JPH1116508A - ブラウン管ヒータ及びその製造方法とそれを用いたブラウン管 - Google Patents

ブラウン管ヒータ及びその製造方法とそれを用いたブラウン管

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JPH1116508A
JPH1116508A JP16557997A JP16557997A JPH1116508A JP H1116508 A JPH1116508 A JP H1116508A JP 16557997 A JP16557997 A JP 16557997A JP 16557997 A JP16557997 A JP 16557997A JP H1116508 A JPH1116508 A JP H1116508A
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JP
Japan
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heater
metal thin
cathode
ray tube
pitch
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JP16557997A
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English (en)
Inventor
Toshiaki Narisawa
敏明 成澤
Noboru Baba
馬場  昇
Ikumitsu Nonaka
育光 野中
Michihide Shibata
倫秀 柴田
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】低消費電力型長寿命ヒータを得る。 【解決手段】発熱抵抗体となる金属細線のコイルピッチ
と金属細線径の比(ピッチ/線径)が1.0より大きく
かつ1.5以下であり、かつ消費電力が0.4W 以下で
あることを特徴とするブラウン管ヒータ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブラウン管のカソ
ード加熱用ヒータに関する。
【0002】
【従来の技術】金属細線をコイル状に巻いた構造のヒー
タ断面を図2に、コイル状の金属細線を更にコイル状に
巻いたダブルコイル構造のヒータ外観を図3に示す。図
2は直熱型カソードの例でタングステン−レニウム合金
からなる金属細線1をコイル状に巻き、表面にアルミナ
などの絶縁粒子を付着させ、絶縁層2を形成し、外側に
電子放射層4を設けている。絶縁層2に覆われたコイル
の断面は内部が空洞になっている。金属細線1に通電過
熱し電子放射層4から電子が放出される。図3は傍熱型
カソードの例でタングステン−レニウム合金からなる金
属細線1をダブルコイル状に巻いたヒータ外観である。
【0003】図2と金属細線の表面に絶縁層2とダーク
層3を設けており、ヒータ周辺にスリーブ8,カソード
9が配置されている。カソード9は電子放射材の種類に
よってタングステンなどの多孔体に電子放射材を浸み込
ませた含浸形カソードと、耐熱性の板に電子放射材を塗
布した塗布型カソードがある。絶縁層2は、電気泳動法
(以下電着),浸漬塗布法,吹き付け法などの手法で形
成されている。ヒータの断面拡大図を図1に示す。金属
細線径5の金属細線がコイルピッチ6で巻かれ断面では
円形になっている。図2,図3のヒータ構造によらず、
金属細線1表面及び金属細線間7には絶縁層2が形成さ
れ、外側にダーク層3又は電子放射層4を設けている。
特開昭56−149741号公報によると、ヒータはタングステ
ン−3%レニウム線φ0.039mmをピッチ0.074mm
で巻き、ピッチと線径の比が1.9の金属細線コイルを用
いている。ヒータの構造はダブルコイル構造で、消費電
力は2.8W(6.3V,450mA)となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、電気使用機器の
消費電力削減が望まれている。ブラウン管においても、
ヒータの低消費電力化が進められている。また、熱効率
向上と省スペースのためヒータ全体の小型化が進められ
ている。具体的には、金属細線の小径化とコイルピッチ
の狭隘化が図られている。低消費電力化に連れ、従来技
術では、金属細線のピッチ/線径の比が1.9程度であ
った値が1.5以下になり、金属細線の狭隘化が進んで
いる。この値が2.0 は金属線間と金属細線径が同幅の
状態であり、1.0 は金属細線間のすき間がないことを
示す。図4に金属細線径5を一定にし、コイルピッチ6
を変えた時の金属細線間7を図示する。コイルピッチ6
a,6b,6cの時の金属細線間はそれぞれ7a,7
b,7cに相当し、この時の金属細線のピッチ/線径の
比は2.0,1.5,1.25 となる。金属細線のピッチ
/線径の比が小さくなると、絶縁層は金属細線間の狭い
すき間に形成しなければならない。従来の方法では低消
費電力ヒータを得るには金属細線間を狭くしなければな
らないが、金属細線間に十分な絶縁層を形成できずに金
属細線同士の接触による断線などの問題が起きている。
【0005】
【課題を解決するための手段】低消費電力のヒータを作
製するためには、金属細線間の狭いすき間に絶縁層を形
成する手段が必要になる。図4の様に金属細線のピッチ
/線径の比が1.5 以下の形状に対しては成膜速度を抑
えることが絶縁層の形成に有効であることを見い出し
た。金属細線間に十分な絶縁層を形成する条件は金属細
線のピッチ/線径の比によって異なっており、ピッチ/
線径の比が小さくなるほど成膜速度を低くしなければな
らない。
【0006】絶縁膜形成法は電着,浸漬塗布法,吹き付
け法などの手法がある。浸漬塗布法は絶縁層を構成する
物質を含む液にヒータを浸漬して成膜するため、成膜速
度を制御できない。吹き付け法は吹き付け圧力を低くし
成膜速度を低くするため、吹き付け距離が短くなり、実
用的でない。これらに対して電着は電圧や電流の調整に
よって、成膜速度を制御できるので狭部への成膜法に適
している。
【0007】
【発明の実施の形態】図5にヒータのピッチ/線径比と
金属細線間に十分な絶縁層を形成できる成膜速度を示
す。ピッチ/線径比が1.0 は金属細線間のすき間がゼ
ロの場合である。ピッチ/線径比が約1.5 より小さく
なると金属細線間のすき間に十分な絶縁層を形成できる
成膜速度は低下する。これらより、低消費電力型ヒータ
では必須となる金属線間の狭隘化に対応可能になる。
【0008】(実施例)以下、本発明を実施例により説
明する。
【0009】(実施例1)ヒータコイルは、φ0.02
5mmのタングステン−3%レニウム線をφ0.12mmの
モリブデン金属芯線にピッチ0.0375mm /ターンで
巻いた、金属細線のピッチ/線径比が1.5 のシングル
コイルを用いた。
【0010】これに電着で無機絶縁体を付着させた。絶
縁膜用分散液は電解質成分の硝酸アルミニウム,硝酸マ
グネシウムをエタノール水溶液に溶解し、無機物として
純度99.9%以上の平均粒径4μmのアルミナ粉末を
20vol%配合した。図6は電着による成膜の装置構成
である。ヒータコイル30本を負極10とし、アルミニ
ウム板を正極11として電源12に接続した。電着容器
13に絶縁膜用分散液14を入れ、成膜速度が3.5μ
m /秒になるように電源電圧・電流を調整し絶縁膜形
成した。酸化カルシウムなどからなる電子放射材を浸漬
塗布し、水素雰囲気中1600℃で5分間焼成した。焼
成終了後、モリブデン金属芯線を硝酸と硫酸との混合液
により溶解除去し、水洗い,乾燥してヒータを作製し
た。ヒータの消費電力は定格6.3Vにおいて0.3Wで
ある。比較例は上記ヒータ工程中、絶縁膜形成工程にお
いて成膜速度が30μm/秒になるように電源電圧・電
流を調整し絶縁膜形成した。他の工程は本発明品と同じ
である。
【0011】ヒータの断面を観察し、金属細線間の絶縁
物の断面充填率を求めた。断面充填率は成膜速度を制御
しない場合が20%,本発明が54%であり、金属細線
間への絶縁層の形成が良好に行われていた。ヒータ電圧
を定格より高めた7.6V とし5分通電し3分休止する
サイクルを加えたときの不良率は、45000サイクル
の時点で比較例は33%に対し、本発明品は0%であっ
た。比較例の不良モードは分解調査から金属細線同士が
接触して溶断していた。
【0012】(実施例2)ヒータコイルは、φ0.02
0mmのタングステン−3%レニウム線をφ0.12mmの
モリブデン金属芯線にピッチ0.027mm /ターンで巻
き回した、金属細線のピッチ/線径比が1.35 のシン
グルコイルを、更にコイル状にしたダブルコイル構造で
ある。
【0013】これに電着で無機絶縁体を付着させた。実
施例1と同じ組成の絶縁膜用分散液を使用し成膜速度が
4μm/秒になるように電源電圧・電流を調整し絶縁膜
を形成した。ダーク層用分散液はニトロセルロースをメ
チルイソブチルケトンに溶解した液に、ダーク材料とし
て純度99%以上の平均粒径0.6μm のタングステン
粉末を15vol% 配合した。絶縁膜を形成したヒータを
ダーク層用分散液に浸漬しダーク層を形成後、水素雰囲
気中1600℃で5分間焼成した。焼成後、モリブデン
金属芯線を硝酸と硫酸との混合液により溶解除去し、水
洗い,乾燥してヒータを作製した。ヒータの消費電力は
定格6.3Vにおいて0.35Wである。比較例は上記ヒ
ータの製造工程中、絶縁膜形成において成膜速度が20
μm/秒になるように電源電圧・電流を調整し絶縁膜を
形成した。他の工程は本発明品と同じである。
【0014】ヒータの断面を観察し、金属細線間の絶縁
物の断面充填率を求めた。断面充填率は成膜速度を制御
しない場合が18%,本発明が52%であり、金属細線
間への絶縁層の形成が良好であった。ヒータ電圧を定格
より高めた7.6V とし5分通電し3分休止するサイク
ル試験における不良率は、45000サイクルの時点で
比較例は50%に対し、本発明品は0%であった。比較
例の不良モードは分解調査から金属細線同士が接触し溶
断していた。
【0015】(実施例3)図7はブラウン管の断面図で
ある。該ブラウン管は漏斗状のガラス管で、電子銃15
と蛍光面16を封入してある。ガラスバルブ17は膨ら
んだコーン部と細い円筒状のネック部から構成され、コ
ーン部の底に蛍光体(電子銃照射により蛍光する物質)
が塗布されている。電子銃15は、ヒータ18によって
加熱され電子を放出するカソード9、その電子の流束を
まとめて電子ビームとして高速度に加速すると共に、蛍
光面上に収束するための円筒電極(グリッド)19から
構成されている。偏向ヨーク20,アノードボタン21
を備え、ネック部やコーン部の内面には導電膜22(蛍
光面16を覆っているアルミニウム膜)が形成されてい
る。試作ブラウン管は赤,緑,青に対応した3個のカソ
ードを備えた3ガン構成で、カソード加熱ヒータの消費
電力は1ガン当り0.4W である。本発明のカソード加
熱ヒータをブラウン管に用いるとヒータ断線による不良
率が低減され長寿命のブラウン管が得られた。
【0016】
【発明の効果】本発明により、ヒータ線が断線しにくく
不良率が少ない低消費電力ヒータを得ることができる。
本発明のヒータを搭載したブラウン管は長期間安定した
性能を発揮できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のヒータ断面を拡大した略図。
【図2】直熱型ヒータの断面図。
【図3】傍熱型ヒータ周辺を含む略図。
【図4】コイルピッチと金属細線間の関係図。
【図5】金属細線のコイルピッチと絶縁膜成膜速度との
関係を示す特性図。
【図6】電着の装置構成図。
【図7】本発明ヒータを用いたブラウン管の全体構造を
示す断面模式図
【符号の説明】
1…金属細線、2…絶縁層、3…ダーク層、4…電子放
射層、5…金属細線径、6…コイルピッチ、7…金属細
線間、8…スリーブ、9…カソード、10…負極、11
…正極、12…電源、13…電着容器、14…分散液、
15…電子銃、16…蛍光面、17…ガラスバルブ、1
8…カソード加熱ヒータ、19…円筒電極、20…偏向
ヨーク、21…アノードボタン、22…導電膜、23…
ソケットピン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柴田 倫秀 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日立 製作所電子デバイス事業部内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発熱抵抗体となる金属細線をコイル状に巻
    いた構造、またはコイル状の金属細線を更にコイル状に
    巻いたダブルコイル構造であって金属細線表面及び金属
    細線間に無機絶縁物を被覆したヒータにおいて、金属細
    線のコイルピッチと金属細線径の比(ピッチ/線径)が
    1.0より大きくかつ1.5以下であり、かつ消費電力が
    0.4W 以下であることを特徴とするブラウン管ヒー
    タ。
  2. 【請求項2】請求項1のヒータにおいて無機絶縁膜の成
    膜速度が4μm/秒以下であることを特徴とするブラウ
    ン管ヒータの製造方法。
  3. 【請求項3】蛍光面と、該蛍光面に対向して設けられた
    電子銃、該電子銃はスリーブ、該スリーブ先端に配設さ
    れたカソードペレットと該スリーブ内に装着されたヒー
    タを備えたブラウン管において、ヒータは請求項1〜2
    に該当するヒータであることを特徴とするブラウン管。
JP16557997A 1997-06-23 1997-06-23 ブラウン管ヒータ及びその製造方法とそれを用いたブラウン管 Pending JPH1116508A (ja)

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