
接している。
【0008】図23および図24は、図22におけるレ
ンズ枠61A、レンズ60を内部光学系54として、外
枠55、レンズ枠61B、レンズ60を外枠55とし
て、ハッチングによって、それぞれを一体化して表示し
たものである。図23および図24において、圧縮コイ
ルばね53は、内部光学系54が光軸Z上を前方に移動
するように付勢しており、この付勢力によりピン51B
が補正環60のカム面62aに当て付けられた構造とな
っている。この構造では、補正環62を光軸Z回りに回
転操作することにより、カム面に当て付けられているピ
ン51Bを介して内部光学系54が光軸Z上を前後方向
に移動し、この移動によって球面収差を補正するように
なっている。この顕微鏡用対物レンズにおいても、従来
例1と同様に、ピン51Bが溝52Bに係合されること
によって、内部光学系54と外枠55との相対的な回転
が制限されている。
【0009】以上のように、従来例1と従来例2との顕
微鏡用対物レンズの基本構造は同一であり、内部光学系
54と外枠55との偏心エラーをなくすため、ピン51
A、51Bと溝52A、52Bとによって回転方向の制
限を行っている。これにより、顕微鏡用対物レンズは偏
心エラーを極小に抑え、良好な像を得ることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上記従来の
顕微鏡用対物レンズには、つぎのような問題点があっ
た。すなわち、内部光学系54が光軸Z上を前後に移動
可能にするべく、外枠55の内径Yと内部光学系54
の外径Yとの間には、僅かな隙間(Y−Y)を設
けている。この隙間はガタとなり、内部光学系54が光
軸Zに対して倒れや偏心を生じる。この倒れや偏心によ
り生じる光学像の劣化は、特に高倍、高NA(開口数)
の対物レンズほど大きく、無視できない誤差を生じてい
る。
【0011】また、この僅かなガタを防止するため、外
枠55の内径Yと内部光学系54の外径Yとを高精
度に加工して隙間を極力少なくする場合は、加工が困難
で製造コストが高くなる。しかも、隙間を少なくした場
合には、摺動性が低下するばかりでなく、摩擦により内
部光学系54が途中で動かなくなる可能性を有してい
る。
【0012】本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなさ
れたもので、請求項1、2または3に係る発明の課題
は、簡単な構造で、内部光学系のガタを確実に防止し、
倒れや偏心がなく、良好な解像力を有する顕微鏡用対物
レンズを提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1、2または3に係る発明は、顕微鏡本体に
螺着される外枠と、該外枠内に嵌装された光学系の少な
くとも一部を光軸方向に移動可能とした内部光学系と、
該内部光学系を光軸方向に付勢する光軸方向付勢部材と
を有する顕微鏡用対物レンズにおいて、前記内部光学系
を前記外枠の内周面に付勢する少なくとも1つの側面付
勢部材を設けた。
【0014】請求項1、2または3に係る発明の顕微鏡
用対物レンズでは、内部光学系を外枠の内周面に付勢す
る少なくとも1つの側面付勢部材を設けたことにより、
側面付勢部材の付勢力により、外枠の一方の内周面に内
部光学系を当て付けて、ガタを防止する。
【0015】請求項2に係る発明の顕微鏡用対物レンズ
では、上記作用に加え、側面付勢部材が、外枠に対して
内部光学系の光軸回りの回転を規制するように構成した
ことにより、側面付勢部材の側面部が回転防止ピンの機
能を有し、内部光学系の光軸回りの回転を防止する。
【0016】請求項3に係る発明の顕微鏡用対物レンズ
では、前記側面付勢部材が、磁性体からなることによ
り、上記作用に加え、磁性体間に反発力または吸引力が
作用するが、磁性体同士の摩擦力は作用しないので、内
部光学系の摺動が円滑に行われる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、具体的な実施の形態につい
て説明する。なお、本発明の実施の形態においては、光
学系全体が外枠に対して光軸方向に移動する内部光学系
の例のみ説明するが、従来例2で説明したように、光学
系の一部のみが外枠に対して光軸方向に移動する内部光
学系を有する補正環機構を備えた対物レンズなどの場合
にも、本発明の実施の形態を適用することができる。
【0018】(実施の形態1)図1〜図3は実施の形態
1を示し、図1は顕微鏡用対物レンズ(以下対物レンズ
という)の縦半断面図、図2は図1のX−X断面図、図
3は対物レンズの分解斜視図である。なお、対物レンズ
の内部光学系は、従来例と同様に、複数のレンズ、レン
ズ枠および内枠を一体(ハッチング)で表示している。
実施の形態2以下も同様である。
【0019】図1において、Aは光軸を示し、図面の左
側を「前」、右側を「後」と定義する。図1〜図3にお
いて、筒状の外枠5の後端部外周には、図示しない顕微
鏡本体に対物レンズを螺着するための雄ネジ5sが形成
されている。外枠5の内径(内周面の径)Dは、内部
光学系4の外径Dよりも僅かに大きく形成され、内部
光学系4は、光軸A上を前後に移動可能なように、外枠
5内に嵌装されている。外枠5の後端部内周には、絞り
を兼ねたリング6が螺着され、内部光学系4とリング6
との間には光軸方向付勢部材としての圧縮コイルバネ3
が介装されている。圧縮コイルバネ3は、内部光学系4
が光軸A上を前方に移動するように付勢し、これによ
り、スプリング緩衝機構を構成している。
【0020】内部光学系4の外周には、溝8が周設さ
れ、溝8には外径Eの頭部を有する回転防止ピン1が螺
着されている。外枠5には、回転防止ピン1の頭部の外
径Eよりも、僅かに大きな幅Fを有し、光軸A方向に長
く開けられたピン孔2が穿設され、回転防止ピン1の頭
部が係合している。また、回転防止ピン1の頭部には、
外径Eよりも僅かに大きく開けられた孔7aを有する側
面付勢部材としての板バネ7が挿通されている。板バネ
7は、図3の2点鎖線で示すように、無負荷状態では、
平面状(曲げ加工されていない形状)であり、内部光学
系4の溝8と外枠5の内径Dとの間に弾性変形されて
配置されている。図2において、B、B は板バネ7
の両端部と外枠5の内径Dとの接点、Cは板バネ7と
内部光学系4の溝8の谷径との接点を示す。
【0021】つぎに、上記構成の対物レンズの動作につ
いて説明する。弾性変形されて配置されている板バネ7
には復元力があり、接点B、Bが支点、接点Cが作
用点となり、内部光学系4は常に外枠5の内周面に当て
付けられている。ここで、内部光学系4に前方から後方
への力が加わると、圧縮コイルバネ3が弾性変形し、内
部光学系4は、光軸A上を板バネ7の作用により、常に
外枠5の一方の内周面に当て付けられながら後方へ移動
する。このとき、板バネ7の孔7aに回転防止ピン1が
挿通され、回転防止ピン1は外枠5のピン孔2に係合し
ているため、内部光学系4および板バネ7は、外枠5に
対して光軸A回りに回転することはない。
【0022】つぎに、内部光学系4に加わる力が解除さ
れると、板バネ7の作用により、内部光学系4は常に外
枠5の一方の内周面に当て付けられながら、内部光学系
4および板バネ7が外枠5に対して光軸A回りに回転す
ることなく、圧縮コイルバネ3の復元力により、力が加
えられる前の元の位置に復帰する。
【0023】本実施の形態によれば、簡単な構造で、内
部光学系のガタを確実に防止し、倒れや偏心がなく、良
好な解像力の対物レンズを得ることができる。また、曲
げ加工のない簡単な形状の板バネを使用し、かつ板バネ
の回転止めと内部光学系の回転止めとを回転防止ピンが
担っているので、部品点数が少なくでき、安価でコンパ
クトな対物レンズを提供することができる。また、板バ
ネが光軸方向のスペースをとらないので、補正環機構を
備えた対物レンズには、好適である。
【0024】本実施の形態では、側面付勢部材としての
板バネを1つ設けているが、内部光学系が光軸方向に長
い場合は、2箇所以上にそれぞれ設けてもよい。
【0025】(実施の形態2)図4〜図7は実施の形態
2を示し、図4は対物レンズの正面縦半断面図、図5は
図4のX−X−X−X断面図、図6は対物レン
ズの平面図、図7は対物レンズの分解斜視図である。本
実施の形態は、実施の形態1と同様の構成が多いため、
同一の部材には同一の符号を付し説明を省略する。
【0026】図4において、Aは光軸を示し、図面の左
側を「前」、右側を「後」と定義する。図4〜図7にお
いて、側面付勢部材としての板バネ22は、後述する外
枠5の溝5cの谷径Gよりもやや小さい内径Hを有す固
定部22cと、幅Lであるバネ部22a、22bとで構
成され、バネ部22a、22bの各先端部は円弧状に形
成されている。外枠5の外周面には、板バネ22が装着
できるように、谷径Gの溝5cが形成され、さらに、板
バネ22のバネ部22a、22bが挿通するように、バ
ネ部22a、22bの幅Lよりもやや大きい幅をもつ角
孔5a、5bが穿設されている。板バネ22は、固定部
22cが溝5cに嵌め込まれるが、その際、固定部22
cの内径Hは、その径寸法よりも大きな溝5cの谷径G
に合わせて弾性変形し、この弾性変形による復元力によ
り板バネ22は外枠5に固定される。このとき、バネ部
22a、22bは内部光学系4に接点I、Jで接してお
り、距離Kだけ弾性変形している。その他の構成は実施
の形態1と同様である。
【0027】つぎに、上記構成の対物レンズの動作につ
いて説明する。距離Kだけ弾性変形させられて配置され
ている板バネ22には復元力があり、接点I、Jが作用
点となり、内部光学系4は常に外枠5の内周面に当て付
けられている。また、板バネ22は、内部光学系4を外
枠5の内周面に、前後に離れた2箇所(接点I,J)で
付勢しているので、安定した付勢力が作用し、内部光学
系4は、常に外枠5の一方の内周面に安定して当て付け
られている。ここで、内部光学系4に前方から後方へ力
が加わると、圧縮コイルバネ3が弾性変形し、内部光学
系4は、光軸A上を板バネ22の作用により、常に外枠
5の内周面に安定して当て付けられながら後方へ移動す
る。このとき、板バネ22のバネ部22a、22bが外
枠5の角孔5a、5bに挿通されており、回転防止ピン
1がピン孔2の係合しているため、内部光学系4および
板バネ22は外枠5に対して、光軸A回りに回転するこ
とはない。
【0028】つぎに、内部光学系4に加わる力が解除さ
れると、板バネ22の作用により、内部光学系4は常に
外枠5の一方の内周面に当て付けられながら、内部光学
系4および板バネ22が外枠5に対して光軸A回りに回
転することなく、圧縮コイルバネ3の復元力により、力
が加えられる前の元の位置に復帰する。
【0029】本実施の形態によれば、簡単な構造で、内
部光学系のガタを確実に防止し、倒れや偏心がなく、良
好な解像力の対物レンズを得ることができる。また、内
部光学系を外枠5の内周面に、前後に離れた2箇所の接
点で付勢しているので、内部光学系の倒れやガタをより
確実に抑えることができ、より良い解像力の対物レンズ
を提供することができる。また、外枠への板バネの固定
は、ビス類を使用せず、単に嵌め込むだけでよいので、
組立作業性が良い。
【0030】(実施の形態3)図8〜図10は実施の形
態3を示し、図8は対物レンズの縦半断面図、図9は図
8のX−X断面図、図10は対物レンズの分解斜視図で
ある。本実施の形態は、実施の形態1と同様の構成が多
いため、同一の部材には同一の符号を付し説明を省略す
る。
【0031】図8において、Aは光軸を示し、図面の左
側を「前」、右側を「後」と定義する。図8〜図10に
おいて、側面付勢部材としての板バネ30は、幅Mのバ
ネ用板材を曲げ加工して、先端部30aを円弧状に形成
している。外枠5には、板バネ30がビス31によって
螺着される有底溝5eと、先端部30aが挿通される角
孔5dが形成されている。また、内部光学系4の外周に
は、板バネ30の幅Mより僅かに広い幅を有する光軸A
方向に長い有底溝4aが凹設されている。板バネ30は
先端部30aが内部光学系4の有底溝4aに嵌入し、ビ
ス31によって外枠5の有底溝5eの底面に螺着され
る。このとき、板バネ30は、距離Pだけ弾性変形した
状態で、接点Nにて内部光学系4の有底溝4aの底面に
接している。その他の構成は、実施の形態1と同様であ
る。
【0032】つぎに、上記構成の対物レンズの動作につ
いて説明する。距離Pだけ弾性変形させられて配置され
ている板バネ30には復元力があり、接点Nが作用点と
なり、内部光学系4は常に外枠5の内周面に当て付けら
れている。ここで、内部光学系4に前方から後方へ力が
加わると、圧縮コイルバネ3が弾性変形し、内部光学系
4は光軸A上を板バネ30の作用により、常に外枠5の
一方の内周面に安定して当て付けられながら後方へ移動
する。このとき、外枠5に固定された板バネ30の先端
部30aが有底溝4aに嵌入していることから、内部光
学系4は外枠5に対して光軸A回りに回転することはな
い。
【0033】つぎに、内部光学系4に加わる力が解除さ
れると、板バネ30の作用により、内部光学系4は常に
外枠5の一方の内周面に当て付けられながら、先端部3
0aが内部光学系4の有底溝4aに嵌入して回り止めの
機能を果たすので、内部光学系4が外枠5に対して光軸
A回りに回転することなく、圧縮コイルバネ3の復元力
により、力が加えられる前の元の位置に復帰する。
【0034】本実施の形態によれば、簡単な構造で、内
部光学系のガタを確実に防止し、倒れや偏心がなく、良
好な解像力の対物レンズを得ることができる。また、板
バネが内部光学系の外枠に対する光軸回りの回り止めの
機能を果たすので、部品点数を少なくでき、安価でコン
パクトな顕微鏡用対物レンズを提供することができる。
【0035】(実施の形態4)図11〜図13は実施の
形態4を示し、図11は対物レンズの正面縦半断面図、
図12は対物レンズの平面図、図13は対物レンズの分
解斜視図である。本実施の形態は、実施の形態1と同様
の構成が多いため、同一の部材には同一の符号を付し説
明を省略する。
【0036】図11において、Aは光軸を示し、図面の
左側を「前」、右側を「後」と定義する。図11〜図1
3において、板バネ40は、バネ部40aとその両端の
ベアリング固定部40b、40cとで構成されている。
コの字状に形成されたベアリング固定部40b、40c
には、ラジアルボールベアリング41が配設され、その
外輪が回転自在となるように、軸42がそれぞれ挿通さ
れて固着されている。板バネ40、ラジアルボールベア
リング41および軸42で側面付勢部材を構成してい
る。外枠5には、板バネ40のバネ部40aが入り込む
有底溝5fと、固定部40b、40cが挿通するための
角孔5h、5gが形成されたいる。板バネ40は、バネ
部40aが距離Qだけ弾性変形させられ、有底溝5fの
底面に2本のビス43にて螺着されている。このとき、
2個のラジアルボールベアリング41の外輪は、それぞ
れ内部光学系4の外周面に接点R、Sで当接している。
その他の構成は、実施の形態1と同様である。
【0037】つぎに、上記構成の対物レンズの動作につ
いて説明する。距離Qだけ弾性変形させられて配置され
ている板バネ40には復元力があり、接点R、Sが作用
点となり、2個のラジアルボールベアリング41を介し
て、内部光学系4は常に外枠5の内周面に当て付けられ
ている。また、板バネ40は、内部光学系4を外枠5の
内周面に前後に離れた2箇所(接点R、S)で付勢して
いるので、安定した付勢力が作用し、内部光学系4は、
常に外枠5の内周面に安定して当て付けられている。こ
こで、内部光学系4に前方から後方へ力が加わると、圧
縮コイルバネ3が弾性変形し、内部光学系4は光軸A上
を板バネ40の作用により、常に外枠5の一方の内周面
に安定して当て付けられながら後方へ移動する。このと
き、板バネ40は、ラジアルボールベアリング41を介
して内部光学系4を外枠5の内周面に付勢しているの
で、接点R、Sでの摩擦が殆どなく、内部光学系4は滑
らかに移動する。さらに、回転防止ピン1がピン孔2に
係合しているため、内部光学系4は外枠5に対して、光
軸A回りに回転することはない。
【0038】つぎに、内部光学系4に加わる力が解除さ
れると、板バネ40の作用により、内部光学系4は、常
に外枠5の一方の内周面に当て付けられながら、滑らか
に、かつ外枠5に対して光軸A回りに回転することな
く、圧縮コイルバネ3の復元力により、力が加えられる
前の元の位置に復帰する。
【0039】本実施の形態によれば、簡単な構造で、内
部光学系のガタを確実に防止し、倒れや偏心がなく、良
好な解像力の対物レンズを得ることができる。また、板
バネの付勢力をラジアルボールベアリングを介して、内
部光学系に伝えているので、内部光学系が円滑に移動す
る。
【0040】本実施の形態では、ラジアルボールベアリ
ングを用いたが、これに替えて、樹脂部材や金属製ボー
ル等の転動体など、摩擦力を低減できる部材を用いて
も、同様の効果を得ることができる。
【0041】(実施の形態5)図14〜図16は実施の
形態5を示し、図14は対物レンズの縦半断面図、図1
5は図14のX−X断面図、図16は対物レンズの分解
斜視図である。本実施の形態は、実施の形態1と同様の
構成が多いため、同一の部材には同一の符号を付し説明
を省略する。
【0042】図14において、Aは光軸を示し、図面の
左側を「前」、右側を「後」と定義する。図14〜図1
6において、側面付勢部材としての磁性体45、46
は、互いに反発する磁極を有している。外枠5には、磁
性体45を埋設するための有底溝5i、5jと、磁性体
45の磁力を磁性体46へ伝達するための角孔5kが形
成されており、磁性体45は有底溝5i、5jの底面に
接着剤により固着されている。また、内部光学系4に
は、磁性体46を埋設するための有底溝4bが凹設さ
れ、磁性体46はの有底溝4bの底面に接着剤により固
着されている。ここで、外枠5に対する内部光学系4の
光軸A回りに対する回転方向の位置は、磁性体45、4
6が互いに対向する位置にくるように、回転防止ピン1
とピン孔2との位置関係が設定されている。その他の構
成は実施の形態1と同様である。
【0043】つぎに、上記構成の対物レンズの動作につ
いて説明する。磁性体45、46は互いに反発する磁力
を有していることにより、内部光学系4は常に外枠5の
内周面に当て付けられている。ここで、内部光学系4に
前方から後方へ力が加わると、圧縮コイルバネ3が弾性
変形し、内部光学系4は、光軸A上を磁性体45、46
の作用により、常に外枠5の一方の内周面に安定して当
て付けられながら後方へ移動する。このとき、磁性体4
5と磁性体46とに間には、摩擦力が働かないため、内
部光学系4は滑らかに移動する。さらに、回転防止ピン
1がピン孔2に係合しているため、内部光学系4は外枠
5に対して、光軸A回りに回転することはない。
【0044】つぎに、内部光学系4に加わる力が解除さ
れると、磁性体45、46の作用により、内部光学系4
は、常に外枠5の一方の内周面に当て付けられながら、
滑らかに、かつ外枠5に対して光軸A回りに回転するこ
となく、圧縮コイルバネ3の復元力により、力が加えら
れる前の元の位置に復帰する。
【0045】本実施の形態によれば、簡単な構造で、内
部光学系のガタを確実に防止し、倒れや偏心がなく、良
好な解像力の対物レンズを得ることができる。また、互
いに反発する磁力を有する2つの磁性体を側面付勢部材
としたので、摩擦抵抗が殆どなく、内部光学系の移動が
円滑な対物レンズを提供することができる。
【0046】本実施の形態では、2つの磁性体が互いに
反発し合う磁極としたが、互いに引き合う磁極として構
成しても同様の効果を得ることができる。
【0047】なお、上述の具体的な実施の形態から、つ
ぎのような構成の技術的思想が導き出される。 (付記) (1) 対物レンズの外枠内に設けられた光学系の少な
くとも一部が、外枠に対して光軸上を前後に移動可能な
内部光学系となっており、前記外枠に対して前記内部光
学系が光軸上を移動するように付勢する光軸方向付勢部
材を有する顕微鏡用対物レンズにおいて、前記内部光学
系を前記外枠の内周面に付勢する少なくとも1つの側面
付勢部材を備えたことを特徴とする顕微鏡用対物レン
ズ。
【0048】付記(1)によれば、側面付勢部材の付勢
力により、外枠の一方の内周面に内部光学系を当て付け
て、ガタを防止するので、倒れや偏心がなく、良好な解
像力を有する顕微鏡用対物レンズを提供することができ
る。
【0049】(2) 前記側面付勢部材は、前記外枠に
対して前記光学系の光軸回りの回転を規制する回転規制
機構を兼ねることを特徴とする付記(1)記載の顕微鏡
用対物レンズ。
【0050】付記(2)によれば、付記(1)記載の効
果に加え、側面付勢部材の側面部が回転防止の機能を有
し、内部光学系の光軸回りの回転を防止するので、部品
点数を少なくでき、安価でコンパクトな顕微鏡用対物レ
ンズを提供することができる。
【0051】(3) 前記側面付勢部材は、磁性体であ
ることを特徴とする付記(1)記載の顕微鏡用対物レン
ズ。
【0052】付記(3)によれば、付記(1)記載の効
果に加え、内部光学系の摺動が円滑に行われるので、内
部光学系の移動が滑らかな顕微鏡用対物レンズを提供す
ることができる。
【0053】
【発明の効果】請求項1、2または3に係る発明によれ
ば、側面付勢部材の付勢力により、外枠の一方の内周面
に内部光学系を当て付けて、ガタを防止するので、倒れ
や偏心がなく、良好な解像力を有する顕微鏡用対物レン
ズを提供することができる。請求項2に係る発明によれ
ば、請求項1の効果に加え、側面付勢部材の側面部が回
転防止の機能を有し、内部光学系の光軸回りの回転を防
止するので、部品点数を少なくでき、安価でコンパクト
な顕微鏡用対物レンズを提供することができる。請求項
3に係る発明によれば、請求項1の効果に加え、内部光
学系の摺動が円滑に行われるので、内部光学系の移動が
滑らかな顕微鏡用対物レンズを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の顕微鏡用対物レンズの縦半断面
図である。
【図2】実施の形態1の図1のX−X断面図である。
【図3】実施の形態1の顕微鏡用対物レンズの分解斜視
図である。
【図4】実施の形態2の顕微鏡用対物レンズの正面縦半
断面図である。
【図5】実施の形態2の図4のX−X−X−X
断面図である。
【図6】実施の形態2の顕微鏡用対物レンズの平面図で
ある。
【図7】実施の形態2の顕微鏡用対物レンズの分解斜視
図である。
【図8】実施の形態3の顕微鏡用対物レンズの縦半断面
図である。
【図9】実施の形態3の図8のX−X断面図である。
【図10】実施の形態3の顕微鏡用対物レンズの分解斜
視図である。
【図11】実施の形態4の顕微鏡用対物レンズの正面縦
半断面図である。
【図12】実施の形態4の顕微鏡用対物レンズの平面図
である。
【図13】実施の形態4の顕微鏡用対物レンズの分解斜
視図である。
【図14】実施の形態5の顕微鏡用対物レンズの縦半断
面図である。
【図15】実施の形態5の図14のX−X断面図であ
る。
【図16】実施の形態5の顕微鏡用対物レンズの分解斜
視図である。
【図17】従来例1の顕微鏡用対物レンズの縦半断面図
でる。
【図18】従来例1の内部光学系を一体で表示した顕微
鏡用対物レンズの縦半断面図である。
【図19】従来例1の図18のW−W断面図である。
【図20】従来例1の内部光学系を一体で表示した他の
顕微鏡用対物レンズの縦半断面図である。
【図21】従来例1の図20のW−W断面図である。
【図22】従来例2の顕微鏡用対物レンズの縦半断面図
である。
【図23】従来例2の内部光学系を一体で表示した顕微
鏡用対物レンズの縦半断面図である。
【図24】従来例2の図23のW−W断面図である。
【符号の説明】
3 圧縮コイルバネ 4 内部光学系 5 外枠 7 板バネ A 光軸

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 顕微鏡本体に螺着される外枠と、該外枠
    内に嵌装された光学系の少なくとも一部を光軸方向に移
    動可能とした内部光学系と、該内部光学系を光軸方向に
    付勢する光軸方向付勢部材とを有する顕微鏡用対物レン
    ズにおいて、 前記内部光学系を前記外枠の内周面に付勢する少なくと
    も1つの側面付勢部材を設けたことを特徴とする顕微鏡
    用対物レンズ。
  2. 【請求項2】 前記側面付勢部材が、前記外枠に対して
    前記内部光学系の光軸回り回転を規制するように構成し
    たことを特徴とする請求項1記載の顕微鏡用対物レン
    ズ。
  3. 【請求項3】 前記側面付勢部材が、磁性体からなるこ
    とを特徴とする請求項1記載の顕微鏡用対物レンズ。
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