JPH11165368A - 表面保護フィルム - Google Patents

表面保護フィルム

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JPH11165368A
JPH11165368A JP9350034A JP35003497A JPH11165368A JP H11165368 A JPH11165368 A JP H11165368A JP 9350034 A JP9350034 A JP 9350034A JP 35003497 A JP35003497 A JP 35003497A JP H11165368 A JPH11165368 A JP H11165368A
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JP
Japan
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surface protective
protective film
resin
layer
adhesive layer
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JP9350034A
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Shinichi Takada
信一 高田
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Nitto Denko Corp
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Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性が高く、被着体の汚染の少ない帯電防
止効果の高い表面保護フィルムを提供する。 【解決手段】 ポリエチレンやポリプロピレンなどの合
成樹脂製の基材層とアクリル系粘着剤などからなる粘着
層との間に、アルカリ金属をイオン源とする非帯電性エ
チレン共重合体アイオノマー樹脂層を設けて、本発明に
係る表面保護フィルムを得る。あるいは、ポリエチレン
やポリプロピレンなどの合成樹脂製の基材層及び/又は
アクリル系粘着剤などからなる粘着層に、アルカリ金属
をイオン源とする非帯電性エチレン共重合体アイオノマ
ー樹脂を含有させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は表面保護フィルムに
関する。具体的には、液晶パネルや偏光板、プラスチッ
ク樹脂板の加工時や輸送時あるいは保管時に、これらの
表面を保護するために用いられる帯電防止機能を有する
再剥離性の表面保護フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】パーソナルコンピュータやワードプロセ
ッサ、電子卓上計算機等に用いられる液晶パネルや偏光
板の加工時における傷付きやゴミの付着、汚染などを防
止するために、合成樹脂製の再剥離性がある表面保護フ
ィルムを液晶パネルや偏光板に貼って保護することが行
なわれている。
【0003】しかしながら、従来の表面保護フィルム
は、絶縁体である合成樹脂から作製されているため、保
護する役割を終えた後に液晶パネル等から剥離する際に
静電気が発生し、その結果、電子回路のICが破損され
たり、ゴミやほこりが付着するなどの問題があり、表面
保護フィルムに帯電防止機能を付与する必要があった。
【0004】この一つの手法として、表面保護フィルム
を構成する基材層若しくは粘着層に導電性フィラーや界
面活性剤などの帯電防止剤を練り込む方法があるが、導
電性フィラーを練り込んだものは透明性が悪く、表面保
護フィルムを貼り付けた状態では、被着体面を目視で確
認することが困難であった。また、目標とする帯電防止
効果を得るためには、大量の導電性フィラーを添加しな
ければならず、大幅な製造コストのアップにもつながっ
ていた。
【0005】一方、界面活性剤などの帯電防止剤を練り
込んだものは、帯電防止剤が表面保護フィルムの表面に
ブリードアウトし、そこから静電気を逃がすことによっ
て帯電防止効果を生じるが、界面活性剤は一般に低分子
量のものが多く、ブリードアウト量が安定せず、帯電防
止効果や粘着特性が変化したりするため、一定の品質の
表面保護フィルムを得ることが困難であった。特に、ブ
リードアウト量が過剰になると、被着体を帯電防止剤で
汚染するという致命的な問題がある。
【0006】本発明は叙上の従来例の欠点に鑑みてなさ
れたものであり、その目的とするところは、透明性が高
く、被着体の汚染の少ない帯電防止効果の高い表面保護
フィルムを提供することにある。
【0007】本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検
討した結果、粘着層と合成樹脂製の基材層との間にアル
カリ金属をイオン源とする非帯電性エチレン共重合体ア
イオノマー樹脂層を設けるか、あるいは粘着層及び/又
は合成樹脂製の基材層にアルカリ金属をイオン源とする
非帯電性エチレン共重合体アイオノマー樹脂を含有させ
ることにより、基材層の機械的強度を低下させず、かつ
帯電防止剤が脱落して被着体を汚染することもなく、し
かも安定した帯電防止性に優れた表面保護フィルムを得
られることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願第1の発明に係る表
面保護フィルムは、粘着層と合成樹脂製の基材層を有す
る再剥離性の表面保護フィルムであって、前記粘着層と
前記基材層との間に、アルカリ金属をイオン源とする非
帯電性エチレン共重合体アイオノマー樹脂層を設けてな
ることを特徴としている。
【0009】また、本願第2の発明に係る表面保護フィ
ルムは、粘着層と合成樹脂製の基材層を有する表面保護
フィルムであって、前記粘着層及び/又は前記基材層
は、アルカリ金属をイオン源とする非帯電性エチレン共
重合体アイオノマー樹脂を含有することを特徴としてい
る。
【0010】本発明において用いられる非帯電性エチレ
ン共重合体アイオノマー樹脂は、エチレン・不飽和カル
ボン酸ランダム共重合体のカルボキシル基の一部若しく
は全部がアルカリ金属で中和された構造のものをいい、
帯電防止効果を有するものであれば特に制限されるもの
でない。
【0011】上記エチレン・不飽和カルボン酸ランダム
共重合体は、エチレンと不飽和カルボン酸との共重合体
であって、これら以外に他の不飽和単量体成分を共重合
可能である。不飽和カルボン酸としては、エチレンと共
重合可能なものであれば特に制限されるものではなく、
アクリル酸やメタクリル酸(以下、両者を(メタ)アク
リル酸と表記する。)、フマル酸、マレイン酸モノメチ
ルエステル、マレイン酸モノエチルエステル、無水マレ
イン酸などを例示することができ、これらの1種若しく
は2種以上を任意に用いることができる。
【0012】また、さらに共重合可能な不飽和単量体成
分としても特に制限されるものではなく、(メタ)アク
リル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)ア
クリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸n−ブチルの
ようなアクリル酸エステルやメタクリル酸エステル、あ
るいは酢酸ビニルなどのような不飽和カルボン酸エステ
ルを例示でき、これらの1種若しくは2種以上を任意に
用いることができる。
【0013】本発明におけるアイオノマー樹脂のイオン
源としては、アルカリ金属、すなわち、リチウム、ナト
リウム、カリウム、ルビジウム、セシウムが用いられる
が、特に好適な帯電防止効果及び価格の観点から、カリ
ウムを用いるのが特に好ましい。当該アイオノマー樹脂
中のアルカリ金属含有量は、非帯電性の観点から、アイ
オノマー樹脂1kg当たり0.3〜5モル、好ましくは
0.5〜2モルの範囲にあることが望ましい。0.3モ
ルよりも少ない場合には、十分な帯電防止効果を得るこ
とができず、5モルを越えて用いたとしても一定以上の
帯電防止効果を得られず、経済的でない。
【0014】また、アイオノマー樹脂としては、190
℃、2160g荷重におけるメルトフローレート(MF
R)が、0.01〜1000g/10分、特に0.1〜
100g/10分のものを使用するのが好ましい。
【0015】表面保護フィルムの基材層として用いられ
る合成樹脂としても、従来の表面保護フィルムに通常用
いられるものであれば特に制限されるものではない。例
えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテ
ン、ポリ−4−メチル1−ペンテン、エチレン・プロピ
レン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体などのポ
リオレフィン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレ
ン・アクリル酸エチル共重合体、エチレン・ビニルアル
コール共重合体のようなオレフィン極性モノマー共重合
体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート、ポリアクリレートなどのポリエステル、ナイ
ロン6、ナイロン6,6、部分芳香族ポリアミドなどの
ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなど
を例示することができる。また、これらの合成樹脂から
なる基材層は、単層状、積層状のいずれでも差し支えな
く、また、これらの合成樹脂のブレンド物でも差し支え
ない。なお、ブレンドする場合には、ブレンドする合成
樹脂の種類や目的とする表面保護フィルムによっても異
なるが、非帯電性アイオノマー樹脂がブレンド物中、5
重量%〜70重量%、好ましくは、10重量%〜50重
量%となるようにブレンドするのがよい。5重量%未満
であれば、十分な帯電防止効果が得られず、70重量%
を越える場合には、得られた表面保護フィルムについて
十分な機械的強度を得られない場合がある。
【0016】また、表面保護フィルムに使用される粘着
剤は、液晶パネルのパネル面等に糊のこりや汚染がなく
再剥離可能に粘着できる特性を有するものであれば、特
に限定されるものではない。例えば、アクリル系、天然
ゴム系、合成ゴム系、エチレン−酢酸ビニル共重合体
系、エチレン−アクリル酸エステル系、スチレン−イソ
プレンブロック共重合体系、スチレン−ブタジエンブロ
ック共重合体系などの各種粘着剤が挙げられ、これらの
1種若しくは2種以上を用いることができる。
【0017】本発明にあっては、これらの合成樹脂から
なる基材層に上記非帯電性アイオノマー樹脂からなる樹
脂層を積層させて、さらに粘着層を積層するか、これら
の合成樹脂と上記非帯電性アイオノマー樹脂をブレンド
して基材層を得た後、粘着層を積層する。あるいは、こ
れらの合成樹脂からなる基材層に、上記非帯電性アイオ
ノマー樹脂を含有させた粘着層を積層する。なお、基材
層や非帯電性アイオノマー樹脂からなる樹脂層には、そ
れぞれ必要に応じて任意の添加剤、例えば酸化防止剤、
スリップ剤、顔料、架橋剤、粘着付与剤、無機充填剤な
どを配合することができる。
【0018】また、粘着層に非帯電性アイオノマー樹脂
をブレンドする場合には、ブレンドする粘着剤の種類や
目的とする表面保護フィルムによっても異なるが、非帯
電性アイオノマー樹脂が粘着剤中、5重量%〜50重量
%、好ましくは、10重量%〜40重量%となるように
ブレンドするのがよい。5重量%未満であれば、十分な
帯電防止効果が得られず、50重量%を越える場合に
は、十分な粘着力を得られない場合がある。
【0019】非帯電性アイオノマー樹脂層を合成樹脂製
の基材層には積層させるためには、通常の積層フィルム
を作製する方法が用いられ、例えば、Tダイ法やインフ
レーション法を用いた共押出成形やフィードブロック成
形により作製される。
【0020】粘着層を積層する方法としても特に限定さ
れず、任意の方法が採用されるが、例えば、基材層の片
面にコロナ放電処理して、上記の粘着剤溶液を塗布する
ことができる。また、粘着剤溶液中には、必要に応じ
て、各種の帯電防止剤、スリップ剤、酸化防止剤その他
通常の表面保護フィルムの粘着剤中に用いられる各種添
加剤を加えることができる。また、上記積層フィルムを
作製するのと同様に、共押出成形やフィードブロック成
形により、基材層及び樹脂層、粘着層の3層あるいは基
材層及び粘着層の2層となった表面保護フィルムを一度
に得ることもできる。
【0021】また、本発明の表面保護フィルムにおい
て、樹脂層を含めた基材層及び粘着層の厚さはそれぞれ
用途によって適宜決定されるが、基材層の厚さは一般に
10〜100μm、好ましくは30〜70μmである。
また、粘着層の厚さは一般に1〜50μm、好ましくは
3〜15μmである。
【0022】なお、本発明の表面保護フィルムにおいて
は、基材層の粘着層形成面と反対面に背面処理層を形成
することができる。当該背面処理層は、長尺状の表面保
護フィルムを紙管やプラスチック管等の巻芯に巻回した
場合において、巻回体からの表面保護フィルムの巻戻し
を容易にするために設けられるものである。この背面処
理層は、例えば長鎖アルキル系剥離剤やシリコーン系剥
離剤等を基材層の表面に塗布することによって形成する
ことができる。
【0023】
【実施例】次に、本発明の実施例である表面保護フィル
ムと比較例である表面保護フィルムを各種作製し、本発
明の効果を確認した。なお、本発明はこれらの各実施例
に限定されるものではない。
【0024】(実施例1)MFR3.0、密度0.92
g/cm3の低密度ポリエチレン樹脂とMFR6.0、
密度0.985g/cm3のアルカリ金属をイオン源と
する非帯電性エチレン共重合体アイオノマー樹脂(三井
・デュポンポリケミカル(株)高分子型帯電防止剤
「SD100」、以下同様。)を、樹脂温度190℃に
て二層共押出法により成形し、表面保護フィルムの基材
層(全体厚さ60μm、低密度ポリエチレン層厚さ50
μm、非帯電性エチレン共重合体アイオノマー樹脂層厚
さ10μm)を作製した。こうして作製された基材層の
非帯電性エチレン共重合体アイオノマー樹脂層側にコロ
ナ放電処理を施し、その処理面に、アクリル酸ブチル/
アクリル酸の共重合ポリマー(重量比95/5)100
重量部に対して、テトラグリシジル−1,3−ビスアミ
ノメチルシクロヘキサン3重量部を添加してなるアクリ
ル系粘着剤を溶剤に溶かし、塗布膜が固形分で5μmに
なるように塗布した後、80℃の乾燥器で2分間乾燥し
て実施例1に係る表面保護フィルムを得た。
【0025】(実施例2)基材層構成樹脂としてMFR
3.0、密度0.92g/cm3の低密度ポリエチレン
樹脂、粘着層構成樹脂としてMFR4.0、密度0.9
5g/cm3のエチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂(酢
酸ビニルの含有率11重量%)を用いて、その両層の間
に、アイオノマー樹脂層としてMFR6.0、密度0.
985g/cm3のアルカリ金属をイオン源とする非帯
電性エチレン共重合体アイオノマー樹脂を用い、樹脂温
度190℃にて三層押出法により、実施例2の表面保護
フィルム(全体厚さ60μm、基材層40μm、アイオ
ノマー樹脂層10μm、粘着層10μm)を得た。
【0026】(実施例3)MFR9.0、密度0.90
g/cm3のポリプロピレン樹脂70重量%とMFR
6.0、密度0.985g/cm3のアルカリ金属をイ
オン源とする非帯電性エチレン共重合体アイオノマー樹
脂をドライブレンドした混合物を、T形ダイスによる押
出成形機(45mmφ)により、樹脂温度230℃で押
出し、厚さ40μmの基材層となるフィルムを得た。当
該フィルムの片面にコロナ放電処理を施し、その処理面
にアクリル酸ブチル/アクリル酸の共重合ポリマー(重
量比95/5)100重量部に対して、テトラグリシジ
ル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン3重量部
を添加してなるアクリル系粘着剤を溶剤に溶かし、塗布
膜が固形分で5μmになるように塗布した後、80℃の
乾燥器で2分間乾燥して実施例3の表面保護フィルムを
得た。
【0027】(実施例4)基材層構成樹脂としてMFR
3.0、密度0.92g/cm3の低密度ポリエチレン
樹脂、粘着層構成樹脂としてMFR4.0、密度0.9
5g/cm3のエチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂(酢
酸ビニルの含有率11重量%)80重量%と、MFR
6.0、密度0.985g/cm3のアルカリ金属をイ
オン源とする非帯電性エチレン共重合体アイオノマー樹
脂20重量%をドライブレンドした混合物を、樹脂温度
190℃にて二層共押出法により成形し、実施例4の表
面保護フィルム(全体厚さ60μm、基材層厚さ45μ
m、粘着層厚さ15μm)を得た。
【0028】(実施例5)基材層構成樹脂としてMFR
3.0、密度0.92g/cm3の低密度ポリエチレン
樹脂70重量%とMFR6.0、密度0.985g/c
3のアルカリ金属をイオン源とする非帯電性エチレン
共重合体アイオノマー樹脂30重量%をドライブレンド
した混合物を用い、粘着層構成樹脂としてMFR4.
0、密度0.95g/cm3のエチレン・酢酸ビニル共
重合体樹脂(酢酸ビニルの含有率11重量%)を用い
て、樹脂温度190℃にて二層共押出法により成形し、
実施例5の表面保護フィルム(全体厚さ60μm、基材
層厚さ50μm、粘着層厚さ10μm)を得た。
【0029】(比較例1)MFR3.0、密度0.92
g/cm3の低密度ポリエチレン樹脂をT形ダイス押出
成形機(45mmφ)により樹脂温度190℃にて押出
成形し、厚さ60μmの基材層となるフィルムを得た他
は、実施例3と同様にして、比較例1の表面保護フィル
ムを得た。
【0030】(比較例2)基材層構成樹脂としてMFR
3.0、密度0.92g/cm3の低密度ポリエチレン
樹脂、粘着層構成樹脂としてMFR4.0、密度0.9
5g/cm3のエチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂(酢
酸ビニルの含有率11重量%)を用いて、樹脂温度19
0℃にて二層押出方法により、比較例2の表面保護フィ
ルム(全体厚さ60μm、基材層45μm、粘着層15
μm)を得た。
【0031】(比較例3)MFR3.0、密度0.92
g/cm3の低密度ポリエチレン樹脂90重量%と非イ
オン系界面活性剤型帯電防止剤(三洋化成工業(株)
製、ケミスタット1100)10重量%をドライブレン
ドし、T形ダイス押出成形機(45mmφ)にて樹脂温
度190φで押出成形し、厚さ60μmの基材層となる
フィルムを得た他は、実施例3と同様にして、比較例3
の表面保護フィルムを得た。
【0032】〔特性試験〕上記の実施例1〜5及び比較
例1〜3の表面保護フィルムについて、次に示す特性試
験を行なった。特性試験として、粘着力、外観、被着体
への汚染性、電気特性(表面抵抗率、剥離帯電圧)、力
学特性(弾性率、破断強度)について測定した。
【0033】(粘着力)各表面保護フィルムを20mm
幅にカットし、アクリル樹脂板(三菱レイヨン(株)社
製「アクリライトL」、以下同じ。)に2kgfのロー
ラを1往復させて貼付し、30分後に引張速度300m
m/分、剥離角度180゜の条件で引張試験機にて測定
した。
【0034】(外観)各表面保護フィルムについて、帯
電防止剤が練り込まれていない比較例1及び2のフィル
ムと大きな差がないかどうか評価した。透明性が損われ
ることなく、また、帯電防止剤のブリードアウトによる
表面のベタツキがない場合には○とし、フィルムの着色
又は帯電防止剤のブリードアウトによる表面のベタツキ
がある場合には×として評価した。
【0035】(被着体への汚染性)各表面保護フィルム
を20mm幅にカットし、アクリル樹脂板に2kgfの
ローラを1往復させて貼付し、50℃、24時間保存
後、手で剥離させたアクリル樹脂板に汚染がないかどう
か目視により評価した。アクリル樹脂板に汚染がなかっ
た場合には○とし、汚染があった場合には×として評価
した。
【0036】(電気特性) 表面抵抗率 JIS K6911「熱硬化性プラスチック一般試験方
法」に規定の方法に準じ、25℃、湿度65%R.H.
の雰囲気下で、基材層表面及び粘着層表面それぞれにつ
いて測定した。 剥離帯電圧 70mm×100mmの大きさのアクリル樹脂板に貼り
付けられた液晶ディスプレイ用偏光フィルムの表面に各
表面保護フィルムを貼り付け、その後貼り付けた表面保
護フィルムを手で剥離させて、その時に当該偏光フィル
ムに帯電した帯電電位を集電式電位測定器(春日電気社
製 KS−471型)により、25℃、湿度65%R.
H.の雰囲気下で測定した。
【0037】(力学特性)各表面保護フィルムを20m
m幅にカットし、引張試験器を用いて、チャック間距離
50mm、引張速度300mm/分で引張試験を行なっ
た。 弾性率 上記引張試験による応力−ひずみ曲線の初期の接線の傾
きより求めた。 破断強度 上記引張試験によるフィルム破断時の強度より求めた。
【0038】上記各特性試験の結果を、表1にまとめ
た。
【0039】
【表1】
【0040】表1からも分かるように、実施例の各表面
保護フィルムはいずれも、透明性や外観もよく、被着体
への汚染もなかった。また、粘着力についても、比較例
と比べ同程度の粘着力が得られ、実施例4に示すように
粘着層に非帯電性アイオノマー樹脂を混合した場合に
も、特に粘着力が低下することは見られなかった。
【0041】さらに、電気的特性についても、基材層表
面側では表面抵抗率の低下が見られなかったものもあっ
たが、粘着層表面側の表面抵抗率及び剥離帯電圧は、そ
れぞれ帯電防止剤を用いた場合と同等あるいはそれ以下
に低下することが確認できた。また、力学特性について
は、弾性率及び破断強度ともに比較例よりわずかに低下
するものもあったが、ほぼ比較例と同程度の力学特性を
得ることができ、実際上問題なく使用することができる
ものであった。
【0042】
【発明の効果】本願発明によれば、粘着層と合成樹脂製
の基材層を有する再剥離性の表面保護フィルムであっ
て、粘着層と基材層との間に、アルカリ金属をイオン源
とする非帯電性エチレン共重合体アイオノマー樹脂層を
設けるか、あるいは、粘着層及び/又は基材層に、アル
カリ金属をイオン源とする非帯電性エチレン共重合体ア
イオノマー樹脂を含有させているので、機械的強度を損
ねることなく、透明性の高い表面保護フィルムを得るこ
とができる。特に、従来のように帯電防止剤を練り込ん
だ場合のように、アイオノマー樹脂のブリードアウトを
考慮する必要がなく、被着体表面を汚染する恐れがな
い。このように、本発明にあっては、透明性が高く、帯
電防止効果のよい再剥離性の表面保護フィルムを提供で
きる。
【0043】したがって、保護表面フィルムの貼付けや
剥離作業時に静電気が発生せず、液晶パネルや偏光板近
くの回路に組込まれたICが静電気によって破壊される
のを効果的に防止できる。また、ゴミやほこりが付着せ
ず商品価値の低下を防止でき、帯電防止剤のブリードア
ウトによる汚染も防ぐことができる。さらに、透明性が
高いために表面保護フィルムを貼着したままでも加工し
やすく、被着体表面を容易に目視確認できるなど、加工
時や輸送時、保管に優れた効果を発揮する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粘着層と合成樹脂製の基材層を有する再
    剥離性の表面保護フィルムであって、 前記粘着層と前記基材層との間に、アルカリ金属をイオ
    ン源とする非帯電性エチレン共重合体アイオノマー樹脂
    層を設けてなることを特徴とする表面保護フィルム。
  2. 【請求項2】 粘着層と合成樹脂製の基材層を有する再
    剥離性の表面保護フィルムであって、 前記粘着層及び/又は前記基材層は、アルカリ金属をイ
    オン源とする非帯電性エチレン共重合体アイオノマー樹
    脂を含有することを特徴とする表面保護フィルム。
JP9350034A 1997-12-03 1997-12-03 表面保護フィルム Pending JPH11165368A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007050647A (ja) * 2005-08-19 2007-03-01 Asahi Kasei Chemicals Corp 複合シート

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007050647A (ja) * 2005-08-19 2007-03-01 Asahi Kasei Chemicals Corp 複合シート

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