JPH11163535A - 低温焼成多層基板 - Google Patents

低温焼成多層基板

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JPH11163535A
JPH11163535A JP32680797A JP32680797A JPH11163535A JP H11163535 A JPH11163535 A JP H11163535A JP 32680797 A JP32680797 A JP 32680797A JP 32680797 A JP32680797 A JP 32680797A JP H11163535 A JPH11163535 A JP H11163535A
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JP
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conductor
substrate
low
internal
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JP32680797A
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Norio Nakano
紀男 中野
Tsutomu Oda
勉 小田
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板材料と内部導体とを一体的に焼成して
も、基板材料と内部導体との間で剥がれが発生せず、ま
た、基板材料にクラックが発生することがない低温焼成
多層基板を提供する。 【解決手段】本発明は、800〜1000℃で焼成可能
なガラス−無機物フィラーからなる誘電体層1a〜1d
を複数積層した積層体基板1の内部に、Ag系金属成分
と中空状シリカとから成る内部導体3、4を配置して成
る低温焼成多層基板である。そして、中空状シリカは、
Ag系金属成分100重量部に対して、0.1〜15重
量%を含んでいる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘電体層(絶縁
層)に低温焼成可能な基板材料を用いて、低温、例えば
800〜1000℃で焼成可能な低温焼成多層基板に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】低温焼成多層基板は、例えば、積層セラ
ミックコンデンサ、積層型共振器、多層回路基板などが
例示できる。例えば、積層セラミックコンデンサにおい
ては、内部導体は誘電体シート間に形成された内部容量
電極であり、積層型共振器においては、内部導体はスト
リップライン、内導体、グランド導体層、外導体であ
り、多層回路基板においては、内部導体は、内層配線パ
ターンやビアホール導体である。このような低温焼成多
層基板は、内部導体に低抵抗材料で且つ低融点のAg系
材料などを用いて、基板材料と一体的に焼成することに
よって達成される。
【0003】このため、低温焼成で焼成すること、導体
材料のコスト化が低くなる上、高速化、高周波化に対応
しやすいという利点がある。
【0004】例えば、焼成温度を800〜1100℃と
比較的低い温度で焼成可能な低温焼成多層回路基板は、
積層体を構成する複数の誘電体シートのシート間に内部
配線導体が形成されており、さらに、必要に応じてその
表面に表面配線導体が形成されており、さらに内部配線
導体どうし、または内部配線導体と表面配線導体とを接
続するビアホール導体を有している。
【0005】比較的低温で焼成可能な回路基板は、誘電
体シート(以下、絶縁層という)に低融点結晶化ガラス
成分とセラミックなどの無機物フィラー材とから成るガ
ラス−セラミック層が用いられている。例えば低融点結
晶化ガラス成分は、コージェライト、ムライト、アノー
トサイト、セルジアン、スピネル、ガーナイト、ウイレ
マイト、ドロマイト、ペタライト、オオスミライト及び
その置換誘電体等の所定結晶相のうち少なくとも1種類
を析出し得るガラス成分である。無機物フィラー材は、
クリストバライト、石英、コランダム(αアルミナ)等
が例示できる。
【0006】また、このような低温焼成基板の内部に回
路を形成するために用いられる低温焼成用導電材料とし
ては、Ag粉末、Cu粉末、Au粉末等の低抵抗材料を
主体とし、ガラスフリット、有機ビヒクルを混練した導
電性ペーストが挙げられる。
【0007】Auペーストは、導電性に優れ、化学的に
も安定で、且つ基板との接着性も良く、特に耐候性に優
れているが、非常に高価であるという難点がある。ま
た、Cuペーストは主成分のCu粉末は安価で導電性に
も優れるが、還元雰囲気での焼成が必要となるため焼成
工程が高価になる。そこでこれらの難点を解消するため
に、各種Agペーストが使用されてきた。しかし、Ag
ペーストにはマイグレーションを起こしやすいという欠
点があるが、このマイグレーションを防止するためAg
−Pd系ペーストが開発されている。
【0008】Ag系ペーストを導電材料として用いるこ
とは、導電性に優れ、基板との接着性も良く、耐久性に
も優れ、且つ主成分のAg粉末は比較的安価で焼成も大
気中で行うことができる。また、Ag系ペーストにガラ
スフリットを混練することで、基板材料との接着力が高
まる。特開昭62−55807号公報では基板と導体の
接着はガラスフリットの焼結結合によるものだと記され
ている。
【0009】具体的な多層回路基板は、積層基板の絶縁
層となるガラス−セラミック材料から成るグリーンシー
トにビアホール導体となる貫通孔を形成し、さらにグリ
ーンシートの貫通孔をAg系ペーストで充填するととも
に、グリーンシート上に内部配線導体や表面配線導体と
なる導体膜をAg系ペーストの印刷により形成し、これ
らのグリーンシートを積層圧着した後、脱バイ処理を経
て、大気雰囲気中800〜1100℃の比較的低温で焼
成処理していた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ように積層体基板材料(グリーンシートが複数積層した
積層体)とAg系内部導体(内部配線及びビアホール導
体)を同時に焼成すると、Ag系導体からなる内部配線
導体やビアホール導体の熱収縮率と積層体基板材料の熱
収縮率がとが異なるため、焼成した後常温になるまでの
間に、基板材料と内部導体との間で剥がれが発生してし
てしまうという問題があった。
【0011】また焼成終了時に導体が基板より大きく膨
張するため熱応力で積層基板にクラックが発生するとい
う問題があった。
【0012】そこで内部導体やビアホール導体を形成す
るためのAg系ペーストに、β石英等の軟化点が高く熱
膨張係数の小さなガラスを添加することが試みられてい
た。
【0013】これにより、内部導体やビアホール導体の
熱収縮率と基板材料の熱膨張率を合わせ、焼成時の熱応
力を緩和する効果をねらうものである。
【0014】しかし、その効果を得るためにはβ石英の
添加量を多くしなくてはならず、その結果、内部導体や
ビアホール導体の導電率を劣化させてしまうという問題
があった。
【0015】本発明は、上述の問題点に鑑みて案出され
たものであり、その目的は、基板材料と内部導体とを一
体的に焼成しても、基板材料と内部導体との間で剥がれ
が発生せず、また、基板材料にクラックが発生すること
がない低温焼成多層基板を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、800〜10
00℃で焼成可能なガラス成分と無機物粉粒物からなる
誘電体シートを複数積層した積層体の内部に、Ag系金
属成分と中空状シリカを含むAg系導電性ペーストの焼
成によって形成した内部導体を具備してなる低温焼成多
層基板である。
【0017】そして、前記Ag系導電性ペーストは、A
g系金属成分100重量部に対して、0.1〜15重量
%の中空状シリカを含んでいる。
【0018】
【作用】本発明の低温焼成多層基板において、内部導体
がAg系材料を用いているため、安価で、高速化、高周
波化が簡単に対応できることになる。
【0019】また、内部導体には中空状シリカが含有さ
れていることによって、基板材料と内部導体とを一体的
に焼成した際に、基板材料の熱収縮率と内部導体の熱膨
張率を合わせ、基板と導体の剥がれを防止し、且つ、焼
成終了後に熱負荷による導体膨張が起こっても、基板に
クラックが発生しない。
【0020】これは、内部導体として、Ag系金属成分
に中空状シリカが含有しているためである。即ち、焼成
終了後に熱負荷による導体膨張が起こっても、内部導体
中に存在する中空状シリカがの空隙部が押しつぶされ
て、導体膨張が小さくなり、基板材料への熱応力を緩和
することができ、その結果、基板にクラックの発生がし
ない。また、焼成終了してから常温に徐冷されるまでの
間に、基板材料の熱収縮率と内部導体の熱収縮率の差に
よって、内部導体に過度の応力がかかっても、中空状シ
リカの空隙部が押しつぶされ、内部導体が基板材料の収
縮率に安定的に追随することになる。その結果、内部導
体に剥がれや空隙か生じることがなく、高い接合強度の
内部導体を形成することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の低温焼成多層基板
を図面に基づいて説明する。尚、説明には、低温焼成多
層基板を多層回路基板に用いて説明する。
【0022】図1は、本発明に係る多層回路基板の断面
図である。図lにおいて、10は多層回路基板であり、
多層回路基板10は、低温焼成多層基板(以下、単に積
層体という)1と積層体1の表面に形成された表面配線
2から構成され、さらにこの表層配線2上には半田6を
介して電子部品5が搭載されている。
【0023】積層体1は、例えば4層のガラス成分と無
機物粉粒物とからなる誘電体シート(尚、多層回路基板
であることから以下、絶縁層という)1a〜1dから成
り、絶縁層1a〜1dの層間には内部配線3が形成さ
れ、また、各絶縁層1a〜1dの厚み方向には、内部配
線3間どうしを、また、内部配線3と表層配線2とを接
続するビアホール導体4が形成されている。尚、積層体
1の内部に形成される内部配線3及びビアホール導体4
を内部導体という。
【0024】上述の絶縁層1a〜1dは、無機物粉粒物
(無機フィラー)であるセラミック粉末と、該セラミッ
ク材の粒堺に存在する所定結晶相を析出するガラス成分
とから構成されている。尚、所定結晶相のガラス成分と
は、コージェライト、ムライト、アノーサイト、セルジ
アン、スピネル、カーナイト、ウイレマイロマイト、ペ
タライト、オオズミライト及びその置換誘導体などが例
示でき、無機物フィラーのセラミック材は、クリストバ
ライト、石ランダム(αアルミナ)、チタン酸マグネシ
ウム、チタン酸カルシウムなどが例示できる。
【0025】絶縁層1a〜1d間の内部配線3は、Ag
系材料(Ag単体又はAg合金)などからなり、このA
g系基板成分以外に熱収縮率を積層体1の熱収縮率に追
随させるため、熱膨張による負荷を吸収するために中空
状シリカが、さらに、必要に応じて絶縁層1a〜1dと
の接合強度を向上させるためのホウ珪酸系低融点ガラス
成分やV2 5 などが含有している。
【0026】絶縁層1a〜1dのビアホール導体4は、
内部配線3と同様に、Ag系材料などからなり、さら
に、中空状シリカを含んでいる。
【0027】この内部導体(内部配線3及びビアホール
導体4)のAg系金属成分は、導体として作用させる主
成分である。中空状シリカは、内部導体に係る熱収縮の
応力を吸収したり、内部導体の熱膨張時の外部に及ぼす
応力を吸収するものである。
【0028】また、V2 5 は、主に絶縁層1a〜1d
とのアンカー効果によって、基板材料に強固に接合させ
るためのものである。
【0029】β−石英やホウ珪酸系低融点ガラス成分
は、上述の熱膨張係数や接合強度を調整するために必要
に応じて添加されるものである。
【0030】積層体基板1の表面の表層配線2は、Ag
系材料などからなり、熱収縮の応力や熱膨張を吸収する
中空状シリカを有し、必要に応じて積層体基板1との接
合強度を向上させるために、V2 5 、ホウ珪酸系低融
点ガラス成分を含有している。尚、表層配線2をAg系
材料を用いる理由は、電子部品5の実装性(半田接合の
濡れ性)を向上させることともに、積層体基板1と同時
焼成できるようにするためであり、例えば、耐マイグレ
ーション性を向上させるために、Cu系(Cu単体また
はCu合金)材料を用いることも可能である。この場合
に、積層体基板1を焼成した後、別途中性または還元性
雰囲気で600℃前後で表層配線2を焼き付けする必要
がある。
【0031】また、電子部品5は、チップ抵抗器、積層
セラミックコンデンサ、ICベアチップなどが例示で
き、表層配線2の所定位置に半田6などによって接合さ
れる。
【0032】尚、図では省略したが積層体基板1の表面
にガラス保護膜、抵抗体膜を必要に応じて形成する。
【0033】上述の多層回路基板は、以下のような製造
方法によって作成される。
【0034】まず、絶縁層1a〜1dとなるガラス−セ
ラミック材料からなるグリーンシート、内部配線3やビ
アホール導体4を形成するためのAg系導電性ペース
ト、表層配線2を形成するための表層配線用Ag系導電
性ペーストを用意する。
【0035】グリーンシートは、例えばガラス−セラミ
ックのセラミック成分となるアルミナセラミック粉末
と、上述の所定ガラス相を析出できる所定ガラス成分と
なる例えば酸化リチウムや酸化ホウ素などのガラス粉末
とを例えばアルキメタクリレートなどの有機バインダー
と、例えばDBPなどの可塑剤と、例えばトルエンなど
の有機溶剤とを混合し、ボールミルで48時間混線して
スラリーを作成する。尚、セラミック粉末は、固形成分
中50wt%、ガラス粉末を50wt%とした。
【0036】そして、このスラリーをドクターブレード
法などによりテープ成形を行い、所定寸法に切断してグ
リーンシートを作成する。
【0037】Ag系導電性ペーストは、例えば平均粒径
3μmのAg粉末と、ホウ珪酸系低融点ガラス粉末と、
例えば、エチルセルロース等の有機バインダーと、例え
ば、2.2.4−トリメチル−1.3−ペンタジオール
モノイソブチレート等の有機溶剤を混合し、3本ロール
ミルで混練して作成する。
【0038】ビアホール導体用Ag系導電性ペースト
は、例えば平均粒径3μmのAg粉末と、金属粉末10
0重量部に対して中空状シリカ0.1〜15.0wt%
を含有し、例えば、エチルセルロース等の有機バインダ
ーと、例えば、2.2.4−トリメチル−1.3−ペン
タジオールモノイソブチレート等の有機溶剤を混合し、
3本ロールミルで混練して作成する。
【0039】表層配線用Ag系導電性ペーストは、例え
ば平均粒径3μmのAg粉末と、金属粉末100重量部
に対して0.1〜15.0wt%を含む中空状シリカ
と、必要に応じて金属粉末100重量部に対して0.1
〜1.0wt%の平均粒径3μmのV2 5 と、ホウ珪
酸系低融点ガラス粉末と、例えば、エチルセルロース等
の有機バインダーと、例えば、2.2.4−トリメチル
−1.3−ペンタジオールモノイソブチレート等の有機
溶剤を混合し、3本ロールミルで混練して作成する。
【0040】次に、絶縁層1a〜1dとなるグリーンシ
ートの所定位置にビアホール導体4が形成される貫通孔
をパンチングなどにより設ける。
【0041】次に、Ag系導電性ペーストを、印刷によ
り上述の貫通孔内に充填する。同時に、絶縁層1a〜1
dとなるグリーンシート上に、内部配線3となる導体
を、Ag系導電性ペーストを用いて、所定パターンにス
クリーン印刷を行い、乾燥して形成する。
【0042】また、絶縁層1aどなるグリーンシート上
に、表層配線2となる導体膜を上述の表層配線用Ag系
導電性ペーストを用いて、所定パターンにスクリーン印
刷を行い、乾燥して形成する。
【0043】このようにして得られた各グリーンシート
を絶縁層1a〜1dの積層順序に応じて、圧着積層して
グリーンシート積層体を形成する。
【0044】その後、必要に応じて、グリーンシート積
層体の裏面側に、表層配線2となる導体膜を、表層配線
用Ag系導電性ペーストを用いて、所定パターンにスク
リーン印刷を行い、乾燥して形成する。
【0045】次に、グリーンシート積層体を酸化雰囲気
中で一体的に焼成処理を行う。具体的には、焼成処理
は、昇温過程で600℃前後まで、グリーンシート積層
体に含まれる有機成分が焼失除去され、また、950℃
前後で焼結反応が完了する。この焼結反応によって、グ
リーンシートに含まれるガラス粉末は、セラミック粉末
の粒堺で所定結晶相のガラスとなり、また、内部配線3
となる導体膜及びビアホール導体4となる導体、表面配
線2となる導体は、Agの焼結反応し、絶縁層との強固
な接合が達成される。
【0046】その後、必要に応じて、表面配線2に接続
するように厚膜抵抗体膜を焼き付け形成したり、絶縁保
護膜を被覆したりして、最後に、各種電子部品5を半田
6により接合する。具体的には、電子部品5か搭載され
る表面配線2の所定位置に、クリーム状半田を塗布し、
各種電子部品5を搭載し、230℃前後の熱処理を行う
リフロー炉に投入して、半田接合を行う。
【0047】上述の製造工程において、特に、絶縁層1
a〜1dとなる積層体1と一体的に焼成する少なくとも
内部配線3、ビアホール導体4、さらに上述の構造では
表面配線2には、Agを主成分とする金属成分に対し
て、少なくとも中空状シリカを含有させている。
【0048】この中空状シリカは、シリカを生成する際
に遠心分離処理などを行う、シリカの内部又は表面に空
隙を形成したものである。この中空状シリカをAg系ペ
ーストの一部に添加しているので、積層体基板1と内部
配線3やビアホール導体4とが一体的に焼成される際
に、積層体基板1側の熱膨張の挙動と、内部配線3やビ
アホール導体4側の熱膨張の挙動を近似させることがで
きる。これは、内部配線3やビアホール導体4側で顕著
となる熱膨張を、中空状シリカの空隙部分で吸収してし
まう。これより、積層体基板1側に及ぼす熱膨張による
応力を緩和している。その結果、内部配線3やビアホー
ル導体4の剥がれやその周囲に発生するクラックを防止
できる。また、焼成後の熱負荷による導体膨張が起こる
が、これも中空状シリカの空隙部分で吸収でき、積層体
基板への熱応力を緩和することができ、基板のクラック
発生を防止することができる。
【0049】また、中空状シリカの平均粒径を1〜3μ
mが望ましい。これは、Ag粉末に近似させて、ペース
ト化を容易すること、また、導体の導電率を考慮したも
のである。
【0050】その添加量を金属成分100重量部に対し
て0.2〜15.0wt%としたのは、中空状シリカが
0.2wt%未満では内部配線3やビアホール導体4の
熱膨張率の低下及び焼成終了段階での熱応力緩和が十分
に行われないため、積層体基板1とこれらの導体との間
が剥がれが発生したり、積層体基板1の導体の周囲にク
ラックが発生してしまい、中空状シリカを添加したこと
による作用が充分に得られないためである。
【0051】また、15.0wt%を越えると、内部導
体3やビアホール導体4の抵抗率が大きくなり過ぎて、
低抵抗のAg粉末を用いた効果を失ってしまう。
【0052】尚、本発明においては、導体特性に悪影響
を及ぼさない範囲でSiO2 、CaO、MgO、V2
5 等を主成分とするガラス成分を添加含有しても良く、
この場合さらに熱膨張率の低下が可能となる。特にV2
5 を添加することによって積層体基板材料とのアンカ
ー効果によってその接着強度を向上させることもでき
る。
【0053】尚、上述の多層回路基板は、積層体基板材
料と内部導体( 内部配線3 及びビアホール導体4)との同
時焼成の他に、表面配線導体2 も同時焼成しているが、
例えば、表面配線導体2にCu系材料を用い、焼成され
た積層体基板1の表面に別途焼き付けを行っても構わな
い。
【0054】基板材料においては、Ca、Mg、Ti、
Al等の酸化物を含有した無機物フィラーを用いて構わ
ない。
【0055】
【実施例】先ず、平均粒径1〜3μmのAg粉末、中空
状シリカ、V2 5 の各原料粉末を表1に示す量となる
ように秤量し混合した後、得られた混合物に対し、ビヒ
クルとしてエチルセルロース等の有機バインダーをペン
タジオールイソブレート等の有機溶剤に溶解したもの及
び分散剤を加え、3本ロールミルを使用して充分混合し
た。さらに、上記ペンタジオールイソブレート等の有機
溶剤を用いて粘度を調整し、求める導電ペーストを得
た。
【0056】次に基板材料を作成するにあたり、原料と
して純度99%以上のMgTiO3、CaTiO3 の各
原料粉末を適量秤量し、該原料粉末に媒体として純水を
加えて24時間、ZrO2 ボールを用いたボールミルに
て混合した後、該混合物を乾燥し、次いで該乾燥物を大
気中1200℃の温度で1時間仮焼した。
【0057】得られた仮焼物にB2 3 、Li2 CO3
等の粉末を添加し、上記ボールミルにて24時間、混合
した後、アクリル酸系のバインダー、可塑剤等を加えて
からドクターブレード法にてグリーンシートを得た。
【0058】このグリーンシートには所定径のビアホー
ルをパンチングによって形成し、上記導電ペーストをこ
のビアホールに充填した。また、グリーンシート上には
Ag系の導電ペーストを印刷し、各グリーンシートを積
層一体化してから大気中で焼成した。
【0059】こうして得られたセラミック焼成物に形成
されるビアホール導体の剥がれ、抵抗率、基板のクラッ
クを調べた。
【0060】
【表1】
【0061】表1によれば、本発明の導電ペーストは金
属粉末100重量部に対して中空状シリカ0.1〜1
5.0wt%を含有することによって、導体の抵抗率を
下げることなく(判定基準は1.80 μΩcm以下を良好と
した。)基板と導体の剥がれ、基板のクラック発生を起
こさない良好な多層回路基板を得ることができる。
【0062】尚、上述の説明では、多層回路基板で説明
したが、実施例のように、比誘電率εを高めた多層基板
にも適用できることはもちろんのこと、誘電率を高めた
誘電体層1a〜1dの層間に、内部導体として内部容量
電極を形成して、多層基板の全部または一部にコンデン
サ成分が発生する積層コンデンサとしてもよい。さら
に、内部配線3をマイクロストリップラインやグランド
パターンとして、誘電体層の誘電率を基板材料で調整し
て、積層共振部品としても構わない。
【0063】
【発明の効果】以上のように、低温焼成多層基板によれ
ば、800〜1000℃で焼成可能なガラス−無機物フ
ィラーからなる誘電体シートで構成される積層体の内部
に、少なくとも中空状シリカを含有するAg系導体を配
置したため、基板材料との同時焼成しても、基板材料と
内部導体の剥がれ、内部導体の周囲の基板部分でのクラ
ックの発生がなく、良好な低温焼成多層基板となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の低温焼成多層基板の一例である多層回
路基板の断面図である。
【符号の説明】
1・・・積層体 2・・・表面配線導体 3・・・内部配線導体 4・・・ビアホール導体

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】800〜1000℃で焼成可能なガラス成
    分と無機物粉粒物からなる誘電体シートを複数積層した
    積層体の内部に、Ag系金属成分と中空状シリカを含む
    Ag系導電性ペーストの焼成によって形成した内部導体
    を具備してなる低温焼成多層基板。
  2. 【請求項2】前記Ag系導電性ペーストは、Ag系金属
    成分100重量部に対して、0.1〜15重量%の中空
    状シリカを含んでいることを特徴とする請求項1記載の
    低温焼成多層基板。
JP32680797A 1997-11-27 1997-11-27 低温焼成多層基板 Withdrawn JPH11163535A (ja)

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JP (1) JPH11163535A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6710263B2 (en) 2000-02-28 2004-03-23 Renesas Technology Corporation Semiconductor devices

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