JP4339308B2 - 繊維強化樹脂組成物 - Google Patents

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Description

この発明は、滑り軸受や滑り板等の摺動部材に用いられる繊維強化樹脂組成物に関し、特に高面圧下での耐摩耗性や機械的特性に優れた繊維強化樹脂組成物に関する。
繊維強化樹脂(FRP)は、軽量かつ高強度であることから、摺動部材としての活用が種々検討されてきた。例えば、強化繊維としてガラス繊維を用いたFRPから成形される油中摺動材や、動摩擦係数を低下するため、四フッ化エチレン樹脂の織布を強化繊維として用いたFRPから成形される摺動材が知られている(特公昭36−20218号公報参照)。
しかしながら、強化繊維としてガラス繊維を用いたFRPから成形される摺動部材は、油中で使用する際には問題を生じないものの、乾燥条件下で相手材としてアルミニウム等の軟質金属を用いる場合は、この相手材を損傷させる場合がある。また、強化繊維として四フッ化エチレン樹脂の織布を用いたFRPから成形される摺動部材は、動摩擦係数は低減されるものの強度の低下が著しいため、摺動部材として使用できる範囲が限定される。さらに、強度の低下を防ぐため、強化繊維としてポリプロピレン樹脂の織布を用いることも知られているが(特開昭60−137934号公報参照)、無潤滑の乾燥条件下での摺動特性は満足いくものではない。
そこで、この発明の課題は、摺動部材に成形したとき、その強度を高めると共に動摩擦係数を低下させ、アルミニウム等の軟質金属を相手に摺動する際に無潤滑の乾燥条件下でも相手材をほとんど損傷せず耐摩耗性を高める摺動部材用の繊維強化樹脂組成物を提供することである。
上記の課題を解決するため、この発明は、不飽和ポリエステル樹脂に四フッ化エチレン樹脂を添加した樹脂組成物を、15〜60容量%のポリエチレンテレフタレートのフィラメント糸からなる織布に含浸したのである。
強化繊維としてポリエチレンテレフタレートの織布を用いたので、摺動部材に成形したとき、その強度を高めると共に動摩擦係数を低下させ、アルミニウム等の軟質金属を相手に摺動する際に無潤滑の乾燥条件下でも相手材をほとんど損傷せず耐摩耗性を高める。
また、四フッ化エチレン樹脂を添加した場合は、更に動摩擦係数が低下し、特に高面圧下における耐摩耗性に優れる。
この発明によれば、強化繊維としてポリエチレンテレフタレートの織布を用い、さらに、必要に応じて、四フッ化エチレン樹脂を添加するので、この繊維強化樹脂組成物から成形される摺動部材は、その強度を高めると共に動摩擦係数を低下させ、アルミニウム等の軟質金属を相手に摺動する際に無潤滑の乾燥条件下でも相手材をほとんど損傷せず耐摩耗性を高めることができる。
以下、この発明の実施形態を説明する。
この発明にかかる摺動部材用の繊維強化樹脂組成物は、不飽和ポリエステル樹脂をポリエチレンテレフタレートの織布に含浸してなる。
上記不飽和ポリエステル樹脂は、特に限定されるものではなく、不飽和基を有する多塩基酸及び飽和基を有する多塩基酸を多価アルコールで縮合エステル化して得られる不飽和アルキドに、スチレンのような二重結合をもつ低粘度の反応性希釈剤と、ハイドロキノンやt−ブチルカテコールのような重合禁止剤を添加したものや、アクリル酸やメタクリル酸をエポキシ樹脂と反応させたビニルエステル樹脂等であれば、常温で硬化するものであっても、高温でのみ硬化するものであっても広く用いることができる。
上記不飽和基を有する多塩基酸の例としては、無水マレイン酸やフマル酸をあげることができ、また、飽和基を有する多塩基酸の例としては、アジピン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テトラクロロ無水フタル酸等をあげることができる。上記多価アルコールの例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールAプロピレンオキシド付加物等をあげることができる。
上記エポキシ樹脂の例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂をあげることができる。
上記の二重結合をもつ低粘度の反応性希釈剤としては、特に限定されるものではなく、最も代表的なスチレン、加熱硬化型樹脂に多く使われるジアリルフタレートやビニルトルエンの他、ジビニルベンゼン、酢酸ビニルメチルメタクリレート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート、2,5−ジクロロスチレン、ジアリルエーテル、トリアリルシアヌレート、4−ビニルシクロヘキサンモノエポキシド、グリシジルメタクリレート、ジビニルエーテル、ビニルピロリドン、2−メチル−5−ビニルピリジン、トリアリルホスフェート、ジアリルベンゼンホスホネート等を用いることができる。
上記不飽和ポリエステル樹脂を硬化させる際に用いられる重合開始剤及び硬化促進剤は特に限定されるものではなく、一般的に用いられるメチルエチルケトンペルオキシド、ペルエステル、ナフテン酸コバルト、三級アミン等をあげることができる。
上記不飽和ポリエステル樹脂の中でも、靱性が高く添加剤との接着性に優れたビニルエステル樹脂を用いると、添加剤としてPTFE等を使用する際に、強度低下が少なく、また耐摩耗性に優れることからより好ましい。
上記ビニルエステル樹脂の例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂にアクリル酸やメタクリル酸を反応して得られるジアクリレートやメタクリレートを、スチレン等のモノマーに溶解して調整したものをあげることができる。なお、このビニルエステル樹脂を製造する際に用いられる重合開始剤や硬化促進剤は特に限定されるものではなく、上記不飽和ポリエステルと同様のものを用いることができる。
上記ポリエチレンテレフタレートの織布は、テレフタル酸のエステル又は塩化物等の塩と、エチレングリコールとの重縮合によって得られたポリエチレンテレフタレートからなる糸からなる織布であれば広く用いることができる。上記糸の形態は、フィラメント糸であっても、紡績糸であってもよい。また、上記織布の織物組織は特に限定されるものではなく、平織、綾織、朱子織の三原組織、変化組織、特別組織等の一重組織、片二重組織、二重組織、多重組織等の重ね織り組織、縦パイル織りや横パイル織り等の添毛組織、からみ組織、紋織組織、三次元組織等広く用いることができる。
上記繊維強化樹脂組成物中に含まれるポリエチレンテレフタレート織布の量は、15〜60容量%がよく、20〜50容量%が好ましい。15容量%未満では、補強効果が十分でなく、60容量%を越えると成形性が著しく阻害されて満足な成形体を得られない場合があるからである。
上記ポリエチレンテレフタレートの織布がポリエチレンテレフタレートの紡績糸からなる織布は、その製造方法は特に限定されるものではなく、ポリエチレンテレフタレートを溶融紡糸して短く切断し、紡績したものであれば広く用いることができ、その番手、撚り数あるいは密度を限定するものではない。
さらに、上記ポリエチレンテレフタレートの織布がポリエチレンテレフタレートのフィラメント糸からなる織布は、その製造方法は特に限定されるものではなく、ポリエチレンテレフタレートを溶融紡糸し、これを撚らずに単独で用いるモノフィラメント糸や、適度な本数で撚ったマルチフィラメント等を広く用いることができ、その番手、撚り数や密度を限定するものではない。
また、上記不飽和ポリエステル樹脂に、四フッ化エチレン樹脂を添加した樹脂組成物に上記ポリエチレンテレフタレートの織布を含浸させてもよい。
上記四フッ化エチレン樹脂(以下、「PTFE」と称する。)は、成形用の粉末であってもよく、また、固体潤滑用の微粉末であってもよい。このようなPTFEの市販品としては、三井デュポンフロロケミカル社製:テフロン7J、TLP−10、旭硝子社製:フルオンG163、ダイキン工業社製:ポリフロンM15、ルブロンL5、喜多村社製:KTL610、KTL350、KT400H、KT300M、ヘキスト社製:ホスタフロンTF9205等を例示することができる。さらに、上記PTFEをアルキルビニルエーテルで変性させたものであってもよい。
上記PTFEは、成形の際に上記不飽和ポリエステル樹脂と混合するにあたって、均一に分散しボイドを生成しにくくするため、重量平均分子量が小さくフィブリル化しにくい固体潤滑用の微粉末がより好ましい。また、平均粒径も、均一に分散しボイドを生成しにくくするため、1〜50μmが好ましく、1〜30μmがより好ましい。
また、上記PTFEの上記繊維強化樹脂組成物に対する添加量は、3〜15容量%が好ましく、4〜12容量%がより好ましい。3容量%より少ないと摺動特性に改良がみられず、15容量%を越えると成形の際に樹脂粘度が増大し、ボイドが生成する場合があるからである。
上記不飽和ポリエステル樹脂に上記PTFEを添加すると、上記ポリエチレンテレフタレートの織布として紡績糸やフィラメント糸のいずれか一種の糸を用いても、また、上記二種類の糸を織りまぜても、良好な摺動特性を示す。すなわち、得られる繊維強化樹脂組成物から成形される摺動部材は、動摩擦係数がより低下し、アルミニウム等の軟質金属を相手に摺動する際に無潤滑でも相手材をほとんど損傷せず耐摩耗性を高める。このとき、耐摩耗性をさらに向上させるには、紡績糸のみからなる織布を用いるほうがより好ましい。
一方、上記不飽和ポリエステル樹脂に上記PTFEを添加しない場合は、上記ポリエチレンテレフタレートの織布として紡績糸を用いると、良好な摺動特性を示す。
上記繊維強化樹脂組成物として好ましいものは、紡績糸やフィラメント糸を用いたポリエチレンテレフタレート織布に、不飽和ポリエステル樹脂としてビニルエステル樹脂を含浸させたものがあげられる。この中でも、より好ましい摺動特性を示すものとして、紡績糸を用いたポリエチレンテレフタレート織布にビニルエステル樹脂を含浸させたものがあげられる。
上記のほか、上記不飽和ポリエステル樹脂には、摺動特性を改良する固体潤滑剤を添加してもよい。このような固体潤滑剤としては、黒鉛、二硫化モリブデン等をあげることができる。
上記ポリエチレンテレフタレート織布に上記不飽和ポリエステル樹脂とPTFEを含浸させる場合は、含浸の前に上記不飽和ポリエステル樹脂とPTFEを混合することが好ましい。この混合方法としては、特に限定されるものではなく、均一に分散される方法であればよい。具体例としては、ニーダー混練機、バンバリーミキサー混練機、インターミックス混練機等があげられる。
上記ポリエチレンテレフタレート織布を上記不飽和ポリエステル樹脂等の樹脂に含浸させて成形する方法としては、特に限定されることなく、一般的なFRPの製造方法を採用することができる。上記織布に上記樹脂を含浸するとき、織布と樹脂を交互に積層して圧縮してもよく、また織布に樹脂をあらかじめ含浸しておきプリプレグとした後、積層してもよい。その際、ローラをかける等して空気を抜きながら積層していくことが好ましい。また、織布を積層する際、糸の配向を合わせて積層しても、規則的に角度をつけて積層しても、或いは不規則に積層してもよい。なお、樹脂として上記のような熱硬化性樹脂を用いる場合は、硬化不良部分を完全に硬化させるため、成形後にポストキュア熱処理を行うことが一般的であるが、そのときの条件としては、80〜90℃で2時間行えばよい。
具体的な方法としては、例えば、ハンドレイアップ法、プレス成形法、コールドプレス法、SMC法、トランスファー成形法、レジントランスファー成形法、フィラメントワインディング法、プルトリージョン法等があげられる。
上記ハンドレイアップ法は、織布に樹脂をはけやロールによって含浸しながら脱泡し、積層していく方法であり、上記樹脂を含浸した織布を積層し、はけやロール等で脱泡しながら型に沿わせていく方法であってもよい。
上記フィラメントワインディング法は、連続した繊維や織布を使用する連続成形法であり、樹脂に含浸させた織布を連続的に所定パターンに従って、マンドレルに巻きつけ、積層構造を形成させてもよい。その際、装置上で液状樹脂を連続した織布の束に含浸させながらワインディングを行うウェットワインディング方式、別工程で液状樹脂を連続した織布の束に含浸させ、半硬化状態に調整したプリプレグテープを用いてワインディングを行うプリプレグワインディング方式のいずれであっても採用できる。また、マンドレルに巻き付ける際、マンドレルの回転と織布供給部が相対運動を行い、その様式はヘリカルワインディングとポーラーワインディングとがあるが、いずれの様式も採用することができる。
また、あらかじめ三次元形状に織られた織物を織布として用い、これに樹脂を含浸させてもよい。その際、真空ポンプ等で減圧含浸すればボイドの発生を防ぐことができる。
上記の成形方法によって得られる成形体は、目的や用途に合わせて任意の形状とすることができる。例えば、図1(a)(b)(c)に示すような、平板状や円筒状、又はワッシャー状等があげられ、これらを単独で摺動部材として使用することができる。また、用途によっては更に強度を高める場合は、図2(a)(b)(c)に示すように、金属やガラス繊維等で補強したFRP、木材等の材料を平板状や円筒状、又はワッシャー状等の所定の形状に加工して裏金2とし、これに同様の形状に成形した成形体1を接着して摺動部材として使用することもできる。
以下、この発明の実施例について示す。まず、実施例及び比較例で使用した原材料を一括して下記に示す。なお、〔〕内は略称を示す。
[1]不飽和ポリエステル樹脂
(1)スチレンを反応性希釈剤として用いた不飽和ポリエステル樹脂〔UP〕…三井東圧化学社製:エスターG13
(2)スチレンを反応性希釈剤として用いたビニルエステル樹脂〔VE〕…三井東圧化学社製:エスターH8100
(3)ジアリルフタレートを反応性希釈剤として用いた不飽和ポリエステル樹脂〔AUP〕…日本触媒化学社製:エポラックH−540(硬化剤BPO1wt%含有)
[2]織布
(4)ポリエチレンテレフタレート紡績糸織布〔PET A〕…ポリエチレンテレフタレート織布、組織:平織、構成糸:紡績糸、綿番手:縦糸30/2,横糸20/2、密度(縦糸×横糸):52(本/inch)×40(本/inch)
(5)ポリエチレンテレフタレート フィラメント糸織布〔PET B〕…ポリエチレンテレフタレート織布、組織:平織、構成糸:フィラメント糸、デニール番手:縦糸250/48,横糸250/48、密度(縦糸×横糸):60(本/inch)×40(本/inch)
(6)ポリエチレンテレフタレート フィラメント糸・紡績糸の交織布〔PETC〕…ポリエチレンテレフタレート織布、組織:平織、構成糸:フィラメント糸(縦糸)と紡績糸(横糸)、縦糸のデニール番手 250/48,横糸の綿番手 20/2、密度(縦糸×横糸):60(本/inch)×40(本/inch)
(7)アラミド紡績糸織布〔アラミド〕…帝人社製:CO1200
(8)ガラス織布〔ガラス〕…旭ファイバーガラス社製:HS180
[3]添加剤
(9)固体潤滑用四フッ化エチレン樹脂〔PTFE A〕…ヘキスト社製:ホスタフロンTF9205、平均粒径5μm
(10)固体潤滑用四フッ化エチレン樹脂〔PTFE B〕…喜多村社製:KT300M、平均粒径30μm
(11)成形用四フッ化エチレン樹脂〔PTFE C〕…三井デュポン・フロロケミカル社製:テフロン7J、平均粒径35μm
(12)黒鉛〔グラファイト〕…LONZA社製:KS−6
(13)二硫化モリブデン〔MoS〕…ダウコーニング社製:モリコートZパウダー
〔実施例1、2、4〜6、8〜12、14〜17、比較例1〜6〕
表1に記載の原料のうち、不飽和ポリエステルと添加剤を表1に示した割合で配合し、ミキサーで十分に混合した後、離型剤を塗布したガラス板の上で、表1に記載の割合になるように樹脂と織布を交互に配して含浸積層し、所定の枚数の織布を重ねた。この両側にスペーサとなるガラス板を置き、さらに上へ離型剤を塗布したガラス板を置いてスペーサと密着するように荷重をのせた。このまま常温で放置し、硬化したものを80℃の恒温槽で3時間アフターキュアを行い、切削加工にて試験片を作成した。これらの試験片を用いて下記に示す方法にしたがって、摩擦係数、比摩擦量、及び相手材の摩耗量を測定した。なお、相手材としては、SUJ2焼入れ鋼及びADC12を用いた。
なお、不飽和ポリエステルを硬化させるため、不飽和ポリエステルに、メチルエチルケトンペルオキシド1.0wt%、ナフテン酸コバルト0.3wt%を配合した。これにより硬化は、常温下において1〜2時間で始まった。
また、SUJ2は、JIS G4805に記載のものであり、ADC12は、JIS 5302に記載のものである。
〔実施例3、7、13〕
表1に記載の原料のうち、不飽和ポリエステルと添加剤を表1に示した割合で配合し、更に、樹脂に対して希釈剤であるアセトンを30%配合して、ミキサーで十分に混合した。この溶液中に織布を浸漬、含浸した後、100℃で15分間乾燥させてプリプレグ化した。この方法により作成したプリプレグのPTFEも含めた樹脂含有量は80%であった。これを離型剤を塗布したガラス板の上で表1記載の割合になるように所定の枚数積層し、この両側にスペーサとなるガラス板を置き、さらに上へ離型剤を塗布したガラス板を置いてスペーサとガラス板が密着するように荷重を加え、130℃で5時間加熱硬化させて積層板を得た。これを切削加工にて試験片を作成した。これらの試験片を用いて下記に示す方法にしたがって、摩擦係数、比摩擦量、及び相手材の摩耗量を測定した。なお、相手材としては、SUJ2焼入れ鋼及びADC12を用いた。
また、SUJ2は、JIS G4805に記載のものであり、ADC12は、JIS 5302に記載のものである。
Figure 0004339308
摩擦係数、比摩擦量、及び相手材の摩耗量の測定
リングオンディスク型摩擦摩耗試験機を用いて、試験寸法:φ21×φ17×10(mm)、滑り速度5m/min、面圧:1.96MPa、相手材をSUJ2焼入れ鋼及びADC12とし、無潤滑の条件で50時間摺動させた。50時間摺動後、比摩耗量(×10−8mm/(N・m))、及び摩擦係数を測定すると共に、相手材の摩耗量を測定した。
Figure 0004339308
結果
表2に示す結果から明らかなように、実施例1〜17は比較例1〜6に比べて比摩耗量及び摩擦係数が小さく、相手材の攻撃も少ない。
実施例1〜17は、SUJ2を相手に摺動した場合でも、ADC12のような軟質金属を相手材として摺動した場合でも、比摩耗量、摩擦係数が小さく、相手材もほとんど攻撃することなく良好な結果が得られた。
また、実施例1〜4は、PTFEを添加していない組成であるが、紡績糸の織布を用いているので、良好な摺動特性を示した。
さらに、PTFEを添加した組成の実施例5〜17は、PTFEを添加していない組成のものと比べても、より優れた摺動特性を有していた。
これに対し、比較例3の場合は、ガラス織布を用いたものに更にPTFEを添加したので摺動特性が向上しているが、摺動部材としては満足のいく程度ではない。
また、比較例4及び5の場合は、PTFEは添加されておらず、フィラメント糸の織布又はフィラメント糸と紡績糸を織り交ぜた織布を用いているため、比摩耗量が大きく、相手材の攻撃も大きい。
さらに、比較例6は、ポリエチレンテレフタレートの織布が所定量より少ないので、比摩耗量及び摩擦係数が大きい。
(a)(b)(c)この発明にかかる成形部材の形状を示す斜視図 (a)(b)(c)この発明にかかる成形部材と裏金を組み合わせた斜視図
符号の説明
1 成形体
2 裏金

Claims (6)

  1. 不飽和ポリエステル樹脂に四フッ化エチレン樹脂を添加した樹脂組成物を、15〜60容量%のポリエチレンテレフタレートのフィラメント糸からなる織布に含浸してなる摺動部材用繊維強化樹脂組成物。
  2. 上記不飽和ポリエステル樹脂は、アクリル酸又はメタクリル酸をエポキシ樹脂に反応させたビニルエステル樹脂である請求項1に記載の摺動部材用繊維強化樹脂組成物。
  3. 上記四フッ化エチレン樹脂の添加量が3〜15容量%である請求項1又は2に記載の摺動部材用繊維強化樹脂組成物。
  4. 上記四フッ化エチレン樹脂が固体潤滑用の粉末である請求項1乃至3のいずれかに記載の摺動部材用繊維強化樹脂組成物。
  5. 上記四フッ化エチレン樹脂粉末の平均粒径が1〜50μmである請求項4に記載の摺動部材用繊維強化樹脂組成物。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の摺動部材用繊維強化樹脂組成物を成形することにより得られる摺動部材。
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