JPH11165999A - リフトの下降止め装置 - Google Patents

リフトの下降止め装置

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JPH11165999A
JPH11165999A JP9333247A JP33324797A JPH11165999A JP H11165999 A JPH11165999 A JP H11165999A JP 9333247 A JP9333247 A JP 9333247A JP 33324797 A JP33324797 A JP 33324797A JP H11165999 A JPH11165999 A JP H11165999A
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俊次 磯貝
Shintaro Okuno
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 爪解除機構を簡単かつコンパクトに構成し、
リフトの低床化を図り、動作を確実にする。 【解決手段】 油圧シリンダ2のシリンダチューブ3に
左右2枚のラック4を装着し、ピストンロッド5に爪部
材6を軸支し、爪部材6の先端にラック4の溝8に係合
する一対の爪9とピン15とを突設する。一方のラック
4の両端部にエアシリンダ12を設置し、各エアシリン
ダ12の出力軸13にレバー14を架設する。リフトの
下降時に、エアシリンダ12を付勢し、レバー14によ
りピン15を介し爪部材6を持ち上げ、爪9をラック4
の溝8から解除する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はリフトの下降止め装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】下降止め装置は荷重のリフトアップ中に
荷台の不意の下降を防止する安全装置であって、従来、
図6に示すように、荷台31を昇降する油圧シリンダ3
2に下降止め装置33を装備したX形リンク式リフトが
知られている。この下降止め装置33においては、図7
に示すように、ピストンロッド34の先端に左右2枚の
ラック35が固定され、シリンダチューブ36の下側に
は一対の爪部材37が軸38で支持されてバネ39でラ
ック35と係合する方向へ付勢されている。シリンダチ
ューブ36の下面にはエアシリンダ40が設置され、リ
フトの下降時に、エアシリンダ40で爪部材37をラッ
ク35から解除したのちに油圧シリンダ32を収縮する
ようになっている。
【0003】また、従来、図8及び図9に示すような下
降止め装置41,42も知られている。これらの装置に
おいては、ラック35がシリンダチューブ36側に固定
され、爪部材37はピストンロッド34側に軸支されて
自重でラック35と係合する方向へ付勢されている。爪
部材37をラック35から解除するエアシリンダ40
は、図8の装置41では爪部材37の上面に設置され、
図9の装置42の場合はシリンダチューブ36の先端部
に設置されている。さらに、従来、爪部材を平行四辺形
のリンク機構を用いてラックから解除する技術も知られ
ている(実公平6−30794号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、図7の下降
止め装置34によると以下の問題点があった。 (1) 爪部材37及びエアシリンダ40がシリンダチ
ューブ36の下側に突出しているため、油圧シリンダ3
2を水平位置まで倒すことができず、荷台の下限位置が
高くなり、低床リフトに不向きである。 (2) 爪部材37、軸38、バネ39を含む多数の部
品を組み付ける面倒があり、また一対の爪部材37を同
期させるために高い組付精度が要求される。 (3) ラック35が爪部材37に掛かったとき、爪部
材37に回転モーメントが発生し、ラック35と爪部材
37とに相離反する方向の力が作用するため、それに対
応する強度が必要になる。
【0005】図8の下降止め装置41には次の問題点が
あった。 (4) エアシリンダ40が爪部材37の上面に設置さ
れているため、エアシリンダ40との干渉を回避するた
めに荷台の下限位置が制限され、低床リフトに不向きで
ある。 (5) エアシリンダ40にエアを供給するためのホー
ス43等の取り回しが困難で、エアシリンダ40のメン
テナンスにも難儀する。 (6) リフトの上昇中は、爪部材37がカチッ、カチ
ッと音をたててラック35上を摺動するため、爪部材3
7上のエアシリンダ40に直接衝撃が繰り返し作用し、
ネジの緩み等が発生しやすい。
【0006】また、図9の下降止め装置42は、 (7) エアシリンダ40がシリンダチューブ36の先
端部で爪部材37を開くので、リフトの下降に伴って爪
部材37の開き角度が徐々に大きくなり、爪部材37と
の干渉を回避するために荷台の下限位置が制限され、低
床リフトに不向きであった。なお、実公平6−3079
4号公報の場合は、 (8) 爪部材をリンク機構で解除するため、構成が複
雑化してしまい、部品点数が多くなる。
【0007】そこで、本発明の課題は、爪解除機構を簡
単かつコンパクトに構成でき、低床リフトに好適で、動
作が確実な下降止め装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明は、油圧シリンダで荷台を昇降するリフト
において、油圧シリンダのシリンダチューブにラックを
装着し、油圧シリンダのピストンロッドにラックと係合
する爪部材を軸支し、シリンダチューブの側面に2台の
アクチュエータを設置し、各アクチュエータの出力軸に
爪部材をラックから解除するレバーを架設したことを特
徴とする。
【0009】また、好ましくは、荷台の下限位置で下降
止め装置が油圧シリンダの直径寸法にほぼ収まるコンパ
クトな形態となるように、爪部材がレバーに上方から当
接するピンを備え、レバーは油圧シリンダの収縮時にピ
ンが嵌合する凹部を備える(請求項2)。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1に示すように、この実施形態
の下降止め装置1においては、油圧シリンダ2のシリン
ダチューブ3に左右2枚のラック4が装着され、ピスト
ンロッド5のヘッド5aに爪部材6が軸7で回動可能に
支持されている。ラック4の上面には多数の溝8が形成
され、爪部材6の先端には溝8に上方から係合する一対
の爪9が突設されている。なお、油圧シリンダ2は、例
えばX形リンク式リフトにおいて、シリンダチューブ3
の支点ボス10をリフトベース29(図6参照)に枢着
し、ピストンロッド5でリンク30を伸縮して荷台31
を昇降するようになっている。
【0011】ラック4はシリンダチューブ3の左右両側
面に装着され、一方のラック4の両端部にはアクチュエ
ータとしてのエアシリンダ12が設置されている。各エ
アシリンダ12の出力軸13にはレバー14が水平に架
設され、爪部材6の一方の爪9にはレバー14に上方か
ら当接するピン15が突設されている。そして、エアシ
リンダ12でレバー14を持ち上げ、ピン15を介し爪
部材6を上方へ回動して、爪9をラック4の溝8から解
除するようになっている。なお、レバー14の一端部に
は油圧シリンダ2の収縮時にピン15が嵌合する凹部1
4aが形成されている。
【0012】上記のように構成された下降止め装置1
は、リフトの上昇位置停止状態において、図2に示すよ
うに、爪部材6の自重により爪9をラック4の溝8に掛
止して、荷台31の不意の下降を防止する。リフトの上
昇中には、ピストンロッド5の突出により爪部材6が引
き上げられ、爪9がラック4の上面をカチッ、カチッと
音をたてて摺動する。このとき、爪9は緩やかな斜面を
介しラック4に係合しているため、爪9の摺動抵抗を小
さくして、ピストンロッド5をスムーズに突出させるこ
とができる。また、エアシリンダ12はシリンダチュー
ブ3側に設置されているので、エアシリンダ40を爪部
材37の上面に設置した従来装置と比較し、爪9の摺動
に伴ってさほどの衝撃を受けず、ネジの緩み等が発生し
にくい。
【0013】一方、リフトの下降時には、図3に示すよ
うに、エアシリンダ12が付勢され、これによりレバー
14が持ち上げられ、ピン15を介し爪部材6が上方へ
回動され、爪9がラック4の溝8から解除される。従っ
て、この状態で油圧シリンダ2を収縮すれば、下降止め
が働かず、荷台31がスムーズに下降する。この場合、
レバー14が2台のエアシリンダ12に直結されている
ため、爪部材6をラック4から迅速かつ確実に解除で
き、この解除機構を少ない部品で簡単に構成でき、また
アクチュエータとして比較的小形のエアシリンダ12を
使用できる利点がある。
【0014】図4に示すように、荷台31が下限位置近
くに達すると、爪部材6のピン15がレバー14の凹部
14aに嵌合し、爪部材6が油圧シリンダ2に重なり、
下降止め装置1の高さが油圧シリンダ2の直径寸法にほ
ぼ収まるコンパクトな形態になる。このため、荷台31
を爪部材6と干渉することなく油圧シリンダ2の間近ま
で下降させることができる。また、エアシリンダ12は
シリンダチューブ3の側面に設置されているので、油圧
シリンダ2を水平位置まで倒しても、エアシリンダ12
はリフトベース29に干渉しない。従って、この実施形
態の下降止め装置1によれば、従来装置と比較して荷台
31の下限位置をより低く設定できて、リフトの低床化
を計ることが可能である。
【0015】図5に示すように、2台のエアシリンダ1
2にはそれぞれエア弁17が内蔵され、これらの弁17
はソレノイドバルブ18とエアアクチュエータ19との
間に直列に接続されている。リフトの下降時には、ソレ
ノイドバルブ18が開放され、エア源20からの圧縮エ
アが急速排気弁21を介して各エアシリンダ12に供給
され、その出力軸13によりレバー14が持ち上げら
れ、爪部材6がラック4から解除される。そして、出力
軸13がストロークエンドに達すると、エア弁17が開
放され、圧縮エアがエアアクチュエータ19に供給さ
れ、このアクチュエータ19により油圧シリンダ2のレ
リーズバルブ(図示略)が開放され、ピストンロッド5
が没入して、荷台31が下降を開始する。こうすれば、
爪解除を条件にして荷台31を確実に下降させることが
できる。
【0016】また、荷台31の下降を停止する際には、
ソレノイドバルブ18が閉鎖され、エアシリンダ12の
圧縮エアが急速排気弁21から大気へ瞬時に放出され、
レバー14が引き下げられ、爪部材6がラック4に係合
し、これと同時に、エアアクチュエータ19の圧縮エア
が急速排気弁22から大気へ瞬時に放出され、油圧シリ
ンダ2のレリーズバルブが閉鎖され、ピストンロッド5
が停止する。こうすれば、急速排気弁21,22の作用
で爪部材6がラック4に直ちに係合するとともに、ピス
トンロッド5が瞬時に停止するため、下降止め装置1を
応答性よく確実に動作させることができる。
【0017】なお、複数台のリフトを運転する場合に
は、各リフトのエアシリンダ12のエア弁17を直列に
接続すれば、簡単な配管構成で複数台を確実に同期制御
することができる。その他、本発明の下降止め装置をコ
ラム式又は斜板式等の各種リフトに適用するなど、本発
明の趣旨を逸脱しない範囲で各部の形状並びに構成を適
宜に変更して実施することも可能である。
【0018】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1の発明に
よれば、シリンダチューブの側面に2台のアクチュエー
タを設置し、各アクチュエータの出力軸にレバーを架設
し、このレバーで爪部材をラックから解除するように構
成したので、爪解除機構を簡単かつコンパクトな構成で
確実に動作させることができ、低床リフトに好ましく適
用できる効果がある。
【0019】請求項2の発明によれば、油圧シリンダの
収縮時に爪部材のピンがレバーの凹部に嵌合するので、
荷台の下限位置で下降止め装置が油圧シリンダの直径寸
法にほぼ収まるコンパクトな形態となる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す下降止め装置の斜視
図である。
【図2】同装置の作動形態(リフト上昇時)を示す側面
図である。
【図3】同装置の別の作動形態(リフト下降時)を示す
側面図である。
【図4】同装置のさらに別の作動形態(リフト下限位置
近く)を示す側面図である。
【図5】同装置のエア回路図である。
【図6】X形リンク式リフトの概略図である。
【図7】従来の下降止め装置を示す側面図である。
【図8】従来の別の下降止め装置を示す側面図である。
【図9】従来のさらに別の下降止め装置を示す側面図で
ある。
【符号の説明】
1・・下降止め装置、2・・油圧シリンダ、3・・シリ
ンダチューブ、4・・ラック、5・・ピストンロッド、
6・・爪部材、9・・爪、12・・エアシリンダ、13
・・出力軸、14・・レバー、15・・ピン、17・・
エア弁、18・・ソレノイドバルブ、19・・エアアク
チュエータ、21,22・・急速排気弁。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油圧シリンダで荷台を昇降するリフトに
    おいて、油圧シリンダのシリンダチューブにラックを装
    着し、油圧シリンダのピストンロッドにラックと係合す
    る爪部材を軸支し、シリンダチューブの側面に2台のア
    クチュエータを設置し、各アクチュエータの出力軸に爪
    部材をラックから解除するレバーを架設してなる下降止
    め装置。
  2. 【請求項2】 爪部材がレバーに上方から当接するピン
    を備え、レバーは油圧シリンダの収縮時にピンが嵌合す
    る凹部を備えた請求項1記載の下降止め装置。
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