JPH11166603A - ベルト張力調整装置 - Google Patents
ベルト張力調整装置Info
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- JPH11166603A JPH11166603A JP33593097A JP33593097A JPH11166603A JP H11166603 A JPH11166603 A JP H11166603A JP 33593097 A JP33593097 A JP 33593097A JP 33593097 A JP33593097 A JP 33593097A JP H11166603 A JPH11166603 A JP H11166603A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- belt tension
- woven fabric
- resin
- adjusting device
- tension adjusting
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16H—GEARING
- F16H7/00—Gearings for conveying rotary motion by endless flexible members
- F16H7/08—Means for varying tension of belts, ropes, or chains
- F16H7/0829—Means for varying tension of belts, ropes, or chains with vibration damping means
Landscapes
- Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
- Sliding-Contact Bearings (AREA)
- Devices For Conveying Motion By Means Of Endless Flexible Members (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 ベルト張力調整装置を、プーリアーム揺動
(回転)時の摩擦抵抗が充分に小さく、滑り軸受がエン
ジンの熱によって摺動面が高温状態になっても低摩擦係
数で焼き付きを起こさず、高面圧の条件で滑り軸受の摩
耗が少なく、しかも支点軸を損傷しないベルト張力調整
装置とすることである。 【解決手段】 固定の支点軸1にカラー1aおよび滑り
軸受3を介してプーリアーム4を回動自在に取り付けた
ベルト張力調整装置において、滑り軸受3を、ビニルエ
ステル樹脂などの不飽和ポリエステル樹脂25〜82容
量%と、ポリエチレンテレフタレートの紡績糸もしくは
フィラメント糸または両者併用した交織布からなる織布
15〜60容量%と、好ましくは四フッ化エチレン樹脂
3〜15容量%を配合した樹脂組成物で形成したベルト
張力調整装置とする。
(回転)時の摩擦抵抗が充分に小さく、滑り軸受がエン
ジンの熱によって摺動面が高温状態になっても低摩擦係
数で焼き付きを起こさず、高面圧の条件で滑り軸受の摩
耗が少なく、しかも支点軸を損傷しないベルト張力調整
装置とすることである。 【解決手段】 固定の支点軸1にカラー1aおよび滑り
軸受3を介してプーリアーム4を回動自在に取り付けた
ベルト張力調整装置において、滑り軸受3を、ビニルエ
ステル樹脂などの不飽和ポリエステル樹脂25〜82容
量%と、ポリエチレンテレフタレートの紡績糸もしくは
フィラメント糸または両者併用した交織布からなる織布
15〜60容量%と、好ましくは四フッ化エチレン樹脂
3〜15容量%を配合した樹脂組成物で形成したベルト
張力調整装置とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動車エンジン
のタイミングベルトなどの張力調整に用いられるベルト
張力調整装置に関するものである。
のタイミングベルトなどの張力調整に用いられるベルト
張力調整装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車のカム駆動用タイミング
ベルトまたは補機駆動用ベルトの張力を一定に保ち、さ
らにベルトの寿命向上や駆動時の騒音低減のために、図
1および図2に示すようなベルト張力調整装置が使用さ
れている。
ベルトまたは補機駆動用ベルトの張力を一定に保ち、さ
らにベルトの寿命向上や駆動時の騒音低減のために、図
1および図2に示すようなベルト張力調整装置が使用さ
れている。
【0003】すなわち、このものは、エンジンブロック
などにボルト2でもって固定されるカラー1a付きの支
点軸1に、円筒状の滑り軸受3を介してプーリアーム4
を回動自在に取り付け、プーリアーム4の一端の回転軸
5に、ベルト6係合用のテンションプーリ7を取り付
け、プーリアーム4の他端にはシリンダ内に周知のダン
パ機構を備えたダンパ8のピストンロッド9を当接させ
たものであり、ピストンロッド9の押圧力によって前記
プーリアーム4を揺動させ、ベルト6の弛みをとって適
度に緊張させるものである。
などにボルト2でもって固定されるカラー1a付きの支
点軸1に、円筒状の滑り軸受3を介してプーリアーム4
を回動自在に取り付け、プーリアーム4の一端の回転軸
5に、ベルト6係合用のテンションプーリ7を取り付
け、プーリアーム4の他端にはシリンダ内に周知のダン
パ機構を備えたダンパ8のピストンロッド9を当接させ
たものであり、ピストンロッド9の押圧力によって前記
プーリアーム4を揺動させ、ベルト6の弛みをとって適
度に緊張させるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ベルト張力
調整装置の支点軸1に摺接する滑り軸受3は、エンジン
の熱が伝導して摺動面が高温状態になっても焼き付きや
摩耗を起こさず、プーリアーム4の支点軸1に軸受材料
を付着させず、かつ機械的強度を維持できるという耐熱
性が必要である。
調整装置の支点軸1に摺接する滑り軸受3は、エンジン
の熱が伝導して摺動面が高温状態になっても焼き付きや
摩耗を起こさず、プーリアーム4の支点軸1に軸受材料
を付着させず、かつ機械的強度を維持できるという耐熱
性が必要である。
【0005】このような要求をできるだけ満足させるた
め、従来はポリイミド樹脂製の滑り軸受が使用されてい
た。
め、従来はポリイミド樹脂製の滑り軸受が使用されてい
た。
【0006】しかし、ポリイミド樹脂製の滑り軸受は、
射出成形が困難で通常はブロック状成形体を軸受形状に
切削加工する必要があるので、大量生産が充分に行え
ず、生産効率の向上による低コスト化の要求に対応する
ことが困難であった。
射出成形が困難で通常はブロック状成形体を軸受形状に
切削加工する必要があるので、大量生産が充分に行え
ず、生産効率の向上による低コスト化の要求に対応する
ことが困難であった。
【0007】また、このようなポリイミド樹脂製の滑り
軸受で支持されたベルト張力調整装置は、支点軸に軸受
材料が付着しやすく、エンジンから加熱された状態で使
用されるとプーリアームの回転抵抗が増したり、甚だし
い場合には支点軸に焼付きが起きるという問題点があっ
た。
軸受で支持されたベルト張力調整装置は、支点軸に軸受
材料が付着しやすく、エンジンから加熱された状態で使
用されるとプーリアームの回転抵抗が増したり、甚だし
い場合には支点軸に焼付きが起きるという問題点があっ
た。
【0008】また、近年の装置小型化の要求によってテ
ンションプーリも小型化し、より高面圧の条件で耐摩耗
性および所要の機械的強度の向上が必要となったが、従
来の繊維補強樹脂からなる滑り軸受では、支点軸を損傷
することがあるという問題点があった。
ンションプーリも小型化し、より高面圧の条件で耐摩耗
性および所要の機械的強度の向上が必要となったが、従
来の繊維補強樹脂からなる滑り軸受では、支点軸を損傷
することがあるという問題点があった。
【0009】そこで、この発明の第1の課題は上記した
問題点を解決し、プーリアーム揺動(回転)時の摩擦抵
抗が充分に小さいことに加えて、滑り軸受が所要の機械
的強度を示し、エンジンの熱によって支点軸と滑り軸受
との摺動面が高温状態になっても摩耗量が少なく、かつ
支点軸への軸受材の付着量も少なく、支点軸に焼き付き
を起こさないベルト張力調整装置とすることである。さ
らに、第2の課題は、特に高面圧の条件でも滑り軸受の
摩耗が少なく、かつプーリアーム揺動(回転)時の摩擦
抵抗が充分に小さく、支点軸を損傷し難いベルト張力調
整装置を提供することである。
問題点を解決し、プーリアーム揺動(回転)時の摩擦抵
抗が充分に小さいことに加えて、滑り軸受が所要の機械
的強度を示し、エンジンの熱によって支点軸と滑り軸受
との摺動面が高温状態になっても摩耗量が少なく、かつ
支点軸への軸受材の付着量も少なく、支点軸に焼き付き
を起こさないベルト張力調整装置とすることである。さ
らに、第2の課題は、特に高面圧の条件でも滑り軸受の
摩耗が少なく、かつプーリアーム揺動(回転)時の摩擦
抵抗が充分に小さく、支点軸を損傷し難いベルト張力調
整装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の第1の課題を解決
するため、この発明においては、固定の支点軸に回動自
在にプーリアームを取り付け、このプーリアームの一端
にベルト係合用のテンションプーリを取り付け、前記プ
ーリアームの他端にはダンパのピストンロッドを当接さ
せ、このピストンロッドの押圧によって前記プーリアー
ムをベルトの緊張方向に揺動させるベルト張力調整装置
において、前記支点軸の滑り軸受を、不飽和ポリエステ
ル樹脂40〜85容量%と、ポリエチレンテレフタレー
トからなる織布15〜60容量%を必須成分とする樹脂
組成物で形成したことを特徴とするベルト張力調整装置
としたのである。前記不飽和ポリエステル樹脂は、ビニ
ルエステル樹脂を採用することが好ましい。前記織布
は、紡績糸もしくはフィラメント糸または両者併用した
交織布を採用することができる。
するため、この発明においては、固定の支点軸に回動自
在にプーリアームを取り付け、このプーリアームの一端
にベルト係合用のテンションプーリを取り付け、前記プ
ーリアームの他端にはダンパのピストンロッドを当接さ
せ、このピストンロッドの押圧によって前記プーリアー
ムをベルトの緊張方向に揺動させるベルト張力調整装置
において、前記支点軸の滑り軸受を、不飽和ポリエステ
ル樹脂40〜85容量%と、ポリエチレンテレフタレー
トからなる織布15〜60容量%を必須成分とする樹脂
組成物で形成したことを特徴とするベルト張力調整装置
としたのである。前記不飽和ポリエステル樹脂は、ビニ
ルエステル樹脂を採用することが好ましい。前記織布
は、紡績糸もしくはフィラメント糸または両者併用した
交織布を採用することができる。
【0011】また、前記の第1の課題と共に第2の課題
を解決するため、この発明においては、固定の支点軸に
回動自在にプーリアームを取り付け、このプーリアーム
の一端にベルト係合用のテンションプーリを取り付け、
前記プーリアームの他端にはダンパのピストンロッドを
当接させ、このピストンロッドの押圧によって前記プー
リアームをベルトの緊張方向に揺動させるベルト張力調
整装置において、前記支点軸の滑り軸受を、不飽和ポリ
エステル樹脂25〜82容量%と、ポリエチレンテレフ
タレートからなる織布15〜60容量%と、四フッ化エ
チレン樹脂3〜15容量%を必須成分とする樹脂組成物
で形成したことを特徴とするベルト張力調整装置とした
のである。前記不飽和ポリエステル樹脂は、ビニルエス
テル樹脂を採用することが好ましく、四フッ化エチレン
樹脂としては、平均粒径50μm以下の粉体を採用する
ことが好ましい。前記織布は、紡績糸もしくはフィラメ
ント糸または両者併用した交織布を採用することができ
る。
を解決するため、この発明においては、固定の支点軸に
回動自在にプーリアームを取り付け、このプーリアーム
の一端にベルト係合用のテンションプーリを取り付け、
前記プーリアームの他端にはダンパのピストンロッドを
当接させ、このピストンロッドの押圧によって前記プー
リアームをベルトの緊張方向に揺動させるベルト張力調
整装置において、前記支点軸の滑り軸受を、不飽和ポリ
エステル樹脂25〜82容量%と、ポリエチレンテレフ
タレートからなる織布15〜60容量%と、四フッ化エ
チレン樹脂3〜15容量%を必須成分とする樹脂組成物
で形成したことを特徴とするベルト張力調整装置とした
のである。前記不飽和ポリエステル樹脂は、ビニルエス
テル樹脂を採用することが好ましく、四フッ化エチレン
樹脂としては、平均粒径50μm以下の粉体を採用する
ことが好ましい。前記織布は、紡績糸もしくはフィラメ
ント糸または両者併用した交織布を採用することができ
る。
【0012】この発明のベルト張力調整装置は、ビニル
エステル樹脂等の不飽和ポリエステル樹脂にポリエチレ
ンテレフタレート製の紡績糸もしくはフィラメント糸ま
たは両者併用した交織布からなる織布を含浸等の手法で
組成物全体に均等に配合し、この織布補強樹脂組成物で
もって支点軸を支持する滑り軸受を形成したことによ
り、プーリアーム揺動(回転)時の摩擦抵抗が充分に小
さく、高温のエンジンの熱が伝導する滑り軸受の摺動摩
耗量が少なく長寿命になると共に、軸受材の支点軸への
付着量も少なくなり、支点軸に焼き付きが起こらないベ
ルト張力調整装置となる。
エステル樹脂等の不飽和ポリエステル樹脂にポリエチレ
ンテレフタレート製の紡績糸もしくはフィラメント糸ま
たは両者併用した交織布からなる織布を含浸等の手法で
組成物全体に均等に配合し、この織布補強樹脂組成物で
もって支点軸を支持する滑り軸受を形成したことによ
り、プーリアーム揺動(回転)時の摩擦抵抗が充分に小
さく、高温のエンジンの熱が伝導する滑り軸受の摺動摩
耗量が少なく長寿命になると共に、軸受材の支点軸への
付着量も少なくなり、支点軸に焼き付きが起こらないベ
ルト張力調整装置となる。
【0013】また、前記した織布補強樹脂組成物に四フ
ッ化エチレン樹脂を添加した樹脂組成物で支点軸の滑り
軸受を形成したベルト張力調整装置は、前記した焼付き
防止作用があると共に、プーリアーム揺動時の抵抗がよ
り一層小さくなり、高面圧の条件でも支点軸をいっそう
損傷し難く、長寿命のベルト張力調整装置になる。
ッ化エチレン樹脂を添加した樹脂組成物で支点軸の滑り
軸受を形成したベルト張力調整装置は、前記した焼付き
防止作用があると共に、プーリアーム揺動時の抵抗がよ
り一層小さくなり、高面圧の条件でも支点軸をいっそう
損傷し難く、長寿命のベルト張力調整装置になる。
【0014】
【発明の実施の形態】この発明に用いる不飽和ポリエス
テル樹脂は、特に限定されるものではなく、不飽和基を
有する多塩基酸及び飽和基を有する多塩基酸を多価アル
コールで縮合エステル化して得られる不飽和アルキド
に、スチレンのような二重結合をもつ低粘度の反応性希
釈剤と、ハイドロキノンやt−ブチルカテコールのよう
な重合禁止剤を添加したものや、アクリル酸やメタクリ
ル酸をエポキシ樹脂と反応させたビニルエステル樹脂等
であれば、常温で硬化するものであっても、高温でのみ
硬化するものであっても広く用いることができる。
テル樹脂は、特に限定されるものではなく、不飽和基を
有する多塩基酸及び飽和基を有する多塩基酸を多価アル
コールで縮合エステル化して得られる不飽和アルキド
に、スチレンのような二重結合をもつ低粘度の反応性希
釈剤と、ハイドロキノンやt−ブチルカテコールのよう
な重合禁止剤を添加したものや、アクリル酸やメタクリ
ル酸をエポキシ樹脂と反応させたビニルエステル樹脂等
であれば、常温で硬化するものであっても、高温でのみ
硬化するものであっても広く用いることができる。
【0015】上記不飽和基を有する多塩基酸の例として
は、無水マレイン酸やフマル酸をあげることができ、ま
た、飽和基を有する多塩基酸の例としては、アジピン
酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テトラクロロ無水フ
タル酸等を挙げることができる。上記多価アルコールの
例としては、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、1,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、
ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ビ
スフェノールAプロピレンオキシド付加物などを挙げる
ことができる。
は、無水マレイン酸やフマル酸をあげることができ、ま
た、飽和基を有する多塩基酸の例としては、アジピン
酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テトラクロロ無水フ
タル酸等を挙げることができる。上記多価アルコールの
例としては、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、1,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、
ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ビ
スフェノールAプロピレンオキシド付加物などを挙げる
ことができる。
【0016】上記エポキシ樹脂の例としては、ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂を
挙げることができる。
ノールA型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂を
挙げることができる。
【0017】上記の二重結合をもつ低粘度の反応性希釈
剤としては、特に限定されるものではなく、最も代表的
なスチレン、加熱硬化型樹脂に多く使われるジアリルフ
タレートやビニルトルエンの他、ジビニルベンゼン、酢
酸ビニルメチルメタクリレート、ジエチレングリコール
ビスアリルカーボネート、2,5−ジクロロスチレン、
ジアリルエーテル、トリアリルシアヌレート、4−ビニ
ルシクロヘキサンモノエポキシド、グリシジルメタクリ
レート、ジビニルエーテル、ビニルピロリドン、2−メ
チル−5−ビニルピリジン、トリアリルホスフェート、
ジアリルベンゼンホスホネートなどを用いることができ
る。
剤としては、特に限定されるものではなく、最も代表的
なスチレン、加熱硬化型樹脂に多く使われるジアリルフ
タレートやビニルトルエンの他、ジビニルベンゼン、酢
酸ビニルメチルメタクリレート、ジエチレングリコール
ビスアリルカーボネート、2,5−ジクロロスチレン、
ジアリルエーテル、トリアリルシアヌレート、4−ビニ
ルシクロヘキサンモノエポキシド、グリシジルメタクリ
レート、ジビニルエーテル、ビニルピロリドン、2−メ
チル−5−ビニルピリジン、トリアリルホスフェート、
ジアリルベンゼンホスホネートなどを用いることができ
る。
【0018】上記不飽和ポリエステル樹脂を硬化させる
際に用いる重合開始剤および硬化促進剤は、特に限定さ
れるものではなく、一般的に用いられるメチルエチルケ
トンペルオキシド、ペルエステル、ナフテン酸コバル
ト、三級アミンなどを挙げることができる。
際に用いる重合開始剤および硬化促進剤は、特に限定さ
れるものではなく、一般的に用いられるメチルエチルケ
トンペルオキシド、ペルエステル、ナフテン酸コバル
ト、三級アミンなどを挙げることができる。
【0019】上記不飽和ポリエステル樹脂の中でも、靱
性が高く添加剤との接着性に優れたビニルエステル樹脂
を用いると、添加剤としてPTFEなどを使用する際
に、強度低下が少なく、また耐摩耗性に優れることから
より好ましい。
性が高く添加剤との接着性に優れたビニルエステル樹脂
を用いると、添加剤としてPTFEなどを使用する際
に、強度低下が少なく、また耐摩耗性に優れることから
より好ましい。
【0020】上記ビニルエステル樹脂の例としては、ビ
スフェノールA型エポキシ樹脂にアクリル酸やメタクリ
ル酸を反応して得られるジアクリレートやメタクリレー
トを、スチレン等のモノマーに溶解して調整したものを
挙げることができる。なお、このビニルエステル樹脂を
製造する際に用いられる重合開始剤や硬化促進剤は特に
限定されるものではなく、上記不飽和ポリエステルと同
様のものを用いることができる。
スフェノールA型エポキシ樹脂にアクリル酸やメタクリ
ル酸を反応して得られるジアクリレートやメタクリレー
トを、スチレン等のモノマーに溶解して調整したものを
挙げることができる。なお、このビニルエステル樹脂を
製造する際に用いられる重合開始剤や硬化促進剤は特に
限定されるものではなく、上記不飽和ポリエステルと同
様のものを用いることができる。
【0021】この発明に用いるポリエチレンテレフタレ
ート(以下、PETと略記する。)からなる織布は、テ
レフタル酸のエステルまたは塩化物と、エチレングリコ
ールとの重縮合反応などの周知の製法によって得られる
PETを、繊維化し紡績糸とするか、またはフィラメン
ト糸を適当な織物組織に編織したものである。
ート(以下、PETと略記する。)からなる織布は、テ
レフタル酸のエステルまたは塩化物と、エチレングリコ
ールとの重縮合反応などの周知の製法によって得られる
PETを、繊維化し紡績糸とするか、またはフィラメン
ト糸を適当な織物組織に編織したものである。
【0022】織物組織の形態は、特に限定されたもので
はなく、例えば三原組織、変化組織、特別組織などの一
重組織、片二重組織、二重織り組織、多層組織などの重
ね組織、縦パイル織り、横パイル織りなどの添毛組織、
からみ組織、紋織組織または三次元織布などであっても
よい。なお、織布を構成する糸の形態は、フィラメント
糸または紡績糸に大別される。
はなく、例えば三原組織、変化組織、特別組織などの一
重組織、片二重組織、二重織り組織、多層組織などの重
ね組織、縦パイル織り、横パイル織りなどの添毛組織、
からみ組織、紋織組織または三次元織布などであっても
よい。なお、織布を構成する糸の形態は、フィラメント
糸または紡績糸に大別される。
【0023】紡績糸製の織布は、溶融紡糸した繊維を短
く切断し、紡績した糸を編織したものであり、糸の番
手、撚り数や密度を特に限定したものではない。
く切断し、紡績した糸を編織したものであり、糸の番
手、撚り数や密度を特に限定したものではない。
【0024】また、フィラメント糸製の織布は、溶融紡
糸したフィラメントを撚らずに使用するモノフィラメン
ト糸または適当な本数を撚ったマルチフィラメント糸で
あり、その番手、撚り数や密度を特に限定したものでは
ない。
糸したフィラメントを撚らずに使用するモノフィラメン
ト糸または適当な本数を撚ったマルチフィラメント糸で
あり、その番手、撚り数や密度を特に限定したものでは
ない。
【0025】また、この発明では、滑り軸受の耐摩耗性
をより高め、支持軸の損傷をより軽減するために、紡績
糸のみからなる織布を採用することが好ましい。織布と
樹脂組成物との組み合わせの良否は、同種の織布ではビ
ニルエステル樹脂を用いた方が概ね摺動特性が良好であ
る。また、ビニルエステル樹脂とフィラメント糸からな
る織布との組み合わせよりも、ビニルエステル樹脂以外
の不飽和ポリエステル樹脂と紡績織布との組み合わせの
ほうが、樹脂組成物がより好ましい摺動特性を示す。最
も好ましい樹脂と織布との組み合わせは、ビニルエステ
ル樹脂と紡績糸製の織布である。
をより高め、支持軸の損傷をより軽減するために、紡績
糸のみからなる織布を採用することが好ましい。織布と
樹脂組成物との組み合わせの良否は、同種の織布ではビ
ニルエステル樹脂を用いた方が概ね摺動特性が良好であ
る。また、ビニルエステル樹脂とフィラメント糸からな
る織布との組み合わせよりも、ビニルエステル樹脂以外
の不飽和ポリエステル樹脂と紡績織布との組み合わせの
ほうが、樹脂組成物がより好ましい摺動特性を示す。最
も好ましい樹脂と織布との組み合わせは、ビニルエステ
ル樹脂と紡績糸製の織布である。
【0026】この発明に用いる四フッ化エチレン樹脂
(以下、PTFEと略記する。)は、成形用の粉末であ
ってもよく、また固体潤滑剤用の微粉末であってもよ
い。
(以下、PTFEと略記する。)は、成形用の粉末であ
ってもよく、また固体潤滑剤用の微粉末であってもよ
い。
【0027】この発明に使用できるPTFEの市販品と
しては、三井・デュポンフロロケミカル社製:テフロン
7J、TLP−10、旭硝子社製:フルオンG163、
ダイキン工業社製:ポリフロンM15、ルブロンL5、
喜多村社製:KTL610、KTL350、KT400
H、KT300M、ヘキスト社製:ホスタフロン TF
9205などを例示できる。また、アルキルビニルエー
テルで変性されたPTFEを採用することもできる。
しては、三井・デュポンフロロケミカル社製:テフロン
7J、TLP−10、旭硝子社製:フルオンG163、
ダイキン工業社製:ポリフロンM15、ルブロンL5、
喜多村社製:KTL610、KTL350、KT400
H、KT300M、ヘキスト社製:ホスタフロン TF
9205などを例示できる。また、アルキルビニルエー
テルで変性されたPTFEを採用することもできる。
【0028】このような四フッ化エチレン樹脂は、樹脂
と混合した際に均一に分散し、ボイドを発生し難くする
ために、低分子量でフィブリル化し難い固体潤滑用の平
均粒径50μm以下の微粉末を採用することが好まし
い。よりフィブリル化し難いものとしては、平均粒径3
0μm以下のものを用いることが好ましい。
と混合した際に均一に分散し、ボイドを発生し難くする
ために、低分子量でフィブリル化し難い固体潤滑用の平
均粒径50μm以下の微粉末を採用することが好まし
い。よりフィブリル化し難いものとしては、平均粒径3
0μm以下のものを用いることが好ましい。
【0029】この発明において、四フッ化エチレン樹脂
の配合量を3〜15容量%に限定する理由は、3容量%
より少量では樹脂組成物がよく改良されず、15容量%
を越えると樹脂組成物の成形時に樹脂粘度が増大してボ
イドが発生するからである。このような傾向から、より
好ましい添加量は、4〜12容量%である。また、PT
FEと黒鉛、二硫化モリブデンなどの固体潤滑剤を併用
した場合にも好ましい結果を得ている。
の配合量を3〜15容量%に限定する理由は、3容量%
より少量では樹脂組成物がよく改良されず、15容量%
を越えると樹脂組成物の成形時に樹脂粘度が増大してボ
イドが発生するからである。このような傾向から、より
好ましい添加量は、4〜12容量%である。また、PT
FEと黒鉛、二硫化モリブデンなどの固体潤滑剤を併用
した場合にも好ましい結果を得ている。
【0030】不飽和ポリエステル樹脂と、ポリエチレン
テレフタレートからなる織布を含む樹脂組成物にPTF
Eを添加する場合には、フィラメント糸または紡績糸の
いずれか一種類の糸を用いてもよいが、両者併用した樹
脂組成物からなる滑り軸受も良好な摺動特性を発揮す
る。また、前記した不飽和ポリエステル樹脂、またはそ
れ以外のビニルエステル樹脂を使用する場合の他、両樹
脂を併用した混合樹脂に対してPTFEを添加してもよ
い。
テレフタレートからなる織布を含む樹脂組成物にPTF
Eを添加する場合には、フィラメント糸または紡績糸の
いずれか一種類の糸を用いてもよいが、両者併用した樹
脂組成物からなる滑り軸受も良好な摺動特性を発揮す
る。また、前記した不飽和ポリエステル樹脂、またはそ
れ以外のビニルエステル樹脂を使用する場合の他、両樹
脂を併用した混合樹脂に対してPTFEを添加してもよ
い。
【0031】また、PTFEを添加しない場合では、紡
績糸のみで織った織布を用いると良好な摺動特性を示す
が、フィラメント糸のみで織った織布または二種類の糸
を織り混ぜた織布は、耐摩耗性および相手材の損傷性に
おいて紡績糸のみで織った織布より劣るので好ましくな
い。
績糸のみで織った織布を用いると良好な摺動特性を示す
が、フィラメント糸のみで織った織布または二種類の糸
を織り混ぜた織布は、耐摩耗性および相手材の損傷性に
おいて紡績糸のみで織った織布より劣るので好ましくな
い。
【0032】ここで、樹脂組成物の成形方法は周知の方
法を採用できる。すなわち、PTFEなどの添加剤を使
用する場合には、不飽和ポリエステル樹脂とPTFEな
どの添加剤をニーダ、バンバリーミキサー、インターミ
ックスなどの混練機で混合して均一分散させる。
法を採用できる。すなわち、PTFEなどの添加剤を使
用する場合には、不飽和ポリエステル樹脂とPTFEな
どの添加剤をニーダ、バンバリーミキサー、インターミ
ックスなどの混練機で混合して均一分散させる。
【0033】織布は、低粘度に調整された不飽和ポリエ
ステル樹脂を主成分とする材料(液状、粘液状の材料)
に含浸し、組成物全体に均等に配合することができる。
そして、低粘度の樹脂組成物に含浸した織布を、FRP
の一般的な成形法にしたがって、織布を適当な厚さに積
層し成形する。
ステル樹脂を主成分とする材料(液状、粘液状の材料)
に含浸し、組成物全体に均等に配合することができる。
そして、低粘度の樹脂組成物に含浸した織布を、FRP
の一般的な成形法にしたがって、織布を適当な厚さに積
層し成形する。
【0034】成形法の具体例としては、ハンドレイアッ
プ法、プレス成形法、コールドプレス法、SMC、トラ
ンスファー成形、レジントランスファー成形、フィラメ
ントワインディング、プルトリュージョンなどが挙げら
れる。
プ法、プレス成形法、コールドプレス法、SMC、トラ
ンスファー成形、レジントランスファー成形、フィラメ
ントワインディング、プルトリュージョンなどが挙げら
れる。
【0035】上記した成形法のうち、ハンドレイアップ
法で成形する場合は、特に限定された方法を取らなくて
もよく、樹脂を含浸した織布を積層し、刷毛やローラな
どを用い含浸や脱泡を行ないながら型に沿わせる方法を
取ればよい。また織布を積層する場合には、糸の配向を
合わせて積層する、規則的に角度をつけて積層する、ま
たは不規則に積層するなど、いずれの方法を採用しても
よい。
法で成形する場合は、特に限定された方法を取らなくて
もよく、樹脂を含浸した織布を積層し、刷毛やローラな
どを用い含浸や脱泡を行ないながら型に沿わせる方法を
取ればよい。また織布を積層する場合には、糸の配向を
合わせて積層する、規則的に角度をつけて積層する、ま
たは不規則に積層するなど、いずれの方法を採用しても
よい。
【0036】フィラメントワインディングで成形する場
合は、樹脂を含浸した糸または織布を連続的に所定のパ
ターンにしたがってマンドレルに巻き付け、積層構造を
形成する。その際、装置上で液状樹脂を繊維束に含浸さ
せながらワインディングを行なうウェットワインディン
グ方式、別工程で調整したプリプレグテープを用いてワ
インディングを行なうプリプレグワインディング方式の
いずれの方式であってもよい。
合は、樹脂を含浸した糸または織布を連続的に所定のパ
ターンにしたがってマンドレルに巻き付け、積層構造を
形成する。その際、装置上で液状樹脂を繊維束に含浸さ
せながらワインディングを行なうウェットワインディン
グ方式、別工程で調整したプリプレグテープを用いてワ
インディングを行なうプリプレグワインディング方式の
いずれの方式であってもよい。
【0037】また、マンドレルに巻き付ける際、マンド
レルの回転とフィラメント供給部が相対運動を行なう
が、その運動様式はヘリカルワインディングまたはポー
ラーワインディングのいずれの様式であってもよい。
レルの回転とフィラメント供給部が相対運動を行なう
が、その運動様式はヘリカルワインディングまたはポー
ラーワインディングのいずれの様式であってもよい。
【0038】また、三次元織布などのように織布を予め
所定の形状に織っておき、それに樹脂を含浸する方法を
採用することもでき、その際、真空ポンプなどで減圧含
浸すればボイドの発生を防止できる。また、織布を積層
する際に、織布と樹脂を交互に積み重ねて圧縮してもよ
く、織布に樹脂を予め含浸したプリプレグを積層しても
よい。積層時には、ローラを掛けるなどして空気を抜き
ながら積層すれば、ボイドの発生を防止できる。
所定の形状に織っておき、それに樹脂を含浸する方法を
採用することもでき、その際、真空ポンプなどで減圧含
浸すればボイドの発生を防止できる。また、織布を積層
する際に、織布と樹脂を交互に積み重ねて圧縮してもよ
く、織布に樹脂を予め含浸したプリプレグを積層しても
よい。積層時には、ローラを掛けるなどして空気を抜き
ながら積層すれば、ボイドの発生を防止できる。
【0039】なお、熱硬化性樹脂は、硬化不良部分をな
くして完全に硬化させるため、成形後に熱処理(ポスト
キュア)することが好ましく、その条件は80〜90℃
で2時間程度が好ましい。
くして完全に硬化させるため、成形後に熱処理(ポスト
キュア)することが好ましく、その条件は80〜90℃
で2時間程度が好ましい。
【0040】上記材料の樹脂組成物から成形するこの発
明における支点軸の滑り軸受は、その形状を限定するも
のでなく、周辺装置やハウジングに合わせて円筒状、ワ
ッシャー状その他の適当な形態を採用する。また、さら
に強度が不足する場合には、金属、ガラス繊維等で補強
したFRPなどを摺動面以外の裏面に接着するなどし
て、補強材を摺動材と一体に設けた複合材料からなる滑
り軸受としてもよい。
明における支点軸の滑り軸受は、その形状を限定するも
のでなく、周辺装置やハウジングに合わせて円筒状、ワ
ッシャー状その他の適当な形態を採用する。また、さら
に強度が不足する場合には、金属、ガラス繊維等で補強
したFRPなどを摺動面以外の裏面に接着するなどし
て、補強材を摺動材と一体に設けた複合材料からなる滑
り軸受としてもよい。
【0041】
【実施例】実施例および比較例のベルト張力調整装置に
おける支点軸の滑り軸受成形用の原材料を一括して以下
に挙げ、〔 〕内に略称を示した。 (1) 不飽和ポリエステル樹脂〔UP〕 三井化学社製:エスターG13 (2) ビニルエステル樹脂〔VE〕 三井化学社製:エスターH8100 (3) ポリエチレンテレフタレート製の紡績糸織布〔PE
T織布A〕 ポリエチレンテレフタレート織布、平織り、糸(綿番
手):30/2、横糸(綿番手):20/2、密度(縦
糸×横糸、本数/インチ)52×40 (4) ポリエチレンテレフタレート製のフィラメント糸織
布〔PET織布B〕 ポリエチレンテレフタレート織布、縦糸(デニール番
手):250/48、横糸(デニール番手):250/
48、密度(縦糸×横糸、本数/インチ)60×40 (5) ポリエチレンテレフタレート製のフィラメント糸と
紡績糸の交織布〔PET織布C〕 ポリエチレンテレフタレート織布、平織り、縦糸(デニ
ール番手):250/48、横糸(綿番手):20/
2、密度(縦糸×横糸、本数/インチ)60×40 (6) アラミド紡績糸織布〔アラミド織布〕 帝人社製:CO1200 (7) ガラス織布 旭ファイバーガラス社製:HS180 (8) 固体潤滑用四フッ化エチレン樹脂〔PTFE−A〕 ヘキスト社製:ホスタフロンTF9205(平均粒径5
μm) (9) 固体潤滑用四フッ化エチレン樹脂〔PTFE−B〕 喜多村社製:KT 300M(平均粒径30μm) (10)成形用四フッ化エチレン樹脂〔PTFE−C〕 三井デュポン・フロロケミカル社製:テフロン7J(平
均粒径35μm) (11)黒鉛 LONZA社製:グラファイトパウダー KS6 (12)二硫化モリブデン〔MoS2 〕 ダウコーニング社製:モリコートZパウダー (13)ポリイミド樹脂〔PI〕 デュポン社製:ベスペルSP21。
おける支点軸の滑り軸受成形用の原材料を一括して以下
に挙げ、〔 〕内に略称を示した。 (1) 不飽和ポリエステル樹脂〔UP〕 三井化学社製:エスターG13 (2) ビニルエステル樹脂〔VE〕 三井化学社製:エスターH8100 (3) ポリエチレンテレフタレート製の紡績糸織布〔PE
T織布A〕 ポリエチレンテレフタレート織布、平織り、糸(綿番
手):30/2、横糸(綿番手):20/2、密度(縦
糸×横糸、本数/インチ)52×40 (4) ポリエチレンテレフタレート製のフィラメント糸織
布〔PET織布B〕 ポリエチレンテレフタレート織布、縦糸(デニール番
手):250/48、横糸(デニール番手):250/
48、密度(縦糸×横糸、本数/インチ)60×40 (5) ポリエチレンテレフタレート製のフィラメント糸と
紡績糸の交織布〔PET織布C〕 ポリエチレンテレフタレート織布、平織り、縦糸(デニ
ール番手):250/48、横糸(綿番手):20/
2、密度(縦糸×横糸、本数/インチ)60×40 (6) アラミド紡績糸織布〔アラミド織布〕 帝人社製:CO1200 (7) ガラス織布 旭ファイバーガラス社製:HS180 (8) 固体潤滑用四フッ化エチレン樹脂〔PTFE−A〕 ヘキスト社製:ホスタフロンTF9205(平均粒径5
μm) (9) 固体潤滑用四フッ化エチレン樹脂〔PTFE−B〕 喜多村社製:KT 300M(平均粒径30μm) (10)成形用四フッ化エチレン樹脂〔PTFE−C〕 三井デュポン・フロロケミカル社製:テフロン7J(平
均粒径35μm) (11)黒鉛 LONZA社製:グラファイトパウダー KS6 (12)二硫化モリブデン〔MoS2 〕 ダウコーニング社製:モリコートZパウダー (13)ポリイミド樹脂〔PI〕 デュポン社製:ベスペルSP21。
【0042】〔実施例1〜14、比較例1〜6〕上記の
軸受用原材料のうち、織布を除く原材料を表1または表
2に示した割合で配合し、ミキサーで充分に混合した
後、ハンドレイアップ法で織布に含浸し、円柱状マンド
レルに積層し、硬化した円筒状積層体を切削加工して外
径23mm、内径20mm、高さ18mmの円筒状の成
形体(滑り軸受試験品)を得た。
軸受用原材料のうち、織布を除く原材料を表1または表
2に示した割合で配合し、ミキサーで充分に混合した
後、ハンドレイアップ法で織布に含浸し、円柱状マンド
レルに積層し、硬化した円筒状積層体を切削加工して外
径23mm、内径20mm、高さ18mmの円筒状の成
形体(滑り軸受試験品)を得た。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】〔比較例7〕ブロック形態で市販されてい
るポリイミド樹脂(デュポン社製:ベスペルSP21)
を切削加工して前記の成形体(滑り軸受試験品)を製作
した。そして、実施例1〜14と比較例1〜7の滑り軸
受を図2に示すプーリアーム4に組み込み、さらに図1
に示すベルト張力調整装置に周知の手法で組み付け、こ
のベルト張力調整装置の支点軸部の耐久性を以下の方法
で試験した。
るポリイミド樹脂(デュポン社製:ベスペルSP21)
を切削加工して前記の成形体(滑り軸受試験品)を製作
した。そして、実施例1〜14と比較例1〜7の滑り軸
受を図2に示すプーリアーム4に組み込み、さらに図1
に示すベルト張力調整装置に周知の手法で組み付け、こ
のベルト張力調整装置の支点軸部の耐久性を以下の方法
で試験した。
【0046】〔支点軸部の耐久性試験〕常温または10
0℃の温度条件で、支点軸受の摺動面圧2.94MP
a、支点軸の回り(直径20mmの円周上)の揺れ幅
0.2mm、揺動速度10サイクル毎秒(Hz)にて1
00時間連続して揺動させ、(a) 軸受材の支点軸への付
着量、(b) 滑り軸受の摩耗量、(c) 支点軸の回動状態を
調べ、この結果を表3中に示した。
0℃の温度条件で、支点軸受の摺動面圧2.94MP
a、支点軸の回り(直径20mmの円周上)の揺れ幅
0.2mm、揺動速度10サイクル毎秒(Hz)にて1
00時間連続して揺動させ、(a) 軸受材の支点軸への付
着量、(b) 滑り軸受の摩耗量、(c) 支点軸の回動状態を
調べ、この結果を表3中に示した。
【0047】なお、(a) 支点軸への付着量または(b) 滑
り軸受の摩耗量についての評価(表中の表記)は、表面
粗さ計の測定値が15μm未満のものを◎印、15〜2
5μmのものを○印、25〜40μmのものを△印、4
0μm以上のものを×印と記した。また、(c) 支点軸の
回動状態についての評価は、回転抵抗が著しく小さいも
のを◎印、小さいものを○印、回転抵抗はあるが支点軸
受から支点軸が容易に抜けるものを△印、回転抵抗が大
きく支点軸受から支点軸が抜けないものを×印と記し
た。
り軸受の摩耗量についての評価(表中の表記)は、表面
粗さ計の測定値が15μm未満のものを◎印、15〜2
5μmのものを○印、25〜40μmのものを△印、4
0μm以上のものを×印と記した。また、(c) 支点軸の
回動状態についての評価は、回転抵抗が著しく小さいも
のを◎印、小さいものを○印、回転抵抗はあるが支点軸
受から支点軸が容易に抜けるものを△印、回転抵抗が大
きく支点軸受から支点軸が抜けないものを×印と記し
た。
【0048】
【表3】
【0049】表3の結果から明らかなように、PET以
外の材質の織布を配合した滑り軸受(比較例1、2、3
および5)を装着したベルト張力調整装置は、評価項目
(a)、(b) 、(c) の全てについて満足な結果が得られな
かった。また、フィラメント糸からなるPET織布を配
合し、PTFEを配合しなかった滑り軸受(比較例4)
を装着したベルト張力調整装置、またはPET織布の配
合割合が過少の樹脂組成物からなる滑り軸受(比較例
6)を装着したベルト張力調整装置についても、評価項
目(a) 、(b) 、(c) の全てについて満足な結果が得られ
なかった。また、ポリイミド樹脂のみで形成した滑り軸
受(比較例7)を装着したベルト張力調整装置について
も、評価項目(a) 、(b) 、特に(c) について満足な結果
が得られなかった。
外の材質の織布を配合した滑り軸受(比較例1、2、3
および5)を装着したベルト張力調整装置は、評価項目
(a)、(b) 、(c) の全てについて満足な結果が得られな
かった。また、フィラメント糸からなるPET織布を配
合し、PTFEを配合しなかった滑り軸受(比較例4)
を装着したベルト張力調整装置、またはPET織布の配
合割合が過少の樹脂組成物からなる滑り軸受(比較例
6)を装着したベルト張力調整装置についても、評価項
目(a) 、(b) 、(c) の全てについて満足な結果が得られ
なかった。また、ポリイミド樹脂のみで形成した滑り軸
受(比較例7)を装着したベルト張力調整装置について
も、評価項目(a) 、(b) 、特に(c) について満足な結果
が得られなかった。
【0050】一方、不飽和ポリエステル樹脂に所定の織
布を含浸しハンドレイアップ法で形成した滑り軸受(実
施例1〜14)を装着したベルト張力調整装置は、常温
または100℃の温度条件において、軸受摩耗も少なく
て支点軸への軸受材料の付着がなく、また焼き付きも発
生せず、常温〜高温条件における支点軸の回動状態が良
好であった。
布を含浸しハンドレイアップ法で形成した滑り軸受(実
施例1〜14)を装着したベルト張力調整装置は、常温
または100℃の温度条件において、軸受摩耗も少なく
て支点軸への軸受材料の付着がなく、また焼き付きも発
生せず、常温〜高温条件における支点軸の回動状態が良
好であった。
【0051】
【発明の効果】この発明は、以上説明したように、プー
リアームの支点軸の滑り軸受を、不飽和ポリエステル樹
脂と、ポリエチレンテレフタレートの織布を必須成分と
する樹脂組成物で形成したことにより、プーリアーム揺
動(回転)時の摩擦抵抗が充分に小さく、滑り軸受が所
要の機械的強度を示し、エンジンの熱によって支点軸と
滑り軸受との摺動面が高温状態になっても摩耗量が少な
く、かつ支点軸への軸受材の付着量も少なく、支点軸に
焼き付きを起こさないベルト張力調整装置となる利点が
ある。
リアームの支点軸の滑り軸受を、不飽和ポリエステル樹
脂と、ポリエチレンテレフタレートの織布を必須成分と
する樹脂組成物で形成したことにより、プーリアーム揺
動(回転)時の摩擦抵抗が充分に小さく、滑り軸受が所
要の機械的強度を示し、エンジンの熱によって支点軸と
滑り軸受との摺動面が高温状態になっても摩耗量が少な
く、かつ支点軸への軸受材の付着量も少なく、支点軸に
焼き付きを起こさないベルト張力調整装置となる利点が
ある。
【0052】また、プーリアームの支点軸の滑り軸受
を、不飽和ポリエステル樹脂と、ポリエチレンテレフタ
レートの織布と、四フッ化エチレン樹脂をそれぞれ所定
量配合した樹脂組成物で形成したことにより、プーリア
ーム揺動(回転)時の摩擦抵抗が充分に小さく、前記し
た支点軸に焼き付きを起こさない等の利点に加えて、高
面圧の条件で滑り軸受の摩耗が少なく、支点軸を損傷し
難いベルト張力調整装置となる利点がある。
を、不飽和ポリエステル樹脂と、ポリエチレンテレフタ
レートの織布と、四フッ化エチレン樹脂をそれぞれ所定
量配合した樹脂組成物で形成したことにより、プーリア
ーム揺動(回転)時の摩擦抵抗が充分に小さく、前記し
た支点軸に焼き付きを起こさない等の利点に加えて、高
面圧の条件で滑り軸受の摩耗が少なく、支点軸を損傷し
難いベルト張力調整装置となる利点がある。
【図1】ベルト張力調整装置の外形状を示す正面図
【図2】支点軸の取付け状態を説明するプーリアームの
一部切り欠き側断面図
一部切り欠き側断面図
1 支点軸 2 ボルト 3 滑り軸受 4 プーリアーム 5 回転軸 6 ベルト 7 テンションプーリ 8 ダンパ 9 ピストンロッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 67:02 27:18)
Claims (7)
- 【請求項1】 固定の支点軸に回動自在にプーリアーム
を取り付け、このプーリアームの一端にベルト係合用の
テンションプーリを取り付け、前記プーリアームの他端
にはダンパのピストンロッドを当接させ、このピストン
ロッドの押圧によって前記プーリアームをベルトの緊張
方向に揺動させるベルト張力調整装置において、 前記支点軸の滑り軸受を、不飽和ポリエステル樹脂40
〜85容量%と、ポリエチレンテレフタレートからなる
織布15〜60容量%を必須成分とする樹脂組成物で形
成したことを特徴とするベルト張力調整装置。 - 【請求項2】 不飽和ポリエステル樹脂が、ビニルエス
テル樹脂である請求項1記載のベルト張力調整装置。 - 【請求項3】 織布が、紡績糸もしくはフィラメント糸
または両者併用した交織布である請求項1または2記載
のベルト張力調整装置。 - 【請求項4】 固定の支点軸に回動自在にプーリアーム
を取り付け、このプーリアームの一端にベルト係合用の
テンションプーリを取り付け、前記プーリアームの他端
にはダンパのピストンロッドを当接させ、このピストン
ロッドの押圧によって前記プーリアームをベルトの緊張
方向に揺動させるベルト張力調整装置において、 前記支点軸の滑り軸受を、不飽和ポリエステル樹脂25
〜82容量%と、ポリエチレンテレフタレートからなる
織布15〜60容量%と、四フッ化エチレン樹脂3〜1
5容量%を必須成分とする樹脂組成物で形成したことを
特徴とするベルト張力調整装置。 - 【請求項5】 不飽和ポリエステル樹脂が、ビニルエス
テル樹脂である請求項4記載のベルト張力調整装置。 - 【請求項6】 四フッ化エチレン樹脂が、平均粒径50
μm以下の粉体である請求項4または5記載のベルト張
力調整装置。 - 【請求項7】 織布が、紡績糸もしくはフィラメント糸
または両者併用した交織布である請求項4または5記載
のベルト張力調整装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33593097A JPH11166603A (ja) | 1997-12-05 | 1997-12-05 | ベルト張力調整装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33593097A JPH11166603A (ja) | 1997-12-05 | 1997-12-05 | ベルト張力調整装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11166603A true JPH11166603A (ja) | 1999-06-22 |
Family
ID=18293947
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33593097A Pending JPH11166603A (ja) | 1997-12-05 | 1997-12-05 | ベルト張力調整装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11166603A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6575859B2 (en) * | 2000-02-17 | 2003-06-10 | Ntn Corporation | Belt tension adjusting device |
CN104235291A (zh) * | 2014-09-01 | 2014-12-24 | 合肥巍华智能停车设备有限公司 | 立体车库链条松紧装置 |
-
1997
- 1997-12-05 JP JP33593097A patent/JPH11166603A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6575859B2 (en) * | 2000-02-17 | 2003-06-10 | Ntn Corporation | Belt tension adjusting device |
CN104235291A (zh) * | 2014-09-01 | 2014-12-24 | 合肥巍华智能停车设备有限公司 | 立体车库链条松紧装置 |
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