JP3647328B2 - 画像処理装置及びその制御方法並びに画像処理システム - Google Patents

画像処理装置及びその制御方法並びに画像処理システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は画像処理システム及びそのシステムを構成する画像処理装置並びにその制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、上記のような情報処理システムにおいては、画像処理装置としてのプリンタのステータス情報を取得したい機器が、それぞればらばらにプリンタに対してアクセスし、login等の方法でコネクションを確立した上で、プリンタにステータス要求を行い、プリンタはその要求に応じてその機器に対してステータス情報を送っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような方法は、プリンタの負荷を非常に高め、ネットワーク上に同じデータが何度も流れることになる。これは非常にネットワーク効率が悪く、データ転送バンド幅を狭めるという結果を生じさせている。
【0004】
本発明は上記従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、データ転送効率の良いステータス情報の配信を行なうことのできる画像処理システム及びそのシステムを構成する画像処理装置並びにその制御方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る制御方法にあっては、データをブロードキャストできるバスを介して他の機器と接続された画像処理装置を制御する制御方法であって、前記画像処理装置のステータス情報の要求コマンドを前記機器から獲得する獲得工程と、前記ステータス情報をブロードキャストするためのバス上のチャネルIDを当該バス上の複数のチャネルIDの中から確保する確保工程と、前記確保工程で確保したチャネルIDを用いて前記ステータス情報をブロードキャストするデータ通信工程と、前記獲得工程で獲得した要求コマンドの発信元に対して、前記確保工程で確保したチャネルIDを通知する通知工程と、を有することを特徴とする。
【0006】
前記バスはIEEE1394シリアルバスであることも好適である。
【0007】
または、本発明に係る制御方法にあっては、データをブロードキャストできるバスを介して他の機器と接続された画像処理装置を制御する制御方法であって、前記画像処理装置のステータス情報の要求コマンドを前記機器から獲得する獲得工程と、前記ステータス情報をブロードキャストするためのバス上のチャネルIDを確保する確保工程と、前記確保工程で確保したチャネルIDを用いて前記ステータス情報をブロードキャストするデータ通信工程と、前記獲得工程で獲得した要求コマンドの発信元に対して前記チャネルIDを通知する通知工程とを有し、前記データ通信工程は、同期転送モードで前記ステータス情報を転送することを特徴とする。
【0008】
前記確保工程は、
前記バスに設定された同期リソース管理機器にアクセスするアクセス工程と、少なくとも一つの同期チャネルIDと所定帯域のバスバンドを取得する取得工程と、
を含むことも好適である。
【0009】
または、本発明に係る画像処理装置は、データをブロードキャストできるバスを介して他の機器と接続された画像処理装置であって、前記画像処理装置のステータス情報の要求コマンドを前記機器から獲得する獲得手段と、前記ステータス情報をブロードキャストするためのバス上のチャネルIDを当該バス上の複数のチャネルIDの中から確保する確保手段と、前記確保手段で確保したチャネルIDを用いて前記ステータス情報をブロードキャストするデータ通信手段と、前記獲得手段で獲得した要求コマンドの発信元に対して、前記確保手段で確保したチャネルIDを通知する通知手段と、を有することを特徴とする。
【0010】
前記バスはIEEE1394シリアルバスであることも好適である。
【0011】
または、本発明に係る画像処理装置は、データをブロードキャストできるバスを介して他の機器と接続された画像処理装置であって、前記画像処理装置のステータス情報の要求コマンドを前記機器から獲得する獲得手段と、前記ステータス情報をブロードキャストするためのバス上のチャネルIDを確保する確保手段と、前記確保手段で確保したチャネルIDを用いて前記ステータス情報をブロードキャストするデータ通信手段と、前記獲得手段で獲得した要求コマンドの発信元に対して前記チャネルIDを通知する通知手段とを有し、前記データ通信手段は、同期転送モードで前記ステータス情報を転送する手段であることを特徴とする。
【0012】
前記確保手段は、
前記バスに設定された同期リソース管理機器にアクセスするアクセス手段と、少なくとも一つの同期チャネルIDと所定帯域のバスバンドを取得する取得手段と、
を含むことも好適である。
【0013】
または、本発明に係る画像処理システムは、データをブロードキャストできるバスを介して画像処理装置と他の機器とを接続した画像処理システムであって、前記画像処理装置は、前記画像処理装置のステータス情報の要求コマンドを前記機器から獲得する獲得手段と、前記ステータス情報をブロードキャストするためのバス上のチャネルIDを当該バス上のチャネルIDの中から確保する確保手段と、前記確保手段で確保したチャネルIDを用いて前記ステータス情報をブロードキャストするデータ通信手段と、前記獲得手段で獲得した要求コマンドの発信元に対して、前記確保手段で確保したチャネルIDを通知する通知手段と、を有することを特徴とする。
【0014】
または、本発明に係る記憶媒体は、データをブロードキャストできるバスを介して他の機器と接続された画像処理装置の制御プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記制御プログラムは前記画像処理装置に、前記画像処理装置のステータス情報の要求コマンドを前記機器から獲得する獲得工程と、前記ステータス情報をブロードキャストするためのバス上のチャネルIDを当該バス上の複数のチャネルIDの中から確保する確保工程と、前記確保工程で確保したチャネルIDを用いて前記ステータス情報をブロードキャストするデータ通信工程と、前記獲得工程で獲得した前記要求コマンドの発信元に対して、前記確保工程で確保したチャネルIDを通知する通知工程と、を実行させることを特徴とする記憶媒体。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成要素の相対配置、数値等は、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0016】
本実施の形態では、各機器間を接続するデジタルI/Fとして、IEEE1394シリアルバスを用いるので、まず、IEEE1394シリアルバスについて説明する。
【0017】
《IEEE1394バスの概要》
家庭用デジタルVTRやDVDの登場も伴なって、ビデオデータやオーディオデータなどのリアルタイムでかつ高情報量のデータ転送のサポートが必要になっている。こういったビデオデータやオーディオデータをリアルタイムで転送し、パソコン(PC)に取り込んだり、またはその他のデジタル機器に転送を行うには、必要な転送機能を備えた高速データ転送可能なインタフェースが必要になってくるものであり、そういった観点から開発されたインタフェースがIEEE1394−1995(High Performance Serial Bus)(以下1394シリアルバス)である。
【0018】
図5に1394シリアルバスを用いて構成されるネットワーク・システムの例を示す。このシステムは機器A,B,C,D,E,F,G,Hを備えており、A−B間、A−C間、B−D間、D−E間、C−F間、C−G間、及びC−H間をそれぞれ1394シリアルバスのツイスト・ペア・ケーブルで接続されている。この機器A〜Hは例としてPC、デジタルVTR、DVD、デジタルカメラ、ハードディスク、モニタ等である。
【0019】
各機器間の接続方式は、ディジーチェーン方式とノード分岐方式とを混在可能としたものであり、自由度の高い接続が可能である。また、各機器は各自固有のIDを有し、それぞれが認識し合うことによって1394シリアルバスで接続された範囲において、1つのネットワークを構成している。各デジタル機器間をそれぞれ1本の1394シリアルバスケーブルで順次接続するだけで、それぞれの機器が中継の役割を行い、全体として1つのネットワークを構成するものである。また、1394シリアルバスの特徴でもある、Plug&Play機能でケーブルを機器に接続した時点で自動で機器の認識や接続状況などを認識する機能を有している。また、図5に示したようなシステムにおいて、ネットワークからある機器が削除されたり、または新たに追加されたときなど、自動的にバスリセットを行い、それまでのネットワーク構成をリセットしてから、新たなネットワークの再構築を行う。この機能によって、その時々のネットワークの構成を常時設定、認識することができる。またデータ転送速度は、100/200/400Mbpsと備えており、上位の転送速度を持つ機器が下位の転送速度をサポートし、互換をとるようになっている。
【0020】
データ転送モードとしては、コントロール信号などの非同期データ(Asynchronousデータ:以下Asyncデータ)を転送するAsynchronous転送モード、リアルタイムなビデオデータやオーディオデータ等の同期データ(Isochronousデータ:以下Isoデータ)を転送するIsochronous転送モードがある。このAsyncデータとIsoデータは各サイクル(通常1サイクル125μS)の中において、サイクル開始を示すサイクル・スタート・パケット(CSP)の転送に続き、Isoデータの転送を優先しつつサイクル内で混在して転送される。
【0021】
次に、図6に1394シリアルバスの構成要素を示す。1394シリアルバスは全体としてレイヤ(階層)構造で構成されている。
【0022】
図6に示したように、最もハード的なのが1394シリアルバスのケーブルであり、そのケーブルのコネクタが接続されるコネクタポートがあり、その上にハードウェアとしてフィジカル・レイヤとリンク・レイヤがある。
【0023】
ハードウェア部は実質的なインターフェイスチップの部分であり、そのうちフィジカル・レイヤは符号化やコネクタ関連の制御等を行い、リンク・レイヤはパケット転送やサイクルタイムの制御等を行う。
【0024】
ファームウェア部のトランザクション・レイヤは、転送(トランザクション)すべきデータの管理を行い、ReadやWriteといった命令を出す。マネージメント・レイヤは、接続されている各機器の接続状況やIDの管理を行い、ネットワークの構成を管理する部分である。このハードウェアとファームウェアまでが実質上の1394シリアルバスの構成である。
【0025】
またソフトウェア部のアプリケーション・レイヤは使うソフトによって異なり、インタフェース上にどのようにデータをのせるか規定する部分であり、AVプロトコルなどのプロトコルによって規定されている。以上が1394シリアルバスの構成である。
【0026】
次に、図7に1394シリアルバスにおけるアドレス空間の図を示す。
【0027】
1394シリアルバスに接続された各機器(ノード)には必ず各ノード固有の、64ビットアドレスを持たせておく。そしてこのアドレスをROMに格納しておくことで、自分や相手のノードアドレスを常時認識では、相手を指定した通信も行える。1394シリアルバスのアドレッシングは、IEEE1212規格に準じた方式であり、アドレス設定は、最初の10bitがバスの番号の指定用に、次の6bitがノードID番号の指定用に使われる。残りの48bitが機器に与えられたアドレス幅になり、それぞれ固有のアドレス空間として使用できる。最後の28bitは固有データの領域として、各機器の識別や使用条件の指定の情報などを格納する。
【0028】
以上が、1394シリアルバスの技術の概要である。
【0029】
次に、1394シリアルバスの特徴といえる技術の部分を、より詳細に説明する。
【0030】
《1394シリアルバスの電気的仕様》
図8に1394シリアルバス・ケーブルの断面図を示す。1394シリアルバスで接続ケーブル内に、2組のツイストペア信号線の他に、電源ラインを設けている。これによって、電源を持たない機器や、故障により電圧低下した機器等にも電力の供給が可能になっている。
【0031】
電源線内を流れる電源の電圧は8〜40V、電流は最大電流DC1.5Aは規定されている。
【0032】
《DS−Link符号化》
1394シリアルバスで採用されている、データ転送フォーマットのDS−Link符号化方式を説明するための図を図9に示す。1394シリアルバスでは、DS−Link(Data/Strobe Link)符号化方式が採用されている。このDS−Link符号化方式は、高速なシリアルデータ通信に適しており、その構成は、2本の信号線を必要とする。より対線のうち1本に主となるデータを送り、他方のより対線にはストローブ信号を送る構成になっている。
【0033】
受信側では、この通信されるデータと、ストローブとの排他的論理和をとることによってクロックを再現できる。
【0034】
このDS−Link符号化方式を用いるメリットとして、他のシリアルデータ転送方式に比べて転送効率が高いこと、PLL回路が不要となるのでコントローラLSIの回路規模を小さくできること、更には、転送すべきデータが無いときにアイドル状態であることを示す情報を送る必要が無いので、各機器のトランシーバ回路をスリーブ状態にすることができることによって、消費電力の低減が図れる、などが挙げられる。
【0035】
《バスリセットのシーケンス》
1394シリアルバスでは、接続されている各機器(ノード)にはノードIDが与えられ、ネットワーク構成として認識されている。
【0036】
このネットワーク構成に変化があったとき、例えばノードの挿抜や電源のON/OFFなどによるノード数の増減などによって変化が生じて、新たなネットワーク構成を認識する必要があるとき、変化を検知した各ノードはバス上にバスリセット信号を送信して、新たなネットワーク構成を認識するモードに入る。このときの変化の検知方法は、1394ポート基盤上でのバイアス電圧の変化を検知することによって行われる。
【0037】
あるノードからバスリセット信号が伝達されて、各ノードのフィジカルレイヤはこのバスリセット信号を受けると同時にリンクレイヤにバスリセットの発生を伝達し、かつ他のノードにバスリセット信号を伝達する。最終的にすべてのノードがバスリセット信号を検知した後、バスリセットが起動となる。
【0038】
バスリセットは、先に述べたようなケーブル抜挿や、ネットワーク異常等によるハード検出による起動と、プロトコルからのホスト制御などによってフィジカルレイヤに直接命令を出すことによっても起動する。また、バスリセットが起動するとデータ転送は一時中断され、この間のデータ転送は待たされ、終了後、新しいネットワーク構成のもとで再開される。
【0039】
以上がバスリセットのシーケンスである。
【0040】
《ノードID決定のシーケンス》
バスリセットの後、各ノードは新しいネットワーク構成を構築するために、各ノードにIDを与える動作に入る。このときの、バスリセットからノードID決定までの一般的なシーケンスを図10、図11、図14のフローチャートを用いて説明する。
【0041】
図10のフローチャートは、バスリセットの発生からノードIDが決定し、データ転送が行えるようになるまでの、一連のバスの作業を示してある。
【0042】
まず、ステップS101として、ネットワーク内にバスリセットが発生することを常時監視していて、ここでノードの電源ON/OFFなどでバスリセットが発生するとステップS102に移る。
【0043】
ステップS102では、ネットワークがリセットされた状態から、新たなネットワークの接続状況を知るために、直接接続されている各ノード間において親子関係の宣言がなされる。ステップS103として、すべてのノード間で親子関係が決定すると、ステップS104として一つのルートが決定する。すべてのノード間で親子関係が決定するまで、ステップS102の親子関係の宣言を行い、またルートも決定されない。
【0044】
ステップS104でルートが決定されると、次はステップS105として、各ノードにIDを与えるノードIDの設定作業が行われる。所定のノード順序で、ノードIDの設定が行われ、すべてのノードにIDが与えられるまで繰り返し設定作業が行われ最終的にステップS106としてすべてのノードにIDを設定し終えたら、新しいネットワーク構成がすべてのノードにおいて認識されたので、ステップS107としてノード間のデータ転送が行える状態となり、データ転送が開始される。このステップS107の状態になると、再びバスリセットが発生するのを監視するモードに入り、バスリセットが発生したらステップS101からステップS106までの設定作業が繰り返し行われる。
【0045】
以上が、図10のフローチャートの説明であるが、図10のフローチャートのバスリセットからルート決定までの部分と、ルート決定後からID設定終了までの手順をより詳しくフローチャート図に表したものをそれぞれ、図11、図14に示す。
【0046】
まず、図11のフローチャートの説明を行う。
【0047】
ステップS201としてバスリセットが発生すると、ネットワーク構成は一旦リセットされる。なお、ステップS201としてバスリセットが発生するのを常に監視している。
【0048】
次に、ステップS202として、リセットされたネットワークの接続状況を再認識する作業の第一歩として、各機器にリーフ(ノード)であることを示すフラグを立てておく。更に、ステップS203として各機器が自分の持つポートがいくつ他ノードと接続されているのかを調べる。
【0049】
ステップS204のポート数の結果に応じて、これから親子関係の宣言を始めていくために、未定義(親子関係が決定させてない)ポートの数を調べる。バスリセットの直後はポート数=未定義ポート数であるが、親子関係が決定されていくにしたがって、ステップS204で検知する未定義ポートの数は変化していくものである。
【0050】
まず、バスリセットの直後、はじめに親子関係の宣言を行えるのはリーフに限られている。ステップS203のポート数の確認により、未定義ポート数がはじめから1のノードはリーフであって、ステップS205に進み、自分に接続されているノードに対して、「自分は子、相手は親」と宣言し動作を終了する。
【0051】
ステップS203でポート数が複数あるノードは、ブランチと認識され、バスリセットの直後はステップS204で未定義ポート数>1であるので、ステップS206へと移り、まずブランチというフラグが立てられ、ステップS207でリーフから親子関係宣言で「親」の受付をするために待つ。リーフが親子関係の宣言を行い、ステップS207でそれを受けたブランチは適宜ステップS204の未定義ポート数の確認を行い、未定義ポート数が1になっていれば残っているポートに接続されているノードに対して、ステップS205の「自分が子」の宣言をすることが可能になる。2度目以降、ステップS204で未定義ポート数を確認しても2以上あるブランチに対しては、再度ステップS207でリーフ又は他のブランチからの「親」の受付をするために待つ。
【0052】
最終的に、いずれか1つのブランチ、又は例外的にリーフ(子宣言を行えるのにすばやく動作しなかった為)がステップS204の未定義ポート数の結果としてゼロになったら、これにてネットワーク全体の親子関係の宣言が終了したものであり、未定義ポート数がゼロ(すべて親のポートとして決定)になった唯一のノードはステップS208としてルートのフラグが立てられ、ステップS209としてルートとしての認識がなされる。このようにして、図11に示したバスリセットから、ネットワーク内すべてのノード間における親子関係の宣言までが終了する。
【0053】
次に、図14のフローチャートについて説明する。
【0054】
まず、図11までのシーケンスでリーフ、ブランチ、ルートという各ノードのフラグの情報が設定されているので、これを元にして、ステップS301でそれぞれ分類する。各ノードにIDを与える作業として、最初にIDの設定を行うことができるのはリーフからである。リーフ→ブランチ→ルートの順で若い番号(ノード番号=0〜)からIDの設定がなされていく。
【0055】
ステップS302としてネットワーク内に存在するリーフの数N(Nは自然数)を設定する。この後、ステップS303として各自リーフがルートに対して、IDを与えるように要求する。この要求が複数ある場合には、ルートはステップS304としてアービトレーション(1つに調停する作業)を行い、ステップS305として勝ったノード1つにID番号を与え、負けたノードには失敗の結果通知を行う。ステップS306としてID取得が失敗に終わったリーフは、再度ID要求を出し、同様の作業を繰り返す。IDを取得できたリーフからステップS307として、そのノードのID情報をブロードキャストで全ノードに転送する。1ノードID情報のブロードキャストが終わると、ステップS308として残りのリーフの数が1つ減らされる。ここで、ステップS309として、この残りのリーフの数が1以上ある時はステップS303のID要求の作業からを繰り返し行い、最終的にすべてのリーフがID情報をブロードキャストすると、ステップS309がN=0となり、次はブランチのID設定に移る。
【0056】
ブランチのID設定もリーフの時と同様に行われる。
【0057】
まず、ステップS310としてネットワーク内に存在するブランチの数M(Mは自然数)を設定する。この後、ステップS311として各自ブランチがルートに対して、IDを与えるように要求する。これに対してルートは、ステップS312としてアービトレーションを行い、勝ったブランチから順にリーフに与え終わった次の若い番号から与えいく。ステップS313として、ルートは要求を出したブランチにID情報又は失敗結果を通知し、ステップS314としてID取得が失敗に終わったブランチは、再度ID要求を出し、同様の作業を繰り返す。IDを取得できたブランチからステップS315として、そのノードのID情報をブロードキャストで全ノードに転送する。1ノードID情報のブロードキャストが終わると、ステップS316として残りのブランチの数が1つ減らされる。ここで、ステップS317として、この残りのブランチの数が1以上ある時はステップS311のID要求の作業からを繰り返し、最終的にすべてのブランチがID情報をブロードキャストするまで行われる。すべてのブランチがノードIDを取得すると、ステップS317はM=0となり、ブランチのID取得モードも終了する。
【0058】
ここまで終了すると、最終的にID情報を取得していないノードはルートのみなので、ステップS318として与えない番号で最も若い番号を自分のID番号と設定し、ステップS319としてルートのID情報をブロードキャストする。
【0059】
以上で、図14に示したように、規子関係が決定した後から、すべてのノードのIDが設定されるまでの手順が終了する。
【0060】
次に、一例として図12に示した実際のネットワークにおける動作を図12を参照しながら説明する。
【0061】
図12の説明として、(ルート)ノードBの下位にはノードAとノードCが直接接続されており、更にノードCの下位にはノードDが直接接続されており、更にノードDの下位にはノードEとノードFが直接接続された階層構造になっている。この、階層構造やルートノード、ノードIDを決定する手順を以下で説明する。
【0062】
バスリセットがされた後、まず各ノードの接続状況を認識するために、各ノードの直接接続されているポート間において、親子関係の宣言がなされる。この親子とは親側が階層構造で上位となり、子側が下位となると言うことができる。
【0063】
図12ではバスリセットの後、最初に親子関係の宣言を行ったのはノードAである。基本的にノードの1つのポートにのみ接続があるノード(リーフと呼ぶ)から組子関係の宣言を行うことができる。これは自分には1ポートの接続のみということをまず知ることができるので、これによってネットワークの端であることを認識し、その中で早く動作を行ったノードから親子関係が決定されていく。こうして親子関係の宣言を行った側(A−B間ではノードA)のポートが子と設定され、相手側(ノードB)のポートが親と設定されるこうして、ノードA−B間では子−親、ノードE−D間で子−親、ノードF−D間で子−親と決定される。
【0064】
更に1階層あがって、今度は複数個接続ポートを持つノード(ブランチと呼ぶ)のうち、他ノードからの親子関係の宣言を受けたものから順次、更に上位に親子関係の宣言を行っていく。図12ではまずノードDがD−E間、D−F間と親子関係が決定した後、ノードCに対する親子関係の宣言を行っており、その結果ノードD−C間で子−親と決定している。
【0065】
ノードDから親子関係の宣言を受けたノードCは、もう一つのポートに接続されているノードBに対して親子関係の宣言を行っている。これによってノードC−B間で子−親と決定している。
【0066】
このようにして、図12のような階層構造が構成され、最終的に接続されているすべてのポートにおいて親となったノードBが、ルートノードと決定された。ルートは1つのネットワーク構成中に一つしか存在しないものである。
【0067】
なお、この図12においてノードBがルートノードと決定されたが、これはノードAから親子関係宣言を受けたノードBが、他のノードに対して親子関係宣言を早いタイミングで行っていれば、ルートノードは他ノードに移っていたこともあり得る。すなわち、伝達されるタイミングによってはどのノードもルートノードとなる可能性があり、同じネットワーク構成でもルートノードは一定とは限らない。
【0068】
ルートノードが決定すると、次は各ノードIDを決定するモードに入る。ここではすべてのノードが、決定した自分のノードIDを他のすべてのノードに通知する(ブロードキャスト機能)。
【0069】
自己ID情報は、自分のノード番号、接続されている位置の情報、持っているポートの数、接続のあるポートの数、各ポートの親子関係の情報等を含んでいる。
【0070】
ノードID番号の割り振りの手順としては、まず1つのポートにのみ接続があるノード(リーフ)から起動することができ、この中から順にノード番号=0,1,2,…と割り当てられる。
【0071】
ノードIDを手にしたノードは、ノード番号を含む情報をブロードキャストで各ノードに送信する。これによって、そのID番号は『割り当て済み』であることが認識される。
【0072】
すべてのリーフが自己ノードIDを取得し終わると、次はブランチへ移りリーフに引き続いたノードID番号が各ノードに割り当てられる。リーフと同様に、ノードID番号が割り当てられたブランチから順次ノードID情報をブロードキャストし、最後にルートノードが自己ID情報をブロードキャストする。すなわち、常にルートは最大のノードID番号を所有するものである。
【0073】
以上のようにして、階層構造全体のノードIDの割り当てが終わり、ネットワーク構成が再構築され、バスの初期化作業が完了する。
【0074】
《アービトレーション》
1394シリアルバスでは、データ転送に先立って必ずバス使用権のアービトレーション(調停)を行う。1394シリアルバスネットワークでは、個別に接続された各機器が、転送された信号をそれぞれ中継する。つまり、ネットワーク内すべての機器に同信号を伝えることにより、論理的なバス型ネットワークを構成する。このようなネットワークにおいては、パケットの衝突を防ぐ意味でアービトレーションは必要である。これによってある時間には、たった一つのノードのみ転送を行うことができる。
【0075】
アービトレーションを説明するための図として図13(a)にバス使用要求の図、(b)にバス使用許可の図を示し、以下これを用いて説明する。
【0076】
アービトレーションが始まると、1つもしくは複数のノードが親ノードに向かって、それぞれバス使用権の要求を発する。図13(a)のノードCとノードFがバス使用権の要求を発しているノードである。これを受けた親ノード(図13ではノードA)は更に親ノードに向かって、バス使用権の要求を発する(中継する)。この要求は最終的に調停を行うルートに届けられる。
【0077】
バス使用要求を受けたルートノードは、どのノードにバスを使用させるかを決める。この調停作業はルートノードのみが行えるものであり、調停によって勝ったノードにはバスの使用許可を与える。図13(b)ではノードCに使用許可が与えられ、ノードFの使用は拒否された図である。アービトレーションに負けたノードに対してはDP(data prefix)パケットを送り、拒否されたことを知らせる。拒否されたノードのバス使用要求は次回のアービトレーションまで待たされる。
【0078】
以上のようにして、アービトレーションに勝ってバスの使用許可を得たノードは、以降データの転送を開始できる。
【0079】
ここで、アービトレーションの一連の流れをフローチャート図15に示して、説明する。
【0080】
ノードがデータ転送を開始する為には、バスがアイドル状態であることが必要である。先に行われていたデータ転送が終了して、現在バスが空き状態であることを認識するためには、各転送モードで個別に設定されている所定のアイドル時間ギャップ長(例.サブアクション・ギャップ)を経過する事によって、各ノードは自分の転送が開始できると判断する。
【0081】
ステップS401として、Asyncデータ、Isoデータ等それぞれ転送するデータに応じた所定のギャップ長が得られたか判断する。所定のギャップ長が得られない限り、転送を開始するために必要なバス使用権の要求はできないので、所定のギャップ長が得られるまで待つ。
【0082】
ステップS401で所定のギャップ長が得られたら、ステップS402として転送すべきデータがあるか判断し、ある場合はステップS403として転送するためにバスを確保するよう、バス使用権の要求をルートに対して発する。このときの、バス使用権の要求を表す信号の伝達は、図13に示したように、ネットワーク内各機器を中継しながら、最終的にルートに届けられる。
【0083】
ステップS402で転送するデータがない場合は、そのまま待機する。
【0084】
次に、ステップS404として、ステップS403のバス使用要求を1つ以上ルートが受信したら、ルートはステップS405として使用要求を出したノードの数を調べる。ステップS405での選択値がノード数=1(使用権要求を出したノードは1つ)だったら、そのノードに直後のバス使用許可が与えられることとなる。ステップS405での選択値がノード数>1(使用要求を出したノードは複数)だったら、ルートはステップS406として使用許可を与えるノードを1つに決定する調停作業を行う。この調停作業は公平なものであり、毎回同じノードばかりが許可を得る様なことはなく、平等に権利を与えていくような構成となっている。
【0085】
ステップS407として、ステップS406で使用要求を出した複数ノードの中からルートが調停して使用許可を得た1つのノードと、敗れたその他のノードに分ける選択を行う。ここで、調停されて使用許可を得た1つのノード、またはステップS405の選択値から使用要求ノード数=1で調停無しに使用許可を得たノードには、ステップS408として、ルートはそのノードに対して許可信号を送る。許可信号を得たノードは、受け取った直後に転送すべきデータ(パケット)を転送開始する。また、ステップS406の調停で敗れて、バス使用が許可されなかったノードにはステップS409としてルートから、アービトレーション失敗を示すDP(data prefix)パケットを送られこれを受け取ったノードは再度転送を行うためのバス使用要求を出すため、ステップS401まで戻り、所定ギャップ長が得られるまで待機する。
【0086】
《Asynchronous(非同期)転送》
アシンクロナス転送は、非同期転送である。図16にアシンクロナス転送における時間的な遷移状態を示す。図16の最初のサブアクション・ギャップは、バスのアイドル状態を示すものである。このアイドル時間が一定値になった時点で、転送を希望するノードはバスが使用できると判断して、バス獲得のためのアービトレーションを実行する。
【0087】
アービトレーションでバスの使用許可を得ると、次にデータの転送がパケット形式で実行される。データ転送後、受信したノードは転送されたデータに対しての受信結果のack(受信確認用返送コード)をack gapという短いギャップの後、返送して応答するか、応答パケットを送ることによって転送が完了する。ackは4ビットの情報と4ビットのチェックサムからなり、成功か、ビジー状態か、ペンディング状態であるかといった情報を含み、すぐに送信元ノードに返送される。
【0088】
次に、図17にアシンクロナス転送のパケットフォーマットの例を示す。
【0089】
パケットには、データ部及び誤り訂正用のデータCRCの他にはヘッダ部があり、そのヘッダ部には、目的ノードID、ソースノードID、転送データ長さや各種コードなどが書き込まれ転送が行われる。
【0090】
また、アシンクロナス転送は自己ノードから相手ノードへの1対1の通信である。転送元ノードから転送されたパケットは、ネットワーク中の各ノードに行き渡るが、自分宛てのアドレス以外のものは無視されるので、宛先の1つのノードのみが読込むことになる。
【0091】
《Isochronous(同期)転送》
アイソクロナス転送は同期転送である。1394シリアルバスの最大の特徴であるともいえるこのアイソクロナス転送は、特にVIDEO映像データや音声データといったマルチメディアデータなど、リアルタイムな転送を必要とするデータの転送に適した転送モードである。また、アシンクロナス転送(非同期)が1対1の転送であったのに対し、このアイソクロナス転送はブロードキャスト機能によって、転送元の1つのノードから他のすべてのノードへ一様に転送される。
【0092】
図18はアイソクロナス転送における、時間的な遷移状態を示す図である。
【0093】
アイソクロナス転送は、バス上一定時間毎に実行される。この時間間隔をアイソクロナスサイクルと呼ぶ。アイソクロナスサイクル時間は、125μSである。この各サイクルの開始時間を示し、各ノードの時間調整を行う役割を担っているのがサイクル・スタート・パケットである。サイクル・スタート・パケットを送信するのは、サイクル・マスタと呼ばれるノードであり、1つ前のサイクル内の転送終了後、所定のアイドル期間(サブアクションギャップ)を経た後、本サイクルの開始を告げるサイクル・スタート・パケットを送信する。このサイクル・スタート・パケットの送信される時間間隔が125μSとなる。
【0094】
また、図18にチャネルA、チャネルB、チャネルCと示したように、1サイクル内において複数種のパケットがチャネルIDをそれぞれ与えられることによって、区別して転送できる。これによって同時に複数ノード間でのリアルタイムな転送が可能であり、また受信するノードでは自分が欲しいチャネルIDのデータのみを取り込む。このチャネルIDは送信先のアドレスを表すものではなく、データに対する論理的な番号を与えているに過ぎない。あくまで全てのパケットの送信は1つの送信元ノードから他のすべてのノードに行き渡る、つまり、ブロードキャストで転送されることになる。
【0095】
アイソクロナス転送のパケット送信に先立って、アシンクロナス転送同様アービトレーションが行われる。しかし、アシンクロナス転送のように1対1の通信ではないので、アイソクロナス転送にはack(受信確認用返信コード)は存在しない。
【0096】
また、図18に示したiso gap(アイソクロナスギャップ)とは、アイソクロナス転送を行う前にバスが空き状態であると認識するために必要なアイドル期間を表している。この所定のアイドル期間を経過すると、アイソクロナス転送を行いたいノードはバスが空いていると判断し、転送前のアービトレーションを行うことができる。
【0097】
つぎに、図19にアイソクロナス転送のパケットフォーマットの例を示し、説明する。
【0098】
各チャネルに分かれた、各種のパケットにはそれぞれデータ部及び誤り訂正用のデータCRCの他にヘッダ部があり、そのヘッダ部には図19に示したような、転送データ長やチャネルNO、その他各種コード及び誤り訂正用のヘッダCRCなどが書き込まれ、転送が行われる。
【0099】
《バス・サイクル》
実際の1394シリアルバス上の転送では、アイソクロナス転送と、アシンクロナス転送は混在できる。その時の、アイソクロナス転送とアシンクロナス転送が混在した、バス上の転送状態の時間的な遷移の様子を表した図を図20に示す。
【0100】
アイソクロナス転送はアシンクロナス転送よりも優先して実行される。その理由は、サイクル・スタート・パケットの後、アシンクロナス転送を起動するために必要なアイドル期間のギャップ長(サブアクションギャップ)よりも短いギャップ長(アイソクロナスギャップ)で、アイソクロナス転送を起動できるからである。したがって、アシンクロナス転送より、アイソクロナス転送は優先して実行されることとなる。
【0101】
図20に示した、一般的なバスサイクルにおいて、サイクル#mのスタート時にサイクル・スタート・パケットがサイクル・マスタから各ノードに転送される。これによって、各ノードで時刻調整を行ない、所定のアイドル期間(アイソクロナスギャップ)を待ってからアイソクロナス転送を行なうべきノードはアービトレーションを行い、パケット転送に入る。図20ではチャネルeとチャネルsとチャネルkが順にアイソクロナス転送されている。
【0102】
このアービトレーションからパケット転送までの動作を、与えられているチャネル分繰り返し行った後、サイクル#mにおけるアイソクロナス転送がすべて終了したら、アシンクロナス転送を行うことができるようになる。
【0103】
アイドル時間がアシンクロナス転送が可能なサブアクションギャップに達する事によって、アシンクロナス転送を行いたいノードはアービトレーションの実行に移れると判断する。
【0104】
ただし、アシンクロナス転送が行える期間は、アイソクロナス転送終了後から、次のサイクル・スタートパケットを転送すべき時間(cycle synch)までの間にアシンクロナス転送を起動するためのサブアクションギャップが得られた場合に限っている。
【0105】
図20のサイクル#mでは3つのチャネル分のアイソクロナス転送と、その後アシンクロナス転送(含むack)が2パケット(パケット1、パケット2)転送されている。このアシンクロナスパケット2の後は、サイクルm+1をスタートすべき時間(cycle synch)にいたるので、サイクル#mでの転送はここまでで終わる。
【0106】
ただし、非同期または同期転送動作中に次のサイクル・スタート・パケットを送信すべき時間(cycle synch)に至ったとしたら、無理に中断せず、その転送が終了した後のアイドル期間を待ってから次サイクルのサイクル・スタートパケットを送信する。すなわち、1つのサイクルが125μS以上続いたときは、その分次サイクルは基準の125μSより短縮されたとする。このようにアイソクロナス・サイクルは125μSを基準に超過、短縮し得るものである。
【0107】
しかし、アイソクロナス転送はリアルタイム転送を維持するために毎サイクル必要であれば必ず実行され、アシンクロナス転送はサイクル時間が短縮されたことによって次以降のサイクルにまわされることもある。こういった遅延情報も含めて、サイクル・マスタによって管理される。
【0108】
<情報処理システムの構成及び動作>
図1は、PC、プリンタ等の機器をIEEE1394バスを介して接続することにより構成された情報処理システムを示す図である。図1において、101は情報処理装置としてのパーソナルコンピュータ(PC)、102は画像読取装置としてのスキャナ、103は画像記録装置としてのプリンタ、104は撮像装置としてのデジタルカメラである。本システムにおいては、PC101からプリンタ103へデータを送って印刷したり、デジタルカメラ104からプリンタ103に画像を送って印刷したり、またイメージスキャナ102で入力したデータをプリンタ103に送って印刷したりと言うように、IEEE1394バスにつながる複数の機器のそれぞれが、プリンタ103の空き状態等のステータスを見ながら、印刷処理の指示を行なうことができる。
【0109】
図2は、プリンタ103の内部構成を示すブロック図である。
【0110】
201はIEEE1394バスとの間で通信を行なうI/F部である。202はプリンタ全体の制御を行なうCPUである。203は操作パネルを含む操作/表示部である。204はRAMで、PC101からIEEE1394バスを介して読み出した記述言語での画像データや、更にその画像データをビットマップに変換したビットマップデータを記憶する領域、CPU202で実行されるプログラムロード領域等を含む。205はCPU202の動作プログラム等をストアするROM、206はRAM204から送られてくるVIDEOデータを入力し、用紙上に印刷する印刷部である。207はRAM204内に展開されたビットマップデータを印刷部206から送られてくる水平および垂直同期信号に同期して読み出して印刷部206へ送る機能を有する印刷I/F部である。
【0111】
次に図3のフローチャートを参照して、プリンタの動作について説明する。図3は、プリンタ103がステータス情報の通知を行なう際の動作について説明する図である。
【0112】
プリンタは、S501でPC101等の外部機器からステータス要求を受けると、まずIEEE1394バスネットワーク上にそのステータス情報がブロードキャストされているか判断する(S502)。ステータス情報がブロードキャストされていなければ、S503に進み、アイソクロナスリソースマネージャになっている機器にアクセスし、そこから空いているアイソクロナスチャネルIDと必要な帯域のバスバンドを取得する。次に取得したアイソクロナスチャネルIDに、プリンタのステータス情報を流す(S504)。
【0113】
プリンタのステータス情報とは以下の通りである。
【0114】
1)エラー情報:プリンタにエラーが発生し、プリンタがレディ状態でなくなった時に送出される情報で、エラー復旧と共に送出されなくなる。内容としては、モータ故障、定着器故障、ペーパージャム、紙無し、メモリエラー等である。
【0115】
2)動作情報:プリンタの動作状態を示す情報で、現在印刷動作中であるとか、どの印刷JOBを実行中であるとかの情報がこれにあたる。
【0116】
3)コンフィギュレーション情報:プリンタの動作環境を示す情報で、内蔵メモリ容量、内蔵フォントの種類、サポート出来る印刷言語の種類、オプションの装着の有無と、ある場合はそれぞれの内容、等が、これに相当する。
【0117】
図4にプリンタのステータス情報の例を示す。図4(a)はプリンタがレディ状態の時に送られるステータス例であり、図4(b)はプリンタがエラー(ノンレディ)状態の時に送られるステータス例である。
【0118】
図4(a)において、301は先頭を示すヘッダコード、302はプリンタがレディ状態かどうかを示すビットで、1の時レディ、0の時ノンレディ(エラー)状態を示す。303はプリンタの動作状態を示すステータスコードで、コードの種類によって各動作状態を示す。304はそのパラメータ、305はプリンタの動作環境を示すコンフィギュレーションコードで、やはりそのコードの種類によって各動作状態を示す。306はそのパラメータである。307はプリンタのステータス情報の終了を示す終了コードである。
【0119】
また、図4(b)においては、プリンタレディビット302は0である。この場合、308はエラーコードで、コードの種類によって各動作状態を示す。309はそのパラメータである。
【0120】
図3に戻り、ステータス要求をして来た相手に対して、ステータス情報を流しているアイソクロナスチャネルを知らせる(S505)。
【0121】
S502で既にステータス情報がブロードキャストされている場合には、そのままS505に進み、ステータス情報要求元にチャネルIDを通知する。
【0122】
S505の処理が終れば、S501に戻り、次のステータス情報の要求を待つ。
【0123】
プリンタ103は、一度ステータス情報をブロードキャストすると、その後継続して、ステータス情報をアイソクロナスチャンネルに流し続ける。これにより、IEEE1394バスネットワーク上の全ての機器がそのステータス情報を見られる。プリンタ103にアクセスしてステータスを問い合わせる必要が無いので、プリンタ103の負担は格段に軽減されるし、またIEEE1394バスを流れるデータも少なくて済むことになる。
【0124】
(その他の実施の形態)
プリンタの情報の内、動作ステータス、エラー情報、コンフィギュレーション情報を、それぞれ別のアイソクロナスチャンネルを用いて流してもよい。
【0125】
プリンタのコンフィギュレーションは頻繁に変わるものではなく、例えば電源オン後一度だけ参照すれば良いものである。また、エラー情報は、エラーが発生したときだけ見れば良いものである。従って、コンフィギュレーション情報やエラー情報について別々のチャネルを割り当てることにより、効率の良い情報取得が可能になる。
【0126】
なお、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インタフェイス機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
【0127】
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0128】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0129】
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、図3に示したフローチャートに対応するプログラムコードが格納されることになる。
【0130】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、データ転送効率の良いステータス情報の配信を行なうことのできる画像処理システム及びそのシステムを構成する画像処理装置並びにその制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態としての画像処理ネットワークの概略構成を示した図である。
【図2】プリンタの内部構成を示すブロック図である。
【図3】プリンタの動作フローチャートである。
【図4】プリンタのステータスの例を示す図である。
【図5】1394シリアルバスを用いて接続されたネットワーク構成の一例を示す図である。
【図6】1394シリアルバスの構成要素を表す図である。
【図7】1394シリアルバスのアドレスマップを示す図である。
【図8】1394シリアルバスケーブルの断面図である。
【図9】DS−Link符号化方式を説明するための図である。
【図10】バスリセットからノードIDの決定までの処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】バスリセットにおける親子関係決定のための処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】1394シリアルバスで各ノードのIDを決定するためのトポロジ設定を説明するための図である。
【図13】1394シリアルバスでのアービトレーションを説明するための図である。
【図14】バスリセットにおける親子関係決定後から、ノードID決定までの流れを示すフローチャートである。
【図15】アービトレーションを説明するためのフローチャートである。
【図16】アシンクロナス転送の時間的な状態遷移を表す基本的な構成図である。
【図17】アシンクロナス転送のパケットのフォーマットの一例を示す図である。
【図18】アイソクロナス転送の時間的な状態遷移を表す基本的な構成図である。
【図19】アイソクロナス転送のパケットのフォーマットの一例を示す図である。
【図20】1394シリアルバスで実際のバス上を転送されるパケットの様子を示したバスサイクルの一例を示す図である。

Claims (10)

  1. データをブロードキャストできるバスを介して他の機器と接続された画像処理装置を制御する制御方法であって、
    前記画像処理装置のステータス情報の要求コマンドを前記機器から獲得する獲得工程と、
    前記ステータス情報をブロードキャストするためのバス上のチャネルIDを当該バス上の複数のチャネルIDの中から確保する確保工程と、
    前記確保工程で確保したチャネルIDを用いて前記ステータス情報をブロードキャストするデータ通信工程と、
    前記獲得工程で獲得した要求コマンドの発信元に対して前記確保工程で確保したチャネルIDを通知する通知工程と、
    を有することを特徴とする画像処理装置の制御方法。
  2. 前記バスはIEEE1394シリアルバスであることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置の制御方法。
  3. データをブロードキャストできるバスを介して他の機器と接続された画像処理装置を制御する制御方法であって、
    前記画像処理装置のステータス情報の要求コマンドを前記機器から獲得する獲得工程と、
    前記ステータス情報をブロードキャストするためのバス上のチャネルIDを確保する確保工程と、
    前記確保工程で確保したチャネルIDを用いて前記ステータス情報をブロードキャストするデータ通信工程と、
    前記獲得工程で獲得した要求コマンドの発信元に対して前記チャネルIDを通知する通知工程とを有し、
    前記データ通信工程は、同期転送モードで前記ステータス情報を転送することを特徴とする画像処理装置の制御方法。
  4. 前記確保工程は、
    前記バスに設定された同期リソース管理機器にアクセスするアクセス工程と、
    少なくとも一つの同期チャネルIDと所定帯域のバスバンドを取得する取得工程と、
    を含むことを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置の制御方法。
  5. データをブロードキャストできるバスを介して他の機器と接続された画像処理装置であって、
    前記画像処理装置のステータス情報の要求コマンドを前記機器から獲得する獲得手段と、
    前記ステータス情報をブロードキャストするためのバス上のチャネルIDを当該バス上の複数のチャネルIDの中から確保する確保手段と、
    前記確保手段で確保したチャネルIDを用いて前記ステータス情報をブロードキャストするデータ通信手段と、
    前記獲得手段で獲得した要求コマンドの発信元に対して前記確保手段で確保したチャネルIDを通知する通知手段と、
    を有することを特徴とする画像処理装置。
  6. 前記バスはIEEE1394シリアルバスであることを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
  7. データをブロードキャストできるバスを介して他の機器と接続された画像処理装置であって、
    前記画像処理装置のステータス情報の要求コマンドを前記機器から獲得する獲得手段と、
    前記ステータス情報をブロードキャストするためのバス上のチャネルIDを確保する確保手段と、
    前記確保手段で確保したチャネルIDを用いて前記ステータス情報をブロードキャストするデータ通信手段と、
    前記獲得手段で獲得した要求コマンドの発信元に対して前記チャネルIDを通知する通知手段とを有し、
    前記データ通信手段は、同期転送モードで前記ステータス情報を転送する手段であることを特徴とする画像処理装置。
  8. 前記確保手段は、
    前記バスに設定された同期リソース管理機器にアクセスするアクセス手段と、
    少なくとも一つの同期チャネルIDと所定帯域のバスバンドを取得する取得手段と、
    を含むことを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。
  9. データをブロードキャストできるバスを介して画像処理装置と他の機器とを接続した画像処理システムであって、
    前記画像処理装置は、
    前記画像処理装置のステータス情報の要求コマンドを前記機器から獲得する獲得手段と、
    前記ステータス情報をブロードキャストするためのバス上のチャネルIDを当該バス上のチャネルIDの中から確保する確保手段と、
    前記確保手段で確保したチャネルIDを用いて前記ステータス情報をブロードキャストするデータ通信手段と、
    前記獲得手段で獲得した要求コマンドの発信元に対して前記確保手段で確保したチャネルIDを通知する通知手段と、
    を有することを特徴とする画像処理システム。
  10. データをブロードキャストできるバスを介して他の機器と接続された画像処理装置の制御プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、
    前記制御プログラムは前記画像処理装置に、
    前記画像処理装置のステータス情報の要求コマンドを前記機器から獲得する獲得工程と、
    前記ステータス情報をブロードキャストするためのバス上のチャネルIDを当該バス上の複数のチャネルIDの中から確保する確保工程と、
    前記確保工程で確保したチャネルIDを用いて前記ステータス情報をブロードキャストするデータ通信工程と、
    前記獲得工程で獲得した前記要求コマンドの発信元に対して前記確保工程で確保したチャネルIDを通知する通知工程と、
    を実行させることを特徴とする記憶媒体。
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