JPH11162401A - 金属蒸気放電灯用封入物 - Google Patents

金属蒸気放電灯用封入物

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JPH11162401A
JPH11162401A JP34187797A JP34187797A JPH11162401A JP H11162401 A JPH11162401 A JP H11162401A JP 34187797 A JP34187797 A JP 34187797A JP 34187797 A JP34187797 A JP 34187797A JP H11162401 A JPH11162401 A JP H11162401A
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gallium
vapor discharge
discharge lamp
lamp
metal
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Shinichi Endo
真一 遠藤
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Iwasaki Denki KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガリウムの放射を利用した金属蒸気放電灯に
おいて、ガリウムの封入量の精度を向上させ、更にラン
プの製造において生産性を向上させることの可能な金属
蒸気放電灯用封入物を提供する。 【解決手段】 発光管に水銀,希ガス,ハロゲン,及び
ガリウムを発光物質として封入してなる金属蒸気放電灯
の製造に用いる封入物において、ガリウムは、バナジウ
ム,ニオブ,ネオジウムからなる一群の中から少なくと
も一種類以上の元素をガリウム金属中に含有したもので
構成する。これにより、ガリウムの熱的な安定性が向上
し、封入精度を向上させる封入物が得られる。また、上
記封入物のハロゲン及びガリウムを、上記元素を含有す
る金属ガリウムの粉末とハロゲンの金属化合物の粉末と
を圧粉成形してペレット化する。これにより封入精度を
向上させランプ特性を安定化させることができると共
に、ランプ製造上封入物の操作性がよくなり生産性の向
上が図れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、光化学反応用光
源として、主に製版焼付用装置に使用される金属蒸気放
電灯の製造に用いられる封入物に関する。
【0002】
【従来の技術】光化学反応用光源は、多くの産業に使用
されている。例えば、印刷分野では感光性インキや塗料
を印刷物に塗り、これに紫外線(短波長の可視光線も作
用する)を照射することで、インキや樹脂の化学反応を
起こし、乾燥、硬化させることができる。更に、ポジフ
ィルムを利用して、光の照射、非照射部をつくり、感光
剤にパターンを形成すると版ができるので、この原理を
利用した製版焼付装置(殖版機と呼ばれている)が市販
されている。殖版機の光源には、水冷式超高圧水銀ラン
プ、キンセノンランプ、メタルハライドランプなど様々
なランプが使用されているが、その中でも光化学反応に
有効な光の放射効率が優れていることから、主にメタル
ハライドランプが使用されている。
【0003】光化学反応においては、感光剤の感度にあ
った波長の光を照射することが効率の点で重要である。
殖版機に用いられる被照射物には、アルミニウムの薄板
に感光剤が塗布された物(感光性樹脂板、商品名:PS
版)が用いられ、感光剤は 400nm〜450nm の波長の光を
吸収して光化学反応を起こすので、殖版機用メタルハラ
イドランプには発光物質としてガリウムが封入され、 4
00nm〜450nm の光を効率よく放射するようになってい
る。
【0004】従来、ガリウムの放射を利用した金属蒸気
放電灯としては、特公昭52−314号公報、特公昭5
5−29647号公報が先行技術として知られている。
そして、前記各公報開示の先行技術では、専ら金属蒸気
放電灯の寿命特性の改善、放射効率の向上に関して探求
がなされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記公報に
開示されているような金属蒸気放電灯を実際に製造しよ
うとする場合、以下のような問題点があることが明らか
になった。すなわち、発光管内に封入するガリウムは、
高純度のものが容易に入手できる利点があるが、その融
点は約29℃であり、常温付近にある。そのため、夏期や
室温の高い条件下ではガリウムは溶融し、秤量や発光管
への封入作業が困難になる欠点がある。雰囲気温度を常
に融点以下に保持した環境で作業すれば、ガリウムを正
確に秤量することはできるが、発光管への封入時には、
一旦約1000℃に加熱されて管内の吸着ガスを排気した
後、放置冷却された封体に接続されている排気管や投入
のためのロート、加熱炉等まで、ガリウムの融点以下で
管理するのは現実的に極めて困難である。また、金属ガ
リウムの溶融を避けるために、ガリウム自体を冷却しす
ぎると、発光管への封入時に大気中の水分がガリウムの
表面で結露し、ランプ内に持ち込まれ、これが不純ガス
となって金属蒸気放電灯の始動特性に悪影響を及ぼす問
題となる。
【0006】更に、上記特公昭52−314号公報に記
載されているように、寿命特性が安定した金属蒸気放電
灯を得るために、ガリウムをハロゲンに対して化学当量
よりも過剰に添加する必要があるが、これは点灯中にガ
リウムが不活性な物質に変化することによる遊離ハロゲ
ンの発生を抑制するためである。
【0007】ハロゲン化ガリウムの蒸気を利用する金属
蒸気放電灯を製造するためには、ハロゲンを水銀の化合
物としガリウムを単体で封入するか、あるいはハロゲン
化ガリウムと水銀とハロゲンに対して過剰のガリウムを
単体で発光管内に投入する手法があるが、いずれの場合
もガリウムを単体で扱う必要が生じ、上述した問題を回
避できない。
【0008】ガリウムが排気管やロートに付着して封入
される量が一定でなくなると、ランプのスペクトルや寿
命特性が不安定になってしまう問題がある。この問題の
中には、発光物質であるガリウムの封入量が少なくなっ
た場合に、前述した過剰のガリウム分が不足して寿命特
性が悪化する問題、及び放電に必要なガリウム密度が得
られず安定した発光スペクトルを放射できなくなる問題
と、ガリウムの封入量が多くなった場合(一旦ガリウム
がロートに付着し、次に封入されるランプにおいて何ら
かのきっかけで付着したガリウムが脱落して規定量より
多く封入されてしまう場合や、ガリウムとハロゲン化物
の粉末をプレスする時に型にガリウムが付着し、次回プ
レスする時に規定量より多くガリウムが混入されてしま
う場合)に、ガリウムの封入量が過多になるため、ガリ
ウムは発光管の最冷部である溶接部の隙間にたまり、モ
リブデン箔と作用してシール部のクラックを発生させて
ランプの寿命を短くする問題がある。
【0009】本発明は、従来のガリウムの放射を利用し
た金属蒸気放電灯における上記問題点を解決するために
なされたもので、ガリウムの封入量の精度を向上させ更
にランプの製造において生産性を向上させることの可能
な金属蒸気放電灯用封入物を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め、請求項1記載の発明は、透光性容器からなる発光管
に、水銀,希ガス,ハロゲン,及びガリウムを発光物質
として封入してなる金属蒸気放電灯の製造に用いる封入
物において、前記ガリウムは、バナジウム,ニオブ,ネ
オジウムからなる一群の中から少なくとも一種類以上の
元素をガリウム金属中に含有したもので構成するもので
ある。このようにガリウムに微量の上記元素を含有させ
ることにより、ガリウムの熱的な安定性が向上し、封入
精度を向上させることの可能な封入物を得ることができ
る。
【0011】また、請求項2記載の発明は、前記封入物
中のハロゲン及びガリウムは、バナジウム,ニオブ,ネ
オジウムからなる一群の中から少なくとも一種類以上の
元素を含有する金属ガリウムの粉末と、ハロゲンの金属
化合物の結晶の粉末とを混合し、圧粉成形してペレット
状に構成するものである。このように封入ハロゲン及び
ガリウムをペレット化することにより、封入精度を向上
させることができるためランプの特性を安定化させるこ
とができると共に、ランプの製造上封入物の操作性がよ
くなるため生産性の向上を図ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、実施の形態について説明す
る。まず、本発明に係る金属蒸気放電灯用封入物を用い
る金属蒸気放電灯の構成例を図1に基づいて説明する。
この構成例の金属蒸気放電灯は、石英ガラス製の発光管
1の両端に、タングステン等の高融点金属からなる一対
の電極2を備えている。そして発光管1には、水銀と希
ガスとハロゲンとガリウムが封入されている。電極2に
は、モリブデン箔3の一端が接続されており、モリブデ
ン箔3の他端には外接リード線4が接続されていて、発
光管1の外部から電力が供給されると両端の電極2,2
間で放電し、水銀及びガリウムのハロゲン化物の蒸気が
プラズマとなって励起し、主に 400nm〜450nm の光を放
射するようになっている。
【0013】発光管1の寸法は、内径が19mmで電極間距
離は 232mmであり、 100mgの水銀,18mgのヨウ化水銀,
微量のニオブを含有した2mgのガリウム,40kPa のキ
セノンガスが封入されている。電極2は、直径 1.5mm,
長さ20mmのトリエーテッドタングステンの芯棒に、直径
0.8mmのタングステンワイヤーが巻き付けられて構成さ
れている。モリブデン箔3は、幅5mm,長さ20mm,厚さ
35μmの両縁がナイフエッジ加工されたガラス封着用箔
で、発光管端部の石英ガラスで封止されシール部を形成
している。モリブデン箔3の他端には直径2mmのタング
ステン製の外接リード線4が接合されている。
【0014】発光管1の内容積は65.8cm3 で、発光管1
に封入する添加物については、ヨウ素密度が5×10-7 m
ol/cm3 で、水銀以外の金属元素とヨウ素元素の比は
0.4:1となるように設計されている。ガリウム(Ga
)は発光管内でヨウ素(I)と反応してヨウ化ガリウ
ム(GaI3 )となるから、この構成例の場合、効率よく
寿命末期まで安定な紫外線出力を得るため、ヨウ素に対
して当量(1/3=0.33)より過剰に封入される。この
ガリウムの添加量は、点灯中にガリウムが酸化物など不
活性な物質に変化してしまう量と発光に必要な量を総計
したものであり、ランプの形状や出力によっても変わる
設計値である。
【0015】このように構成された金属蒸気放電灯は、
両端の外接リード線4に安定器を介して電力が供給され
て点灯する。ランプの安定点灯時には、ランプ電力6k
W,ランプ電圧 400V,ランプ電流16Aで点灯される。
【0016】次に、上記構成の金属蒸気放電灯の発光管
の製造に用いる本発明に係る封入物の第1の実施の形態
について説明する。発光管に封入されるガリウムは、本
発明においては、予めバナジウム,ニオブ,ネオジウム
の一群からなる金属元素が微量含有されている金属ガリ
ウムで構成されており、この実施の形態では、ニオブを
0.01%(重量比)含有するガリウムで構成されている。
このニオブ含有の金属ガリウムは、16メッシュ(粒径約
1mm)の粉末状のものである。これ以上細かいと、秤量
及び封入作業の困難さを増すばかりでなく、精度も落ち
て安定したランプ特性を得られなくなる。ガリウムに0.
01%のニオブを含有させると、常温に対して十分余裕が
ある約 200℃まで融点が上がって、作業時の雰囲気温度
を管理しなくても良くなると共に、粉末状にするための
削り加工が容易になる。なお、ニオブの含有量が5%を
こえると、ランプ点灯中、解離したニオブが発光管の内
面に付着する量が増大し、発光管の透過率を低下させる
ため好ましくない。ニオブ含有ガリウムの封入量は、ニ
オブ含有ガリウム中のガリウムの量が、純粋なガリウム
を封入する場合と同量になる量にすればよい。含有量が
1%以下の微量である場合には、封入添加量の算出時に
は含有金属(ニオブ)の量をほとんど無視できる。また
含有金属の一群(バナジウム,ニオブ,ネオジウム)
は、ガリウムを主発光物質として利用する金属蒸気放電
灯中に添加しても、蒸気圧が低くほとんど発光しない金
属であり、且つガリウムと合金をつくる金属から実験的
に選択されたものである。なお、同時に封入する水銀や
ヨウ化水銀は従来通りのものを使用すればよい。
【0017】次に、本発明に係る金属蒸気放電灯用封入
物の第2の実施の形態について説明する。この実施の形
態においても、含有元素としてニオブを0.01%含有する
金属ガリウムを用いて構成するものである。まず、上記
ニオブ含有ガリウムの微粉末をふるいにかけ、粒径が約
100μm(75μm〜 150μm)の粉末を得る。これは、
200メッシュ(75μmパス)のふるいの上に 100メッシ
ュ( 150μmパス)のふるいを重ねて粉末を分級するこ
とによって、 200メッシュのふるいの上に75μm〜 150
μmの粉末が容易に得られる。また、これとは別にヨウ
化ガリウムの結晶を用意し、瑪瑙乳鉢上ですりつぶして
ニオブ含有ガリウム粉末と同様にふるいにかけて分級
し、約 100μm(75μm〜 150μm)の粉末を得る。な
お、上記ニオブ含有ガリウム粉末の熱的な安定性は、第
1の実施の形態と同じである。
【0018】次に、これらの粉末を混合する。この際、
分級されたニオブ含有ガリウム粉末とヨウ化ガリウムの
粉末とを、重量比で 2.5%,97.5%の比率でV形混合機
に入れ混合する。混合された粉末は、ガリウム原子とハ
ロゲン原子の比率が 0.4:1になる。この混合粉末を上
記金属蒸気放電灯の封入物とするため、内径 1.2mm,深
さ 3.0mmのプレス機の型に投入振り込み、プレス機に1
kg/cm2 の圧力をかけて粉末をプレスする(圧粉成
形)。その後、型から押し出すと、直径 1.2mm,長さ
1.0mm,質量12.4mgの円筒状の封入物が得られる。この
ような手法で製造された封入物をペレットと呼ぶ。
【0019】次に、本発明に係る金属蒸気放電灯用封入
物の第3の実施の形態について説明する。この実施の形
態においても、含有元素としてニオブを0.01%含有する
金属ガリウムを用いてペレット化した封入物を構成する
ものである。すなわち、ニオブ含有ガリウムの微粉末を
ふるいにかけ、粒径が約 100μm(75μm〜 150μm)
の粉末を得る。これは、 200メッシュ(75μmパス)の
ふるいの上に 100メッシュ( 150μmパス)のふるいを
重ねて粉末を分級することによって、 200メッシュのふ
るいの上に75μm〜 150μmの粉末が容易に得られる。
また、これとは別にヨウ化水銀の結晶を用意し、瑪瑙乳
鉢上ですりつぶしてニオブ含有ガリウム粉末と同様にふ
るいにかけて分級し、約 100μm(75μm〜 150μm)
の粉末を得る。ここで説明したニオブ含有ガリウム粉末
の熱的な安定性は、第1の実施の形態と同じである。な
お、純粋なガリウムの粉末を同様に混合し、ペレット化
しようとしてプレスしたとしても、ガリウムはプレス時
の圧力と摩擦熱によって溶融し、型に付着したり、型か
ら流れ出てしまい、重量や組成の安定したペレットを作
ることができない。
【0020】次に、これらの粉末を混合する。この際、
分級されたニオブ含有ガリウム粉末とヨウ化水銀の粉末
とを、重量比で10%,90%の比率でV形混合機に入れて
混合する。混合された粉末は、ガリウム原子とハロゲン
原子の比率が 0.4:1になる。この混合粉末を上記金属
蒸気放電灯の封入物とするため、内径 1.2mm,深さ 4.0
mmのプレス機の型に投入振り込み、プレス機に1kg/cm
2 の圧力をかけて粉末をプレスする(圧粉成形)。その
後、型から押し出すと、直径 1.2mm,長さ 1.3mm,質量
20mgの円筒状の封入物(ペレット)が得られる。ちなみ
にペレット中のヨウ素,ガリウムの量は、第2の実施の
形態で説明した量と同じである。
【0021】以上説明した3つの実施の形態のいずれの
封入物を用いても、発光管内に設計値通りの封入量を投
入することができるが、第2,第3の実施の形態に示す
ように封入物をペレット化することにより、個々の発光
管毎に各種封入物を精密に秤量しなくても、±5%の精
度でバラツキの少ない封入量を得ることができ、また、
混合比も一定となるので、ランプの特性が安定する。更
に、ガリウムが熱的に安定になるので、金属ハロゲン化
物や金属の粒が秤量器具に付着することがなく、操作性
並びに生産性が向上する。
【0022】次に、本発明に係る金属蒸気放電灯用封入
物の効果を確認するため、ガリウム中に含有させる各種
元素と含有濃度について、表1,2に示すような組成の
粉末を作成し、熱的な特性とランプ特性を調べた結果を
表1,2に示す。なお、含有元素を含まない従来の封入
物の特性も合わせて示す。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】上記表1,2に示したガリウムに含有させ
る金属種と濃度とそれらを使用して各5本試作したラン
プの諸特性の調査結果において、熱的安定性について
は、粉末化した元素含有ガリウムの融点を測定し、封入
工程の設備の関係や、作業雰囲気に対して余裕のある水
準から 150℃以上を○とし、それ未満を×として示し
た。初期光量については、 400〜450nm の放射エネルギ
ーの平均値で、従来のランプを 100%としたときの相対
値で示している。初期バラツキについては、試作ランプ
の初期光量のバラツキ範囲がその平均値に対して20%以
上の場合を×、それ以内の場合を○として示した。
【0026】ガリウム中の含有金属濃度が低いと、ガリ
ウムの粉末の熱的安定性が低くなるので、ガリウムの封
入精度が悪くなり、初期バラツキが大きくなる。また、
含有金属濃度が高くなりすぎると、点灯中含有金属は発
光管の壁面に付着して発光管の透過率を低下させるため
に、初期の光量が低下する影響を及ぼす。
【0027】図2は、本発明に係るニオブを含有するガ
リウムの粉末を用いて作成したペレットを封入して製造
した金属蒸気放電灯と、従来の封入物の封入方法により
製造した金属蒸気放電灯とにおいて、 400〜450nm の光
出力の初期値に対する経時変化を測定した結果を示す図
である。図中実線は本発明による金属蒸気放電灯の特
性、破線は従来の金属蒸気放電灯の特性をそれぞれ示し
ている。従来の金属蒸気放電灯のうち、破線aは約 800
時間の点灯時間でシール部クラックのため不点となって
しまったランプの一例である。このランプの寿命試験
後、発光管内のガリウム封入量を分析したところ、設計
封入量( 100%)に対して85%も多いガリウムが検出さ
れた。これにより、破線aは従来の封入物の封入方法の
欠点により、ランプにガリウムが多く( 185%)封入さ
れてしまった寿命特性を示していることになる。破線b
は、本発明による金属蒸気放電灯と同等の寿命特性を示
している。このランプの寿命試験後、発光管内のガリウ
ム封入量を分析したところ、設計封入量に対して95%
(−5%)のガリウムが検出された。破線cは相対光出
力の維持特性が悪いランプの一例である。このランプの
寿命試験後の発光管内のガリウム封入量は、設計封入量
の47%しか検出されず、点灯に伴いガリウムが電極や石
英発光管と反応したり、シール部溶接点付近でモリブデ
ン箔と反応したりして、次第にガリウムの蒸気圧が低く
なったために、 400〜450nm のスペクトルが効率よく放
射されなくなり寿命特性が悪化した例である。一方、本
発明による実線で示した3本の金属蒸気放電灯のガリウ
ム封入量は、寿命試験後それぞれ設計封入量の 105%,
102%,96%が検出され、バラツキの少ないことが確認
された。
【0028】以上のように、図2から明らかな如く、本
発明による金属蒸気放電灯の光出力の経時変化は小さ
く、これに対して従来の金属蒸気放電灯の出力の変化は
極めて大きい。これは、上記のように従来のランプはガ
リウムの封入量の精度が悪かったためプラズマ中のガリ
ウムの濃度が低くなったり、逆に多く封入されてしまっ
たりして不点となるためである。
【0029】上記実施の形態においては、ニオブを含有
するガリウムについて説明してきたが、このほかバナジ
ウム,ネオジウムあるいはニオブとネオジウムとの混合
物を含有するガリウムについても、ニオブを含有するガ
リウム粉末と同様に扱えるため、表1,2に示したと同
様な特性が得られる。また、上記実施の形態について
は、ハロゲン化物としてヨウ化物を用いたものを示した
が、臭化物,塩化物などの他のハロゲン化物を用いてペ
レットを形成した場合も同様な特性が得られる。
【0030】
【発明の効果】以上実施の形態に基づいて説明したよう
に、請求項1記載の発明によれば、ガリウムに微量元素
を含有させているので、ガリウムの熱的な安定性が向上
するため封入精度を向上させることの可能な封入物を得
ることができる。また、請求項2記載の発明によれば、
封入ハロゲン及びガリウムをペレット状に形成している
ので、封入精度を一層向上させることができ、ランプの
特性を安定化させることができると共に、ランプの製造
上封入物の操作性がよくなるため生産性の向上を図るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る金属蒸気放電灯用封入物を用いる
金属蒸気放電灯の構成例を示す図である。
【図2】本発明に係るペレット状封入物を封入して製造
した金属蒸気放電灯と従来の製法による金属蒸気放電灯
における 400〜450nm の光出力の相対値の経時変化を示
す図である。
【符号の説明】
1 発光管 2 電極 3 モリブデン箔 4 外接リード線

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透光性容器からなる発光管に、水銀,希
    ガス,ハロゲン,及びガリウムを発光物質として封入し
    てなる金属蒸気放電灯の製造に用いる封入物において、
    前記封入物中のガリウムは、バナジウム,ニオブ,ネオ
    ジウムからなる一群の中から少なくとも一種類以上の元
    素をガリウム金属中に含有したもので構成されているこ
    とを特徴とする金属蒸気放電灯用封入物。
  2. 【請求項2】 前記封入物中のハロゲン及びガリウム
    は、バナジウム,ニオブ,ネオジウムからなる一群の中
    から少なくとも一種類以上の元素を含有する金属ガリウ
    ムの粉末と、ハロゲンの金属化合物の結晶の粉末とを混
    合し、圧粉成形してペレット状に構成されていることを
    特徴とする請求項1記載の金属蒸気放電灯用封入物。
  3. 【請求項3】 前記金属ガリウムに含有する元素はバナ
    ジウムであり、金属ガリウムに対する該含有バナジウム
    の濃度は、重量比で 0.1%以上5%以下であることを特
    徴とする請求項1又は2記載の金属蒸気放電灯用封入
    物。
  4. 【請求項4】 前記金属ガリウムに含有する元素はニオ
    ブであり、金属ガリウムに対する該含有ニオブの濃度
    は、重量比で0.01%以上5%以下であることを特徴とす
    る請求項1又は2記載の金属蒸気放電灯用封入物。
  5. 【請求項5】 前記金属ガリウムに含有する元素はネオ
    ジウムであり、金属ガリウムに対する該含有ネオジウム
    の濃度は、重量比で2%以上10%以下であることを特徴
    とする請求項1又は2記載の金属蒸気放電灯用封入物。
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KR101440445B1 (ko) * 2012-07-27 2014-09-15 이와사키 덴끼 가부시키가이샤 롱 아크형 메탈할라이드 램프

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