JPH0729482A - 低電力消費型ヒータ及びその製造方法 - Google Patents

低電力消費型ヒータ及びその製造方法

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JPH0729482A
JPH0729482A JP19532293A JP19532293A JPH0729482A JP H0729482 A JPH0729482 A JP H0729482A JP 19532293 A JP19532293 A JP 19532293A JP 19532293 A JP19532293 A JP 19532293A JP H0729482 A JPH0729482 A JP H0729482A
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JP
Japan
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heater
coil
cathode
power consumption
low power
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Application number
JP19532293A
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English (en)
Inventor
Toshiaki Narisawa
敏明 成澤
Toshiaki Arato
利昭 荒戸
Nobuyuki Koganezawa
信之 小金沢
Michihide Shibata
倫秀 柴田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高熱効率で消費電力0.7W以下の低電力消
費型ヒータを提供する。 【構成】 金属芯線に発熱抵抗体となる金属細線を巻回
して第1のコイル3とし、該第1のコイルを、更に巻回
して第2のコイルとした2重コイル状構造であって、金
属細線表面及び金属細線間に無機絶縁物1を被覆したヒ
ータにおいて、前記金属細線はWを主成分とし、2〜5
重量%のReを含む組成であり、直径が30μm以下で
あり、前記金属芯線の直径が150μm以下であり、前
記第1のコイルの巻回の間隔が0.03〜0.1mm/タ
ーン、巻き数が150〜250ターン、コイル長が4.
5〜25mmである低電力消費型ヒータとしたものであ
り、前記第2のコイルは、外径1dが0.8〜1.4mm
の範囲で、第1のコイルを巻く間隔1eが0.6〜1.
4mm/ターン、巻き数が1.0〜2.5回を満たしてい
るのがよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低電力消費型ヒータに
係り、特に、ブラウン管陰極加熱用ヒータとして優れた
特性を有するヒータ及びその製法並びにその用途に関す
る。
【0002】
【従来の技術】陰極加熱用ヒータの外観は、ダブルヘリ
カル形にW−Re合金からなる金属細線を巻き、表面に
Al2 3 などの絶縁粒子を付着させ絶縁層を形成し、
外側にWとAl2 3 からなるダーク層を設けている。
ヒータ周辺には、スリーブ・陰極加基体が配置されてい
る(特開平2−276128号公報)。金属芯線及び金
属細線の寸法として特開昭62−55833号公報はタ
ングテスンの芯線径に対するモリブデンマンドレル径を
4.3から6.0倍の範囲に設定して一次巻き線を形成
することにより、機械強度とヒータの断線に対する信頼
性の向上を図っている。
【0003】また、実施例として、特開昭62−139
28号公報は、3.0MG(0.031mm)の3%Re
−Wをピッチ0.06mm長さで8mm巻回し密ピッチ部を
形成し、その両側にピッチ0.2mmの長さで5mm巻回し
て粗ピッチ部を形成して一次コイルを形成している。特
開平4−292829号公報は、金属芯線にヒータ線と
陰極構体となる金属線を交互に巻付け、ヒータ線はφ
0.015mm、ピッチ0.085mmとしている。そし
て、特開昭56−149741号公報によると、φ0.
039mm3%−Re−W線を使用し、φ0.073mmの
Mo芯線にピッチ0.074mmで311ターン、ダブル
巻き寸法は外径φ0.86mmでピッチ0.55〜1.1
mmで1.75〜2ターンとなっている。この時の消費電
力は2.8W(6.3V,450mA)となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来技術では、ヒータ
コイルの寸法を決定する際は作業性、破断強度の向上な
どの目的で行われていた。そのため、ヒータ全体の加熱
に要する電力が大きくなりがちであり、熱効率的にも不
利であった。近年、環境意識の高まりもあり、電気使用
機器の消費電力削減が望まれている。ブラウン管もその
例外でなく、セットとしての削減と同時にヒータの消費
電力削減が並行して進められている。そこで、ヒータ製
作に関わる事項を最適化することによりヒータの熱的特
性と消費電力低減を行なうこととした。本発明は、高熱
効率で消費電力0.7W以下の低電力消費型ヒータ並び
にその製造方法を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明では、金属芯線に発熱抵抗体となる金属細線
を巻回して第1のコイルとし、該第1のコイルを、更に
巻回して第2のコイルとした2重コイル状構造であっ
て、金属細線表面及び金属細線間に無機絶縁物を被覆し
たヒータにおいて、前記金属細線はWを主成分とし、2
〜5重量%のReを含む組成であり、直径が30μm以
下であり、前記金属芯線の直径が150μm以下であ
り、前記第1のコイルの巻回の間隔が0.03〜0.1
mm/ターン、巻き数が150〜250ターン、コイル長
が4.5〜25mmであることを特徴とする低電力消費型
ヒータとしたものである。前記低電力消費型ヒータにお
いて、第2のコイルは、外径が0.8〜1.4mmの範囲
で、第1のコイルを巻く間隔が0.6〜1.4mm/ター
ン、巻き数が1.0〜2.5回を満たしているのがよ
く、また、第1のコイルには、2重コイル状に巻いた構
造の先端から2.5〜3.5mmの範囲の1重コイル部分
にヒータ溶接部を有するのがよい。
【0006】また、本発明では、金属芯線に発熱抵抗体
となる金属細線を巻回して第1のコイルを形成し、該金
属細線を巻回した直線状の第1のコイルを、更に巻回し
て第2のコイルを形成して2重コイル状構造とし、前記
金属細線表面及び金属細線間に無機絶縁物を被覆するヒ
ータの製造方法において、前記金属細線としてWを主成
分とし、2%以上5%未満のReを含む組成のもので、
直径が30μm以下のものを用い、金属細線を巻回した
金属芯線は直径が150μm以下であり、前記第1のコ
イルは金属細線を0.03〜0.1mm/ターンの均等な
間隔で巻き、巻き数が150〜250ターン、コイル長
が4.5〜25mmに形成することを特徴とする低電力消
費型ヒータの製造方法としたものである。前記製造方法
において、第2のコイルは、第1のコイルを0.6〜
1.4mm/ターンの間隔で巻き、巻き数が1.0〜2.
5回で、外径が0.8〜1.4mmの範囲に形成し、ま
た、前記無機絶縁物は、電気泳動法で付着させた後焼成
して形成し、金属芯線は、最終的に溶解除去するのがよ
い。
【0007】このように、本発明では低消費電力を達成
するために、ヒータの抵抗体となる金属細線の組成と線
径とヒータを構成する金属細線のシングル巻きの公約的
数値、さらには、それらのコイルを用いて形成されるダ
ブル巻きのピッチとターン数の、ヒータ溶接位置が重要
であることを見いだした。そして、これらの発明事項を
満たしたヒータの備えうる特性は、冷抵抗、消費電力と
電圧及び陰極温度である。本発明の低電力消費型ヒータ
は、陰極線管の陰極線放射ペレットを加熱するヒータと
して好適に用いられ、また陰極スリーブ、該陰極スリー
ブの先端部に配置された陰極ペレット、前記陰極スリー
ブ内に装着された陰極加熱用ヒータを備えた陰極線管用
陰極において、前記陰極加熱用ヒータとして上記低電力
消費型ヒータを用いることができる。
【0008】さらに、蛍光スクリーンと、該蛍光スクリ
ーンに対向して設けられたグリッド陰極を有する陰極線
銃、該陰極線銃は陰極スリーブ、該スリーブ先端に配設
された陰極ペレットと該スリーブ内に装着された陰極加
熱用ヒータを備えた陰極線管において、前記陰極加熱用
ヒータとして、上記低電力消費型ヒータを用い、冷抵抗
が5−25Ωで、ヒータに加える電圧が6.3Vの時、
陰極の陰極温度が900℃以上で、その消費電力が0.
7W/lガン以下とした陰極線管とすることができる。
【0009】
【作用】本発明のヒータのコイル外形を図1に示す。図
1において、ヒータコイル3を更にコイル状に巻いた
後、Al2 3 絶縁膜2を形成し、絶縁膜2の外側には
ダーク層1を形成している。ブラウン管に組み込むとき
にはヒータ溶接位置4の部分で給電部と溶接しヒータと
する。図2に、図1のヒータコイル3の部分拡大図を示
す。図1、2において、1aは金属細線の直径で0.0
3mm以下、1bは金属細線間のピッチで0.03mm以上
0.1mm以下、1cは金属細線を巻回した金属芯線の直
径であり、製造工程で除去した後ヒータとして用いると
きには空洞となっている部分である。その空洞部の直径
は0.15mm以下、1dはダブル巻き構造の外径で0.
8〜1.4mmの範囲、1eはダブル巻きの間隔が0.6
〜1.4mm/ターン、4はヒータ溶接位置で、ダブル巻
き構造の先端から2.5〜3.5mmの範囲が望ましい。
【0010】金属細線は抵抗発熱体となるので最高14
00℃の温度で長時間通電しても断線しないことが求め
られる。図3にRe添加量と破断強度を示す。Reの添
加量0以上5%未満ではReの増加につれ破断強度は直
線的に向上するが5%以上添加しても破断強度は余り向
上しない。また、Re添加は、加工性を低下させるので
添加量を少なくしたい。そのため、破断強度の改善と加
工性を両立させるには、Reの添加量は、1200℃で
少なくとも600MPaの破断強度を示す、2%以上必
要であり、破断強度の改善効果が小さくなる5%以下が
適当である。金属細線の直径は30μm以下が望まし
い。
【0011】図11にヒータ温度1200℃、電圧6.
3Vの条件での金属細線の直径と消費電力を示す。直径
を小径化すると消費電力の低減が達成できる。金属細線
の小径化はヒータ通電加熱時のヒータ断線を増加させる
ため、15μm以上30μm以下が望ましい。ヒータを
構成する金属細線のシングル巻き及びダブル巻きのピッ
チとターン数は、所定温度に昇温し、かつ低消費電力化
がなされるように決定された。高温でのターン数と消費
電力を図12に示す。ターン数の増加は低消費電力化が
図れる。図13に金属芯線径とカソード温度の関係を示
す。金属芯線径が増加するとヒータとしての外形が大き
くなり、全体的な熱効率が低下する傾向にある。そのた
め、ヒータを加熱時のカソード温度は金属芯線径の増加
につれ低下し、カソード温度として最低限必要な900
℃を満足できない。
【0012】図14にシングル巻ピッチとカソード温度
を示す。ピッチが0.1mm/ターン以下ではカソード温
度が900℃以上に達するが、ピッチが広くなると急激
にカソード温度は低下する。ピッチの下限である0.0
3mm/ターンは金属細線径15μmでの加工限界であ
る。ダブル巻きのピッチ,ターン数はヒータを小さく
し、加熱中の変形を考慮して決められた。最終的に抵抗
として働く金属細線の長さを規定するのがヒータ溶接位
置である。溶接位置を加減してヒータとしての冷抵抗の
調整を行う。
【0013】熱的特性と低消費電力を満足させるには、
以下に示す条件を満足すべきことを見いだした。ヒータ
加熱温度である1200℃付近での低消費電力を図るに
は高温での抵抗だけでなく、常温での抵抗が2−15Ω
も満足させなければならない。図4にヒータ電圧と比抵
抗の関係を示す。線材により高温時と室温時の抵抗の比
はヒータ温度に対して直線関係にあり、ヒータ作動温度
で高温抵抗から冷抵抗として2〜25Ωが望ましい。ヒ
ータに加える電圧が6.3Vの時ヒータの加熱によって
陰極の温度が上がり、これが陰極温度が900℃以上で
あり、消費電力の数値が0.7W/lガン以下であるこ
とが必要である。
【0014】図5にヒータ電圧とカソード温度の関係を
示す。図中、Aは線径31.4μm、ピッチ0.068
mm/ターン、巻数175のコイル、Bは36.2μm、
0.067mm/ターン、巻数150ターンのコイル、C
は線径28.7μm、ピッチ0.045mm/ターン、巻
数204ターンのコイルを使用した。Aはヒータ電圧
6.3Vにおいてもカソード温度800℃にしかなら
ず、含浸形に用いるのに不適当であり、Bはヒータ電圧
6.3Vにおいてカソード温度900℃を満たすものの
消費電力は1.5Wとなっていた。Cはヒータ電圧6.
3Vにおいてカソード温度980℃であり、消費電力が
0.65Wとなり必要とする特性を満たしている。
【0015】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。 実施例1 高温でのヒータ作動のため絶縁膜密度を高める形成法が
望ましい。ヒータの作製工程を図6に示す。ヒータコイ
ルは、直径29μmの3%Re−W線を直径120μm
のMo金属芯線にピッチ0.045mm/ターンで巻回
し、これを9.2mm(巻き数204回)になる長さで切
断した。切断したシングルコイル線の中点でダブル巻き
の頂点になるように治具で押さえ、空孔径がφ0.38
mmになるようにシングルコイル線を巻回し、ダブルコイ
ルを形成した。このダブル巻きのピッチは1.0mm/タ
ーン、巻き数は1.7ターンであった。これに電気泳動
法で無機絶縁体を付着させた。電気泳動法では表1に示
す組成の液を使用した。
【0016】
【表1】
【0017】第1層電着に使用した液は、電解質成分A
l(NO3 3 、132gをエタノール水溶液8リット
ルに溶解し、無機絶縁粒子として純度99.9%以上、
平均粒径4.2μmのAl2 3 粒子を9.0kg配合
し、この絶縁粒子分散液にヒータコイルを負電極、アル
ミニウム板を正電極に接続して浸漬し、直流80V、4
秒間通電して、Al2 3 粒子をヒータ上に付着させ
た。次いで、これを1600℃の水素雰囲気中で5分間
焼成して、第1層の絶縁膜を形成した。第2層電着に使
用した液はAl(NO3 3 、132g、Mg(N
3 2 ・6H2 O、126gをエタノール水溶液に8
リットルに溶解し、無機絶縁粒子は第1層目と同じAl
2 3 を同量配合した。第1層と同じように電気泳動法
でAl2 3 粒子を第2層上に付着させた。Wを主成分
とするダーク層を浸漬塗布した後、水素雰囲気中で焼成
した。金属芯線を溶解除去してヒータとなる。そのヒー
タは図1の形状を有する。
【0018】作製したヒータの特性を測定するため、ブ
ラウン管に組み込んだ諸特性を測定した。組み込み時の
ヒータ溶接位置は、ヒータをダブル巻きした頂部から足
方向への長さが3.0mmの部分にした。図7にヒータの
周辺図を示す。ヒータは陰極スリーブ6aで囲まれ、ヒ
ータの頂部に陰極ペレット6bが配置されている。常温
でのブラウン管に組み込んだ状態での冷抵抗は12Ωで
あった。そして、ヒータに加える電圧と陰極温度につい
ても調べた。ブラウン管に組み込んだヒータ端子に外部
電源を接続し、電圧をかけ、電流計でヒータ電流を測定
すると共に、ヒータを組み込んであるブラウン管の陰極
と垂直になるように(図7の6cに示す方向)陰極温度
計をセットし、陰極温度を測定した。
【0019】ヒータ加熱時の温度は高温温度計で測定し
ており、図及び本文中で使用するヒータ温度及び陰極温
度は高温温度計で測定した輝度温度を示す。図8に電圧
と陰極温度の関係、図9に電圧とヒータ電流の関係を示
す。これらよりヒータ電圧6.3Vの時、陰極温度は9
80℃、消費電力0.66W/ガンであることがわか
る。この様にヒータの抵抗体となる金属細線の組成と線
径、ヒータを構成する金属細線のシングル巻き及びダブ
ル巻きのピッチとターン数、ヒータ溶接位置、を規定し
た冷抵抗、消費電力と電圧及び陰極温度を満足する低消
費電力のヒータを得ることができた。
【0020】実施例2 焼成進行を押さえる目的でAl2 3 の平均粒径を大き
くした絶縁粒子分散液を使用して、ヒータを作製した。
工程は実施例1と同じにし、第1層、第2層の膜形成に
使用する絶縁物分散液のAl2 3 を表1に記載のよう
に、平均粒径4μmのAl2 3 粒子0.1kgと平均粒
径12μmのAl2 3 粒子8.1kgを配合した。作製
したヒータを実施例1と同様にブラウン管に組み込んで
ヒータの特性を測定した。ヒータ電圧6.3V時の陰極
温度は948℃、ヒータ電流は0.103Aであり、消
費電力0.66W/ガンとなった。実施例によれば低消
費電力ヒータの作製はAl2 3 の種類によらず可能で
ある。
【0021】実施例3 吹き付け法で膜形成を行ないヒータを作製した。ヒータ
コイルは実施例1と同じ方法で作製した。酢酸エステル
にあらかじめ4%のニトロセルロースを溶かした溶液を
混合し、更に平均粒径4μmのアルミナを分散させた液
を、ヒータコイルに吹き付け、膜を形成した。吹き付け
ノズルは、ヒータコイル上に形成される膜厚が一定にな
るように多数個を用い、同時に吹き付ける方法で膜を形
成した。次に、ダーク層とよぶ層を形成するため、Wを
主成分とする液をAl2 3 膜上に吹き付け法で形成し
た。その後、水素雰囲気中1700℃で5分加熱しAl
23 膜、ダーク層を焼結させた。作製したヒータをブ
ラウン管に組み込んだヒータの特性を測定した。ヒータ
電圧6.3V時の陰極温度は940℃、ヒータ電流は
0.108Aであり、消費電力0.68W/ガンとなっ
た。絶縁膜形成方法に関わらず低消費電力ヒータが作製
できる。
【0022】実施例4 図10は陰極線管の断面図である。該陰極線管は漏斗状
をしたガラス管で、電子銃9aと蛍光面9bを封入して
ある。ガラスパルプは膨らんだコーン部と細い円筒状に
ネック部から構成され、コーン部の底に蛍光体(電子銃
照射により蛍光する物質)が塗布されており、高真空で
封入されている。電子銃9aは、陰極加熱用ヒータ9c
によって電子を放出する陰極9d、その電子の流束をま
とめて電子ビームとして高速度に加速すると共に、蛍光
面上に収束するための円筒電極(グリッド)9eから構
成されている。偏向ヨーク9f、アノードボタン9gを
備え、ネック部やコーン部の内面には導電膜9h(蛍光
面9bを覆っているアルミニウム膜)が形成されてい
る。
【0023】
【発明の効果】本発明のヒータは、抵抗発熱体の組成・
線径、ヒータコイルの巻き方、ヒータ溶接位置を規定し
ており、これに沿ってヒータを作製すれば、ヒータの特
性が優れた低消費電力ヒータを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のヒータを示す構成図。
【図2】図1のコイル3部分の部分拡大図。
【図3】20℃,1200℃でのRe添加量と破断強度
の関係を示すグラフ。
【図4】各種線材のヒータ陰極温度と比抵抗の関係を示
すグラフ。
【図5】ヒータ電圧とカソード陰極温度の関係を示すグ
ラフ。
【図6】本発明のヒータの製造工程を示す説明図。
【図7】ヒータ取付け部分の概略図。
【図8】実施例1でのヒータ電圧とカソード温度の関係
を示すグラフ。
【図9】実施例1でのヒータ電圧とヒータ電流の関係を
示すグラフ。
【図10】本発明のヒータを用いた陰極線管の全体構造
を示す断面模式図。
【図11】金属細線の直径と消費電力の関係を示すグラ
フ。
【図12】ターン数と消費電力の関係を示すグラフ。
【図13】金属芯線径とカソード温度との関係を示すグ
ラフ。
【図14】シングルコイル巻ピッチとカソード温度との
関係を示すグラフ。
【符号の説明】
1…ダーク層、2…Al2 3 層、3…ヒータコイル、
4…ヒータ溶接位置、5…ヒータ溶接位置長さ、1a…
金属細線の直径、1b…金属細線間のピッチ、1c…金
属芯線(ヒータでは空洞)の直径、1d…ダブル巻き構
造の外径、1e…ダブル巻きのピッチ、6a…陰極スリ
ーブ、6b…陰極ペレット、6c…陰極温度測定方向、
9a…電子銃、9b…蛍光面、9c…陰極加熱用ヒー
タ、9d…陰極、9e…円筒電極、9f…偏向ヨーク、
9g…アノードボタン、9h…導電膜、9i…ソケット
ピン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柴田 倫秀 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日立 製作所電子デバイス事業部

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属芯線に発熱抵抗体となる金属細線を
    巻回して第1のコイルとし、該第1のコイルを、更に巻
    回して第2のコイルとした2重コイル状構造であって、
    金属細線表面及び金属細線間に無機絶縁物を被覆したヒ
    ータにおいて、前記金属細線はWを主成分とし、2〜5
    重量%のReを含む組成であり、直径が30μm以下で
    あり、前記金属芯線の直径が150μm以下であり、前
    記第1のコイルの巻回の間隔が0.03〜0.1mm/タ
    ーン、巻き数が150〜250ターン、コイル長が4.
    5〜25mmであることを特徴とする低電力消費型ヒー
    タ。
  2. 【請求項2】 前記第2のコイルは、外径が0.8〜
    1.4mmの範囲で、第1のコイルを巻く間隔が0.6〜
    1.4mm/ターン、巻き数が1.0〜2.5回を満たし
    ていることを特徴とする請求項1記載の低電力消費型ヒ
    ータ。
  3. 【請求項3】 前記第1のコイルには、2重コイル状に
    巻いた構造の先端から2.5〜3.5mmの範囲の1重コ
    イル部分にヒータ溶接部を有することを特徴とする請求
    項1又は2記載の低電力消費型ヒータ。
  4. 【請求項4】 陰極線管の陰極線放射ペレットを加熱す
    るヒータが、請求項1、2又は3記載の低電力消費型ヒ
    ータであることを特徴とする陰極線管陰極加熱用ヒー
    タ。
  5. 【請求項5】 陰極スリーブ、該陰極スリーブの先端部
    に配置された陰極ペレット、前記陰極スリーブ内に装着
    された陰極加熱用ヒータを備えた陰極線管用陰極におい
    て、前記陰極加熱用ヒータが、請求項1、2又は3記載
    の低電力消費型ヒータであることを特徴とする陰極線管
    用陰極。
  6. 【請求項6】 蛍光スクリーンと、該蛍光スクリーンに
    対向して設けられたグリッド陰極を有する陰極線銃、該
    陰極線銃は陰極スリーブ、該スリーブ先端に配設された
    陰極ペレットと該スリーブ内に装着された陰極加熱用ヒ
    ータを備えた陰極線管において、前記陰極加熱用ヒータ
    が、請求項1、2又は3記載の低電力消費型ヒータであ
    り、冷抵抗が5−25Ωで、ヒータに加える電圧が6.
    3Vの時、陰極の陰極温度が900℃以上で、その消費
    電力が0.7W/lガン以下であることを特徴とする陰
    極線管。
  7. 【請求項7】 金属芯線に発熱抵抗体となる金属細線を
    巻回して第1のコイルを形成し、該金属細線を巻回した
    直線状の第1のコイルを、更に巻回して第2のコイルを
    形成した2重コイル状構造とし、前記金属細線表面及び
    金属細線間に無機絶縁物を被覆するヒータの製造方法に
    おいて、前記金属細線としてWを主成分とし、2%以上
    5%未満のReを含む組成のもので、直径が30μm以
    下のものを用い、金属細線を巻回した金属芯線は直径が
    150μm以下であり、前記第1のコイルは金属細線を
    0.03〜0.1mm/ターンの均等な間隔で巻き、巻き
    数が150〜250ターン、コイル長が4.5〜25mm
    に形成することを特徴とする低電力消費型ヒータの製造
    方法。
  8. 【請求項8】 前記第2のコイルは、第1のコイルを
    0.6〜1.4mm/ターンの間隔で巻き、巻き数が1.
    0〜2.5回で、外径が0.8〜1.4mmの範囲に形成
    することを特徴とする請求項7記載の低電力消費型ヒー
    タの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記無機絶縁物は、電気泳動法で付着さ
    せた後焼成して形成することを特徴とする請求項7又は
    8記載の低電力消費型ヒータの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記金属芯線は、溶解除去することを
    特徴とする請求項7又は8記載の低電力消費型ヒータの
    製造方法。
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