JPH11165453A - 画像処理装置及びその動作タイミング制御方法 - Google Patents

画像処理装置及びその動作タイミング制御方法

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JPH11165453A
JPH11165453A JP9348691A JP34869197A JPH11165453A JP H11165453 A JPH11165453 A JP H11165453A JP 9348691 A JP9348691 A JP 9348691A JP 34869197 A JP34869197 A JP 34869197A JP H11165453 A JPH11165453 A JP H11165453A
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JP9348691A
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Hiroyoshi Yoshida
廣義 吉田
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コマンド・ステータスとデータ量の多いカラ
ー画像等とを一つのシリアルバスを用いて転送すること
ができるとともに、複数のジョブの混み合った場合であ
っても高速にかつ確実に動作できる画像処理装置及びそ
の動作タイミング制御方法を提供する。 【解決手段】 給紙タイミングWdからあとに要する時
間は一定値(D+R)であるから、この給紙タイミング
Wdを、画像転送完了予測時間Tdに合わせてディレイ
タイムXを設定することにより動的に変更する。理想的
な給紙タイミングWsまでのディレイXは、X=Ts×
{(J×N)/C−1}で表される。すなわち、1サイ
クル内の最大チャネルC、システムで同時に実行される
ジョブ数J、注目するジョブが1サイクル内に必要とす
るチャネル数が判れば、理想的な給紙タイミングWsか
らディレイタイムXを考慮して動的な給紙タイミングW
dを取得することができる。この用紙先行給紙タイミン
グWdを用いて先行給紙すれば、不完全な画像の印刷出
力を防止することが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高速シリアルバス
を介して、複数のモジュール間で画像データ及びコマン
ド・ステータスの転送を行う画像処理装置及びその動作
タイミング制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、シリアルバスを介して画像処
理装置内のモジュール間又は複数の装置間のコマンド・
ステータスの転送を行う様々なシステムが知られてい
る。
【0003】また、情報量の少ない白黒二値の画像デー
タ等の転送においては、シリアルバスを介して画像デー
タ及びコマンド・ステータスの転送を行う画像処理装置
が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、データ
量の多いカラー画像を転送する場合等を考慮すると、従
来のシリアルバスによる転送は非常に長時間を要するた
め、実用的ではなかった。
【0005】これは、シリアルバスの転送速度の高速化
によってある程度は解決可能であるが、複写機のような
リアルタイム性を要求される画像処理装置の場合は、不
定期に発生するコマンド・ステータスの転送が画像デー
タの転送に割り込むようになるため、画像転送完了時刻
を保証することができないシリアルバス通信を利用する
ことは困難であり、従って、画像転送専用のパラレルパ
スを使わざるを得ないという問題点があった。
【0006】一方、複写機等の一般にオフィスで使用さ
れる製品に対する、占有体積低減の要求は強く、また、
機能向上により、これらの一般的なオフィス製品内部に
画像通信専用のパラレルバスを引き回す余裕がなくなっ
てきている。
【0007】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたもので、コマンド・ステータスとデータ量の多い
カラー画像等とを一つのシリアルバスを用いて転送する
ことができるとともに、複数のジョブの混み合った場合
であっても高速にかつ確実に動作できる画像処理装置及
びその動作タイミング制御方法を提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の画像処理装置は、複数のモジュール間
を、所定数のチャネルに割り当てられる少なくとも一つ
のアイソクロナスパケットと少なくとも1つのアシンク
ロナスパケットとを1転送サイクル内に混在して順次転
送可能な高速シリアルバスにより接続し、前記複数のモ
ジュール間における画像データ転送には前記アイソクロ
ナスパケットを割り当てるとともに前記複数のモジュー
ル間におけるコマンド・ステータス転送にはアシンクロ
ナスパケットを割り当てることにより前記複数のモジュ
ール間の画像データ転送を行う画像処理装置において、
転送サイクル毎に前記画像データ転送を含むジョブを実
行するために必要なチャネル数を確保できるか否かを判
別する判別手段と、前記判別手段により前記ジョブを実
行するために必要なチャネル数を確保できないと判別さ
れた場合に、当該ジョブに含まれる画像データ転送の完
了に要する時間の遅延時間を予測する遅延時間予測手段
と、前記遅延時間予測手段により予測された遅延時間に
応じて、前記画像データ転送先のモジュールの動作タイ
ミングを動的に変更する変更手段とを備えることを特徴
とする。
【0009】請求項2の画像処理装置は、上記請求項1
記載の画像処理装置において、前記高速シリアルバス
は、IEEE1394規格に適合したシリアルバスであ
ることを特徴とする。
【0010】請求項3の画像処理装置は、上記請求項1
又は2記載の画像処理装置において、前記複数のモジュ
ールは、原稿上の画像データを読み取る画像読取手段
と、前記画像読取手段により読み取られた画像データを
出力する画像出力手段とを含むことを特徴とする。
【0011】請求項4の画像処理装置は、上記請求項1
又は2記載の画像処理装置において、前記複数のモジュ
ールは、前記高速シリアルバスを介して転送された画像
データを出力する画像出力手段を含むことを特徴とす
る。
【0012】請求項5の画像処理装置は、上記請求項3
又は4に記載の画像処理装置において、前記動作タイミ
ングは、前記画像出力手段が画像を出力する出力メディ
アの供給タイミングであることを特徴とする。
【0013】請求項6の画像処理装置は、上記請求項3
〜5のいずれか1項に記載の画像処理装置において、前
記動作タイミングは、前記画像出力手段による画像の出
力タイミングであることを特徴とする。
【0014】請求項7の画像処理装置は、上記請求項1
〜6のいずれか1項に記載の画像処理装置において、
複数の、画像データ転送を含むジョブが発生した場合
は、前記複数のジョブにそれぞれ異なるチャネルを割り
当てることを特徴とする。
【0015】請求項8の画像処理装置は、上記請求項1
〜7のいずれか1項に記載の画像処理装置において、前
記アイソクロナスパケットに割り当てられるチャネルの
前記所定数を、前記複数のモジュールの処理速度に応じ
て変更する変更手段を備えることを特徴とする。
【0016】請求項9の画像処理装置は、上記請求項1
〜8のいずれか1項に記載の画像処理装置において、前
記複数のモジュールは、互いに処理速度の異なるモジュ
ールを含み、前記高速シリアルバスは、前記互いに処理
速度の異なるモジュール間で画像データ転送を行う場合
は前記処理速度の遅いモジュールの処理速度に合わせた
画像データ転送を行うように構成されていることを特徴
とする。
【0017】請求項10の画像処理装置の動作タイミン
グ制御方法は、複数のモジュール間を、所定数のチャネ
ルに割り当てられる少なくとも一つのアイソクロナスパ
ケットと少なくとも1つのアシンクロナスパケットとを
1転送サイクル内に混在して順次転送可能な高速シリア
ルバスにより接続し、前記複数のモジュール間における
画像データ転送には前記アイソクロナスパケットを割り
当てるとともに前記複数のモジュール間におけるコマン
ド・ステータス転送にはアシンクロナスパケットを割り
当てることにより前記複数のモジュール間の画像データ
転送を行う画像処理装置の動作タイミング制御方法にお
いて、転送サイクル毎に前記画像データ転送を含むジョ
ブを実行するために必要なチャネル数を確保できるか否
かを判別し、前記ジョブを実行するために必要なチャネ
ル数を確保できないと判別された場合に、当該ジョブに
含まれる画像データ転送の完了に要する時間の遅延時間
を予測し、前記予測された遅延時間に応じて、前記画像
データ転送先のモジュールの動作タイミングを動的に変
更することを特徴とする。
【0018】請求項11の画像処理装置の動作タイミン
グ制御方法は、上記請求項1記載の動作タイミング制御
方法において、前記高速シリアルバスは、IEEE13
94規格に適合したシリアルバスであることを特徴とす
る。
【0019】請求項12の画像処理装置の動作タイミン
グ制御方法は、上記請求項10又は11記載の動作タイ
ミング制御方法において、前記動作タイミングは、画像
を出力する画像出力手段に対する出力メディアの供給タ
イミングであることを特徴とする。
【0020】請求項13の画像処理装置の動作タイミン
グ制御方法は、上記請求項10〜12のいずれか1項に
記載の動作タイミング制御方法において、前記動作タイ
ミングは、前記画像出力手段による画像の出力タイミン
グであることを特徴とする。
【0021】請求項14の画像処理装置の動作タイミン
グ制御方法は、上記請求項10〜13のいずれか1項に
記載の動作タイミング制御方法において、複数の、画像
データ転送を含むジョブが発生した場合は、前記複数の
ジョブにそれぞれ異なるチャネルを割り当てることを特
徴とする。
【0022】請求項15の画像処理装置の動作タイミン
グ制御方法は、上記請求項10〜14のいずれか1項に
記載の動作タイミング制御方法において、前記アイソク
ロナスパケットに割り当てられるチャネルの前記所定数
を、前記複数のモジュールの処理速度に応じて変更する
ことを特徴とする。
【0023】請求項16の画像処理装置の動作タイミン
グ制御方法は、上記請求項10〜15のいずれか1項に
記載の動作タイミング制御方法において、前記複数のモ
ジュールは、互いに処理速度の異なるモジュールを含
み、前記互いに処理速度の異なるモジュール間で画像デ
ータ転送を行う場合は、前記処理速度の遅いモジュール
の処理速度に合わせた画像データ転送を行うことを特徴
とする。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態を、
図面を参照して説明する。
【0025】本実施の形態では、画像処理装置と他の複
数の機器とを接続するディジタルインターフェースとし
て、IEEE1394−1995(以下、単に1394
シリアルバスという)を採用することを特徴としてい
る。
【0026】ここで、1394シリアルバスについて説
明する。近年、民生用デジタルVCRやDVDプレーヤ
の登場に伴って、ビデオデータやオーディオデータ等を
リアルタイムで且つ高情報量のデータ転送のサポートが
必要となってきている。このような要求に応えるために
は、ビデオデータやオーディオデータ等をリアルタイム
で転送し、パーソナルコンピュータに取り込んだり、又
はその他のディジタル機器に転送を行うには、必要な転
送機能を備えた高速データ転送可能なインターエースが
必要となる。1394シリアルバスは、かかる観点から
開発されたインターフェースである。
【0027】図1は、1394シリアルバスを用いて構
成されるネットワークシステムの一例を示す説明図であ
る。
【0028】このネットワークシステムは、ディジタル
機器A〜Hを備えており、A−B間、A−C間、B−D
間、D−E間、C−F間、C−G間及びC−H間をそれ
ぞれ1394シリアルバスのツイストペアケーブルで接
続して構成される。これらのディジタル機器A〜Hは、
例えばパーソナルコンピュータ、ディジタルVTR、D
VDプレーヤ、ディジタルカメラ、ハードディスク、モ
ニタ、チューナ等により構成される。
【0029】各ディジタル機器A〜H間の接続方式は、
ディジーチェーン方式とノード分岐方式とを混在可能と
したものであり、自由度の高い接続が可能である。
【0030】また、各ディジタル機器A〜Hは、各自固
有のIDを有しており、それぞれが互いに認識しあうこ
とによって、1394シリアルバスで接続された範囲に
おいて、1つのネットワークを構成している。各ディジ
タル機器A〜Hをそれぞれ1本の1394シリアルバス
ケーブルで順次接続するだけで、それぞれの機器が中継
の役割を担い、全体として1つのネットワークを構成す
る。また、1394シリアルバスは、「Plug&Pl
ay機能」、すなわち、ケーブルをその機器に接続した
時点で自動的に機器の認識や接続状況等を認識する機能
を有している。
【0031】又、1394シリアルバスは、図1に示し
たようなシステムにおいて、ネットワークからある機器
が削除されたり、又は新たな機器がネットワークに追加
されたとき等は、自動的にバスリセットを行い、それま
でのネットワーク機能をリセットしてから新たなネット
ワークの再構築を行う。このような機能によって、ネッ
トワークの構成を常時設定し、認識することが可能とな
る。
【0032】また、データ転送速度は、100Mbp
s、200Mbps、及び400Mbpsを備えてお
り、上位の転送速度を有する機器が、下位の転送速度を
サポートし、互換を取るようにされている。
【0033】データ転送モードとしては、コントロール
信号等の非同期データ(アシンクロナスデータ)を転送
するアシンクロナス転送モードと、リアルタイムなビデ
オデータやオーディオデータ等の同期データ(アイソク
ロナスデータ)を転送するアイソクロナス転送モードと
がある。アシンクロナスデータ及びアイソクロナスデー
タは、各サイクル(通常1サイクル125マイクロ秒で
ある)の中において、サイクル開始を示すサイクルスタ
ートパケット(以下、「CSP」という)を転送した後
に、アイソクロナスデータの転送をアシンクロナスデー
タの転送より優先しつつ、サイクル内で混在して転送さ
れる。
【0034】図2は、1394シリアルバスの構成を示
す説明図である。
【0035】同図に示すように、1394シリアルバス
は階層(レイヤ)構造からなる。1394シリアルバス
は、ケーブルのコネクタが接続されるコネクタポートの
上にハードウエア部としてのフィジカル・レイヤとリン
ク・レイヤとが位置づけられている。
【0036】ハードウエア部は、実質的なインターフェ
ースチップの部分であり、そのうちフィジカル・レイヤ
は符号化やコネクタ関連の制御等を行い、リンク・レイ
ヤはパケット転送やサイクルタイムの制御等を行う。
【0037】ファームウエア部のトランザクション・レ
イヤは、転送(トランザクション)すべきデータの管理
を行い、Read、Write、Lockの命令を出す
ものである。マネージメント・レイヤは接続されている
各機器の接続状況やIDの管理を行い、ネットワークの
構成を管理する。
【0038】このハードウエアとファームウエアまで
が、実質上の1394シリアルバスの構成である。
【0039】また、ソフトウエア部のアプリケーション
・レイヤは使用するソフトウエアによって異なり、イン
ターフェース上にどのようにデータをのせるか規定する
ものであり、例えば、プリンタやAVCプロトコル等が
規定されている。
【0040】以上が1394シリアルバスの構成であ
る。
【0041】図3は、1394シリアルバスにおけるア
ドレス空間を示す図である。1394シリアルバスに接
続された各機器(ノード)には、必ず各ノード固有の、
64ビットアドレスを持たせておく。そして、このアド
レスをROMに格納しておくことにより、自機や通信相
手機器のノードアドレスを常時認識でき、通信相手先を
指定した通信もおこなうことができる。
【0042】1394シリアルバスのアドレッシング
は、IEEE1212規格に準じた方式であり、アドレ
ス設定は、最初の10ビットがバスの番号の指定用に、
次の6ビットがノードID番号の指定用に使用される。
又、残りの4ビットは機器に与えられているアドレス幅
になり、それぞれ固有のアドレス空間として使用するこ
とができる。最後の28ビットは、固有データの領域と
して、各機器の識別や使用条件等の所定の情報が格納さ
れる。
【0043】以上が1394シリアルバスの技術の概要
である。
【0044】つぎに、1394シリアルバスの特徴とい
える技術について、より詳細に説明する。
【0045】図4は、1394シリアルバス・ケーブル
の電気的仕様について説明するためのケーブル断面図で
ある。
【0046】同図に示すように、1394シリアルバス
は、接続ケーブル内に6ピン、即ち信号線シールドされ
た2組のツイストペア信号線の他に、電源ラインが設け
られている。これにより、電源を有していない機器や、
故障により電圧低下した機器等にも電力の供給が可能と
なっている。
【0047】電源ライン内を流れる電源電圧は8〜40
V、最大電流はDC1.5Aと規定されている。なお、
DVケーブルと呼ばれる規格では、電源を省いた4ピン
で構成される。
【0048】次に、DS(Data/Strobe)−
Link符号化について説明する。図5は、1394シ
リアルバスで採用されているデータ転送フォーマットで
あるDS−Link符号化方式を説明するための説明図
である。
【0049】DS−Link符号化方式は、高速なシリ
アルデータ通信に適した方式であり、その構成は2本の
信号線を必要とする。より対線のうち1本に主となるデ
ータが送られ、他方のより対線にストローブ信号が送ら
れるように構成される。受信側では、この通信されるデ
ータと、ストローブ信号との排他的論理和をとることに
より、クロックが再現される。
【0050】このDS−Link符号化方式を用いるメ
リットとして、8/10B変換に比較して転送効率が高
いこと、PLL回路が不要となるのでコントローラLS
Iの回路規模を小さくできること、転送すべきデータが
ない場合にはアイドル状態であることを示す情報を送る
必要がないので各機器のトランシーバ回路をスリープ状
態にすることができ、これにより消費電力の低減を図る
ことが出来ること、等を挙げることが出来る。
【0051】つぎに、バスリセットのシーケンスについ
て説明する。1394シリアルバスでは、接続されてい
る各機器(ノード)にはノードIDが与えられ、ネット
ワーク構成として認識されている。
【0052】このネットワーク構成に変化があったと
き、例えばノードの挿抜や電源のON/OFFなどによ
るノード数の増減などによって変化が生じて、新たなネ
ットワーク構成を認識する必要がある場合は、変化を検
知した各ノードがバス上にバスリセット信号を送出し、
これにより新たなネットワーク構成を認識するモードが
実行される。
【0053】このときの各ノードの検知方法は、139
4ボート基板上でのバイアス電圧の変化を検知すること
によって行われる。すなわち、あるノードからバスリセ
ット信号を受けると同時に、リンクレイヤにバスリセッ
トの発生を伝達し、かつ他のノードにバスリセット信号
を送出することが繰り返され、最終的に全てのノードに
よりバスリセット信号が検知された後、バスリセットが
起動される。
【0054】バスリセットは、先に述べたようなケーブ
ル抜挿やネットワーク異常等のハード検出によって起動
することができ、また、プロトコルからのホスト制御等
からフィジカルレイヤに直接命令を出すことによっても
起動する。
【0055】また、バスリセットが起動すると、データ
転送は一時中断され、この間のデータ転送は待たされ、
終了後、新しいネットワーク構成のもとで再開される。
【0056】図6は、実際のネットワークにおけるノー
ドID決定動作を模式的に示す説明図である。
【0057】ここで、(ルート)ノードBの下位にはノ
ードAとノードCとが直接接続され、更にノードCの下
位にはノードDが直接接続され、更にノードDの下位に
はノードEとノードFとが直接接続された階層構造にな
っている。同図中、符号「c」が付されているポートは
「子」のノードに相当するポートであり、符号「p」は
付されているポートは「親」のノードに相当するポート
である。また、2以上のポートにノード接続があるポー
トを「ブランチ」と称し、1つのポートにのみノード接
続があるポートを「リーフ」と称する。
【0058】同図において、バスリセットがされると、
まず各ノードの接続状況を認識するために、各ノードの
直接接続されているポート間において、親子関係の宣言
がなされる。この「親子」とは、階層構造における上位
・下位関係をいい、親側が階層構造において上位であ
り、子側が階層構造において下位である。
【0059】バスリセット後、最初に親子関係の宣言を
行ったのがノードAであるとする。すなわち、基本的に
1つのポートにのみ接続があるノード(リーフ)から親
子関係の宣言を行うことができる。これは、自分には1
ポートの接続のみということをまず知ることができるか
らであり、これによってネットワークの端であることを
自分で認識し、その中でより早く動作を行ったノードか
ら親子関係が決定されていき、親子関係の宣言を行った
側(例えば、A−B間ではノードA)のポートが「子」
と認定され、相手側のポートが「親」と認定される。こ
のようにして、ノードA−B間、ノードE−D間及びノ
ードF−D間で親子関係がそれぞれ「子−親」と決定さ
れる。
【0060】更に1階層上がって、複数個の接続を有す
るノード(ブランチ)のうち、他のノードからの親子関
係の宣言を受けたものから順次、更に上位に親子関係の
宣言が行われる。すなわち、D−E間及びD−F間の親
子関係が決定された後、ノードCに対する親子関係がノ
ードDにおいて宣言され、その結果ノードD−C間の親
子関係は「子−親」と決定される。
【0061】ノードDからの親子関係の宣言を受けたノ
ードCは、もう1つのポートに接続されているノードB
に対して親子関係の宣言を行っている。これによって、
ノードC−B間の親子関係は「子−親」と決定される。
【0062】このようにして、図6のような階層構造が
構成され、最終的に接続されている全てのポートにおい
て親となったノードBが、ルートノードと決定される。
ルートノードとは、1つのネットワーク構成中に一つし
か存在しないものである。
【0063】なお、図6においてノードBがルートノー
ドと決定されたが、例えばノードAから親子関係宣言を
受けたノードBが、他のノードに対して親子関係宣言を
早いタイミングで行っていれば、ルートノードは他のノ
ードに移っていたこともあり得る。すなわち、伝達され
るタイミングによってはどのノードもルートノードとな
る可能性があり、同じネットワーク構成でもルートノー
ドは一定とは限られない。
【0064】ルートノードが決定されると、次は各ノー
ドIDを決定するモードに入る。ここでは、全てのノー
ドが、決定された自分のノードIDを他の全てのノード
に通知する(ブロードキャスト機能)。
【0065】自己ID情報は、自分のノードID番号、
接続されている位置の情報、有しているポート数、接続
のあるポート数、各ポートの親子関係等の情報を含んで
いる。
【0066】ノードID番号の割り振りの手順として、
まず、1つのポートにのみ接続があるノード(リーフ)
から起動することができ、この中から順にノード番号が
「0」、「1」、……と割り振られる。
【0067】ノードID番号が決定されたノードは、そ
のノードID番号を含む情報をブロードキャストで各ノ
ードに送信する。これにより、そのノードID番号は
「割り当て済み」であることが認識される。
【0068】全てのリーフが自己のノードID番号を取
得すると、次はブランチに対して、リーフに引き続いた
ノードID番号が割り当てられる。すなわち、リーフの
場合と同様に、ノードID番号が割り当てられたブラン
チから順次ノードID番号を含む自己ID情報がブロー
ドキャストされ、最後にルートノードの自己ID情報が
ブロードキャストされる。従って、常に、ルートは最大
のノードID番号を所有する。
【0069】以上のようにして、階層構造全体のノード
ID番号の割り当てが終了し、ネットワーク構成の再構
築が行われ、バスの初期化作業が完了する。
【0070】次に、アービトレーションについて説明す
る。
【0071】1394シリアルバスでは、データ転送に
先だって必ずバス使用権のアービトレーション(調停)
が行われる。1394シリアルバスは個別に接続された
各機器が、転送された信号をそれぞれ中継することによ
って、ネットワーク内のすべての機器に同信号を伝える
ように、論理的なバス型ネットワークであるので、パケ
ットの衝突を防ぐ意味でアービトレーションは必要であ
る。これにより、ある時間にはたった一つのノードのみ
転送を行うことができる。
【0072】図7は、アービトレーションを説明するた
めの説明図であり、図7(a)はバス使用権の要求時を
示す図であり、図7(b)はバス使用許可時を示す図で
ある。
【0073】アービトレーションが始まると、1つ若し
くは複数のノードが親ノードに向かって、それぞれバス
使用権の要求を発する。図7(a)のノードCとノード
Fがバス使用権の要求を発しているノードである。ノー
ドFの要求を受けた親ノード(図7においてはノード
A)は、更に親ノード(図7においてはノードB)に向
かってバス使用権の要求を発する(中継する)。この要
求は最終的に調停を行うルートに届けられる。
【0074】バス使用要求を受けたルートノードは、ど
のノードにバスを使用させるかを決定する。この調停作
業はルートノードのみが行えるものであり、調停によっ
て勝ったノードにはバスの使用許可が与えられる。図7
(b)では、ノードCに使用許可が与えられ、ノードF
の使用は拒否されている。
【0075】ルートノードは、アービトレーションに負
けたノードに対しては、DP(DataPrefix) パケット
を送り、拒否されたことを通知する。拒否されたノード
のバス使用要求は、次回のアービトレーションまで待た
されることになる。
【0076】以上のようにしてアービトレーションに勝
ってバスの使用許可を取得したノードは、その後データ
の転送を開始することができる。
【0077】ここで、アシンクロナス(Asynchr
onous;非同期)転送について説明する。
【0078】図8は、アシンクロナス転送における時間
的な遷移状態を示す図である。
【0079】同図において、最初のサブアクション・ギ
ャップは、バスのアイドル状態を示している。このアイ
ドル時間が一定値になった時点で、転送を希望するノー
ドはバスが使用できると判断して、バス使用権取得のた
めのアービトレーションを実行する。
【0080】アービトレーションでバスの使用許可を得
ると、次に、データの転送がパケット形式で実行され
る。データ転送後、受信したノードは転送されたデータ
に対する受信結果の受信確認用返送コード(ACK)を
ACKギャップという短いギャップの後に返送するか、
又は応答パケットを返送することにより、データ転送が
完了する。
【0081】ACKは4ビットの情報と4ビットのチェ
ックサムとからなり、データ転送が成功したか、ビジー
状態であるか、又はペンディング状態であるかを示す情
報を含み、すぐに送信元ノードに返送される。
【0082】図9は、アシンクロナス転送のパケットフ
ォーマットの一例を示す説明図である。
【0083】パケットには、データ部及び誤り訂正用の
データCRCの他にヘッダ部があり、そのヘッダ部には
図9に示したような目的ノードID、ソースノードI
D、転送データ長さや各種コードなどが書き込まれてい
る。
【0084】また、アシンクロナス転送は、自己ノード
から相手ノードへの1対1の通信である。転送元ノード
から送出されたパケットは、ネットワーク中の各ノード
に行き渡るが、自分宛のアドレス以外のパケットは無視
されるので、転送宛先である1つのノードのみがパケッ
トを読み込むことになる。
【0085】次に、アイソクロナス(Isochron
ous;同期)転送について説明する。
【0086】1394シリアルバスの最大の特徴である
ともいえるアイソクロナス転送は、特に映像データや音
声データといったマルチメディアデータなど、リアルタ
イムな転送を必要とするデータの転送に適した転送モー
ドである。
【0087】また、アシンクロナス転送が1対1の転送
であったのに対し、このアイソクロナス転送は、ブロー
ドキャスト転送によって、転送元の1つのノードから他
の全てのノードへ一様に転送される。
【0088】図10は、アイソクロナス転送における時
間的な遷移状態を示す図である。
【0089】アイソクロナス転送は、バス上一定時間毎
に実行される。この時間間隔をアイソクロナスサイクル
と呼ぶ。アイソクロナスサイクル時間は、125マイク
ロ秒である。この各1サイクルの開始時間を示し、各ノ
ードの時間調整を行う役割を担っているのがサイクル・
スタート・パケットである。サイクル・スタート・パケ
ットを送信するのは、サイクル・マスタと呼ばれるノー
ドであり、1つ前のサイクル内の転送終了後、所定のア
イドル期間(サブアクションギャップ)を経た後、本サ
イクルの開始を告げるサイクル・スタート・パケットを
送信する。つまり、このサイクル・スタート・パケット
が送信される時間間隔が125マイクロ秒である。
【0090】また、図10にチャネルA、チャネルB、
チャネルCと示したように、1サイクル内において複数
種のパケットがチャネルIDをそれぞれ与えられること
によって、各パケットを区別して転送することができ
る。これにより同時に複数ノード間でリアルタイムな転
送が可能であり、また、受信するノードでは自分が欲し
いチャネルIDのデータのみを取り込むことができる。
このチャネルIDは送信先のアドレスを表すものではな
く、データに対する論理的な番号を与えているにすぎな
い。よって、あるパケットの送信は1つの送信元ノード
から他の全てのノードに行き渡る、ブロードキャストで
転送されることになる。
【0091】アイソクロナス転送のパケット転送に先だ
って、アシンクロナス転送同様、アービトレーションが
行われる。しかし、アシンクロナス転送のように1対1
の通信ではないので、アイソクロナス転送においてはA
CKが存在しない。
【0092】また、図10に示したアイソクロナス・ギ
ャップ(Iso Gap)とは、アイソクロナス転送を
行う前にバスが空き状態であると認識するために必要な
アイドル期間を表している。この所定のアイドル期間を
経過すると、アイソクロナス転送を行いたいノードはバ
スが空いていると判断して、転送前のアービトレーショ
ンを行う。
【0093】図11は、アイソクロナス転送のパケット
フォーマットの一例を示す説明図である。
【0094】各チャネルに分かれた各種のパケットに
は、それぞれデータ部及び誤り訂正用のデータCRCの
他にヘッダ部があり、そのヘッダ部には図11に示した
ような転送データ長さやチャネルID、その他各種コー
ド及び誤り訂正用のヘッダCRCなどが書き込まれてい
る。
【0095】次に、バス・サイクルについて説明する。
【0096】実際の1394シリアルバス上の転送で
は、アイソクロナス転送と、アシンクロナス転送は混在
できる。図12は、アイソクロナス転送とアシンクロナ
ス転送が混在した場合の、バス上の転送状態の時間的な
遷移の様子を示す図である。
【0097】アイソクロナス転送は、アシンクロナス転
送より優先して実行される。その理由は、サイクル・ス
タート・パケットの後にアシンクロナス転送を起動する
ために必要なアイドル期間のギャップ長(サブアクショ
ン・ギャップ)よりも短いギャップ長(アイソクロナス
・ギャップ)で、アイソクロナス転送が起動されるから
である。従って、アシンクロナス転送より、アイソクロ
ナス転送は優先して実行されることになる。
【0098】図12に示した一般的なバスサイクルにお
いて、m番目のサイクル(サイクル#m)のスタート時
にサイクル・スタート・パケットがサイクルマスタから
各ノードに転送される。これによって、各ノードで時刻
調整が行われ、所定のアイドル期間(アイソクロナス・
ギャップ)を待ってからアイソクロナス転送を行うべき
ノードはアービトレーションを行い、パケット転送に入
る。図12では、チャネルeとチャネルsとチャネルk
とが順にアイソクロナス転送されている。
【0099】このアービトレーションからパケット転送
までの動作を与えられているチャネル分繰り返し行った
後、m番目のサイクル(サイクル#m)におけるアイソ
クロナス転送が全て終了すると、アシンクロナス転送を
行うことができるようになる。また、アイドル時間がア
シンクロナス転送が可能なサブアクション・ギャップに
達することによって、アシンクロナス転送を行いたいノ
ードは、アービトレーションの実行に移ることができる
と判断する。
【0100】ただし、アシンクロナス転送を行うことが
できる期間は、アイソクロナス転送終了後から、次のサ
イクル・スタート・パケットを転送すべき時間(Cyc
leSynch)までの間にアシンクロナス転送を起動
するためのサブアクション・ギャップが得られた場合に
限られる。
【0101】図12のm番目のサイクル(サイクル#
m)では、3つのチャネル分のアイソクロナス転送がま
ず行われ、その後、2パケット(パケット1及びパケッ
ト2)分のアシンクロナス転送(ACKを含む)が行わ
れている。このアシンクロナスパケット2の後は、m+
1番目のサイクル(サイクル#m+1)をスタートすべ
き時間(Cycle Synch)に至るので、m番目
のサイクル(サイクル#m)の転送はここで終了され
る。
【0102】ただし、非同期又は同期転送動作中に次の
サイクル・スタート・パケットを送信すべき時間(Cy
cle Synch)に至ったとしたら、無理に中断せ
ず、その転送が終了した後のアイドル期間を待ってから
次のサイクルのサイクル・スタート・パケットが送信さ
れる。すなわち、1つのサイクルが125マイクロ秒以
上継続したときは、その分次のサイクルは基準の125
マイクロ秒より短縮されることになる。このように、ア
イソクロナス・サイクルは、125マイクロ秒を基準に
超過・短縮しうるものである。
【0103】しかし、アイソクロナス転送は、リアルタ
イム転送を維持するために毎サイクル必要であれば必ず
実行され、アシンクロナス転送はサイクル時間が短縮さ
れたことによって次以降のサイクルにまわされることも
ある。
【0104】このような遅延情報も、上述したサイクル
・マスタにより管理される。
【0105】ここで、上述したノードID決定手順につ
いて説明する。バスリセットの後、各ノードは新しいネ
ットワーク構成を構築するために、各ノードにノードI
D番号を与える動作に入る。図13は、バスリセットか
らノードID番号が決定されてデータ転送が可能となる
までの一連のバスの動作を示すフローチャートである。
【0106】ネットワーク内のバスリセットの発生は常
時監視されており、ノードの電源のON/OFF等によ
りバスリセットが発生したか否かが判別される(ステッ
プS101)。この判別はバスリセットの発生が判別さ
れるまで繰り返される。ステップS101で、バスリセ
ットが発生したことが判別されると、ネットワークがリ
セットされた状態から、新たな、ネットワークの接続状
況を知るために、直接接続されている各ノード間におい
て親子関係の宣言がなされる(ステップS102)。全
てのノード間において親子関係が宣言されたか否かが判
別され(ステップS103)、まだ全てのノード間で親
子関係が宣言されていない場合は、ステップS102及
びステップS103が繰り返される。
【0107】ステップS103の判別で、全てのノード
間における親子関係が宣言されると、1つのルートが決
定される(ステップS104)。そして、各ノードにノ
ードID番号を与えるための設定作業が行われる(ステ
ップS105)。
【0108】そして、全てのノードにノードID番号が
設定されたか否かが判別され(ステップS106)、未
だ全てのノードに設定されていない場合は、上述したよ
うな所定のノード順序で、全てのノードにノードID番
号が与えられるまでステップS105の手順が繰り返し
行われる。また、ステップS106の判別で、全てのノ
ードにノードID番号が設定された場合は、新しいネッ
トワーク構成が全てノードにおいて認識されるようにな
ったので、ノード間のデータ転送が可能な状態になり
(ステップS107)、データ転送が開始される。
【0109】このステップS107の状態になると、再
びバスリセットが発生するのを監視するモードに入り、
バスリセットが発生したらステップS101以降の処理
が再開される。
【0110】図14は、図13に示したバスリセット検
出(ステップS101)からルート決定(ステップS1
04)までの手順をより詳細に示すフローチャートであ
る。
【0111】まず、バスリセットが発生したか否かが判
別され(ステップS201)、発生していない場合は、
バスリセット発生まで待機状態となる。ステップS20
1の判別で、バスリセットが発生すると、ネットワーク
構成は一旦リセットされる。
【0112】次に、ステップS202として、リセット
されたネットワークの接続状況を再認識する作業の第一
段階として、各機器にリーフ(ノード)であることを示
すフラグFLを立てておき(ステップS202)、更
に、各機器において各々が有するポートのうち、他のノ
ードと接続されているポートの数が確認される(ステッ
プS203)。
【0113】そして、親子関係の宣言を開始するため
に、未定義(親子関係が決定されていない)ポートの数
が調べられる(ステップS204)。なお、バスリセッ
トの直後はポート数=未定義ポート数であるが、親子関
係が決定されていくに従って、ステップS204で検知
される未定義ポートの数は変化していく。
【0114】バスリセットの直後に初めに親子関係の宣
言を行うことができるのはリーフに限られている。リー
フであるか否かはステップS203におけるポート数で
確認することができる。すなわち、リーフである場合は
最初の未定義ポート数は「1」であるから、ステップS
205において、接続されているノードに対して「自分
は子、接続相手は親」とする親子関係を宣言して、動作
を終了する。
【0115】また、ステップS203において確認され
たポート数が複数であり自分がブランチであると認識し
たノードは、バスリセットの直後はステップS204で
未定義ポート数>1であるから、フラグFLにブランチ
であることを示すフラグを立て(ステップS206)、
その後、自分が接続されているリーフからの親子宣言で
「親」を受け付ける(ステップS207)。
【0116】リーフにより親子関係の宣言が行われ、ス
テップS207においてその宣言を受け付けたブランチ
は、ステップS204の未定義ポート数の確認を行い、
未定義ポート数が「1」になっていれば、残っているポ
ートに接続されているノードに対して、ステップS20
5の「自分が子」の宣言をすることが可能になる。
【0117】なお、2回目以降であっても、ステップS
204で未定義ポート数が2以上あるブランチに対して
は、その確認の度にステップS207でリーフ又は他の
ブランチからの「親」の受付をすることになる。
【0118】最終的に、いずれか1つのブランチ又は例
外的にリーフ(子宣言を行うことができるのに素早く動
作しなかったため)の未定義ポート数が0になったら、
ここでネットワーク全体の親子関係の宣言が終了したこ
とになる。そこで、未定義ポートが0になった唯一のノ
ード(このノードは、そのすべてのポートが親のポート
として決定されたノード)は、ルートのフラグが立てら
れ(ステップS208)、ルートの認識が行われる(ス
テップS209)。
【0119】図15は、図13に示したルート決定(ス
テップS104)からノードID番号決定(ステップS
106)までの手順をより詳細に示すフローチャートで
ある。
【0120】上述した図14に示した手順において、リ
ーフ、ブランチ、ルートという各ノードのフラグ情報が
設定されているので、このフラグに基づいてノードの分
類が行われる(ステップS301)。
【0121】各ノードにノードID番号を与える作業と
して、最初にノードID番号の設定を行うことができる
のはリーフからである。リーフ→ブランチ→ルートの順
で、若い番号(ノード番号=0〜)からノードID番号
の設定が行われていく。
【0122】ノードの種類がリーフであるときは、ネッ
トワーク内に存在するリーフ数N(Nは自然数)が設定
される(ステップS302)。この後、各リーフからル
ートに対して、ノードID番号を与える要求がなされる
(ステップS303)。
【0123】この要求が複数ある場合には、ルートにお
いて、アービトレーションが行われ(ステップS30
4)、勝った1つのノードに対してノードID番号が与
えられ、負けたノードには失敗の結果の通知が行われる
(ステップS305)。
【0124】リーフ側では、ノードID番号要求の後、
ノードID番号が取得されたか否かが判別され(ステッ
プS306)、ノードID番号取得に失敗に終わったリ
ーフからは、ステップS303において再度ノードID
番号要求がなされる。ノードID番号を取得できたリー
フでは、そのノードのID情報がブロードキャストで全
ノードに送出される(ステップS307)。1ノードの
ID情報のブロードキャストが終了すると、残リーフ数
として、リーフ数Nの値が「1」減らされる(ステップ
S308)。
【0125】そして、残りのリーフ数がチェックされ
(ステップS309)、残りのリーフ数が1以上ある場
合は、ステップS303のノードID番号要求の作業か
らステップS309までの処理が再び行われる。
【0126】最終的にすべてのリーフが自己のID情報
をブロードキャストすると、ステップS309の判別で
N=0となるので、ブランチのID設定が行われる。
【0127】まず、ネットワーク内に存在するブランチ
の数M(Mは自然数)が設定される(ステップS31
0)。
【0128】この後、各ブランチからルートに対してノ
ードID番号を与えるように要求がなされる(ステップ
S311)。これに対して、ルートは、アービトレーシ
ョンを行い、勝ったブランチから順に、最後のリーフに
与えたノードID番号の次に若いノードID番号を与え
(ステップS312)、要求を出したブランチに対して
ID情報又は失敗結果を通知する(ステップS31
3)。
【0129】ステップS311においてノードID番号
取得の要求を出したブランチは、ノードID番号を取得
できたか否かをチェックし(ステップS314)、ノー
ドID番号取得に失敗したブランチは、ステップS31
1に戻り再度ノードID番号要求をルートに対して送り
出す。
【0130】ステップS314の判別で、ノードID番
号を取得できた場合は、そのブランチは、自己のID情
報をブロードキャストで全ノードへ転送する(ステップ
S315)。1ノードのID情報のブロードキャストが
終わると、残りのブランチ数Mが1減らされる(ステッ
プS316)。
【0131】ここで、残りのブランチ数Mが1以上ある
ときは、ステップS311〜S316の手順が再び行わ
れる。最終的に全てのブランチがID情報をブロードキ
ャストするまでこの手順は繰り返される。全てのブラン
チがID情報を取得すると、M=0となり、ブランチの
ノードID番号取得が終了する。従って、最終的にノー
ドID番号を取得していないノードはルートのみなの
で、ルートは、ノードID番号として与えられていない
番号のうち、一番若い番号を自己のID番号として設定
し(ステップS318)、自己のID情報をブロードキ
ャストする(ステップS319)。
【0132】以上の作業により、親子関係が決定した
後、全てのノードに対してノードID番号が設定され
る。
【0133】図16は、アービトレーションの手順を示
すフローチャートである。
【0134】ノードがデータ転送を開始するためには、
バスがアイドル状態であることが必要である。各ノード
は、各転送モードで個別に設定されている所定のアイド
ル時間ギャップ長(例えば、サブアクション・ギャッ
プ)を経過することによって、先に行われていたデータ
転送が終了して現在バスが空き状態であることを認識
し、データ転送を開始することができると判断する。
【0135】まず、アシンクロナスデータやアイソクロ
ナスデータ等、それぞれ転送するデータに応じた所定の
ギャップ長が得られたか否かが判別される(ステップS
401)。所定のギャップ長が得られない限り、転送を
開始するために必要なバス使用権の要求はできないの
で、所定のギャップ長が得られるまで、ステップS40
1の手順が繰り返し行われる。
【0136】ステップS401の判別で、所定のギャッ
プ長が得られた場合は、転送すべきデータがあるか否か
が判別される(ステップS402)。ここで、転送すべ
きデータがない場合は、本手順が終了される。
【0137】転送すべきデータがある場合は、転送する
ためにバスを確保するよう、バス使用権の要求がルート
に対して発信される(ステップS403)。このとき
の、橋使用権の要求を表す信号の伝達は、図7に示した
ようにネットワーク内の各機器を中継しながら最終的に
ルートへ届けられる。
【0138】ステップS403のバス使用権要求を1つ
以上ルートが受信すると、ルートは、使用要求を送出し
たノードの数をチェックする(ステップS405)。ス
テップS405において、ノードの数が複数ある場合
は、ルートは使用許可を与えるノードを1つに決定する
調停作業を行う(ステップS406)。この調停作業は
公平なものであり、毎回同じノードばかりが許可を得る
ようなことはなく、平等に権利が与えられるように構成
されている(フェア・アービトレーション)。そして、
ルートの調停により使用許可を得た1つのノードと使用
許可を得ることができなかったノードに分ける選択が行
われる(ステップS407)。ここで、使用許可を得ら
れたノードの場合はステップS407の答は肯定(YE
S)になるので、データ(パケット)の転送を開始する
ための許可信号がルートからそのノードへ送られる(ス
テップS408)。また、使用許可を得られなかったノ
ードの場合はステップS407の答が否定(NO)にな
るので、アービトレーション失敗を示す信号DPがルー
トから当該ノードへ送られる(ステップS409)。
【0139】また、上記ステップS402の判別におい
て、ノードの数が1である場合は、そのノードにバス使
用権が与えられることになるから、上記ステップS40
8の処理が実行される。ステップS408の処理の後、
本処理手順は直ちに終了される。
【0140】このような特徴を有する1394シリアル
バスを用いる画像処理装置について、以下に説明する。
【0141】図17は、本実施の形態に係る画像処理装
置としての複写機システムの構成を示すブロック図であ
る。同図において、複写機システムは、原稿を自動給紙
するフィーダ1と、不図示のプラテンガラス上に載置さ
れる原稿の画像を読み取るスキャナ2と、LAN3から
入力されるPDLデータをビットマップイメージデータ
に変換するネットワークコントローラ(NC)4と、ス
キャナ2又はNC4からの画像データを処理する画像処
理部5と、画像処理部5により処理された画像データを
印刷出力するプリンタ6と、画像データをビットマップ
形式で格納する画像記憶部7とから主に構成されてい
る。これらの構成要素間は、1394シリアルバス8に
よって互いに接続されている。
【0142】図18は、図17に示した画像処理装置と
しての複写機システムの内部構成要素間のネットワーク
図である。同図から明らかなように、以下の説明におい
ては、画像処理部5がルートとして機能し、スキャナ2
がブランチとして機能し、フィーダ1、ネットワークコ
ントローラ4、プリンタ6及び記憶部7がリーフとして
機能している。
【0143】本実施の形態では、一つ又は複数のチャネ
ル(チャネルe、チャネルs、チャネルk)が割り当て
られるアイソクロナスパケットが各構成要素(モジュー
ル)間における画像データの転送用に使用され、アシン
クロナスパケットが各モジュール間におけるコマンド通
信又はステータス通信に使用される。図19は、かかる
画像データ転送におけるバスサイクルを模式的に示す説
明図である。
【0144】また、フルカラー画像と呼ばれる24ビッ
ト画像のA4原稿1枚分の画像データ量は、解像度を6
00dpiとすると約100MBになる。従って、これ
をプリンタ6へ毎分6枚の速度で通信する場合には、1
0MB/秒=1.25KB/サイクル分のチャネルを画
像データ転送用に用意する必要がある。例えば、1.2
5KB/サイクルを1チャネルで用意できる場合であっ
て、[フィーダ1→スキャナ2→画像記憶部7]間で画
像データを転送するジョブと[ネットワークコントロー
ラ4→画像処理部5→プリンタ6]間で画像データを転
送するジョブとが同時に進行する場合、1394シリア
ルバス8のバスサイクルは、図20に示すようなパケッ
トが送出されることになる。図20は、上記2つのジョ
ブが同時進行する場合のバスサイクルを模式的に示す図
である。
【0145】このような計算には、画像データの転送を
行っている間、そのモジュールに常にバス使用権が認め
られるという前提がある。しかしながら、通常のアービ
トレーションを行うと、毎サイクルでバス使用権を取得
できることを保証することができず、むしろ、以下に示
すようなフェア・アービトレーションを行うシステムに
おいては、複数のジョブが重なりバスの資源が足りなく
なると、全てのジョブが毎サイクルでバスの使用権を取
得するように制御することができなくなる。
【0146】ここで、フェア・アービトレーションにつ
いて説明する。なお、この処理は、ルートにおいて、図
16のステップS406及びステップS407として示
した手順において行われるものである。
【0147】図21は、バス使用権を取得したノードを
時系列で示すリンクテーブルであり、図22は、フェア
・アービトレーションの調停判断手順を示すフローチャ
ートである。
【0148】フェア・アービトレーションの場合は、最
も古いバス取得ノードに優先的にバスの使用権(許可)
が与えられるため、図21に示すように、まず古い順に
バス取得ノードが並べられる。
【0149】そして、一番最初にバス使用権を取得した
ノードに関する情報を示す領域「Oldest」のテー
ブルが参照され(ステップS501)、そのテーブル内
のNewerポインタが示すテーブルのサーチが開始さ
れ(ステップS502)、まだバス使用権を一度も取得
したことが無いノードがあるか否かがチェックされる。
このとき、ネットワーク内にまだ一度もバス使用権を取
得したことがないノードが見つかると(このノードを
「ノードG」とする)、現在参照しているテーブルが、
一番最近にバス使用権を取得したノードに関する情報を
格納する領域「Newest」のテーブルであるか否か
が判別され(ステップS503)、「Newest」の
テーブルである場合は、アービトレーションを行う必要
がないので本手順は終了される。
【0150】ステップS503の答が否定(NO)の場
合は、該ノードGがバス使用権の要求を出しているか否
かがチェックされ(ステップS504)、要求があった
場合には、バスの使用権(許可)がそのノードGに与え
るためのテーブル操作が行われる(ステップS50
5)。すなわち、領域「Oldest」のNewerポ
インタに、ノードGのID情報が格納されている領域
「ノードG」のNewerポインタの内容がコピーされ
る。また、ルート内の一番最近にバス使用権を取得した
ノードに関する情報を格納する領域「Newest」の
Olderポインタが示すテーブルのNewerポイン
タに、ノードGのアドレスがコピーされる。また、領域
「Newest」のOlderポインタに、ノードGの
アドレスがコピーされる。更に、領域「ノードG」のN
ewerポインタに、領域「Newest」のアドレス
がコピーされる。これにより、バス使用権を取得したノ
ードGは、リンク・テーブルで最も新しいバス取得(許
可)ノードとして扱われることになる。このようなテー
ブル操作の後、現在参照しているテーブルに対応するノ
ードに対して、バス使用権が与えられる(ステップS5
06)。この処理が終了すると、本手順は終了される。
【0151】一方、ネットワーク内でまだ一度もバス使
用権を取得したことがないノードとしてノードGが認識
された場合であっても、該ノードGがバス使用権の要求
を出していない場合(ステップS504の答が否定(N
O))は、ノードGのNewerポインタが示すテーブ
ルについて、ステップS502〜S504のチェックが
行われる。
【0152】ところで、例えば1サイクル1チャネルで
性能を満足するモジュールが6個(A、B、C、D、
E、F)ネットワークに接続されており、バスには1サ
イクルに使用できるチャネルが2個しかない状態でフェ
ア・アービトレーションを行う複写機システムにおい
て、モジュールA−B間、C−D間及びE−F間の3つ
の画像データジョブが同時実行されている場合を考え
る。
【0153】このようなシステムでは、同時に2チャネ
ルしかとることができないため、常に1つのジョブはチ
ャネルを取得できないことになる。最初にA−B間のジ
ョブ、次にC−D間のジョブがバス使用権を取得した場
合、その次のサイクルではC−D間のジョブ及びE−F
間のジョブがバス使用権を取得し、A−B間のジョブは
待たされる。更に次のサイクルでは、E−F間のジョブ
及びA−B間のジョブがバス使用権を取得し、C−D間
のジョブが待たされることになる。従って、かかる複写
機システムでは、画像データ転送速度が3/2倍、その
転送に要する時間が1.5倍になるため、複写機システ
ム本来の性能を発揮することができず、コピージョブ等
のリアルタイム制御ジョブに深刻な影響を及ぼすことが
予想される。
【0154】すなわち、例えば高い処理速度を要求され
るコピージョブでは、静的な一定時間で画像データ転送
が終了するものと過程し、画像データ転送完了タイミン
グが印刷処理完了タイミングとなるように、画像データ
の転送完了を待たず先行給紙を行い、画像の印刷処理が
開始される。ところが、上述した状況では、画像データ
の転送完了が所定の時間の1.5倍かかってしまうた
め、印刷処理完了とみなされる時点で画像データは全体
の2/3しか転送されておらず、不完全な画像が印刷出
力される結果となる。
【0155】そこで、本実施の形態では、画像データの
転送に費やされる時間を動的に予測し、この予測時間に
基づいて先行給紙及び印刷処理を開始する。かかる予測
のために、以下のパラメータが採用される。
【0156】1サイクル内の最大チャネル数:C 本複写機システムで同時実行しているジョブ数:J 注目するジョブが1サイクル内に必要とするチャネル
数:N 注目するジョブの画像データ転送パフォーマンス:P
(C,J,N)=C/(J×N) なお、Pは1以上で100%の性能を発揮できることを
表し、P=0.5であれば本来の性能の半分の転送速度
しか得られないことを表している。
【0157】また、転送完了予測時間は、以下のように
求められる。
【0158】 静的・転送完了予測時間:Ts 動的・転送完了予測時間:Td=Ts/P(P<1の場合) Td=Ts(P≧1の場合) これを上述した例に当てはめると、C=2、J=3、N
=1であるから、 P=2/(3×1)=2/3 Td=Ts/(2/3)=3/2 となる。
【0159】このような動的な転送完了予測時間を用い
た先行給紙について説明する。図23は、性能を100
%発揮できる場合の、あるジョブの画像データ転送・給
紙開始・画像印刷処理に関するタイミングを示すタイミ
ングチャートである。
【0160】性能を100%発揮出来る場合には画像転
送にかかる時間は静的な画像データ転送完了予測時間に
等しい。この場合、先行給紙を行うタイミングWsは、
以下のように表される。
【0161】Ws=F−R−D ここで、用いられるパラメータは以下の通りである。
【0162】画像データ転送完了タイミング:F 給紙部から印刷処理部までの用紙搬送時間:D 画像印刷処理に要する時間:R 更に、画像データ転送開始タイミングをSとすると、 F=S+Ts であり、従って、先行給紙タイミングWsは、以下のよ
うになる。
【0163】Ws=S+{Ts−(D+R)} つまり、図23のような性能を100%発揮できる場合
は、画像データ転送に係る時間Tsから用紙搬送に要す
る時間D及び画像印刷処理に係る時間Rを差し引いた時
間だけ、画像データ転送開始タイミングSから遅れて、
用紙の先行給紙を開始すればよいことがわかる。
【0164】図24は、ジョブの数が多くなり、充分な
チャネルを取得できなくなった場合の、あるジョブの画
像データ転送・給紙開始・画像印刷処理に関するタイミ
ングを示すタイミングチャートである。なお、同図にお
いて、破線は、図23に示した性能を100%発揮でき
る場合のタイミングを示している。
【0165】この状態において、不完全な画像を印刷出
力することなく、且つ、できるだけ高速に印刷出力を行
うには、画像データ転送完了タイミングFが同時に画像
印刷出力終了タイミングとなるように制御を行う必要が
ある。
【0166】具体的には、給紙タイミングWd以降に要
する時間は一定値(D+R)であるから、この給紙タイ
ミングWdを、画像データ転送完了予測時間Tdに合わ
せてディレイタイムを設定することにより動的に変更す
る。基本的な考え方は、図22を参照して説明したケー
スと同様である。
【0167】まず、動的な先行給紙を行うタイミングW
dは、以下の式で表される。
【0168】Wd=S+{Td−(D+R)} ここで、TdはTs/P(P<1)であることが判って
いるので、この式はいかのように変形できる。
【0169】 Wd=S+{Ts/P−(D+R)} =S+{Td−(D+R)}+Ts×(1/P−1) =Ws+Ts×(1/P−1) 更に、パフォーマンスPに関する式をこれに代入する
と、理想的な給紙タイミングWsまでのディレイXは以
下のようになる。
【0170】 X=Wd−Wd =Ts×(1/P−1) =Ts×{(J×N)/C−1} 以上のように、1サイクル内の最大チャネルC、複写機
システムで同時に実行されるジョブ数J、注目するジョ
ブが1サイクル内に必要とするチャネル数が判れば、理
想的な用紙先行給紙タイミングWsから動的な用紙先行
給紙タイミングWdを取得することができる。
【0171】また、用紙先行給紙タイミングTdをディ
レイタイムX分だけ遅延させたことに伴って、印刷出力
開始タイミングはXだけ遅延される。
【0172】このようにして取得されるディレイタイム
Xだけ用紙先行給紙タイミングWdを遅らせて用紙を先
行給紙し、その遅れ分だけ印刷出力開始タイミングを遅
らせることにより、不完全な画像印刷出力を防止するこ
とが可能となる。
【0173】以上説明したように、本実施の形態によれ
ば、画像データ及びコマンド・ステータスの転送に13
94シリアルバスを採用し、画像データの転送には所定
数のチャネルが割り当てられたアイソクロナスパケット
を用いるとともに、コマンド・ステータスの転送にはア
シンクロナスパケットを用いることにより、両データが
一つのシリアルバスで通信可能となる。また、1サイク
ル内に画像データ転送に必要なチャネル数を確保できず
ジョブ同士がぶつかってしまう場合には画像データ転送
完了までに要する時間の遅延時間Xを予測して、印刷出
力処理に関する動作タイミング(本実施の形態では先行
給紙タイミング及び印刷出力開始タイミング)を動的に
変更するようにしたので、ジョブの混み合った場合であ
っても高速に動作できる画像処理装置を提供することが
可能となる。
【0174】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の画像処
理装置又は請求項10の画像処理装置の動作タイミング
制御方法によれば、複数のモジュール間を、所定数のチ
ャネルに割り当てられる少なくとも一つのアイソクロナ
スパケットと少なくとも1つのアシンクロナスパケット
とを1転送サイクル内に混在して順次転送可能な高速シ
リアルバスにより接続し、前記複数のモジュール間にお
ける画像データ転送には前記アイソクロナスパケットを
割り当てるとともに前記複数のモジュール間におけるコ
マンド・ステータス転送にはアシンクロナスパケットを
割り当てることにより前記複数のモジュール間の画像デ
ータ転送を行い、また、転送サイクル毎に前記画像デー
タ転送を含むジョブを実行するために必要なチャネル数
を確保できるか否かを判別し、前記ジョブを実行するた
めに必要なチャネル数を確保できないと判別された場合
に、当該ジョブに含まれる画像データ転送の完了に要す
る時間の遅延時間を予測し、前記予測された遅延時間に
応じて、前記画像データ転送先のモジュールの動作タイ
ミングを動的に変更するようにしたので、コマンド・ス
テータスとデータ量の多いカラー画像等とを一つのシリ
アルバスを用いて転送でき、且つ、ジョブの混み合った
場合であっても高速に動作することができるという効果
が得られる。
【0175】請求項5の画像処理装置又は請求項12の
画像処理装置の動作タイミング制御方法によれば、上記
動作タイミングは、画像を出力する画像出力手段に対す
る出力メディアの供給タイミングとしたので、ジョブの
混み合った場合であっても、画像データの転送タイミン
グに対する先行給紙タイミングが適切なタイミングに制
御され、従って、高速に且つ確実に印刷出力をすること
ができるようになるという効果が得られる。
【0176】請求項6の画像処理装置又は請求項13の
画像処理装置の動作タイミング制御方法によれば、上記
動作タイミングは、前記画像出力手段による画像の出力
タイミングとしたので、ジョブの混み合った場合であっ
ても、画像データの転送タイミングに対する印刷出力開
始タイミングが適切なタイミングに制御され、従って、
高速に且つ確実に印刷出力をすることができるようにな
るという効果が得られる。
【0177】請求項7の画像処理装置又は請求項14の
画像処理装置の動作タイミング制御方法によれば、複数
の、画像データ転送を含むジョブが発生した場合は、前
記複数のジョブにそれぞれ異なるチャネルを割り当てる
ようにしたので、同時に複数のモジュール間でリアルタ
イムな画像データ転送が可能となるという効果が得られ
る。
【0178】請求項8の画像処理装置又は請求項15の
画像処理装置の動作タイミング制御方法によれば、アイ
ソクロナスパケットに割り当てられるチャネルの前記所
定数を、前記複数モジュールの処理速度に応じて変更す
るようにしたので、高速に且つ確実に画像データ転送を
することができるという効果が得られる。
【0179】請求項9の画像処理装置又は請求項16の
画像処理装置の動作タイミング制御方法は、複数のモジ
ュールは、互いに処理速度の異なるモジュールを含み、
前記互いに処理速度の異なるモジュール間で画像データ
転送を行う場合は、前記処理速度の遅いモジュールの処
理速度に合わせた画像データ転送を行うようにしたの
で、できるだけ高速に、且つより確実に画像データ転送
をすることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る、IEEE139
4−1995(1394シリアルバス)を用いて構成さ
れるネットワークシステムの一例を示す説明図である。
【図2】1394シリアルバスの構成を示す説明図であ
る。
【図3】1394シリアルバスにおけるアドレス空間を
示す図である。
【図4】1394シリアルバス・ケーブルの電気的仕様
について説明するためのケーブル断面図である。
【図5】1394シリアルバスで採用されているデータ
転送フォーマットであるDS−Link符号化方式を説
明するための説明図である。
【図6】実際のネットワークにおけるノードID決定動
作を模式的に示す説明図である。
【図7】アービトレーションを説明するための説明図で
ある。
【図8】アシンクロナス転送における時間的な遷移状態
を示す図である。
【図9】アシンクロナス転送のパケットフォーマットの
一例を示す説明図である。
【図10】アイソクロナス転送における時間的な遷移状
態を示す図である。
【図11】アイソクロナス転送のパケットフォーマット
の一例を示す説明図である。
【図12】アイソクロナス転送とアシンクロナス転送が
混在した場合の、バス上の転送状態の時間的な遷移の様
子を示す図である。
【図13】バスリセットからノードIDが決定されてデ
ータ転送が可能となるまでの一連のバスの動作を示すフ
ローチャートである。
【図14】図13に示したバスリセット検出(ステップ
S101)からルート決定(ステップS104)までの
手順をより詳細に示すフローチャートである。
【図15】図13に示したルート決定(ステップS10
4)からノードID決定(ステップS106)までの手
順をより詳細に示すフローチャートである。
【図16】アービトレーションの手順を示すフローチャ
ートである。
【図17】本実施の形態に係る画像処理装置としての複
写機システムの構成を示すブロック図である。
【図18】図17に示した複写機システムの内部構成要
素間のネットワーク図である。
【図19】一つ又は複数のチャネル(チャネルe、チャ
ネルs、チャネルk)が画像通信のパケットとして使用
され、Asyncパケットがモジュール間のコマンド通
信又はステータス通信に使用される画像通信における、
バスサイクルを模式的に示す説明図である。
【図20】2つのジョブが同時進行する場合のバスサイ
クルを模式的に示す図である。
【図21】バス使用権を取得したノードを時系列で示す
リンクテーブルである。
【図22】フェア・アービトレーションの調停判断手順
を示すフローチャートである。
【図23】性能を100%発揮できる場合の、ジョブの
画像転送・給紙開始・画像印刷処理に関するタイミング
を示すタイミングチャートである。
【図24】ジョブの数が多くなった場合の、あるジョブ
の画像転送・給紙開始・画像印刷処理に関するタイミン
グを示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 フィーダ 2 スキャナ 4 ネットワークコントローラ 5 画像処理部 6 プリンタ 7 画像記憶部 8 IEEE1394−1995(1394シリアルバ
ス) X ディレイタイム Ws 用紙先行給紙タイミング Wd 遅延後の用紙先行給紙タイミング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H04N 1/32 H04N 1/32 Z

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のモジュール間を、所定数のチャネ
    ルに割り当てられる少なくとも一つのアイソクロナスパ
    ケットと少なくとも1つのアシンクロナスパケットとを
    1転送サイクル内に混在して順次転送可能な高速シリア
    ルバスにより接続し、前記複数のモジュール間における
    画像データ転送には前記アイソクロナスパケットを割り
    当てるとともに前記複数のモジュール間におけるコマン
    ド・ステータス転送にはアシンクロナスパケットを割り
    当てることにより前記複数のモジュール間の画像データ
    転送を行う画像処理装置であって、 転送サイクル毎に前記画像データ転送を含むジョブを実
    行するために必要なチャネル数を確保できるか否かを判
    別する判別手段と、 前記判別手段により前記ジョブを実行するために必要な
    チャネル数を確保できないと判別された場合に、当該ジ
    ョブに含まれる画像データ転送の完了に要する時間の遅
    延時間を予測する遅延時間予測手段と、 前記遅延時間予測手段により予測された遅延時間に応じ
    て、前記画像データ転送先のモジュールの動作タイミン
    グを動的に変更する変更手段とを備えることを特徴とす
    る画像処理装置。
  2. 【請求項2】 前記高速シリアルバスは、IEEE13
    94規格に適合したシリアルバスであることを特徴とす
    る請求項1記載の画像処理装置。
  3. 【請求項3】 前記複数のモジュールは、原稿上の画像
    データを読み取る画像読取手段と、前記画像読取手段に
    より読み取られた画像データを出力する画像出力手段と
    を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の画像処理
    装置。
  4. 【請求項4】 前記複数のモジュールは、前記高速シリ
    アルバスを介して転送された画像データを出力する画像
    出力手段を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の
    画像処理装置。
  5. 【請求項5】 前記動作タイミングは、前記画像出力手
    段が画像を出力する出力メディアの供給タイミングであ
    ることを特徴とする請求項3又は4に記載の画像処理装
    置。
  6. 【請求項6】 前記動作タイミングは、前記画像出力手
    段による画像の出力タイミングであることを特徴とする
    請求項3〜5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  7. 【請求項7】 複数の、画像データ転送を含むジョブが
    発生した場合は、前記複数のジョブにそれぞれ異なるチ
    ャネルを割り当てることを特徴とする請求項1〜6のい
    ずれか1項に記載の画像処理装置。
  8. 【請求項8】 前記アイソクロナスパケットに割り当て
    られるチャネルの前記所定数を、前記複数のモジュール
    の処理速度に応じて変更する変更手段を備えることを特
    徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像処理
    装置。
  9. 【請求項9】 前記複数のモジュールは、互いに処理速
    度の異なるモジュールを含み、前記高速シリアルバス
    は、前記互いに処理速度の異なるモジュール間で画像デ
    ータ転送を行う場合は前記処理速度の遅いモジュールの
    処理速度に合わせた画像データ転送を行うように構成さ
    れていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項
    に記載の画像処理装置。
  10. 【請求項10】 複数のモジュール間を、所定数のチャ
    ネルに割り当てられる少なくとも一つのアイソクロナス
    パケットと少なくとも1つのアシンクロナスパケットと
    を1転送サイクル内に混在して順次転送可能な高速シリ
    アルバスにより接続し、前記複数のモジュール間におけ
    る画像データ転送には前記アイソクロナスパケットを割
    り当てるとともに前記複数のモジュール間におけるコマ
    ンド・ステータス転送にはアシンクロナスパケットを割
    り当てることにより前記複数のモジュール間の画像デー
    タ転送を行う画像処理装置の動作タイミング制御方法で
    あって、 転送サイクル毎に前記画像データ転送を含むジョブを実
    行するために必要なチャネル数を確保できるか否かを判
    別し、 前記ジョブを実行するために必要なチャネル数を確保で
    きないと判別された場合に、当該ジョブに含まれる画像
    データ転送の完了に要する時間の遅延時間を予測し、 前記予測された遅延時間に応じて、前記画像データ転送
    先のモジュールの動作タイミングを動的に変更すること
    を特徴とする動作タイミング制御方法。
  11. 【請求項11】 前記高速シリアルバスは、IEEE1
    394規格に適合したシリアルバスであることを特徴と
    する請求項1記載の動作タイミング制御方法。
  12. 【請求項12】 前記動作タイミングは、画像を出力す
    る画像出力手段に対する出力メディアの供給タイミング
    であることを特徴とする請求項10又は11記載の動作
    タイミング制御方法。
  13. 【請求項13】 前記動作タイミングは、前記画像出力
    手段による画像の出力タイミングであることを特徴とす
    る請求項10〜12のいずれか1項に記載の動作タイミ
    ング制御方法。
  14. 【請求項14】 複数の、画像データ転送を含むジョブ
    が発生した場合は、前記複数のジョブにそれぞれ異なる
    チャネルを割り当てることを特徴とする請求項10〜1
    3のいずれか1項に記載の動作タイミング制御方法。
  15. 【請求項15】 前記アイソクロナスパケットに割り当
    てられるチャネルの前記所定数を、前記複数のモジュー
    ルの処理速度に応じて変更することを特徴とする請求項
    10〜14のいずれか1項に記載の動作タイミング制御
    方法。
  16. 【請求項16】 前記複数のモジュールは、互いに処理
    速度の異なるモジュールを含み、前記互いに処理速度の
    異なるモジュール間で画像データ転送を行う場合は、前
    記処理速度の遅いモジュールの処理速度に合わせた画像
    データ転送を行うことを特徴とする請求項10〜15の
    いずれか1項に記載の動作タイミング制御方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001022542A (ja) * 1999-07-09 2001-01-26 Seiko Epson Corp データ制御装置、プリンタ及び印刷システム
JP2010021949A (ja) * 2008-07-14 2010-01-28 Ricoh Co Ltd 画像処理装置

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