JPH11165494A - 塗布具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 狭い場所でも広い場所でも容易に塗り分ける
ことのできる塗布具を安価に提供可能とする。 【構成】 一つの容器の先端部に複数の塗布先端部を備
えて成る塗布具に於いて、先軸先方に一体に複数箇所で
径の異なる先端ボールを有したボールペンのチップ部を
突設し、その先軸の後方に塗布液が充填された可撓性の
ある容器が接合され、それぞれのチップ部は先端ボール
がチップ部先端のボール抱持部の内縁に密接するように
先端ボールの背面にバネ圧が付与されてなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、紙面等に記載された文
字等を隠蔽して消去する修正用の塗布液などが充填され
て成る塗布具に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、一つの容器の先端部に複数の塗布
先端部を備えて成る塗布具が公知である。又、塗布先端
部がボールペンのチップであり、先端ボールがチップ部
先端のボール抱持部の内縁に密接するように先端ボール
の背面をスプリングで押圧するようになしたものが公知
である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記公知例の塗布具
は、それぞれ独立したチップが先軸の先方に止着される
ものであり、又、チップの内孔部にスプリングが内挿さ
れてなるものである。従って、チップの加工やチップを
先軸に止着する手間がかかりコスト高となる問題があ
る。又、高粘度の塗布液や金属フィラーを含む塗布液な
どが使用される場合にチップにスプリングが内挿される
ことによって塗布液との吐出が阻害される問題が存在す
る。本願は上記問題の解決を課題とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本願は上記課題を達成す
る為に以下の構成を有する。先ず、請求項１に記載の発
明に係る塗布具は、一つの容器の先端部に複数の塗布先
端部を備えて成る塗布具に於いて、先軸先方に一体に複
数箇所で径の異なる先端ボールを有したボールペンのチ
ップ部を突設し、その先軸の後方に塗布液が充填された
可撓性のある容器が接合され、それぞれのチップ部は先
端ボールがチップ部先端のボール抱持部の内縁に密接す
るように先端ボールの背面にバネ圧が付与されてなる。

【０００５】請求項２に記載の発明に係る塗布具は、請
求項１に記載の塗布具に於いて、チップ部で、先端ボー
ルの背面に筆圧が係った時に当接するボール受け座と先
端ボールがボール抱持部の内縁に密接するように先端ボ
ールの背面を押圧するバネ座が所要箇所に配設され、そ
の配設されたボール受け座とバネ座との間にチップ後端
から先端ボールに塗布液を供給可能とする液流入溝が形
成されてなる。

【０００６】

【実施例】以下、図面に基づき実施例について説明す
る。先ず図１に示すように、塗布具は塗布液８を直に内
部に収容する円筒形の容器１と、その容器１の先端部に
２箇所のボールペンのチップ部が突設された先軸２が螺
着されて成る。

【０００７】先軸２は、先方に２箇所のチップ部３、６
が突設された一体の樹脂成型品で、そのチップ部３、６
の先端には径の異なる先端ボール５、７が設けられてい
る。又、容器１は少なくとも側面の一部が薄肉となされ
た可撓性のある樹脂製の筒体である。尚、ボールペンの
チップ部は３箇所以上設けることも可能であるし、容器
も円筒形に限定されるものではない。又、容器が円筒形
でない場合には先軸との接合は圧着や溶着等でなされ
る。

【０００８】次に、チップ部３と６について説明する。
チップ部３と６は基本的には同じ構成なので以下チップ
部３について説明する。図２及び図３に示すようにチッ
プ部３は、塗布液が流入可能なチャンネル４を有した座
に先端ボール５が略当接した状態で、先端ボール５が回
転自在に抱持されるようカシメられている。（ボール抱
持部３ａ） 更に、チャンネル部４に付いて詳説すると、チップ部３
で先端ボール５の背面に、筆圧が係った時に当接するボ
ール受け座４ａと先端ボール５がボール抱持部３ａの内
縁に密接するように先端ボール５の背面を押圧するバネ
座４ｂが放射状で交互に配設され、その配設されたボー
ル受け座４ａとバネ座４ｂとの間にチップ部３の後端か
ら先端ボール５に塗布液を供給可能とする液流入溝４ｃ
が形成されている。

【０００９】又、公知例で、チップの内孔にスプリング
を内装してその先端で先端ボールを押圧するものやスプ
リングの前面に先端ボールの背面を押圧する棒軸部を有
したコマを介在させるものが存在するが、それら公知例
に対して当該実施例によればスプリングやコマ等の部材
が省略され、複数箇所のチップ部が先軸と一体の樹脂成
型品で形成可能となるのでコスト的に極めて優位とな
る。又、塗布液が高粘度であったり金属フィラーを含む
場合、スプリング等の介在で塗布液の流動が阻害される
可能性があるが、その場合でも当該実施例は優位とな
る。又、先軸はバネ性、耐磨耗性、塗布液のシール性能
に優れた樹脂成型品とし、チップ部に於いては先端ボー
ルとボール抱持部内面の密接精度を上げることが望まし
い。

【００１０】又、図４及び図５はチップ部の他の実施形
態を示している。図に示すようにチップ部１０は、塗布
液が流入可能なチャンネル部材１１を固定して、その座
に先端ボール１２が略当接した状態で先端ボール１２が
回転自在に抱持されるようカシメられている。（ボール
抱持部１０ａ） チャンネル部材１１に付いて詳説すると、チップ部１０
で先端ボール１２の背面に位置して固定されたチャンネ
ル部材１１には、筆圧が係った時に当接するボール受け
座１１ａと先端ボール１２がボール抱持部１０ａの内縁
に密接するように先端ボール１２の背面を押圧するバネ
座１１ｂが放射状で交互に配設され、その配設されたボ
ール受け座１１ａとバネ座１１ｂとの間にチップ部１０
の後端から先端ボール１２に塗布液を供給可能とする液
流入溝１１ｃが形成されている。尚、チャンネル部材１
１は樹脂製又は金属製で形成される。又、この場合には
チャンネル部材１１を別体に設けているのでバネ性、耐
磨耗性に優れた材質を選定することが容易となる利点が
ある。

【００１１】

【作用】次に、実施例の作用を以下に説明する。実施例
の塗布具は、異なる径の先端ボールを有した２箇所のチ
ップ部を備えているので、一方を大径の先端ボール５を
有したチップ部３、他方を小径の先端ボール７を有した
チップ部６と成すことで広い場所を塗布する場合はチッ
プ部３を狭い場所を塗布する場合はチップ部６を使用す
ることによって塗布面積の大小に効率良く対処すること
ができる。

【００１２】又、チップ部３は、バネ座４ｂの押圧で先
端ボール５がボール抱持部３ａの内縁に密接されるので
塗布液の直流や乾燥が防止される。又、筆圧により先端
ボール５が微小に後退するので隙間を生じて塗布液が流
出可能となり隠蔽性のある誤字等の修正が可能となる。

【００１３】

【発明の効果】本発明の構成及び作用は以上の通りであ
り、塗布面積の大小に対応して容易に塗り分けできると
いう便利な塗布具が、従来の塗布具のようにチップの加
工やチップを先軸に止着する手間がかからないので安価
に提供可能となる。又、高粘度の塗布液や金属フィラー
を含む塗布液などが使用される場合に、従来のチップに
スプリングが内挿されることによって塗布液との吐出が
阻害される問題が解決可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例の塗布具の全体を示す縦断面図である。

【図２】チップ部を拡大した断面図である。

【図３】図２のチャンネルのやや前方で断面した図を示
している。

【図４】他の実施形態であるチップ部を拡大した断面図
である。

【図５】図４のチャンネル部材のやや前方で断面した図
を示している。

【符号の説明】

１ 容器 ２ 先軸 ３ チップ部 ３ａ ボール抱持部 ４ チャンネル ４ａ ボール受け座 ４ｂ バネ座 ４ｃ 液流入溝 ５ 先端ボール ６ チップ部 ７ 先端ボール ８ 塗布液 ９ 撹拌ボール １０ チップ部 １０ａ ボール抱持部 １１ チャンネル部材 １１ａ ボール受け座 １１ｂ バネ座 １１ｃ 液流入溝 １２ 先端ボール

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 一つの容器の先端部に複数の塗布先端部
   を備えて成る塗布具に於いて、先軸先方に一体に複数箇
   所で径の異なる先端ボールを有したボールペンのチップ
   部を突設し、その先軸の後方に塗布液が充填された可撓
   性のある容器が接合され、それぞれのチップ部は先端ボ
   ールがチップ部先端のボール抱持部の内縁に密接するよ
   うに先端ボールの背面にバネ圧が付与されてなることを
   特徴とする塗布具。
2. 【請求項２】 チップ部で、先端ボールの背面に筆圧が
   係った時に当接するボール受け座と先端ボールがボール
   抱持部の内縁に密接するように先端ボールの背面を押圧
   するバネ座が所要箇所に配設され、その配設されたボー
   ル受け座とバネ座との間にチップ後端から先端ボールに
   塗布液を供給可能とする液流入溝が形成されたことを特
   徴とする請求項１に記載の塗布具。