JPH11165917A - 自動原稿送り装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動原稿送り装置で、原稿先端が反転経路を
通過中に搬送ベルトの回転方向が逆転した後でも原稿後
端側の逆方向の搬送力を大幅に軽減させ、回転モーメン
トも小さくして反転部での原稿スキューを小さくする。 【解決手段】 搬送ベルト押さえコロ１２を解除ソレノ
イド２５に連結したレバー２６にＬ字状のアーム２７に
軸支し、レバー２６をピン２８の周りで回転可能に軸支
する。搬送ベルト１０により反転部に搬送された原稿先
端を検知すると、解除ソレノイド２５でレバー２６を移
動させ、アーム２７をピン２８の周りで回転させ、搬送
ベルト押さえコロ１２を搬送ベルト１０の裏面から離
し、加圧を解除させる。反転経路より長い原稿の先端と
後端がコンタクトガラス上で重なる状態でも、搬送ベル
ト１０が原稿上を上スベリするため、原稿が逆方向の搬
送力の影響をほとんど受けなくなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は原稿反転機構を有す
る自動原稿送り装置に関する。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】図１に
原稿反転機構を有する自動原稿送り装置の一例を示す。
この自動原稿送り装置１は、原稿テーブル２、呼び出し
機構をなす呼び出しレバー３、呼び出しコロ４、給紙・
分離機構をなす原稿ストッパ５、分離ベルト６、分離コ
ロ７、プルアウトコロ８、原稿サイズを検知するための
レジスト検知センサ９、原稿搬送機構をなす搬送ベルト
１０、搬送ベルト駆動ローラ１１、複数の搬送ベルト押
さえコロ１２、原稿反転排紙機構をなす反転駆動コロ１
３、ガイドコロ１４、反転ガイド爪１５、排紙駆動コロ
１６、排紙検知センサ１７、そして原稿排紙部１８から
なる。また図中１９は搬送ベルト固定コロ、２０は図示
せぬ画像形成装置側のコンタクトガラス、２１は搬送ベ
ルト従動ローラ、２２、２３は原稿反転排紙機構のピン
チコロである。

【０００３】この装置では、まず、原稿テーブル２に表
面を上向きに原稿あるいは原稿束をセットし、原稿スト
ッパ５へ原稿あるいは原稿束の先端を突き当てると、図
示せぬ原稿セット検知フィラーが押されて原稿セットを
検知する。次に図示せぬスタートキーを押すと、これも
図示せぬ呼び出しソレノイドの動作によって原稿ストッ
パ５が上がり、呼び出しレバー３が原稿を押しつける。

【０００４】その後、給紙スタート信号により図示せぬ
給紙モータが回転し、それにより呼び出しコロ４、分離
コロ７、プルアウトコロ８が回転する。原稿テーブル２
上にセットされた原稿は分離ベルト６によって規制さ
れ、最下面の原稿のみコンタクトガラス２０上へと送り
出され、コンタクトガラス２０上での画像読み取りを経
て原稿排紙反転機構へと送り出される。ついで、排紙検
知センサ１７によるパルス制御により搬送ベルト駆動ロ
ーラ１１を逆転駆動することにより、搬送ベルト１０も
逆方向へ駆動して原稿排紙反転機構を経た原稿を再びコ
ンタクトガラス２０上へ進入させる。

【０００５】この時、図２に示すように原稿排紙反転機
構におけるより反転経路長より長い原稿２２では、コン
タクトガラス２０上で原稿２２の先端側と後端側がすれ
違うような構成になっている。このためコンタクトガラ
ス２０上に残った後端部に対して搬送ベルト１０と搬送
ベルト押さえコロ１２により反転送り方向とは逆の搬送
力を受ける状態が発生し、そのため原稿排紙反転機構の
反転駆動コロ１３の搬送負荷が大きくなる。

【０００６】そこで従来は、原稿排紙反転機構での搬送
力を大きくすることによりスリップを小さくしたり、あ
るいは搬送ベルト１０の押さえコロ１２の加重をできる
限り小さくする等の対応がなされていた。しかしなが
ら、それらの方法は、搬送力を大きくすることにより駆
動系の負荷がさらに増大し、駆動源（モーター）のパワ
ーを大きくしなければならなかったり、搬送ベルト１０
の表面摩擦係数が経時的に低下したり、コンタクトガラ
ス２０上に汚れが付着したりするとコンタクトガラス２
０上での送り不良を発生しやすいという不具合があっ
た。

【０００７】また図３に示すように、この自動原稿送り
装置１が原稿の端面を基準として動作する場合、搬送ベ
ルト１０と反転駆動コロ１３の位置関係から、原稿に回
転モーメントが生じ、原稿排紙反転機構での搬送スキュ
ーの要因のひとつとなっている。即ち、図示の反転駆動
コロ１３の配置では、Ｂ４縦原稿２２Ｂの場合には反転
駆動コロ１３による搬送力Ｐ１と搬送ベルト１０による
逆方向の搬送力（抵抗力）Ｐ４とがバランスしているの
で原稿２２Ｂに回転モーメントが発生せず、搬送スキュ
ーは発生しないが、Ａ３縦原稿２２Ａの場合は、図中斜
線で示す部位に回転モーメントＰ５が発生するため、Ａ
３縦原稿２２Ａは奥側（図では上側）が先行するスキュ
ーが生じる。従来の自動原稿送り装置では、原稿スケー
ル（図示せず）に原稿を突き当てることによりスキュー
を補正するようになってはいるが、スキューした分、原
稿表面と裏面での横レジストズレとしての問題が発生す
る。また、搬送ベルト１０による逆方向の搬送力が大き
い側の反転駆動コロ１３の搬送力を上げて偏らせる（図
で最も下に位置するコロの駆動力Ｐ２を他のコロの駆動
力Ｐ１より大きくする。）方法で対処してもいるが、こ
のような方法では、反転駆動コロ１３のゴムが偏磨耗す
る等して経時的に品質が安定しなかった。

【０００８】そこで本発明は、上記従来の問題点に鑑
み、原稿先端が反転経路を通過中に搬送ベルトの回転方
向が逆転した後でも原稿後端側の逆方向の搬送力を大幅
に軽減させ、負荷を小さくするとともに、回転モーメン
トも小さくして原稿排紙反転機構の反転部での原稿スキ
ューを小さくできる自動原稿送り装置を提供することを
目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明の自動原稿送り装
置のうち請求項１に係るものは、上記目的を達成するた
めに、原稿をコンタクトガラス上へ搬送ベルトにより搬
送する手段と、該ベルト搬送手段の原稿搬送方向上流ま
たは下流に両面原稿を反転して搬送する反転手段を有
し、上記搬送ベルト内側に該搬送ベルトの搬送力を原稿
に与える押さえコロを有するとともに、該押さえコロの
少なくとも１個以上に加圧解除手段を設け、上記反転手
段による原稿の反転経路長が最大サイズの原稿の長さよ
りも短くなっている自動原稿送り装置であって、上記加
圧解除手段による上記押さえコロの加圧解除を、原稿反
転時に上記原稿が上記反転手段内の送りローラに挟持さ
れている間としてなることを特徴とする。

【００１０】同請求項２に係るものは、上記加圧解除手
段を、上記最大サイズの原稿の先端が上記反転装置内の
送りローラに挟持されたときに上記コンタクトガラス上
に残っている部分、あるいは上記原稿の後端が上記反転
装置内の送りローラに挟持され上記コンタクトガラス上
に再度進入した部分のどちらか長い方の部分に対して位
置する押さえコロ、または上記原稿の上部に位置する押
さえコロについて全て設けたことを特徴とする。

【００１１】同請求項３に係るものは、上記原稿の幅が
上記反転部の幅より狭いサイズの時は上記加圧解除機構
を動作させないことを特徴とする。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面を
参照して説明する。なお以下では従来と共通する部分に
は共通する符号を付して説明する。また必要に応じて図
１に示す部分をも参照して説明する。

【００１３】図４は本発明に係る自動原稿送り装置の一
実施形態の要部である搬送ベルト押さえコロ１２の加圧
解除機構を概念的に示す側面図、図５は、本発明に係る
自動原稿送り装置の一実施形態における原稿反転時のタ
イミングチャート図である。本実施形態では、搬送ベル
ト１０による原稿の搬送を確実にするため、搬送ベルト
押さえコロ１２を、最小原稿サイズの送り方向の長さよ
り短い間隔で配置してある。また各搬送ベルト押さえコ
ロ１２は、一端をバネ２４等で可動に保持するとともに
他端を解除ソレノイド２５に連結したレバー２６に取り
付けたＬ字状のアーム２７に回転可能に軸支してある。
レバー２６はピン２８の周りで回転可能に軸支してあ
る。なお加圧解除機構については従来公知の機構が種々
存在しているので、図示の例のものに限定されず、種々
採用可能である。

【００１４】このため、搬送ベルト１０により反転部に
搬送された原稿が反転駆動コロ１３とピンチコロ２２に
挟持され、排紙検知センサ１７が原稿先端を検知する
と、解除ソレノイド２５がＯＮすることによりレバー２
６が図中右方へ引かれ、それによりアーム２７がピン２
８を支点に回転する。すると、搬送ベルト押さえコロ１
２が搬送ベルト１０の裏面から離れ、加圧が解除され
る。本実施形態においては、最大サイズの原稿の先端が
反転部内の反転駆動ローラ１３に挟持されたときにコン
タクトガラス２０上に残っている部分、あるいは原稿の
後端が反転駆動ローラ１３に挟持されコンタクトガラス
２０上に再度進入した部分のどちらか長い方の部分に対
して位置するもの、という条件を満たす原稿反転排紙機
構側の３個の搬送ベルト押さえコロ１２について上述の
機構を適用し、同時に解除できる構成としてある。

【００１５】また、上述の搬送ベルト押さえコロ１２の
加圧解除と同時に、図示せぬ反転ソレノイドがＯＮし、
反転ガイド爪１５が動作し、原稿は反転ガイド爪１５の
下側を通過し、反転駆動コロ１３とピンチコロ２３に挟
持され、再び搬送ベルト従動ローラ２１側からコンタク
トガラス２０上へ進入する。搬送ベルト１０は、排紙検
知センサ１７によるパルス制御により搬送ベルト駆動ロ
ーラ１１を逆転駆動することによって原稿先端を進入さ
せる。この時、既述のように反転経路より長い原稿では
コンタクトガラス２０上に残った原稿後端部に搬送ベル
ト１０と搬送ベルト押さえコロ１２により送り方向とは
逆の搬送力を受けることになり得るが、本実施形態では
この状態で反転搬送に寄与し得る搬送ベルト押さえコロ
１２の加圧を上述のように解除しているので、搬送ベル
ト１０が原稿上を上スベリする状態になる。このため原
稿は逆方向の搬送力の影響をほとんど受けなくなる。但
し、反転部での反転経路長より短い原稿についてはもと
もと上述した重なり合いによる影響はないので搬送ベル
ト押さえコロ１２の加圧解除機構は動作させない。

【００１６】次に原稿の後端を排紙検知センサ１７が検
知すると、解除ソレノイド２５がＯＦＦとなり、再び搬
送ベルト押さえコロ１２が下降することにより、反転駆
動コロ１３とピンチコロ２３の間を原稿の後端が抜ける
時には、コンタクトガラス２０上の原稿に確実な搬送力
が与えられており、その後、原稿が所定の位置に停止す
る。するとまず裏面が露光され、再び同様の経路を通過
し、再びコンタクトガラス２０の所定の位置に停止して
表面が露光され、今度は、反転駆動コロ１３、反転ガイ
ド爪１５の上側を通り、排紙駆動コロ１６を経て原稿排
紙部１８上に排紙される。以降同様の動作が繰り返され
る。

【００１７】なお本実施形態では、複数個の搬送ベルト
押さえコロ１２を同時に加圧を解除する形態を図示、説
明したが、本発明はこれに限定されず、例えば最も原稿
反転排紙機構側の搬送ベルト押さえコロ１個についての
み上述の加圧解除を行ってもよいし、すべての搬送ベル
ト押さえコロ１２の加圧を解除できるようにしてもよ
い。

【００１８】

【発明の効果】請求項１に係る自動原稿送り装置は、以
上説明してきたように、原稿が反転手段内の送りローラ
に挟持されている間に加圧解除手段による搬送ベルトの
押さえコロの加圧解除を行うようにしたので、原稿先端
が反転経路を通過中に搬送ベルトの回転方向が変化した
後でも、原稿後端側の逆方向の搬送力は大幅に軽減さ
れ、回転駆動系に掛かる負荷が小さくなるという効果が
ある。また回転モーメントも小さくなるので、原稿のス
キューも小さくなり、両面コピー等において大幅な品質
向上が図れるという効果がある。

【００１９】請求項２に係る自動原稿送り装置は、以上
説明してきたように、最大サイズの原稿の先端が反転装
置内の送りローラに挟持されたときにコンタクトガラス
上に残っている部分、あるいは原稿の後端が反転装置内
の送りローラに挟持されコンタクトガラス上に再度進入
した部分のどちらか長い方の部分に対して位置する押さ
えコロ、または原稿の上部に位置する押さえコロについ
て全て加圧解除手段を設けるようにしたので、上記共通
の効果に加え、すべてのサイズの原稿に対しても搬送ベ
ルトの搬送力による不具合発生を軽減することができる
という効果がある。

【００２０】請求項３に係る自動原稿送り装置は、以上
説明してきたように、原稿の幅が反転部の幅より狭いサ
イズの時は加圧解除機構を動作させないようにしたの
で、上記共通の効果に加え、加圧解除機構の動作に伴う
電力消費や駆動音を抑えることができるという効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】原稿反転機構を有する従来の自動原稿送り装置
の一例を示す断面図である。

【図２】図１の自動原稿送り装置における原稿反転機構
近傍での原稿の重なりを示す概念的断面図である。

【図３】同原稿のスキュー発生が考えられる状態を示す
平面図である。

【図４】本発明に係る自動原稿送り装置の一実施形態の
要部である搬送ベルト押さえコロの加圧解除機構を概念
的に示す側面図である。

【図５】本発明に係る自動原稿送り装置の一実施形態に
おける原稿反転時のタイミングチャート図である。

【符号の説明】

１ 自動原稿送り装置 ２ 原稿テーブル ３ 呼び出しレバー ４ 呼び出しコロ ５ 原稿ストッパ ６ 分離ベルト ７ 分離コロ ８ プルアウトコロ ９ レジスト検知センサ １０ 搬送ベルト １１ 搬送ベルト駆動ローラ １２ 搬送ベルト押さえコロ １３ 反転駆動コロ １４ ガイドコロ １５ 反転ガイド爪 １６ 排紙駆動コロ １７ 排紙検知センサ １８ 原稿排紙部 １９ 搬送ベルト固定コロ ２０ コンタクトガラス ２１ 搬送ベルト従動ローラ ２２、２３ ピンチコロ ２４ バネ ２５ 解除ソレノイド ２６ レバー ２７ アーム ２８ ピン

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 原稿をコンタクトガラス上へ搬送ベルト
   により搬送する手段と、該ベルト搬送手段の原稿搬送方
   向上流または下流に両面原稿を反転して搬送する反転手
   段を有し、上記搬送ベルト内側に該搬送ベルトの搬送力
   を原稿に与える押さえコロを有するとともに、該押さえ
   コロの少なくとも１個以上に加圧解除手段を設け、上記
   反転手段による原稿の反転経路長が最大サイズの原稿の
   長さよりも短くなっている自動原稿送り装置であって、
   上記加圧解除手段による上記押さえコロの加圧解除を、
   原稿反転時に上記原稿が上記反転手段内の送りローラに
   挟持されている間としてなることを特徴とする自動原稿
   送り装置。
2. 【請求項２】 上記加圧解除手段を、上記最大サイズの
   原稿の先端が上記反転装置内の送りローラに挟持された
   ときに上記コンタクトガラス上に残っている部分、ある
   いは上記原稿の後端が上記反転装置内の送りローラに挟
   持され上記コンタクトガラス上に再度進入した部分のど
   ちらか長い方の部分に対して位置する押さえコロ、また
   は上記原稿の上部に位置する押さえコロについて全て設
   けたことを特徴とする請求項１の自動原稿送り装置。
3. 【請求項３】 上記原稿の幅が上記反転部の幅より狭い
   サイズの時は上記加圧解除機構を動作させないことを特
   徴とする請求項１または２の自動原稿送り装置。